JP3931023B2 - ドアガラスラン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のドアのドアサッシュの内周に沿って取付けられるドアガラスランであって、特に自動車ドアに用いて好適の、ドアガラスランに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図5及び図6に示すように、自動車ドアのドアサッシュ1には、例えばゴム等の弾性体により形成されるランチャンネル(ドアガラスラン)103がその内周に沿って取り付けられており、このランチャンネル103は、ドアガラス2の昇降を案内するとともに、ドアガラス2が閉じられたときにその外周縁とドアサッシュ1との間をシールするようになっている。
【0003】
図6に示すように、ドアサッシュ1は、略コ字形状の横断面に形成され、車室外側の側壁面(外壁)及び車室内側の側壁面(内壁)にはそれぞれ膨出部1a,1bが形成されている。ランチャンネル103は、略コ字形状の横断面を有するチャンネル本体103Aをそなえており、このチャンネル本体103Aの外側両側面には、外側リップ103a,103bがそれぞれ設けられている。そして、チャンネル本体103Aをドアサッシュ1内へ挿入するとともに、これらの外側リップ103a,103bを、ドアサッシュ1の膨出部1a,1bに係合させることにより、ランチャンネル103はドアサッシュ1に係止される。
【0004】
また、ランチャンネル103の内側両側面の開口縁側には、内側リップ103c,103dが互いに対向してランチャンネル103の底面部側に向かって湾曲状に延出するように設けられており、これらの内側リップ103c,103dがドアガラス2の端縁と摺接又は圧接してドアガラス2の端縁を案内又は保持するようになっている。内側リップ103cとランチャンネル103の内側壁面103eとの間には凹部(ノッチ)103hが形成されており、このようにノッチ103hを設けることで内側リップ103cの曲げ基点を外側にずらして内側リップ103cの長さを実質的に延長することにより、内側リップ103cの剛性を抑えて可撓性を上げ、内側リップ103c上を摺動するドアガラス2の昇降が滑らかに行なわれるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術では、ドアを強く閉める時や凹凸路を車両が走行する時等に、ドアガラス2の振動によりドアガラスラトル音が発生する虞がある。
つまり、ドアガラス2が振動していない状態では、図7(a)に示すように、ドアガラス2は両側の内側リップ103c,103dに当接して挟まれ、且つ、内側リップ103cの先端はランチャンネル103の内側壁面103eと離隔した状態となっているのに対し、ドアガラス2が振動して図7(a)に対し右側に移動すると、図7(b)に示すように、ドアガラス2と内側リップ103cとが離隔した状態となる一方、ドアガラス2が振動して図7(a)に対し左側に移動すると、図7(c)に示すように、内側リップ103cの先端側裏面とランチャンネル内側壁面103eとが接触した状態となる。
【0006】
そして、図7(b)に示す状態から図7(a)に示す状態になったときには、ドアガラス2と内側リップ103cの先端部との接触により衝突音が発生し、図7(a)に示す状態から図7(c)に示す状態になったときには、内側リップ103cの先端部とランチャンネル内側壁面103eとの衝突音が発生する。したがって、ドアガラス2が図7(a)〜(c)中で左右方向に振動すると、このような衝突音が繰り返されドアガラスラトル音が発生するのである。
【0007】
