JP3879112B2 - ラミネート用接着剤及びラミネートフィルムの製造方法 - Google Patents

ラミネート用接着剤及びラミネートフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラミネート用接着剤及びラミネートフィルムの製造方法に関する。更に詳細には、高湿時にも良好な接着性を有し、また、吸湿性・透湿性の大きなフィルムにも接着可能なラミネート用接着剤及びラミネートフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラミネート用フィルムには様々なものがあるが、このうちセロファンフィルムは、透明性、表面光沢性、印刷適性、抗張力に優れる等という特徴を有する。また、帯電性が低いためほこりがつきにくい。更に、引き裂き強度は小さいため、開封性がよいという特徴も有している。一方、ナイロンフィルムは、機械的強度、耐摩耗性、耐屈曲性、温度安定性、耐薬品性等に優れているという特徴を有している。
【0003】
しかしながら、セロファンフィルムやナイロンフィルムは吸湿性や透湿性が他のフィルムより大きいという欠点を有している。吸湿したフィルムは接着性が低下しており、これを用いたラミネートフィルムは、外観不良等の問題を生じやすいものであった。
【0004】
二液型ポリウレタン接着剤は、様々な基材に対する接着性、耐久性、柔軟性、生産性等に優れることから、ラミネート用接着剤として広く使用されている。
【0005】
しかし、従来の二液型ウレタン系接着剤では、梅雨期や夏期等の高湿時のラミネート加工の際、デラミネーションや外観不良といった問題の発生が多かった。これは、空気中の水分が接着剤に入り込み、この接着剤に含まれることになった微量の水分とイソシアネート基と反応して二酸化炭素を発生させるためと考えられている。特にナイロンフィルムやセロファンフィルムを用いたラミネートフィルムでは、上述したフィルム特性により、前記の問題が起きやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高湿時にも良好な接着性を有し、また、吸湿性・透湿性の大きなフィルムにも接着可能なラミネート用接着剤及びラミネートフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等が鋭意検討した結果、特定の水分除去剤を用いることにより、前述の問題が解決できるラミネート用接着剤を提供できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち本発明は、以下の(1)〜(4)に示されるものである。
(1)少なくとも活性水素基含有ポリウレタン樹脂(A)、ポリイソシアネート硬化剤(B)、及び水分除去剤(C)から構成されるラミネート用接着剤組成物であって、(C)が水分により加水分解を起こしてポリオールを再生する珪酸エステルを含有することを特徴とする、ラミネート用接着剤。
【0009】
(2)(A)の数平均分子量が5,000〜50,000であることを特徴とする、前記(1)のラミネート用接着剤。
【0010】
(3)(B)のイソシアネート含量が5〜50質量%であることを特徴とする、前記(1)又は(2)のラミネート用接着剤。
【0011】
(4) 前記(1)〜(3)のいずれかのラミネート接着剤をフィルムに塗布した後、貼り合わせることを特徴とする、ラミネートフィルムの製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
最初に本発明のラミネート用接着剤の構成について説明する。
本発明のラミネート用接着剤は、少なくとも活性水素基含有ポリウレタン樹脂(A)、ポリイソシアネート硬化剤(B)、及び水分除去剤(C)から構成され、かつ(C)が水分により加水分解を起こしてポリオールを再生する珪酸エステルを含有することを特徴とするものである。
【0013】
活性水素基含有ポリウレタン樹脂(A)は、公知の方法で得られるものであり、一般的には活性水素基含有化合物(A1)と有機ポリイソシアネート(A2)の反応により得られるものである。
【0014】
活性水素基含有化合物(A1)としては、数平均分子量500以上(好ましくは500〜10,000、特に好ましくは500〜5,000)の高分子ポリオールと、(数平均)分子量500未満の鎖延長剤に大別される。本発明に用いられる(A)は、接着性を考慮すると、高分子ポリオールを用いたものが好ましい。これは、高分子ポリオールを用いないでポリウレタン樹脂を得た場合、このポリウレタン樹脂は硬くなりすぎて、接着性に乏しくなりやすいためである。
【0015】
高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエステル−アミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステル−エーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。
【0016】
ポリエステルポリオールとしては、公知のコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、酸エステル、又は酸無水物等の一種以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレングリコール、2−n−エイコサン−1,2−エチレングリコール、2−n−オクタコサン−1,2−エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン(TMP)、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類の一種以上との縮重合により得られるものが挙げられる。また、低分子ポリオールを開始剤として、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルジオールが挙げられる。
