JP3961343B2 - 清掃用不織布 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、清掃用不織布に関するものであり、より詳細には微細なごみの捕集性に優れ、家庭やビルなどのフローリング床やタイル床、大理石フロアーなどのフロアー上や屋内壁面、天井面などの清掃用に好適であり、かつ安価な清掃用不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、清掃用シート材として不織布が用いられており、その手軽さゆえに様々なところで使用されている。例えば、実開平4−33686号では極細繊維と親水性繊維と交絡させた清掃用不織布が開示されている。また、特開2000−314065号では熱収縮性繊維層と非熱収縮繊維層とを積層し、凹凸構造を付与した清掃用不織布が開示されている。
【0003】
また、清掃用シート材は、家庭やビルなどのフローリング床やタイル床、大理石フロアーなどのフロアー用にも用いられている。フロアー用に用いる場合、主に土、砂などの微小な埃や繊維くずなどの綿埃、毛髪などの収集、捕集性能が要求される。これらの性能に関係の深い要件として、構成繊維の繊度や形状、シートの見かけ密度、表面形態、そして作業性としてシートの形態安定性や摩擦耐久性、使用時の床との拭き抵抗などが挙げられ、これらの条件を各種調整した様々な提案がなされている。例えば、特開平11−295号では、網状シートに極細繊維からなるウエブを積層、絡合した清掃用シートが開示されており、特開2001−89961号では、捲縮繊維と熱融着性繊維を含むウエブと非収縮性繊維からなるウエブを積層し、一方の面に凸部を形成させたダストクロスが開示されている。
【0004】
しかしながら、種々提案されている前述のような清掃用不織布には以下のような問題がある。
すなわち、極細繊維を主体とする清掃用不織布は、その構成繊維が極細であるため極微小な埃類の拭き取りには比較的有効であるが、得られる不織布が比較的薄く、またその見かけ繊維密度も大きくなりやすいため、フロアの清掃等に用いた場合にはサイズの大きいゴミが拭き取りにくく、またその捕集量も少なかった。
また、熱収縮繊維と非熱収縮繊維との積層構造や混綿構成などによりシートの表面に凹凸形状を発現させたり、シート中の見かけ繊維密度を調整したりしたものは製造設備上や熱収縮繊維の利用上手間がかかったり、様々な大きさのゴミに対する拭取り性については十分な性能を得ることが困難であった。
一方、拭き取り物を繊維に絡みつかせ拭き取る効果を狙ったものは、繊維の自由度を比較的大きくさせる必要があり、その結果シートの形態安定性が劣り、芯材としてネットなどの複合により補強する必要が生じたり、極微小なゴミのシートのす抜けを防止するためにシート重量を高めにしたり、吸着薬剤を付着させるなどのニ次的処理が必要となり、製造に手間がかかりやや高価になる。さらに前述のようないくつかの手法を組み合わせて用いないと拭き取り性は偏ったものとなり使用しづらいものとなる。
【0005】
ところで、拭き取り性を向上させるために拭き取り面の表面積を広げ、さらに凹凸構造を付与する手法としてエンボスによる型付けが挙げられ、圧着部がポイント状に配置された形態がよく知られている。しかしながら、これらは拭き取り時の捕集性に影響する因子の一つであるシートの嵩性の向上には比較的効果があるが、嵩性を重視しすぎるとシート強度の低下や表面の摩擦による毛羽立ちが大きくなり過ぎ、嵩性とこれら両者の適度な調整は困難であった。
また、流動パラフィンなどの吸着薬剤の使用は、確かに微小埃から比較的大きなサイズのごみの捕集まで非常に有効であるが、使用時にゴミが吸着するとともに吸着薬剤がゴミを拭き取られた床表面にも付着し残留することとなる。これらは使用後床上の異常な滑りを引き起こしたり、吸着性能があるがゆえに逆に埃他のゴミによる再汚染(付着)の原因となる。