JP3930207B2 - ノルボルナンジメチレンアミン類の製造方法 - Google Patents

ノルボルナンジメチレンアミン類の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノルボルナンジカルボニトリル類(ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジカルボニトリル類)を水素化してノルボルナンジメチレンアミン類(ビシクロ[2.2.1]ヘプタンビス(メチルアミン)類)を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コバルト、ニッケル、又は白金等の金属触媒存在下にジニトリルを水素化することにより、ジアミンが生成することは公知であるものの、好ましい反応条件や反応収率等に関しては、個々ジニトリルの種類により大きく異なり、かつ工業的な製造レベルに達していないのが現状である。
【0003】
ノルボルナンジカルボニトリル類を水素化してノルボルナンジメチレンアミン類を製造する方法については、有機溶媒及びアンモニアの存在下、ラネーコバルト触媒を使用する方法(特許第2713612 号公報)や、ラネーニッケル触媒を使用する方法(特許第2713615 号公報)が知られている。
【0004】
また上記に関し、触媒として、シリカ、アルミナ、あるいはシリカ−アルミナ等の担体にコバルトを担持した担持コバルト触媒を使用すると、触媒の活性を長時間維持できるため、数回程度の反復使用が可能であることが知られている(特許第2713623 号公報)。
【0005】
しかしながら、上記特許第2713623 号公報記載の方法では触媒の再利用ができるとは言え、工業的な製造を考慮した場合、その反復利用のできる回数が十分と言えず、ノルボルナンジカルボニトリル類を水素化し、ノルボルナンジメチレンアミン類を製造する上においては、未だかなりの触媒を必要としている。また、触媒の量のみならず、使用済触媒の廃棄、あるいは触媒再生の過程で多額の費用が必要となる等、経済的かつ工業的にノルボルナンジメチレンアミン類を製造するという点では、更なる改良が望まれる方法である。
【0006】
一方、特公平1-52381 号公報では、脂肪族ニトリル、アルキレンオキシニトリル、又はアルキレンアミノニトリルに水素添加して第一級アミンにする方法において、アンモニアを含有するエーテル溶媒系で、かつエーテル溶媒の約5容量%から約15容量%までの量の水の存在下、コバルト又はルテニウム触媒を使用して水素化を実施することにより、触媒の使用時間が水の非存在下と比較して2倍程度長くなることを報告している。
【0007】
しかしながら、上記公報記載の方法で使用するジニトリルの種類は、本発明で原料として使用するジニトリルの種類とは異なる他、触媒の使用時間が向上するとは言うものの、その使用時間は未だ十分と言えるものではない。更に、製造しようとする第一級アミンの十分な収量を得るためには、原料ニトリルに対し約75重量%から約95重量%のエーテル溶媒が必要であり、かつ原料ニトリル当たりに換算すると、その約20重量%から約 300重量%の量の水が必要であるということが示されている。
【0008】
すなわち、特公平1-52381 号公報記載の方法では、原料のニトリルに対して大量の溶媒及び水を使用するため、目的の第一級アミンの生産性が低く、かつ反応後では溶媒及び水を分離あるいは回収するために多大なエネルギーが必要であり、工業的規模で効率良く、また経済的に安価に製造し得る方法とは言えない。
【0009】
また、特公昭54-40524号公報では、サクシノニトリルに水素添加してテトラメチレンジアミンを製造するに際し、マンガンを含有するラネーコバルト触媒の下で反応させる方法が開示されている。そしてその実施例においては、上記触媒を水素化反応に50回まで繰り返し使用したこと等が記載されている。
【0010】
しかしながら、上記公報記載のジニトリルは本発明で使用する原料と種類が異なるのみならず、触媒を繰り返し使用したとは言っても、この結果は原料のサクシノニトリルに対し各々、触媒量が金属コバルトとして39重量%、溶媒ジオキサンの使用量が 600重量%、及び液体アンモニアの使用量が 600重量%といった、非常に多くの触媒と溶媒及びアンモニアの使用条件下に達成され得るものである。
【0011】
すなわち、特公昭54-40524号公報記載の方法は、その触媒の使用量からみて、繰り返し使用できる回数が十分にあるとは到底言い難いものである。また、この方法は触媒の量のみならず、原料サクシノニトリルに対して大量な溶媒及び液体アンモニアを使用する方法であるため、目的のテトラメチレンジアミンの生産性が低く、しかも反応後では、使用した溶媒及びアンモニアを分離又は回収するのに多大なエネルギーを必須とし、このため工業的規模で効率よく、また経済的に安価に目的物が得られる方法とは言えない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
工業的規模でノルボルナンジカルボニトリル類を水素化してノルボルナンジメチレンアミン類を経済的に安価に製造するためには、水素化に使用する触媒寿命の長いことが不可欠となる。しかし、前記で述べたように、従来技術の方法では触媒の寿命は十分にあると言えるものではなく、また、大量の溶媒や水を使用する方法においても、触媒の寿命は十分と言えるものに至っていない。
【0013】
