JP3903452B2 - 酸性乳飲料およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、糊状感がなく、しかも乳蛋白の懸濁安定性の高い酸性乳飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸性乳飲料の製造において、乳蛋白を安定化させるため、特開平5−7458号公報報等に記載されるように、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどの増粘安定剤を配合することは広く行われている。しかし、乳蛋白の凝集沈殿を完全に防止するのは困難で、また、喉越し等の食感も十分ではなかった。
【0003】
また、一般にセルロースは喉越し等の食感を改良する効果があるが、乳酸菌飲料等の酸性乳飲料中にセルロースを添加すると、乳蛋白とセルロースの凝集により、酸性乳飲料の安定性が損なわれるため、セルロースを配合することは難しかった。特表平3−501204号公報には、微晶性セルロースを含有するヨーグルト製品が記載されている。しかし、このヨーグルト製品は、乳性材料と結晶セルロース等の安定化剤を均質化した後に培養して得られるものであり、エアゾール製品として供されるものである。特開平10−56960号公報には、微細セルロースによる安定化技術の記載があるが、ペクチンは増粘安定剤の一種として記載されているのみであり、また、セルロースと乳蛋白とのインタラクションを抑制するために、あらかじめ乳蛋白を増粘安定剤で安定化させた後に、セルロースを配合しているものである。この製造方法によると、増粘安定剤を溶解する工程と微細セルロースの分散液を調製する工程を別々に実施する必要があり、工程が煩雑であった。つまり、特定のペクチンを用いることによって、あらかじめ微細セルロースとペクチンを混合した液を調製し、それを乳成分含有液に添加するという方法で、安定で、かつ、喉越しの良い飲料を単純な工程で製造できることについては何の示唆もなかった。特開平7−184610号公報には、微生物産性の繊維状セルロースを含有する発酵飲料が記載されているが、ここで言う発酵飲料は果汁の発酵液から得られるものであり、酸性乳飲料ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、乳酸菌飲料等の酸性乳飲料において、糊状感などの悪い喉越しの食感がなく、しかも長期の保存においても乳蛋白粒子の凝集および沈降のない安定なものにすること、もしくは、例え沈降が発生しても容易に再分散できること、および、そのような安定な酸性乳飲料を、従来使用されてきたような単純な製造工程にて製造すること、を課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、乳蛋白粒子の安定化機能の高い特定のペクチンと微細セルロースを用いることにより、前述の課題を解決できることを見出し、この知見によって本発明をなすに至った。すなわち本発明は、あらかじめ調整された酸性乳と、乳蛋白安定化指数が0.103%以下のHMペクチン(以下、「高機能ペクチン」ということがある)と、平均粒径が20μm以下の微細化セルロースとを含むことを特徴とする酸性乳飲料に関する。以下、詳細に本発明を説明する。
【0006】
本発明で言う酸性乳とは、乳酸菌飲料に代表される、乳成分を発酵して酸性にしたもの(生菌、および殺菌タイプ両者を含む)、および、牛乳、全脂粉乳、脱脂粉乳等の乳成分に、あらかじめ乳酸、クエン酸等の酸を添加して酸性に調整したものを言う。よって、本発明で言う酸性乳飲料とは、それらの酸性乳を含有する飲料、およびそれらを凍結させたフローズンヨーグルト等の、酸性乳飲料を含む食品を意味する。
【0007】
