JP3876110B2 - 車両用衝突判定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突を判定する車両用衝突判定装置に係り、特に、車両の側面に対する衝突を判定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平11−321548号公報に開示された衝突判定装置のように、車両の側面からの衝突を判定するために、車両の側方に加わる加速度を検出する複数の加速度センサを車両の内部に配置して、各加速度センサからの出力を所定時間について区間積分して、これらの区間積分値が所定の各閾値を超えた場合に衝突と判定して、例えばエアバックやシートベルト・プリテンショナ等の点火装置を起動して、エアバックを膨張させると共に、シートベルトを巻き込んで乗員を保護する衝突判定装置が知られている。
この衝突判定装置では、加速度センサの出力の区間積分値が所定の下限閾値と上限閾値との間に停滞する時間が所定の閾時間を超える場合は、緩慢な車両移動を引き起こす斜め側方衝突と判定し、急激な車両移動を引き起こすほぼ真横からの側面衝突と区別して衝突判定を行っている。
そして、この斜め側方衝突の判定は、車両の中央部又は側部の何れかに配置され、衝突発生箇所の近傍に位置する加速度センサの出力の区間積分値に基づいて行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両の側面衝突において、例えばタイヤのホイール等のように車両本体に比べて相対的に剛性が高い部分に低速の衝突が生じた場合には、車両側面の変形はほとんど起こらずに車両の横移動が発生する。この場合、低速の衝突であるから車両内の乗員の慣性移動は小さく、さらに、車両側面が変形したとしても乗員に向かう変位は小さいため、エアバックやシートベルト・プリテンショナ等の乗員保護装置を起動させる必要は無いと判断できる。
しかしながら、このような剛性が高い部分での低速衝突では、車両の各部に配置された加速度センサの出力の区間積分値は相対的に大きな変化を示し、車両側面が大きく変形して乗員保護装置を起動させた方が望ましい場合には、例えば車両本体に対する中速での側面衝突の場合等と類似した変化、或いは、これを上回るような変化を示す場合がある。このため、特に衝突発生からの短時間においては、車両の側部の高剛性部分での衝突と低剛性部分での衝突との両者を、明確に区別することが難しい場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車両の側面に対する衝突において、短時間で確実に衝突判定を行うことが可能な車両用衝突判定装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の車両用衝突判定装置(例えば、後述する実施の形態における車両用衝突判定装置10)は、車両の幅方向の略中央部に配置されて前記車両の前後方向と交差する方向に作用する加速度を検出する中央部加速度検出手段(例えば、後述する実施の形態における中央部加速度センサ21C)と、前記車両の側部に配置されて前記加速度を検出する複数の側部加速度検出手段(例えば、後述する実施の形態における右側部加速度センサ21R及び左側部加速度センサ21L)と、前記中央部加速度検出手段にて検出された中央部加速度(例えば、後述する実施の形態における中央部加速度信号GC)を、所定の第1の時間区間(例えば、後述する実施の形態における時間区間ΔT1)について区間積分する中央部加速度積分手段(例えば、後述する実施の形態における積分処理部24C)と、前記複数の側部加速度検出手段のうち、衝突発生箇所の近傍に位置する前記側部加速度検出手段にて検出された衝突部加速度(例えば、後述する実施の形態における衝突側加速度信号GS)を、所定の第2の時間区間(例えば、後述する実施の形態における時間区間ΔT2)について区間積分する衝突部加速度積分手段(例えば、後述する実施の形態における積分処理部24R又は積分処理部24L)と、前記中央部加速度積分手段にて算出された中央部区間積分値(例えば、後述する実施の形態における中央部区間積分値VC)と、前記衝突部加速度積分手段にて算出された衝突部区間積分値(例えば、後述する実施の形態における衝突側区間積分値VS)との、差分値(例えば、後述する実施の形態における差分ΔV)を算出する差分算出手段(例えば、後述する実施の形態における差分演算部14)と、前記衝突部加速度及び前記衝突部区間積分値及び前記差分値に基づいて衝突判定を行う衝突判定手段(例えば、後述する実施の形態における衝突判定部15)とを備えたことを特徴としている。
【0005】