本発明の課題は、上記した従来技術にも増して、反応に使用する触媒の寿命を十分に長期化することができ、しかも目的とするノルボルナンジメチレンアミン類を収率よく、かつ経済的に安価に製造し得る方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ノルボルナンジカルボニトリル類の水素化における前記の課題を解決するため鋭意検討した結果、水素化を特に、マンガンを含有するラネーコバルト触媒を用い、そして特定した範囲の量の水の存在下に行う場合にのみ、前記した課題が解決されるものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明は、
(1) 一般式(I)〔化3〕
【化3】
Figure 0003930207
(式(I)中、X1 、X2 はHもしくはCNを示し、同一でない。)で表されるノルボルナンジカルボニトリル類を水素化して、一般式(II)〔化4〕
【化4】
Figure 0003930207
(式(II)中、Y1 、Y2 はHもしくはCH2 NH2 を示し、同一でない。)で表されるノルボルナンジメチレンアミン類を製造するに際し、マンガンを含むラネーコバルト触媒を用い、かつノルボルナンジカルボニトリル類の1モルあたり、0.1 〜1.5 モルの水の存在下で水素化することを特徴とするノルボルナンジメチレンアミン類の製造方法であり、また、
(2) 水素化をアンモニアの存在下で行う上記(1) 記載の製造方法であり、また、(3) アンモニアの量が、ノルボルナンジカルボニトリル類の1モルあたり、0.05〜5モルである上記(2) 記載の製造方法であり、また、
(4) 触媒の量が、ノルボルナンジカルボニトリル類に対し0.1〜10重量%にある上記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法であり、また、
(5) 水素化する際の温度が、50〜250 ℃である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法であり、また、
(6) 水素化する際の圧力が、 0.5〜20MPaGである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明において、原料としてのノルボルナンジカルボニトリル類は、前記一般式(I)で表される化合物であり、2,5-ノルボルナンジカルボニトリル、2,6-ノルボルナンジカルボニトリル、又はこれら両化合物の混合物である。また、これらノルボルナンジカルボニトリル類には立体異性体が存在するが、これらの混合物であってもよく、いずれも出発原料として使用することができる。
【0017】
上記ノルボルナンジカルボニトリル類は、例えば特公平7-94422 号公報にも記載があるように、ニッケル触媒及びトリフェニルホスファイトの存在下、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−カルボニトリルにシアン化水素を付加させる方法等により得ることができる。
【0018】
本発明において、ノルボルナンジカルボニトリル類の水素化はアンモニアの存在下で行うことが好ましい。このアンモニアは、目的とするノルボルナンジメチレンアミン類以外の第2級アミン、第3級アミン、あるいはポリアミン等の高沸物の副生を抑制して選択性を向上する働きをもつ。アンモニアの使用量は、上記高沸物の副生を抑制し、水素化速度の低下を防止し、かつ反応後のアンモニアの処理あるいは回収を容易にするという点から、原料のノルボルナンジカルボニトリル類に対して0.05〜5モル比の範囲であることが好ましく、更には0.1 〜2.5 モル比の範囲であることがより好ましい。
【0019】
本発明で使用する触媒は、マンガンを 0.1〜15重量%、より好ましくは 0.5〜10重量%含むラネーコバルト触媒であり、マンガンを含有したラネーコバルト合金粉末を、常法(例えば、触媒工学講座10元素別触媒便覧、528 頁)によりアルカリ展開して得られたものを使用することができる。
【0020】
また、触媒の反応槽への仕込量は特に限定されないが、反応液の良好な流動性を保持し、かつ触媒コストを低減するという点から、通常は原料のノルボルナンジカルボニトリル類に対し10重量%程度までの量、より具体的には 0.1〜10重量%の量を使用することが好ましい。
【0021】
触媒の反応器への添加方法は、使用する触媒量を一括して添加することもできるが、化学的な触媒被毒を抑制する点からは、一回の反応当たりに必要な触媒量を添加し、反応を反復する毎に逐次的に添加する方法を採用することが好ましい。
【0022】
本発明における水素化は水の存在下に行われる。その水の使用量は原料のノルボルナンジカルボニトリル類の1モルに対して 0.1〜1.5 モルの範囲、更には 0.2〜1.5 モルの範囲であることがより好ましい。この量が 0.1モル未満では十分な触媒寿命を得ることが困難となる。また 1.5モルを越える量を使用しては、目的物以外のアミド体等の副生物生成量が非常に多くなることから好ましくない。更には反応後における脱水精製工程でも多大のエネルギーが必要となり、上記した範囲の量の水の存在下で反応を行なわせることが好ましい。
【0023】
本発明において、水素化を行う際の温度は、ノルボルナンジメチレンアミン類の良好な生産性を保持し、かつ副生物を抑制するという点から50〜250 ℃の範囲が好ましく、更には80〜200 ℃の範囲であることがより好ましい。
【0024】
