JP3892103B2 - タイヤ滑り止め具用締付けバンド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用タイヤに装着したタイヤ滑り止め具の正面側縁部のフックに掛着し、該タイヤ滑り止め具に締付け力を与えてタイヤに緊着させる締付けバンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のタイヤ滑り止め具用締め付けバンドの代表的な製品としては、ゴム等の伸縮性を有する弾性材料からなる単一Oリング型のものと、外側リングとこれと同心の内側リングとを放射状のアームにより連結した二重Oリング型のものとがあり、単一Oリング型のものは通常3本を一組として使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記締付けバンドの使用時に生じる一般的な性状として、タイヤの高速回転によりタイヤ滑り止め具に作用する遠心力が大きくなって締付けバンドの締付け力(張力)の限度を超えると、タイヤ滑り止め具が膨らんでタイヤ表面から浮き上がり、車体との接触干渉を生じたり、あるいはこの状態でタイヤ滑り止め具が外部からの横力を受けると、タイヤに対する装着位置が偏心してタイヤの内側に巻き込まれるという予期しない現象が発生する。
【0004】
このような好ましくない事態が生じるのを防止するための対策としては、単一Oリング型のものでは弾性率の大きいゴム等の材質のものとするか、直径の小さいOリングを使用することによって、必要な張力を確保する必要があるため、タイヤ滑り止め具への掛着・脱着時に多大の労力を消耗することになり、掛脱作業が容易にはできないという問題が生じる。また、二重Oリング型のものは、内側リングの直径を小さくすることによってタイヤ滑り止め具の膨らみや偏心を少なくすることができるけれども、タイヤ滑り止め具への掛脱作業性の点では単一Oリング型のものに比べて遙かに困難であるという問題がある。
【0005】
この発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、高速走行中におけるタイヤ滑り止め具の膨らみや偏心を抑制できる締付け力と、タイヤ滑り止め具への掛脱時の作業容易性との双方を兼ね備えたタイヤ滑り止め具用締付けバンドを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明が採用した解決手段は次のとおりである。
【0007】
環状の外側バンドと、該外側バンドから中心方向に延びる複数の連結アームと、該連結アームを介して前記外側バンドに連結された内側バンドとが弾性材料により一体に成形されてなるタイヤ滑り止め具用締付けバンドにおいて、前記内側バンドは連結アームとの連結点を含む同心円を外接円とする多辺形に形成され、該多辺形の周長L2 が外接円の周長L3 よりも長く、かつ外側バンドの周長L1 との間に、
L1 :L2 :L3 =100:35〜55:25〜40
の関係が成立する曲線と直線とから選んだ辺を組み合わせた形状を有している。
【0008】
この発明において、締付けバンドに要求される性能はタイヤ滑り止め具への掛脱時における作業容易性を損なうことなく、高速走行中においてもタイヤ滑り止め具の膨らみ・偏心に抗する締付け力を確保するという、相反する条件を満たすことである。そのためにどのような手段を構ずべきかにつき、鋭意検討を重ねた結果、外側バンドと同心に配される内側バンドの形状を同心円の形状と異ならせて同心円の周長よりも長くすること、内側バンドの形状は同心円に内接する多辺形とすることが必要であるとの着想を得るに至り、さらに、外側バンド、内側バンド及び同心円(外接円)の各周長との間に所定の数値的な関係が成立するときに最も好適な性能が発揮されるとの結論に到達して、特許請求の範囲に記載したとおりの構成要件を採用したのである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図面において符号10で示す締付けバンドは、環状の外側バンド11と、該外側バンド11から適宜の円周方向間隔をおいて中心方向に延びる複数の連結アーム12と、該連結アーム12を介して外側バンド11に連結された内側バンド13とにより構成され、何れもゴムその他の弾性材料を用いて一体に成形されている。この締付けバンド10は図5に示すように、タイヤ30の外周に巻回装着されたタイヤ滑り止め具20の外側縁部に止着されている複数本のフック21に外側バンド11を掛止させて着装し、外側バンド11の半径方向外方への引張り力を内側バンド13にも負担させることによって締付けバンド10をタイヤ30の中心方向に締付けるものである。
【0010】
図1に示す締付けバンド10はこの発明の第1例であり、外側バンド11はタイヤ30にタイヤ滑り止め具20を巻回した状態で円周方向に配置されたフック21の直径より適宜小径の寸法に成形されている。
【0011】