【0017】
ポリエステル−アミドポリオールとしては、前述のポリエステルポリオールにおいて、低分子ポリオールの一部を、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子ポリアミン類や、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類に置き換えて、縮重合して得られるものが挙げられる。また、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコールを開始剤として、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステル−アミドポリオールが挙げられる。
【0018】
ポリエーテルポリオールとしては、前述のポリエステルポリオールに用いられる低分子ポリオール、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコールを開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の環状エーテルの一種類以上を開環付加重合させて得られるものが挙げられる。
【0019】
ポリエステル−エーテルポリオールとしては、前述のポリエーテルポリオールとポリカルボン酸との縮合物が挙げられる。
【0020】
ポリカーボネートポリオールとしては、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子ポリオールと、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等、分子中にカーボネート基を1個有する低分子化合物との脱アルコール反応、脱フェノール反応等で得られるものが挙げられる。
【0021】
ポリオレフィンジオールとしては、1分子中に水酸基を実質的に2個有する、ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。
【0022】
鎖延長剤としては、前述の低分子ポリオール、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコールが挙げられる。
【0023】
なお、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ロジン樹脂等の、活性水素基等のイソシアネート基と反応しうる官能基を1個以上好ましくは2個以上含有するものであれば、活性水素基化合物の全部又は一部として使用することができる。
【0024】
本発明においては、活性水素基含有化合物(A1)には、接着性、耐久性等を考慮するとポリエステルポリオールを用いていることが好ましい。また、(A1)の活性水素基は、得られる接着剤の接着性や(溶液又は溶融)粘度等を考慮すると、水酸基が好ましい。
【0025】
有機ポリイソシアネート(A2)としては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、キシリレン−1,4−ジイソシアネート(1,4−XDI)、キシレン−1,3−ジイソシアネート(1,3−XDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2′−MDI)、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート(1,4−NDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、クルードTDI等の芳香族ポリイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加トリレンジイソシアネート(水添TDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート(水添TMXDI)等の脂環族ポリイソシアネート等のジイソシアネート、これらポリイソシアネートのウレタン変性体、ウレア変性体、ビウレット変性体、ダイマー(ウレトジオン)変性体、トリマー(イソシアヌレート)変性体、ダイマー・トリマー変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体等が挙げられる。
【0026】
本発明に用いられる活性水素基含有ポリウレタン樹脂(A)は、イ)活性水素基含有化合物(A1)と有機ポリイソシアネート(A2)を、活性水素基/イソシアネート基≧1(仕込みモル比)で反応させる方法(ワンショット法)、ロ)活性水素基含有化合物(通常高分子ポリオール主体)と有機ポリイソシアネートを、活性水素基/イソシアネート基<1(仕込みモル比)で反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを合成し、その後活性水素基含有化合物(鎖延長剤が主体)と反応させる方法(プレポリマー法)等によって得られる。
【0027】
活性水素基含有ポリウレタン樹脂(A)を製造する際の反応装置としては、上記の反応が達成できればいかなる装置でも良く、例えば、攪拌装置の付いた反応釜やニーダー、一軸又は多軸押し出し反応機等の混合混練装置が挙げられる。反応を早く進めるため、触媒として、ポリウレタンやポリウレアの製造において常用されるジブチル錫ジラウレート等の金属触媒やトリエチルアミン等の三級アミン触媒を用いることもできる。
【0028】
本発明に使用する活性水素基含有ポリウレタン樹脂(A)の形態は、非水系すなわちノンソルベント状態や有機溶剤の溶液状態で用いられる。本発明で好ましいのは、有機溶剤の溶液状態である。
