JP3919084B2 - 磁気ディスクカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、ノートパソコン等に設けられたディスクドライブ等に対し交換自在に装填可能な小型の磁気ディスクカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、ノートパソコン等の電子機器のカードスロットには、種々の記録メディアが挿抜可能に装填され、記録再生をするようになっている。このような記録媒体としては、半導体メモリタイプのもの、ハードディスク型のもの、光ディスク型のもの、フロッピー(登録商標)ディスクのような磁気ディスクの小型のもの等、各種のものが実用に供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この中では、半導体のメモリが取り扱いやすく、記録容量も適当に大きいので、最もポピュラーであるが、比較的価格が高い。したがって、これらのメモリを用いるデジタルカメラなどでは、撮影した画像データをパソコンなどに転送して保存し、その後データは削除し、記録媒体は繰返し使うのが一般的である。
【0004】
ハードディスク型のものとしては、340MBや1GBの容量を持つものが知られているが、これも価格が高く、データは他に転送して保存し、記録媒体は繰返し使うことになる。
【0005】
光ディスク型のものは大きさの割に記録容量が大きく、例えば35mm×41mm×11mmのサイズの中に256MBのデータを記録することができ、512MBの記録容量を持ったものも実現しようとしている。しかし、光ディスクは書込みに時間がかかるので記録速度が遅いという難点がある。
【0006】
一方、フロッピー(登録商標)ディスクのような磁気ディスクを50mm×55mm×2mm程度の小型のものとし、これをパソコン等のカードスロットに挿入できるサイズのディスクドライブに交換自在に装填可能としたものも知られているが、これは容量が40MBと小さく、カメラの画像を記録するという観点では容量不足であるし、大きさもデジタルカメラには向かない。
【0007】
近年、デジタルカメラが、その記録の簡便さ、撮像素子の開発による画質の向上、データの削除や転送の可能性や記録容量の大きさなど、パソコンが普及した社会の背景と相俟って、急速に広く普及しているが、記録媒体(以下、メディアという)が上述のように価格や容量の面で制限されているため、その使用の態様に制限がある。例えば、メディアが高価であるため、1台のカメラにメディアを何枚も持つということはしないで、データが一杯になったらパソコンに移して削除するなどして、1枚のメディアを繰返し使用するのが普通であることは上述の通りである。そのため、旅先で記録媒体が足りなくなることがあり、またデータを入れたメディアをそのまま保存したり、人にあげたりするというようなことができない。
【0008】
そこで、デジタルカメラで撮影したデータをそのまま保存したり、気軽に人に上げたりすることができるように、大容量で安価な小型のメディアの実現が望まれる。また、パソコンにおいても、データを入れて人に渡したりすることができる大容量で安価な小型のメディアの実現が望まれる。
【0009】
そのような要望に応え、デジタルカメラで撮影したデータやパソコンのデータをそのまま保存したり、気軽に人にあげたりすることができるような大容量で安価な小型のメディアとして、パソコンやデジタルカメラなどの電子機器に装填可能なカード型ディスクドライブと、そのディスクドライブに装填可能な磁気ディスクカートリッジとからなるメディアが考えられる。すなわち、そのような磁気ディスクカートリッジとして、開閉シャッターを備えたハウジングに高密度磁気記録が可能なフレキシブルな磁気ディスクを回転自在に収容し、例えば200MB以上の記録容量を備えた磁気ディスクカートリッジとすることが考られる。そのための高記録密度磁気記録媒体としては、蒸着法またはスパッタリング法により金属薄膜を施したもの、あるいはバリウムフェライト粉末や強磁性金属粉末を用いたものが採用できる。バリウムフェライト粉末を用いたものの例として、本出願人が出願した特願2001−312864号がある。
【0010】
「バリウムフェライト粉末を用いた高記録密度磁気記録媒体」とは、磁性層にバリウムフェライト粉末を含有した磁気ディスクであって、高記録密度の実現が可能な材料を用いたものであり、例えば、特願2001−205290号に開示された、非磁性支持体の少なくとも一方の面に、非磁性粉末及び結合剤を含む非磁性層と、六方晶系フェライト粉末である強磁性粉末及び結合剤を含む磁性層とをこの順に有する磁気記録媒体であって、非磁性層が平均粒径10〜30nmのカーボンブラックを前記非磁性粉末100質量部に対して10〜50質量部含有し、磁性層の厚さが0.2μm以下であり、電子線マイクロアナリシスによる強磁性粉末に起因する元素の平均強度aに対する強度の標準偏差bが0.03≦b/a≦0.4であり、かつ、磁性層の中心面平均粗さRaが5nm以下、10点平均粗さRzが40nm以下である磁気記録媒体である。この材料を用いた磁気ディスクに対しては、例えば高記録密度の可能なMRヘッド等の磁気ヘッドを用いて情報の記録再生を行う。
【0011】
上記メディアの発明によれば、記録容量200MB以上、好ましくは500MB以上の高記録密度のメディアを実現することができ、これにより、例えば静止画であれば一枚約1MBとして、500枚記録させることができ、また動画であれば30分程度の映像コンテンツを記録できるようになる。したがってデジタルカメラで撮影した動画や、携帯電話で配信される動画等を記録することができ、コンテンツを使用する際のユーザーの利便性を向上させることができる。また、もちろんパソコンにおいても安価な大容量のデータ保存メディアとして便利に利用することができ、その利便性は大きい。
【0012】
なお、本明細書におけるディスクドライブの好ましい例として、一般にパソコンの場合は、図14(a)に示すように、パソコンに設けられたPCカード用のスロットに挿入されるカード2の受容部のソケット4に電気的に接続されて装填されるディスクドライブ6の外、例えば「click!(登録商標)」のようなPCカードに内蔵されているディスクドライブをも意味する。また、デジタルカメラ3等の場合には、図14(b)に示すように、カメラ3の受容部5のソケットに電気的に接続されて装填されるディスクドライブ6である。したがって、このディスクドライブ6は極めて小型であり、例えば38mm〜55mmの長さと35mm〜51mmの幅と3mm〜5mmの厚さを有し、磁気ディスクカートリッジ8は、例えば25mm〜36mmの長さおよび幅と1mm〜3mmの厚さを有するものが挙げられる。
【0013】
ところで、このような小型の磁気ディスクカートリッジのハウジングを円盤状に形成し、コイン感覚で磁気記録メディアを取り扱うことが提案されている。すなわち、自動販売機に硬貨を投入するような気軽な感覚で、磁気記録メディアを取り扱うことで、利便性を向上させることが提案されている。
【0014】
しかしながら、ハウジングの形状を円盤状にしたときには、ディスクドライブへの挿入向きを識別できるようにする必要がある。すなわち、ハウジングを円盤状にすると、ハウジングに取り付けられたシャッターの向きに関係なくディスクドライブ挿入することができてしまうことになる。シャッターがディスクドライブ内の所定の位置に位置決めされないと、磁気ディスクへ情報の記録再生を行うことができない。したがって、ハウジングが磁気ディスクドライブに対して所定の向きで位置決めされる必要がある。
【0015】
また、このような磁気ディスクカートリッジがディスクドライブに装填された場合に、例えば磁気ディスクカートリッジのハウジングが備えている位置決め用の孔または凹部にディスクドライブ側の突起が係入して、磁気ディスクカートリッジがディスクドライブ内の所定位置に係止されるようになっているが、この係合部分に多少でも遊びがあると、ディスクドライブが備えている高記録密度を有する磁気ディスクと、カートリッジ側の磁気ディスクとの相対位置が変動して、記録再生特性に悪影響を及ぼすことになる。
【0016】
さらに、磁気ディスクカートリッジが極めて小型なために、このカートリッジをディスクドライブを取り出す際におけるディスクドライブからの離間性が悪く取出しに困難を伴うという問題もあった。
【0017】
さらに、上記磁気ディスクカートリッジはコイン感覚で取り扱えるほど小さいので、この磁気ディスクカートリッジを指で摘むと表裏の全面が覆われてしまい、目視でこの磁気ディスクカートリッジの表裏を確認することが困難となる。さらに、ハウジングが円盤状に形成されたこの磁気ディスクカートリッジの表裏両面が略平面を成すものであると、表裏の向きを間違えて磁気ディスクカートリッジを上記ディスクドライブへ挿入してしまうことが考えられる。
【0018】
