JP3905231B2 - 圧力調整弁 - Google Patents
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Description
【産業上の技術分野】
本発明は、火災時に水噴霧ヘッドから消火用水を散水するトンネル等の消火設備のヘッド放水圧力を給水配管に設けた主弁の制御で規定圧力に調整する圧力制御弁に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、交通量が多く距離の長いトンネル等には、ヘッドから消火用水を放水して火災を消火する消火設備が設置されている。このようなトンネル用消火設備は50m毎に放水区画を設定しており、区画毎に複数の水噴霧ヘッドを設置して放水を可能としている。
【0003】
区画毎に設けた複数の水噴霧ヘッドは、同じく区画毎に設けた自動弁(主弁)の2次側に接続され、火災時には、火災発生区画を含む例えば2区画の自動弁を開放制御して各水噴霧ヘッドから加圧供給した消火用水を放水する。
【0004】
各区画に設けた自動弁は、弁体を開閉制御するアクチュエータとしてピストンシリンダ機構を備えており、パイロット電動弁を遠隔的に開放するか又は手動軌道弁を開放することで、給水配管の1次圧をピストンシリンダ機構に供給して自動弁を開放する。
【0005】
しかし、自動弁を一定開度に開くだけでは、1次配管側の圧力が変化すると、水噴霧ヘッドからの放水される消火用水の圧力が変化し、消火性能が安定しない。そこで、自動弁に対し火災による水噴霧ヘッドからの放水時に、ヘッド放水圧力を規定圧力、例えば3.5Kgf/cm2 に調整するための圧力調整弁を設けている。
【0006】
この圧力調整弁は、自動弁の2次側配管の圧力(以下「2次圧」という)を導入して予め設定した規定圧力と比較し、2次圧が規定圧力より低くなったら自動弁の開度を上げて2次圧を上昇させ、2次圧が規定圧力より高くなったら自動弁の開度を下げて2次圧を低下させ、このような弁開度の調整により2次圧を予め設定した規定圧力に保つ。
【0007】
このような圧力調整弁を使用した自動弁の圧力調整機構としては、自動弁のピストンシリンダ機構から圧力を抜く際に、圧力調整弁に流れるシリンダ室からの加圧水を大気開放の排水管へ流す大気排水方式と、自動弁の2次側に流す2次側排水方式がある。
【0008】
図9は大気排水方式をとる従来の圧力調整機構を備えた消火設備である。図9において、主弁10は、弁体24を開閉駆動するピストンシリンダ機構を備える。ピストンシリンダ機構15は、ピストン16の内側に第1シリンダ室18を形成すると共に、外側にスプリング22を備えた第2シリンダ室20を形成している。この第2シリンダ室20は、ピストン16のロッド内に形成した連通路により主弁10の2次側と常時連通している。
【0009】
主弁10の1次側には消火配管(図示せず)が接続され、加圧水が充填されている。主弁10の2次側には仕切弁としてのバタフライ弁11が設けられ、バタフライ弁11の2次側に区画内に設けている複数の水噴霧ヘッドが配管により分岐接続される。
【0010】
主弁10の開閉は遠隔駆動の電動弁(パイロット弁)30で行う。電動弁30には手動起動弁32が並列に接続される。主弁10を開放した状態での2次圧の調整は、圧力調整弁120で行う。圧力調整弁120は、シリンダポートCL、2次圧ポートとパイロットポートを兼ねた2次圧パイロットポートP2/PL、ドレインポートDPを有する。
【0011】
火災時の主弁10の開放は、例えば遠隔制御で電動弁30を開いて行う。電動弁30を開くと、主弁10の1次圧が止め弁26を経由して導入され、電動弁30からオリフィス28を通ってピストンシリンダ機構の第1ピストン室18に供給され、同時に圧力調整弁120のシリンダポートCLにも1次圧が加わる。
【0012】
第1ピストン室18に1次圧が導入されると、スプリング20に抗してピストン16が外側にストロークし、弁24が開いて2次側に加圧水を供給し水噴霧ヘッドから放水させる。このとき弁24の開放による2次圧が圧力調整弁120の2次圧パイロットポートP2/PLに導入される。
【0013】
圧力調整弁120は、2次圧パイロットポートP2/PLから導入した2次圧を予めスプリング荷重で設定した調整目標となる規定圧力と比較している。このとき2次圧が規定圧力より高くなったとすると、圧力調整弁120は、シリンダポートCLをドレインポートDPに連通するように内蔵した弁機構を作動し、第1シリンダ室18からドレインポートDPに加圧水を流し、第1シリンダ室18の圧力を下げる。このためピストン16は弁24を閉じる方向にストロークし、2次圧を規定圧力となるように低下させる。
【0014】
また2次圧が規定圧力より低くなったとすると、圧力調整弁120は、シリンダポートCLをドレインポートDPから切り離すように内蔵した弁機構を作動し、第1シリンダ室18が1次圧に保たれ、この状態で第2シリンダ室20の圧力が2次圧の低下に応じて下がる。このためピストン16は弁24を開く方向にストロークし、2次圧を規定圧力となるように増加させる。
【0015】
このような圧力調整弁120は、規定圧力に対する2次圧の増減に応じて第1シリンダ室18に対する1次圧の導入とドレインポートDPへの排出を繰り返すことによる弁24の開閉によって、水噴霧ヘッドからの放水圧力を規定圧力に保つ。
【0016】
火災を消火してから主弁10を閉鎖する場合には、電動弁30を閉じる。電動弁を閉じると、第1シリンダ室18に対する1次圧の導入が絶たれる。このため圧力調整弁120のシリンダポートCLと2次圧パイロットポートP2/PLとの間の内部弁機構の隙間(内部オリフィス流路)を通って第1シリンダ室18の加圧水が2次側に流れ、第1シリンダ室18の圧力が第2シリンダ室20の2次圧に近づく。第1シリンダ室18の圧力がシリンダ室20の圧力に近づくと、スプリング22の力でピストン16がストロークして弁24を閉じる。
【0017】
図10は、図9について圧力調整弁120をシンボルで現わしている。シンボルで示した圧力調整弁120は、シリンダポートCL、2次圧ポートP2、及びパイロットポートPLを備える。尚、2次圧ポートP2とパイロットポートPLは、図9の2次圧パイロットポートP2/PLを分けたものである。
【0018】
