JP3900558B2 - 感熱転写記録用受像シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は感熱転写記録用受像シートに関し、更に詳しくは溶融型感熱転写記録に用いられる、印刷濃度および画像再現性に優れた高階調性の感熱転写記録用受像シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードコピー技術における記録方法の一つとしてノンインパクト、操作、保守が容易、低コスト、小型化可能な感熱転写記録が注目されている。
【0003】
特に溶融型感熱転写記録方式においては、溶融インキを部分転写あるいはドット径を変化させて印字することにより高度な階調性を得る印字方式が注目されている。
【0004】
従来、溶融型感熱転写記録用受像シートとしては、普通紙、上質紙、合成紙、ポリエステルフィルムなどが用いられ、更に溶融インキの定着性を向上させる目的でポリエステルフィルム上にビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体積層(特開昭62−231791号公報)、ビニルアルコール/酢酸ビニル共重合体積層(特開昭62−231792号公報)、共重合ポリエステル積層(特開平4−86293号公報)などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし高階調性を表現する溶融型感熱転写方式は、サーマルヘッドへの印加エネルギーをコントロールすることにより転写させるインキ量を調整しているため、それに応じた微小ドットや転写インキ量の増減、特に小さいエネルギーで印字する場合の受像シートへの転写性、すなわちドット再現性が良く、転着性の良いものが要求される。
【0006】
この点において従来から用いられている普通紙、上質紙、合成紙は表面が粗いため微小ドットの再現性が悪く、鮮明な画像を得ることができない。またポリエステルフィルムは表面は平滑であるものの、高度に結晶配向しているためドットの転着性が悪い。また、これを改良する目的で表面に被覆層を設けた上記従来技術では充分な階調性を得ることができないものであった。
【0007】
本発明はかかる欠点を改良し、転写性されるべきインキの転着性が良好で、ドット再現性が良く階調性に優れた感熱転写記録用受像シートを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、白色基材フィルムの少なくとも片面に、変性ポリオレフィンと共重合樹脂系の合成ワックス系組成物を主たる構成成分とする受像層が設けられてなり、該受像層の表面自由エネルギーが25〜45mN/mであることを特徴とする感熱転写記録用受像シートに関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の感熱転写記録用受像シートは、白色基材フィルムの少なくとも片面に、変性ポリオレフィンと共重合樹脂系の合成ワックス系組成物を主たる構成成分とする受像層が設けられてなり、該受像層の表面自由エネルギーが25〜45mN/mであることによって主として特徴付けられる。
【0010】
本発明において、白色基材フィルムとしては、代表的なものとしては白色化されたポリエステルフイルム、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンフイルム、ナイロンに代表されるポリアミドフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリウレタンフイルム、ポリカーボネートフイルム、アクリル系フイルム、フッ素系フイルムなどを用いることができる。これらはホモポリマーでも共重合ポリマーであってもよい。これらの内、機械的強度、寸法安定性、受像層との接着性などの点で白色ポリエステル系フイルムが好ましい。
【0011】
本発明におけるポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、特に好ましいポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリエチレン−α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン−2,6−ナフタレートなどである。これらの中でも寸法安定性、機械的強度、作業性などの品質あるいは経済性などを総合的に判断すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。
【0012】
このポリエステルはホモポリマーであっても、これらのポリエステルを混合したものでも、あるいは他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下共重合されていてもよい。具体的な共重合成分としてはイソフタル酸、炭素数4〜10の脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびこれらのエステル、炭素数3〜20のジオール、シクロヘキサンジメタノールなどを用いることができる。
【0013】