このように、ディスクドライブに磁気ディスクカートリッジが誤挿入されると、磁気ディスクカートリッジがディスクドライブ中の所定の位置に配置されないので、磁気ディスクへの情報の記録および磁気ディスクからの情報の再生が実行されず、磁気ディスクカートリッジの挿入の向きを正しい向きに修正して、再度磁気ディスクカートリッジをディスクドライブに挿入することになり操作効率が低下する。さらに、表裏を間違えたまま磁気ディスクカートリッジをディスクドライブに無理に押し込むと磁気ディスクカートリッジが故障してしまう虞もあるので、磁気ディスクカートリッジの表裏を正確に識別したいという要請がある。
【0019】
一方、一般の生活用品においては、その利用者や消費者を保護するために、例えば注意書きが書かれたシールを必ず製品に貼ったりする等の安全対策が行われているが、乳幼児の誤飲、誤食による事故、特に一般的に乳幼児は、何でも口に入れてしまう傾向があり、充分な判別能力を有しないことから、その事故発生率が高いというのが現状である。
【0020】
このことから、上述のようなきわめて小型の磁気ディスクカートリッジにおいては、乳幼児の誤飲、誤食による事故を未然に防止する必要がある。特に、磁気ディスクカートリッジは誤って飲み込んでしまうという事態に至らなくても、口に含んだり、舐めることによって、唾液などが記録面に付着し重要な記録再生のエラーを生じさせるという事態を招くことになる。
【0021】
上述の事情に鑑み、本発明の第1の目的は、ディスクドライブに挿入する際、ディスクドライブに対して確実に所定の向きで位置決めされ、情報の記録再生を行うことができる磁気ディスクカートリッジを提供することにある。
【0022】
本発明の第2の目的は、磁気ディスクカートリッジがディスクドライブへ挿入されてディスクドライブ内の所定位置に係止された場合の遊びを防止し、かつディスクドライブからの取出し時における離間性を向上させた磁気ディスクカートリッジを提供することにある。
【0023】
本発明の第3の目的は、表裏をより正確に識別することができる磁気ディスクカートリッジを提供することにある。
【0024】
本発明の第4の目的は、乳幼児等が口に含んだとしても、自ら直ぐに吐き出させるようにして誤飲、誤食による事故を防止することを可能にした磁気ディスクカートリッジを提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本願第1の発明は、ディスクドライブに装填可能な磁気ディスクカートリッジであって、この磁気ディスクカートリッジが、ハウジング内に磁気ディスクを回転自在に収容してなるものであり、上記ハウジングが、上記ディスクドライブの磁気ヘッドを磁気ディスクの表面にアクセスさせるための開口と、この開口を開閉するシャッターとを備えるとともに、上記ハウジングが、上記磁気ディスクの輪郭に沿った円弧と、上記磁気ディスクの輪郭に沿った円に外接し、かつ互いに直交する2本の直線とからなる外縁形状を有し、上記ハウジングは、金属製の下シェルと、該下シェルに嵌合された金属製の上シェルとによって構成され、上記下シェルは、底板と、上記開口の部位を除いて上記底板の周縁から上方へ立ち上がる周壁とを備え、上記上シェルは、頂板と、上記開口の部位を除いて上記頂板の周縁から下方へ垂下して、上記下シェルの周壁の内側に弾性的に嵌着される周壁とを有することを特徴とするものである。
【0026】
上記下シェルは、上記互いに直交する2本の直線に沿って延びる二つの側壁を備え、これら二つの側壁のうちの一方の側壁が、この磁気ディスクカートリッジのディスクドライブへの挿入方向と直交し、他方の側壁が挿入方向と平行であることが好ましい。
【0027】
上記二つの側壁のうち、挿入方向と直交する一方の側壁は、挿入方向に関してトレーリング側の端部に設けられているとともに、この側壁の、磁気ディスクの回転軸線と平行な方向の寸法が、このハウジングの磁気ディスク収容部分の厚さよりも大であることが好ましい。
【0028】
さらに、上記二つの側壁のうち、挿入方向と平行な他方の側壁の、磁気ディスクの回転軸線と平行な方向の寸法も、このハウジングの磁気ディスク収容部分の厚さよりも大であることが好ましい。
【0029】
その場合、上記二つの側壁の下縁がハウジングの面板部の下面に一致し、上記二つの側壁の上縁がハウジングの面板部の上面から突出していることが特に好ましい。
【0030】
また、上記二つの側壁の外面は、これに隣接する、磁気ディスクの輪郭に沿った円弧を描く周壁の外周面の外接線よりも若干外方に張り出していることが好ましい。
【0031】
さらに、上記二つの側壁によって構成されるコーナー部が、ディスクドライブへの挿入方向に関してトレーリング側の片隅に形成されていることことが好ましい。
【0032】
さらに、上記ハウジングが、下シェルと、この下シェルの内側に上方から嵌合される上シェルとによって構成され、かつ磁気ディスクカートリッジを構成するすべての構成要素が、上記下シェル内に積上げ方式で組み付けられるように構成されていることが好ましい。
【0033】
その場合、下シェル側のシャッターが下シェルの内側に配置され、かつ上シェル側のシャッターが上シェルの外側に配置され、上下のシャッターがハウジングの開口の前面側において互いに結合されて一体に回動し得るように構成されていることが好ましい。
【0034】
なお、本発明(以下の発明も同じ)においては、上記磁気ディスクが、バリウムフェライト粉末を用いた高記録密度磁気記録媒体であることが好ましい。
【0035】
次に、本願第2の発明は、ディスクドライブに対し挿入により装填可能な磁気ディスクカートリッジであって、
この磁気ディスクカートリッジが、ハウジング内に磁気ディスクを回転自在に収容してなるものであり、
上記ハウジングのディスクドライブへの挿入方向に関してトレーリング側に、磁気ディスクカートリッジがディスクドライブに挿入されてこのディスクドライブ内の所定位置に係止された状態で該磁気ディスクカートリッジを排出方向に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0036】
その場合、上記ハウジングが、ディスクドライブへの挿入方向に関してトレーリング側の端部に、挿入方向と直交する方向に直線的に延びかつ上縁がハウジングの面板部の上面から上方へ突出する側壁を備え、上記付勢手段が、ディスクドライブへ挿入された場合に、このディスクドライブのカートリッジ挿入スロットの上縁部の外壁面に弾性的に当接するように上記側壁の上部に設けられた板バネ部で構成されていることが好ましい。
【0037】
さらに、本願第3の発明は、ディスクドライブに装填可能な磁気ディスクカートリッジであって、
この磁気ディスクカートリッジが、フレキシブルな磁気ディスクと、この磁気ディスクを回転自在に収容するハウジングとを備え、
上記ハウジングが、ディスクドライブの磁気ヘッドを磁気ディスクの表面にアクセスさせるための開口と、この開口を開閉するシャッターとを備えているとともに、ハウジングの表裏の少なくとも一方の面上に、この面を他方の面と識別可能にする凹凸部が設けられていることを特徴とするものである。
【0038】
上記凹凸部は、上記一方の面にマット加工を施すことにより、あるいは、上記一方の面の一部にラベルを貼付することにより形成することができる。
【0039】
最後に、本願第4の発明は、ディスクドライブに装填可能な磁気ディスクカートリッジであって、
この磁気ディスクカートリッジが、磁気ディスクと、この磁気ディスクを回転自在に収容するハウジングとを備え、
このハウジングの表面の少なくとも一部に、催吐剤を主成分として含有した催吐剤層が形成されていること、および/または磁気ディスクカートリッジを口に入れた際の異物感を増幅させるような手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0040】
上記催吐剤層はハウジングの表面の一部に設けてもよいし、ハウジングの表面全面に設けてもよい。また、催吐剤層上にはこの催吐剤層を部分的に覆うように保護層を設けてもよい。また、上記磁気ディスクカートリッジを口に入れた際の異物感を増幅させるような手段は、例えばハウジングの縁部にギザギザ加工を施すことによって設けることができる。
【0041】
【発明の効果】
本願第1の発明によれば、そのハウジングが、磁気ディスクの輪郭に沿った円弧と、磁気ディスクの輪郭に沿った円に外接し、かつ互いに直交する2本の直線とからなる外縁形状を有することにより、ディスクドライブに挿入する際、ディスクドライブに対して確実に所定の向きで位置決めすることができる。
【0042】