圧力調整弁120は、パイロットポートPLに導入した2次圧による力と、対向位置に配置したスプリング160による規定圧力を決める設定荷重との力のバランスで動作する。
【0019】
電動弁30を開いた主弁10の開放動作時及び2次圧がスプリング荷重で決まる規定圧力以下の時、圧力調整弁120は、図示の左側に位置にあり、シリンダポートCLとドレインポートDPを切り離している。
【0020】
パイロットポートPLの2次圧がスプリング荷重で決まる規定圧力を超えると圧力調整弁120は右側の位置に切り替わり、シリンダポートCLがドレインポートDPに連通し、第1シリンダ室18の加圧水を大気開放の排水管に流して圧力を下げる。尚、シリンダポートCLと2次圧ポートP2は、いずれの切替位置にあっても、内部弁機構の隙間で決まる内部オリフィス流路180を介して連通している。
【0021】
図11は、図9,10に示した大気排水方式における主弁10及び圧力調整弁120の概略構造であり、主弁10を閉鎖した平常監視時を表わしている。主弁10のピストンシリンダ機構15は、スプリング22を収納した第2シリンダ室20がビストンロッド内の連通路により2次側に連通している。また主弁10の2次側には水噴霧ヘッド25が分岐接続されている。
【0022】
圧力調整弁120は、ダイヤフラム148の圧力室にパイロットポートPLから2次圧を導入し、スプリング160とのバランスでダイヤフラム148を変位させ、これによって弁150を開閉し、弁150を開いた場合には、第1シリンダ室18の加圧水をシリンダポートCLから導入して大気に排出する。
【0023】
図12は、電動弁30を開いた場合の主弁10の開放時と開放後に2次圧が固定圧力に上昇するまでの場合の動作である。電動弁30を開くと、主弁10の第1シリンダ室18に1次圧が供給され、スプリング22に抗してピストン16を外側にストロークして弁24を開き、2次側に加圧水を流し、水噴霧ヘッド25から放水する。
【0024】
このとき圧力調整弁120のシリンダポートCLには1次圧が導入され、パイロットポートPLには2次圧が導入され、2次圧がスプリング160の設定荷重による規定圧力以下にあるので、弁150は閉じている。このため2次圧が規定圧力より低い間、ピストン16は弁24を開放側にストロークし続け、2次圧が上昇する。
【0025】
図13は、水噴霧ヘッド25からの放水中に2次圧が規定圧力より高くなった場合である。2次圧が規定圧力より高くなると、圧力調整弁120はスプリング160に抗してダイヤフラム148を押し上げ、弁150が開いてシリンダポートCLを大気に連通し、第1シリンダ室18から大気に加圧水を排出し、第1シリンダ室18の圧力を下げる。このためピストン16は弁24を閉じる方向にストロークし、2次圧を規定圧力となるように低下させる。
【0026】
図14は、火災が消火した後に主弁10を閉鎖する場合である。電動弁30を閉じると、第1シリンダ室18に対する1次圧の導入が断たれ、圧力調整弁120のシリンダポートCLと2次圧ポートP2との間の隙間(図10の内部オリフィス流路180に相当)を通して第1シリンダ室18の加圧水が2次側に流れ、第1シリンダ室18の圧力が第2シリンダ室20の2次圧と同圧となるように序々に低下する。この第1シリンダ室18の圧力低下に伴い、スプリング22の力でピストン16が徐々にストロークして弁24を閉じる。
【0027】
図15は、従来の2次側排水方式であり、図16は図15の圧力調整弁をシンボルで表している。この2次連通方式の圧力調整弁220は、1次圧ポートP1、シリンダポートCL、2次圧ポートとパイロットポートを兼ねた2次圧パイロットポートP2/PLを備える。
【0028】
図16のシンボル表現された圧力調整弁220を参照するに、左右の切替位置は、調整目標とする2次側の規定圧力を決めるスプリング260の設定荷重とパイロットポートPLに導入した2次圧による力のバランスで決まる。即ち、2次圧が規定圧力より低いとき左側の切替位置にあり、2次圧が規定圧力より高くなると右側の位置に切替わる。
【0029】
2次圧が規定圧力より低いときの左側の切替位置で圧力調整弁220は、1次圧ポートP1をシリンダポートCLに連通し、同時に内部オリフィス流路250を介して1次圧ポートP1を2次圧ポートP2に連通している。これに対し2次圧が規定圧力より高くなる右側の切替位置では、1次圧ポートP1を切り離し、シリンダポートCLを2次圧ポートP2に内部オリフィス流路250を介して連通する。
【0030】
図17は、図14,図15の2次側排水方式に使用する圧力調整弁220の断面図である。図17(A)において、弁内部にはスプリング225で閉鎖方向に付勢されたスプール弁210が設けられ、スプール弁210はプランジャ230を介してダイヤフラム部248に当接している。スプール弁210はプランジャ230側に弁シート240を装着している。ダイヤフラム部248には2次側規定圧力を決める設定荷重がスプリング260により加えられている。
【0031】
1次圧ポートP1はスプール弁210の弁室に1次圧を導入する。2次圧パイロットポートP2/PLは2次圧をダイヤフラム部248の加圧室に導入する。スプール弁210とダイヤフラム部248との間に設けたプランジャ230はOリング等でシールされておらず、プランジャ230の周囲の隙間が図16の内部オリフィス流路250を形成している。
【0032】
シリンダポートCLは、図17(A)の破線のように、プランジャ230に直交する方向に形成されている。図17(B)は、図17(A)に対し直交す方向の断面であり、シリンダポートCLがプランジャ230の周囲の隙間に連通している。
【0033】
図15,図16で電動弁30を開くと、図17(A)の1次圧ポートP1に加圧水の1次圧が導入され、スプール弁210のバルブ室を通ってプランジャ230の周囲から図17(B)のシリンダポートCLに連通し、主弁10の第1シリンダ室18に加圧水を流して1次圧を供給する。これによって主弁10が開き2次側に加圧水が流れ、2次圧パイロットポート2P/PLに2次圧が導入される。
【0034】
水噴霧ヘッドからの放水中に2次圧が規定圧力より高くなると、ダイヤフラム部248がスプリング260に抗して上方に動き、プランジャ230を介してスプール弁210も上昇し、弁シート240が弁座の部分に当接し、1次圧ポートP1とシリンダポートCLとの間を閉鎖して切り離す。
【0035】