上記構成の車両用衝突判定装置によれば、例えば、衝突側の側部に配置された加速度センサの出力の区間積分値と、車両の中央部に配置された加速度センサの出力の区間積分値との差に基づいて衝突判定を行うことで、エアバックやシートベルト・プリテンショナ等の乗員保護装置を起動すべきか否かを、的確に判定することができる。
例えば図1(a)に示した相対的に高速の側面衝突における速度変化を示す図のように、衝突側の側部に配置された加速度センサに対する速度変化(図1(a)に示す実線V1)が、車両の中央部に配置された加速度センサに対する速度変化(順に、図1(a)に示す点線V0)と比較して、大きく変化する場合には、乗員保護装置の起動を必要とする衝突が発生したと判定することができる。
さらに、例えば図1(b)に示した相対的に中速の側面衝突における速度変化を示す図のように、各加速度センサに対する速度変化が相対的に小さくなった場合であっても、衝突側の側部に配置された加速度センサに対する速度変化(図1(b)に示す実線V1)は、車両の中央部に配置された加速度センサに対する速度変化(順に、図1(b)に示す点線V0)よりも大きくなっていることから、乗員保護装置の起動を必要とする側面衝突が発生したと判定することができる。
【0006】
また、例えば図1(c)に示した剛性の高い位置での相対的に低速の側面衝突における速度変化を示す図のように、各加速度センサに対する速度変化が相対的に大きい場合であっても、衝突側の側部に配置された加速度センサに対する速度変化(図1(c)に示す実線V1)と、車両の中央部に配置された加速度センサに対する速度変化(順に、図1(c)に示す点線V0)とが、ほぼ同様な変化を示す場合は、加速度センサの配置位置に起因した速度変化の相違は小さくなる。従って、車両内部の異なる位置に配置された加速度センサに対する区間積分値の差を、車両の変形度合いを示すパラメータとして、所定の閾値、例えば剛性の高い位置での低速側面衝突を排除する程度の値を設定しておくことで、例えば乗員保護装置を起動させる必要のない車両の横滑り等の状態と、乗員保護装置を起動させる必要がある中速や高速での側面衝突の状態とを、短時間に容易かつ確実に識別して衝突判定を行うことができる。
【0007】
さらに、請求項1に記載の本発明の車両用衝突判定装置では、前記衝突判定手段は、前記衝突部加速度に対して設定された少なくとも1つ以上の所定の閾加速度(例えば、後述する実施の形態における閾加速度GTH、第1閾加速度GTH1及び第2閾加速度GTH2)を有し、前記衝突部加速度が前記所定の閾加速度を境に分割される複数の加速度領域の何れに位置するかを判定する衝突部加速度判定手段(例えば、後述する実施の形態における加速度比較部33、ステップS08、ステップS21,ステップS23)と、前記衝突部区間積分値及び前記差分値に対して、前記衝突部加速度判定手段による判定結果に応じて設定された複数の所定の閾衝突部区間積分値(例えば、後述する実施の形態における区間積分値α,ρ、第1〜第3区間積分値)及び閾差分値(例えば、後述する実施の形態における差分値β,ω,λ、第1〜第3差分値)を有し、前記衝突部区間積分値が前記所定の閾衝突部区間積分値を超えると共に前記差分値が前記所定の閾差分値を超えた場合、又は、前記衝突部区間積分値が前記所定の閾衝突部区間積分値を超えた場合、又は、前記差分値が前記所定の閾差分値を超えた場合に衝突と判定する判定手段(例えば、後述する実施の形態におけるステップS09,ステップS11,ステップS12,ステップS22,ステップS24,ステップS25)とを備えたことを特徴としている。
【0008】
上記構成の車両用衝突判定装置によれば、先ず、衝突部加速度の大きさによって発生した衝突モードを特定して、特定された各衝突モードに対して個別に設定された閾衝突部区間積分値及び閾差分値に基づいて衝突判定を行う。
この場合、各衝突モードに応じて、判定条件を、衝突部区間積分値及び差分値の双方が所定の閾値(つまり、閾衝突部区間積分値及び閾差分値)を超えた場合に設定しても良いし、或いは、衝突部区間積分値及び差分値の何れか一方が所定の閾値を超えた場合に設定しても良い。
これにより、先ず、衝突部加速度の大きさによって特定されただけの衝突モードに対して、衝突部区間積分値及び差分値に基づいて、より詳細に衝突モードを特定することができ、乗員保護装置の作動を適切に制御することができる。
【0009】