特に、上記ハウジングの互いに直交する2本の直線に沿って延びる二つの側壁の、磁気ディスクの回転軸線と平行な方向の寸法が、ハウジングの磁気ディスク収容部分の厚さよりも大である場合、特に二つの側壁の上縁がハウジングの面板部の上面から突出している場合、および/または、上記二つの側壁の外面が、これに隣接する、磁気ディスクの輪郭に沿った円弧を描く周壁の外周面の外接線よりも外方に張り出している場合、ディスクカートリッジを手で摘んだだけで、直ちにディスクカートリッジの表裏およびディスクドライブに対する正しい挿入方向を識別することができるとともに、ディスクドライブ側のカーリッジ挿入用スロットの形状を上記二つの側壁の突出形状に対応させることにより、ディスクカートリッジが誤った向きになっているとこのスロットに挿入できないようにして、誤挿入をさらに確実に防止することができる。
【0043】
また、上記二つの側壁によって画成されるハウジングコーナー部が、磁気ディスクの外周から離れた位置にあるため、このコーナー部に、ハウジングを上下に貫通する位置決め基準孔を設けたり、あるいは、例えば光の反射、透過または特定波長の透過によって情報を読み取ることができる識別片をハウジングに後から埋め込むこむこともでき、その場合、この識別片によって記録容量等を識別することができるから、ハウジングを共通にすることができるという利点もある。
【0044】
さらに、上記ハウジングが、下シェルと、この下シェルの内側に上方から嵌合される上シェルとによって構成され、かつこの磁気ディスクカートリッジを構成するすべての構成要素が、下シェル内に積上げ方式で組み付けられるようになっている場合には、超小型でありながら組立性に優れたディスクカートリッジを得ることができる。
【0045】
本願第2の発明によれば、そのハウジングのディスクドライブへの挿入方向に関してトレーリング側に、磁気ディスクカートリッジがディスクドライブに挿入されてこのディスクドライブ内の所定位置に係止された状態で磁気ディスクカートリッジを排出方向に付勢する付勢手段が設けられていることことにより、磁気ディスクカートリッジがディスクドライブへ挿入されてディスクドライブ内の所定位置に係止された場合の遊びを防止することができる。
【0046】
また、磁気ディスクカートリッジを排出方向に付勢する付勢手段が設けられていることにより、磁気ディスクカートリッジがディスクドライブ内における係止から解放されたときには、上記付勢手段の付勢力により取出し方向へ押し出されるから、ディスクドライブからの離間性が向上し、取出しが容易になる利点がある。
【0047】
そして、上記付勢手段を、ハウジングの側壁に一体に設けた板バネ部の弾性復元力を利用した構成とする場合には、簡単な構成で目的を達することができるカートリッジ挿入用スロットの形状を上記二つの側壁の突出形状に一致させることにより、ディスクカートリッジの誤挿入も防止することができる。
【0048】
本願第3の発明によれば、ハウジングの表裏の少なくとも一方の面上に、この面を他方の面と識別可能にする凹凸部が設けられていることにより、手触りで(触感で)上記凹凸部の存在を認識することができ、これにより表裏をより正確に識別することができる。したがって、磁気ディスクカートリッジを指で摘んだときにこの磁気ディスクカートリッジの全面が指で覆われて目視で表裏を確認できないような場合であっても、触感で上記磁気ディスクカートリッジの表裏を識別することができるので、表裏を間違えて磁気ディスクカートリッジをディスクドライブへ挿入する誤りを防止することができる。
【0049】
なお、表裏のいずれを凹凸部の有る方にするか、あるいはいずれの面をディスクドライブの表の面に合わせるかについては、別途ディスクドライブ側あるいはディスクを使用する電子機器側で明確に指示する必要があるのは無論である。
【0050】
本願第4の発明によれば、ハウジングの表面の少なくとも一部に、催吐剤を主成分として含有した催吐剤層が形成されていることにより、および/または磁気ディスクカートリッジを口に入れた際の異物感を増幅させるような手段が設けられていることにより、誤って又はふざけて口に含んだり舐めたりしたときに、その刺激によって無意識的に口から吐き出させてしまう作用があり、従って、乳幼児の誤飲、誤食を防止することができる。また、刺激によって直ちに吐き出させることができるため、唾液などが記録面に付着して重要な記録再生のエラーを生じさせるという事態を防止することができる。
【0051】
本願発明による磁気ディスクカートリッジは、特にデジタルカメラに使用するのに適し、取扱いに便利なだけでなく、磁気ディスクであるため安価に製造することができ、記録済みのディスクカートリッジをそのまま保存したり、人に上げたりする使い方ができるようになる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による磁気ディスクカートリッジの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0053】
図1は、図14(a)に示したものと同様のパソコンに設けられたPCカード用のスロットに挿入されるPCカード2の受容部のソケット4に電気的に接続されて装填されるディスクドライブ6と、このディスクドライブ6に挿入される本発明による磁気ディスクカートリッジを示し、このディスクカートリッジ10は、偏平なハウジング12内に、バリウムフェライト粉末を用いた高記録密度磁気記録媒体であることが好ましいフレキシブルな円盤状磁気ディスク14を回転自在に収容してなり、ハウジング12は、ディスクドライブ6の磁気ヘッドを磁気ディスク14の表面にアクセスさせるための開口を開閉する回動式シャッター35を備えるとともに、磁気ディスク14の輪郭に沿った円と、互いに直角に交わる2本の上記円の外接線とからなる形状の外縁からなる平面形を有する。
【0054】
図1に概略的に示された磁気ディスクカートリッジ10の詳細構成が図2〜図5に示してあり、図2はこの磁気ディスクカートリッジ10をこのカートリッジ10が挿入されるディスクドライブ6の一部分とともに上方から見た斜視図、図3は磁気ディスクカートリッジ10を下方から見た斜視図、図4はシャッターが開かれた状態を図2に対応させて示す斜視図、図5は分解斜視図である。
【0055】
この磁気ディスクカートリッジ10は、そのハウジング12が、金属製の下シェル20と、この下シェル20の内側に上方から嵌合される金属製の上シェル30とによって構成され、図5に示すように、下シェル20側の金属製シャッター25は下シェル20に内蔵され、上シェル30側の金属製シャッター35は上シェル30の外側に配置され、かつすべての構成要素が下シェル20内に積上げ方式で組み付けられるようになっている。
【0056】
図5から明らかなように、下シェル20は、ハウジング12の平面形の輪郭を画成する底板20aと、後述する開口24の部位を除いて底板20aの周縁から上方へ立ち上がる側壁とを備え、側壁のうち、底板20aの上記2本の外接線に沿う直線状のコーナー外縁から立ち上がる側壁21、22は、その上縁が上シェル30の上面よりも突出し、下縁は下シェル20の下面に揃えられ、かつ両端部が、これに隣接した円周面を形成する側壁(周壁)20bの外接線よりも若干外方に張り出して誤挿入防止壁を形成している。
【0057】
そして、一方の側壁21は、このディスクカートリッジ10のディスクドライブ6への挿入方向に関しトレーリング側の隅部において挿入方向と直交するように形成され、他方の側壁22は挿入方向と平行に形成されている。この側壁22のディスクドライブ6への挿入方向に関しリーディング側の端部は、ディスクドライブ6に対する挿入位置決め段部22aを形成している。また、側壁21、22によって画成されたハウジング12のコーナー部には、上下シェル30,20を磁気ディスク14の回転軸線と略平行方向に貫通する孔16が形成され、下シェル20側の孔16が位置決め基準孔となっている。
【0058】
磁気ディスク14の中心部には、センターコア15が固定され、下シェル20の底板20aの中央部には、センターコア15の底面を外部に臨ませる中心孔23が形成されている。この中心孔23の周囲の上面には、後述する下側シャッター25の環状部25aを回動可能に軸支する環状壁20cが同軸的に形成され、さらに環状壁20cは平坦な上面を備え、この上面上に、後述する下部滑りシート28の中心部を支持するための、より小径の環状壁20dが同軸的に形成されている。これら大小の環状壁20c,20dは、底板20aに対する搾り加工によって形成することができる。また、下シェル20の底板20aのコーナー部に形成された位置決め基準孔16の周囲にも環状壁(図示は省略)が搾り加工によって形成されている。
【0059】
さらに下シェル20には、中心孔23に関して位置決め基準孔16側とは反対側に、ディスクドライブ6の後述する磁気ヘッドを磁気ディスク14の表面にアクセスさせるための扇形に開いた開口24が、中心孔23の周りに所定の角度範囲に亘って形成され、この開口24を開閉する回転式の下側シャッター25が下シェル20の内側に配置されている。
【0060】