内側バンド13は外側バンド11から中心方向に、8等分された円周方向間隔をおいて放射状に延びる連結アーム12との連結点を含む同心円を外接円15とする糸巻状刀つば型の多辺形を形成している。この多辺形を構成する辺は、外接円15と同一の曲率をもって外接円15の対称位置での円周を形成する4個の凸状円弧13aと、外接円15の曲率よりも大きい曲率をもって半径方向内側にわん曲して前記凸状円弧13aと接合する4個の凹状円弧13bとからなり、曲率の異なる凸状円弧13aと凹状円弧13bとを組み合わせた形状になっている。かかる構成の多辺形からなる内側バンド13は、各辺の長さを総計して得られる周長L2 が、外周円15の周長L3 よりも長くなる。
【0012】
次に、締付けバンド10を用いてタイヤ滑り止め具20に締付け力を与える手順について説明する。図5はタイヤ30に装着されたタイヤ滑り止め具20をタイヤ30の外側正面から視た概要図であり、タイヤ滑り止め具20としてはネット型の帯状体に成形された非金属製のものを一例として図示してある。
【0013】
先ず、タイヤ滑り止め具20の幅方向両側縁部(タイヤ側面における周方向)のうち、図示されていないタイヤ30の裏面側(車体側)における内側縁部にフックを介して止着されているサイドロープの両端を結合することにより、タイヤ30の外周に巻回されたタイヤ滑り止め具20の長手方向両端の接合部22,23がタイヤ30の裏面側で結着される。
【0014】
これに続いて、タイヤ30の正面側におけるタイヤ滑り止め具20の外側縁部に止着されているフック21のうち、ほぼ対称位置にあるフック21を選んで締付けバンド10の外側バンド11を順次掛着することによって、外側バンド11の半径方向外方への引張り力が連結アーム12を介して内側バンド13に伝達され、外側バンド11と内側バンド13との双方による半径方向外方への引張り力により、タイヤ滑り止め具20はタイヤ30の中心方向への締付け力が与えられた状態となる。
【0015】
タイヤ滑り止め具20のフック21に掛着された締付けバンド10の外側バンド11と内側バンド13とは、引張り力の作用を受けて図示のように各辺が直線状に伸びた多角形状を呈する。
【0016】
図2に示す第2例の締付けバンド10は、図1の第1例と類似形状の内側バンド13を構成する多辺形の凸状円弧13aを直線13cの辺に替えたものである。このような円弧と直線との辺を組み合わせた多辺形からなる内側バンド13は、その周長L2 を図1における周長L2 よりも短くすることができる。
【0017】
図3に示す第3例の締付けバンド10は、図2の第2例における内側バンド13を構成する多辺形の凹状円弧13bを直線13dからなる台形状の辺に替え、すべての辺を直線の辺として組み合わせた多辺形としたものであり、このような構成とすることによって内側バンド13の周長L2 を図2における周長L2 と適宜異ならせることができる。
【0018】
図4に示す第4例の締付けバンド10は、外側バンド11から6等分された円周方向間隔をおいて中心方向に放射状に延びる連結アーム12と内側バンド13との連結点を含む同心円が、凹六角形状の多辺形からなる内側バンド13の外接円15となっている。この多辺形を構成する辺は、外接円15の曲率よりも大きい曲率をもって半径方向内側にわん曲する凹状円弧13eであり、同一の曲率をもつ凹状円弧13eを6個組み合わせた形状となっている。このような多辺形を用いて内側バンド13を構成すると、図1の第1例の内側バンド13に比べてその周長L2 を外接円15の周長L3 よりもより長くすることができる。
【0019】
上記図1〜4に示した締付けバンド10は、内側バンド13を構成する曲率をもった辺として円弧を用いてあるが、円弧以外の任意の曲線を用いてもよいことは論を俣たない。
【0020】
また、締付けバンド10の内側バンド13の形状については図示した例に限定されるものでなく、多辺形の辺の数、辺を構成する曲線もしくは直線又は曲線と直線との組み合わせの形態については任意に選定することができる。
【0021】
【実施例】
この発明の締付けバンドのタイヤ滑り止め具に対する掛脱作業性の難易及び高速走行時のタイヤ滑り止め具の膨らみ量を、従来品と比較するために行った試験の結果は表1に示すとおりである。
【0022】
この発明の締付けバンドは図1の形態のものを用い、従来の締付けバンドは単一Oリング型3本Aと二重Oリング型Bとの2種類を用いた。本発明品については内側バンドの周長L2 と外周円の周長L3 とがこの発明の数値限定範囲を満たす4種のものを試作した。
【0023】
これらの試験品を夫々乗用車用タイヤ(サイズ185/70R14)のネット型タイヤ滑り止め具に掛着及び脱着する際の難易度を感覚的に判定し、最高速度80Km/hで走行したときのタイヤ滑り止め具のタイヤ周上の接合部における膨らみ量を測定した。
【0024】
表1における掛脱作業性は従来品Aを基準とする5点法による指数表示であり、膨らみ量は従来品Aを基準とする100点法による指数表示である。
【0025】
【表1】
【0026】
