JP3891982B2 - 自己乳化型油性液状化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルと油性成分を基剤とした自己乳化型油性液状化粧料に関するものであり、さらに詳しくは、人体への安全性に懸念がなくて保存安定性に優れており、容易に自己乳化することで水への分散性が優れ、さらに使用感も良好な自己乳化型油性液状化粧料に関するものである。
自己乳化型油性液状化粧料は、水と接触することで転相し水中油型エマルションを生成するものであり、自己乳化型油性液状化粧料の代表的なものとして、クレンジング化粧料、浴用化粧料等がある。
近年、メークアップ化粧品は落ちにくいことが求められていることや、流行により厚塗りのメークアップの嗜好も増加している。そのため、油性成分を主剤としたファンデーションや口紅などのメイクアップ化粧料を落とすことを目的とするクレンジング化粧料は、洗浄力の強いものが求められている。
クレンジング化粧料は、様々な剤型のものが市場に流通しており、例えば、水系、油系、多価アルコール系、界面活性剤による液晶系の液状、ゲル状、クリーム状の剤型ものが挙げられる。その中でも油性液状クレンジング化粧料は、化粧品の油性成分との相溶性が優れるため、最も洗浄力に優れていることが知られている。その結果、市場に最も流通している製品は、油性成分と界面活性剤の混合系からなる自己乳化型油性のものである。この製品は、水と接触させると速やかに転相が起こる性質のもので、まずクレンジング化粧料とメイクの汚れをなじませることで汚れを油性成分中に移行させ、その後水と接触させることにより汚れを含む油性成分の水中油型のエマルションを生成させ、そのまま水に流してメイクを落とすものである。
このような自己乳化型油性液状化粧料は、水と接触したときに速やかに自己乳化させるために、8〜30質量%もの高濃度の界面活性剤を配合する必要がある。自己乳化型油性液状化粧料に用いられる一般的な界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン分岐脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール分岐脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン分岐アルキルエーテル等が使用されているが、ポリオキシエチレン系界面活性剤は、安全性の懸念があることが従来から知られている。このポリオキシエチレン系界面活性剤を高濃度で配合した自己乳化型油性液状クレンジング化粧料は、直接皮膚に塗布することで、洗浄後のキシミ感が強いといった問題や皮膚トラブルの原因ともなる可能性があるため、安全性を懸念されていた。例えば、ポリオキシエチレン系の界面活性剤を使用した化粧料の
問題点を解決するために、ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用した化粧料が開示されている(特許文献1)。また、ポリオキシエチレン系の界面活性剤の欠点として、口の中に混入した際に極めて味、臭いが悪く、顔の部位に使用する際、特に口紅等を落とす際に口に混入する機会の多いクレンジング化粧料においては、不快感が顕著であった。
安全性が高く、風味の不快感がなく、食品で汎用されている界面活性剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルがあるが、一般にポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBが高いものは、油性成分中へ溶解しにくい。また油性成分へ溶解しやすいHLB値の低いポリグリセリン脂肪酸エステルは、水への分散性が悪く自己乳化に適さない。したがって、このようなポリグリセリン脂肪酸エステルと油性成分からなる自己乳化型油性クレンジング化粧料を調製しても、溶解性の問題から製品の保存安定性が悪くなるか、又は水への分散性が悪くて汚れを洗い流すことができず、油性成分が皮膚上に残りべたつき感がひどいものとなってしまう。そのため、自己乳化型油性クレンジング化粧料には、ポリグリセリン脂肪酸エステルは乳化助剤として利用される程度でしかなかった。
一方で、従来の自己乳化型油性液状クレンジング化粧料は、厚塗りしたファンデーションや、耐油性および耐水性成分を含有したマスカラ等の落ちにくい化粧料を洗浄する場合、これらのメイクとなじませて汚れを浮き上がらせる過程で、どうしても肌をこすりがちになり、肌トラブルの原因となったり、まつげが抜けてしまったりするという問題もあった。そして、次のステップである水に接触して自己乳化する過程において、液晶、白色ゲル状物を経て水に分散していくが、速やかに水に分散しにくいため、いつまでも肌にぬめり感として残存し、すすぎに時間がかかるという問題もあった。
次に、浴用化粧料は、肌荒れ、ひび割れ、あかぎれを防止したり、肌状態を改善するために浴用時に良く用いられている。浴用化粧料の剤型として、バスソルト、バスオイル、生薬等が挙げられる。その中でも、油性成分と界面活性剤の混合系からなる自己乳化型油性のバスオイルタイプの製品は、浴湯に入れると湯浴中で自己乳化して微粒子状の油性成分が湯中に均一分散し、油性成分が本来、保有しているエモリエント、保湿性、抗炎症、温浴などの各種改善効果が期待できる。
ところが、油性成分と界面活性剤の混合系からなる従来の自己乳化型油性の浴用化粧料は、お湯への分散性が不十分であり、自己乳化せずにその浴用化粧料の剤型のまま、浮遊してしまう問題が生じることがあった。この結果、べたつき感が生じることにより、入浴後の肌の感触が悪くなるばかりでなく、浴槽壁に浴用化粧料が付着してしまうという問題があった。
また、クレンジング化粧料と同じ理由により、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、界面活性剤としてほとんど使用されず、配合されても乳化助剤として使用されるに過ぎなかった。
特開昭58−185537号公報