さらに、請求項1に記載の本発明の車両用衝突判定装置では、前記判定手段は、前記衝突部加速度が所定の閾加速度(例えば、後述する実施の形態における閾加速度GTH)よりも小さい場合であって、前記衝突部区間積分値が相対的に小さな閾衝突部区間積分値(例えば、後述する実施の形態における区間積分値α)を超えた場合、又は、前記差分値が相対的に小さな閾差分値(例えば、後述する実施の形態における差分値β)を超えた場合に衝突と判定し、前記衝突部加速度が所定の閾加速度(例えば、後述する実施の形態においては、閾加速度GTHが兼ねる)よりも大きい場合であって、前記差分値が相対的に大きな閾差分値(例えば、後述する実施の形態における差分値λ)を超えた場合に衝突と判定し、前記衝突部加速度が所定の閾加速度よりも大きい場合であって、前記衝突部区間積分値が相対的に大きな閾衝突部区間積分値を超えた場合(例えば、後述する実施の形態における区間積分値ρ)、かつ、前記差分値が、前記相対的に大きな閾差分値よりも小さく、所定閾差分値(例えば、後述する実施の形態における差分値ω)よりも大きい場合に衝突と判定することを特徴としている。
【0010】
上記構成の車両用衝突判定装置によれば、例えば緩慢な車両移動を引き起こすような、衝突部加速度が相対的に小さく、車両の側部変形が相対的に大きい場合には、相対的に小さな閾衝突部区間積分値又は閾差分値を超えた時点で乗員保護装置を起動させる。
一方、例えば急激な車両移動を引き起こすような、衝突部加速度が相対的に大きい場合には、相対的に大きな閾差分値を超えた時点で、車両の側部が大きく変形して乗員に向かい変位していると判断して、乗員保護装置を起動させる。ただし、相対的に大きな閾衝突部区間積分値を超える場合には、高速での衝突が起こっていると判断して、より小さな閾差分値を超えた時点で、乗員保護装置を起動させる。
これにより、衝突発生から短時間であっても、適切に乗員保護装置の起動を制御することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る車両用衝突判定装置ついて添付図面を参照しながら説明する。
図2は本発明の一実施形態に係る車両用衝突判定装置10の構成図であり、図3は図2に示す車両用衝突判定装置10の動作を示すブロック図である。
本実施の形態による車両用衝突判定装置10は、車両の略中央部に配置された中央部加速度センサ21Cを有する中央部処理部11と、互いに対向する車両の両側部のうち、一方の側部に配置された右側部加速度センサ21Rを有する右側部処理部12と、他方の側部に配置された左側部加速度センサ21Lを有する左側部処理部13と、差分演算部14と、衝突判定部15と、起動信号発生部16とを備えて構成されている。
【0012】
中央部処理部11は、中央部加速度センサ21Cと、A/D変換部22Cと、フィルタ処理部23Cと、積分処理部24Cとを備えて構成されている。
右側部処理部12及び左側部処理部13は、例えば同様の構成を有しており、順に、右側部加速度センサ21R,左側部加速度センサ21Lと、A/D変換部22R,22Lと、フィルタ処理部23R,23Lと、積分処理部24R,24Lと、基準データ生成部25R,25Lとを備えて構成されている。
各加速度センサ21C,21R,21Lは、車両の前後方向と交差する方向、例えば車両の左右方向に作用する加速度の大きさに応じた電圧レベルの中央部加速度信号GC,右側部加速度信号GR,左側部加速度信号GLを出力する。
【0013】
A/D変換部22C,22R,22Lは、例えばローパスフィルタ等からなり、各加速度センサ21C,21R,21Lから出力される各加速度信号GC,GR,GLをデジタル信号に変換して、新たに各加速度信号GC,GR,GLとして出力する。
フィルタ処理部23C,23R,23Lは、各A/D変換部22C,22R,22Lから出力される各加速度信号GC,GR,GLからノイズ成分である高周波成分を除去する。
積分処理部24C,24R,24Lは、各フィルタ処理部23C,23R,23Lから出力される各加速度信号GC,GR,GLを、所定の時間区間について積分して中央部区間積分値VC,右側部区間積分値VR,左側部区間積分値VLを算出する。
【0014】
差分演算部14は、中央部処理部11にて算出された中央部区間積分値VCと右側部処理部12にて算出された右側部区間積分値VRとの差分ΔVR、及び中央部区間積分値VCと左側部処理部13にて算出された左側部区間積分値VLとの差分ΔVLとを算出する。
衝突判定部15は、各加速度信号GC,GR,GLと、各区間積分値VC,VR,VLと、各差分ΔVR,ΔVLとに基づいて衝突判定を行う。
起動信号発生部16は、衝突判定部15での判定結果に応じて、例えばエアバックやシートベルト・プリテンショナ等の乗員保護装置を作動させるための起動信号を発生する。
【0015】
本実施の形態による車両用衝突判定装置10は上記構成を備えており、次に、この車両用衝突判定装置10の動作について添付図面を参照しながら説明する。図4は車両用衝突判定装置10の動作を示すフローチャートであり、図5は衝突判定処理において参照される各基準データを示すグラフ図である。
【0016】
先ず、図4に示すステップS01において、右側部処理部12の右側部加速度センサ21R及び左側部処理部13の左側部加速度センサ21Lの何れか一方であって、衝突発生箇所の近傍に位置する衝突側加速度センサから出力される衝突側加速度信号GSにフィルタ処理を行い、ノイズ成分である高周波成分を除去する。