本発明に使用する高機能ペクチンとは、部分的にメチルエステル化されたポリガラクチュロン酸を主成分とする親水性の増粘多糖類であり、そのエステル化度は50%以上のいわゆるHM(ハイメトキシ)ペクチンに属するものであり、その乳蛋白安定化指数が0.103%以下のもののことである。乳蛋白安定化指数とは、均質化された乳蛋白が1μm以下の粒子として存在するために必要な最低の添加量のことである。具体的には、無脂乳固形分3%、砂糖3%、pH3.6〜4.4の酸性の乳蛋白含有液にペクチンを配合し、約1000kgf/cm2の圧力で均質化を行い、粒度分布を測定することで求められる。ペクチンの配合量は2水準以上測定する必要があり、配合量と乳蛋白粒子の平均粒子径との関係から、乳蛋白粒子が1μm以下となるために必要な最低のペクチン配合量、つまり、乳蛋白安定化指数が求められる。本発明で使用される高機能ペクチンは、乳蛋白安定化指数が0.103%以下である必要があり、低いものほど良い結果を得る。特に好ましくは0.10%以下である。0.14%を越えるものは、ペクチンの配合量が少ない場合は、乳蛋白粒子とセルロース粒子の凝集を抑えることができず、飲料の上部に希薄層ができてしまうか、あるいは、下層に再分散が困難な沈降物が生じてしまう。ペクチン配合量が多い場合は、乳蛋白の凝集および沈降が無くなるが、飲料の粘度が上がり、喉越しが悪くなるか、あるいはペクチン特有の糊状感が感じられるようになる。
【0008】
高機能ペクチンの添加量は、酸性乳飲料に対し、0.05〜2.0重量%が好ましい。特に好ましくは0.1〜1.0重量%である。さらに好ましくは0.15〜0.5重量%である。
本発明に使用する微細セルロースは、1重量%分散液を調製し、その分散液300gをエースホモジナイザー(AM−T、日本精機製)にて15000rpmで5分間分散したときの平均粒径が20μm以下である。このときの粒度分布における10μm以上の留分は70%以下であることが好ましい。好ましくは平均粒径が12μm以下であって、10μm以上の留分が60%以下である。さらに好ましくは平均粒径が8μm以下であって、10μm以上の留分が40%以下である。特に好ましくは平均粒径が4μm以下であって、10μm以上の留分が10%以下である。平均粒径が20μmを超えると、食感がざらつくようになるため好ましくない。平均粒径が小さいほど食感および保存安定化効果は大きくなるが、その下限は、磨砕、粉砕の技術および装置により自ずから限度があり、現在のところは通常0.05μm程度と考えられる。
【0009】
本発明に使用する微細セルロースの例を具体的に説明すると、木材パルプ、精製リンター、再生セルロース、穀物又は果実由来の植物繊維等のセルロース系素材を酸加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解、スチームエクスプロージョン分解、亜臨界水あるいは超臨界水による加水分解等、あるいはそれらの組み合わせにより解重合処理して平均重合度30〜375とし、次いで、必要に応じてキサンタンガム、カラヤガム、カラギーナン、CMC−Na等の増粘多糖類等を添加して、機械的なシアをかけて磨砕し、必要に応じて乾燥することによって得ることができる。あるいはセルロース系素材を化学的処理せずに、機械的なシアをかけ湿式磨砕することによって得ることができる微小繊維状セルロースであっても良い。乾燥した方が使用範囲が広がるので好ましいが、この場合は水中での分散を容易にする目的で、前述の増粘多糖類を配合し、複合体にする必要がある。
【0010】
磨砕機械は、系に存在する水分量、セルロースの微細化の程度により自由に選択される。例えば、ゲル状からスラリー状を呈するものを磨砕する場合は回転円筒式ミル、振動ボールミル、遠心式ボールミル、媒体攪拌式ミル、コロイドミル、高圧ホモジナイザー、等を使用することができる。また、水分の比較的少ない、餅状を呈するものはニーダー、プラネタリーミキサー、押出機、等を使用することができる。また、微小繊維状セルロースは、セルロース系素材懸濁液を高圧ホモジナイザーで200kgf/cm2以上の圧力で数回パスして、繊維径を約0.01〜1μmにまでバラバラにすることで得られる。あるいは、セルロース系素材懸濁液を媒体攪拌ミル類で数回処理することによって得られる。