【0029】
本発明において、好ましい有機溶剤としては、イソシアネート基に対して不活性なものであれば特に制限はなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、フルフラール等の極性溶剤の一種又は二種以上を使用して、好ましくは100℃以下で、上記の配合条件範囲で各成分を均一に混合し反応させて製造することができる。
【0030】
本発明に用いられる活性水素基含有ポリウレタン樹脂(A)の数平均分子量は5,000〜50,000が好ましく、特に5,000〜30,000が好ましい。数平均分子量が下限未満の場合は、ラミネート強度が不十分となりやすい。上限を越える場合は、接着剤塗布が行いにくくなる。
【0031】
本発明に用いられるポリイソシアネート硬化剤(B)は、例えば以下に示すものが挙げられる。
TDIのTMP変性のポリイソシアネート
日本ポリウレタン工業製のコロネート(登録商標)L等
住化バイエルウレタン製のスミジュール(登録商標)L−75等
三井武田ケミカル製のタケネート(登録商標)D−102等
HDIのTMP変性のポリイソシアネート等
日本ポリウレタン工業製のコロネートHL等
住化バイエルウレタン製のスミジュールHT等
三井武田ケミカル製のタケネートD−160N等
IPDIのTMP変性のポリイソシアネート
三井武田ケミカル製のタケネートD−140N等
三菱化学製のマイテック(登録商標)NY215A等
XDIのTMP変性のポリイソシアネート
三井武田ケミカル製のタケネートD−110N等
水素添加XDIのTMP変性のポリイソシアネート
三井武田ケミカル製のタケネートD−120N等
TDIのイソシアヌレート変性のポリイソシアネート
日本ポリウレタン工業製のコロネート2030等
HDIのイソシアヌレート変性のポリイソシアネート
日本ポリウレタン工業製のコロネートHX等
日本ポリウレタン工業製のアクアネート(登録商標)100、110等
旭化成工業性のデュラネート(登録商標)TPA−100等
HDIのビウレット変性のポリイソシアネート
旭化成工業性のデュラネート(登録商標)24A−90CX等
住化バイエルウレタンのスミジュール(登録商標)N−75等
IPDIのイソシアヌレート変性のポリイソシアネート
ヒュルス製のヴェスタナット(登録商標)T−1890等
【0032】
本発明において好ましいポリイソシアネート硬化剤(B)は、HDI系、IPDI系、XDI系、水素添加XDI系のポリイソシアネート硬化剤である。
【0033】
ポリイソシアネート硬化剤(B)のイソシアネート含量は5〜50質量%が好ましく、特に10〜30質量%が好ましい。イソシアネート含量が下限未満の場合は、架橋効率が低いため、接着力不足や耐久性不足になりやすい。上限を越える場合は、(B)の分子量が小さいということが多く、作業時における臭気等の問題が発生しやすい。
【0034】
本発明に用いられる水分除去剤(C)は、水分により加水分解を起こしてポリオールを再生する珪酸エステルを含有するものである。
【0035】
このポリオールの珪酸エステルは、各種のモノオールの珪酸エステルをポリオールで置換し、生成するモノオールを留去することで得られる(式(1)参照)。又は、珪酸のハロゲン化物とポリオールを脱ハロゲン化水素反応で得られる(式(2)参照)。
【0036】
【化1】
Figure 0003879112
【0037】
【化2】
Figure 0003879112
【0038】
前記(1)式及び(2)式の生成物としての珪酸エステルは、鎖状エステルのみならず、下記式(3)〜(6)で示される環状珪酸エステルをも含むものである。
【0039】
【化3】
Figure 0003879112
【0040】
【化4】
Figure 0003879112
【0041】
【化5】
Figure 0003879112
【0042】
【化6】
Figure 0003879112
【0043】
モノオールの珪酸エステルとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン類、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン類、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン等のトリアルキルアルコシキシラン類、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のシランカップリング剤類等を挙げることができる。これらは単独又は混合して用いることができる。
【0044】
珪酸のハロゲン化物としては、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等を挙げることができる。これらは単独又は混合して用いることができる。
【0045】
ポリオールとしては、前述のポリオールを挙げることができる。これらは単独又は混合して用いることができる。珪酸エステルを構成するポリオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリ(オキシエチレン)ポリオール等の全てが一級水酸基であるポリオールが好ましい。
【0046】
本発明に用いられる珪酸エステルは、上記のジ、トリ、テトラアルコキシシランから誘導されたものである場合、完全エステル交換品が好ましい。部分エステル交換品は、加水分解時にモノオールを生成することになり、ポリイソシアネート硬化剤と反応して架橋高分子化を阻害することになるからである。
【0047】
