JP3961345B2 - Eplマスクの加工方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、荷電粒子ビームを用いた露光マスクの加工方法に関し、特に電子ビーム露光(EPL;Electron beam Projection Lithography)で使用するEPLマスクの加工方法(修正方法)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体の製造におけるパターニング工程においては、マスクパターンが用いられる。マスクパターンは、通常は透明ガラス基板上に金属で形成されている。このマスクパターンのフォトレジストへの転写には、可視光から紫外線までの領域での波長領域の光が用いられている。ウエハ上に塗布されたフォトレジストのパターニングを行うために用いられている。
【0003】
しかし、近年回路パターンの微細化が進み、そのためナノオーダの回路パターン形成のためには、より高い解像度でのパターニングが必要とされる。この要望に応じ、光に代えて電子ビーム(EB)による露光装置が採用されるに至っている。
【0004】
電子ビームを用いた場合の電子ビーム露光用マスクとしては、例えばシリコン或いはダイヤモンドやシリコンカーバイト;SiC等の薄膜に、所要の露光用窓が打ち抜き形成されたステンシルレチクルマスク(stencil reticle)が知られている。この電子ビーム露光(EPL;Electron beam Projection Lithography)用ステンシルレチクルマスクは、例えば100kVEB露光装置に使用されてレジストへのパターン転写が行われる。
【0005】
このステンシルレチクルマスクに予め形成されたストライプ状の窓すなわち細孔の形状が設計どおりに形成されていない場合には、この欠陥窓の修正を行って設計通りの窓形状に修正する必要がある。この窓形状の修正に荷電粒子ビーム加工装置を用いた例が、文献:SPIE25th Microlithography 2000(3997−64)に開示されている。この文献に開示された装置並びに方法によれば、開口された窓寸法が大きい場合にはデポジションによって修正し、一方、開口された窓寸法が小さい場合にはエッチングによって修正している。マスクパターンの寸法は、ラインアンドスペースで約100nmオーダであり、加工精度は10nm程度が要求される。更に、このマスクの厚さは通常0.5〜2μm程度であるため、その修正には高アスペクト比の加工が要求される。そのため、該ステンシルレチクルマスクの修正のための加工(エッチング又はデポジション)時に、加工される側壁面以外の側壁面上に、エッチングの削りかす又はデポジション物質等の粒子が付着してしまい、設計通りの、綺麗な壁面を有する窓が得られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この付着は、近年のLSIの高密度化に伴い、その影響が無視できないものになっており、付着物質(又は付着粒子とも云う)の除去を行う必要がある。
【0007】
この付着物質の除去を行ってステンシルレチクルマスク(以下、単にマスクと称する場合がある。)の修正加工を行う従来例につき簡単に説明する。尚、この従来例で用いる荷電粒子ビーム照射装置は、周知の装置であって、加工されるマスク及び照射する荷電粒子ビームの位置決めを自動的に行うと共に、加工を観察するための、例えばSEM(走査電子顕微鏡)を含む表示装置(モニタ装置)と、モニタ画面上での表示でマスクの修正加工すべき領域を指定してこの指定領域内に荷電粒子ビームを自動的に照射するように制御する制御装置を具えている。したがって、このような表示装置や制御装置については、周知であるので、その詳細な説明は省略する。
【0008】
図1は、この付着の発生工程並びにその除去工程の典型図を示す。この図1を参照して、従来の付着物の発生並びにその除去について詳細に説明する。
【0009】
図1(A)は、修正されるべき窓を有するマスクを示す概略的な部分的平面図である。マスク10は、窓40が形成されているが、この窓40の対向する2つの側壁40a及び40bの一方の側壁40bの一部分に、突出部42が残存しているため、欠陥窓となっている。この突出部42をエッチング除去して、設計通りの窓形状に修正したい。図中、この突出部42の先端と他方の側壁40aとの間の開口部を12で示してある。
【0010】
