JP3876706B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、熱交換器が冷却した空気の結露水を処理する空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気調和機は特許公開2001−906129号公報に示すような構成となっており、この概略構成の断面を図7に示す。
この図の如く、従来の空気調和機においては、空気調和機本体10内に、前面熱交換器2と背面熱交換器3が送風機1を囲むように設けられ、かつ、この空気調和機本体10の前面及び上面に設けられた前面吸込口10a及び上面吸込口10bから吸込んだ室内空気を前述の熱交換器2、3及び送風機1を順次通過させて、本体下面に設けられた下面吹出口10cから吹出すように風路4が設けられている。
【0003】
また更に、背面熱交換器3から滴下した結露水を回収するための背面ドレンパン11が背面熱交換器3の下部に設けられ、しかも、この背面ドレンパン11の前面側には、背面熱交換器3を通過した空気がスムースに流れ、送風機背面風路面の巻き始め部分で渦流が発生しないように、送風機背面風路面4bと背面熱交換器3の間に沿って渦流が発生しないように上方へ延出するように形成された渦流安定化部材20が設けられている。
【0004】
従って、このように渦流安定化部材20が上方へ延出したものにおいては、背面熱交換器3を通過した空気が下面吹出口10cへスムースに流れ、送風機背面風路面の巻き始め部4bの渦流が小さくなり、騒音は低下するものの、背面熱交換器3を通過した空気が下面吹出口10cへ余りにもスムースに流れるために、前面熱交換器2を通過した空気と混合しなくなるため、例えば、前面熱交換器と背面熱換器と間に温度差が生じたり、或いは、各熱交換器内の冷媒流れによる温度分布差が生じたりすると、送風機の回転方向に対して温度差が生じ、結果的に送風機に着露し、強いては水滴が下面吹出口10cから飛び出したりする。
【0005】
また、従来の他の先行技術例としては図8に示すようなものがある。
しかし、このようなもの、即ち、ドレンパン11を単純に伸ばしたものでは、背面熱交換器3から滴下する結露水は回収できるものの、渦流が生じて音が大きくなったり、また、各熱交換器内の冷媒流れによって温度分布差が生じたり、或いは、前面熱交換器2と背面熱換器3との間に温度差が生じたりした場合は、その温度差により送風機1に着露し、強いては水滴が下面吹出口10cから飛び出したりする。
【0006】
また、背面熱換器内の冷媒流れによって、背面熱換器3の上部が充分冷却され、除湿水で濡れた状態となり、下部が乾いた状態になると、上部から流れ落ちた除湿水(ドレン水)は表面張力の関係から余り下部へは流れず、風の流れに沿って直接背面熱換器3の前面側へ流れるようになるので、強いては送風機1に落下し、その結果、水滴が吹出口10cから吹出され、床を濡らすこととる。
【0007】
また、このような問題を解決するために、図9の如く、背面ドレンパン1の先端を送風機1の送風路に沿って単純に伸ばし、送風路の巻き始め位置が送風機の中心線上までくるようにしても良いが、そのようにすると、風路の吸込面積が小さくなり、風路抵抗が増大するので、前面熱交換器2の通過風速が速くなり、結果的に、図10に示すように、送風機1の翼枚数と回転数に依存した離散周波数騒音問題が起こる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の空気調和機では、風路内の空気に温度差が生じた時、送風機に着露したり、水滴が吹下面出口から飛び出したりするという問題点があった。
【0009】
また、送風機の翼枚数・回転数に依存した離散周波数騒音が発生し、音が大きくなるという問題点があった。
【0010】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、音が静かで、水滴が吹出口から飛び出すのを防いだ経済的な空気調和機を得ることを目的にしている。
【0011】
また、少ない構成部品で、ドレン水(結露水)を簡単に処理する経済的な空気調和機を得ることを目的にしている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る空気調和機においては、室内ユニット内の前面側及び背面側のそれぞれに送風機の羽根車を囲むように設けられ、室内空気と冷媒とを熱交換させる前面及び背面熱交換器と、これら前面熱交換器及び背面熱交換器のそれぞれの下部に設けられ、該ドレン水を収納する前面及び背面ドレンパンと、前記室内ユニット内の風路壁側面を形成し、前記前面熱交換器と背面熱交換器を固定する固定側板部材と、を備えた空気調和機において、前記固定側板部材に前記送風機の上部に位置するように樋状の結露水回収機構を設け、前記固定側板部材の結露水を前記前面ドレンパン及び背面ドレンパンへ導くものである。