本発明は、上記の問題を改善し、人体への安全性にも懸念がなくて保存安定性も優れており、容易に自己乳化することで水への分散性が優れ、さらに使用感も良好な自己乳化型油性液状化粧料を提供するものである。なお、本発明の自己乳化型油性液状化粧料は、医薬部外品も含む。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルと油性成分を基剤とした自己乳化型油性液状化粧料が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第1の発明は、次の成分Aの配合量が8〜30質量%、成分Bの配合量が50〜92質量%であることを特徴とする自己乳化型油性液状化粧料である:
成分A:HLB値が11.0〜15.0で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基及び/又は炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであって、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリン中0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリン中の10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリン中の4〜20%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。
成分B:油性成分。
本発明の第2の発明は、炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基がイソステアリン酸残基、炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基がオレイン酸残基である第1の発明に記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第3の発明は、成分Aの配合量が10〜25質量%であることを特徴とする第1の発明又は第2の発明に記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第4の発明は、成分Bの配合量が65〜85質量%であることを特徴とする第1の発明から第3の発明のいずれか1つに記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第5の発明は、水が配合されていないことを特徴とする第1の発明から第4の発明のいずれか1つに記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第6の発明は、25℃における電気伝導率が0.1μS/cm以下で、且つ、炭化水素溶剤に均一に溶解分散することを特徴とする第1の発明から第5の発明のいずれか1つに記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第7の発明は、さらにレシチンを、成分Aの1〜10質量%配合してなることを特徴とする第1の発明から第6の発明のいずれか1つに記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第8の発明は、成分Bの油性成分中の炭化水素油の配合量を、自己乳化型油性液状化粧料の10質量%未満となる量とすることを特徴とする第1の発明から第7の発明のいずれか1つに記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第9の発明は、クレンジング化粧料である第1の発明から第8の発明のいずれか1つに記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第10の発明は、浴用化粧料である第1の発明から第8の発明のいずれか1つに記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第11の発明は、次の成分Aのうち、HLB値が12.0〜14.0であるポリグリセリン脂肪酸エステルを使用する場合であって、HLB値が12.0〜14.0のポリグリセリン脂肪酸エステルである成分Aの配合量が8〜30質量%、成分Bの配合量が65〜90質量%、及び成分Cの配合量が、HLB値が12.0〜14.0のポリグリセリン脂肪酸エステルである成分Aの配合量に対して0.1〜100質量%であることを特徴とする自己乳化型油性液状化粧料である:
成分A:HLB値が11.0〜15.0で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基及び/又は炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであって、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリン中0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリン中の10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリン中の4〜20%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。
成分B:油性成分。
成分C:HLB値が2.0〜10.0の界面活性剤。