下側シャッター25は、下シェル20の上記環状壁20cによって回動可能に軸支される中心の環状部25aと、上記開口24よりも大きい角度範囲に亘って環状部25aから放射方向に延びる扇形の主板部25bと、この主板部25bの円弧状の外縁に沿って上方へ略直角に折り曲げられた垂直板部25cとから構成されている。
【0061】
一方、上シェル30は、下シェル20の底板20aと略相似形でかつ若干小さい頂板30aと、後述する開口34の部位を除いて頂板30aの周縁から下方へ垂下して、下シェル20の周壁20bの内側に弾性的に嵌着される周壁30bとを備え、下シェル20の開口24に一致する位置に、ディスクドライブ6の磁気ヘッドを磁気ディスク14の表面にアクセスさせるための開口34が形成され、この開口34を開閉する上側シャッター35が上シェル30の外側に設けられている。
【0062】
さらに、上シェル30の互いに直交する2本の直線によって外縁が画成されているコーナー部には、下シェル20側の位置決め基準孔16に一致する孔16に隣接して、例えば光の反射、透過または特定波長の透過によって情報の読取りが可能な識別片18を後から埋め込むことができる穴17が形成されている。孔16の周囲の下面には環状壁(図示は省略)が絞り加工によって形成されている。
【0063】
下側シャッター25と略相似形をなす上側シャッター35は、中心の環状部35aと、この環状部35aから放射方向に延びる扇状の主板部35bと、この主板部35bの円弧状の外縁に沿って下方へ略直角に折り曲げられた垂直板部35cとを備え、さらに、シャッター25,35を開作動させるために、主板部35bのシャッター開方向リーディング側の外端から上方へ切り起こされた作動用突片35dを備えている。
【0064】
なお、このシャッター作動用突片35dの上縁は、組立て後、ハウジング12のコーナー側壁21,22の上縁と略同一高さになるように規定されている。そのようにすることにより、複数のカートリッジ10を水平状態に積み重ねる際にカートリッジ10が傾くのを防止することができる。
【0065】
そして、後述のように組立て時に互いに連結される垂直板部25c,35cを回動自在に収容するために、下シェル20の開口24の両側には、シャッター25,35の回動範囲範囲に亘って半径方向外方へ張り出した周壁26,27が形成され、これら周壁26,27の内側に凹部26a,27aを形成している。図2には、これら凹部26a,27aが円弧状溝として表れている。
【0066】
また、上シェル30の頂板30aの上面には、シャッター35の環状部35aおよび主板部35bを収容し、かつシャッター35の回動を許容するための凹部36(図5参照)が形成され、この凹部36の中心部には、シャッター35の環状部35aを回動可能に軸支するための円形凸部37が形成されている。そして、シャッター35の環状部35aが円形凸部37に軸支された場合、シャッター35の主板部35bが凹部36の底面に接し、垂直板部35cが上シェル30の開口34の両側の円弧状周壁30bの外側に被さるようになっている。また、下側シャッター25の垂直板部25cの上縁と、上側シャッター35の垂直板部35cの下縁とには、上シェル30が下シェル20に嵌着された後に、上側シャッター35を上シェル30上に載置して上方から力を加えることにより互いに係合する係合部(図示は省略)が形成され、この係合によって上下のシャッター35,25が一体化されるように構成されている。
【0067】
この磁気ディスクカートリッジ10は、すべての構成部品を下シェル20上に積み上げ式に組み立てることができる特徴を有しており、次に、上記した構成部品以外の構成部品の説明とともに、この磁気ディスクカートリッジ10の組立て方法について図5を参照して説明する。
【0068】
先ず下シェル20の底板20aの環状壁20cに下側シャッター25の環状部25aを嵌める。この場合、シャッター25は、その垂直板部25cが開口24の両側の凹部26a,27aの内壁面に接する態様で主板部35bが下シェル20の開口24を閉鎖した閉位置とする。次に下部滑りシート28を配置する。この滑りシート28は下シェル20の底板20aと略相似形をなし、中心孔から外方に延びる扇形の開口28aと、互いに直交する2本の直線によって画成されたコーナー部とを備え、その中心孔を下シェル20のの底板20aの環状壁20dに嵌め、下側の環状壁20cの平坦な上面で支持する。滑りシート28はそのコーナー部に、下シェル20の底板20aの形成された位置決め基準孔16に一致する孔28bを備えており、この孔28bに下シェル20の位置決め基準孔16の周囲に形成された環状壁を嵌めて滑りシート28のコーナー部を支持させる。
【0069】
次に、センターコア15を備えた磁気ディスク14を配置し、さらに、開口38aとコーナー部の孔38bとを備えて下部滑りシート28と同形に形成された上部滑りシート38を配置してから、上シェル30の周壁30bを下シェル20の周壁20bの内側に嵌着する。これにより、上記凹部26a,27aにあるシャッター25の垂直板部25cが、上記凹部26a,27aと上シェル30の周壁30bとによって形成される溝内で溝に沿って移動可能になる。また、上シェル30の頂板30aのコーナー部に形成されている孔16の環状壁が上部滑りシート38のコーナー部の孔38bに嵌められて、滑りシート38のコーナー部が支持されるとともに、上下の滑りシート28,38のコーナー部は、上シェル30のコーナー部の側壁の内壁面によっても支持される。
【0070】
次に、上側のシャッター35を、その環状部35aが上シェル30上面の円形凸部37に軸支される態様で組み付け、その垂直板部35cを下側のシャッター25の垂直板部25cに結合してシャッター25,35を一体化する。次に、シャッター付勢用の平面形状の渦巻きバネ40を円形凸部37に嵌め、この渦巻きバネ40の内端40bを円形凸部37のスリット37bに係入させ、外端40aをシャッター35の主板部35bの切欠き35eに係止することによって、シャッター25,35は閉方向に付勢され、かつ閉位置に保持される。
【0071】
次に、上シェル30の開口34に倣う開口41aを備え、かつ上シェル30の凹部36よりも大径の金属製のカバープレート41を、図5に破線41bで示されている中心部を上シェル30の円形凸部37上に接着し、周縁部を上シェル30の頂板30a上に接着することによって、渦巻きバネ40が外れないようにするとともに、カバープレート41の下面側にシャッター35の回動空間を画成し、以上をもってディスクカートリッジ10の組立てが完了する。
【0072】
上記カバープレート41の上面は凹凸面とすることによって、ディスクカートリッジ10の表裏を触感で識別することができる。この凹凸面は、例えばカバープレート41の上面にマット加工を施すことにより形成することができ、このマット加工により鉛筆で数字等を書き込むことができる。あるいは図示のように、カバープレート41の上面の一部分に例えば紙製の円形ラベル42を貼付することによって凹凸面を形成してもよい。この場合は、ラベル42に情報を書き込むことができるのみでなく、カバープレート41の開口41aの輪郭に沿ったミシン目42aをラベル42に設け、使用時にこのミシン目42aで囲まれた領域42bを切り取るようにすることによって、未使用のカートリッジ10のバージン保証に供することができ、また露出した上側シャッター35の保護を図ることもできる。あるいは、カバープレート41の上面に蛍光塗料を塗布して、暗闇の中でもディスクカートリッジ10の表裏を識別できるようにしてもよい。
【0073】
なお、上下シェル30,20の周壁30b,20b同士を弾性的に嵌合させるために、周壁30b,20bのいずれか一方、例えば周壁30bに、図示のような複数のスリット39を設けることによって、周壁30bに弾性を与えることが好ましい。また、下側シャッター25の主板部25bの上面および上側シャッター35の主板部35bの下面には、上シェル30の開口34および滑りシート28,38の開口28a,38aを通して回転中の磁気ディスク14の表面に接触するクリーニング部材44がそれぞれ放射状に取り付けられている。クリーニング部材44は、シャッター25,35の主板部25b,35bの閉方向の端縁に沿って放射状に取り付けられており、これらクリーニング部材44は、磁気ディスク14が静止している際に磁気ディスク14がシャッター25,35の主板部25b,35bに接触するのを防止する機能も有する。
【0074】
また、シャッター25、35が開いて磁気ディスク14が回転しているときにクリーニング部材44が磁気ディスク14の表面の一か所のみに接触していると磁気ディスク14の回転時のバランスが悪いので、磁気ディスク14の保護用に設けられている滑りシート28,38の磁気ディスク14に面する表面に、クリーニング部材44と同一高さを有する突条45を、シャッター開時のクリーニング部材44に対して180度偏位した位置に放射状に設けることが好ましい。さらに各2本の突条45を、シャッター開時のクリーニング部材44に対して120度偏位した位置に放射状に設けてもよい。