水素化に使用する水素は、通常 100%純度のものが好ましいが、反応に不活性なガス、例えば窒素、アルゴン、ヘリウムあるいはメタン等のガスが含まれていても、何ら差し支えはない。また、水素化時の圧力は 0.5〜20MPaGの範囲が好ましく、更には 1〜10MPaGの範囲であることがより好ましい。 0.5MPaG未満の圧力では水素化が完結するまでに長時間を要するため、目的のノルボルナンジメチレンアミン類の生産性の悪化を招くことになり、また、20MPaGを越える圧力では、圧力増大の効果がほとんど見られず、かえって高圧設備の建設費等の増大も招くことになり、好ましくない。
【0025】
本発明における水素化では、溶媒を使用せずとも実施することはできるが、原料のノルボルナンジカルボニトリル類が比較的高粘性でもあり、操作性及び反応器中での触媒の流動性向上等のために溶媒を使用することもできる。使用可能な溶媒は本水素化反応に不活性な化合物であり、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール等のアルコール類、及びこれらの類似化合物等が好ましい。
【0026】
また、上記溶媒を使用する場合、その使用量は任意の量をとりうるが、得られるノルボルナンジメチレンアミン類の良好な生産性を保持し、かつ溶媒留去のためのエネルギーを少なくするという点から、好ましくは原料のノルボルナンジカルボニトリル類の50重量%までの範囲、より好ましくは20重量%までの範囲、更に好ましくは10重量%までの範囲である。
【0027】
本発明において、ノルボルナンジカルボニトリル類を水素化する際の反応形式については特に制限がなく、回分式、半回分式、又は流通式等の、いずれの方式であっても実施することが可能である。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明の有用性を更に詳細に説明する。以下において、反応液の分析はガスクロマトグラフィーを用いて行った。
【0029】
実施例1
内容積 0.5Lのステンレス製電磁攪拌式オートクレーブに、約7重量%のトルエンを含有するノルボルナンジカルボニトリル類溶液 304g(ノルボルナンジカルボニトリル類1.93mol )、水24.9g(1.38mol )、及びマンガンを含有した Co-Al合金を展開して得たラネーコバルト触媒(Co 75.7 重量%、 Al 2.7 重量%、Mn 1.5重量%) 1.5g(乾燥重量)を仕込み、系内を窒素にて充分置換した後、続いて水素で置換し、更に液体アンモニア10.2g(0.6mol)を注入した。次に、オートクレーブ内の圧力が 2.5MPaGまで水素を圧入した後、攪拌下、 120℃に昇温して水素化反応を開始した。反応の進行と共にオートクレーブ内の圧力が低下するため、圧力が 3.4MPaGを保つように連続的に水素を供給し、かつ液温が 120℃を保つように調整して、8時間水素化反応を実施した。
反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、気相部の水素及びアンモニアを追い出す。沈降した触媒をそのままオートクレーブ内に残し、反応液の上澄み液を抜き出す。再度上記記載と同じ量のノルボルナンジカルボニトリル類溶液、アンモニア、及び水を仕込み、水素化反応を行う。この操作を触媒を追加することなく20回繰り返した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は94.5%であり、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び94.3%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は 0.4%であり、第20回目においても、その収率に変化はなかった。
【0030】
実施例2
実施例1に引き続いて、ノルボルナンジカルボニトリル類溶液、アンモニア、及び水を、各々同一量仕込み、水素化反応を繰り返す操作を、実施例1と同様に50回まで実施した。この際、21回目、31回目及び41回目に触媒を 0.5gずつ追加した。
その結果、第21回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は94.3%であり、また第50回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び94.0%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、第21回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は 0.4%であり、第50回目では0.5 %であった。
【0031】
実施例3
内容積 0.5Lのステンレス製電磁攪拌式オートクレーブに、約7重量%のトルエンを含有するノルボルナンジカルボニトリル類溶液 304g(ノルボルナンジカルボニトリル類1.93mol )、水49.6g(2.75mol )、及びマンガンを含有した Co-Al合金を展開して得たラネーコバルト触媒(Co 75.7 重量%、 Al 2.7 重量%、Mn 1.5重量%) 1.5gを仕込み、系内を窒素にて充分置換した後、続いて水素で置換し、更に液体アンモニア10.2g(0.6mol)を注入した。次に、オートクレーブ内の圧力が 3.9MPaGまで水素を圧入した後、攪拌下、 120℃に昇温して水素化反応を開始した。反応の進行と共にオートクレーブ内の圧力が低下するため、圧力が 4.9MPaGを保つように連続的に水素を供給し、かつ液温が 120℃を保つように調整して、8時間水素化反応を実施した。