これが図16の圧力調整弁220の右側位置への切替えである。このとき、1次圧ポートP1から切り離されたシリンダポートCLは、ブランジャ230の周囲の隙間で形成される図16の内部オリフィス流路250を通ってダイヤフラム部248の圧力室から2次圧パイロットポート2P/PLに連通している。
【0036】
このため図16の主弁10における第1シリンダ室18の加圧水は、プランジャ230の隙間を通って2次圧パイロットポート2P/PLから主弁10の2次側に流れ、第1シリンダ室18の圧力が下がる。このためピストン16は弁24を閉じる方向にストロークし、上昇した2次圧を規定圧力に下げる。
【0037】
火災が消火して主弁10を閉鎖するために電動弁30を閉じると、第1シリンダ室18の加圧水は、圧力調整弁220のシリンダポートCLからプランジャ230の隙間を通って2次圧パイロットポートP2/PLに流れ、このため第1シリンダ室18の圧力が徐々に低下して第2シリンダ室20に近づき、スプリング22の力で弁24をゆっくり閉鎖する。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、主弁のシリンダ室から圧力調整弁に流れる加圧水を、大気開放の排水管に流す図9〜図14の大気排出方式の圧力調整機構では、圧力調整弁が主弁のシリンダからの加圧水を大気に開放するために、圧力調整弁の制御に対し主弁の追従が速いというメリットがあるが、圧力調整弁からの排水を処理するドレイン配管が必要となり、施工が面倒となりコストも高くなる。また、冬場に冷気がドレイン配管を通って圧力調整弁を凍結させたという事例もあり、凍結防止の処理が必要となる。
【0039】
また主弁のシリンダ室から圧力調整弁に流れる加圧水を、主弁の2次側に流す図15〜図17の2次側排出方式の圧力調整機構では、配水管を設置する必要がなく、配水管による凍結の問題もないが、主弁シリンダ室の加圧水を圧力調整弁の内部オリフィス流路を通して主弁2次側に流す際に、主弁シリンダ室と2次側との差圧が少ないため、圧力調整弁の制御に対し主弁の追従が遅くなり、2次圧を規定圧力にするための調整に時間がかかる。
【0040】
また、火災を消火して主弁10を閉鎖する場合に、電動弁30を閉じてから所定時間以内(例えば30秒以内)に主弁10の弁24が完全に閉じることが要望されている。電動弁30を閉じてから所定時間以内に主弁10の弁24が完全に閉じるように、圧力調整弁120の内部オリフィス流路180,250の隙間を広めにしておく必要がある。そして、弁24が一定の速度で閉まっていくため、完全に閉じたときに衝撃がかかる。
【0041】
本発明は、主弁シリンダ室の加圧水を2次側に流して主弁2次圧を規定圧力に調整する際の応答時間を短くして追従性を高め、更に弁が完全に閉まるときの衝撃を抑えるようにした圧力調整弁を提供することを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。まず本発明は、加圧用水を供給する配管に設置された主弁の開閉用ピストンシリンダ機構に対し、ピストンで仕切られた一方の第1シリンダ室に1次圧と2次圧を切替え導入し且つ他方の第2シリンダ室に常時2次圧を導入し、第1シリンダ室に対する1次圧と2次圧の切替えに対応したピストンの動きにより弁体を開閉動作して2次圧を規定圧力に調整する圧力調整弁を対象とする。
【0043】
このような圧力調整弁として本発明は、主弁の1次側を接続して1次圧を導入する1次圧ポートと、主弁の第1シリンダ室を接続するシリンダポートと、主弁の2次側を接続して2次圧を導入する2次圧ポートと、主弁の2次側を接続して2次圧をパイロット圧として導入するパイロットポートと、調整目標となる主弁2次側の規定圧力を設定する圧力設定スプリングと、圧力設定スプリングの力とパイロットポートから導入された2次圧の力がバランスする位置に変位するするダイヤフラムと、1次圧ポートとシリンダポートとの間を開閉する第1弁部と、シリンダポートと2次圧ポートとの連通量を制御する第2弁部と、を備え、ダイヤフラムの変位に連動し、2次圧が規定圧力より低い場合は、第1弁部は1次圧ポートをシリンダポートに連通して1次圧を第1シリンダ室に供給すると共に第2弁部はシリンダポートと2次圧ポートとの連通を切り離す方向に制御し、2次圧が規定圧力より高い場合は、第1弁部は1次圧ポートから前記シリンダポートを切り離すと共に第2弁部はシリンダポートと前記2次圧ポートとの連通量を多くする方向に制御するパイロット弁機構とを備えたことを特徴とする。
【0044】
このような本発明の圧力調整弁によれば、主弁を開いて水噴霧ヘッドからの放水中に、2次圧が規定圧力より高くなると、パイロット弁機構が1次圧ポートからシリンダポートを切り離し、シリンダポートを2次圧ポートに低損失で連通させ、シリンダポートの加圧水を主弁2次側に流す。
【0045】
このときシリンダポートと2次圧ポートとの間は、従来のようにプランジャ部材の隙間で形成される損失の大きい内部オリフィス流路ではなく、パイロット弁機構の開放動作で損失の低いポート間の連通が得られ、主弁の第1シリンダ室の加圧水を直ちに主弁2次側に流して圧力を下げ、主弁が短時間に弁を閉じる方向に動作して規定圧力となるように2次圧を下げることができ、2次圧変動に対する圧力調整のための主弁の追従性を高めることができる。
【0046】
また主弁シリンダ室からの加圧水を圧力調整弁を通して主弁2次側に流すことで圧力を調整しているため、主弁シリンダからの加圧水を大気開放の排水管に流す圧力調整弁のような排水管が不要となり、施工が簡単でコストも安くなる。また、冬場の冷気による排水管を経由した圧力調整弁の凍結を防止できる。
【0047】
ここで、パイロット弁機構は、ダイヤフラム圧力室、シリンダポート連通部、1次圧導入室及び2次圧導入室を順番に通って形成したスプール穴と、スプール穴に摺動自在に収納されたスプール弁体と、シリンダポート連通部と1次圧導入室との間を開閉するスプール弁体に一体に形成した第1弁部と、第1弁部がシリンダポート連通部と1次圧導入室との間を開放したときに1次圧導入室と2次圧導入室の間を閉鎖し、第1弁部がシリンダポート連通部と1次圧導入室との間を閉鎖した時に1次圧導入室と2次圧導入室の間を開放する第2弁部とを備える。パイロット弁機構の第1弁部は、1次圧導入室のスプール穴開口部に形成した弁座と、スプール弁外周の1次圧導入室の位置にフランジ状に形成された弁体とで構成する。また第2弁部は、シリンダポート連通部からスプール内部を通って2次圧導入室のスプール先端に開口する内部流路と、この内部流路が開口するスプール先端で形成した弁体と、スプール先端の弁体が当接するプラグ部材の当接面である弁座とで構成する。
