JP3984809B2 - 凝縮水排出装置及びそれを備えた油冷式圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は汎用圧縮機に係り、特に圧縮過程で圧縮室内に油を噴射して圧縮ガスを冷却する油冷式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の汎用空気圧縮機では、圧縮機またはドライヤーで発生した凝縮水を、フロート式の凝縮水排出装置であるドレントラップを用いて排出していた。その他の方法としては、所定時間ごとに、所定時間だけ開弁する電磁弁を設けて凝縮水を排出する方法がある。そのような例が特開平11−351497号公報に記載されている。この公報では、空気圧縮機の運転時間を積算手段が積算し、その積算値が設定値に達したら排出タイマーが作動して、凝縮水の排出弁を開放している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
汎用空気圧縮機を運転すると、空気中に含まれる水分が凝縮してドレンが発生する。このドレンをそのまま放置しておくと、錆等が発生し圧縮機や圧縮空気を使用する機器に悪影響を与える。そのため、このドレンを定期的に排出している。また圧縮機が圧縮過程において潤滑油を噴射する油冷式圧縮機の場合には、ドレンに圧縮機に使用される潤滑油の一部が混入していることが多い。そこで、一般河川に排水できるようにドレンを処理して、水質汚濁防止条例等によって定められた基準値以下の油分濃度まで油分を低減させている。
【0004】
ところで、ドレンを処理するためのフロート式の凝縮水排出装置では、フロートを上下させるためにリンク機構を必要とする。しかしながら、リンク機構はドレンにより腐食したり汚れを発生したりして、動作不全を起こす恐れがあった。また凝縮水の排出口を大気に開放する必要があるが、配管などの抵抗で背圧を生じるとフロートに掛かる力のバランスがくずれ、動作不良を起こす恐れがある。さらに、圧縮機本体の下流に凝縮水中の油分を分離する装置を接続すると、背圧抵抗が発生して凝縮水を安定して排出するのが困難になる場合がある。
【0005】
また、ドレン排水装置がタイマーと電磁弁を備えるときは、凝縮水の発生量が変動するにもかかわらず、一定時間だけ弁を開くようにしているので、凝縮水を排出した後に圧縮空気も排出される場合が生じる。圧縮空気を排出するとエネルギーが無駄に浪費される。また、下流に凝縮水中の油分を分離する装置が接続されていると、油分離装置内が圧縮空気で加圧され、油分離装置全体を耐圧構造にする必要がある。その結果、油分離装置が大型化するとともにコストアップする。
【0006】
さらに、親油性の吸着材を用いて油分離するときは、吸着材が圧縮空気により必要以上に加圧されたり、収納容器内で移動する恐れがある。この場合、加圧により吸着材が押し縮められ凝縮水が浸透しにくくなったり、吸着材同士がこすれて劣化したり、油分をバイパスする通路が形成されたりする。
【0007】
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、信頼性の高い油分離装置及びそれを有する圧縮機を実現することにある。本発明の他の目的は、圧縮空気を無駄に消費しない高性能な圧縮機を実現することにある。本発明はこれらの目的の少なくともいずれかを達成することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、作動ガスの圧縮流路中に油を噴射して作動ガスを冷却する油冷式圧縮機に用いられる凝縮水排出装置において、前記排出された凝縮水の流路の開閉を行う開閉手段と、この開閉手段の下流に備えられた圧力センサーと、予め設定された時間ごとに前記開閉手段を開閉する制御手段とを備え、この制御手段は前記圧力センサーが検出した圧力が予め設定された圧力よりも高くなった場合に前記開閉手段を閉じるものである。
【0009】
上記目的を達成するための本発明の他の特徴は、作動ガスの圧縮流路中に油を噴射して作動ガスを冷却する油冷式圧縮機において、圧縮された作動ガスを凝縮して凝縮水を発生するドライヤーと、このドライヤーから排出された凝縮水の流路の開閉を行う開閉手段と、この開閉手段の下流に備えられた圧力センサーと、予め設定された時間ごとに前記開閉手段を開閉する制御手段とを備え、この制御手段は前記圧力センサーが検出した圧力が予め設定された圧力よりも高くなった場合に前記開閉手段を閉じるものである。
【0010】
そしてこの特徴において、圧縮機を起動して予め設定された時間経過するまで、前記開閉手段は強制的に開かれるように制御されるようにする;前記開閉手段が閉じられたときから予め設定した時間経過した場合に、前記圧力センサーが検出した圧力が前記開閉手段が閉じられたときの圧力以上となったら警報を発生する手段を設けることが好ましい。
