JP3963791B2 - 排水栓用レリース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レリースワイヤの遠隔操作で排水栓を開閉する排水栓用レリース、更に詳しくは開閉機構(スラストロック機構)を備えた排水栓用レリースに関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、ショックアブソーバを有する排水栓用レリースAには、図5に示す構造のものがその一例として存在している。
前記する先行技術は、浴槽等の上縁面(取付面)Bに取り付けられている収容ケース200の下部開放部を中央に開孔201aを開設した取付ナット201で開閉可能に被蓋し、その収容ケース200に鉛直状に配置した操作部1の下端にレリースワイヤ3のアウターチューブ23を取付けてインナーワイヤ13のみを内部に挿入して進退可能な操作軸31で押動可能とし、操作部1の上縁に突設した鍔部51を収容ケース200の内に当接し、その鍔部51と取付ナット201とに亘ってショックアブソーバ用の圧縮弾機5を介在し、操作部1内にインナーワイヤ13の戻し弾機6を介装した構造になっている。
【0003】
ところで、レリースワイヤ3には、様々な状況下で負荷がかかる。
閉栓状態に踏みつける等して栓蓋に押圧力が掛かっている状態で押し釦41を誤って押動操作してしまったり、押し釦41を押動操作している最中に栓蓋に落下物で荷重が掛ったりする場合もその一例として挙げられる。
このような場合には、策を講じなければインナーワイヤ13が逃げ場を失い、座屈してしまう。
このような状態下にあっては、先行技術はショックアブソーバ用の圧縮弾機5のバネ力に抗して、操作部1自体が下降して対応するため、インナーワイヤ13の座屈を防止することができる。
【0004】
しかしながら、ショックアブソーバ用の圧縮弾機5を介装するための大形な収容ケース200を必須とし、設備コストが高騰してしまうし、排水栓用レリースAをメンテナンスする際には、レリースワイヤ3両端の操作部1や排水部を分解する前段階で、取付ナット201と、圧縮弾機5と、排水栓用レリース(レリースワイヤの端部に操作部、排水部を有する)Aの3パーツに分解する必要が生じ、メンテナンス時の取り扱いを煩雑なものにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、閉栓状態に踏みつける等して栓蓋に押圧力が掛かっている状態で押し釦を誤って押動操作してしまったり、押し釦を押動操作している途中に栓蓋に落下物で荷重が掛ったりした場合等にアウターチューブの伸びに対する負荷を低減した上にインナーワイヤの座屈を防止し、しかも大掛かりにならず、構造も簡単な排水栓用レリースを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために講じた技術的手段は、操作部内に一端側から挿入されるレリースワイヤから突出するインナーワイヤを該操作部に他端側から進退可能に設けられる操作軸で押動可能とし、前記操作部内のアウターチューブ内端に形成した鍔状受け部と、その鍔状受け部よりも排水栓側の操作部内とに亘ってレリースワイヤを囲繞する圧縮弾機を介装してショックアブソーバを構成し、前記鍔状受け部を操作部内の中途部に設けたチューブ当て部に当接し、前記インナーワイヤを、前記チューブ当て部を通過させて前記操作軸で押動可能に連絡していることを特徴とする排水栓用レリースである(請求項1)。
【0007】
以上の手段にあっては、閉栓状態に踏みつける等して栓蓋に押圧力が掛かっている状態で押し釦を誤って押動操作したり、押し釦を押動操作している途中に栓蓋に落下物で荷重が掛ったりして栓蓋が押し上げられずにインナーワイヤが逃げ場を失うようなケースの場合に、アウターチューブに弾性的な伸延応力が生じて、その伸延応力が圧縮弾機からなるショックアブソーバを圧縮してアウターチューブの両端部間を接近させ、それによってインナーワイヤの逃げ場を確保して同インナーワイヤの座屈変形を防止する。
そして、その操作部は一端側から操作軸を進退可能に挿入し、他端側からレリースワイヤを挿入する細径な筒体形状であれば良く、小型、コンパクトである。