図1(B)〜(E)は、加工枠を設定した際のステンシルレチクルマスクの態様を示めす概略的な拡大図である。尚、図1(B)〜(E)は、引き出された荷電粒子ビームの中心軸を含む平面内でのステンシルレチクルマスク10の断面を示す図で、図1(A)のI−I線に沿って切って取った断面図である。
【0011】
<図1(B):加工枠の設定>
エッチング除去されるべき突出部42を指定する。この指定は、主として、突出部42のエッチングで除去される最終ラインが設計上の窓40の一方の側面40bであることを指し示すために行う。このエッチング加工は、一般にモニタ用の表示画面を観ながら行うが、表示画面上で設定した加工枠(除去領域)を図中に重ねて点線20で示してある。尚。突出部42の先端を12aとして図示している。
【0012】
<図1(C):加工中>
引き出した荷電粒子ビーム30を天方向から加工枠20内にある側のマスク10の突出部42の領域にその先端面側から、図中X方向に、順次に照射する。この照射による突出部42のエッチングに伴ってエッチング面(修正加工面ともいう)12bが形成されると共に、削りかす14、すなわち除去物質が、四方八方(球状)に飛散する。そして、この除去物質14が、窓40に対向する他方の側壁40a上に付着し、堆積して堆積層14aを形成してゆく(図1(C)参照)。
【0013】
<図1(D):加工終了時>
上述したような荷電粒子ビームによるエッチング加工を図1(C)に示すX方向に順次に行ってゆく。このエッチング面が窓40の一方の壁面(側壁)40bであり、この修正加工の終了により、対向する側壁40a及び40b間が設計どおりの間隙幅を有する電子露光用の修正済み窓40として形成される。上述した図1(B)から図1(D)の修正加工の工程中に、上述した飛散粒子14が側壁40a上に堆積し続けて、窓40の側壁40a上に除去物質(削りかす14)の付着層16が形成されてしまう。
【0014】
<図1(E):付着層の除去>
従来は、この付着層16を、窓40の修正加工終了後に、荷電粒子ビーム30で一括して除去している。この除去に伴い、エッチング面40b上に新たに生成した付着物18が堆積して再付着層18aが形成されるのでこの再付着層18aを荷電粒子ビーム30で除去する。
【0015】
このようにして、一連の付着物の除去が終了する。
【0016】
しかしながら、上述した従来方法では、修正加工の終了後に再付着物の除去を一括して行っているので、再付着物がある量蓄積してくると、除去するのに長時間費やすという問題がある。
【0017】
加えて、この再付着物の除去工程で、その周辺部に新たな付着物(再々付着物)が発生する恐れがある。
【0018】
上記の問題を鑑みて、荷電粒子ビーム加工装置を電子ビーム露光装置用マスクの加工に用いた場合に発生する再付着物を短時間で除去しながら精度良く、かつ効率的にマスクパターンの加工を行うEPLマスクの加工方法の出現が嘱望されていた。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この目的の達成を図るため、この発明に係るEPLマスクの加工方法は、以下の構成並びに作用を含む。
【0020】
EPLマスクに形成された露光用窓を荷電粒子ビームを用いて加工するに当たり、窓の被修正部分を荷電粒子ビームで修正加工する修正工程と、修正加工中に被修正部分からの飛散粒子が窓の被修正部分とは異なる領域に付着して形成された付着物を荷電粒子ビームで除去する除去工程とを含み、修正工程及び除去工程の順次のサイクルをN回(Nは2以上の整数)繰り返して行う。
【0021】
このような構成並びに作用とすることで、付着物がマスクパターンに付着しても付着物の除去を行いながら加工処理を進めていくので、従って精度の高い加工が効率的にできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について、説明する。なお、図中、各構成成分の大きさ、接続関係、形状及び配置関係は、この発明が理解できる程度に概略的に示してあるにすぎず、したがって、この発明は、図示例に限定されるものではない。尚、図中、図示の構成が不明瞭とならない範囲で断面を示すハッチング等を省略してある。
【0023】
図2は、EPLマスクの構成を説明するための断面図である。
【0024】