更に、上記ポリエステル中には本発明の目的を阻害しない範囲内で他種ポリマーをブレンドしたり、共重合してもよいし、各種添加剤、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などが添加されていてもよい。
【0014】
上述したポリエステルの極限粘度(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/gの範囲にあるものが本発明を実施する上で好適である。
【0015】
白色基材フィルムの厚みは特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択されるが、機械的強度などの点から、通常好ましくは20〜500μm、さらに好ましくは50〜300μmである。また、得られたフィルムを各種の方法で貼り合わせ、更に厚いフィルムとすることもできる。
【0016】
本発明の感熱転写記録用受像シートにおいて、白色基材フィルムとして用いられる白色ポリエステル系フィルムは、白色に着色されたポリエステル系フィルムであれば特に限定されるものではないが、白色度については、好ましくは55〜180%、より好ましくは85〜150%、さらに好ましくは90〜130%である。光学濃度については、好ましくは0.5〜5、より好ましくは0.8〜3、さらに好ましくは1〜2である。例えば、白色度が小さい基材フィルムを使用した場合、反対面の模様や着色が透過し画像の美観が損なわれ易く、一方、光学濃度が小さい場合、十分な光線反射が得られず、肉眼で見た場合白さが減少する、反対面の影響を受けやすい傾向にある。
【0017】
このような光学濃度、白色度を得る方法は、特に限定されないが、通常は無機粒子の添加による白色化、またはポリエステルと非相溶の樹脂を添加し、それを一軸または二軸延伸することによりフィルム内部に微細なボイドを含有させ、該ボイドで光を散乱させることによる白色化などが採用される。添加する量は特に限定されないが、無機粒子の場合、好ましくは5〜35重量%、より好ましくは8〜25重量%である。一方、非相溶性の樹脂を添加する場合は、好ましくは5〜35重量%、より好ましくは8〜25重量%である。
【0018】
該無機粒子は特に限定されないが、好ましくは平均粒径0.1〜4μm、より好ましくは0.3〜1.5μmの無機粒子などをその代表的なものとして用いることができる。具体的には、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、アルミナ、タルク、クレー等あるいはこれらの混合物を使用でき、これらの無機粒子は他の無機化合物、例えばリン酸カルシウム、酸化チタン、雲母、ジルコニア、酸化タングステン、フッ化リチウム、フッ化カルシウムなどと併用されてもよい。また、上述した無機粒子の中でもモース硬度が5以下、好ましくは4以下のものを使用する場合、白色度が更に増すためより好ましい。
【0019】
上述のポリエステルと非相溶の樹脂としては、特に限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートと混合する場合についていえば、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリメチルブテン、変性オレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、フッ素系ポリマーなどを用いることができ、上述した無機粒子と併用してもよい。
【0020】
特に、ポリエステルに無機粒子および/またはポリエステルと非相溶の樹脂を混合して2軸延伸し、内部に微細なボイドを有する、比重が0.5〜1.3の白色ポリエステルフィルムは印刷特性が良好になるので好ましい。このとき、そのボイドを微細化するため相溶化剤を添加するのが好ましい。相溶化剤としては、ポリエステルポリエーテル共重合体が好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体、ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコール共重合体などを用いることができる。
【0021】
本発明において受像層を形成する組成物は変性ポリオレフィンと共重合樹脂系の合成ワックス系組成物を主たる構成成分とするものである。ここで主たる構成成分とは該組成物が受像層中において55重量%以上であることをいう。受像層形成の一成分である変性ポリオレフィンとはエチレン−プロピレンに代表されるオレフィン類と酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸およびそのエステル、スチレン、ブタジエンなどとの共重合体であって、その一例としてエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−スチレン共重合体などの2元共重合体、エチレン−アクリル酸−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸−スチレン共重合体、エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体などの3元共重合体および上記の4種、5種の共重合体などを用いることができる。