【0048】
更に本発明の圧力調整弁は、シリンダポートと2次圧ポートとの間に、パイロット弁機構によるシリンダポートと2次圧ポートと切離し状態で、絞り込まれたバイパス経路を形成して主弁の第1シリンダ室の加圧水を主弁2次側に流す閉鎖遅延弁を設ける。この閉鎖遅延弁は、シリンダポートと2次圧ポートとの間に形成したパイパス経路に絞り調整自在なニードル弁を設ける。
【0049】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の圧力調整弁を用いた圧力調整機構の説明図である。
【0050】
図1において、主弁10は1次側に図示しない給水配管によって加圧水の供給を受け、2次側に設けたバタフライ弁11を介して、例えばトンネルの50メートル単位の区画ごとに設置した複数の水噴霧ヘッドを分岐接続している。
【0051】
主弁10にはアクチュエータとしてシリンダピストン機構15が設けられている。シリンダピストン機構15は、シリンダ内にピストン16を摺動自在に設け、弁24側に第1シリンダ室18を形成し、外側にスプリング22を組み込んだ第2シリンダ室20を形成している。スプリング22を組み込んだ第2シリンダ室20は、図11に示した主弁10の概略構造のように、ピストン16のロッド内の内部通路によって主弁2次側と連通している。
【0052】
主弁10の開閉は、1次側から分岐した配管に設けている止め弁26及びオリフィス28に続いて設けた遠隔制御される電導弁30の開閉で行われる。電導弁30と並列には手動起動弁32が設けられている。電導弁30の2次側は、本発明の圧力調整弁12を経由して主弁10の第1シリンダ室18に接続されている。
【0053】
本発明の圧力調整弁12は、1次圧ポートP1、シリンダポートCL、パイロットポートPL、2次圧ポートP2を備える。1次圧ポートP1には電導弁30の2次側が接続され、電導弁30または手動起動弁32を開くことで主弁10の1次側の加圧が供給される。
【0054】
シリンダポートCLは主弁10の第1シリンダ室18と接続される。パイロットポートPL及び2次圧ポートP2は、テスト用制水弁34を介して主弁10の2次側と接続される。テスト用制水弁34は3方切替弁であり、平常監視状態では主弁10の2次側と圧力調整弁12側を連通するように切り替わっている。
【0055】
テスト用制水弁34の2次側には自動排水弁36とテスト用放水弁38が並列接続され、2次側を配水管に接続している。またテスト用制水弁34の2次側には圧力スイッチ40が設けられ、テスト用放水弁38を開いて主弁10の開放によるテスト放水を行ったときの加圧水の流れを圧力変化から検出できるようにしている。
【0056】
図2は、図1の本発明の圧力調整弁12をシンボル表現で表わした圧力調整機構の説明図である。
【0057】
シンボル表現された圧力調整弁12は、左右に分けて示す2つの切替位置をもち、この切替位置は左側に設けた圧力設定スプリング60のスプリング荷重と、右側のパイロットポートPLに加わる2次圧による力のバランスで切り替わる。
【0058】
第2弁体100は、パイロットポートPLの水圧により、1次圧ポート及びシリンダポートCLと2次圧ポートP2との連通量を制御するものであり、初期状態では極わずかに連通してほぼ切り離された状態であり、パイロットポートPLの圧力が上昇するにつれ、連通量が多くなるものである。
【0059】
主弁10を作動して、パイロットポートPLに加わる2次圧が圧力設定スプリング60で決まる主弁10の2次側の調整目標となる規定圧力より低い場合は、図示の左側の切替位置となり、1次圧ポートP1がシリンダポートCLに連通し、2次圧ポートP2は第2弁体100により1次圧ポートP1及びシリンダポートCLと絞られて連通した状態である。
【0060】
パイロットポートPLに加わる2次圧が圧力設定スプリング60で決まる規定圧力より高くなると、圧力調整弁12は右側の切替位置に切り替わる。この右側の切替位置では、1次圧ポートP1がシリンダポートCLから切り離され、シリンダポートCLと2次圧ポートP2が完全に連通する。
【0061】
更に、圧力調整弁12のシリンダポートCLと2次圧ポートP2及びパイロットポートPLの分岐部分に対しては閉鎖遅延弁14が設けられている。この閉鎖遅延弁14は、本発明の圧力調整弁12に一体に組み込まれ、シリンダポートCLと主弁10の2次側に通じるパイロットポートPLとの間にオリフィス流路を形成し常時連通しているもので、閉鎖遅延部14は主弁10を閉じる際に第1シリンダ室18の加圧水をゆっくり抜くことで、主弁10を閉鎖する際の衝撃を和らげる。
【0062】
ここで図2の圧力調整機構について、主弁開放からヘッド散水中の圧力制御、更に主弁停止までの動作を説明する。
【0063】
定常監視状態にあっては、電導弁30及び手動起動弁32の両方が閉じており、主弁10の弁24はスプリング22の力で閉じられ、1次側にのみ給水配管による加圧水が加わっている。この状態で主弁10に対応した区画で火災が発生したとすると、遠隔制御により電導弁30を開放する。もちろん、現場にいる場合には手動起動弁32を手動で開いてもよい。
【0064】
電導弁30を開くと、主弁10の1次側に加わっている加圧水が止め弁26、電導弁30を介して圧力調整弁12の1次圧ポートP1に供給され、圧力調整弁12を通ってシリンダポートCLから主弁10の第1シリンダ室18に供給される。
【0065】
この1次側からの圧力調整弁12を経由した加圧水を第1シリンダ室18に受けて、ピストン16がスプリング22に抗して外側にストロークし、弁24を開くようになる。この弁24が開くことで1次側の加圧水が2次側に流れ、バタフライ弁11を介して2次側配管から水噴霧ヘッドに供給されて消火用水の散水が開始される。
【0066】
弁24を開いて2次側に加圧水が流れると、テスト用制水弁34を経由して圧力調整弁12の2次圧ポートP2及びパイロットポートPLのそれぞれに2次側加圧水が供給され、主弁10の2次圧が加わる。
【0067】
パイロットポートPLに加わる主弁10の2次圧による力が、圧力設定スプリング60で決まる2次側規定圧力より低い間は、ピストン16によって弁24が開放し続け、これによって主弁10の2次側圧力が規定圧力に向かって上昇する。2次側圧力が上昇すると、第2弁体100を流れる連通量が初期状態より多くなる。