【0008】
そして、鍔状受け部は、アウターチューブの開放端に形成した肉厚状鍔部におけるアウターチューブ本体側の立面にアウターチューブ本体に外嵌挿するバネ受け座板を掛止し、該バネ受け座板は、その裏面に肉厚状鍔部の前記立面に喰込み掛止する爪部を突出状に有していると、その肉厚な鍔部の剛性と、その鍔部に喰い込む爪部付き座板の喰い込み固定による安定したバネ受け座板との剛性とが相俟ってショックアブソーバ(圧縮弾機)の一端部を安定的に支持する(請求項2)。
【0009】
また、操作部は、水平状の取付面に鉛直状に設けられ、操作軸とチューブ当て部との間にインナーワイヤを囲繞して戻し弾機を鉛直方向を向いて介装し、該チューブ当て部は戻し弾機の下端側をクリアランスを介して伸縮可能に案内する凹部からなる弾機案内部を有する場合も有効なものである(請求項3)。
一般的に排水栓用レリースは、操作部を浴槽や洗面器等の容体の上縁面(取付面)に対して鉛直状に取り付けられ、排水部側と同様に操作部側にも戻し弾機を介装して、操作軸先端の押し釦を、開栓時(図3参照)に閉栓時(図1参照)と同等(若干低い)高さ位置に戻すようになっている。操作部内の戻し弾機は、その当り側の端部、即ち下端側が弾機案内部に伸縮可能に遊嵌合されてインナーワイヤと直交する方向に大きく移動するのを回避してインナーワイヤに干渉するのを防止される。
【0010】
そして、操作部は長さ方向に2分割化された筒状の分割体からなり、該分割体は相互の端部同士の接続で組付けられ、前記チューブ当て部は、同接続で周縁部が挟持されて取り付けられるようにしてあると、同チューブ当て部を支持する上で好適なものである(請求項4)。
ここで、前記接続としては、捻じ込みが好適である。
【0011】
更に、チューブ当て部は、前記弾機案内部周縁に挟持用鍔部を形成した構成であると好適なものである(請求項5)。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明排水栓用レリースの一実施の形態を図面に基づいて説明すると、図面において、符号Aは排水栓用レリースである。
【0013】
この排水栓用レリースAは、操作部1、排水部2、その操作部1と排水部2とを連結するレリースワイヤ3とを備えた周知の形態になっており、その操作部1を浴槽の上縁面(取付面)Bに鉛直状に取着される。
【0014】
操作部1は、長さ方向、即ち上下方向に分割された2つの筒状分割体11、21を筺体としている。下記では、筒状分割体11を上半部、筒状分割体21を下半部と称する。
上半部11は、上端部に浴槽等の上縁面を取付面Bとして掛止して取着する鍔部111を、また下端部に周面に雄螺子111aを螺設している。
また、下半部21は、前記雄螺子111aが螺合する雌螺子211aを内周面に螺設した被螺子筒211を一体に形成し、前記雄螺子111aと該被螺子筒211との螺合で前記上半部11とこの下半部21とが分解可能に接続されるようになっている。
尚、前記上記上半部11と下半部21との接続はスナップフィット、その他の構造であっても良いものである。
【0015】
符号4は、チューブ当て部であり、図2に示すように前記下半部21の内周面に嵌合状となる凹部からなる弾機案内部14と、その弾機案内部14の開放縁に下半部21と上半部11との接続時に挟持される挟持用鍔部141とを合成樹脂をもって一体に形成し、弾機案内部14の底中心にインナーワイヤ13の通孔142が開孔させてある。
【0016】
レリースワイヤ3の操作部1側の一端は、前記下半部21の下端から内部に挿入して、インナーワイヤ13のみを前記通孔142を通過させて上半部11の上端から内部に挿入される操作軸31の内端に連結すると共にアウターチューブ23の内端を前記弾機案内部14の下面に当接させてなり、そのアウターチューブ23内端と下半部21下端との間にレリースワイヤ3を囲繞する圧縮弾機からなるショックアブソーバ5を介在させてある。
操作軸31には、その上端に押し釦41が設けられている。
【0017】
また、前記アウターチューブ23の内端には、鍔状受け部231が形成してある。