特に、土・砂埃の多いビル内のフロアーやロビーへの使用には非常に問題となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の問題点を解決するものであり、その目的は、特にフロアー清掃に好適に用いられ、かつ安価で様々な大きさのゴミの拭き取り性能、捕集性能に優れた清掃用不織布を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前述のような問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、不織布の全体に非融着領域と連続した融着領域が形成されてなり、凹凸形状を有する清掃用不織布であって、該非融着領域は融着領域の厚み(H1)に比し10倍以上の厚みを有し、かつ不織布断面における非融着領域周囲の融着領域間の長さ(W)と非融着領域の厚み(H2)との比(W/H2)が4.5≧W/H2≧1.5を満足しており、さらに非融着領域の形状が直径4〜6mmの円形であることを特徴とする清掃用不織布である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の清掃用不織布に用いる繊維としては、熱可塑性樹脂からなる単一組成の繊維、2種以上の組成からなる複合繊維などを使用することができる。該繊維を構成するポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ナイロン66、ナイロン6などのポリアミド系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維などが挙げられる。
また、複合繊維の形態としては、芯鞘型、偏心芯鞘型、多層貼合型、サイドバイサイド型、ランダム複合型、放射状貼合型等を挙げることができる。該複合繊維のポリマーの組み合わせとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリプロピレン/エチレン−プロピレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート/エチレン−プロピレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート/共重合ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート/エチレン−酢酸ビニル系共重合体、共重合ポリエステル/エチレン−酢酸ビニル系共重合体等を使用することができるがこれらに限定されるものではない。
【0009】
該繊維には抗菌性を付与する目的で薬剤を複合させたものや環境にやさしい製品を得るという観点から再生樹脂を用いたもの、あるいはこれらの複合品、またこれ以外の目的で機能化された繊維等を使用しても差し支えない。
【0010】
とりわけ本発明においては、拭き取り面との摩擦による静電気の発生によるゴミの吸着作用を利用するために繊維表面が親水性の紡糸油剤や加工剤等による意図的な親水化処理をされていない撥水性であることが好ましく、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ナイロン等のポリアミド系繊維、ポリスチレン系重合体、ポリアクリルニトリル系重合体、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ポリ乳酸系重合体からなる繊維、またこれらの樹脂が2種以上複合されたような各種複合紡糸繊維等であり、芯鞘型複合繊維やサイドバイサイド型繊維、分割型複合繊維などを用いることが好ましい。
【0011】
また本発明の清掃用不織布を構成する繊維は、シート化後の嵩高性や不織布とした後に微細ゴミのシートのす抜け性を回避する作用発現のために3.3dtex以上の熱可塑性繊維(A)と3.3dtex未満の熱可塑性繊維(B)を含むことが好ましい。なお、単種繊維による構成に限らず混繊等に不具合がなければ複数種の繊維混であってもよい。
【0012】
本発明においては、繊維(A)および繊維(B)は優れた拭き取り性能発現のために均一に混合されていることが好ましく、かかる観点から該繊維(A)の繊度は3.3〜13.5dtexがより好ましい。繊維(A)の繊度が13.5dtexを超えると混綿の均一性、カード性等の不良などの不具合の原因となる場合がある。混率としては不織布表面の凹凸形状を容易に制御可能な点から、繊維(A)の混率は5〜40質量%が好ましく、より好ましくは10〜35質量%である。混率が5質量%に満たないと有効な嵩を有する凹凸部の形状形成ができず、また、混率が40質量%を超えると後述の熱による融着を阻害しシート強力が要望のレベルに満たない場合ある。一方、繊維(B)の繊度は、繊維(A)との混綿性、カード工程通過性等、また清掃時の微細ゴミの拭き取り性、捕集性の観点から1.0〜3.0dtexがより好ましい。1.0dtex未満では繊維(A)との混綿性やカード通過性の悪化の原因となる場合がある。
【0013】
