JP3901436B2 - 熱間圧延方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2本以上の粗バーの先後端を接合して連続熱間圧延を行うための熱間圧延設備、および当該熱間圧延設備を用いた熱間圧延方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スラブを圧延して熱延鋼帯となす熱間圧延においては、従来、スラブを1本ずつ圧延するバッチ圧延が行われてきた。しかし、このバッチ圧延においては、被圧延材が圧延機に噛み込む際の噛み込み不良に起因してライン停止が発生するという問題点があった。また、被圧延材の先後端が非拘束であることに起因して形状や材質の不良が発生し、歩留の低下をもたらすという問題点もあった。
【0003】
そこで、近年になって、複数の粗バーの先後端を順次接合して連続した粗バーとなし、連続的に仕上圧延を行う連続熱間圧延方法が開発されている。
このような連続熱間圧延方法に必須でありキーとなる技術である粗バーの接合方法に関して、種々の提案が行われている。その中の代表的な例として、特開平4−89109号公報には、各粗バーの先端部と後端部を接触させ、粗バーを厚み方向に貫く交番磁界を印加して加熱すると共に、粗バーを押圧することにより粗バーを接合する技術が開示されている。
【0004】
この技術を図5に示す。図5において、6はトランスバース・フラックス型誘導加熱装置、7はクランプ、8aは先行する粗バー、8bは後行する粗バーである。トランスバース・フラックス型誘導加熱装置6は、先行する粗バー8aの後端と後行する粗バー8bの先端とを加熱する。加熱された部分は圧接されて接合される。加熱、圧接の間、粗バー8a、8bはクランプ7によって支持される。
【0005】
なお、この発明に類似の技術として、特開平10−244301号公報には、粗圧延機、接合装置、誘導加熱装置、仕上圧延機をこの順に設置した熱間圧延設備と、それを用いた圧延方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平4−89109号公報に開示される技術には、以下のような問題がある。すなわち、粗バーの接合は加熱と圧接によって行われるので、その間粗バーが停止し、粗バーの温度が降下してしまう。そのため、仕上圧延負荷の上昇や、圧延仕上温度確保が困難になるといった問題が起こる。よって、接合時間を短縮するための技術が必要とされている。
【0007】
特開平10−244301号公報に開示される技術においては、接合装置の後ろに誘導加熱装置が設置されており、接合時間の短縮には全く役立たない。この先行技術は、接合部の前後にある低温部分の温度補償を目的としている。低温部分は、接合時のクランプや、もともと粗バー先後端の温度が他の部分よりも低くなっていたことにより生じる。
【0008】
これらの低温部分は、接合部の直前と直後に存在し、低温部分だけを加熱して接合部分に影響を与えないようにすることは極めて困難である。接合部分を加熱してしまえば、そこが仕上圧延中に破断する可能性が高くなる。逆に、仕上圧延前に低温部分を加熱しなければ、そこは材質が劣化してしまう。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、粗バーの接合に要する時間を短縮し、粗バーの温度の低下を防止する方法を提供することを課題とする。
【0010】
前記課題は、スラブを圧延して粗バーとなす粗圧延機と、粗バーを圧延して熱延鋼帯となす仕上圧延機を有し、粗圧延機と仕上圧延機の間に、粗バーの先後端のみを、幅方向全体にわたって加熱する誘導加熱装置と、先行する粗バーの後端と後行する粗バーの先端を加熱した後に両者を圧接する接合装置が、この順序で配置された熱間圧延設備を用いた熱間圧延方法であって、前記誘導加熱装置で先行する粗バーの後端と後行する粗バーの先端のみを加熱した後、先行する粗バーの後端と後行する粗バーの先端を前記接合装置で接合することを特徴とする熱間圧延方法により解決される。
【0011】