前記鍔状受け部231は、図2に示すようにアウターチューブ23の開放端に形成した肉厚状鍔部231aにおけるアウターチューブ本体(肉厚状鍔部間のアウターチューブ)23‘側の立面にアウターチューブ本体23‘に外嵌挿するバネ受け座板231bを掛止して形成されている。
【0018】
前記肉厚状鍔部231aは、2mm程度の厚みをもって鍔状に周設され、バネ受け座板231bの裏面に輪状をもって突出した爪部231b‘を前記立面に喰い込み掛止することによって、その肉厚な鍔部231a自体の剛性と、その鍔部231a自体に喰い込んで安定する爪部付き座板231bの剛性とが相俟ってショックアブソーバ(圧縮弾機)5の一端部を安定して支持することができるようになっている。
【0019】
また、上半部11には、一端側、即ち上端側から操作軸31が進退可能に挿入され、上半部11の下端側から挿入されるレリースワイヤ3のインナーワイヤ13の内端をその操作軸31内端と連結して操作軸31の進退でインナーワイヤ13を押動できるようにしてあり、その連結部と、前記凹部からなる弾機案内部14底との間にインナーワイヤ13を囲繞する戻し弾機6が介装されている。
この戻し弾機6は、図2に示すように下端側を凹部からなる弾機案内部14の内周面との間にクリアランスをもって伸縮可能に遊嵌合されている。
これによって、戻し弾機6がインナーワイヤ13と直交する方向に大きく移動するのを回避されて、戻し弾機6がインナーワイヤ13と防止することがないようにしてある。
【0020】
尚、レリースワイヤ3の他端側である排水部2は、周知なように、排水口100の口芯に設置される案内筒7の下端にアウターチューブ23の他端を固定すると共に、栓蓋8の支持軸18を、案内筒7の上端側から進退可能に挿入し、その支持軸18を案内筒7内に進入するインナーワイヤ13の他端側で押動可能とし、支持軸18と案内筒7との間にスラストロック機構(ラチェット機構)Sを介在し、更にその支持軸18に閉栓方向に付勢する戻し弾機9を設けた構成にしてあり、開栓時には回転歯を戻し弾機9のバネ力に抗して下方向に押動して案内筒7内面の係止歯に係止し(図3参照)、閉栓時にはその戻し弾機9のバネ力で支持軸18が強制的に下降して栓蓋8が排水口100縁にフィットするようになっている(図1参照)。
【0021】
以上のように構成されている排水栓用レリースAは、閉栓時に排水部2側の戻し弾機9のバネ力でインナーワイヤ13を操作部1側に押動することによって操作軸31並びに押し釦41を復帰位置に押動させている(図3参照)。この時、操作部1側の戻し弾機6は伸び切った状態にある(図1参照)。この状態で押し釦41を押動操作すると、操作部1側及び排水部2側の戻し弾機6、9を圧縮してインナーワイヤ13を下降させ他端側を上昇させ支持軸18を上昇させて開栓する。この開栓時の押し釦41は操作部1側の戻し弾機6のみの復元力で閉栓時よりは若干低い位置に復帰する(図3参照)。
そして、閉栓状態に踏みつける等して栓蓋8に押圧力が掛かっている状態で押し釦41を誤って押動操作してしまったり、押し釦41を押動操作している途中に栓蓋41に落下物Mで荷重が掛ったりした場合には、図4に示すようにショックアブソーバ5を圧縮しアウターチューブ23両端部間を接近させてインナーワイヤ13が逃げる余裕を自ずと作り出すので、アウターチューブ23に負担を掛けずにインナーワイヤ13の座屈変形を防止する。
【0022】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したから、閉栓状態に踏みつける等して栓蓋に押圧力が掛かっている状態で押し釦を誤って押動操作したり、押し釦を押動操作している途中に栓蓋に落下物で荷重が掛ったりして栓蓋が押し上げられずにインナーワイヤが逃げ場を失うような場合でもインナーワイヤの逃げ場を確保して同インナーワイヤの座屈変形を防止すると共にアウターチューブの伸びに対する負荷を低減し、耐久性を向上させることができる。
しかも、先行技術のようにショックアブソーバ(圧縮弾機)を介装するための操作部用の収容ケースを製作用意する必要が無く、大掛かりにならず、しかもメンテナンス時に排水栓用レリース以外に取付ナット、圧縮弾機が分解されることもなく、メンテナンスが煩雑にならないし、小型且つコンパクトである。