まず、適当な試料台(図示せず)に被処理物、例えばウエハ(一般には直径10.16cm(4インチ)のシリコン、厚さ2mm)100を載置する。このウエハ100と50μm間隔を保持する形態で板状のステンシル(レチクル)マスク120を配置する。そして、このステンシルマスク120を介在して該ウエハ100に露光できるように電子ビーム線源(図示せず;電子ビーム線の概略態様を矢印で表示)を設ける。
【0025】
このステンシルマスク120は、基本的には2種類の構成要素から成る。
【0026】
一方の構成要素は、実質的に回路パターン等が存在する第一の板状体1120であり、他方の構成要素は該第一の板状体1120を主に補強する目的で、第一の板状体1120に貼り合わされた第二の板状体2120である。
【0027】
このステンシルマスク120の形状は、上記被処理物の大きさを考慮して決定すれば良い。例えば、ステンシルマスク120を直径100mmの大きさとし、第一の板状体1120の厚みは、0.5〜2.0μm、第二の板状体2120の厚みは、2mmと設定すると良い。
【0028】
また、第一の板状体1120の材質としては、好ましくはダイヤモンド若しくは炭化珪素、シリコンを適宜選択し、第二の板状体2120の材質としては、好ましくはシリコンを選択すると良い。
【0029】
このステンシルマスク120には、第二の板状体2120に貫通孔を空けることで、第一の板状体1120により、メンブレン部140が形成されており、このメンブレン部140に回路パターンが形成される。(図2参照)。
【0030】
このメンブレン部140は、機能要素を考慮して2種類の構成要素に分類される。一方は、ウエハ100に実質的に回路パターンを形成するための、電子ビーム遮蔽パターン1140であり、他方は電子ビームを貫通させるための開口部(貫通孔)2140である。換言すれば、露光用電子ビーム線に対して平行に、第一の板状体1120に細孔を設け、その細孔の周辺部が遮蔽パターン1140という形態になる。
【0031】
尚、一般にこの細孔(開口部2140)は、プラズマ化したイオンを加速して表面を叩いて削る反応性イオンエッチング(RIE)で形成される。
【0032】
このような構成のステンシルマスクを用いて、所望のパターンを露光用電子ビームでウエハに転写する。
【0033】
図3に示すように、この発明の修正加工に使用する荷電粒子ビーム照射装置50は、従来公知の装置であって、SEM或いはSIMのような周知の観察手段(図示せず)を内部に具えた構造となっている。この観察手段で撮像された映像は、制御部52を経て表示部54の表示画面上に表示される。この制御部52は、観察手段の映像制御の他、周知の通り、荷電粒子ビーム装置を作動させるための各種の制御を行うための制御信号を発生する。周知の通り、これら制御のうちの、例えば、被加工物の位置決めや、照射すべき荷電粒子ビームの発生や停止や移動、ビーム強度、ビームの中心線の傾斜角度、ビーム照射位置、被加工領域を指定する加工枠の設定等の制御は、外部から適当な入力部56からオペレータが入力して行うことが出来る。尚、この装置の動作のための制御を、自動制御とするか外部の入力部56からの入力指令に基づいて制御するかは、制御の状態に応じて任意好適に決めればよい。
【0034】
[上述のメンブレン部の加工]
<加工枠の設定工程>
次に、図4を参照して、この発明による電子ビーム露光に用いるメンブレン部140の修正加工について説明する。一旦形成したステンシルマスクの窓は、図1(A)で説明したように、例えば突出部420が残存した欠陥窓であるとする。この場合の修正加工に当たり、ステンシルマスクを荷電粒子ビーム照射装置50内にセットして、この装置を始動してメンブレン部140の画像を表示部54に表示させる。先ず、表示画面で観察画面を見ながら、入力部56を操作して修正加工すべき領域の指定を行う(図4(A)参照)。この加工枠の垂直な一辺は、突出部420の先端420aと一致させるか又は先端420aよりも窓400の対向壁面400a側へ設定する。一方、他方の垂直な一辺は、修正によりエッチングされるべき、最終ライン、従って窓400の壁面400bと一致させる。尚、突出部420の先端420aと窓400の壁面400aとの間の開口部を2140で示してある。
【0035】
<加工中(第一の照射)工程>