【0022】
これらの中でもエチレン−アクリル酸−酢酸ビニル共重合体が特に好ましく用いることができる。その共重合比は特に限定されないが、エチレン100重量部に対してアクリル酸2〜200重量部、酢酸ビニル2〜200重量部の範囲で共重合されたものが好ましい。
【0026】
本発明に用いる合成ワックスとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの炭化水素、アクリル酸、メタクリル酸、脂肪酸アミドなどの樹脂酸、エステル、ウレタン、ケトン、アミン、イミド、塩化ビニル、スチレン、酢酸ビニル、エポキシなどの炭化水素、樹脂酸、樹脂から選ばれる1種または2種以上を共重合した共重合樹脂系の合成ワックスであることが必要である。
【0027】
本発明においては、印刷濃度、画像再現性の点で、エチレン−アクリル酸共重合ワックス、酢酸ビニル−エチレン共重合ワックス、アクリル酸−酢酸ビニル−エチレン共重合ワックス、アクリル酸−スチレン共重合ワックス、酢酸ビニル−アクリル酸共重合ワックスなどを用いることが好ましい。
【0028】
さらに本発明においては、受像層形成塗液として上記共重合樹脂系の合成ワックス系組成物(以下、ワックス系組成物ともいう)にカルボキシル基や水酸基を付加し、これに界面活性剤を使用することによって乳化したワックス水分散体が、環境汚染、防爆性、溶剤毒性がないこと、および取扱性の点で好ましい。
【0029】
上記ワックス系組成物は単独で用いてもよいし、1種または2種以上組合せて用いてもよい。
【0030】
用いられるワックス系組成物の分子量は、受像層強度の点で、好ましくは300以上、より好ましくは500以上、最も好ましくは1000以上である。また、その上限は100000程度までとするのが最も好ましい。
【0031】
本発明において受像層を形成する変性ポリオレフィンとワックス系組成物の混合比は本発明の要件である受像層の表面自由エネルギーが25〜45mN/mの範囲であれば特に限定されないが、好ましくは変性ポリオレフィン/ワックス系組成物が固形分重量比で10/90〜90/10、より好ましくは20/80〜80/20、更には40/60〜60/40であるのが好ましい。
【0032】
また、本発明においては、受像層中に平均粒径0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μm、さらに好ましくは0.08〜2μmの粒子が0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.2〜8重量%添加されていることが望ましい。平均粒径が0.01μm未満の場合、易滑性、耐ブロッキング性、耐傷性が劣る傾向がある。逆に10μmより大きい場合には、表面の凹凸が大きくなりインクの転写ムラ、画像のかすれなどが発生する傾向にある。また添加量が0.1重量%より少ない場合、易滑性、耐ブロッキング性、耐傷性が劣る傾向がある。一方、20重量%より多い場合には、印刷濃度や画像再現性に劣る場合がある。
【0033】
添加する粒子としては有機粒子、有機架橋粒子、無機粒子など特に限定されるものではなく、例えば、アクリル、シリコーン、テフロン、メラミン等の有機粒子、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等の無機粒子を用いることができる。これらの粒子は単独で用いてもよいし、1種または2種以上を組合わせて用いてもよい。
【0034】
また、受像層中には本発明の効果が損なわれない範囲内で、各種の樹脂、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂などが配合されてもよい。
【0035】
更に、受像層中には本発明の効果が損なわれない範囲内で各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、充填剤、核剤、架橋剤などが配合されてもよい。
【0036】
本発明においては、受像層形成塗液中に塗布性を向上させる目的で、界面活性剤が添加されていることが好ましい。添加する界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、硫酸塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩などのアニオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルピリジウム塩などの第4級アンモニウム塩を主成分とする化合物であるカチオン性界面活性剤、ポリエーテル類、多価アルコール類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどを主成分とする化合物である非イオン性界面活性剤、長鎖脂肪族基、第4級アンモニウム塩型の窒素とカルボキシル基またはスルホン基を持つ化合物などの両性界面活性剤、および上記界面活性剤の疎水性基がフルオロカーボン鎖である化合物などのフッ素系界面活性剤などを用いることができる。
【0037】