なお、このフィルタ処理にて通過させる周波数は特に限定されるものではないが、例えば200Hz以下に設定され、より好ましくは100〜150Hz以下に設定されている。
【0017】
次に、ステップS02において、衝突側加速度信号GSが所定の加速度G0よりも大きいか否かを判定する。すなわち、図3に示す衝突側比較部31にて、衝突側加速度信号GSから所定の加速度G0を減算して得た値が、ゼロよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS01に進む。
一方、判定結果が「YES」の場合には、ステップS03に進み、フィルタ処理後の衝突側加速度信号GSを、所定の時間区間ΔT2について時間積分して、衝突側区間積分値VSを算出する。
【0018】
また、上述したステップS01〜ステップS03の処理とは独立して平行に、以下のステップS04〜ステップS06の処理を行う。
先ず、図4に示すステップS04において、中央部処理部11の中央部加速度センサ21Cから出力される中央部加速度信号GCにフィルタ処理を行い、ノイズ成分である高周波成分を除去する。
なお、このフィルタ処理にて通過させる周波数は、特に限定されるものではないが、例えば200Hz以下に設定され、より好ましくは100〜150Hz以下に設定されている。
【0019】
次に、ステップS05において、中央部加速度信号GCが所定の加速度G1よりも大きいか否かを判定する。すなわち、図3に示す中央側比較部32にて、中央部加速度信号GCから所定の加速度G1を減算して得た値が、ゼロよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS04に進む。
一方、判定結果が「YES」の場合には、ステップS06に進み、フィルタ処理後の中央部加速度信号GCを、所定の時間区間ΔT1について時間積分して、中央部区間積分値VCを算出する。
【0020】
そして、ステップS07において、衝突側区間積分値VSから中央部区間積分VCを減算して得た値を差分ΔVとする。
次に、ステップS08において、図3に示す加速度比較部33にて、衝突側加速度信号GSが所定の閾加速度GTHより大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS09に進み、図3に示す第1区間積分値比較部34及び第1差分比較部35にて、衝突側区間積分値VSが後述する所定の区間積分値αより大きいか否か、又は、差分ΔVが後述する所定の差分値βより大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS06に進む。
一方、判定結果が「YES」の場合には、ステップS10に進み、例えばエアバックやシートベルト・プリテンショナ等の乗員保護装置を作動させるための起動信号を出力して、一連の処理を終了する。
【0021】
一方、ステップS08での判定結果が「YES」の場合には、ステップS11に進み、図3に示す差分比較部36にて、差分ΔVが後述する所定の差分値λより大きいか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS10に進み、一連の処理を終了する。
一方、ステップS11での判定結果が「NO」の場合には、ステップS12に進み、図3に示す第2区間積分値比較部37及び第2差分比較部38にて、衝突側区間積分値VSが後述する所定の区間積分値ρより大きく、かつ、差分ΔVが後述する所定の差分値ωより大きいか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS10に進み、一連の処理を終了する。
一方、判定結果が「NO」の場合には、後述したステップS03に進む。
【0022】
なお、図5に示すように、所定の区間積分値α,ρは、例えばα<ρに設定され、所定の差分値β,ω,λは、例えばβ<ω<λに設定されている。
また、所定の加速度G0は、所定の閾加速度GTHに対して、GTH>G0に設定されている。
すなわち、ステップS08においては、例えば車両本体の相対的に低剛性部分に対する斜め側方衝突のように、緩慢な車両移動を引き起こす場合(ステップS08のNO側)であるか、或いは、例えば車両本体の相対的に高剛性部分に対する側面衝突のように、急激な車両移動を引き起こす場合(ステップS08のYES側)であるか否かを判定する。
【0023】
そして、緩慢な車両移動を引き起こす場合には、相対的に小さな区間積分値α又は差分値βを超えた時点で、乗員保護装置を起動させる。