本発明の第12の発明は、HLB値が12.0〜14.0のポリグリセリン脂肪酸エステルである成分Aの配合量が10〜25質量%であることを特徴とする第11の発明に記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第13の発明は、成分Bの配合量が65〜85質量%であることを特徴とする第11の発明又は第12の発明に記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第14の発明は、水が配合されていないことを特徴とする第11の発明から第13の発明のいずれか1つに記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第15の発明は、25℃における電気伝導率が0.1μS/cm以下で、且つ、炭化水素溶剤に均一に溶解分散することを特徴とする第11の発明から第14の発明のいずれか1つに記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第16の発明は、さらにレシチンを、HLB値が12.0〜14.0のポリグリセリン脂肪酸エステルである成分Aの1〜10質量%配合してなることを特徴とする第11の発明から第15の発明のいずれか1つに記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第17の発明は、成分Bの油性成分中の炭化水素油の配合量を、自己乳化型油性液状化粧料の10質量%未満となる量とすることを特徴とする第11の発明から第16の発明のいずれか1つに記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第18の発明は、クレンジング化粧料である第11の発明から第17の発明のいずれか1つに記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の第19の発明は、浴用化粧料である第11の発明から第17の発明のいずれか1つに記載の自己乳化型油性液状化粧料である。
本発明の自己乳化型油性液状化粧料は、安全性に懸念がなく、水への分散性に優れて容易に自己乳化し、且つ保存安定性が良好である。
また、本発明の自己乳化型油性液状化粧料をクレンジング化粧料として使用すると、油性成分が肌へ残存することがないため、油性成分の残存によるニキビや吹き出物の発生をなくすことができる。さらに、本発明の自己乳化型油性液状化粧料は、例えば化粧油、ヘアクレンジング、マッサージオイル、又はヘアトリートメント等の化粧料(医薬部外品を含む)や医薬品へも応用することが可能であり、本発明は非常に優れた自己乳化型油性液状化粧料であるといえる。
まず、成分Aについて説明する。
本発明に使用される成分Aは、HLB値が11.0〜15.0、好ましくは12.0〜14.0である。HLB値が11.0未満の場合は、得られる自己乳化型油性液状化粧料の自己乳化性が低いために水への分散性が悪く、自己乳化型油性液状化粧料としての目的を達成できないからである。
本発明において、HLB値が12.0〜14.0のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いる場合は、HLB値が2.0〜10.0の界面活性剤を併用することができる。自己乳化型油性液状化粧料中のHLB値が2.0〜10.0の界面活性剤の配合量は、配合する成分Aの0.1〜100質量%、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜70質量%である。HLB値が2.0〜10.0の界面活性剤として、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
本発明に記載したHLB値の測定は、アトラス法により求めることができ、ポリグリセリン脂肪酸エステルのけん化価(S)、構成脂肪酸の酸価を求めることにより算出される。HLB値=20×〔1−(S/A)〕
次に、成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステルの全構成脂肪酸残基の50〜100質量%、好ましくは5〜100質量%、最も好ましくは60〜100質量%は、炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基及び/又は炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基である。これらを構成する分岐脂肪酸は分岐飽和脂肪酸又は分岐不飽和脂肪酸のどちらでも良いが、分岐飽和脂肪酸のほうが入手しやすいので好ましい。
全構成脂肪酸の50〜100質量%が炭素数16〜18の直鎖飽和脂肪酸を用いて得られるポリグリセリン脂肪酸エステルは、常温あるいは低温で液状とならないため、不適当である。
また、炭素数15以下の脂肪酸残基が全構成脂肪酸残基の50〜100質量%であると、得られる自己乳化型油性液状化粧料の自己乳化性が低下し、炭素数19以上の脂肪酸残基が全構成脂肪酸残基の50〜100質量%のものは油性成分に不溶となるため不適当である。
炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基として、イソステアリン酸残基(16−メチルヘプタデカノイル基、15−メチルヘプタデカノイル基、10−メチルヘプタデカノイル基、多分岐のイソステアリン酸残基)、イソパルミチン酸残基(14−メチルペンタデカノイル基)等が挙げられ、イソステアリン酸残基が好ましく、特に16−メチルヘプタデカノイル基が好ましい。
炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基として、オレイン酸残基、パルミトオレイン酸残基、リシノール酸残基等の不飽和のモノヒドロキシ酸残基等が挙げられ、特にオレイン酸残基が好ましい。オレイン酸残基を50質量%以上含むパーム油等由来の混合脂肪酸残基もこれに含まれる。
成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンは、2量体又は3量体のポリグリセリン環状物の合計の組成割合が0〜3%であることが必要で、より好ましくは0〜2%であり、最も好ましいのは0〜1%である。なぜなら、2量体又は3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が3%より多い場合、得られる自己乳化型油性液状化粧料の自己乳化性が低いために水への分散性が悪く、保存時に分離を起こしてしまうからである。なお、ここで、環状物とは、その一部が環状になっているものも含む。
また、成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンは、11量体以上のポリグリセリンの合計の組成割合が10〜30%であることが必要で、より好ましくは12〜28%、最も好ましくは15〜26%である。10〜30%の範囲外であると、得られる自己乳化型油性液状化粧料の自己乳化性が低いために水への分散性が悪くなるからである。