【0023】
そして、ショックアブソーバとなる戻し弾機の一端側を支持する構成として、アウターチューブの開放端に形成した肉厚状鍔部におけるアウターチューブ本体側の立面にアウターチューブ本体に外嵌挿してバネ受け座板裏面の爪部を喰い込み掛止させた構成を採用しているから、構造簡単でありながら、アウターチューブに対してショックアブソーバの一端部を安定且つ確実に支持することができる。
【0024】
その上、インナーワイヤを囲繞して操作軸との間に介在される戻し弾機の下端の受け部であるチューブ当て部として、戻し弾機の下端側の伸縮をクリアランスを介してガイドする凹部からなる弾機案内部を有する構成にしているため、戻し弾機の直交方向へのスライドが弾機案内部で防止されて、操作部内の戻し弾機がインナーワイヤに干渉することを回避し、戻し弾機がインナーワイヤに擦れて金属異音を発生させるような虞れがない。
【0025】
しかも、操作部は長さ方向に2分割化された筒状の分割体からなり、該分割体は相互の端部同士の接続で組付けられ、前記チューブ当て部は、同接続で周縁部が挟持されてセットされるようになっており、弾機案内部を有するそのチューブ当て部の分割体への取付が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 閉栓状態を示す正面断面図で中間省略して示す。
【図2】 その要部の拡大断面図。
【図3】 開栓状態を示す正面断面図で中間省略して示す。
【図4】 ショックアブソーバ用の圧縮弾機が圧縮された状態を示す正面断面図で中間省略して示す。
【図5】 従来の排水栓用レリースの要部の拡大断面図。
【符号の説明】
A:排水栓用レリース 1:操作部
31:操作軸 3:レリースワイヤ
13:インナーワイヤ 23:アウターチューブ
231:鍔状受け部 41:押し釦
5:ショックアブソーバ 4:チューブ当て部
231a:肉厚状鍔部 23‘:アウターチューブ本体
231b:バネ受け座板 231b‘:爪部
6:戻し弾機(操作部側) 14:弾機案内部
11、21:分割体(上半部、下半部) 2:排水部
9:戻し弾機(排水部側) 141:挟持用鍔部

Claims (5)

  1. 操作部内に一端側から挿入されるレリースワイヤから突出するインナーワイヤを該操作部に他端側から進退可能に設けられる操作軸で押動可能とし、前記操作部内のアウターチューブ内端に形成した鍔状受け部と、その鍔状受け部よりも排水栓側の操作部内とに亘ってレリースワイヤを囲繞する圧縮弾機を介装してショックアブソーバを構成し、前記鍔状受け部を操作部内の中途部に設けたチューブ当て部に当接し、前記インナーワイヤを、前記チューブ当て部を通過させて前記操作軸で押動可能に連絡していることを特徴とする排水栓用レリース。
  2. 前記鍔状受け部は、アウターチューブの開放端に形成した肉厚状鍔部におけるアウターチューブ本体側の立面にアウターチューブ本体に外嵌挿するバネ受け座板を掛止し、該バネ受け座板は、その裏面に肉厚状鍔部の前記立面に喰込み掛止する爪部を突出状に有していることを特徴とする請求項1記載の排水栓用レリース。
  3. 前記操作部は、水平状の取付面に鉛直状に設けられ、操作軸とチューブ当て部との間にインナーワイヤを囲繞して戻し弾機を鉛直方向を向いて介装し、該チューブ当て部は戻し弾機の下端側をクリアランスを介して伸縮可能に案内する凹部からなる弾機案内部を有することを特徴とする請求項1または2記載の排水栓用レリース。
  4. 前記操作部は長さ方向に分割化された筒状の2つの分割体からなり、該分割体は相互の端部同士の接続で組付けられ、前記チューブ当て部は、同接続で周縁部が挟持されて取付られることを特徴とする請求項3記載の排水栓用レリース。
  5. 前記チューブ当て部は、前記弾機案内部周縁に挟持用鍔部を形成した構成であることを特徴とする請求項4記載の排水栓用レリース。
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