また、上記ポリオールを再生する珪酸エステルは、鎖状エステル以外に環状エステルが挙げられる。具体的には、ジメチル−エチレンジオキシシラン二量体、ジメチル(トリメチレン−1,3−ジオキシ)シラン、ジメチル(2,2′−オキシジエトキシ)シラン、ジメチル(テトラメチレン−1,4−ジオキシ)シラン、ジメチル(2,2′−エチレンジオキシジエトキシ)シラン、テトラメチル−1,3−(2,2′−オキシジエトキシ)ジシロキサン、2分子のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと3分子のネオペンチルグリコールとの縮合した粘稠液状物等が挙げられる。
【0048】
水分とイソシアネート基との反応より、水分と珪酸エステルの反応のほうが速い。このため、水分とイソシアネート基との反応より発生する二酸化炭素が抑制され、ラミネートフィルムのデラミネーションや外観不良の問題が解決されることになる。なお、再生したポリオールは、ポリイソシアネート硬化剤(B)と反応し、架橋構造を構成することになり、より接着性や耐久性向上に寄与することになる。この結果、高湿時や吸湿性・透湿性の大きいフィルムに対しても良好な接着性を有する。
【0049】
上記ポリオール珪酸エステル以外に本発明に用いることのできる水分除去剤(C)としては、例えばp−トルエンスルホニルイソシアネートが挙げられる。本発明においては、水分除去剤(C)中のポリオール珪酸エステル含有量が50質量%以上、好ましくは70質量%以上が好ましい。
【0050】
本発明のラミネート用接着剤組成物は、必要に応じて、顔料、染料、溶剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、防かび剤、抗菌剤、防腐剤、触媒、充填剤等の添加剤を添加することができる。
【0051】
本発明のラミネート用接着剤組成物において、ポリウレタン樹脂(A)とポリイソシアネート硬化剤(B)の配合比(質量比)は、(A):(B)=100:1〜100:50、好ましくは(A):(B)=100:3〜100:30である。(B)が少なすぎる場合は、架橋点の減少となり、接着性や耐久性が低下しやすい。(B)が多すぎる場合は、未反応の(B)が接着剤層中に存在する確率が高くなり、接着性や耐久性が低下しやすい。
【0052】
ポリイソシアネート硬化剤(B)と水分除去剤(C)の配合比(質量比)は、(B):(C)=100:1〜100:20が好ましく、特に(B):(C)=100:1〜100:10が好ましい。
【0053】
本発明のラミネート用接着剤組成物には、必要に応じて、(C)以外の各種添加剤を用いてもよい。(C)以外の添加剤としては例えば、顔料、染料、溶剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、防かび剤、抗菌剤、防腐剤、触媒、充填剤、カップリング剤等が挙げられる。配合方法は特に制限はなく、公知の方法が用いられる。
【0054】
次に本発明のラミネートフィルムの製造方法について述べる。
本発明のラミネートフィルムの製造方法は、前述のラミネート接着剤をフィルムに塗布した後、貼り合わせることを特徴とする。
【0055】
このときに用いられるフィルムとしては、低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、未延伸PPフィルム、延伸PPフィルム、ポリブチレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニリデン、PETフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロファンフィルム、エチレン−アクリレート共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。また、これらをベースにしてアルミニウム、アルミナ、シリカ等を蒸着した蒸着フィルム、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)をコートしたKコートフィルム、アルミ箔や銅箔等の金属箔等が挙げられる。
【0056】
次にラミネート方法に関しては、ウェットラミネーション、ドライラミネーション、ホットメルトラミネーション、ノンソルベントラミネーション、エクストルージョンラミネーション等の方法が適用できる。
【0057】
接着剤の塗布量は、固形分換算で1〜10g/m2、好ましくは2〜5g/m2 である。塗布量がこの範囲外の場合は、接着強度が不十分となりやすい。
【0058】
接着剤を塗布したら、貼り合わせる。その後、必要に応じて加圧したり、加熱して、硬化反応を促進させる。好ましい貼り合わせ条件は、20〜120℃で0.1〜1MPaであり、特に好ましくは40〜100℃で0.2〜0.8MPaである。
【0059】
このような方法により、2枚のフィルムがラミネートされたものだけではなく、3枚以上のフィルムがラミネートされたものも製造可能となる。なお、フィルムは同種であっても異種であってもよく、ラミネートフィルムの目的や用途等によって適宜選択すればよい。
【0060】
貼り合わせ後のエージング条件は、30〜70℃で24時間以上、好ましくは、35〜60℃で48時間以上である。
【0061】
【実施例】
本発明について、実施例、比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例において、「%」は全て「質量%」を意味する。
【0062】
〔珪酸エステルの製造〕
製造例1
攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた、容量:300mlの反応器の内部を窒素に置換した後、エチレングリコールを37.2g、ヘキシルトリメトキシシランを123.8g、2−エチルヘキシルアルコールを78.1g仕込み、窒素ガスを流しながら攪拌・加熱して2時間還流させた。その後、温度を常圧下で200℃にして、1時間反応させ、更に同温度で徐々に0.1MPaまで減圧して、副生したメタノールを反応系外に留去させて、淡黄色粘稠液体である珪酸エステルSE−1を得た。