また、実公平4−12808号公報には、ランチャンネル本体の内側壁面において、ドアガラスを把持するリップ先端部と対向する部位に凸部が設けられたランチャンネルが開示されている。この公報記載のランチャンネルにおいてドアガラスが振動すると、凸部によってドアガラスの振動幅が狭められるものの、リップ先端部がランチャンネル内側壁面の凸部と衝突するので上述した従来技術と同様にドアガラスラトル音が発生してしまう。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、ドアガラスラトル音を効果的に抑制できるようにした、ドアガラスランを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明のドアガラスランは、車両のドアサッシュに取り付けられて該ドアサッシュとドアガラスとの間を密閉遮断するドアガラスランにおいて、略コ字形状の断面を有するドアガラスラン本体と、該ドアガラスラン本体の開口縁から該ドアガラスラン本体の底面部に向けて延設され該ドアガラスに摺接する一対のリップ部とをそなえ、該ドアガラスラン本体の内壁面には、該リップ部の裏面に対向するように凸部が設けられ、該凸部は、該リップ部と該ドアガラスとが接する位置よりも該リップ部の基端部側の位置に配置されるとともに、該ドアガラスランが該ドアガラスを支持する状態では、該凸部が、該リップ部と該ドアガラスとが接する位置よりも該リップ部の基端部側の位置で、該リップ部に当接して、該ドアガラスが振動しても該リップ部の先端が該ドアガラスラン本体の内壁面に接しないように、該凸部の高さが設定されていることを特徴としている。
【0010】
したがって、請求項1記載の本発明のドアガラスランでは、ドアガラスがドアガラスラン本体内で振動しても、リップ部とドアガラスとが接する位置よりもリップ部の基端部側の位置で、ドアガラスラン本体の内壁面に設けられた凸部によりリップ部の裏面が支持されるので、リップ部の先端がドアガラスラン本体の内壁面に接しない。
【0011】
請求項2記載の本発明のドアガラスランでは、略コ字形状の断面を有するドアガラスラン本体の開口縁からドアガラスラン本体の底面部に向けて一対のリップ部が延設されており、ドアガラスランによりドアサッシュとドアガラスとの間を密閉遮断する際、ドアガラスがドアガラスラン本体内で振動してもリップ部がドアガラスから離隔せずに常にドアガラスと接した状態となる。
【0012】
請求項3記載の本発明のドアガラスランでは、リップ部の基端部とドアガラスラン本体の内壁面との間のノッチ部が内壁面よりも凹に形成され、このノッチ部の深さが0.5mm以下に設定されているので、リップ部が撓んでドアガラスラン本体の内壁面と当接する際の接触面積が小さくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、実施形態としては、本発明のドアガラスランを自動車のドアガラスに適用した例を示す。本発明の一実施形態としてのドアガラスランについて説明すると、図1〜図4は本実施形態のドアガラスランについて示す図である。また、従来技術の説明で使用した図5についても流用して説明する。
【0014】
本実施形態のランチャンネル(ドアガラスラン)3は、図5に示す自動車ドアのドアサッシュ1の内周に沿って取付けられており、ドアガラス2を把持してドアガラス2の昇降を案内するとともに、ドアガラス2が閉じられたときにその外周縁とドアサッシュ1との間をシールするようになっている。ランチャンネル3は、ドアガラス2と摺接してシールするとともに、ドアガラス2の摺動(昇降)を低荷重で容易に行なえるように、例えばゴムやエラストマ等の弾性体により形成される。
【0015】
ランチャンネル3は、図1(a),(b)に示すように、略コ字形状の横断面を有するチャンネル本体(ドアガラスラン本体)3Aと、チャンネル本体3Aの外側両壁面の底部側に設けられた外側リップ3a,3bと、チャンネル本体3Aの内側両壁面にそれぞれ設けられた内側リップ(リップ部)3c,3dと、車室外側の内側リップ3cの裏面(内壁面3eと向かい合う側の面)と対向するようにチャンネル本体3Aの内壁面3eに設けられた凸部3gと、内側リップ3cの基端部3c′と内壁面3eとの間に形成された凹部(ノッチ部、以下ノッチとも言う)3hとをそなえて構成されている。そして、チャンネル本体3Aをドアサッシュ1内に挿入するとともに、外側リップ3a,3bをドアサッシュ1の両壁面の膨出部1a,1bにそれぞれ係合させることにより、ランチャンネル3は開口部をドアガラス2の側に向けてドアサッシュ1に取り付けられるようになっている。
【0016】