さらに、成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンは、4〜10量体ポリグリセリンの各組成割合が4〜20%であることが必要で、より好ましくは4〜15%、最も好ましくは5〜12%である。なぜなら、4〜10量体ポリグリセリンの各組成割合が4〜20%の範囲外であると、得られる自己乳化型油性液状化粧料の自己乳化性が低いために水への分散性が悪く、保存時に分離を起こしてしまうからである。なお、成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステル中には、構成ポリグリセリンとして単量体(グリセリン)を含んでいてもよい。また、2量体及び3量体のポリグリセリン非環状物の組成割合に特に制限はない。
ポリグリセリンの組成割合の測定は、ポリグリセリンをポリグリセリン誘導体とし、該ポリグリセリン誘導体をGC法(ガスクロマトグラフ法)にて分離定量を行い求める方法が適当である。GC法による分析は、例えばメチルシリコンなど低極性液相を化学結合せしめたフューズドシリカキャピラリー管を用いて100℃〜250℃まで10℃/分の昇温分析を行えば、容易に実施することができる。また、ガスクロマトグラフを二重収束マススペクトログラフに導入し、ケミカルアイオニゼーションなどの方法によりイオン化して測定し、次にその親イオンの分子量よりガスクロマトグラム上のピークの分子量を求め、更に化学式よりグリセリンの重合度を求めることにより簡単に行うことができる。ただし、これらの方法に限るものではない。
本発明の自己乳化型油性液状化粧料中の成分Aの配合量(含有量)は8〜30質量%であり、好ましくは10〜25質量%、最も好ましくは12〜20質量%である。8質量%未満であると自己乳化が不良となり30質量%より多いと水への分散性が悪くなるからである。
成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンは、前述した組成割合のものであれば良く、脱水縮合や公知のエピクロルヒドリンやグリシドールを出発物質とした合成及び精製方法により製造したものでよく、市販品を用いることができる。市販品として、例えば太陽化学(株)製のグレートオイルD−10、グレートオイルD−11、グレートオイルD−12等が挙げられる。
本発明に使用される成分Bの油性成分は通常、化粧品で利用できる液状ないしはペースト状の油性成分を主成分とする。それらを例示すると、天然動植物油脂類、半合成油脂、炭化水素油、高級脂肪酸、エステル油、シリコーン油、動植物や合成の精油成分、及び脂溶性ビタミン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
具体的に天然動植物油脂類、及び半合成油脂としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、小麦胚芽油、ゴマ油、米胚芽油、米糠油、サフラワー油、大豆油、月見草油、トウモロコシ油、菜種油、馬脂、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ヤシ油、硬化ヤシ油、落花生油、ラノリン等が挙げられる。
炭化水素としては、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、ワセリン等がある。
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2-エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸セチル、乳酸テトラデシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイ皮酸エステル、テトラロジン酸ペンタエリスリット、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリテトラデカン酸グリセリル、ジパラメトキシケイ皮酸・モノイソオクチル酸グリセリル等が挙げられる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロヘキサシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変成シリコーン、アルキル変成シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、脂溶性ビタミンとしてはトコフェロールやその誘導体、レチノールやその誘導体等が挙げられる。
本発明に用いる成分Bである油性成分は、先に記載した具体例に限定されるものではない。また、固形状の油性成分であっても、液状を保持するに影響がない程度であれば配合することができる。また、分解、析出等の保存安定性で問題とはならないが、0℃以下で、外観上曇りが生じることがある場合は、流動パラフィン、スクワラン、ワセリンなどの炭化水素油は、自己乳化型油性液状化粧料中の10質量%未満となるように配合すると良い。
本発明の自己乳化型油性液状化粧料における成分Bの油性成分の配合量(含有量)は、成分Cを配合しない場合は、50〜92質量%であり、好ましくは65〜85質量%、より好ましくは75〜85質量%である。50質量%未満であると水への分散性が悪くなり92質量%より多いと自己乳化が不良となるからである。
本発明の自己乳化型油性液状化粧料における成分Bの油性成分の配合量(含有量)は、成分Cを配合する場合は、65〜90質量%であり、好ましくは65〜85質量%、より好ましくは65〜80質量%である。
本発明の自己乳化型油性液状化粧料における成分Cは、HLB値が2.0〜10.0の界面活性剤である。この成分Cを用いる場合には、成分Aには、HLB値が12.0〜14.0のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることとされる。
成分Cの配合量は、HLB値が12.0〜14.0のポリグリセリン脂肪酸エステルである成分Aの0.1〜100質量%、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜70質量%である。