【0063】
SE−1は、赤外吸収(IR)分析による水酸基の吸収ピークは確認されなかった。また、SE−1を開放容器に入れ、その後水を加えて加水分解させた。10分後、サンプルをガスクロマトグラフィーにかけたところ、加水分解前では確認されなかったエチレングリコール、2−エチルヘキシルアルコールが確認された。
【0064】
〔ポリウレタン樹脂の製造〕
製造例2
攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた容量:1Lの反応器に、ポリオールAを186g、酢酸エチルを350g仕込み、30℃で溶解させた。次いでIPDIを83g、DBTDLを0.03g仕込み、70℃で3時間反応させた。次いでこの反応液を30℃まで冷却した後、MEK350gに、IPDAを29g、MEAを2gからなる、あらかじめ調製したアミン液を仕込んで反応させ、固形分30%のポリウレタン系樹脂溶液PU−1を得た。
【0065】
製造例3
製造例2と同様な装置に、ポリオールBを246g、NPGを13g、酢酸エチルを200g仕込み、30℃で溶解させた。次いでTDIを41g、DBTDLを0.03g仕込み、80℃で4時間反応させた。ウレタン化反応が進行するに従って増粘したので、酢酸エチル150gを数回に分けて追加した。赤外線吸光分析のイソシアネート基のピークがなくなったところで、更に酢酸エチル350部で希釈し、固形分30%のポリウレタン系樹脂溶液PU−2を得た。
【0066】
合成例4〜5
表1に示す原料を用いて、製造例3と同様な方法でポリウレタン系樹脂溶液PU−3〜5を得た。
【0067】
【表1】
Figure 0003879112
【0068】
製造例2〜5、表1において
Figure 0003879112
【0069】
〔ラミネート用接着剤の調製〕
実施例1〜4、比較例1、2
表2に示す配合で、ラミネート用接着剤を調製した。
【0070】
【表2】
Figure 0003879112
【0071】
表2において
コロネート(登録商標)HL:
ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン変性ポリイソシアネートの酢酸エチル溶液
日本ポリウレタン工業製
イソシアネート含量=14.8%
固形分=75%
【0072】
〔ラミネートフィルムの製造・評価〕
実施例5〜12、比較例3〜6
ラミネート用接着剤、開封直後又は吸湿したコロナ処理延伸ナイロン(NY)フィルム、コロナ処理低密度直鎖ポリエチレン(LLDPE)フィルムをドライラミネータにセットした。ライン速度は20m/分である。接着剤をグラビアロールでNYフィルムのコロナ処理面に塗布した。接着剤塗布量はドライで3.5g/m2 とした。接着剤塗布における雰囲気は、35℃×10RH%、35℃×75%RHの2水準で行った。接着剤を塗布した後、NYフィルムを80℃の熱風乾燥機内を通し、ニップロールにてLLDPEフィルムと接着した。ニップ条件は、80℃×0.3MPaである。その後、40℃で72時間養生してラミネートフィルムを得た。得られたラミネートフィルムを15mm幅にカットした後、T型剥離試験を行った。剥離条件は、引張速度:300mm/分、測定雰囲気:25℃×50%RHである。表3に開封直後のフィルムを、表4に吸湿フィルムを用いた試験結果を示す。
【0073】
Figure 0003879112
【0074】
【表3】
Figure 0003879112
【0075】
【表4】
Figure 0003879112
【0076】
表3、4において
外観評価
A:外観不良が認められない。
B:フィルムの一部に気泡が認められる。
C:フィルム全体に気泡が発生している。
D:フィルム全体に気泡が発生し、更に一部剥離している。
【0077】
表3、4から示されるように、実施例及び比較例に用いたラミネート用接着剤は、低湿時に用いた場合はどれも良好な性能を示した。しかし、高湿時に用いた場合は、実施例のラミネート用接着剤は、低湿時と同様良好な性能を示したが、比較例のラミネート用接着剤は高湿時の使用では性能が低下した。また、吸湿したフィルムに対しても良好な接着性を示した。
【0078】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明のラミネート用接着剤は、高湿度雰囲気下の使用においても良好な性能を示した。また、吸湿したフィルムに対しても良好な接着性を示した。なお、本発明のラミネート用接着剤に用いられる樹脂組成物は、通常の接着剤、塗料、磁気記録媒体、コーティング剤、プライマー、印刷インキ、シーリング材等に適用できる。

Claims (4)

  1. 少なくとも活性水素基含有ポリウレタン樹脂(A)、ポリイソシアネート硬化剤(B)、及び水分除去剤(C)から構成されるラミネート用接着剤組成物であって、(C)が水分により加水分解を起こしてポリオールを再生する珪酸エステルを含有することを特徴とする、ラミネート用接着剤。
  2. (A)の数平均分子量が5,000〜50,000であることを特徴とする、請求項1記載のラミネート用接着剤。
  3. (B)のイソシアネート含量が5〜50質量%であることを特徴とする、請求項1又は2記載のラミネート用接着剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のラミネート接着剤をフィルムに塗布した後、貼り合わせることを特徴とする、ラミネートフィルムの製造方法。
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