表1のデータから明らかなように、本発明品は従来品Aに比べてタイヤ滑り止め具に対する掛脱作業性は低下するものの、許容レベルの範囲に属するものであり、高速走行時におけるタイヤ滑り止め具の膨らみ量は25%以下に減少しており、従来品Bに比べるとタイヤ滑り止め具に対する掛脱作業性は大幅に向上し、高速走行時におけるタイヤ滑り止め具の膨らみ量はほぼ同等程度であることが判る。これにより本発明品はタイヤ滑り止め具に対する掛脱作業の容易性を保持しながら、高速走行中におけるタイヤ滑り止め具の膨らみを抑制するに十分な締付け力を備えていることが確認された。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明は外側バンドと同心の内側の円を外接円とする内側バンドを外接円の周長より長い周長をもつ多辺形状に形成し、外側バンドの周長に対して内側バンドと外接円との周長が所定の数値範囲での比率関係を満たすような曲線と直線とから選んだ辺を組み合わせることにより前記多辺形を構成することを要件としているので、この発明によれば、従来のこの種形式の締付けバンドでは到底望み得ることができなかったタイヤ滑り止め具への掛脱作業の容易性と、高速走行時におけるタイヤ滑り止め具の膨らみや偏心を抑制する締付け力との相反する性能を兼ね備えた取扱いが簡便で信頼性の高い締付けバンドが得られ、ひいてはタイヤ滑り止め具の長寿命化にも資するところが大であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の締付けバンドの第1例を示す正面図である。
【図2】この発明の締付けバンドの第2例を示す正面図である。
【図3】この発明の締付けバンドの第3例を示す正面図である。
【図4】この発明の締付けバンドの第4例を示す正面図である。
【図5】この発明の締付けバンドを用いてタイヤに装着されたタイヤ滑り止め具を示す概要正面図である。
【符号の説明】
10 締付けバンド
11 外側バンド
12 連結アーム
13 内側バンド
13a〜13e 内側バンドの辺
15 外接円
20 タイヤ滑り止め具
Claims (1)
- 環状の外側バンドと、該外側バンドから中心方向に延びる複数の連結アームと、該連結アームを介して前記外側バンドに連結された内側バンドとが弾性材料により一体に成形されてなるタイヤ滑り止め具用締付バンドにおいて、前記内側バンドは連結アームとの連結点を含む同心円を外接円とする多辺形に形成され、該多辺形の周長L2 が外接円の周長L3 よりも長く、かつ外側バンドの周長L1 との間に、
L1 :L2 :L3 =100:35〜55:25〜40
の関係が成立する曲線と直線とから選んだ辺を組み合わせた形状を有していることを特徴とするタイヤ滑り止め具用締付けバンド。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP10053797A JP3892103B2 (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | タイヤ滑り止め具用締付けバンド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10053797A JP3892103B2 (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | タイヤ滑り止め具用締付けバンド |
Publications (3)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10287112A JPH10287112A (ja) | 1998-10-27 |
| JPH10287112A5 JPH10287112A5 (ja) | 2005-03-10 |
| JP3892103B2 true JP3892103B2 (ja) | 2007-03-14 |
Family
ID=14276709
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10053797A Expired - Fee Related JP3892103B2 (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | タイヤ滑り止め具用締付けバンド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3892103B2 (ja) |
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1997
- 1997-04-17 JP JP10053797A patent/JP3892103B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH10287112A (ja) | 1998-10-27 |
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