JP3970366B2 - パンチプレスの成形加工方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、板状のワークに成形加工を行うパンチプレスの成形加工方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ラムでパンチを打撃する油圧シリンダを備えたパンチプレスにおいては、パンチとダイの成形金型に対する所望の成形高さを得るために、前記ラムのストロークを徐々に変化させて何度も試験的に成形加工(試打ち)をする。換言すれば、試打ちのときにラムの下降端位置を徐々に深くしていき所望の成形高さを決定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のパンチプレスにおける成形加工方法及び装置においては、特に新規の成形金型を客先に納入時、客先のパンチプレスを用いて前記新規の成形金型に対する所望の成形高さを得るために何度も試打ちをしている。以上のような新規の成形金型の試打ちをするために、客先においても試打ちの時間や試打ち用の成形素材を多く必要とするという問題点があった。
【0004】
本発明は叙上の課題を解決するためになされたもので、その目的は、客先における新規の成形金型の試打ちをなくすことにより試打ちの時間や試打ち用の成形素材の無駄を省くようにしたパンチプレスの成形加工方法及び装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1によるこの発明のパンチプレスの成形加工方法は、油圧シリンダにより上下動自在なラムでパンチを打撃し、このパンチとダイとの成形金型によりワークを成形するパンチプレスの成形加工方法において、前記成形金型による試験的な成形加工時に得た所望の成形高さを前記ラムの下降端位置で表される下降端パラメータで表わすと共に、前記試験的な成形時の成形トン数を前記下降端パラメータを得たときの油圧シリンダの圧力で表わされる圧力パラメータで表わし、前記下降端パラメータと圧力パラメータとの両方をパンチプレスの制御装置の記憶装置に予め入力し、実際の製品の成形加工時には、検出されたラムの下降端位置又は油圧シリンダの圧力の少なくとも一方が前記記憶装置に記憶された下降端パラメータ又は圧力パラメータの値に達したときに前記ラムの下降を停止した後ラムを上昇して成形加工を終了することを特徴とするものである。
【0006】
したがって、パンチプレスの制御装置の記憶装置には、例えば金型メーカ側で新規の成形金型に対する試験的な成形加工(試打ち)時に得た所望の成形高さを表すラムの下降端位置の下降端パラメータと、成形時の成形トン数を前記下降端パラメータを得たときの油圧シリンダの圧力を表す圧力パラメータとの両方のパラメータを予め入力しておくことにより、客先での実際のワークの成形加工時には、新規の成形金型に対する試打ちをしなくとも、下降端パラメータ又は圧力パラメータの少なくとも一方のパラメータでもって成形加工が行なわれて適正な成形加工品が得られる。
【0007】
請求項2によるこの発明のパンチプレスの成形加工装置は、パンチプレスにおけるパンチを打撃するラムを備えた油圧シリンダと、この油圧シリンダに油圧供給源からの圧油を供給並びに排出せしめて前記ラムの上下動の位置を調整せしめるバルブと、前記ラムの下降端位置を検出する位置検出装置と、前記油圧シリンダの加圧時の圧力を検出する圧力センサと、パンチとダイの成形金型による試験的な成形加工時に得た所望の成形高さを、前記ラムの下降端位置で表される下降端パラメータと、前記下降端パラメータを得たときの油圧シリンダの圧力で表される圧力パラメータとを予め記憶する記憶装置と、実際の成形加工時に前記位置検出装置により検出されるラムの下降端位置又は前記圧力センサにより検出される油圧シリンダの圧力の少なくとも一方が前記記憶装置に予め記憶されている下降端パラメータ又は圧力パラメータの値に達したときに、成形加工を終了すべくラムの下降を停止し且つ上昇するよう前記バルブを制御する制御装置と、からなることを特徴とするものである。
【0008】
したがって、上記の請求項1記載の作用と同様に、パンチプレスの制御装置の記憶装置には、例えばメーカ側で新規の成形金型に対する試験的な成形加工(試打ち)時に得た所望の成形高さを表すラムの下降端位置の下降端パラメータと、成形時の成形トン数を前記下降端パラメータを得たときの油圧シリンダの圧力で表す圧力パラメータの両方のパラメータを予め制御装置に入力しておく。
【0009】