表示画面上で加工枠200の設定が終了した後に、入力部56を操作して図4(B)に示すように、加工枠200に開口部2140側から順次、荷電粒子ビーム(例えばFIB;Focused Ion Beam)の照射を開始させる(図4(B)参照)。このとき、既に説明したように、荷電粒子ビームは、加工枠200の領域内に照準を合わせて突出部420の先端420a側から最終ライン側へと順次に照射を行って、突出部420のエッチング除去を行う。このエッチングによって、発生した削りかす300等塵埃が、飛散粒子となって、突出部420に対向する窓400の壁面400aに付着し、付着物310として堆積する。この発明の特色は、加工枠の最終ライン400bまで行う修正加工の途中で、窓400の他の壁面領域に付着した付着物310の除去を少なくとも2回、またはそれ以上の回数にわたり繰り返し行うことにある。
【0036】
<付着物の除去工程>
この修正加工途中で、荷電粒子ビームの照準を付着物310に合わせて、荷電粒子ビームを付着物310に照射して、この付着物310を除去する。
【0037】
この修正加工中の飛散粒子が形成した付着物(付着層とも云う。)310を除去するために、荷電粒子ビームの照射位置を、エッチング面(加工面ともいう。)420bから、エッチング面に対向する側壁面400a側に移す(図4(C)参照)。この付着物310の除去を開始するタイミングを取る必要がある。
【0038】
一般的には、付着物の付着量では、付着物の除去により発生する飛散粒子の、窓の別の部分に対する再付着量が、窓を用いたパターンに実質的に影響がないと判断される間に開始し、付着物の除去により発生する飛散粒子の、窓の別の部分に対する影響があると判断された場合には、その除去を行う。以下具体的な方法を述べる。
【0039】
第一の方法は、予め任意に定めた一定の時間経過毎に、自動的又は手動的に行う方法である。その場合、修正開始時点から最初の除去開始までの時間、前回の除去から次回の除去までの時間等は同一であっても異なっていても良い。
【0040】
この除去に際し、この付着物310を荷電粒子ビームの照射により除去すると、この付着物の飛散粒子がエッチング面420b上に再付着する恐れがある。従って、最終の修正加工時、すなわち、設計通りの窓400の形状となる壁面400bが得られるときは、この壁面400b上には実質的に付着物が堆積しないようにする必要がある。この点を考慮して、エッチング面420b上への飛散粒子の再付着量が実質的に無視出来る程度に収まる範囲内の付着量だけ、壁面400aに付着物が付着していると経験的に判断して、付着物の除去開始のタイミングを決めることも出来る。
【0041】
このタイミングを決める第二の方法は、表示画面上で壁面400b上への付着物310の積層量(付着層)を観察しながら、経験的に判断する方法である。この方法であると、何回かテストを行ってマスク材料に応じて、除去のタイミングを適切に決定することが可能となる。
【0042】
また、第三の方法は、同一マスク材料につき多数回のテストを行って、マスク材料と、突出部420の先端420a及び壁面400a間の距離と、付着物310の付着量と上述した所定時間との関係のデータをとって予め制御部のメモリ(図示せず)に予め読み出し自在に格納しておく。この方法によれば、例えば入力部56からマスク材料の指定と、付着量が再付着の危険が無い範囲での突出部及び壁面間距離の指定とを行うことにより、これらを自動的に観測しながらそれに該当する所定の時間に付着物の除去を開始させることが可能になる。
【0043】
第四の方法は、付着前の壁面400aの原パターンをメモリに一旦格納する。付着開始後の付着物は、壁面のパターンを読み取ると共に、メモリから原パターンを読み出して両パターンの比較を表示部54の表示画面上でオペレータが行う。このパターンの比較像からオペレータが付着物の除去が必要であると判断した場合に、入力部56から指令を入力して付着物の除去を開始する。従って、この第四の方法の場合には、オペレータの視認により、より適切なタイミングで除去の開始時点を決めることが可能となる。
【0044】
第五の方法は、壁面400aへの、付着物310の水平方向の積層膜の一部分を基準にして、判別する方法である。この場合には、予め、マスク材料毎に、複数回のテストを重ねて、壁面400a上に付着物除去開始の基準となる、水平方向の部分的な厚みを予め定め、この厚みの基準値をデータとして或いはパターンとしてメモリに予め格納しておく。修正開始後、進行する現時点での厚みを測定するかパターンを読み取って、基準値又は基準パターンとの自動比較を制御部52において行って、付着物310の除去の開始の時点を決める。この方法の場合には、修正加工の開始時点から基準値又は基準パターンを一致又はこれを越えた(大きくなった)ときに、自動的に付着物310の除去が開始するように制御することが可能となる。