また本発明においては、シート化時の熱エンボス処理による強度の発現と表面の耐毛羽落ち性をクリアする熱融着性繊維を含むことが望ましく、シート構成繊維中で熱融着性繊維が50質量%以上含まれる様に構成されることが好ましい。これらの繊維は熱可塑性の単独樹脂よりなるものでも数種混合された芯鞘繊維などの複合繊維でもよい。該繊維を構成するポリマーとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン66、ナイロン6、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。また、複合繊維の形態としては、芯鞘型、偏心芯鞘型、多層貼合型、サイドバイサイド型、ランダム複合型、放射状貼合型等を挙げることができる。該複合繊維のポリマーの組み合わせとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリプロピレン/エチレン−プロピレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート/エチレン−プロピレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート/共重合ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート/エチレン−酢酸ビニル系共重合体、共重合ポリエステル/エチレン−酢酸ビニル系共重合体等を使用することができるがこれらに限定されるものではない。
【0014】
これら熱融着性を有する繊維により熱エンボス時に軟化し圧力によりつぶれやすくし、同種の繊維同士や他の繊維間を融着することができる。このとき高融点の繊維は若干の熱効果と主に圧力により押しつぶされることで同種および多種繊維との接触面積が増し、接着に寄与する。表面の耐毛羽落ち性の観点から融着成分を有する繊維が50質量%以上含まれることが望まれるが混率がこれに満たないとシートの強度が発現されず、また、シート表面の毛羽立ちおよび繊維脱落が生ずる場合がある。また、低融点の融着成分繊維が過度に多い場合は熱融着が過度となり、硬く見かけ密度の高いシートとなり拭き取り性能の低下を招く場合がある。従って、熱融着性を有する繊維は60〜90%の混率が好ましい。
【0015】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
本発明の清掃用不織布は上記した繊維により構成され、かつ不織布全体に非融着領域と連続した融着領域が形成され、凹凸形状を有する点に特徴を有する。
図1は、本発明の清掃用不織布の一例を示す表面模式図であり、上記した非融着領域2と連続した融着領域1が形成されているのがわかる。また、図2は本発明の清掃用不織布の一例を示す断面模式図であり、凹凸形状を有しているのがわかる。
本発明にいう融着領域は、例えば金属ロールの表面に微細な凹凸柄が施されたエンボスロールとフラットな金属ロール間にウエブを通し、熱処理することにより形成させることができる。すなわち、エンボスロールの凸部はウエブを圧縮し、構成繊維の熱可塑性繊維を軟化と同時に圧融着する。該融着領域1は、不織布において連続して存在していることが重要である。なお、融着領域の面積比率は、エンボスロール凸部の面積比率を目安とすることができる。
一方、非融着領域2とはエンボスロール凹部により処理された部分で繊維間に熱融着部分をほとんど有しない領域をいい、凸部となって存在する。
【0016】
特に本発明における清掃用不織布上の非融着領域は、丸形状で直径4〜6mmであることが必要で、これにあったエンボスロールを準備すればよい。非融着領域の直径が4mm未満であると投入されたウエブ中の繊維の深さ方向への自由度が少なく、いくら嵩高能力を有するウエブであっても後述する非融着領域の突出形状が発現されない場合がある。また、6mmを超えると逆に高目付にしないと非融着領域の突出形状が発現されにくい場合がある。この突出部は不織布シートの嵩性であり、拭取り時における不織布シートのクッション性の発現や拭取り時の捕集部となり拭取り布としての重要な部位であり、これを形成するエンボスロール柄の形状は前述の範囲内に設定するのが好ましい。
【0017】