【0011】
本発明の目的のためにはこれらの機種を単独で用いることもできるが、二種以上の機種を組み合わせて用いることも出来る。これらの機種は、種々の用途において要求される粘度特性等により適宜選択すれば良い。微細セルロースを添加することにより、乳蛋白、乳酸菌の沈降防止が図れ、また、炭酸カルシウム等の沈降性粒子を添加した場合にも沈降防止が図れる。さらにそれらが沈降した場合には通常容器底部に固着するが、それを解消し、容易に再分散出来るようにする効果もあわせて有する。
【0012】
微細セルロースの添加量は、酸性乳飲料全体に対して、0.01〜2.0重量%が好ましい。特に好ましくは0.02〜1.0重量%である。さらに好ましくは0.04〜0.5重量%である。
酸性乳飲料の製法について説明する。まず、乳もしくは乳成分を乳酸菌等を用いて発酵させて酸性とし、あるいは乳もしくは乳成分に酸成分を添加して酸性として、酸性乳を調製する。次に、微細セルロースを60〜80℃程度のお湯に添加し、攪拌・分散する。次いで高機能ペクチンを加え、攪拌・溶解する。この高機能ペクチンと微細セルロースを含有する分散液を5〜25℃程度に冷却し、先に調製しておいた酸性乳に加え、混合攪拌する。続いて、均質化処理を施し、必要であれば殺菌処理を施して、充填・包装する。
【0013】
さらに、製法について詳細に説明する。微細セルロースの分散は水でもかまわないが、その後に高機能ペクチンを加える際に、加温しなければならないし、温度が高い方が分散しやすいので、はじめから60〜80℃程度のお湯を使用することが好ましい。攪拌・分散する機械は高圧ホモジナイザー、高速ミキサー等で攪拌することが微細セルロースの効果を引き出す点で好ましい。
【0014】
次いで高機能ペクチンを添加してこれを溶解するのだが、分散機としては強力なものほど短時間で終了するので、やはり高圧ホモジナイザー、高速ミキサー等で攪拌することが好ましい。低速ミキサーの場合は長時間かける必要がある。このような手順をとることは、従来ペクチンの溶解に使用していたタンクで微細セルロースと高機能ペクチンの混合液を調製することができるので、新たな設備投資も不要であり、画期的なことである。
【0015】
このようにして得られた微細セルロースと高機能ペクチンの混合液は、高機能ペクチンが劣化しやすいことと、次の工程において乳の風味を壊さないことのために、直ちに5〜25℃程度に冷却することが好ましい。次の工程に使用するまでの時間ある場合は、5℃程度に冷却して保存することが好ましい。
そして酸性乳と混合し、均質化する。混合はプロペラ攪拌機等を用いて行う。均質化は高圧ホモジナイザー、媒体攪拌ミル、高速ミキサー等によって行う。特に高圧ホモジナイザーを使用するのが好ましい。高圧ホモジナイザーとしては、マントンゴウリン型、あるいはマイクロフルイダイザーに代表される超高圧型いずれも使用可能である。好ましくは、50〜1500kgf/cm2の圧力で均質化する。均質化圧力が50kgf/cm2未満では、乳蛋白の微細化が進まず、系が不安定化する。特に好ましくは100kgf/cm2以上である。1500kgf/cm2を超える圧力で実用的に均質化することは困難である。
【0016】
微細セルロース分散液と高機能ペクチン水溶液と酸性乳を別々に調製した後、それらを一度に混合する方法や、高機能ペクチン水溶液と酸性乳を混合してから微細セルロースを混合する方法や、高機能ペクチン水溶液と微細セルロース分散液を混合してから酸性乳を混合する方法のいずれを用いても好結果を得る。その後、必要に応じて、ホットパック殺菌、UHT殺菌、レトルト殺菌等を行う。