本発明では、上記界面活性剤であれば、特に限定されずに用いることができるが、少量添加で効果の大きいフッ素系界面活性剤が好ましく用いられる。
【0038】
本発明で使用されるフッ素系界面活性剤の具体例としては、例えばフルオロカルボキシポリフルオロアルキル硫酸エステル、フルオロカーボンスルホン酸塩、フルオロカーボンカルボン酸塩などのアニオン型フッ素系界面活性剤、N−フルオロアルキルスルホンアミドアルキルアミン4級アンモニウム塩、N−フルオロアルキルスルホンアミドアルキルアミン塩、N−フルオロアルキルアミドアルキルアミン4級アンモニウム塩、N−フルオロアルキルアミドアルキルアミン塩、N−フルオロアルキルスルホンアミドアルキルハロメチルエーテル4級アンモニウム塩などのカチオン型フッ素系界面活性剤、フルオロカーボンスルホンアミド、フルオロカーボンアミノスルホンアミド、フルオロカーボンカルボキシスルホンアミド、フルオロカーボンヒドロキシスルホンアミド、フルオロカーボンスルホンアミドエチレンオキサイド付加物、フルオロカーボンヒドロキシスルホンアミド硫酸エステル、フルオロカーボンアミノ酸アミド、フルオロカーボン酸アミド、フルオロカーボンヒドロキシ酸アミド、フルオロカーボン酸アミドのエチレンオキサイド付加縮合物、フルオロカーボンヒドロキシ酸アミド硫酸エステル、フルオロカーボンスルホン酸、フルオロハイドロカーボンカルボン酸、フルオロカーボンスルホン酸、フルオロハイドロカーボンアルキルエステル、フルオロハイドロカーボンアルキルエーテル、フルオロハイドロカーボンカルボシキアルキルエステル、フルオロハイドロカーボンヒドロキシアミド、フルオロアルキルジアミンなどの非イオン型フッ素系界面活性剤、ベタイン型フルオロカーボンスルホンアミド結合を有するアルキルアミン、ベタイン型フルオロカーボン酸アミド結合を有するアルキルアミンなどの両性型フッ素系界面活性剤などを用いることができる。
【0039】
界面活性剤の添加量は特に限定されないが、受像層形成塗液の全重量に対して0.001〜1重量%が好ましく、さらに好ましくは0.005〜0.8重量%、最も好ましくは0.01〜0.5重量%である。0.001重量%より少ない場合、界面活性剤の効果が小さく、塗布性が劣る傾向がある。一方、1重量%より多い場合には、インキとの親和性が小さくなって印刷濃度や画像再現性に劣る傾向がある。
【0040】
本発明においては、変性ポリオレフィンと共重合樹脂系の合成ワックス系組成物を主たる構成成分とする受像層の表面自由エネルギーは25〜45mN/mであることが必要であり、さらにはインキとの親和性の点で30〜40mN/mであることが好ましい。表面自由エネルギーが25mN/mより小さいと、インキとの親和性が低下し、また表面が滑り易くなるため、転写ムラが起こったり、画像再現性に劣る傾向がある。一方、45mN/mより大きいと、インキとの親和性が低下するため、印刷濃度や画像再現性に劣る傾向がある。
【0041】
また、本発明においては、感熱転写記録用受像シートのクッション率が3〜25%であることが好ましい。すなわち、クッション率を上記範囲内にすることで、例えば、印刷時のサーマルヘッドとのヘッドタッチ性が向上し、印刷特性が更に良好になる。
【0042】
さらに、本発明においては感熱転写記録用受像シートの受像層と反対側の面に帯電防止層および/または易滑層が設けられていることは、耐ブロッキング性、シートの搬送性などの向上の点からより好ましいものである。
【0043】
本発明を実施するにあたり、受像層形成塗液の塗布方法は、例えばリバースコート法、グラビアコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ビードコート法、回転スクリーンコート法、スロットオリフィスコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法などを用いることができる。
【0044】
受像層の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.02〜2μmである。0.01μmより小さい場合、インキとの親和性が不良となる場合がある。また5μmより大きい場合、印刷濃度や画像再現性に劣る場合がある。
【0045】
次に、本発明の感熱転写記録用受像シートの製造方法について説明するが、これに限定されるものではない。
【0046】
平均1次粒径0.1〜0.2μm、平均2次粒径0.3〜0.4μmの二酸化チタンを2〜30重量%、および平均粒径0.5〜2.5μmのシリカを0.01〜1重量%含有するPETペレット(極限粘度0.5〜0.8dl/g)を、十分に真空乾燥した後、押出機に供給し、260〜300℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度10〜60℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸PETフィルムを作成する。この未延伸フィルムを70〜120℃に加熱されたロール間で縦方向(フィルムの進行方向)に2.5〜5倍延伸する。このフィルムの少なくとも片面にコロナ放電処理を施し、その処理面に本発明の積層膜形成塗液を塗布する。