また本発明においては、ウエブの原綿構成の調整等により、不織布上に付与された非融着領域の厚みは融着領域の厚み(H1)に比し10倍以上の厚みを有する凹凸形状とすることが重要であり、好ましくは12〜20倍である。厚み比が10倍未満の場合は拭取り性が低下するなどのデメリットが生じ、20倍を超えると凸部の形態的安定性が損なわれ毛羽落ちなど耐久性の面で不具合が生じる場合がある。
【0018】
融着領域の厚み(H1)と非融着領域の厚みの比はシートのクッション性の指標であるばかりではなく、拭取り性の向上に寄与する。すなわち凹凸の大きさに応じて比較的大きな拭取り物が凹凸間の空間に引き込まれる作用が生じ、また、シートの表面形状に応じて拭取り面との間で接触、非接触の状態が繰り返されることになる。その結果、拭取り面に付着気味のゴミを揺さぶり、かき取る効果が発生し、拭取り性が向上すると考えられる。また、静電気の発生も起こりやすく微小ゴミの吸着性向上にも効果的となる。
【0019】
また、本発明の清掃用不織布は、より優れた捕集能力を発揮するために不織布断面における非融着領域周囲の融着領域間の長さ(W)と非融着領域の厚み(H2)との比(W/H2)が4.5≧W/H2≧1.5を満たすことが重要であり、好ましくは4.0≧W/H2≧2.5である。
かかる比が4.5を超えると非融着領域の形状が扁平になり、凹凸度合の低下による拭取性の低下と繊維間の空間の小化により拭取り後のゴミの捕集空間が失われ捕集量が下がってしまい拭取り作業の効率が悪化してしまう。また、1.5未満の場合には、凹凸度合いが大きくなる方向ではあるが、凸部の変形が起こりやすくなり一旦シート内に捕集されたゴミが変形により外部へ放出されやすくなり、やはり捕集性が悪くなる。なお、本発明において、融着領域間の長さ(W)は、後述する方法にて非融着領域の最大長さ(例えば、円形なら直径、四角形なら対角線など)を測定すればよい。
また、非融着領域に充分なゴミ捕集量をもたせるためには、非融着領域の見かけ密度が、適度なものであることが好ましく、目安として、不織布全体における見かけ密度が0.05〜0.12g/cm3であることが好ましい。見かけ密度が0.05g/cm3未満であると非融着領域に取り込まれたゴミがこの部位に保持されにくくなる場合がある。逆に、0.12g/cm3を超えるとゴミが中に入り込み難く捕集しにくい場合がある。
【0020】
本発明の清掃用不織布の製造方法としては、まず上記の繊維を公知のカード法等によりウエブを製造する。繊維配向などのウエブ形態は特に限定されるものではなく、パラレルウエブ、クロスウエブ、ランダムウエブ、あるいはこれらの複合ウエブを用いることができる。中でもより製造コストを安くできる点からはパラレルウエブが好ましい。また、ウエブの目付は40〜120g/m2が好ましく、より好ましくは45〜80g/m2である。目付が40g/m2未満であると不織布の強度が維持できず使用時に破れてしまう場合がある。また、不織布が薄くゴミの捕集量も少ないものとしかならない。また、120g/m2を超えると製造コストが高価になり、また取り扱いにくくなる場合がある。
【0021】
次に、本発明では得られたウエブのシート化には熱エンボス手法を用いることが望ましいが、他の方法であっても構わない。また、水流絡合やニードルパンチ法によりウエブを予備的に絡合させた後にエンボス加工を施してもよい。エンボス法により実施する場合、一例として以下に示すような処理を実施すればよい。エンボス処理は通常の加熱された金属フラットロールと彫刻ロールとして凹部の深さが0.6〜2.5mmに作製されたものを加熱し、フラットロールと彫刻ロール間に圧力をかけ、ウエブを通過させ処理するのが好ましい。エンボスロールにおける凹部の彫刻柄は、円形、四角形、多角形など特に限定はないが、清掃用不織布とした際、不織布表面の凸部の突出性、意匠性などの観点からエンボスロール凹部の形状はφ4〜6mmの円形であることが特に望ましい。またエンボスロール凹部の深さは0.6〜2.5mmが好ましい。深さが0.6mm未満の場合、エンボス時にウエブ中の繊維が凹部の底にまで達してしまい、その結果、熱処理を過剰に受けることになり、優れた拭取り性が発現されにくい場合がある。
【0022】
加熱温度はウエブを構成する繊維種により設定すればよいが、130〜230℃の範囲が好ましい。また、圧力としては線圧で30〜70kgf/cmが好ましい。線圧が30kgf/cmに満たないと不織布の強度が発現されず融着領域の繊維も浮いたようにしか固定されずその厚みも厚くなる場合がある。一方、70kgf/cmを超えると特に厚地シートの処理の場合にはエンボス部と非エンボス部の境界部に過度の圧力が加わりその部分でシート破壊が起こりやすくなる場合がある。