反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、気相部の水素及びアンモニアを追い出す。沈降した触媒をそのままオートクレーブ内に残し、反応液の上澄み液を抜き出す。再度上記記載と同じ量のノルボルナンジカルボニトリル類溶液、アンモニア、及び水を仕込み、水素化反応を行う。この操作を触媒を追加することなく20回繰り返した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は94.6%であり、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び93.3%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は 1.8%であり、第20回目では 2.1%であった。
【0032】
実施例4
実施例3において、オートクレーブに仕込む水量を12.3g (0.68mol )とし、水素化反応の液温を 140℃として、3時間の反応を実施する以外は、全て同様に操作した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は93.8%であり、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び91.1%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は 0.4%であり、第20回目においてもその収率に変化はなかった。
【0033】
実施例5
内容積 0.5Lのステンレス製電磁攪拌式オートクレーブに、約7重量%のトルエンを含有するノルボルナンジカルボニトリル類溶液 304g(ノルボルナンジカルボニトリル類1.93mol )、水 5.2g(0.29mol )、及びマンガンを含有した Co-Al合金を展開して得たラネーコバルト触媒(Co 75.7 重量%、 Al 2.7 重量%、Mn 1.5重量%) 1.5gを仕込み、系内を窒素にて充分置換した後、続いて水素で置換し、更に液体アンモニア10.2g(0.6mol)を注入した。次に、オートクレーブ内の圧力が 6.9MPaGまで水素を圧入した後、攪拌下、 120℃に昇温して水素化反応を開始した。反応の進行と共にオートクレーブ内の圧力が低下するため、圧力が 7.8MPaGを保つように連続的に水素を供給し、かつ液温が 120℃を保つように調整して、3時間水素化反応を実施した。
反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、気相部の水素及びアンモニアを追い出す。沈降した触媒をそのままオートクレーブ内に残し、反応液の上澄み液を抜き出す。再度上記記載と同じ量のノルボルナンジカルボニトリル類溶液、アンモニア、及び水を仕込み、水素化反応を行う。この操作を触媒を追加することなく20回繰り返した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は95.1%であり、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び90.2%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は 0.3%であり、第20回目においてもその収率に変化はなかった。
【0034】
実施例6
実施例1において、オートクレーブに仕込む触媒量を 4.5gとして、3時間の反応を実施する以外は、全て同様に操作した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は94.5%であり、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び94.4%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は 0.6%であり、第20回目においてもその収率に変化はなかった。
【0035】
実施例7
実施例1において、オートクレーブに仕込むノルボルナンジカルボニトリル類としてトルエンを含有しないものを使用し、水素化反応の液温を 160℃として、4時間の反応を実施する以外は、全て同様に操作した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は93.5%であり、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び93.2%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は 0.4%であり、第20回目においてもその収率に変化はなかった。
【0036】
実施例8
実施例1において、オートクレーブに仕込む触媒量を 4.5gとし、水素化反応の液温を 100℃とする以外は、全て同様に操作した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は96.2%であり、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び95.6%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は 0.4%であり、第20回目においてもその収率に変化はなかった。
【0037】
実施例9