【0068】
次に主弁10が開いた水噴霧ヘッドからの放水状態で、主弁10の2次側圧力が圧力設定スプリング60で決まる規定圧力より高くなると、圧力調整弁12はそれまでの左側の位置から右側の位置に切り替わる。
【0069】
右側の位置に切り替わると、1次圧ポートP1がシリンダポートCLから切り離され、シリンダポートCLが2次圧ポートP2に完全に連通する。このため、第1シリンダ室18の1次圧となっていた加圧水は、そのときの主弁10の低い方の2次圧との差圧により圧力調整弁12の第2弁体100及び閉鎖遅延弁14を通って主弁10の2次側に流れ、これによって第1シリンダ室18の圧力が低下する。
【0070】
第1シリンダ室18の圧力が低下すると、スプリング22の力及び第2シリンダ室に導入されている2次圧を受けてピストン16が弁24を閉じる方向にストロークし、弁24の開度が少なくすることで、2次圧が規定圧力に下げられる。
【0071】
以下同様に、圧力調整弁12の圧力設定スプリング60のスプリング荷重で決まる2次側規定圧力に対するパイロットポートPLに加わる2次圧による力の大小関係に応じた弁切替えにより、主弁10のピストンシリンダ機構15は2次圧を規定圧力に保つように弁24を開閉動作し、これによって2次側の水噴霧ヘッドに供給される加圧用水が規定圧力に調整される。
【0072】
水噴霧ヘッドからの放水により火災が消火したら、電導弁30を閉鎖する。電導弁30を閉鎖すると圧力調整弁12の1次圧ポートP1に対する1次側加圧水の供給が断たれ、このとき圧力調整弁12は左側の切替位置にあるが、パイロットポートPLの圧力がかかっているので、シリンダポートCLと2次圧ポートP2の連通による流通量は初期状態よりも多い。
【0073】
さらに、シリンダポートCLと2次圧ポートP2の間は閉鎖遅延弁14のバイパス流路で連通されている。このため、第1シリンダ室18の1次圧にある加圧水は、圧力調整弁12の第2弁体100の絞り流量と閉鎖遅延弁14で決まる絞り流量の総流量で主弁10の2次側に流れ、1次シリンダ室18の圧力が低下する。
【0074】
この第1シリンダ室18の圧力の低下に伴い、ピストン16が弁24を閉じる方向に弁24が完全に閉まる間際まで早くストロークし、その後、弁24が完全に閉まる間際では、パイロット圧力PLの圧力の低下により第2弁体100が初期状態のほぼ閉じた状態となり、閉鎖遅延弁14の流量のみとなり、弁24が緩やかに閉じる方向にストロークし、衝撃を起こすことなく弁24を閉鎖し、再び1次側に加圧水が充満された初期状態に復旧する。
【0075】
一方、圧力調整機構を定期的に点検する際の動作試験において、テスト用制水弁34の2次側のテスト回路が使用される。このテスト回路は主弁10を開いても水噴霧ヘッド側に水を放水することなく、実際に加圧水を放水したと同等な実放水試験ができる。
【0076】
即ち、テスト時にはバタフライ弁11を閉鎖し、テスト用制水弁34を圧力調整弁12側からテスト用放水弁38側に切り替える。この状態で例えば電動弁30を遠隔操作により開くと、1次側の加圧水が圧力調整弁12を経由してピストンシリンダ機構15の第1シリンダ室18に供給され、ピストン16がスプリング22に抗して出力し、弁24を開くことで2次側に加圧水を流す。
【0077】
2次側に流れ込んだ加圧水は、テスト用制水弁34からテスト用放水弁38を通って排出される。このときテスト用放水弁38は例えば主弁10の2次側に接続している水噴霧ヘッド数に対応した放水流量を流し、実際に水噴霧ヘッドから放水したと同じ動作状態が得られる。
【0078】
自動排水弁36はテスト用放水弁38を閉じたときに自動的に開いて、主弁10からの加圧水を排水する。このテスト時には圧力調整弁12のパイロットポートPLには主弁10の2次圧が加わらないことから、圧力調整動作は行われない。
【0079】
図3は、図1,図2の圧力調整機構に使用した本発明の圧力調整弁12の実施形態を示した断面図である。
【0080】
図3において、本発明の圧力調整弁12は、ボディ42の上部にケース44を装着し、その上部にキャップ45を装着している。ボディ42の右側には1次圧ポートP1が設けられ、ボディ42の左側にはパイロットポートPLが設けられている。
【0081】
またボディ42の下部には2次圧ポートP2が設けられている。更にボディ42に内蔵したスプール弁70に直交した破線の位置には、シリンダポートCLが設けられている。このシリンダポートCLは、図3の直交する断面を表わした図4から、その位置が分かる。図4のシリンダポートCLに対抗した位置には閉鎖遅延弁14が組み込まれている。
【0082】
再び図3を参照するに、ボディ42の左側に設けたパイロットポートPLは、ボディ42の上部側に設けたダイヤフラム圧力室46に連通している。ダイヤフラム圧力室46には、ゴム製のダイヤフラム48が組み込まれ、ダイヤフラム48の中央部は2枚の押さえ金50,52により支持され、押さえ金50の上部の埋め込みボルト56に押さえ金52を通し、ナット58で固定している。
【0083】
ダイヤフラム48の押え金52とケース44の上部のスプリングシート62の間には、調整目標となる規定圧力を設定するための圧力設定スプリング60が組み込まれている。圧力設定スプリング60の上部のスプリングシート62に続いては調整ボルト64がねじ込み固定され、ロックナット66により調整ボルト64による圧力設定スプリング60のスプリング荷重を決めるストローク長が設定される。
【0084】
ボディ42の右側に設けた1次圧ポートP1は、ボディ中央の1次圧導入室76に連通している。1次圧導入室76の上部にはダイヤフラム圧力室46に至るスプール穴72が形成され、また1次圧導入室76の下部に装着したプラグ80にもスプール穴84が設けられ、上下のスプール穴72,84に摺動自在にスプール弁70を組み込んでいる。
【0085】
スプール弁70は、上部先端をダイヤフラム48の押え金50の下部に当接しており、スプール弁70の下端はプラグ80に続いて下部よりねじ込んだプラグ88の端面に当接している。またスプール弁70の1次圧導入室76の組込み位置にはバルブスプリング90が組み込まれ、スプール弁70を上方に付勢している。
【0086】