【0075】
図6は、ディスクドライブ6に磁気ディスクカートリッジ10を挿入する場合の状態を示す概略的平面図、図7は、磁気ディスクカートリッジ10がディスクドライブ6に装着された状態を示す概略的平面図である。なお、図6および図7は、磁気ディスクカートリッジ10とディスクドライブ6との相対位置関係の説明に供するもので、細部については省略してある。
【0076】
ディスクドライブ6は、カートリッジ挿入スロット6aと、内部のカートリッジ収容スペース7とを備え、さらに、通常はカートリッジ10の挿入通路(通路の端縁を破線Lで示してある)外に退避している上下一対の回動式アーム51を備えたヘッドアセンブリ50と、ディスクドライブ6へのカートリッジ10の挿入に伴って、シャッター35の作動用突片35dに係合して、シャッター25,35を開作動させるシャッター作動部材52とを備えている。アーム51の先端には磁気ヘッド53が互いに対向するようにそれぞれ固定されて、磁気ディスク14の両面にアクセスするように構成されている。
【0077】
また、上記カートリッジ挿入スロット6aは、ディスクドライブ6のヘッドアセンブリ50側とは反対側の側壁面6bに接して形成され、この側壁面6bに、磁気ディスクカートリッジ10の側壁22の挿入位置決め段部22aに係合する位置決め突起6cが形成されている。また、図2に示すように、カートリッジ挿入用スロット6aの上縁部には、磁気ディスクカートリッジ10の側壁22の上縁部と、閉位置にあるシャッター35の作動用突片35dとに対応する位置とに、これらの通過を許容する切欠き6g,6hが形成されて、磁気ディスクカートリッジ10の誤挿入を防止している。
【0078】
磁気ディスクカートリッジ10は、図6に矢示する方向からディスクドライブ6に挿入され、その際に、シャッター35が備えている作動用突片35dに、ディスクドライブ6のシャッター作動部材52が係合して、磁気ディスクカートリッジ10の挿入に伴ってシャッター25,35が開作動される。その場合、上側シャッター35の作動用突片35dが磁気ディスクカートリッジ10の挿入方向に対して右側方に設けられているため、磁気ディスクカートリッジ10の挿入に伴って、シャッター作動部材52から磁気ディスクカートリッジ10に対しこれを図の時計方向に回動させようとする力Fが加えられるが、ハウジング12のコーナー部の直線状に延びる側壁22がディスクドライブ6の内壁面6bに当接して回動が阻止されるようになっている。そして、図7に示すように、磁気ディスクカートリッジ10が完全にディスクドライブ6内に挿入されると、ディスクドライブ6が備えている図示しない位置決め突起が位置決め基準孔16に係入し、さらに、必要に応じてハウジング12の側壁に形成されている位置決め凹部22bに、ディスクドライブ6側の図示しない位置決め突起が係入して、磁気ディスクカートリッジ10がディスクドライブ6内の所定位置に係止される。そして、ヘッドアセンブリ50のアーム51が図の反時計方向に回動して、磁気ヘッド53が磁気ディスク14の両面にアクセスする。
【0079】
以上の説明で明らかなように、本実施の形態の磁気ディスクカートリッジ10は、そのハウジング12が、磁気ディスク14の輪郭に沿った円と、互いに直角に交わる2本の上記円の外接線とからなる形状の外縁からなる平面形を有することにより、ディスクドライブ6に挿入する際、ディスクドライブ6に対して確実に所定の向きで位置決めすることができる。
【0080】
特に、ハウジング12の互いに直角に交わる2本の外接線に沿って直線状に延びる二つの側壁21,22の外面が、これに隣接する、磁気ディスク14の輪郭に沿った円を描く周壁20bの外周面の外接線よりも若干外方に張り出し、かつ上記二つの側壁21,22の上縁がハウジング12の面板部の上面から突出しているため、ディスクカートリッジ10を手で摘んだだけで、ディスクカートリッジ10の表裏およびディスクドライブ6に対する正しい挿入方向を識別することができる。
【0081】
すなわち、ディスクカートリッジ10のディスクドライブ6への挿入方向に関しトレーリング側の端部となる位置に側壁21が存在しているから、ディスクカートリッジ10の前後方向の向きが簡単に識別され、また側壁21,22の上縁がハウジング12の面板部の上面から突出する一方、下縁は下シェル20の下面と揃っているから、ディスクカートリッジ10の表裏方向の向きも簡単に識別され得る。
【0082】
それに加えて、カートリッジ挿入用スロット6aの上縁に前述の切欠き6g、6h(図2参照)が形成されているから、磁気ディスクカートリッジ10が前後および表裏方向の向きは概ね正しくて、ディスク回転方向に若干回転したような不正な向きで挿入された際には、側壁22の上縁部とシャッター35の作動用突片35dが各々切欠き6g、6hを通過できず、それによって誤挿入が防止される。
【0083】
さらに、ハウジング12の表裏の少なくとも一方の面上に、この面を他方の面と識別可能にする凹凸部を備えているので、触感でこの凹凸部を認識することができ、これにより表裏をより正確に識別することができる。したがって、磁気ディスクカートリッジ10を指で摘んでディスクドライブ6に挿入するときに、表裏を間違えて挿入することを防止することもできる。
【0084】
また、二つの側壁21,22によって画成されるハウジングコーナー部が、磁気ディスク14の外周から離れた位置にあるため、このコーナー部に、ハウジングを上下に貫通する位置決め基準孔16を設けたり、あるいは、例えば光の反射、透過または特定波長の透過によって情報を読み取ることができる識別片18をハウジング12に後から埋め込むこむこともでき、その場合、この識別片によって記録容量等を識別することができるから、ハウジングを共通にすることができるという利点もある。
【0085】
さらに、ハウジング12が、下シェル20と、この下シェル20の内側に上方から嵌着される上シェル30とによって構成され、かつこの磁気ディスクカートリッジ10を構成するすべての構成要素が、上シェル30の円形凹部37上に接着されるカバープレート41を除いては、全て下シェル内に積上げ方式で嵌合により組み付けられるようになっているため、超小型でありながら組立て性に優れているという利点を有するものである。
【0086】
さらに、本実施の形態においては、下シェル20,上シェル30,カバープレート41およびシャッター25,35が全て金属で形成され、かつその組立てが積上げ式で行なわれるから、廃棄時に金属材料とその他のプラスチック材料とを分別して廃棄することが容易であり、環境汚染の防止効果も有するものである。
【0087】
次に、図8〜図10は上述した磁気ディスクカートリッジ10の一部の構造を変更した実施の形態を示す図で、図8は図2に対応する斜視図、図9および図10は、それぞれ図6および図7に対応する概略的平面図である。
【0088】
本実施の形態においては、図8および図10から明らかなように、ディスクカートリッジ10のディスクドライブ6への挿入方向に関しトレーリング側の隅部において挿入方向と直交するように形成されている側壁21の上部に、コーナー部側とは反対側の端部から水平に切り込まれて板バネ部21aが形成されている。この板バネ部21aは、図9に示すように、その自由端がハウジング12の中心部に向かって偏位しており、この板バネ部21aに対しこれを側壁21に一致する方向に力を加えることによって板バネ部21aが弾性的に撓み、付勢力を発生するように構成されている。
【0089】
この側壁21の上部に板バネ部21aが形成されていることを除いては、本実施の形態は前述した実施の形態と同一構造を有するので、内部構造の図示ならびんに重複する説明は省略するが、本実施の形態においては、図9に示すように、ディスクドライブ6に対する磁気ディスクカートリッジ10の挿入行程の終了寸前に、ハウジング12の側壁21の板バネ部21aがディスクドライブ6のカートリッジ挿入スロット6aの上縁の外壁面6dに弾性的に当接することにより、板バネ部21aが弾性的に撓められ、磁気ディスクカートリッジ10が完全にディスクドライブ6内に挿入された状態では、図10に示すように、板バネ部21aが側壁21に一致し、この状態で、ディスクドライブ6が備えている図示しない位置決め突起が位置決め基準孔16に係入し、さらに必要に応じてハウジング12の側壁22に形成されている位置決め凹部22bに、ディスクドライブ6側の図示しない位置決め突起が係入して、磁気ディスクカートリッジ10がディスクドライブ6内の所定位置に係止される。そして、ヘッドアセンブリ50のアーム51が図の反時計方向に回動して、磁気ヘッド53が磁気ディスク14の両面にアクセスする。
【0090】
この状態では、磁気ディスクカートリッジ10の板バネ部21aの弾性復元力によって、排出方向に付勢されることになる。また、磁気ディスクカートリッジ10の板バネ部21aの弾性復元力によって、排出方向に付勢されることにより、ディスクドライブ6からの取出し時に、磁気ディスクカートリッジ10が係止から解放されると、磁気ディスクカートリッジ10が板バネ部21aの弾性復元力により排出方向に押し出される。