【0013】
また、前記樋状の結露水回収機構が、前記固定側板部材の外側に設けられたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下に、この発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。
この図において、1は空調機本体内に設けられ、室内空気を循環する送風機、2、3はこの送風機1の前面及び背面をそれぞれ囲むように設けられ、室内空気と冷媒とを熱交換させる前面熱交換器及び背面熱交換器、4はこれら前面熱交換器2と背面熱交換器3からの室内空気を空調機本体下面の吹出口10cを介して室内へ吹出す送風機風路で、この送風機風路4は前面風路面4aと背面風路面4bとからなり、この背面風路面4bの巻き始め部4cは背面ドレンパン11と連絡されている。
【0015】
なお、前述した背面熱交換器3は、その通過空気面積と結露水の流れの関係から空調機本体の垂直方向に対してその下部が上部よりも後方ヘ傾斜するように構成されている。
【0016】
また、10は空調機本体ユニッットであり、この本体ユニッット10はその前面に前面吸込口10aを、その上面に上面吸込口10bを有し、かつ、その下面にユニット吹出口10cを有し、これらの吸込口10a、10bと吹出口10cは風路壁を介して連絡されており、11はこの風路壁内に設けられた背面熱交換器3の下部に設けられ、該熱交換器の結露水を回収する背面ドレンパンであり、12はこの背面ドレンパン11の前面上部(背面熱交換器3の最下面3c)から送風機の羽根車の外郭形状にほぼ沿って背面熱交換器3の上部先端まで延出し、該延出部が背面ドレンパン11へ傾斜するように設けられた背面熱交換器3からの室内空気をガイドする風向板である。
【0017】
次に、この構成の動作について説明する。
まず、空調機本体10の前面吸込口10aと上面吸込口10bとからそれぞれ吸込まれた室内空気はそれぞれ前面熱交換器2と背面熱交換器3を通過し、熱交換器内の冷媒と熱交換されて送風機1によって送風機風路4を介してユニット吹出口10cから吹出された後、再び前面吸込口10aと上面吸込口10bとから吸込まれ、前述同様の動作が繰返される。
【0018】
なお、この時、背面熱交換器3を通過した空気の上部側空気は送風機1の吸引力によって下部を向くように流れ、背面熱交換器3を通過した下部空気は背面ドレンパン11の前面上部11aに設けられた風向板12にガイドされながら、送風機1によって背面風路面4bの巻き始め部4cを介して吹出口10cから吹出される。
【0019】
言い換えれば、背面熱交換器3の冷媒バランスが崩れ、背面熱交換器3の上部が湿り、下部が乾き、互いの空気に温度差が生じたとしても、上部と下部の空気は互いに風向板12付近で混合され、ほぼ均一な温度となるため、結露水が発生し難くなるると共に、しかも、このようにすると、背面熱交換器3からの空気の風速が上がり、前面熱交換器2からの空気と良く混ざり合うようになるため、更に結露の発生を防げるようになる。
【0020】
また、この時、背面熱換器3の上部が充分冷却され、除湿水で濡れた状態となり、下部が乾いた状態になると、上部から流れ落ちた除湿水(ドレン水)は表面張力の関係から余り下部へは流れず、風の流れに沿って直接背面熱換器3の前面側へ流れ、落下したとしても、図1に示すように、風向板12が背面熱交換器3の空気通過出口面を受けるように、即ち、垂直方向における風向板12の先端部12aと背面熱交換器3の先端部が互いにほぼ重畳するように構成し、かつ、ドレンパン11へ傾斜するように構成しているので、結露水が発生しても、結露水は風向板12で受けられ、ドレンパン11へ流れるようになるため、結露水が送風機風路4の吹出口4eを介して本体吹出口10cから室内へ吹出されなくなり、室内の床面等が結露水で濡れることも無くなる。
【0021】
また、風向板12を送風機の羽根車の外郭形状にほぼ沿って背面熱交換器3の上部先端まで延出させ、結露水を受けるようにする時、ドレンパン前面上部11aから延出させるようにしたので、送風機風路4の吸込口4dの吸込風路面積が確保され、風路抵抗が大きくならず、しかも、送風機の外郭形状にほぼ沿って背面熱交換器3の上部先端まで延出させたので、図6に示すように、送風機1の翼枚数や回転数に依存した離散周波数騒音の発生が防げるようになる。
【0022】
以上の説明では、風向板12が結露水を受けて背面ドレンパン11へ流れるように、風向板12の先端部12aと背面熱交換器3の先端部が互いに垂直方向で重畳するように説明したが、背面熱交換器3の傾向角度とその通過風速の関係によっては、必ずしも、互いに重畳させる必要がないことは言うまでもまでもない。
【0023】
実施の形態2.