本手段においては、粗バーを接合する手段として、前記特開平4−89109号公報に開示されるような、先行する粗バーの後端と後行する粗バーの先端を加熱した後に両者を圧接する接合装置が設けられている。そして、この接合装置での接合時間を短縮するために、この接合装置の前に、粗バー先後端のみを、粗バーを幅方向全体にわたって加熱する誘導加熱装置を設け、この誘導加熱装置で、粗バーの接合される部分を予め加熱しておくようにしている。これにより、接合装置での加熱時間が短縮されるので、接合に要する時間も短縮され、粗バーの温度の低下を防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の1例である熱間圧延設備の配置の概要を示す図である。図1において、1は粗圧延機、2は搬送ローラー、3はソレノイド型誘導加熱装置、4は接合機、5は仕上圧延機である。本実施の形態においては、図1に示すように、粗圧延機1、ソレノイド型誘導加熱装置3、接合機4、仕上圧延機5が、この順序に配置されている。
【0021】
接合装置4は、加熱・圧接のように、粗バーの加熱を含む方法を採用したものである。例えば、図5に示す特開平4−89109号公報に記載されているように、先行する粗バー8aの後端と、後行する粗バー8bの先端を、トランスバース・フラックス型誘導加熱装置6で加熱しつつ、クランプ7で粗バー8a、8bを把持して圧接するような方式のものが使用できる。
【0022】
このような接合方式では、加熱・圧接の間、粗バー8aの後端と、粗バー8bの先端は、接合装置4の中に留めて置かなければならず、接合時間中の熱ロスが問題である。そこで本実施の形態の熱間圧延設備では、接合装置4の前に、ソレノイド型誘導加熱装置3を設置している。粗バーの先後端は、粗圧延機1から仕上圧延機5まで搬送される途中で、ソレノイド型誘導加熱装置3にて必要な温度付近まで昇温される。こうして、接合装置4内における加熱時間を短縮することにより、粗バー8a、8bの熱ロスを減らすことができる。
【0023】
本発明の熱間圧延方法では、粗バー8a、8bを搬送中に加熱するため、接合装置4入側に設置する加熱装置としては、昇温速度が大きく、加熱効率の高いものが好ましい。昇温速度の最も大きい加熱方法として、誘導加熱装置が採用される。粗バーのような板状の物体を加熱する誘導加熱方式には、ソレノイド型とトランスバース・フラックス型の2種類が知られている。このうち、厚さ30〜50mmの粗バーを加熱する性能で比較すると、加熱効率が高いのはソレノイド型である。また、インダクターの単純さから、一般的にソレノイド型誘導加熱装置3の方が安価である。以上のようなことから、本実施の形態の熱間圧延設備にはソレノイド型誘導加熱装置3が採用されている。
【0024】
接合装置4に入る前に、必要な昇温量を確保するためには、ソレノイド型誘導加熱装置3のインダクターを十分に長くして、加熱時間を稼がなければならない。しかし、むやみに加熱装置を長くするわけにはいかない。それは、むやみに加熱装置を長くすると、図2に示すように、粗バー8の先端、あるいは後端が、搬送ローラー2の間にたわみ込んで、ソレノイド型誘導加熱装置3に接触し、インダクターを損傷する恐れがあるからである。そこで、本発明の熱間圧延設備では、ソレノイド型誘導加熱装置3を複数に分割し、それらの間に搬送ローラー2を必ず挟み込むようにしている。
【0025】
粗バーの加熱に、ソレノイド型誘導加熱装置を用いる場合は、注意が必要である。ソレノイド型誘導加熱装置では、表皮効果により、粗バーの表面付近が集中的に加熱される。高温になった表面からは、熱が急速に散逸するため、誘導加熱が終了した後は、速やかに粗バーを接合するべきである。ソレノイド型誘導加熱装置による粗バーの加熱を終了してから、接合を開始するまでの時間は、10秒以下であることが望ましい。そうすることによって、ソレノイド型誘導加熱装置に特有の、粗バー表面に集中的に投じられたジュール熱を、接合時間の短縮に利用することができる。
【0026】
本発明の熱間圧延設備は、ソレノイド型誘導加熱装置と接合装置の順序が、特開平10−244301号公報に記載される設備と逆になっている。ソレノイド型誘導加熱装置で、接合後に低温部分となる個所を接合前に加熱しておけば、接合部分をソレノイド型誘導加熱装置で更に加熱することもなく、低温部分の温度補償が可能である。よって、本発明の方が優れている。
【0027】