【0091】
以上の説明で明らかなように、本実施の形態においては、磁気ディスクカートリッジ10が、そのハウジング12の板バネ部21aの弾性復元力によって排出方向に付勢された状態でディスクドライブ6内の所定位置に係止されることにより、ディスクドライブ6に対して遊びを解消された状態で所定位置に保持されるとともに、ディスクドライブ6からの離間性が向上する。
【0092】
なお、磁気ディスクカートリッジ10を排出方向に付勢する付勢手段として、上記板バネ部21a以外のものを用いてもよい。
【0093】
次の図11〜図12は、磁気ディスクカートリッジのハウジング60の表面に、催吐剤を主成分として含有した催吐剤層61が形成された状態を示す部分断面図である。
【0094】
図11に示すように、本実施の形態の磁気ディスクカートリッジは、ハウジング60の表面の全面に催吐剤を主成分として含有した催吐剤層61が形成されたものであってもよいし、図12に示すように、ハウジング60表面の全面に催吐剤を主成分として含有した催吐剤層61が形成され、さらにこの催吐剤層61の上に、催吐剤層61を部分的に覆うように保護層62が形成されたものであってもよい。
【0095】
さらに、図13に示すように、ハウジング60の縁部にギザギザ部63を設けて、カートリッジ10を口に入れた際に異物感を増幅させるような構造としてもよい。また、図13に示すような構造のカートリッジ10のハウジング60に対して、さらに催吐剤を主成分として含有した催吐剤層や保護層を設けてもよい。
【0096】
使用者の手や指等に催吐剤が付着することを抑制するためには、図12に示すようにハウジング表面に設けられた催吐剤層上に、催吐剤層を部分的に覆う保護層62を設けることがより好ましい。
【0097】
このような保護層62は、ハウジングの表面全面に催吐剤を主成分として含む催吐剤塗布液を塗布し、あるいはハウジングを構成する樹脂に催吐剤を含有する等の方法により催吐剤層を設け(なお、この場合は、厳密には、催吐剤層はハウジングの表面に形成されたものではなく、ハウジングそのものが催吐剤層も兼ねている構造となるが、本発明の催吐剤層はこのような構造のものも含むものである)た後、塗布によりあるいは平網、若しくはシルクスクリーン等の印刷により催吐剤層上に催吐剤層を部分的に覆う保護層を設けることができる。
【0098】
このようにハウジング表面上に形成された催吐剤層上に部分的に保護層を形成することにより、催吐加工を施したカートリッジを口にした場合や舐めた場合は、催吐剤層に舌が接触することで催吐感を感じさせ、かつ、この催吐加工を施したカートリッジを手にした際には、保護層の存在により手や指等に、催吐剤層に含有された催吐剤が転移、付着することを防止することができると共に、保護層が部分的に形成されていることにより、保護層表面の摩擦係数が減少し、その搬送経路におけるスベリ性を向上させることができる。
【0099】
なお、図11および図12ではともに、ハウジング表面の全面に催吐剤層を設けている場合を示しているが、ハウジング表面の一部分に催吐剤層を設けていない部分が存在していても差し支えない。ハウジング表面の一部に催吐剤層を設けていない部分を形成するには、例えば、催吐剤を印刷インクの顔料に含有し、このインクを用いてハウジング表面を部分的に印刷することにより、あるいは部分的にマスクをしたハウジング表面に催吐剤を主成分として含む催吐剤塗布液を塗布し、その後にマスクを除去することにより形成することができる。
【0100】
ハウジングの表面の催吐剤層を設けていない部分および保護層のそれぞれの面積率は、催吐剤層の表面積に対して50〜75%の範囲内であることが好ましい。催吐剤層を設けていない部分および保護層の面積率をそれぞれこの範囲とすることにより、催吐加工を施したカートリッジを口に含んだり、舐めたりした場合には、催吐剤層に含有された催吐剤が充分に排出され、催吐剤の刺激によって無意識的に口から吐き出させ、誤飲、誤食を防止することができる。また、刺激によって直ちに吐き出させることができるため、唾液などが記録面に付着して重要な記録再生のエラーを生じさせるという事態を防止することができる。
【0101】
催吐剤としては、口に含んだ際の催吐作用があれば特に限定されるものではなく、例えば、苦味催吐剤、辛味催吐剤、酸味催吐剤などを用いることができる。催吐作用の観点からすれば、苦味催吐剤が特に有効であると考えられる。
【0102】
苦味催吐剤の原料としては、その種類は特に制限されるものではないが、例えば苦味成分を含む植物、菌類等の水抽出物が好適であり、更に、その配合目的を考慮すれば、食品添加物等として使用、許可されているものが望ましく、このような苦味成分を含む植物としては、例えばクワ科植物、アカネ科植物、ツバキ科植物、サルノコシカケ目植物、バラ科植物、ミカン科植物、リンドウ科植物、アオギリ科植物、ニガキ科植物、キク科植物、担子菌、ツヅラフジ科植物、パン酵母、シソ科植物、アサ科,セリ科等の香辛料などを挙げることができ、より具体的には、例えばホップの花(クワ科)、コーヒーの豆(種子),シンコナサクシルブラの樹皮(アカネ科)、玉露,煎茶,番茶,マテ茶等のチャの葉(ツバキ科)、カワラタケの子実体,菌糸体,マンネンタケの子実体,菌糸体(サルノコシカケ目)、キラジャサポナリアの皮(バラ科)、キハダ又はその同属植物の樹皮,ダイダイの果皮,グレープフルーツの果皮及び種子(ミカン科)、ゲンチアナの根及び根茎(リンドウ科)、カカオの豆,コーラの種子(アオギリ科)、ニガキの樹皮及び木部(ニガキ科)、ニガヨモギの全草,ヨモギの茎,葉(キク科)、ヒメマツタケの子実体,菌糸体(担子菌)、ツヅラフジ科植物の茎、エンメイソウの茎,葉(シソ科)、香辛料であるアサの種子(アサ科),アサフェテイダの根塊及び樹脂,アジョワンの種子,アニス(セリ科)等を挙げることができる。
【0103】
苦味催吐剤の具体的成分としては、例えばテルペン類、キサンチン誘導体、アルカロイド類、テルペン配糖体、トリテルペノイド誘導体等の化合物を挙げることができ、具体的には、例えば、安息香酸デナトニウム、八アセチル化しょ糖、ホップ、カフェイン、カワラタケ抽出物、キク抽出物、キハダ抽出物、香辛料抽出物、ヒメマツタケ抽出物、レイシ抽出物、ナリンジン酵素処理物、ジメトキストリキニーネブルシン(ブルシン)、フムロン、ルプロン、イソフムロン、ルプトリオン、天然カフェイン、合成カフェイン、キニン、キニジン、シンコニン、タンニン、キラヤサポニン、キラヤサポゲニン、キラヤ酸、ベルベリン、ゲンチオピクリン、リモニン、テオブロミン、ナリンジン、フラバノン、カッシイン、ネオ−カッシイン、ニガキラクトンA〜L、ニガキノン、ピクラシンA〜G、メチルニガキノン、アブシンチン、ボラペトサイド、ボラプトール、メチルチオアデノシン、カフェタンニン等を好ましく用いることができる。
【0104】
これらの苦味催吐成分を上記植物等からの水抽出物を使用する場合、その抽出方法は特に制限されず、公知の水抽出法を採用することができ、例えば、原木等を乾燥、破砕した後、水〜熱湯を加えて必要成分を抽出した抽出液を濾過し、必要に応じて精製した後、抽出液を濃縮して抽出物を沈殿、乾燥した物をそのまま、又は標準化したものを苦味催吐物質とする方法等を挙げることができる。
【0105】
また、苦味催吐剤としてはウニ卵巣から抽出された苦味を呈する下記の化学式で表される4−(2−カルボキシ−2−ヒドロキシ−エチルチオ)−2−ピペリジンカルボン酸等のアミノ酸も用いることができる。
【0106】
【化1】
上記化合物は、2個のカルボキシル基を有するが、その一方及び両者が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャルブチル基等の低級アルキル基でエステル化されていてもよい。また、上記化合物は異性体であってもよく、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属、その他の典型金属また、鉄、コバルト、ニッケルなどの遷移金属等の無機イオンやアンモニウム、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどの塩基等との塩であってもよい。
【0107】
これらの苦味催吐物質は単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。特に、苦味催吐効果が大きい点、香りや色に影響を及ぼさない点、香料や色素、活性剤との共存下での安定性に変化を及ぼさない点から、デナトニウムサッカライド(ビトレックス(Macfarlan Smith社製))、デナトニウムベンゾエート(Super Vilex(Burlington Biomedical&Science社製))等の安息香酸デナトニウム、ジメトキストリキニーネブルシン(ブルシン)を好ましく用いることができる。