この実施の形態2について図2を用いて説明する。
この実施の形態2においては、図2に示すように、風向板12をドレンパン前面上部11aから延出させる時、ドレンパン11へ傾斜するように送風機1の羽根車の外郭形状にほぼ沿ってほぼ該頂部まで延出させ、この延出させた先端部を背面熱交換器3の傾斜角度とほぼ同じ角度で背面熱交換器3の最下段3aの放熱管又は10mm程度まで上方へ延出させて背面熱交換器3の出口側傾斜面を覆うようにしたものである。
なお、その他の構成は実施の形態1とほぼ同じである。
【0024】
次に、この構成の動作について説明する。
まず、このような構成にすると、背面熱交換器3を通過した上部側空気は送風機1の吸引力によって下部を向くように流れ、背面熱交換器3を通過した下部空気は背面ドレンパン11の前面上部11aに設けられた風向板12の先端部12aによって更に上方へガイドされるので、上部と下部の空気は更に互いに混合され、均一な温度となるため、室内の床面等が更に結露水で濡れることも無くなる。
【0025】
また、この時、先端部12aを背面熱交換器3の傾斜角度とほぼ同じ角度で背面熱交換器3の最下段3aの放熱管又は10mm程度まで上方へ延出させ、しかも、背面熱交換器3の出口側傾斜面を覆うようにしたので、背面熱交換器3の放熱能力(面積)を殺すことなく、仮に、背面熱交換器3の冷媒バランスが崩れ、背面熱換器3の上部が充分冷却され、除湿水で濡れた状態となり、下部が乾いた状態になって、上部から流れ落ちた除湿水(ドレン水)は表面張力の関係から余り下部へは流れず、風の流れに沿って直接背面熱換器3の前面側へ流れ、落下したとしても、落下水は風向板12に受けられ、背面ドレンパン11に流れるため、室内の床面等が結露水で濡れることも無くなる。
【0026】
また、このように送風機1の吸込側風路4bを徐々に変化させるようにすると、空気がスムースに流れるので、渦流の発生が抑制され、また、送風機1の翼枚数や回転数に依存した離散周波数騒音の発生が更に防げるようになるため、音の静かな空調機が得られる。
【0027】
実施の形態3.
この実施の形態3においては、図3に示すように、実施の形態1、2において、背面ドレンパン11と送風機の風路4とを一体成形し、風向板12を別部品として背面ドレンパン11に取り付けたものである。
なお、その他の構成は実施の形態1、2とほぼ同じである。
【0028】
なお、このように背面ドレンパン11と風向板12を別体にして組立てるようにすると、背面ドレンパン11や風向板12を有するユニット風路の型形状がシンプルになり、また、背面熱交換器3を取り付けた後でも、風向板12を取り付けられるようになるため、型費、材料費の低減するのみでなく、組立性も良くなり、しかも、風向板の設計自由度が向上するため、経済的で、設計自由度が向上した空気調和機が得られる。
【0029】
実施の形態4.