【0045】
上述したように、ある所定の時間経過後に、又は除去に適合した時点で付着物310の除去が開始する。その際、荷電粒子ビームの位置補正及び角度補正を行う。例えば、入力部56からオペレータが指令を入力して、制御部52よりの制御信号によって、荷電粒子ビームの中心線は、修正加工時には、垂直方向にあるが、この垂直方向に対して、付着物除去面が付着前の壁面と一致する様に傾斜させる。
【0046】
既に説明したとおり、この付着物の除去工程は、少なくとも2回、必要に応じてそれ以上の回数だけ、繰り返し行う。
【0047】
このサイクルをN(Nは正の整数)回繰り返した後、予め入力された回数、若しくはメモリに格納された基準データ及び基準パターンに基づいて、制御部は、付着物の除去が必要ないと判断した時点で前記サイクルを終了する。
【0048】
このように、突出部420に対する修正加工と付着物310の除去とを繰り返しながら、最終的には、加工枠200の最終ライン400bのところに荷電粒子ビームが達している。
【0049】
<再付着物の除去(第二の照射)工程>
図4(D)は、荷電粒子ビームが最終ライン400bと一致するところまで突出部420の修正加工が達し、しかも、窓400の壁面400aに付着物310が除去されている状態を示している。この際、最終ライン400bのエッチング面420c上に再付着物320が付着している場合には、この再付着物を除去するが、その付着量がパターン形成に実質的に悪影響をきたさない程度であれば、除去しなくても良い。
【0050】
<加工終了時工程>
突出部420の残存部分があるので、入力部56からの指令により、荷電粒子ビームの位置補正及び角度補正を行い、所望の窓パターン形状となるように最終的な修正加工を行う。
【0051】
図4(E)は、修正加工終了時のメンブレン部140の状態を示す図である。
【0052】
上述した修正加工処理工程を経て、一連のEPLマスクの加工が終了する。
【0053】
上述した構成例では、正規の窓パターンの内側に残存している突出部(突出パターン)に荷電粒子ビーム例えば集束イオンビームや電子ビームを照射して突出パターンをエッチング除去する例につき説明した。しかしながら、この発明は、正規の窓パターンよりも広くパターン形成されてしまっている場合に、窓壁面に形成されている凹部等に、荷電粒子ビーム支援CVD(Chemical Vapor Deposition)でEPLマスクの材料と同程度の電子散乱効率を有する材質をデポジションする場合にも適用して好適である。この方法は、まず、膜材料を含むガスをマスクに吹き付け、これに対して荷電粒子ビームを照射すると、照射部において化学反応が促進され、ガスが分解する。分解されたガスは気相成分、固相成分に分かれ、固相成分がマスク上に残り、これがデポジション層となる。従って、デポジション層形成の修正加工も、付着物除去と交互に行えばよい。
【0054】
加えて、上述したEPLマスクは、本来被処理物に対して数倍の大きさで作製したマスクを、レンズで縮小して転写するEBステッパに適用される。しかし、この発明の目的であるEPLマスクの加工(修正含む)という観点から、適宜他の装置に適用可能である。例えば、上述のEPLと本質的な原理が同じであり、低エネルギー(約2kVの低加速電子ビーム)の電子ビームで近接(本質的に1:1)投影する装置(LEEPL;Low Energy E-beam Proximity Lithography)にも適用される。
【0055】
【発明の効果】
上述した説明から明らかなように、この発明のEPLマスクの加工方法は、加工後の再付着物を除去する工程を実質的に無くすことができる。従って、加工時間を短時間で行うことができるので、EPLマスクの作製並びに修正のコスト削減(スループット向上)を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の従来例を示す図であり、(A)は、ステンシルマスクの平面図であり、(B)は、加工枠設定工程を、(C)は、エッチング工程を、(D)は、エッチング工程終了を、(E)は、付着物の除去工程を示す図である。
【図2】この発明に係るEPLマスクの構成例を示す図である。
【図3】荷電粒子ビーム装置の構成を示す図である。