【0017】
水、果汁、糖類、塩類、甘味料、増粘安定剤、ミネラル、ビタミン等を必要に応じて添加することは自由である。増粘安定剤の具体的な例としては、ローカストビーンガム、グアーガム、カゼインおよびカゼインナトリウム、タマリンドシードガム、クインスシードガム、カラヤガム、キチン、キトサン、アラビアガム、トラガントガム、ガッティーガム、アラビノガラクタン、寒天、カラギーナン、アルギン酸およびその塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ファーセレラン、マルメロ、タラガム、アーモンドガム、アエロモナスガム、アゾトバクター・ビネランジーガム、アマシードガム、ウェランガム、サイリウムシードガム、キサンタンガム、カードラン、プルラン、デキストラン、ジェランガム、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体、水溶性大豆多糖類等が挙げられる。
【0018】
本発明の方法で酸性乳飲料を作成し、それを含有して得られるフローズンヨーグルト、ホイップ製品、ゼリー、クリーム、プリン状製品等も本発明に含まれる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、測定は以下のとおり行った。
<乳蛋白安定化指数>
(1)ペクチンを80℃のお湯に加え、高速ミキサー(TKホモミクサ、特殊機化工業(株)製)で10000rpmで10分間攪拌・溶解した後、水を加えて3.0重量%に調整し、ペクチン水溶液を調製する。直ちに冷却し、使用するまで、5℃で保存する。
(2)市販のプレーンヨーグルト(無脂乳固形分9.5%)と砂糖とペクチン水溶液と水を混合し、無脂乳固形分3.0%、砂糖3.0%、ペクチン0.05〜0.3%の液を調製する。(pH3.6〜4.4)
(3)高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー、マイクロフルイディック社製)を用いて、(2)の液を1000kgf/cm2の圧力で1回均質化する。
(4)続いて、レーザー回折式粒度分布測定装置(LA−910、堀場製作所製)を用いて粒度分布を測定する。平均粒径は積算体積50v%の粒径で表す。分散媒(水)と試料の相対屈折率は1.20、レーザ光透過率は70〜95%に設定する。
(5)ペクチンの配合量と乳蛋白の平均粒径との関係より、平均粒径が1μmの時のペクチン配合量(=乳蛋白安定化指数(%))を求める。
【0020】
実施例および比較例で使用したペクチンの測定値および乳蛋白安定化指数を表1に示す。
<平均粒径、10μm以上の粒子の割合>
(1)サンプル(固形分)3.0gに蒸留水を入れ、全量を300gとする。
(2)エースホモジナイザー(AM−T、日本精機製)にて15000rpmで5分間分散する。
(3)レーザー回折式粒度分布測定装置(LA−910、堀場製作所製)を用いて粒度分布を測定する。平均粒径は積算体積50v%の粒径であり、10μm以上の粒子の割合は体積分布における割合(v%)で表す。分散媒(水)と試料の相対屈折率は1.20、レーザ光透過率は70〜95%に設定。
【0021】
【実施例1】
市販DPパルプを2.5M塩酸中で105℃で20分間加水分解して得られた酸不溶性残渣をろ過、洗浄し、固形分10%のセルロース分散液を調製した。この時のセルロースの重合度は187であった。このセルロース分散液を媒体撹拌湿式粉砕装置で粉砕処理2回を行い、ペースト状の微細セルロースを得た。このペースト状の微細セルロースのセルロース粒子の平均粒径は3.7μmで、10μm以上の粒子の割合は2.6%であった。
【0022】
このペースト状のセルロース5gを80℃のお湯85gに加え、TKホモミクサで10000rpmで10分間攪拌した後、ペクチンA(乳蛋白安定化指数0.082%のHMペクチン(三晶(株))3gを加え、80℃維持したまま、同じく10000rpmで10分間攪拌した。水道水で室温まで冷却後、5℃で保存した。