この実施の形態4においては、図4、5に示すように、実施の形態1から3において、本体ユニット風路壁の側面を形成し、前面ドレンパン15と背面ドレンパン11との間に、前面熱交換器2と背面熱交換器3を固定する固定側板部材13の部位に一体で成形された樋状の結露水回収機構14を設け、この設けた樋状の結露水回収機構14を前面熱交換器2と背面熱交換器3の下部にそれぞれ設けられた前面ドレンパン15と背面ドレンパン11と繋がるようにして、結露水回収機構14の結露水をドレンパンへ流すようにしたものである。
なお、その他の構成は実施の形態1、2とほぼ同じである。
【0030】
次に、このように構成された動作について図4、5で説明する。
まず、前面熱交換器2と背面熱交換器3に冷媒が流れると、これら熱交換器2,3を固定し、支持している固定側板部材13が冷却されるので、これに温かい空気が接触して除湿冷却されると、固定側板部材13に結露水が発生、付着し、やがて結露水は成長して固定側板部材13の上から下へ流れ、送風機1又はドレンパン11、15へ落ちようとする。
【0031】
しかし、この時、前面熱交換器2と背面熱交換器を固定する固定側板部材13の各熱交換器が固定された下部に、一体で成形された樋状の結露水回収機構14が設けられているので、落下した結露水は結露水回収機構14に回収されて、前面ドレンパン15または背面ドレンパン11へ導かれるので、送風機1へ落ちることなく、固定側板部材13に付着した結露水は前面ドレンパン15または背面ドレンパン11へ落ちることとなる。
【0032】
以上説明したように、前面熱交換器2と背面熱交換器を固定する固定側板部材13に、各熱交換器が位置する下部に、一体で成形された樋状の結露水回収機構14を設け、結露水を前面ドレンパン15または背面ドレンパン11へ導くようにしたので、少ない構成部品で、固定側板部材の結露水を回収できるようになるため、結露水の飛散を防止した経済的な空気調和機が得られる。
【0033】
また、以上の説明では、樋状の結露水回収機構14を固定側板部材13の内側、言い換えれば、熱交換器側に設けるようにしたが、固定側板部材13の外側でも良い。
また、背面ドレンパン11と前面ドレンパン15も固定側板部材13の内側に位置するだけのものに限るものではない。即ち、ドレンパンが外側まで延出したものでも良い。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、室内ユニット内の前面側及び背面側のそれぞれに送風機の羽根車を囲むように設けられ、室内空気と冷媒とを熱交換させる前面及び背面熱交換器と、これら前面熱交換器及び背面熱交換器のそれぞれの下部に設けられ、該ドレン水を収納する前面及び背面ドレンパンと、前記室内ユニット内の風路壁側面を形成し、前記前面熱交換器と背面熱交換器を固定する固定側板部材と、を備えた空気調和機において、前記固定側板部材に前記送風機の上部に位置するように樋状の結露水回収機構を設け、前記固定側板部材の結露水を前記前面ドレンパン及び背面ドレンパンへ導くので、固定側板部材に発生付着し成長して上から下へ流れる結露水が送風機へ落ちることなくドレンパンに回収し、簡単な構成で結露水の飛散を防止するようになるため、室内の床を余り濡らさない経済的な空気調和機が得られる。
【0035】
また、前記樋状の結露水回収機構が、前記固定側板部材の外側に設けられたので、簡単な構成で、更に結露水の飛散を防止するようになるため、室内の床を余り濡らさない空気調和機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における空気調和機を示す断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態2における空気調和機を示す断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態3における空気調和機を示す断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態4における空気調和機の結露水回収機構の概略構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態4における空気調和機の結露水回収機構の概略斜視図である。
【図6】 この発明における風向板を付けた時の騒音の周波数分析結果図である。
【図7】 従来の空気調和機の断面図である。
【図8】 従来のその他の空気調和機の断面図である。
【図9】 従来のその他の空気調和機の断面図である。
【図10】 従来の騒音の周波数分析結果図である。
【符号の説明】
1 送風機、 2 前面熱交換器、 3 背面熱交換器、 3a 背面熱交換器最下段、 4 送風機風路、 4a 送風機前面風路、 4b 送風機背面風路、 4c 巻き始め部、 10 空調機本体ユニット、10a 前面ユニット吸込口、 10b 上面ユニット吸込口、 10c 下面ユニット吹出口、 11 背面ドレンパン、 11a 背面ドレンパン前面、 12 風向板、 12a 風向板先端部、 13 固定側板部材、 14 結露水回収機構、 15 前面ドレンパン。
Claims (2)
- 室内ユニット内の前面側及び背面側のそれぞれに送風機の羽根車を囲むように設けられ、室内空気と冷媒とを熱交換させる前面及び背面熱交換器と、これら前面熱交換器及び背面熱交換器のそれぞれの下部に設けられ、該ドレン水を収納する前面及び背面ドレンパンと、前記室内ユニット内の風路壁側面を形成し、前記前面熱交換器と背面熱交換器を固定する固定側板部材と、を備えた空気調和機において、前記固定側板部材に前記送風機の上部に位置するように樋状の結露水回収機構を設け、前記固定側板部材の結露水を前記前面ドレンパン及び背面ドレンパンへ導くことを特徴とする空気調和機。
- 前記樋状の結露水回収機構が、前記固定側板部材の外側に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
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