HLB値が2.0〜10.0の界面活性剤として、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
本発明では、水を原料として配合しないことが好ましい。ただし、製品の粘度調整や使用性の面で不都合が生じる場合、本発明の目的を損なわない範囲で配合しても良く、0〜2質量%に抑えることが好ましく、より好ましくは0〜1質量%である。2質量%以上配合すると製品の保存安定性を損うことがあり、ゲル状になり水分散性も悪くなる場合がある。ここで言う水は化粧品で使用される精製水の他に動植物の水抽出物も含む。なお、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル等に含まれる製造上または管理上で吸湿している程度の水分については除外する。
本発明で言う自己乳化型油性液状化粧料とは、油性成分に界面活性剤が分子溶解あるいはミセル溶解したり、油性成分に界面活性剤が液晶状態で溶存したものである。特開平9−208444号公報、特開平11−152205号公報等で紹介されている水性の多価アルコール等の水性成分と界面活性剤の混合物に油相を添加して得た、非水系の液状組成物、ゲル状組成物あるいは増粘組成物は、連続相は多価アルコールが基剤となるため、本発明とは異なる。
油系、水系の多価アルコール系、又は非水系の多価アルコール系のいずれかであるかを判別するには、電気伝導率を測定して電気伝導の可否を調べる方法や、多価アルコール系に溶解しにくい炭化水素系の溶剤(例えばヘキサン、キシレン等)への溶解性を調べる方法などが挙げられる。
本発明ではレシチンを配合することにより、さらに自己乳化特性を向上させることができる。レシチンとしては、通常の市販品や試薬として入手できる大豆レシチン、卵黄レシチン、あるいは水素添加して飽和度を高めた水素添加レシチン等が挙げられるがこの限りではない。配合量としては、本発明に使用する成分Aの(ポリグリセリン脂肪酸エステルの)1〜10質量%であることが好ましい。
また、本発明では、グリセリン、1.3−ブチレングリコール(1.3−BG)等の多価アルコール類を配合することは必須ではない。また、保存安定性を保持するためには、水を含む多価アルコール連続相に油性成分を加えることにより、ジェル状の乳化型、液晶型化粧料を作製することは可能であるが、クレンジング料にした際の洗浄力が弱い面や水に対する分散性が低下するため本発明の目的から外れる。よって、本発明では、多価アルコールを配合しないことが好ましい。なお、ポリグリセリン脂肪酸エステル中に残存する未反応のポリグリセリンやグリセリン(HLBが11以上のポリグリセリン脂肪酸エステルは、これらを通常0〜30質量%含む)または水溶性エキス類中に含まれる1.3−BG、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコール類についてはこの限りではない。
水が連続相でないことを判別する方法としては、例えば電気伝導率を測定する方法がある。また、多価アルコールが連続相でないことを判別する方法として炭化水素系の溶剤例えば、ヘキサンやキシレンに溶解する方法等が挙げられる。本発明の自己乳化型油性液状化粧料であることは、例えば市販の簡易電気伝導度計などで25℃で電気伝導率を測定し、電気伝導率が実質的に0であること、より具体的には0.1μS/cm以下であり、ヘキサンに均一に溶解分散することにより確認することができる。
本発明の自己乳化型油性液状化粧料は、本発明の特性を損なわない範囲で、それらの分野で使用される既知の成分を配合することができる。例として挙げると、pH調製剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、エキス類、色剤、香料等が挙げられる。
本発明の自己乳化型化粧料の製造方法は、成分A及び成分Bを含む各成分を通常40〜90℃に加温して混合溶解させるが、成分が常温で溶解すれば常温でも良い。さらに、成分Cやレシチンを配合する場合には、成分A及び成分Bと、成分Cやレシチンを40〜90℃に加温して混合溶解することにより、製造することができる。本発明に必須に使用される成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステル及び成分Bの油性成分以外の成分が配合される場合においても、混合溶解の手順は特に限定されない。例えば、本発明に使用される成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステル及び成分Bの油性成分と、成分CのHLB3〜10の界面活性剤やレシチンなどを同時に混合したり、あるいは本発明に必須で使用される成分Aのポリグリセリン脂肪酸エステルと、成分CのHLB3〜10の界面活性剤やレシチンなどを混合溶解した後に、本発明に必須で使用される成分Bの油性成分を混合溶解させてもよい。その他の成分を配合する場合にも同様である。攪拌は公知の方法であればよく、羽根型攪拌機、ディスパー、ホモミキサーなど装置は特に限定されない。
本発明の自己乳化型油性液状化粧料の具体的なものとして、クレンジング化粧料や浴用化粧料が挙げられる。
本発明のクレンジング化粧料は、安全性に懸念がなく、保存安定性にも優れ、洗浄力も良好で、さらに洗浄後のべとつき感、きしみ感がなく、洗い流す際のぬめり感がなく、すすぎが容易であるという効果を有する。
また、本発明の浴用化粧料は、安全性に懸念がなく、浴湯への分散性が良好で、保存安定性に優れ、しっとり感を有する。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1に本実施例に用いる成文Aのポリグリセリン脂肪酸エステル製造用の特定のポリグリセリン3種(太陽化学(株)製のグレートオイルD−10、グレートオイルD−11、グレートオイルD−12)および比較例に用いるポリグリセリン脂肪酸エステル製造用のポリグリセリン4種(太陽化学(株)製のグレートオイルS−10、グレートオイルS−11、グレートオイルS−12、グレートオイルS−13)のガスクロマトグラフ法によりにより測定したポリグリセリン組成分析の結果を表1に示す。各組成分析値は、面積百分率法により算出した。また、ポリグリセリン中に2量体又は3量体の環状物を含む場合、2量体及び3量体のポリグリセリン組成分析値は、それぞれ非環状物と環状物を合わせた値を示す。