客先での実際のワークの成形加工時には、位置検出装置により検出されるラムの下降端位置又は前記圧力センサにより検出される油圧シリンダの圧力の少なくとも一方が前記記憶装置に予め記憶されている下降端パラメータ又は圧力パラメータの値に達したときに、制御装置によりバルブが制御されてラムの下降を停止し且つ上昇するので、客先では新規の成形金型に対する試打ちをしなくとも適正な成形加工品が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のパンチプレスにおける成形加工方法及び装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図2を参照するに、本実施の形態に係わるパンチプレスとしての例えばタレットパンチプレス1は、ベース3の両側に立設したサイドフレーム5,7に上部フレーム9の両側が支持された態様のフレーム構造で構成されている。前記上部フレーム9の下部には、多種類のパンチ11を着脱交換自在に備えた円盤状の上部タレット13が回転自在に装着されている。また、前記ベース3の上面には、上部タレット13に対向した下部タレット15が回転自在に装着されており、この下部タレット15には、多種類のパンチ11と対向した多数のダイ17が円弧状に配置され且つ着脱交換自在に装着されている。前記上部タレット13の軸心と下部タレット15の軸心とは同一軸心に配置されており、この上部タレット13と下部タレット15は、数値制御装置のような適宜の制御装置(図示省略)の制御によって、同方向へ同期して回転される。
【0012】
前記上部フレーム9の下面におけるほぼ中央部には、ラム19が上下動自在に装着されている。このラム19は上部フレーム9に装着された油圧シリンダ21のラム23の下端部に連結されている。パンチ11が上部タレット13および下部タレット15の回転によってラム19の下方へ割出し位置決めされ、この位置決めされたパンチ11は前記油圧シリンダ21のピストンロッド23の上下動によりラム19も上下動してラム19によりパンチ11が打撃されるものである。
【0013】
なお、タレットパンチプレス1にはワークWを前後左右方向へ移動位置決めするためのワークWの移動位置決め装置25が設けられており、その把持装置27にワークWが把持される。この移動位置決め装置25は数値制御等の制御装置によって制御されワークWをパンチ11とダイ17との間の適宜位置へ位置決めするものである。
【0014】
したがって、上部タレット13に装着したパンチ11と下部タレット15に装着したダイ17が加工位置に割り出されたパンチ11とダイ17との間に、板状のワークWを位置決めした後に、ラム19によってパンチ11が打撃されることにより、パンチ11とダイ17によってワークWに成形加工が行われるのである。
【0015】
以下、本実施の形態の例に係わる油圧シリンダ21及びこの油圧シリンダ21のストロークを制御する制御装置について、詳しく説明する。
【0016】
図1を参照するに、油圧シリンダ21の加圧室29と背圧室31は例えばサーボバルブ33(位置調整バルブ)を介して油圧供給源に連結されている。前記サーボバルブ33を切換えることにより、油圧ポンプ35の作動により油圧供給源からの圧油が加圧室29(又は背圧室31)へ供給され、背圧室31(又は加圧室29)の圧油が油圧タンク37へ排出されるよう構成されている。したがって、油圧シリンダ21のピストンロッド23はサーボバルブ33の切換により上下動の位置が調整自在であるので、ラム19のストローク量Sは自在に調整できる。
【0017】
なお、前記油圧シリンダ21にはラム23の下降端位置を検出する位置検出装置39が設けられており、この位置検出装置39は上記のサーボバルブ33と後述する制御装置41に電気的に接続されている。
【0018】
前記位置検出装置39としては、例えば、油圧シリンダ21の側壁にピストンロッド23の位置を検出するためのポテンションメータなどの位置検出器43が固定されており、この位置検出器43はサーボアンプ45を介してサーボバルブ33に電気的に接続されており、このサーボバルブ33は制御装置41に電気的に接続されている。
【0019】