この塗布されたフィルムをクリップで把持して70〜150℃に加熱された熱風ゾーンに導き、乾燥した後、幅方向に2.5〜5倍延伸し、引き続き160〜250℃の熱処理ゾーンに導き、1〜30秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させた。この熱処理工程中で必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。二軸延伸は、縦、横逐次延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよく、また縦、横延伸後、縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。また、ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されるものではないが、20〜500μmが好ましい。この場合に用いられる受像層形成塗液は環境汚染や防爆性の点で水系が好ましい。
【0047】
また上記の方法以外に二軸延伸白色ポリエステルフィルムに本発明塗液を塗布し、乾燥することによっても得ることができる。
【0048】
このようにして得られた感熱転写記録用受像シートは、インキ、特に溶融型感熱転写用途で用いられるインキとの良好な親和性を示すことによって、優れた印刷濃度と画像再現性を有するものである。
【0049】
【特性の測定方法および効果の評価方法】
本発明における特性の測定方法及び効果の評価方法は次の通りである。
【0050】
(1)塗布層の厚み
(株)日立製作所製透過型電子顕微鏡HU−12型を用い、感熱転写記録用受像シートの断面を観察した写真から求めた。厚みは測定視野内の30個の平均値とした。
【0051】
(2)光学濃度
感熱転写記録用受像シートを1枚あるいは数枚重ね、光学濃度計(マクベス(株)製TR927)を用いて透過濃度を測定する。このときのフィルム厚みと光学濃度とをプロットし、150μm厚みに相当する光学濃度を補間法あるいは補外法にて求めた。
【0052】
(3)白色度
JIS−L−1015に準じて、(株)島津製作所製UV−260を用いて測定する。波長450nmおよび550nmにおける反射率を、各々B%、G%とすると、白色度は下記式で表される。
【0053】
白色度(%)=4B+3G
このときのフィルム厚みと白色度とをプロットし、150μm厚みに相当する白色度を補間法あるいは補外法にて求めた。
【0054】
(4)表面自由エネルギー
表面自由エネルギーおよびその各成分(分散力、極性力、水素結合力)が既知の4種類の測定液(本発明ではJ.Panzer,J.Colloid Interface Sci.,44,142(1973)に記載の水、ホルムアミド、ヨウ化メチレンの数値を用いた。)を用い、23℃、相対湿度65%の条件下で接触角計CA−D型(協和界面科学(株)製)にて各液体の受像層上での接触角を測定した。測定は5個の平均値を用いた。この値を拡張Fowkes式とYoungの式より導入される下記式を用いて各成分を計算した。
【0055】
(γSd ・γLd )1/2 +(γSp ・γLp )1/2 +(γSh ・γLh )1/2 =γL(1+cosθ)/2
但し、γS=γSd +γSp +γSh 、γL=γLd +γLp +γLh
ここで、γS、γSd 、γSp 、γSh はそれぞれ、受像層表面の表面自由エネルギー、分散力成分、極性力成分、水素結合力成分を表し、γL、γLd 、γLp 、γLh はそれぞれ用いた測定液の表面自由エネルギー、分散力成分、極性力成分、水素結合力成分を表す。また、θは受像層上での測定液の接触角を表す。各々の液体について得られたθと測定液の表面自由エネルギーおよびその各成分の値を代入し、連立方程式を解いて受像層の表面自由エネルギーを求めた。
【0056】
(5)クッション率
三豊製作所(株)製ダイヤルゲージNo.2109−10に標準測定子900030を用い、更にダイヤルゲージスタンドNo.7001DGS−Mを用いて、ダイヤルゲージを押さえ、部分荷重50gと500gとをかけたときのそれぞれのフィルム厚みd50とd500から、次式により求める。
【0057】
クッション率(%)=100×(d50−d500)/d50
【0058】
(6)印刷濃度および画像再現性
カラープリンターとして「Professional Color Point 2」(セイコー電子工業(株)製)、熱転写インクリボンとして専用のCH705(イエロー、マゼンタ、シアン セイコー・アイ・サプライ(株)製)を用いて、本発明の感熱転写記録用受像シートに「テストパターンプリント」モードで印刷した。そして印刷面の印刷濃度および画像再現性について目視で観察して以下の3段階評価を行った。○以上を良好と判定した。
【0059】
○:全体の印刷濃度が高く、転写ムラの無い良好な画像である。また、画像再現性も良好である
△:転写ムラが見られ、画像再現性に劣る
×:転写ムラあるいは未転写部分が数多く見られ、画像再現性が全く不良である
【0060】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0061】
実施例1