内側リップ3c,3dは、図1(a),(b)に示すように、チャンネル本体3Aの開口縁からチャンネル本体3Aの底面部3iに延設されて形成され、ここでは、図1(a)に示すように、内側リップ3c,3d間にドアガラス2が存在しない状態では、車室外側の内側リップ3cが車室内側の内側リップ3dよりもチャンネル本体3Aの底面部3i側に近接するように内側リップ3c,3dはそれぞれ形成されている。
【0017】
これにより、内側リップ3cを長くすることが可能であり、長くするほど内側リップ3cは剛性が低くなって、この分ノッチ3hを浅くすることが容易になる。逆の言い方をすれば、内側リップ3cが短いと、内側リップ3cの剛性が強すぎて、内側リップ3cに対して摺動するドアガラス2が内側リップ3cから受ける抵抗が大きくなってしまい、この分ノッチ3hを深くする必要性が生じるのである。
【0018】
図2はドアガラス2の水平方向位置(横軸)と、ドアガラス2が内側リップ3c,3dから受ける反力(縦軸)との関係を示す図であり、反力が0(零)とは、即ち、ドアガラス2と内側リップ3c,3dとが離隔した状態を示す。また、実線は車室外側の内側リップ3cについて示し、点線は車室内側の内側リップ3dについて示している。
【0019】
車室外側の内側リップ3cに着目して説明すると、実線で図示するように、ドアガラス2の位置が車室外側に移動するにしたがってドアガラス2が内側リップ3cから受ける反力が大きくなり、ドアガラス2が位置XEまで移動すると、内側リップ3cがチャンネル本体3Aの内壁面3e〔図1(a),(b)参照〕と当接する(これを底付くという)のでドアガラス2が内側リップ3cから受ける反力が急増する。同様に、車室内側の内側リップ3dは、点線で図示するように、ドアガラス2の位置が車室内側に移動するにしたがってドアガラス2が内側リップ3dから受ける反力が大きくなり、ドアガラス2が位置XIまで移動すると内側リップ3dが内壁面3f〔図1(a),(b)参照〕に底付いてドアガラス2が内側リップ3dから受ける反力が急増する。
【0020】
そして、本ランチャンネル3では、図2に示すようにドアガラス2が位置XEまで移動して内側リップ3cがチャンネル本体3Aの内壁面3eに底付いて、これ以上ドアガラス2が車室外側に移動できない状態、即ち、内側リップ3cと対向する内側リップ3dに対しドアガラス2が最も離隔した状態であっても、内側リップ3dの先端とドアガラス2とが離隔しないように(反力が0にならないように)内側リップ3dの長さが設定されている。同様に、図2に示すようにドアガラス2が位置XIまで移動した状態(内側リップ3cに対しドアガラス2が最も離隔した状態)であっても、内側リップ3cの先端とドアガラス2とが離隔しないように内側リップ3cの長さが設定されている。
【0021】
したがって、ドアガラス2がチャンネル本体3Aの内部で振動しても、位置XEと位置XIとの区間(リップ底付き幅)L0において、内側リップ3c,3dはいずれもドアガラス2の表面から離隔しないので、ドアガラス2と内側リップ3c,3dとが離接することにより発生する衝突音(ドアガラスラトル音)を抑制することができるようになっている。
【0022】
なお、ここでは、位置XI,XEに対しさらに所定の長さ(シール幅)L1だけ離隔した状態で反力が0(零)になるように、内側リップ3c,3dの長さがそれぞれ設定されている。これにより、ドアガラス2の振幅が区間L0以上となってもリップ3c,3dの離隔を確実に防止して、反力を確保するようになっている(即ち、ドアガラス2とリップ3c,3dとの接触を安定したものとしている)。これにより、ドアガラス2とランチャンネル3との密閉性(シール性)を確保するとともに、ランチャンネル3が劣化してもリップ3c,3dがドアガラス2から離隔しないようにしている。
【0023】
さて、上述したが、図1(a),(b)に示すように、チャンネル本体3Aの内壁面3eと近接する内側リップ3cについては、内側リップ3cの裏面と対向するように内壁面3eには凸部3gが設けられている。この凸部3gは、図1(b)に示すように、ランチャンネル3がドアガラス2を支持する状態ではリップ3cと当接するが、この際、内側リップ部3cとドアガラス2との接点PAよりも基端部側の所定位置PBにおいてリップ3cに当接するように位置設定され、さらに、リップ3cの先端が内壁面3eに接触しないようにその高さHが設定されている。