【図4】この発明に係るEPLマスクの加工方法を示す図であり、(A)は、加工枠設定を、(B)は、第一の荷電粒子ビーム照射工程を、(C)は、第二の荷電粒子ビームの照射工程を、(D)は、再度第一の荷電粒子ビーム照射工程を、(E)は、加工終了を示す図である。
【符号の説明】
10:ステンシルレチクルマスク
12、2140:開口部
12a、420a:突出部の先端
12b、12c、420b、420c:エッチング面
40a、40b、400a、400b:側壁
14、300:削りかす
14a:堆積層
16:付着層
18、310:付着物
18a:再付着層
40、400:窓
20、200:加工枠
30:荷電粒子ビーム
42、420:突出部
50:観察手段付荷電粒子ビーム照射装置
52:制御部
54:表示部
56:入力部
100:ウエハ
120:ステンシル(レチクル)マスク
140:メンブレン部
320:再付着物
420c:エッチング面
1120:第一の板状体
1140:遮蔽パターン
2120:第二の板状体
Claims (8)
- EPLマスクに形成された露光用窓を荷電粒子ビームを用いて加工するに当たり、窓の欠陥部分を荷電粒子ビームで修正加工する修正工程と、該修正加工中に前記欠陥部分からの飛散粒子が前記窓の欠陥部分とは異なる領域に付着して形成された付着物を前記荷電粒子ビームで除去する除去工程とを含み、前記修正加工に伴う付着物が更なる付着の影響を生じる所定量となる前に該修正工程を中断して前記除去工程に入るようにし、この修正工程及び除去工程の順次のサイクルをN回(Nは2以上の整数)繰り返して行うことを特徴とするEPLマスクの加工方法。
- 前記欠陥部分は、前記窓の内側に突出した突出部であって、前記修正加工は、該突出部の荷電粒子ビーム照射によるエッチング除去であることを特徴とする請求項1に記載のEPLマスクの加工方法。
- 前記欠陥部分は、前記窓の外側に窪んだ凹部であって、前記修正加工は、荷電粒子ビーム支援CVDにより形成されたデポジション層で埋め込み成形する加工であることを特徴とする請求項1に記載のEPLマスクの加工方法。
- 前記付着物の除去工程は、前記被修正部分の修正加工の開始時刻から一定の時間間隔で繰り返し行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のEPLマスクの加工方法。
- 制御部と、メモリとを具えた加工装置を用い、テストによって得られた付着物の除去開始のタイミングを示すデータを予め前記メモリに格納しておき、制御部は、該データに基づいて前記付着物の除去を自動的に行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のEPLマスクの加工方法。
- 制御部と、メモリとを具えた加工装置を用い、付着物形成前の原パターンを予め前記メモリに格納しておき、前記制御部は、前記原パターンと、前記修正工程過程で読み取られたパターンを前記原パターンと比較することによって付着量を判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のEPLマスクの加工方法。
- 前記修正工程及び除去工程のサイクルをN回繰り返した後、予め入力された回数、若しくは前記メモリに格納された基準データ及び基準パターンに基づいて、制御部は、付着物の除去が必要ないと判断した時点で前記サイクルを終了することを特徴とする請求項4または6に記載のEPLマスクの加工方法。
- 被加工物に対し荷電粒子ビ−ムを走査させるための荷電粒子ビ−ム照射手段と、該手段の光学系に前記荷電粒子ビ−ムの走査を制御するための制御部と、 EPL マスク情報を格納するためのメモリを備えたEPLマスクの加工装置において、前記制御部は、前記メモリに格納されている原パターンと、前記修正工程開始後に読み取られたパターンとの比較を行って該修正加工中に前記欠陥部分からの飛散粒子が前記窓の欠陥部分とは異なる領域に付着して形成された付着物の量を検知する手段を具備し、前記欠陥を荷電粒子ビームで修正加工する途中に、その付着物の除去が必要と判断された時点で該加工を中断して前記除去工程に入るようにし、この修正工程及び除去工程の順次のサイクルをN回(Nは2以上の整数)繰り返して行う機能を備えたことを特徴とするEPLマスクの加工装置。
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