内容積 0.5Lのステンレス製電磁攪拌式オートクレーブに、約7重量%のトルエンを含有するノルボルナンジカルボニトリル類溶液 304g(ノルボルナンジカルボニトリル類1.93mol )、水24.9g (1.38mol )、及びマンガンを含有した Co-Al合金を展開して得たラネーコバルト触媒(Co 68.5 重量%、 Al 3.1 重量%、Mn 5.5重量%) 4.5gを仕込み、系内を窒素にて充分置換した後、続いて水素で置換し、更に液体アンモニア10.2g(0.6mol)を注入した。次に、オートクレーブ内の圧力が 3.9MPaGまで水素を圧入した後、攪拌下、 140℃に昇温して水素化反応を開始した。反応の進行と共にオートクレーブ内の圧力が低下するため、圧力が 4.9MPaGを保つように連続的に水素を供給し、かつ液温が 140℃を保つように調整して、2時間水素化反応を実施した。
反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、気相部の水素及びアンモニアを追い出す。沈降した触媒をそのままオートクレーブ内に残し、反応液の上澄み液を抜き出す。再度上記記載と同じ量のノルボルナンジカルボニトリル類溶液、アンモニア、及び水を仕込み水素化反応を行う。この操作を触媒を追加することなく20回繰り返した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は93.3%であり、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び93.1%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は 0.8%であり、第20回目においても、その収率に変化はなかった。
【0038】
実施例10
実施例9において、オートクレーブに仕込む触媒量を 0.6gとし、水素化反応の液温を 180℃として、8時間の反応を実施する以外は、全て同様に操作した。その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は92.2%であり、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び91.4%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は 1.0%であり、第20回目においてもその収率に変化はなかった。
【0039】
実施例11
実施例9において、オートクレーブに仕込む液体アンモニア量を 3.6g(0.2mol)として、3時間の反応を実施する以外は、全て同様に操作した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は91.2%であり、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び90.7%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は 0.6%であり、第20回目においてもその収率に変化はなかった。
【0040】
実施例12
内容積 0.5Lのステンレス製電磁攪拌式オートクレーブに、約7重量%のトルエンを含有するノルボルナンジカルボニトリル類溶液 304g(ノルボルナンジカルボニトリル類1.93mol )、水24.9g (1.38mol )、及びマンガンを含有した Co-Al合金を展開して得たラネーコバルト触媒(Co 64.0 重量%、 Al 3.3 重量%、Mn 8.5重量%)4.5gを仕込み、系内を窒素にて充分置換した後、続いて水素で置換し、更に液体アンモニア30.6g(1.8mol)を注入した。次に、オートクレーブ内の圧力が 2.0MPaGまで水素を圧入した後、攪拌下、 140℃に昇温して水素化反応を開始した。反応の進行と共にオートクレーブ内の圧力が低下するため、圧力が 2.5MPaGを保つように連続的に水素を供給し、かつ液温が 140℃を保つように調整して、5時間水素化反応を実施した。
反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し、気相部の水素及びアンモニアを追い出す。沈降した触媒をそのままオートクレーブ内に残し、反応液の上澄み液を抜き出す。再度上記記載と同じ量のノルボルナンジカルボニトリル類溶液、アンモニア、及び水を仕込み、水素化反応を行う。この操作を触媒を追加することなく20回繰り返した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は92.2%であり、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び92.1%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は 0.7%であり、第20回目においても、その収率に変化はなかった。
【0041】
実施例13
実施例9において、オートクレーブに仕込む触媒としてマンガンを含有したCo-Al 合金を展開して得たラネーコバルト触媒(Co 76.0 重量%、 Al 4.0 重量%、Mn 0.2重量%) 4.5gを使用し、かつ液体アンモニア量を65.8g (3.9mol)として、4時間の反応を実施する以外は、全て同様に操作した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は93.8%であり、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び93.5%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は 0.9%であり、第20回目においてもその収率に変化はなかった。