【0023】
次に、市販のプレーンヨーグルト(無脂乳固形分9.5%、明治乳業(株)製)316gに水554gを加え、さらに砂糖30gを加え、プロペラ攪拌した。
この酸性乳に微細セルロースとペクチンの混合液を加え、水を加えて全量を1000gとし、プロペラ攪拌(500rpm、3分間)した後、マントンゴウリン型ホモジナイザーで、150kgf/cm2の圧力で1回均質化した。温浴にて加温し、85℃で10分間加熱・殺菌した後、ガラスビンに充填し、水道水で室温まで冷却後、5℃で2週間保存した。
【0024】
この酸性飲料は、無脂乳固形分3.0%、微細セルロース0.05%、ペクチン0.3%、pH4.0というものである。2週間、5℃で保存した後の状態と飲んだ感触を表2に示す。
なお、表中の離水とは飲料の上部にできる透明あるいは希薄な層の体積割合(%)、沈降とは容器底部に沈積した濃白色層の体積割合(%)、再分散回数とは沈降物を再分散させるための必要な回数のことである。この時、容器を倒立し、そして元に戻す操作を1回と数えることとした。
【0025】
【実施例2】
ペクチンAのかわりにペクチンB(乳蛋白安定化指数0.103%のHMペクチン、雪印食品(株))を用い、後は実施例1と同様に操作した。得られた酸性飲料はpH4.0であった。わずかに沈降が発生したものの、容易に再分散することが出来た。評価結果を表2に示す。
【0026】
【比較例1】
ペクチンAのかわりにペクチンC(乳蛋白安定化指数0.156%のHMペクチン、三栄源エフ・エフ・アイ(株))を用い、後は実施例1と同様に操作した。得られた酸性飲料はpH4.0であった。離水、沈降が生じ、しかも沈降物は容易に再分散しなかった。評価結果を表2に示す。
【0027】
【比較例2】
ペクチンAのかわりにペクチンD(乳蛋白安定化指数0.154%のHMペクチン、雪印食品(株))を用い、後は実施例1と同様に操作した。得られた酸性飲料はpH4.0であった。離水、沈降が生じ、しかも沈降物は容易に再分散しなかった。評価結果を表2に示す。
【0028】
【比較例3】
微細セルロースを配合しない他は実施例1と同様に操作した。得られた酸性飲料はpH4.0であった。離水、沈降はわずかに生じただけであったが、沈降物は容易に再分散しなかった。評価結果を表2に示す。
【0029】
【比較例4】
微細セルロースを配合せず、ペクチンAの配合量を0.5%とした他は実施例1と同様に操作した。得られた酸性飲料はpH4.1であった。離水はなかったが、わずかに沈降が発生し、飲んだときの感触として糊状感を感じた。評価結果を表2に示す。
【0030】
【実施例3】
実施例1で得たペースト状の微細セルロースとキサンタンガム、澱粉加水分解物を配合組成が固形分比で75/5/20とした総固形分濃度が8.0%の分散液を調製した。次に、このペースト状組成物をアルミ板上にキャストし、80℃のオーブンに入れ乾燥し、粉砕し、微細セルロース複合体を得た。得られた複合体を水に再分散したとき、微細セルロースの粒子の平均粒径は2.9μmで、10μm以上の粒子の割合は1.2%であった。
【0031】
この微細セルロース複合体1.33gを70℃のお湯90gに加え、TKホモミクサで、10000rpmで10分間攪拌した後、ペクチンA3gを加え、70℃を維持したまま、同じく10000rpmで10分間攪拌した。水道水で室温まで冷却後、5℃で保存した。
次に市販プレーンヨーグルト421gに対し、水449gを加え、さらに砂糖30gを加え、プロペラ攪拌した。
【0032】
こうして得た酸性乳、微細セルロースとペクチンの混合液を用い、あとは実施例1と同様に操作した。得られた酸性飲料は無脂乳固形分4.0%、微細セルロース0.1%、ペクチン0.3%、pH3.9というものである。2週間、5℃で保存した後の状態と飲んだ感触を表3に示す。