スプール弁70の上部のスプール穴72の位置、及びスプール弁70の下部のプラグ80のスプール穴84の位置のそれぞれにはシール74,86が設けられ、ダイヤフラム圧力室46と1次圧導入室76との間、及び1次圧導入室76とその下の2次圧導入室78の間を密閉状態に仕切っている。なお、プラグ80のボディ40に対する組込み部分にもシール82が設けられている。ここで、シール74,82,86としては例えばOリングが使用される。
【0087】
スプール弁70は内部軸方向に内部通路96を形成している。内部通路96は、スプール弁体70の上部側で1次圧導入室76に開放したスプール穴72の下側の台形部に対し連通穴98を設けて連通している。 1次圧導入室76内でバルブスプリング90の上部を形成しているフランジ状の部分は、1次圧導入室76に対するスプール穴72に続く大径穴の開口部に形成した弁座94によってスプール弁70の第1弁部を構成する。このため、弁部92は第1弁体となり、弁座94は第1弁座となる。この第1弁部はダイヤフラム48が圧力設定スプリング60に抗して上方に移動すると、第1弁体92が第1弁座94に当接し、1次圧導入室76を介して連通していた1次圧ポートP1とシリンダポートCLとの連通を切り離す。
【0088】
スプール弁70の内部通路96は、2次圧導入室78に位置するスプール先端の開口部を第2弁部の第2弁体100としており、このスプール先端が当接するプラグ88の当接面を第2弁座102としている。図示のスプール弁70の初期位置で、2次圧導入室78に位置する内部流路96のスプール下端部の第2弁体100は、プラグ88の当接面と第2弁座102に当接して連通を遮断している。
【0089】
ここで、第2弁体100と第2弁座102の間には密閉用のシールは設けられておらず、逆に第2弁体100を構成するスプール下端部は周囲のエッジ部分がアール状に丸められている。このため、圧力が高い1次圧導入室76からスプール弁70の内部通路96を通って、2次圧ポートP2に絞られた加圧水の流れが定常的に生ずることになる。
【0090】
なお、第2弁体100と第2弁座102の間にシールを設けていないのは後述する閉鎖遅延弁14で、バイパス通路104を完全に閉めて設定してしまった場合に主弁10が閉弁できないという事態を防ぐために、わずかな排水路を設けている。
【0091】
この加圧水の流れは、図1,図2にように平常時の主弁10の閉鎖状態で、主弁10の第1シリンダ室18と2次側との間に2次側配管の温度差等による差圧が生じても、シリンダポートCLと2次圧ポートP2の間のスプール弁70の内部通路96を通るわずかな流れにより、差圧をなくすようになる。
【0092】
次に図4の閉鎖遅延弁14を説明する。閉鎖遅延弁14は、ニードル弁105を備えており、ニードル弁105はバイパス通路104に先端を挿入している。バイパス通路104はシリンダポートCLに至るシリンダポート連通部75に、スプール弁70の周囲を通って連通している。
【0093】
バイパス通路104はニードル弁105を通過した後、閉鎖遅延弁14の内部を通ってバイパス通路106によりダイヤフラム圧力室46に連通し、ダイヤフラム圧力室46は図3に示したようにパイロットポートPLに連通している。即ち閉鎖遅延弁14は、図4のシリンダポートCLと図3のパイロットポートPLとを結ぶバイパス通路104にニードル弁105を設け、バイパス流量を決めている。
【0094】
ニードル弁105の背後には調整ボルト110が一体に形成され、調整ボルト110はプラグ108にねじ込まれ、調整ボルト110の締め込み又は緩めにより、バイパス通路104に対するニードル弁105の押し込み量を変え、ニードル弁105の開度を決める。調整ボルト110によるニードル弁105の調整位置は、ロックナット112による締付けで固定される。
【0095】
次に図5〜図7を参照して、図3,図4に示した本発明の圧力調整弁の動作を説明する。
【0096】
図5は、図1において水噴霧ヘッドからの放水のため電導弁30を開いて主弁10を開放する際の本発明による圧力調整弁12の動作である。
【0097】
電導弁30を開いた場合には、図5(A)における1次圧ポートP1に電導弁30を経由して主弁10の1次側の加圧水が供給され、1次圧ポートP1から1次圧導入室76に入り、このときスプール弁70の第1弁体92は開いていることから、スプール弁70の周囲を通って、図5(B)の直交方向に形成しているシリンダポートCLに流れ、シリンダポートCLから図1の主弁10の第1シリンダ室18に加圧水の1次圧を供給する。
【0098】
このため図1のピストン16がスプリング22に抗してストロークし、弁24を開くことで1次側への加圧水を2次側に流し、水噴霧ヘッドからの放水を始める。主弁10が開き始めて2次圧が圧力設定スプリング60のスプリング荷重で決まる規定圧力より低い間は、図5(A)(B)の動作状態が保たれ、主弁10の弁24が開き続けることで2次圧が規定圧力に向かって増加する。
【0099】
なお、弁24が開いたことで2次側圧力がダイヤフラム圧力室46に入ることでダイヤフラム48を少し押し上げる。そのためスプール弁70が少し上昇し、下端が第2弁座102から少し離れ、2次圧ポートP2への流量がわずかに増える。
【0100】
図6は、主弁10が開放した後の放水中に、2次圧が規定圧力より高くなった場合の本発明による圧力調整弁12の動作状態である。主弁10の2次圧が規定圧力より高くなると、パイロットポートPLからダイヤフラム圧力室46に加わっている2次圧も上昇し、圧力設定スプリング60をダイヤフラム48が押し上げる。このダイヤフラム48の動きに伴ってスプール弁70が上方にストロークし、第1弁体92が弁座に当接して、1次圧ポートP1と直交方向に位置するシリンダポートCL、即ち図6(B)のシリンダポートCLの連通を遮断する。
【0101】
同時に、スプール弁70が上方に移動したことで、スプール下端部の第2弁体100が弁座102からさらに離れて流路を完全に開く。このため図6(B)のように、シリンダポートCLに主弁10の第1シリンダ室18から加わっている加圧水がスプール弁70の上部から内部通路96を通って下方の2次圧導入室78に流れ出し、2次圧ポートP2を通って図1の主弁10の2次側に流れる。
【0102】