【0011】
また、前記開閉手段は前記ドライヤーの凝縮水排出部に連結されてもよいし、ドライヤーから排出された凝縮水は2次分離する凝縮水処理層槽に導いてもよい。さらに、前記凝縮水処理槽には油分を吸着する油吸着材が充填されるのがよい。さらに、前記開閉手段は前記排出された凝縮水の流路に設けられた電磁弁であってもよい。
【0012】
【発明の実施形態】
以下、本発明に係る圧縮機の一実施例を図面を用いて説明する。図1に、凝縮水排出装置を備えた油冷式空気圧縮機の模式図を示す。この図1においては、ドライヤーおよび凝縮水中の油分を吸着する凝縮水処理装置をもあわせて示す。
【0013】
作動ガスである空気中のゴミは、吸込フィルター14で除去される。ゴミが除去されて清浄になった空気は、吸込み空気量を調節する吸込み絞り弁15を通り、圧縮機本体1へ取り込まれる。圧縮機本体1で圧縮される際に、作動空気は圧縮機1内部に噴射された油との間で熱交換して冷却される。その結果所定の圧力、たとえば0.69MPaまで昇圧された空気は大量の油を含んでいる。この油分の大部分は、圧縮機本体の下流側に設けられたオイルセパレーター2に旋回流として導くことでオイルセパレータ2で遠心分離される。分離された油は、オイルクーラー7で冷却された後、再び圧縮機本体1内部へ噴射される。
【0014】
オイルセパレーター2で油を分離された圧縮空気は、オイルセパレーターエレメント3で更に細かい油分を除去される。そして、調圧逆止弁4を経てアフタークーラー5に導かれ、アフタークーラー5で冷却される。圧縮空気の流速が速過ぎると、圧縮空気とともに油が持ち去られるので、それを防ぐために調圧逆止弁4が設けられている。この調圧逆止弁4は、予め設定された圧力に達すると開くように設定される。
【0015】
アフタークーラー5を通過した圧縮空気は、ある程度までは冷却されているが、周囲温度に比べ依然温度が高く湿り気を含んだ空気である。そこで、より乾燥した圧縮空気とするため、冷凍式ドライヤー6を設ける。冷凍式ドライヤー6は、空気圧縮機に内蔵してもよいし空気圧縮機とは別置きであってもよい。冷凍式ドライヤー6で除湿された空気は、圧縮空気を使用する機器へ導かれる。
【0016】
冷凍式ドライヤー6で圧縮空気中の水分を除去すると、ドライヤー6内部に設けられた熱交換器内に凝縮水(ドレン)が析出する。この凝縮水を、凝縮水排出用配管21の下流側に設置された凝縮水ポット8に一時的に溜める。凝縮水ポット8の下流側には凝縮水排出用電磁弁9設けられており、この電磁弁9を開閉することにより凝縮水が排出される。電磁弁9の下流には、排水経路中の圧力を検出する圧力センサー10と凝縮水中の油分を吸着する凝縮水処理槽13が順に設置されている。
【0017】
電磁弁9は、圧縮機本体1を制御する制御手段12に搭載されているタイマー回路12aにより所定間隔で開弁するよう制御される。そして、圧力センサー10が検出した配管22内の圧力が、予め定められた圧力よりも高くなったと制御手段12が判断したら、制御手段12は電磁弁9を閉じるよう制御する。圧力センサー10が検出した圧力が高くなることは、排水経路中に圧縮空気が含まれることを意味するからである。
【0018】
凝縮水処理槽13内には、凝縮水中の油分を吸着する親油性の油吸着材が加圧充填されている。凝縮水処理槽13内部を凝縮水が適切な速度で、ある程度の時間をかけながら通過することにより、排水基準を満たす油分濃度まで濃度低下されて処理される。
【0019】
以上のように構成した本実施例における凝縮水排出用電磁弁9を開閉制御することを、図2に示したフローチャートを用いて説明する。圧縮機またはドライヤーに電源が投入されると(Step1)、制御手段12は電磁弁9に開弁の信号を出力し、電磁弁9を開弁する(Step2)。電磁弁が開弁された後、予め設定された時間t1が経過するか圧力センサー10が検出した圧力Psが制御手段12の設定値P1以上(Ps≧P1)になったかどうかを制御手段12が判断する(Step3)。このいずれかの条件を満足すると制御手段12が判断したら、電磁弁9を閉弁する(Step4)。
【0020】
電磁弁9が開弁された時から、制御手段12は経過時間をカウントし始める。経過時間が予め定めた時間t2に達したら(Step5)、再び電磁弁9に開弁の信号を出力し、電磁弁9を開弁する(Step6)。制御手段12は、電磁弁9が開いてからの経過時間が予め定めた時間t3に達したか、および圧力センサー10が検出した圧力Psが設定圧力P1以上となったか(Ps≧P1)を判断する。このいずれかが満足されたと判断したら(Step7)、制御手段12は電磁弁9を閉じるよう制御する(Step8)。