【0033】
【実施例4】
ペクチンAのかわりにペクチンBを用い、後は実施例3と同様に操作した。得られた酸性飲料はpH3.9であった。評価結果を表3に示す。
【0034】
【比較例5】
ペクチンAのかわりにペクチンCを用い、後は実施例3と同様に操作した。得られた酸性飲料はpH4.0であった。評価結果を表3に示す。
【0035】
【比較例6】
微細セルロース複合体を使用しない他は実施例4と同様に操作した。得られた酸性飲料はpH3.9であった。評価結果を表3に示す。
【0036】
【比較例7】
微細セルロース複合体を使用しないで、ペクチンBをの配合量を0.5%とした他は実施例4と同様に操作した。得られた酸性飲料はpH3.9であった。評価結果を表3に示す。
【0037】
【実施例5】
市販DPパルプを2.5M塩酸中で105℃で15分間加水分解して得られた酸不溶性残渣をろ過、洗浄し、加水分解セルロースのウェットケークを得た。この時のセルロースの重合度は181であった。次に、この加水分解セルロースと、カラヤガム、澱粉加水分解物を配合組成がそれぞれ固形分比で70/10/20として、ニーダーを用いて2時間磨砕混練した。続いて、熱風乾燥機にて乾燥した後、粉砕して、微細セルロース複合体を得た。得られた複合体を水に再分散した時、平均粒径は8.5μmで、10μm以上の粒子の割合は43%であった。
【0038】
この微細セルロース複合体4.29gを80℃のお湯100gに加え、TKホモミクサで、10000rpmで10分間攪拌した後、ペクチンA4gを加え、80℃を維持したまま、同じく10000rpmで10分間攪拌した。水道水で室温まで冷却後、5℃で保存した。
次に、脱脂粉乳200g、水770gを混合後、85℃で30分間加熱し、殺菌した。続いて、市販のプレーンヨーグルト30gを添加し、37℃で17時間発酵させ、発酵カードを粉砕後、発酵乳を得た。
【0039】
この発酵乳400gにあらかじめ調製した微細セルロースとペクチンの混合液全量を加え、水を加えて全量を1000gとし、プロペラ攪拌(500rpm、3分間)した後、マントンゴウリン型ホモジナイザーで、200kgf/cm2の圧力で、1回均質化した。これをそのままガラスビンに充填し、5℃で1週間保存した。
【0040】
得られた酸性飲料は、微細セルロース0.3%、ペクチン0.4%、pH4.2であった。評価結果を表4に示す。
【0041】
【比較例8】
ペクチンAのかわりにペクチンDを用い、後は実施例5と同様に操作した。得られた酸性飲料はpH4.2であった。評価結果を表4に示す。
【0042】
【比較例9】
微細セルロース複合体を使用しない他は実施例5と同様に操作した。得られた酸性飲料はpH4.1であった。1週間保存後は全体に凝集が発生した。その他の評価結果を表4に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【発明の効果】
本発明により、乳蛋白の凝集による経時的な離水および/もしくは沈降のない、あるいは沈降したとしても容易に沈降物を再分散することができる、にもかかわらず、糊状感などのない、いわゆる喉越しの良い酸性乳飲料を得ることができる。しかも、従来の製造工程をそのまま活用できる単純な方法でその酸性飲料を製造することができる。
【0048】
また、微細セルロースが酸性乳飲料中で充分に分散しているため、微細セルロースの懸濁安定化効果によって、炭酸カルシウム等の沈降性粒子を添加した場合にも、それらの沈降防止が期待される。
Claims (1)
- あらかじめ調整された酸性乳と、乳蛋白安定化指数が0.103%以下のHMペクチンと、平均粒径が20μm以下の微細化セルロースとを含むことを特徴とする酸性乳飲料。
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