このシリンダポートCLからスプール弁70の内部通路96を通って2次圧ポートP2に加圧水が流れる際に損失はほとんどなく、第1シリンダ室18と2次側との差圧に応じて加圧水が速やかに流れて第1シリンダ室18の圧力を下げ、主弁10のピストン16が素早く動いて弁24を閉じる方向に移動することで、上昇した2次圧を規定圧力に低下させる。
【0103】
なお、同時に閉鎖遅延弁14を介してシリンダポートCLからパイロットポートPLへも流れるが、2次圧ポートP2への流量の方が多い。
【0104】
もちろん、図6の状態から主弁10の2次圧が規定圧力より低下すると、再び図5の動作状態に戻り、2次圧を規定圧力に回復するように主弁10の弁24を開くように駆動する。
【0105】
図7は、水噴霧ヘッドからの放水により消火が完了して主弁10を閉鎖するときの本発明による圧力調整弁12の動作である。図1で開放状態にあった電動弁30を閉じると、圧力調整弁の1次圧ポートP1に対する加圧水の供給が断たれる。
【0106】
パイロット弁30を閉めたときは、パイロットポートPLの2次圧がダイヤフラム48を加圧しているために、スプール弁70が初期状態よりいくらか上昇しており、第2弁体100が少し上昇している。そのため、シリンダポートCLの加圧水は、第2弁体100を流れる流量と、閉鎖遅延弁14を構成するニードル弁105の絞り流量で決まる加圧水の流量との合計量で第1シリンダ室18の圧力を低下させ、弁24を閉じる方向に早くストロークさせる。
【0107】
その後、弁24が完全に閉まる間際になると、パイロットポートPLの2次圧が低下するため、図7(A)(B)のように、ダイヤフラム46が初期位置に戻り、実質的に図7(B)に示すシリンダポートCLとボディ下側の2次圧ポートP2の連通が遮断される。
【0108】
すると、図7(B)に示すように、圧力調整弁12に設けている閉鎖遅延弁14を構成するニードル弁105の絞り流量で決まる加圧水の流れのみでシリンダポートCLからパイロットポートPLを介して2次側に排水され、この加圧水の流れに応じた主弁10の第1シリンダ室18の圧力低下に伴い、徐々にピストン16がスプリング22に押されて、閉鎖遅延弁14の遅延量で決まる所定時間後に弁24がゆっくり閉鎖し、水噴霧ヘッドからの放水を停止する。
【0109】
ここで、主弁10の停止時における第1シリンダ部18から主弁2次側への加圧水の流れは、図7に示した閉鎖遅延弁14のニードル弁105で決まる絞り量に加え、そのときのスプール弁70の内部通路を通る第2弁体100の漏れ量を加えた量として流れるが、第2弁体100の閉鎖状態での漏れ量はごくわずかであり、実質的には閉鎖遅延弁14のバイパス量で決まる閉鎖遅延が行われる。
【0110】
図8はパイロット弁30を閉じてから弁24が完全に閉まるまでの従来と本実施形態の弁24の動作比較を表す図であり、同一時間で弁を閉鎖させた場合の動作を示す。縦軸にシリンダ室の圧力を横軸に示す。
【0111】
点線aは従来の圧力変化の推移であり、オリフィス流路180,250,302からのみ圧力低下が行われるので、一定の傾きで圧力が低下し、一定の速度で弁が閉まっていく。その為、所定時間t1位内に弁が完全に閉まるようにするためには、オリフィス流路180,250をやや多めの流量に設定しなくてはならない。
【0112】
実線bは本実施形態の圧力変化の推移であり、時間t2までの実線bに示すようにパイロット弁30を閉じたときは、第2弁体100及び閉鎖遅延弁14の両方から流れるため、点線aよりも早く圧力低下を行うことができ、弁24が従来より閉まる方に早く動く。圧力が低下していき所定圧力まで低下すると、時間t2において第2弁体100が閉じ、その後の弁24が完全に閉鎖するまでは閉鎖遅延弁14のみで決まる流量で圧力低下していく。よって、弁24が緩やかに閉鎖していく。つまり、従来と同じ時間t1で完全に閉鎖するように設定する場合、第2弁体100と閉鎖遅延弁14を使用して弁24が完全に示す直前まで早く閉めることができるために、閉鎖遅延弁14の絞り流量を従来のオリフィス流路の絞り流量より少なく設定することができ、残りのt1−t2の時間でゆっくり閉めることができるので閉鎖時の衝撃を抑えることができる。
【0113】
尚、上記の実施形態にあっては、圧力調整弁12のボディ42に閉鎖遅延弁14を一体に組み込んでいるが、ボディ42にバイパスポートを設け、このバイパスポートに閉鎖遅延弁を配管により外部接続してもよい。
【0114】
また上記の実施形態は、バイパス絞り量を可変できるニードル弁を閉鎖遅延弁に使用する場合を例にとるものであったが、バイパス量をバイパス通路にオリフィス等を設けてバイパス量を固定的に設置した閉鎖遅延弁であってもよいことはもちろんである。
【0115】
また、上記の実施形態は、閉鎖遅延弁をシリンダポートCLとパイロットポートPLを結んだ構成であるが、シリンダポートCLと2次圧ポートP2を結ぶ構成であっても良い。
【0116】
また上記の実施形態は、トンネル消火設備に用いられる自動弁を主弁とした場合の圧力調整を例にとるものであったが、これ以外に屋内のスプリンクラー消火設備の分岐管に設けているピストンシリンダ機構をアクチュエータとして備えた自動警報弁を主弁として、本発明による圧力調整弁で圧力調整を行うようにしても良く、本発明が制御対象とする主弁による限定は受けず、適宜の主弁を対象として圧力調整を行うことができる。
【0117】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、主弁を開いた水噴霧ヘッドからの放水中に主弁2次圧が調整目標としての規定圧力より高くなると、内蔵したパイロット弁機構が1次圧ポートからシリンダポートを切り離し、切り離した
シリンダポートを2次圧ポートに連通し、主弁シリンダ室の加圧水を主弁2次側に低損失で流すため、2次圧の変動に対する圧力調整のための主弁の追従性が高められ、応答性の良い2次側圧力を規定圧力に保つ圧力調整が実現できる。
【0118】
また主弁シリンダ室からの加圧水を圧力調整弁を通して主弁2次側に流すことで圧力を調整しているため、主弁シリンダ室から加圧水を大気開放の配水管に流す従来の圧力調整弁のような配水管が不要となり、施工が簡単でコストも安くできる。また、冬場の冷気による配水管を経由した圧力調整弁の凍結を防止できる。
【0119】
また、弁を閉める際には、途中までは第2弁部及び閉鎖遅延弁との両方から主弁2次側に流し、弁を閉める間際に閉鎖遅延弁のみの排水となるので、弁を閉めるときの衝撃を抑えることができる。
【0120】