【0024】
つまり、内側リップ3cにおいて、基端部3c′と、かかる接点PAとの間では、ドアガラス2と内壁面3e(基端部3c′)とに挟まれて曲げモーメントが発生する。これは、即ち、基端部3c′と接点PAとの間では、内側リップ3cには内壁面3e(凸部3g)に対して離隔しようとする力が作用していることとなり、ドアガラス2の振動を受けて内側リップ3cが凸部3gから離隔した後、このような部位で凸部3gに衝突したとしても、その衝突は緩やかなものとなって、衝突音を抑制することができるようになっている。
【0025】
一方、内側リップ3cにおいて、接点PAよりも先端側では曲げモーメントが発生しておらず、内側リップ3cと接するドアガラス2が振動した際には、かかる先端側は自由端状態であるためドアガラス2の振動を受けると大きな慣性モーメントが作用するので、このような内側リップ3cの先端が内壁面3eに衝突すると大きな衝突音を発生する虞がある。しかし、上述したように、この先端側が内壁面3eに接しないように凸部3gの高さHを設定することにより、このような衝突音の発生を抑制できるようにしているのである。
【0026】
また、上述したが、図1(a),(b)に示すように、内側リップ3cの基端部3c′と内壁面3eとの間には、ノッチ3hが形成されている。ノッチ3hは、本来、ドアガラス2が昇降する際に、ドアガラス2が内側リップ3cから受ける抵抗を軽減すべく設けられたものであり、このような抵抗低減効果はノッチ3hの深さDNが深いほど顕著なものとなる。
【0027】
この一方、ノッチ3hの深さDNが浅いほど、内側リップ3cにおいて、凸部3gとの当接部よりも基端部3c′側における内壁面3eとの接触面積を低減できるので、内側リップ3cと内壁面3eとの接触(衝突)を抑制し衝突音の発生を一層効果的に抑制することができる(衝突音抑制効果が顕著なものとなる)。つまり、内側リップ3cは、凸部3gとの当接部よりも先端側については上述したように凸部3gの作用により内壁面3eと接触することはないものの、凸部3gとの当接部よりも基端部3c′側では撓んで内壁面3eに押付けられることもあり、このような内側リップ3cと内壁面3eとの接触面積は、ノッチ3hの深さDNが深く内側リップ3cの基端部3c′側の剛性が低い程大きくなる。したがって、ノッチ3hの深さDNが浅いほど、内側リップ3cの基端部3c′側での撓みを抑制でき、内側リップ3cと内壁面3eとが接触する際の接触面積を低減できるのである。
【0028】
そして、ノッチ3hの深さDNを、従来よりも浅くして0.5mm以下とすることにより、このような抵抗低減効果と衝突音抑制効果との両立が可能であることが実験や解析等から判明しており、本実施形態ではノッチ3hの深さDNを0.5mmに設定してある。
なお、凸部3g及びノッチ3hは内側リップ3cについてのみ設けられており、内側リップ3dについては設けられていない。これは図1(a),(b)に示すように、ドアガラス2の軌道が内側リップ3cが設けられた内壁面3eに近接しているため、内壁面3eと内側リップ3cとが衝突しやすく、このような衝突を抑制すべく凸部3gとノッチ3hを特に内側リップ3Cについて設けているのである。
本発明の一実施形態としてのランチャンネル3は上述したように構成されているので、以下のような利点がある。
【0029】
つまり、各内側リップ3c,3dは、ドアガラス2が振動してもドアガラス2から離隔しないようにそれぞれ長さ設定されているので、ドアガラス2と内側リップ3c,3dとが一旦離隔してから衝突することによる衝突音を無くすことができるという利点がある。
【0030】
また、内壁面3eと近接して内壁面3eと接触しやすい内側リップ3cについては、チャンネル本体3Aの内壁面3eに凸部3gを設けることで、内側リップ3cは、大きな慣性モーメントが作用する先端で内壁面3eに衝突する代わりに、大きな慣性モーメントが作用しない基端部3c′側で凸部3gに衝突するようになるので、内側リップ3cと内壁面3eとの衝突による衝突音を抑制することができるという利点がある。
【0031】