一方、急激な車両移動を引き起こす場合であっても、衝突側区間積分値VSと中央部区間積分値VCとの差分ΔVが、所定の差分値λを上回るほどに大きい場合には、車両の側部が大きく変形して乗員に向かい変位していると判断して、乗員保護装置を起動させる。
ただし、衝突側区間積分値VSが、所定の区間積分値ρを上回るほどに大きい場合には、高速での衝突が起こっていると判断して、差分ΔVが、所定の差分値λよりも小さな差分値ωを超えた時点で、乗員保護装置を起動させる。
【0024】
上述したように、本実施の形態による車両用衝突判定装置10によれば、中央部区間積分値VCと衝突側区間積分値VSとの差分ΔV、及び衝突側区間積分値VSに基づいて衝突判定を行うため、例えば車両全体が横滑りするような場合であって乗員保護装置を起動させる必要がない場合と、例えば車両の側部が大きく変形して乗員に向かい変位するような場合であって乗員保護装置を起動させる必要がある場合とを、明確に判別することができ、衝突発生から短時間であっても、適切なタイミングで乗員保護装置を起動させることができる。
【0025】
なお、本実施形態においては、衝突側加速度信号GSに対して、1つの閾加速度GTHを設定したが、これに限定されず、例えば図6に示す本実施形態の車両用衝突判定装置10の動作の変形例を示すフローチャートのように、複数、例えば2つの第1閾加速度GTH1及び第2閾加速度GTH2を設定しても良い。
なお、以下において、上述した実施の形態と同一部分には同じ符号を配して説明を簡略又は省略する。
【0026】
この場合、所定の加速度G0は、各閾加速度GTH1,GTH2に対して、例えばGTH2>GTH1>G0に設定されている。
そして、図6に示すステップS07において、衝突側区間積分値VSから中央部区間積分値VCを減算して得た値を差分ΔVとした後に、ステップS21に進む。
ステップS21において、衝突側加速度信号GSが所定の第2閾加速度GTH2より大きいか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS22に進み、衝突側区間積分値VS及び差分ΔVを所定の第3区間積分値及び第3差分値と比較して、所定の条件を満たすか否かを判定する。
ステップS22での判定結果が「NO」の場合にはステップS06に進む。
一方、ステップS22での判定結果が「YES」の場合には、ステップS10に進み、乗員保護装置を作動させるための起動信号を出力して、一連の処理を終了する。
【0027】
また、ステップS21での判定結果が「NO」に場合には、ステップS23に進み、衝突側加速度信号GSが所定の第1閾加速度GTH1よりも大きく、かつ、所定の第2閾加速度GTH2よりも小さいか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS24に進み、衝突側区間積分値VS及び差分ΔVを所定の第2区間積分値及び第2差分値と比較して、所定の条件を満たすか否かを判定する。
ステップS24での判定結果が「NO」の場合にはステップS03に進む。
一方、ステップS24での判定結果が「YES」の場合には、ステップS10に進み、乗員保護装置を作動させるための起動信号を出力して、一連の処理を終了する。
【0028】
また、ステップS23での判定結果が「NO」に場合には、ステップS25に進み、衝突側区間積分値VS及び差分ΔVを所定の第1区間積分値及び第1差分値と比較して、所定の条件を満たすか否かを判定する。
ステップS25での判定結果が「NO」の場合にはステップS03に進む。
一方、ステップS25での判定結果が「YES」の場合には、ステップS10に進み、乗員保護装置を作動させるための起動信号を出力して、一連の処理を終了する。
【0029】
この場合は、衝突側加速度信号GSと、中央側区間積分値VCと衝突側区間積分VSとの差分ΔVと、衝突側区間積分VSとに対して、より詳細な判定基準によって衝突を判定することができ、例えばエアバックやシートベルト・プリテンショナ等の乗員保護装置を作動させるタイミングを、各種の衝突事象に応じて適切に設定することができる。
【0030】
なお、上述した本実施の形態においては、衝突側加速度信号GSに対する積分区間を時間区間ΔT2とし、中央部加速度信号GCに対する積分区間を時間区間ΔT1としたが、時間区間ΔT1と時間区間ΔT2との大小関係は、特に限定されず、例えばΔT1=ΔT2として、互いに等しい時間区間としても良い。
さらに、所定の加速度G0と加速度G1との大小関係は、特に限定されず、例えばG0=G1や、その他の関係であっても良い。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、衝突側の側部に配置された加速度センサの出力の区間積分値と、車両の中央部に配置された加速度センサの出力の区間積分値との差に基づいて衝突判定を行うことで、衝突発生から短時間であっても、エアバックやシートベルト・プリテンショナ等の乗員保護装置を起動すべきか否かを、的確に判定することができる。