また、第2弁部はシール構造となっていないので、もし閉鎖遅延弁によるバイパス流路が閉ざされたとしても、第2弁部からわずかずつ排水されるので主弁が閉じないということを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧力調整弁を用いた主弁の圧力制御機構の説明図
【図2】図1につき本発明の圧力調整弁をシンボル表現した主弁の圧力制御機構の説明図
【図3】本発明による圧力調整弁の実施形態を示した断面図
【図4】図3に直交する方向の断面図
【図5】電動弁を開いた主弁開放時の本発明による圧力調整弁の動作説明図
【図6】水噴霧ヘッド放水中に主弁2次圧が規定圧力より高くなった時の本発明による圧力調整弁の動作説明図
【図7】電動弁を閉じた主弁閉鎖時の本発明による圧力調整弁の動作説明図
【図8】主弁を閉じるまでの従来と本実施形態の動作比較を説明する図
【図9】主弁シリンダからの加圧水を圧力調整弁を通して大気開放の排水管に流す大気側排水方式の圧力調整機構の説明図
【図10】図9の圧力調整弁をシンボル表現した大気側排水方式の圧力調整機構の説明図
【図11】大気側排水方式の圧力調整機構を主弁と圧力調整弁の概略構造で示した説明図
【図12】図11について電動弁を開いた主弁開放時の動作説明図
【図13】図11について水噴霧ヘッド放水中に主弁2次圧が規定圧力より高くなった時の動作説明図
【図14】図11について電動弁を閉じた主弁閉鎖時の動作説明図
【図15】主弁シリンダからの加圧水を圧力調整弁を通して主弁2次側に流す2次側排水方式の圧力調整機構の説明図
【図16】図15の圧力調整弁をシンボル表現した大気側排水方式の圧力調整機構の説明図
【図17】図15,図16で使用する圧力調整弁の構造を示した断面図
【符号の説明】
10:主弁
11:バタフライ弁
12:圧力調整弁
14:閉鎖遅延弁
15:ピストンシリンダ機構(主弁アクチュエータ)
16:ピストン
18:第1シリンダ室
20:第2シリンダ室
22:スプリング
24:弁
26:止め弁
28:オリフィス
30:電動弁(主弁起動停止用)
32:手動起動弁
34:テスト用制水弁
36:自動排水弁
38:テスト用放水弁
40:圧力スイッチ
42:ボディ
44:ケース
45:キャップ
46:ダイヤフラム圧力室
48:ダイヤフラム
50,52:押え金
56:埋込みボルト
58:ナット
60:圧力設定スプリング
62:スプリングシート
64:調整ボルト
66:ロックナット
70:スプール弁
72:84:スプール穴
74,82,84:シール(Oリング)
76:1次圧導入室
78:2次圧導入室
80,88:プラグ
90:バルブスプリング
92:第1弁体
94:第1弁座
96:内部通路
98:連通穴
100:第2弁体
102:第2弁座
104,106:バイパス通路
105:ニードル弁
108:プラグ
110:調整ボルト
112:ロックナット
P1:1次圧ポート
P2:2次圧ポート
CL:シリンダポート
PL:パイロットポート
Claims (4)
- 加圧水を供給する配管に設置された主弁の開閉用ピストンシリンダ機構に対し、ピストンで仕切られた一方の第1シリンダ室に1次圧と2次圧を切替え導入し且つ他方の第2シリンダ室に常時2次圧を導入し、前記第1シリンダ室に対する1次圧と2次圧の切替えに対応した前記ピストンの動きにより弁体を開閉動作して2次圧を規定圧力に調整する圧力調整弁に於いて、
前記主弁の1次側を接続して1次圧を導入する1次圧ポートと、
前記主弁の第1シリンダ室を接続するシリンダポートと、
前記主弁の2次側を接続して2次圧を導入する2次圧ポートと、
前記主弁の2次側を接続して2次圧をパイロット圧として導入するパイロットポートと、
調整目標となる主弁2次側の規定圧力を設定する圧力設定スプリングと、
前記圧力設定スプリングの力と前記パイロットポートから導入された2次圧の力がバランスする位置に変位するするダイヤフラムと、
前記ダイヤフラムの変位に連動し、前記2次圧が規定圧力より低い場合は、前記1次圧ポートを前記シリンダポートに連通して1次圧を前記第1シリンダ室に供給し、前記2次圧が規定圧力より高い場合は、前記1次圧ポートから前記シリンダポートを切り離し、シリンダポートを前記2次圧ポートに連通するパイロット弁機構と、を備え、更に、
前記シリンダポートと前記2次圧ポートまたは前記パイロットポートとの間に、絞り込まれたバイパス経路を形成して前記主弁の第1シリンダ室の加圧水を主弁2次側に流す閉鎖遅延弁を設けたことを特徴とする圧力調整弁。 - 請求項1記載の圧力調整弁に於いて、前記閉鎖遅延弁は、前記シリンダポートと前記2次圧ポートまたは前記パイロットポートとの間に形成したバイパス経路に絞り調整自在なニードル弁を設けたことを特徴とする圧力調整弁。
- 請求項1に記載の圧力調整弁に於いて、前記パイロット弁機構は、
前記ダイヤフラム圧力室、シリンダポート連通部、1次圧導入室及び2次圧導入室を順番に通って形成したスプール穴と、
前記スプール穴に摺動自在に収納されたスプール弁と、
前記シリンダポート連通部と前記1次圧導入室との間を開閉する前記スプール弁に一体形成した第1弁部と、
前記パイロットポートの圧力上昇による前記第1弁部の閉鎖方向の制御に関連して開放方向に制御し、前記パイロットポートの圧力低下による前記第1弁部の開放方向の制御に関連して閉鎖方向に制御する第2弁部と、を備えたことを特徴とする圧力調整弁。 - 請求項3記載の圧力調整弁に於いて、
前記第1弁部は、前記1次圧導入室のスプール穴開口部に形成した弁座と、前記スプール弁外周の前記1次圧導入室の位置にフランジ状に形成された弁体とで構成し、
前記第2弁部は、前記シリンダポート連通部からスプール内部を通って前記2次圧導入室のスプール先端に開口する内部流路と、該内部流路が開口するスプール先端部に形成した弁体と、前記スプール先端部の弁体が当接するプラグ部材の当接面である弁座とで構成したことを特徴とする圧力調整弁。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29655298A JP3905231B2 (ja) | 1998-10-19 | 1998-10-19 | 圧力調整弁 |
Applications Claiming Priority (1)
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