さらに、内側リップ3cのノッチ深さDNが0.5mm以下(ここでは0.5mm)に設定されているので、ドアガラス2が振動して内側リップ3cに撓みが発生し、内側リップ3cが、凸部3gとの当接部よりも基端部3c′側で内壁面3eと接触するような場合でも、このような内側リップ3cと内壁面3eとの接触面積を低減できるので、ドアガラス2の昇降を妨げることなしに、リップ3cと内壁面3eとの衝突による衝突音を抑制することができるという利点がある。そして、本ランチャンネル3は、このような衝突音抑制効果により、図3に示すように、図中に▲3▼で示す従来のランチャンネルにおけるドアガラスラトル音(音圧)に比べ、図中に▲1▼で示すようにドアガラスラトル音(音圧)を大幅に抑制することができる。
【0032】
なお、本発明のドアガラスランは、上述の実施形態のものに限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。例えば、上述した実施形態では、チャンネル本体3Aの内側に設けられた内側リップとチャンネル本体3Aの内壁面との衝突音を抑制するための凸部及びノッチを、車外側の内側リップ3cの側についてのみ設けているが、車室側の内側リップ3dの裏面に対向するように内壁面3fに凸部及びノッチを設けても良いし、勿論、内側リップ3c,3dのそれぞれについて凸部及びノッチを設けても良い。
【0033】
また、凸部を内壁面3eに設けない構成としても良い。凸部を設けない場合でも、ノッチ3hの深さDNを従来よりも浅くして0.5mm以下とすることは、衝突音を抑制する効果がある。つまり、図4(a)に示すようにノッチ深さDNを比較的浅くする場合と、図4(b)に示すようにノッチ深さDNを比較的深くする場合とでは、ノッチ深さDNが浅い方が、図中に太線で示す内側リップ3cと内壁面3eとの接触面積が小さくなり、内側リップ3cと内壁面3eとの接触(衝突)による衝突音を抑制することができるのである。このような場合でも、図3中に▲2▼で示すように、従来に比べドアガラスラトル音を抑制することができる。
【0034】
また、内壁面3eに凸部を設けてノッチ3hの深さDNを0.5mmよりもを深くするように構成することも可能であり、この場合でも、リップ3cの先端は内壁面3eに衝突しないようになるので従来に比べ十分にドアガラスラトル音を抑制することができる。ノッチ3hの深さDNを0.5mm以下にするには、上述の実施形態のように、内側リップ3cが内側リップ3dよりもチャンネル本体3Aの底面部に近接するように構成して内側リップ3cを比較的長くすることが有効であるが、この場合、このような必要がなくなるので、内側リップ3dが内側リップ3cよりもチャンネル本体3Aの底面部に近接するように構成することも可能である。
【0035】
さらに、内壁面に凸部を設けず且つノッチ3hの深さDNを0.5mm以下に規制しなくても、内側リップ3c,3dの長さを、ドアガラス2が振動しても内側リップ3c,3dがドアガラス2から離隔しないようにそれぞれ設定するだけで、ドアガラス2と内側リップ3c,3dとが衝突することが無くなるので、ドアガラスラトル音を抑制することができる。
【0036】
また、本発明のドアガラスランは自動車のドアガラスだけでなくこの他の車両のドアガラスにも適用しうるものである。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明のドアガラスランによれば、ドアガラスがドアガラスラン本体内で振動しても、リップ部は、リップ部とドアガラスとが接する位置よりもリップ部の基端側の位置、即ちドアガラスラン本体の内壁面から離隔する方向に曲げモーメントが発生している位置で、かかる内壁面に設けられた凸部によって裏面が支持されているので、ドアガラスの振動によりリップ部と凸部とが一旦離隔してから接しても(衝突しても)、この衝突は比較的緩やかなものとなってドアガラスラトル音を効果的に抑制できるという利点がある。
【0039】
また、請求項1記載の本発明のドアガラスランによれば、ドアガラスが振動しても、リップ部は裏面が凸部で支持されて先端が内壁面に接しない(衝突しない)ので、この点からもドアガラスラトル音を効果的に抑制できるという利点があり、さらに、ドアガラスランがドアガラスを支持する状態で、凸部が、リップ部とドアガラスとが接する位置よりもリップ部の基端部側の位置でリップ部に当接していることから、凸部がリップ部の動きに作用しやすく、それだけ、ドアガラスラトル音を効果的に抑制できる。