【0023】
上記の加熱エンボス処理の他に、彫刻ロールとして島状の小突起を配置させたもの(小突起部の圧着部形状は、丸や多角形形状など)、上下に歯車状の凹凸を有する1対のロール間で処理する方法なども知られているが、前者は彫刻柄の突起部の高いものを選んでエンボス処理することが好ましい。エンボス突起部の高さが高ければ処理後のシートは全体的に圧縮されにくい。また、突起部の高さが低いと非エンボス部以外もロール地に触れやすく、過剰に融着等の発生が起こり、清掃用不織布としては好ましくない風合いになってしまうので注意が必要である。また、後者は上ロールの凸部に下ロールの凹部が、あるいは上ロールの凹部に下ロールの凸部が来るように歯車間に食い込ませる形態の凹凸加工方法である。このため処理シートには積極的に圧力が加えられる部位が無く、ある程度形態のでき上がったシートへの後加工が前提であるが、嵩高い凹凸加工をすることが可能である。
【0024】
また、上記したように不織布上でより嵩高な非融着領域を形成するためにもロール柄の配置も重要なファクターとなる。適度な強度と拭取り性を確保する上で融着領域は不織布面積の15〜40%を占めることが好ましく、より好ましくは20〜30%である。融着領域の面積比率が15%未満であると、不織布上の融着部が減少し、不織布の強度が得られず、逆に40%を超えると風合が硬くなる場合がある。
【0025】
また本発明の清掃用不織布に形成される非融着領域は、その表面に構成繊維の一部が不規則に突出していることがより優れた拭取り性が奏される点で特に好ましい。
すなわち、このような比較的自由度が高く、毛羽状に突出した部分がフロアーなどの拭取り面の小さな凹凸に沿って拭取ることで、優れた拭取り性能を付与できる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。なお本実施例における各物性値は、以下の方法により測定した。
【0027】
1.非融着領域と融着領域の厚み比
高精細デジタルマイクロスコープV2−6300(キーエンス社製)を用いて、無荷重下での融着領域の厚み(H1)、非融着領域の厚み(H2)を25倍にて拡大観察し、それぞれ任意の100箇所の平均値を求めた。
【0028】
2.融着領域間の長さと非融着領域の厚み比
高精細デジタルマイクロスコープV2−6300(キーエンス社製)を用いて、融着領域間の最大長さ(W)、非融着領域の厚み(H2)を25倍にて拡大観察し、それぞれ任意の100箇所の平均値を求めた。
【0029】
3.非融着領域における突出繊維
高精細デジタルマイクロスコープVH−6300(キーエンス社製)を用いて、不織布の断面を25倍に拡大し観察した。なお、断面観察は不織布中の上から見た概円形の凸部の最も短い部分の直径に沿って切断して行った。突出した繊維数の計測は、凸部の繊維集合部より明らかに突出した繊維の本数を数えた。繊維集合部の極近傍で計測を行い、遠方でループ状になってるものは2本として計測した。任意100個所の凸部の突出繊維数を計測し、その平均値を突出繊維数とし、以下の規準で判定した。
○:6本以上
△:1〜5本
×:突出繊維なし
【0030】
4.不織布の見かけ密度
30cm角に切り出した試料を4枚重ね、12gf/cm2荷重下で測定した厚みを1/4にすることにより試料1枚相当の厚み(mm)を算出した。
さらに同じ試料(30cm角4枚)の質量を測定し、1枚あたりの目付(g/m2)を求めた。
目付を厚みで割った値を見かけ密度(g/cm3)とした。
【0031】
5.拭取り性評価
赤土(JIS試験用ダスト 紛体1,7種(関東ローム))、コットンリンター0.5gをそれぞれ評価試験用ステージ上に均一に散布し、30cm(原反流れ方向)×20cm(原反巾方向)に切出した評価試料を凹凸面が外側になるように市販のフローリング清掃用器具(花王社製:クイックルワイパー)に取り付けて1往復拭取った後、器具より取り外した直後と、器具よりとりはずした不織布を5回手で振り払い、付着物を払い落とした後の質量をそれぞれ10回測定し、その平均値を初期散布のダスト量で割り、拭取り率(%)と保持率(%)を求めた。
【0032】
実施例1
ポリエチレンテレフタレート繊維(6.6dtex、カット長51mm)とポリプロピレン繊維(2.2dtex、カット長40mm)を質量比20/80にて混綿した。カードによりパラレルウエブを放出し、凸部の面積比率が25%であり、凹部の形状が円形でφ5mm、深さ2.0mmに彫刻されたエンボスロールと受けロールとしてフラットな金属ロール間へ前記ウエブを導入し熱圧着処理し、目付50g/m2の清掃用不織布を得た。このとき上下のロールの温度は、160℃、ロール間圧力は50kgf/cmであった。結果を表1に示す。