Figure 0003891982
〔分析実施例および分析比較例〕
各種ポリグリセリン製品名と分析例
グレートオイルD−10(分析実施例1)
グレートオイルD−11(分析実施例2)
グレートオイルD−12(分析実施例3)
グレートオイルS−10(分析比較例1)
グレートオイルS−11(分析比較例2)
グレートオイルS−12(分析比較例3)
グレートオイルS−13(分析比較例4)
表1の分析例で示した7種のポリグリセリンを使用して各種ポリグリセリン脂肪酸エステルを合成した。実施例に使用したポリグリセリン脂肪酸エステルを表2に、比較例に使用したポリグリセリン脂肪酸エステルを表3に示す。
Figure 0003891982
Figure 0003891982
〔ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造例〕
表1に示した7種のポリグリセリンをそれぞれ原料として、水酸基価の異なる各種ポリグリセリン脂肪酸エステルを合成した。以下に、グレートオイルD−10(分析実施例1の原料ポリグリセリン)を原料としたポリグリセリン脂肪酸エステルの製造結果を示す。
攪拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取付けた四ツ口フラスコに、ポリグリセリン190g、オレイン酸110gおよびリン酸三カリウム0.1gを入れ、それらを窒素ガス気流中、200〜250℃に加熱し、エステル化反応を行った。反応後、0.3mlのリン酸を加えてHLB12.5の実施例1に使用するポリグリセリンオレイン酸エステルを得た。
以下の実施例および比較例に使用したポリグリセリン脂肪酸エステルは、各種脂肪酸およびポリグリセリンをアトラス法によるHLBの値を理論的に想定した割合で仕込み、前記した反応例と同様の工程でエステル化反応を行ったものである。
〔クレンジング化粧料の実施例および比較例〕
実施例1〜13、比較例1〜14
実施例および比較例で用いたポリグリセリン脂肪酸エステルは、表1で示した組成であるポリグリセリンを用いて上記と同様にして合成したものである。クレンジング化粧料は、表4、5及び6に示した配合で各成分を加え、70〜80℃に加熱して十分に攪拌して溶解させた後、攪拌しながら室温まで冷却することにより調製した。
上記で得られた各クレンジング化粧料について次の(1)、(2)および(3)の項目の評価を行った。結果を表4〜表6に示す。なお、表4〜表6において、分析実施例1、2、3、分析比較例1、2、3、4は、原料のポリグリセリンがそれぞれ分析実施例1、2、3、分析比較例1、2、3、4のものであることを示す。
Figure 0003891982
Figure 0003891982
Figure 0003891982
(1)水への分散性:上記のように調製したクレンジング化粧料(5ml)を水(50ml)に分散させ、3秒間攪拌して、その状態を観察し、下記評価基準に従って評価を行った。
<評価基準>
◎:速やかに自己乳化し、均一に分散する
○:10秒以内で均一に分散する
△:自己乳化するが、白いゲル状物が浮遊している
□:自己乳化が悪く、白いゲル状物と油状物質が浮遊している
×:自己乳化せず油状物質が浮遊している
(2)官能評価:被験者10名に対してウォータープルーフのマスカラをつけた箇所に各クレンジング化粧料を塗布した後、軽く、滑らせるようにして左右に10往復塗布部を繰り返しマッサージした後、手のひらにたっぷりと溜めたぬるま湯を塗布部に当てるように濡らす操作を3回繰り返し行った後、水分を吸わせるようにタオルを当てる。この一連の操作の中で、ぬめり感、すすぎ感、落ち具合、または洗浄後のべたつき感、洗浄後のきしみ感について5段階で評価をした。
ぬめり感;
<評価点> <平均評価点>
4点:ぬめり感が無い ◎:3.5〜4.0点
3点:ぬめり感がほとんど無い ○:3.0〜3.4点
2点:ややぬめり感がある △:2.0〜2.9点
1点:ぬめり感がある □:1.0〜1.9点
0点:非常にぬめり感がある ×:0.0〜0.9点
すすぎ感;
<評価点> <平均評価点>
4点:非常にすすぎやすい ◎:3.5〜4.0点
3点:すすぎやすい ○:3.0〜3.4点
2点:ややすすぎにくい △:2.0〜2.9点
1点:すすぎにくい □:1.0〜1.9点
0点:非常にすすぎにくい ×:0.0〜0.9点
落ち具合;
<評価点> <平均評価点>
4点:非常にきれいに落ちた ◎:3.5〜4.0点
3点:ほぼきれいに落ちた ○:3.0〜3.4点
2点:少し汚れ残しがある △:2.0〜2.9点
1点:汚れ残しがある □:1.0〜1.9点
0点:汚れがほとんど落ちない ×:0.0〜0.9点
洗浄後のべたつき感;
<評価点> <平均評価点>
4点:べたつき感が無い ◎:3.5〜4.0点
3点:べたつき感があまり無い ○:3.0〜3.4点
2点:ややべたつき感がある △:2.0〜2.9点
1点:べたつき感がある □:1.0〜1.9点
0点:非常にべたつき感がある ×:0.0〜0.9点
洗浄後のきしみ感
<評価点> <平均評価点>
4点:きしみ感がない ◎:3.5〜4.0点
3点:きしみ感がほとんどない ○:3.0〜3.4点
2点:ややきしみ感がある △:2.0〜2.9点
1点:きしみ感がある □:1.0〜1.9点
0点:非常にきしみ感がある ×:0.0〜0.9点
(3)保存安定性:5℃、25℃、および40℃で6か月保存し、油層の分離や析出がないか観察した。
安定−○ 析出あるいは二層分離−×
なお、実施例1〜13が油性化粧料であることを確認するために電気伝導率とヘキサン溶解性を調べたところ、全て電気伝導率が0.1μS/cm、且つヘキサンに溶解分散した。
また、実施例1と同様のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用して、本発明でないクレンジング料を調製して評価結果を表7に示した(比較例12、13、14)。
Figure 0003891982