請求項2記載の本発明のドアガラスランによれば、ドアガラスがドアガラスラン本体内で振動しても、リップ部がドアガラスから離隔せず常にドアガラスと接した状態となるので、ドアガラスとリップ部とが一旦離隔してから衝突することがなくなって、ドアガラスラトル音を効果的に抑制できるという利点がある。
【0040】
請求項3記載の本発明のドアガラスランによれば、リップ部の基端部とドアガラスラン本体の内壁面との間に形成されたノッチ部の深さが0.5mm以下に設定されているので、ドアガラスが振動する際のリップ部と内壁面との接触面積を小さくでき、リップ部と内壁面との接触によるドアガラスラトル音を効果的に抑制できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのドアガラスランの構成を示す模式的な断面図〔図5のB1−B1断面に対応する図〕であり、(a)はドアガラスとドアガラスランとが接していない状態を示す図、(b)はドアガラスとドアガラスランとが接した状態を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態としてのドアガラスランにおけるドアガラスの位置とドアガラスがリップ部から受ける反力との関係を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態としてのドアガラスランにおけるドアガラスラトル音の抑制効果を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態としてのドアガラスランの変形例の作用を説明するための図であり、(a)はノッチ部の深さが比較的浅い場合の模式的な要部断面図、(b)はノッチ部の深さが比較的深い場合の模式的な要部断面図である。
【図5】一般的な自動車ドアの構成を示す側面図である。
【図6】従来のドアガラスランの構成を示す模式図であり、図5のB1−B1断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、図5のB1−B1断面を、ドアガラスが振動した際の状態に応じて示す図である。
【符号の説明】
1 ドアサッシュ
2 ドアガラス
3 ランチャンネル(ドアガラスラン)
3A チャンネル本体(ドアガラスラン本体)
3c,3d 内側リップ(リップ部)
3c′ 基端部
3e 内壁面
3g 凸部
3h ノッチ(ノッチ部)
3i 底面部
Claims (3)
- 車両のドアサッシュに取り付けられて該ドアサッシュとドアガラスとの間を密閉遮断するドアガラスランにおいて、
略コ字形状の断面を有するドアガラスラン本体と、
該ドアガラスラン本体の開口縁から該ドアガラスラン本体の底面部に向けて延設され該ドアガラスに摺接する一対のリップ部とをそなえ、
該ドアガラスラン本体の内壁面には、該リップ部の裏面に対向するように凸部が設けられ、
該凸部は、該リップ部と該ドアガラスとが接する位置よりも該リップ部の基端部側の位置に配置されるとともに、
該ドアガラスランが該ドアガラスを支持する状態では、該凸部が、該リップ部と該ドアガラスとが接する位置よりも該リップ部の基端部側の位置で、該リップ部に当接して、該ドアガラスが振動しても該リップ部の先端が該ドアガラスラン本体の内壁面に接しないように、該凸部の高さが設定されている
ことを特徴とする、ドアガラスラン。 - 該一対のリップ部の長さは、該ドアガラスが該ドアガラスラン本体内で振動しても該リップ部が該ドアガラスから離隔しないように、それぞれ設定されている
ことを特徴とする、請求項1記載のドアガラスラン。 - 該リップ部の基端部と該ドアガラスラン本体の内壁面との間に該内壁面よりも凹に形成されたノッチ部がそなえられ、
該ノッチ部の深さが0.5mm以下に設定されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のドアガラスラン。
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