【0033】
実施例2
構成繊維としてポリエチレンテレフタレート繊維(6.6dtex、カット長51mm)とポリエステル系抗菌繊維(クラレ社製「サニター」、6.6dtex、カット長51mm)、およびポリプロピレン繊維(2.2dtex、カット長40mm)をそれぞれ質量比10/20/70の比率にて混綿し、エンボスロールの凹部の形状が円形でφ6mmの柄ロールを使用したこと以外は実施例1と同様にして清掃用不織布を得た。(表1)
【0034】
実施例3
構成繊維としてポリエステル系抗菌繊維(クラレ社製「サニター」、6.6dtex、カット長51mm)、および芯成分が再生ポリエステル、鞘成分がポリエチレンである芯鞘型複合繊維(芯鞘比率6/4、2.2dtex、カット長51mm)をそれぞれ質量比で15/85の比率にて混綿し、エンボスロールの凹部の形状がφ5.0mmで深さが1.5mmの円形の柄エンボスロールを使用し、エンボス温度を155℃に設定したこと以外は実施例1と同様にして清掃用不織布を得た。(表1)
【0035】
比較例1
ポリエチレンテレフタレート繊維(6.6dtex、カット長51mm)とポリプロピレン繊維(2.2dtex、カット長40mm)を質量比4/96にて混綿したこと以外は実施例1と同様にして清掃用不織布を得た。(表1)
【0036】
比較例2
エンボスロールとして凹部の円形がφ3.0mmのものを用いたこと以外は実施例1と同様にして清掃用不織布を得た。(表1)
【0037】
比較例3
エンボスロールとして凹部の深さが0.5mmのものを用いたこと以外は実施例1と同様にして清掃用不織布を得た。(表1)
【0038】
比較例4
第1層として融点が138℃のエチレン−プロピレン共重合体繊維(2.2dtex、カット長51mm)からなる目付10g/m2のパラレルウエブを作製した。
また第2層として、鞘成分が融点138℃のエチレン−プロピレン共重合体、芯成分が融点265℃のポリエチレンテレフタレートである芯鞘型熱接着性複合繊維(4.4dtex、カット長51mm)からなる目付25g/m2のパラレルウエブを作製した。
次いで、これらのウエブを積層し、孔径0.12mmのオリフィスが0.6mm間隔で開けられたノズルから水圧3MPaの高圧水流を表裏それぞれ2回ずつ噴射し、繊維同士を交絡させて交絡不織布とした。得られた交絡不織布をそれぞれ125℃に加熱されたエンボスロール(頂面面積0.785mm2の円錐台形小突起パターン、25個/cm2)とフラットロールの間にロール間クリアランス0mmで第1層がエンボスロールに当接するように線圧50kgf/cmで熱圧着を施し、第1層を熱収縮させて第2層に深い山谷を形成させ、清掃用不織布を得た。(表1)
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】
本発明により、様々なゴミの拭取り、捕集性に優れた清掃用不織布を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の清掃用不織布の一例を示す表面模式図。
【図2】 本発明の清掃用不織布の一例を示す断面模式図。
【符号の説明】
1:融着領域
2:非融着領域
3:突出繊維
W:融着領域間長さ
H1:融着領域厚み
H2:非融着領域厚み
Claims (3)
- 不織布の全体に非融着領域と連続した融着領域が形成されてなり、凹凸形状を有する清掃用不織布であって、該非融着領域は融着領域の厚み(H1)に比し10倍以上の厚みを有し、かつ不織布断面における非融着領域周囲の融着領域間の長さ(W)と非融着領域の厚み(H2)との比(W/H2)が4.5≧W/H2≧1.5を満足しており、さらに非融着領域の形状が直径4〜6mmの円形であることを特徴とする清掃用不織布。
- 該不織布を構成する非融着領域の表面に構成繊維の一部が不規則に突出している請求項1に記載の清掃用不織布。
- 該不織布が、少なくとも1種以上の3.3dtex以上の熱可塑性繊維(A)と、少なくとも1種以上の3.3dtex未満の熱可塑性繊維(B)を含む請求項1または2に記載の清掃用不織布。
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