前記制御装置41からの位置指令電圧がサーボアンプ45に入力されると、サーボバルブ33のソレノイドSOL1に電流が流れてサーボバルブ33が開き、油圧シリンダ21を作動する。この油圧シリンダ21の位置は前記位置検出器43により検出された検出信号がサーボアンプ45にフィードバックされる。このサーボアンプ45に入力された位置指令電圧とフィードバック電圧により、油圧シリンダ21の上下動が制御される。例えば、サーボアンプ45に入力された位置指令信号がソレノイドSOL1をONし、サーボバルブ33を作動すると、油圧供給源からの圧油が油圧シリンダ21の加圧室29へ供給され、背圧室31の圧油が油圧タンク37へ排出されてピストンロッド23が下降する。ピストンロッド23が所望のストローク量Sまで下降したことを検出したとき、位置検出器43の検出信号がサーボアンプ45へ入力されることにより、ソレノイドSOL1がOFFとなり、サーボバルブ33が閉じて停止する。次いで、ソレノイドSO2がONとなり、サーボバルブ33が作動してピストンロッド23が上昇する。
【0020】
また、前記油圧シリンダ21の加圧室29とサーボバルブ33間の管路47には圧力センサ49が設けられており、この圧力センサ49は制御装置41に電気的に接続されている。油圧シリンダ21が下降し、ピストンロッド23を介してラム19がパンチ11を打撃した時の油圧シリンダ21の加圧力が前記圧力センサ49により検出され、この検出された検出信号は制御装置41に入力される。
【0021】
前記制御装置41には入力装置51と表示装置53とメモリ55(記憶装置)と比較判断装置57が備えられ、それぞれ中央処理装置59に電気的に接続されている。
【0022】
タレットパンチプレス1のパンチ11とダイ17との成形金型61による成形加工では、ダイ17に対するパンチ11の成形深さ(成形高さ)や、油圧シリンダ21の加圧力などの要素が成形加工品の精度や成形加工速度等に大きな影響を及ぼすものである。
【0023】
前記成形高さはラム19の下降端位置のストローク量Sで表され、このストローク量Sは制御装置41において「下降端パラメータ」として表され、この下降端パラメータは成形パラメータの一つのパラメータである。
【0024】
また、ラム19によりパンチ11を打撃した時の成形トン数を、制御装置41では油圧シリンダ21の加圧力で「圧力パラメータ」として表され、この圧力パラメータは成形パラメータのもう一つのパラメータである。
【0025】
これらの下降端パラメータと圧力パラメータは、入力装置51により入力され予めメモリ55に記憶される。
【0026】
前記比較判断装置57では前記メモリ55に予め記憶されている下降端パラメータと圧力パラメータのデータに対して、実際の成形加工時における位置検出装置39からのラム19の下降端位置並びに油圧シリンダ21の加圧力をそれぞれ比較するもので、前記ラム19の下降端位置又は油圧シリンダ21の加圧力の少なくとも一方が前記下降端パラメータ又は圧力パラメータの値に達したときに、制御装置41が前述したサーボアンプ45を介してサーボバルブ33に油圧シリンダ21のラム23の下降を停止し且つ上昇させる指令を発生するように構成されている。
【0027】
以下、上記のタレットパンチプレス1の構成に基づいて作用を説明する。
【0028】
メーカ側は新規の成形金型61を製作後、この新規の成形金型61をメーカ側のタレットパンチプレスを用いて試打ちをする際、パンチ11とダイ17の成形金型61に対する所望の成形高さを得るために、ラム19のストローク量Sを徐々に変化させ、換言すれば、ラム19の下降端位置を徐々に深くしていき所望の成形高さを決定する。この所望の成形高さを得たときの油圧シリンダ21の加圧力も前記メーカ側のタレットパンチプレスの圧力センサ49により検出し、この加圧力を圧力パラメータのデータとして、また前記成形高さを下降端パラメータのデータとして得て記憶せしめておく。
【0029】
前記新規の成形金型61を客先に納入時、メーカ側での新規の成形金型61に対する試打ちの際に得られた上記の圧力パラメータと下降端パラメータのデータが、本実施の形態の例に係わる客先のタレットパンチプレス1の制御装置41内に入力装置51を用いて入力される。
【0030】
したがって、客先のタレットパンチプレス1では新規の成形金型61に対する試打ちをしなくとも、実際の成形加工を行うことができる。すなわち、実際の製品の成形加工時、タレットパンチプレス1に位置決めされたワークWに対して油圧シリンダ21のピストンロッド23が下降しラム19を介してパンチ11を打撃すると、このときのラム19の下降端位置を検出した位置検出器43による検出信号と、油圧シリンダ21の加圧力を検出した圧力センサ49による検出信号が制御装置41に送られる。
【0031】
制御装置41内の比較判断装置57により、上記のラム19の下降端位置又は油圧シリンダ21の加圧力の少なくとも一方が、メモリ55に予め記憶されている下降端パラメータ又は圧力パラメータの値に達したときに、制御装置41からサーボバルブ33に発生される指令により、油圧シリンダ21のラム23の下降が停止した後上昇し、ワークWに対して所望の成形高さで成形加工が終了される。