厚み100μm、光学濃度1.2、白色度90%の二軸配向白色PETフィルム(東レ(株)製“ルミラー”)の片面に以下の受像層形成塗液を塗布した。
【0062】
「受像層形成塗液」
(A)変性ポリオレフィン:ウレタン変性ポリエチレン樹脂(“HYTEC”S−3148:東邦化学(株)製)
(B)ワックス系組成物:アクリル酸−酢酸ビニル−エチレン共重合ワックス水分散体(“HYTEC”E−7462”東邦化学(株)製)
(C)添加粒子:シリカ(平均粒径0.3μm)
(D)界面活性剤:フッ素系界面活性剤
(A)/(B)の固形分重量比を40/60としたものに、(C)を固形分に対して4重量%、(D)を塗液の全重量に対して0.05重量%添加して混合した。
【0063】
上記の受像層形成塗液を、乾燥後の厚みが0.1μmとなるようグラビアコーターで塗布し、120℃で2分間乾燥させ、感熱転写記録用受像シートを得た。このとき表面自由エネルギーは33.7mN/mであった。評価結果を表1に示す。
【0064】
比較例1
実施例1において変性ポリオレフィンを除いたこと以外は、実施例1と同様にして感熱転写記録用受像シートを得た。表面自由エネルギーは23.1mN/mであった。評価結果を表1に示す。
【0065】
比較例2
実施例1においてワックス系組成物を除いたこと以外は、実施例1と同様にして感熱転写記録用受像シートを得た。表面自由エネルギーは49.4mN/mであった。評価結果を表1に示す。
【0066】
実施例2
実施例1において、変性ポリオレフィン/ワックス系組成物の固形分重量比を20/80とした以外は、実施例1と同様にして感熱転写記録用受像シートを得た。このとき表面自由エネルギーは28.9mN/mであった。評価結果を表1に示す。
【0067】
実施例3
実施例1において、変性ポリオレフィン/ワックス系組成物の固形分重量比を80/20とした以外は、実施例1と同様にして感熱転写記録用受像シートを得た。このとき表面自由エネルギーは41.5mN/mであった。評価結果を表1に示す。
【0068】
比較例3
実施例1において、変性ポリオレフィン/ワックス系組成物の固形分重量比を5/95とした以外は、実施例1と同様にして感熱転写記録用受像シートを得た。このとき表面自由エネルギーは24.2mN/mであった。評価結果を表1に示す。
【0069】
比較例4
実施例1において、変性ポリオレフィン/ワックス系組成物の固形分重量比を95/5とした以外は、実施例1と同様にして感熱転写記録用受像シートを得た。このとき表面自由エネルギーは47.3mN/mであった。評価結果を表1に示す。
【0070】
実施例4
実施例1において基材フィルムを厚み100μm、光学濃度1.1、白色度79%の二軸配向白色PETフィルム(東レ(株)製“ルミラー”)としたこと以外は、実施例1と同様の方法で感熱転写記録用受像シートを作成した。このとき表面自由エネルギーは33.5mN/mであった。評価結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】
本発明によって作成される感熱転写記録用受像シートは、白色基材フィルム上に変性ポリオレフィンと共重合樹脂系の合成ワックス系組成物を主たる構成成分とする受像層が設けられてなり、該受像層の表面自由エネルギーが25〜45mN/mであることを特徴とし、該受像層とインキとが良好な親和性を示すことにより、印刷濃度および画像再現性に優れるものである。
Claims (4)
- 白色基材フィルムの少なくとも片面に、変性ポリオレフィンと共重合樹脂系の合成ワックス系組成物を主たる構成成分とする受像層が設けられてなり、該受像層の表面自由エネルギーが25〜45mN/mであることを特徴とする感熱転写記録用受像シート。
- 受像層中に粒径0.01〜10μmの粒子が、0.05〜20重量%添加されてなることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写記録用受像シート。
- 感熱転写記録用受像シートのクッション率が3〜25%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の感熱転写記録用受像シート。
- 白色基材フィルムが、内部に微細なボイドを含有する白色ポリエステル系フィルムであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の感熱転写記録用受像シート。
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|---|---|---|---|
| JP23812896A JP3900558B2 (ja) | 1996-09-09 | 1996-09-09 | 感熱転写記録用受像シート |
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|---|---|---|---|
| JP23812896A JP3900558B2 (ja) | 1996-09-09 | 1996-09-09 | 感熱転写記録用受像シート |
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