【0108】
上記苦味催吐剤は、催吐剤塗布液全量に対して0.005(50ppm)〜5重量%の範囲で含まれることが好ましく、0.01〜1重量%の範囲で含まれることがより好ましい。
【0109】
苦味催吐剤には苦味を増強するために、上記苦味催吐物質に甘味を付与する物質を所定量配合してもよい。苦味催吐剤と組み合わせる甘味付与物質は、その種類が特に制限されるものではないが、その配合目的を考慮すれば、甘味剤、甘味を付与する矯味剤として用いられる医薬品添加物及び食品添加物等が好適であり、例えばアスパルテーム、アマチャ、アマチャ末、アミノ酢酸、異性化糖、液状ブドウ糖、液糖、果糖、還元麦芽糖水アメ、カンゾウ、カンゾウエキス、カンゾウ粗エキス、カンゾウ末、キシリトール、(濃)グリセリン、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、黒砂糖、高ブドウ糖水アメ、サッカリン、サッカリンナトリウム、サンフラクト、精製白糖、精製白糖球状顆粒、精製ハチミツ、D−ソルビトール、D−ソルビトール液、単シロップ、乳糖、白糖、ハチミツ、ブドウ糖、粉末還元麦芽糖水アメ、マルチトール、マルトース、マルトラップ−70、D−マンニトール、水アメ、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸ナトリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、アマチャエキス、アミノエチルスルホン酸、DL−アラニン、5′−イノシン酸二ナトリウム、ウイキョウ、ウイキョウ末、ウイキョウ油、エリスリトール、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩酸、塩酸グルタミン酸、オイゲノール、オウバク末、オウヒエキス、オウレン、オウレン末、オレンジ、オレンジ油、カカオ末、ガーグルミクロンZD−3586、カラメル、カルバコール、乾燥酵母、d−カンフル、dl−カンフル、希塩酸、D−キシロース、5′−グアニル酸二ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸二アンモニウム、グルコノ−δ−ラクトン、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸L−アルギニン、L−グルタミン酸ナトリウム、クロレラエキス、クロレラ末、ケイヒ末、ケイヒ油、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、コンブ末、酢酸、サフラン、サリチル酸メチル、サンショウ末、サンフラクト、β−シクロデキストリン、シュクシャ末、D−酒石酸、酒石酸、酒石酸水素カリウム、DL−酒石酸ナトリウム、食用ニンジン末、シンナムアルデヒド、ステアリン酸、センブリ、ソヨウ末、ダイズ油、タイソウ末、炭酸水素ナトリウム、タンニン酸、チモール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、チョウジ油、チンピチンキ、トウガラシ、トウガラシチンキ、銅クロロフィリンナトリウム、トウヒチンキ、トウヒ末、ハッカ水、ハッカ油、ピアレックス、チョコレート、氷酢酸、ピロリン酸四ナトリウム、ブドウ酒、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、粉糖、ペルーバルサム、ポリビニルピロリドンK90、ミルラ流エキス、無水クエン酸、無水ピロリン酸ナトリウム、メチルセルロース、綿実油、dl−メントール,l−メントール、ユーカリ油、リュウノウ、リュウノウ末、緑茶末、リンゲル液、リンゴ果汁、dl−リンゴ酸、dl−リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酢、リンゴ濃縮果汁、レモン油、ローズ油、ローヤルゼリー等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を適宜併用して用いることができる。
【0110】
苦味催吐剤と甘味付与物質との特に好適な組み合わせとしては、例えばニガキの水抽出物,ナリンジン,合成カフェイン,天然カフェインの1種又は2種以上と(濃)グリセリン,D−ソルビトール,D−キシロース,D−マンニトールの1種又は2種以上との組み合わせなどを挙げることができる。苦味を増強するためには、上記苦味催吐物質に対して甘味付与物質を重量比で苦味催吐物質:甘味付与物質=1:10〜1:10000、好ましくは1:100〜1:10000、より好ましくは1:1000〜1:10000となるように配合することが好ましい。
【0111】
酸味催吐剤としてはクエン酸、酒石酸、乳酸、酢酸、氷酢酸、フマル酸、フマル酸ナトリウム、リンゴ酸、アジピン酸などを、辛味催吐剤としてはピペリン、シャビシン、カプサイシン、α−サンショオール、β−サンショオール、ジンゲロン、ショーガオール、イソチオシアン酸エステルなどが挙げられる。
【0112】
これらの催吐剤を主成分とする催吐剤層には、抗菌剤や芳香剤を含有させてもよい。なお、これらの抗菌剤や芳香剤は保護層を形成する場合に含有させることも可能である。抗菌剤の作用により、催吐剤層や保護層に雑菌が繁殖することを防止することができる。保護層に抗菌剤を含有させる場合には、コストを低く抑えながら充分な抗菌作用を得るため、選択する抗菌剤の種類や組合せによっても異なるが、抗菌剤の重量を催吐剤層であれば催吐剤塗布液全量に対し、保護層であれば保護層塗布液全量に対し0.01〜10重量%の範囲内とすることが好ましい。
【0113】
抗菌剤としては公知のものを使用することができ、例えば、シネナン製の商品名ゼオミックの他、2−(4−チアリゾル)−ベンゾイミダゾール、2−ベンゾイミダゾールカルバミン酸メチル、2−(メトキシカルボニル)ベンゾイミダゾール、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、N,N−ジメチル−N’−(ジクロロフルオロメチル)チオ−N’−フェニルスルファミド、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、ビス(2−ビリジルチオール−1−オキシド)亜鉛、ビス(2−ビリジルチオ−1−オキシド)ナトリウム、2,3,5,6−チトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)−ビリジン、10,10’−オキシビスフェノキサアルシンなどを単独で又は二種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0114】
香料成分としては、脂肪族炭化水素、テルペン炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、水素化芳香族アルデヒド、チオアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン、テルペンケトン、水素化芳香族ケトン、脂肪族環状ケトン、非ベンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸、水素化芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類、酸アマイド類、脂肪族ラクトン、環状ラクトン、テルペン系ラクトン、水素化芳香族ラクトン、芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル、フラン系のカルボン酸族エステル、脂肪族環状カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化合物などの合成香料、動物、植物からの天然香料、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料などを挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0115】
より具体的には、例えば1996年化学工業日報社刊,印藤元一著(合成香料化学と商品知識)、1969年,ステファンアークタンダー(STEFFENARCTAMDER)著(パフュームアンドフレバーケミカルス<Perfumeand Flavor Chemicals>)等に記載された香料等を好適に使用することができる。香料成分の配合量は、選択される香料の種類、組合せによっても異なるが催吐剤層であれば催吐剤塗布液中、保護層であれば保護層塗布液中、0.1〜10重量%、好ましくは0.4〜8重量%の範囲で添加することが望ましい。
【0116】
催吐剤層を塗布により行う場合の塗布液の調整は、催吐剤、樹脂、必要に応じて溶剤、上述の抗菌剤、芳香剤、その他の添加剤を混合し、従来知られている方法、例えば、上記成分を3本ロールミルや、横型ボールミル等の分散機にて混合分散することにより行うことができる。