【0032】
なお、この発明は前述した実施の形態の例に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。
【0033】
【発明の効果】
以上のごとき実施の形態の例から理解されるように、請求項1の発明によれば、 パンチプレスの制御装置の記憶装置には、例えばメーカ側で新規の成形金型に対する試験的な成形加工(試打ち)時に得た所望の成形高さを表すラムの下降端位置の下降端パラメータと、成形時の成形トン数を前記下降端パラメータを得たときの油圧シリンダの圧力を表す圧力パラメータとの両方を予め入力しておくだけで、客先での実際のワークの成形加工時には、新規の成形金型に対する試打ちをしなくとも、制御装置により所望の成形高さで成形加工を行なうことができるので適正な成形加工品を得ることができる。
【0034】
請求項2の発明によれば、上記の請求項1記載の効果と同様であり、例えばメーカ側では新規の成形金型に対する試験的な成形加工(試打ち)をする必要があり、この時に所望の成形高さを表すラムの下降端位置の下降端パラメータと、成形時の成形トン数を前記下降端パラメータを得たときの油圧シリンダの圧力を表す圧力パラメータとを得ることができる。
【0035】
客先での実際のワークの成形加工時には、新規の成形金型に対する試打ちをしなくとも、前記下降端パラメータと圧力パラメータを客先のパンチプレスの制御装置の記憶装置に予め入力しておくだけで、制御装置によりバルブが制御されて所望の成形高さでラムの下降を停止した後、上昇させるので、適正な成形加工品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例を示すもので、油圧シリンダ及びこの油圧シリンダのストロークを制御する制御装置の概略を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態の例を示すもので、タレットパンチプレスの側面図である。
【符号の説明】
1 タレットパンチプレス(パンチプレス)
11 パンチ
13 上部タレット
15 下部タレット
17 ダイ
19 ラム
21 油圧シリンダ
23 ラム
29 加圧室
31 背圧室
33 サーボバルブ
39 位置検出装置
41 制御装置
43 位置検出器
49 圧力センサ
55 メモリ(記憶装置)
57 比較判断装置
61 成形金型
Claims (2)
- 油圧シリンダにより上下動自在なラムでパンチを打撃し、このパンチとダイとの成形金型により板状のワークを成形するパンチプレスの成形加工方法において、
前記成形金型による試験的な成形加工時に得た所望の成形高さを前記ラムの下降端位置で表される下降端パラメータで表わすと共に、前記試験的な成形時の成形トン数を前記下降端パラメータを得たときの油圧シリンダの圧力で表わされる圧力パラメータで表わし、前記下降端パラメータと圧力パラメータとの両方をパンチプレスの制御装置の記憶装置に予め入力し、
実際の製品の成形加工時には、検出されたラムの下降端位置又は油圧シリンダの圧力の少なくとも一方が前記記憶装置に記憶された下降端パラメータ又は圧力パラメータの値に達したときに前記ラムの下降を停止した後ラムを上昇して成形加工を終了することを特徴とするパンチプレスの成形加工方法。 - パンチプレスにおけるパンチを打撃するラムを備えた油圧シリンダと、
この油圧シリンダに油圧供給源からの圧油を供給並びに排出せしめて前記ラムの上下動の位置を調整せしめるバルブと、
前記ラムの下降端位置を検出する位置検出装置と、
前記油圧シリンダの加圧時の圧力を検出する圧力センサと、
パンチとダイの成形金型による試験的な成形加工時に得た所望の成形高さを前記ラムの下降端位置で表される下降端パラメータと、前記下降端パラメータを得たときの油圧シリンダの圧力で表される圧力パラメータとを予め記憶する記憶装置と、
実際の成形加工時に前記位置検出装置により検出されるラムの下降端位置又は前記圧力センサにより検出される油圧シリンダの圧力の少なくとも一方が前記記憶装置に予め記憶されている下降端パラメータ又は圧力パラメータの値に達したときに、成形加工を終了すべくラムの下降を停止し且つ上昇するよう前記バルブを制御する制御装置と、からなることを特徴とするパンチプレスの成形加工装置。
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