電気伝導率;アズワン(株)製ラコム導電率計ECScanPure+を用いて測定した。
ヘキサン溶解性:ヘキサンに対する溶解性としては、10mlのヘキサン溶液に、駒込ピペットで本発明品を1、2滴滴下し、軽くかき混ぜた後、均一に溶解したかどうかを観察した。
これらの結果より、実施例1〜13は油性、比較例12は水中油型のクリームで、比較例13は水性の多価アルコール連続相であることが認められた。比較例14はすぐに分離してしまったため、測定不能であった。
実施例1〜13に示したように油性成分と特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを配合した油性液状クレンジング化粧料は、落ち具合が良く、洗浄後のべたつき感、きしみ感がなく、さらに洗い流す際のぬめり感がなく、すすぎが容易である事から使用感は良好であった。しかも5℃、25℃、40℃ともに保存安定性が良好であった。一方、比較例1〜11に示したポリグリセリン脂肪酸エステルを配合したクレンジング化粧料では、本発明の目的を達成することはできず、良好な油性液状クレンジング化粧料とはならなかった。また、本発明の油性状クレンジング化粧料は、化粧料とのなじみが非常に良いことが確認され、優れた化粧料であることがわかった。
〔クレンジング化粧料の実施例〕
次の配合で各成分を加え、70〜80℃に加熱して十分に攪拌して溶解させた後、攪拌しながら室温まで冷却することによりクレンジング化粧料を調製した。
実施例14
油性液状クレンジング化粧料処方例
(単位;g)
実施例1に使用したポリグリセリンオレイン酸エステル 15.0
ジグリセリンオレイン酸エステル(HLB7.0) 2.0
大豆レシチン(PC濃度60%) 1.0
イソオクチル酸パルミチル 40.0
ジイソオクチル酸ネオペンチルグリコール 20.0
流動パラフィン 5.0
イソノナン酸イソノニル 15.0
シクロテトラポリシロキサン 0.5
天然ビタミンE 1.0
香料 0.5
合計 100.0
専門パネラー20名が、実施例14の本発明の油性液状クレンジング化粧料を使用した結果、すべての使用感の評価結果で◎(ぬめり感が無い、非常にすすぎやすい、落ち具合としては非常にきれいに落ちた、べたつき感が無い、きしみ感がない)であり、保存安定性も全ての温度で○(安定)であった。
〔クレンジング化粧料の比較例〕
比較例15
実施例14のポリグリセリンオレイン酸エステルの代わりに、ポリエチレングリコールイソステアレート(HLB値12.0)を使用した油性液状クレンジング化粧料を調製した。得られたクレンジング化粧料の落ち具合は◎(非常にきれいに落ちた)であったが、きしみ感が×(非常にきしみ感がある)、残りの使用感は△(ややぬめり感がある、ややすすぎにくい、ややべたつき感がある)であった。
〔浴用化粧料の実施例および比較例〕
実施例15〜23、比較例16〜24
実施例1〜9、比較例1〜9の配合のクレンジング化粧料と同様の方法で調製して得られた浴用化粧料を、それぞれ実施例15〜23、比較例16〜24とした。これらについて浴湯への分散性、使用感(しっとり感)、べたつき感を評価した。評価結果を表8、表9に示す。
Figure 0003891982
Figure 0003891982
(1)浴湯への分散性:上記のように調製した浴用化粧料(20ml)を40℃の浴湯(200l)に分散させ、3秒間素手で攪拌して、その状態を観察し、下記評価基準に従って評価を行った。
<評価方法>
◎:速やかに自己乳化し、均一に分散する
○:10秒以内で均一に分散する
△:自己乳化するが、白いゲル状物が浮遊している
□:自己乳化が悪く、白いゲル状物と油状物質が浮遊している
×:自己乳化せず油状物質が浮遊している
(2)使用感:被験者10名に対して、5分間入浴してもらい、入浴後のしっとり感、べたつき感について、下記のように評価した。
しっとり感;
4点:非常にしっとり感を感じる ◎:3.5〜4.0点
3点:しっとり感を感じる ○:3.0〜3.4点
2点:ややしっとり感を感じる △:2.0〜2.9点
1点:しっとり感があまりない □:1.0〜1.9点
0点:しっとり感がない ×:0.0〜0.9点
べたつき感:
<評価点> <平均評価点>
4点:べたつき感が無い ◎:3.5〜4.0点
3点:べたつき感があまり無い ○:3.0〜3.4点
2点:ややべたつき感がある △:2.0〜2.9点
1点:べたつき感がある □:1.0〜1.9点
0点:非常にべたつき感がある ×:0.0〜0.9点
本発明品は、いずれの項目も優れていたが、比較品はいずれの項目も不十分であった。
〔浴用化粧料の実施例〕
次の配合で各成分を加え、70〜80℃に加熱して十分に攪拌して溶解させた後、攪拌しながら室温まで冷却することにより浴用化粧料を調製した。
実施例24
浴用化粧料処方例
(単位;g)
実施例1に使用したポリグリセリンオレイン酸エステル 16.0
ジグリセリンオレイン酸エステル(HLB7.0) 2.0
大豆レシチン(PC濃度60%) 0.5
パルミチン酸イソステアリル 40.0
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 20.0
スクワラン 5.0
トリ(カプリル・カプリン)酸グリセリル 14.5
ハイオレイック紅花油 1.0
香料 1.0
合計 100.0
専門パネラー20名が、実施例24の本発明の浴用剤を使用した結果、浴湯への分散性◎(速やかに自己乳化し、均一に分散する)、しっとり感◎(非常にしっとり感を感じる)、べたつき感◎(べたつき感が無い)という評価結果であった。保存安定性も全ての温度で○(安定)であった。
実施例15〜24に示したように油性成分と特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを配合した浴用剤は、お湯への分散性が良好であり、保存安定性に優れ、しっとり感といった使用感にも優れているものであった。一方、比較例16〜24に示したポリグリセリン脂肪酸エステルを配合した場合では、お湯への分散性、安定性および使用感が悪く、浴用剤として不良であった。
本発明の自己乳化型油性液状化粧料は、化学品業界、薬品業界等において広範に利用することができる。

Claims (19)