【0117】
塗布液の樹脂は公知のものを使用することができ、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、フェーノル系樹脂若しくはウレタン系樹脂等の種々の樹脂材料を単独で又は2種以上を適宜混合して用いることができる。
【0118】
溶剤もまた、公知のものを使用することができ、ソルベンナフタ、ミネラルスピリット、スビンドル油などの鎖式炭化水素、キシレン、ニトロベンゼン、デカリン、テトラリン、シクロヘキサン等の環式炭化水素、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、安息香酸アミル等のエステル、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール等のエーテルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のグリコール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メシチルオキシド等を単独又は2種以上混合して用いることができる。
【0119】
その他の添加剤として、必要に応じて炭酸カルシウムなどの増量材、フタル酸ジブチル、リン酸トリクレジル、セバシン酸ジメチル等の可塑剤や、モクロウ、カルナウバロウ、蜜ロウ、モンタンワックスペトロラタム等のワックス・グリースや、ホウ酸塩、ナフテン酸塩などの乾燥剤を適宜用いることができる。
【0120】
また、催吐剤層を印刷インクに含有させてハウジング表面に部分的に印刷するような場合には、上記の他、さらに公知の顔料、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、鉄黒、アニリンブラック、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、タートラジンレーキ、パーマネントイエロートナー、カドミウムイエロー、ベンジジンオレンジ、クロムバーミリオン、カドミウムオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ファーストオレンジレーキ、レーキレッドC、弁柄、ワッチングレッド、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッドF5R、同2B、同FRLL、カーマインレーキ、キナクリドンレッド、メチルバイオレットレーキ、ファーストバイオレットB、キナクリドンバイオレット、インダスレンバイオレット、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、紺青、群青、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンレーキ、ピグメントグリーンB、ビリジアン、シェンナー、アンバー、アルミニウム粉末、ブロンズ粉末、蛍光顔料など、無機顔料、有機顔料を問わず使用することができる。
【0121】
以上の説明で明らかなように、この磁気ディスクカートリッジは、ハウジング60の表面の少なくとも一部に、催吐剤を主成分として含有した催吐剤層61が形成されていることにより、誤って又はふざけて口に含んだり舐めたりしたときに、催吐剤層に舌が接触することで催吐感を感じさせ、その刺激によって無意識的に口から吐き出させてしまう作用があり、乳幼児の誤飲、誤食を防止することができる。また、口に入れた際に異物感を増幅させるような手段が設けられている場合も同様に、刺激によって直ちに吐き出させることができるため、唾液などが記録面に付着して重要な記録再生のエラーを生じさせるという事態を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気ディスクカートリッジを、このディスクカートリッジが挿入されるディスクドライブと、このディスクドライブが装填されるカードスロットを備えた電子機器とともに示す概略的説明図
【図2】本発明による磁気ディスクカートリッジの一実施の形態を上方から見た斜視図
【図3】図2の磁気ディスクカートリッジを下方から見た斜視図
【図4】図2の磁気ディスクカートリッジをシャッターが開かれた状態で示す図2に対応する斜視図
【図5】図2の磁気ディスクカートリッジの分解斜視図
【図6】図2の磁気ディスクカートリッジをディスクドライブに挿入する場合の状態を示す概略的平面図
【図7】図2の磁気ディスクカートリッジがディスクドライブに装着された状態を示す概略的平面図
【図8】本発明による磁気ディスクカートリッジの他の実施の形態の図2に対応する斜視図
【図9】図8の磁気ディスクカートリッジをディスクドライブに挿入する場合の状態を示す概略的平面図
【図10】図8の磁気ディスクカートリッジがディスクドライブに装着された状態を示す概略的平面図
【図11】磁気ディスクカートリッジのハウジングの表面に、催吐剤を主成分として含有した催吐剤層が形成された状態を示す部分断面図
【図12】図11の催吐剤層上にさらに保護層が設けられた状態を示す部分断面図
【図13】口に入れた際の異物感を増幅させる手段がハウジングの表面に設けられた磁気ディスクカートリッジの斜視図
【図14】本発明の前提となるディスクドライブを、このディスクドライブが装填されるカードスロットを備えた電子機器とともに示す概略的説明図
【符号の説明】
6 ディスクドライブ
10 磁気ディスクカートリッジ
12 ハウジング
14 磁気ディスク
15 センターコア
18 識別片
20 下シェル
21,22 側壁
21a 側壁のバネ板部
24,34 磁気ヘッドアクセス用開口
25,35 シャッター
28、38 滑りシート
30 上シェル
40 渦巻きスプリング
41 カバープレート
42 ラベル
44 クリーニング部材
45 突条
50 ヘッドアセンブリ
51 アーム
52 シャッター作動部材
53 磁気ヘッド
61 催吐剤層
Claims (7)
- ディスクドライブに装填可能な磁気ディスクカートリッジであって、
該磁気ディスクカートリッジが、ハウジング内に磁気ディスクを回転自在に収容してなるものであり、
前記ハウジングが、前記ディスクドライブの磁気ヘッドを前記磁気ディスクの表面にアクセスさせるための開口と、該開口を開閉するシャッターとを備えるとともに、
前記ハウジングが、前記磁気ディスクの輪郭に沿った円弧と、前記輪郭に沿った円に外接し、かつ互いに直交する2本の直線とからなる外縁形状を有し、
前記ハウジングは、金属製の下シェルと、該下シェルに嵌合された金属製の上シェルとによって構成され、
前記下シェルは、底板と、前記開口の部位を除いて前記底板の周縁から上方へ立ち上がる側壁とを備え、
前記上シェルは、頂板と、前記開口の部位を除いて前記頂板の周縁から下方へ垂下して、前記下シェルの側壁の内側に弾性的に嵌着される側壁とを有することを特徴とする磁気ディスクカートリッジ。 - 前記下シェルが、前記互いに直交する2本の直線に沿って延びる二つの側壁を備え、該二つの側壁のうちの一方の側壁は、該磁気ディスクカートリッジのディスクドライブへの挿入方向と直交し、他方の側壁は挿入方向と平行であることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスクカートリッジ。
- 前記挿入方向と直交する一方の側壁は該挿入方向に関してトレーリング側の端部に設けられ、該側壁の、前記磁気ディスクの回転軸線と平行な方向の寸法が、前記ハウジングの磁気ディスク収容部分の厚さよりも大であることを特徴とする請求項2記載の磁気ディスクカートリッジ。
- さらに前記挿入方向に平行な他方の側壁の、前記磁気ディスクの回転軸線と平行な方向の寸法が、前記ハウジングの磁気ディスク収容部分の厚さよりも大であることを特徴とする請求項3記載の磁気ディスクカートリッジ。
- 前記二つの側壁の下縁が前記ハウジングの面板部の下面に一致し、上記二つの側壁の上縁が該ハウジングの面板部の上面から突出していることを特徴とする請求項4記載の磁気ディスクカートリッジ。
- 前記二つの側壁の外面は、これに隣接する、前記磁気ディスクの輪郭に沿った円弧を描く周壁の外周面の外接線よりも若干外方に張り出していることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項記載の磁気ディスクカートリッジ。
- 前記二つの側壁によって構成されるコーナー部が、前記ディスクドライブへの挿入方向に関してトレーリング側の片隅に形成されていることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項記載の磁気ディスクカートリッジ。
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