本発明の熱間圧延方法では、以上に説明した熱間圧延設備を用いて熱延鋼帯の製造を行う。スラブを粗圧延機1で圧延して粗バーとなし、接合装置4まで搬送しながら、先行する粗バー8aの後端と、後行する粗バー8bの先端を、ソレノイド型誘導加熱装置3を用いて加熱した後、接合装置4にて接合を行う。粗バーはあらかじめ、ソレノイド型誘導加熱装置3で加熱されているため、接合装置6による粗バーの加熱時間を短縮することができ、よって、接合時間自体も短くなる。接合後の粗バーは通常の連続熱間圧延と同様に、仕上圧延機5で圧延されて熱延鋼帯となる。
【0028】
【実施例】
本発明の効果を実施例にて説明する。
(実施例1)
本実施例の熱間圧延設備においては、容量6000kW、搬送方向の長さ500mmのソレノイド型誘導加熱装置3が8台、搬送ローラー2の各間に1台ずつ設置されている。接合装置4は図5に示すような形式で、容量3000kWのトランスバース・フラックス型誘導加熱装置6を備えている。
【0029】
このような設備を用いて、板厚40mm、幅1250mmの粗バー2本を接合した。本発明の方法を実施する前、すなわちソレノイド型誘導加熱装置3を使用しない場合は、接合にかかる時間は約20秒で、その間に粗バーの温度はおよそ30℃低下していた。本発明の方法を実施し、先行する粗バー8aの後端と、後行する粗バー8bの先端を、ソレノイド型誘導加熱装置3にて搬送しながら加熱すると、接合時間は約7秒に短縮され、この間の粗バー温度低下は約10℃になり、熱ロスが約3分の1に低減された。
【0030】
(実施例2)
実施例1と同じ熱間圧延設備を用いて、ソレノイド型誘導加熱装置による粗バーの加熱を終了してからの経過時間と、粗バー表面温度の関係を調べた。
試験に用いた粗バーは、板厚30mm、幅1000mmと板厚40mm、幅1000mmの2本である。粗バーの先端部をソレノイド型誘導加熱装置で加熱した後、ソレノイド型誘導加熱装置から先端部を出して、そのまま放置して表面温度を測定した。表面温度の時間変化を図3に示す。いずれの板厚でも、加熱直後は表面温度が高いために、急速に表面温度が低下する。その後、板厚方向温度分布が定常状態となり、冷却速度は一定となる。
【0031】
誘導加熱直後と定常状態における、粗バーの板厚方向温度分布を、模式的に示したのが図4である。誘導加熱後の表面温度が高い非定常状態から、定常状態に切り替わる時間は、加熱終了後10秒程度である。ソレノイド型誘導加熱装置に特有の、粗バー表層部に集中的に投入された熱量を利用するためには、ソレノイド型誘導加熱装置による粗バーの加熱を終了してから10秒以内に、粗バーを接合することが望ましい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、粗バーの接合に必要な時間が短縮され、生産性向上と熱ロス低減の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例である熱間圧延設備の配置の概要を示す図である。
【図2】ソレノイド型誘導加熱装置の長さが長い場合の問題点を示す図である。
【図3】ソレノイド型誘導加熱装置で加熱してからの経過時間と粗バーの温度の変化を示す図である。
【図4】誘導加熱直後と定常状態における、粗バーの板厚方向温度分布を、模式的に示した図である。
【図5】従来技術の接合装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1…粗圧延機、2…搬送ローラー、3…ソレノイド型誘導加熱装置、4…接合装置、5…仕上圧延機、6…トランスバース・フラックス型誘導加熱装置、7…クランプ、8…粗バー、8a…先行する粗バー、8b…後行する粗バー
Claims (1)
- スラブを圧延して粗バーとなす粗圧延機と、粗バーを圧延して熱延鋼帯となす仕上圧延機を有し、粗圧延機と仕上圧延機の間に、粗バーの先後端のみを、幅方向全体にわたって加熱する誘導加熱装置と、先行する粗バーの後端と後行する粗バーの先端を加熱した後に両者を圧接する接合装置が、この順序で配置された熱間圧延設備を用いた熱間圧延方法であって、前記誘導加熱装置で先行する粗バーの後端と後行する粗バーの先端のみを加熱した後、先行する粗バーの後端と後行する粗バーの先端を前記接合装置で接合することを特徴とする熱間圧延方法。
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