  1. 次の成分Aの配合量が8〜30質量%、成分Bの配合量が50〜92質量%であることを特徴とする自己乳化型油性液状化粧料。
    成分A:HLB値が11.0〜15.0で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基及び/又は炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであって、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリン中0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリン中の10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリン中の4〜20%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。
    成分B:油性成分。
  2. 炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基がイソステアリン酸残基、炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基がオレイン酸残基である請求項1に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  3. 成分Aの配合量が10〜25質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  4. 成分Bの配合量が65〜85質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  5. 水が配合されていないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  6. 25℃における電気伝導率が0.1μS/cm以下で、且つ、炭化水素溶剤に均一に溶解分散することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  7. さらにレシチンを、成分Aの1〜10質量%配合してなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  8. 成分Bの油性成分中の炭化水素油の配合量を、自己乳化型油性液状化粧料の10質量%未満となる量とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  9. クレンジング化粧料である請求項1〜8のいずれか1項に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  10. 浴用化粧料である請求項1〜8のいずれか1項に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  11. 次の成分Aのうち、HLB値が12.0〜14.0であるポリグリセリン脂肪酸エステルを使用する場合であって、HLB値が12.0〜14.0のポリグリセリン脂肪酸エステルである成分Aの配合量が8〜30質量%、成分Bの配合量が65〜90質量%、及び成分Cの配合量が、HLB値が12.0〜14.0のポリグリセリン脂肪酸エステルである成分Aの配合量に対して0.1〜100質量%であることを特徴とする自己乳化型油性液状化粧料。
    成分A:HLB値が11.0〜15.0で、全構成脂肪酸残基の50〜100質量%が炭素数16〜18の分岐脂肪酸残基及び/又は炭素数16〜18の直鎖不飽和脂肪酸残基であるポリグリセリン脂肪酸エステルであって、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成しているポリグリセリンにおいて、2量体及び3量体のポリグリセリン環状物の合計組成割合が全ポリグリセリン中0〜3%、11量体以上のポリグリセリンの合計組成割合が全ポリグリセリン中の10〜30%、及び4〜10量体のポリグリセリンの各組成割合が全ポリグリセリン中の4〜20%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。
    成分B:油性成分。
    成分C:HLB値が2.0〜10.0の界面活性剤。
  12. HLB値が12.0〜14.0のポリグリセリン脂肪酸エステルである成分Aの配合量が10〜25質量%であることを特徴とする請求項11に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  13. 成分Bの配合量が65〜85質量%であることを特徴とする請求項11又は12に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  14. 水が配合されていないことを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  15. 25℃における電気伝導率が0.1μS/cm以下で、且つ、炭化水素溶剤に均一に溶解分散することを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  16. さらにレシチンを、HLB値が12.0〜14.0のポリグリセリン脂肪酸エステルである成分Aの1〜10質量%配合してなることを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  17. 成分Bの油性成分中の炭化水素油の配合量を、自己乳化型油性液状化粧料の10質量%未満となる量とすることを特徴とする請求項11〜16のいずれか1項に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  18. クレンジング化粧料である請求項11〜17のいずれか1項に記載の自己乳化型油性液状化粧料。
  19. 浴用化粧料である請求項11〜17のいずれか1項に記載の自己乳化型油性液状化粧料。

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