さらに、請求項1に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、先ず、衝突部加速度の大きさによって特定されただけの衝突モードに対して、衝突部区間積分値及び差分値に基づいて、より詳細に衝突モードを特定することができ、乗員保護装置の作動を適切に制御することができる。
さらに、請求項1に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、衝突発生から短時間であっても、より一層、適切に乗員保護装置の起動を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は相対的に高速の側面衝突における速度変化を示す図であり、(b)は相対的に中速の側面衝突における速度変化を示す図であり、(c)は剛性の高い位置での相対的に低速の側面衝突における速度変化を示す図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る車両用衝突判定装置の構成図である。
【図3】 図2に示す車両用衝突判定装置の動作を示すブロック図である。
【図4】 図2に示す車両用衝突判定装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】 衝突判定処理において参照される各基準データを示すグラフ図である。
【図6】 本実施形態の車両用衝突判定装置の動作の変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 車両用衝突判定装置
14 差分演算部(差分算出手段)
15 衝突判定部(衝突判定手段)
21C 中央部加速度センサ(中央部加速度検出手段)
21R 右側部加速度センサ(側部加速度検出手段)
21L 左側部加速度センサ(側部加速度検出手段)
24C 積分処理部(中央部加速度積分手段)
24R,24L 積分処理部(衝突部加速度積分手段)
33 加速度比較部(衝突部加速度判定手段)
ステップS08,ステップS21,ステップS23(衝突部加速度判定手段)
ステップS09,ステップS11,ステップS12,
ステップS22,ステップS24,ステップS25(判定手段)
Claims (1)
- 車両の幅方向の略中央部に配置されて前記車両の前後方向と交差する方向に作用する加速度を検出する中央部加速度検出手段と、
前記車両の側部に配置されて前記加速度を検出する複数の側部加速度検出手段と、
前記中央部加速度検出手段にて検出された中央部加速度を、所定の第1の時間区間について区間積分する中央部加速度積分手段と、
前記複数の側部加速度検出手段のうち、衝突発生箇所の近傍に位置する前記側部加速度検出手段にて検出された衝突部加速度を、所定の第2の時間区間について区間積分する衝突部加速度積分手段と、
前記中央部加速度積分手段にて算出された中央部区間積分値と、前記衝突部加速度積分手段にて算出された衝突部区間積分値との、差分値を算出する差分算出手段と、
前記衝突部加速度及び前記衝突部区間積分値及び前記差分値に基づいて衝突判定を行う衝突判定手段とを備え、
前記衝突判定手段は、
前記衝突部加速度に対して設定された少なくとも1つ以上の所定の閾加速度を有し、前記衝突部加速度が前記所定の閾加速度を境に分割される複数の加速度領域の何れに位置するかを判定する衝突部加速度判定手段と、
前記衝突部区間積分値及び前記差分値に対して前記衝突部加速度判定手段による判定結果に応じて設定された、複数の所定の閾衝突部区間積分値及び閾差分値を有し、前記衝突部区間積分値が前記所定の閾衝突部区間積分値を超えると共に前記差分値が前記所定の閾差分値を超えた場合、又は、前記衝突部区間積分値が前記所定の閾衝突部区間積分値を超えた場合、又は、前記差分値が前記所定の閾差分値を超えた場合に、衝突と判定する判定手段とを備え、
前記判定手段は、
前記衝突部加速度が所定の閾加速度よりも小さい場合であって、前記衝突部区間積分値が相対的に小さな閾衝突部区間積分値を超えた場合、又は、前記差分値が相対的に小さな閾差分値を超えた場合に衝突と判定し、
前記衝突部加速度が所定の閾加速度よりも大きい場合であって、前記差分値が相対的に大きな閾差分値を超えた場合に衝突と判定し、
前記衝突部加速度が所定の閾加速度よりも大きい場合であって、前記衝突部区間積分値が相対的に大きな閾衝突部区間積分値を超えた場合、かつ、前記差分値が、前記相対的に大きな閾差分値よりも小さく、所定閾差分値よりも大きい場合に衝突と判定することを特徴とする車両用衝突判定装置。
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