【0042】
実施例14
実施例9において、オートクレーブに仕込む触媒としてマンガンを含有したCo-Al 合金を展開して得たラネーコバルト触媒(Co 57.5 重量%、 Al 3.7 重量%、Mn11.7重量%) 4.5gを使用し、かつ液体アンモニア量を 131.6g(7.7mol)として、6時間の反応を実施する以外は、全て同様に操作した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は94.1%であり、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び93.9%であり、触媒の劣化は認められなかった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の収率は 1.0%であり、第20回目においてもその収率に変化はなかった。
【0043】
比較例1
実施例1において、オートクレーブに水を仕込まずに水素化反応を実施する以外は、全て同様に操作した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は93.2%であったが、第3回目の反応では収率は37.3%であり、かつ原料ノルボルナンジカルボニトリル類が未だ残存し、触媒の劣化が認められた。
【0044】
比較例2
実施例1において、オートクレーブに仕込む水量を 1.7g(0.1mol)とする以外は、全て同様に操作した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は93.3%であったが、第5回目の反応では収率は42.5%であり、かつ原料ノルボルナンジカルボニトリル類が未だ残存し、触媒の劣化が認められた。
【0045】
比較例3
実施例1において、オートクレーブに仕込む水量を70.1g(3.9mol)とする以外は、全て同様に操作した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は81.6%であり、また第20回目の反応における転化率及び収率はそれぞれ 100%及び79.0%であり、低収率であった。また、第1回目の反応における原料ノルボルナンジカルボニトリル類のシアノ基が加水分解されたアミド体の副生量は多く、第1回目にける収率は 9.7%であり、第20回目においては11.9%であった。
【0046】
比較例4
実施例9において、オートクレーブに仕込む触媒としてマンガンを含有しないCo-Al 合金を展開して得たラネーコバルト触媒(Co 76.9 重量%、 Al 4.2 重量%)を使用して、4時間の反応を実施する以外は、全て同様に操作した。
その結果、第1回目の反応におけるノルボルナンジカルボニトリル類の転化率は 100%及びノルボルナンジメチレンアミン類の収率は89.8%であったが、第5回目の反応では収率は47.6%であり、かつ原料ノルボルナンジカルボニトリル類が未だ残存し、触媒の劣化が認められた。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明、特に実施例1〜14及び比較例1〜4からも明らかなように、マンガンを含むラネーコバルト触媒を用い、かつノルボルナンジカルボニトリル類に対し、 0.1〜1.5 モル比の水存在下で水素化するという本発明の方法を採用することで、極めて長期の触媒寿命が達成されることになり、安価にノルボルナンジメチレンアミン類を製造することができる。
【0048】
また、本発明の方法によれば、水素化時に用いるアンモニア及び触媒の使用量はもちろんのこと、溶媒を用いるにしてもそれらは従来技術に比し格段に少なく済むため、工業的にも極めて有用な方法であると言える。

Claims (6)

  1. 一般式(I)〔化1〕
    Figure 0003930207
    (式(I)中、X1 、X2 はHもしくはCNを示し、同一でない。)で表されるノルボルナンジカルボニトリル類を水素化して、一般式(II)〔化2〕
    Figure 0003930207
    (式(II)中、Y1 、Y2 はHもしくはCH2 NH2 を示し、同一でない。)で表されるノルボルナンジメチレンアミン類を製造するに際し、マンガンを含むラネーコバルト触媒を用い、かつノルボルナンジカルボニトリル類の1モルあたり、0.1 〜1.5 モルの水の存在下で水素化することを特徴とするノルボルナンジメチレンアミン類の製造方法。
  2. 水素化をアンモニアの存在下で行う請求項1記載の製造方法。
  3. アンモニアの量が、ノルボルナンジカルボニトリル類の1モルあたり、0.05〜5モルである請求項2記載の製造方法。
  4. 触媒の量が、ノルボルナンジカルボニトリル類に対し0.1〜10重量%にある請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 水素化する際の温度が、50〜250 ℃である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 水素化する際の圧力が、 0.5〜20MPaGである請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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