【0021】
電磁弁9を閉じた後、制御手段12は予め定めた時間t4だけ経過した時に検出した圧力センサーの圧力Psと設定圧力値P1とを比較する。この2つの圧力がPs≦P1となったときには正常と判断し、再びStep5へ戻り動作を継続する。2つの圧力がPs≧P1となったときには、装置に異常が発生したと判断する(Step9)。異常と判断したら、警報を出すかもしくは圧縮機を停止する(Step10)。
【0022】
各Stepについて、さらに説明する。Step2は、圧縮機またはドライヤー内部に前回運転時に発生した凝縮水が残っていることを考慮したものである。通常の1回の開弁動作では排出しきれない凝縮水を、排出するために実行する。Step3は、タイマーにより周期的に開閉弁動作を行うことを基本動作とし、このタイマーで周期的に実行される時間が長すぎて圧縮空気も一緒に排出されるのを防止するステップである。そのため、圧力センサー10が検出した圧力Psにより凝縮水が排出されたか圧縮空気が流出したかを判断する。
【0023】
Step5は次の開弁動作までの時間をカウントするタイマー動作であり、Step7はStep3同様、予め設定された周期的な開閉弁動作とセンサー10が検出した圧力Psから凝縮水が排出されたか圧縮空気が流出したかを判別する動作である。Step9は、電磁弁9の閉弁動作であるStep8が確実に行われたかどうかを確認するステップである。もし電磁弁9が閉じられず開いたままであれば、センサー10の検出圧力Psは圧縮空気流出時の圧力値となるので、Step10により警報を出すかもしくは圧縮機を停止する。
【0024】
なお、以上一連の圧力値のタイムチャート及びそれに対応する電磁弁9の開閉動作のタイムチャートを図3に示す。同図(a)の上段に、配管22に設けた圧力センサ10が検出した圧力の変化を示す。同図(a)の下段には、電磁弁9の開閉状態を示す。圧縮機またはドライヤーを起動してからtだけ時間が経過したときに、圧力が設定値P1に達する。そこで起動時から開いたままの電磁弁9を閉じる。電磁弁9を閉じてから設定時間t2が経過したら、電磁弁9を再度開く。なお電磁弁9を閉じてから設定時間t4経過してもセンサー10が検出した圧力が設定圧力P1を超えていないから正常運転とみなし運転を継続している。以下、同様の手順を繰り返す。
【0025】
異常時のタイムチャートを、図3(b)に示す。同図の上段には圧力センサー10の検出値を、下段には電磁弁9の開閉状態を示す。タイマーに設定された時間t2が経過したら、電磁弁9を開く。圧力センサー10が検出した圧力が設定圧力を超えたので、制御手段12は電磁弁9を閉じるように指令する。予め設定された故障の有無を知るための時間t4が経過したときに、制御手段12は圧力センサー10の圧力を参照する。圧力が閉弁指令時よりも低下していないので、制御手段12は電磁弁9に異常が発生したものと判断し警報を発令する。このとき電磁弁9は同図の下段のように開状態を維持している。
【0026】
なお、上記実施例においては電磁弁もしくは電動弁を周期的に開弁させるタイマー回路を制御手段に搭載している、タイマー装置を別に設けてもよい。また本実施例では、凝縮水排出経路中の圧力を圧力センサーで検出し、制御手段がその検出圧力値に基づいて凝縮水排出動作か圧縮空気流出動作かを判断している。そして、電磁弁または電動弁を開くようにしている。この代わりに圧力スイッチを用いてもよい。その場合は、凝縮水排出経路中に圧力スイッチを設け、圧縮空気が流出したら圧力スイッチが切り替わるように設定する。この圧力スイッチに電磁弁もしくは電動弁を連動させて閉くようにする。このようにすれば、構成が簡単になる。
【0027】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、タイマーによる凝縮水排出部の弁開閉と凝縮水排出部の圧力による弁開閉とを併用したので、周期的に凝縮水を排出できるとともに無駄な圧縮空気の流出を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る油冷式圧縮機の一実施例の模式図。
【図2】 図1に示した油冷式圧縮機に用いられる凝縮水排出装置の動作を示すフローチャート。
【図3】 図1に示した油冷式圧縮機に用いられる圧力センサー及び電磁弁の状態を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1:圧縮機本体、2:オイルセパレーター、3:オイルセパレーターエレメント、4:調圧逆止弁、5:アフタークーラー、6:ドライヤー、7:オイルクーラー、8:凝縮水ポット、9:電磁弁、10:圧力センサー、12:制御手段、13:凝縮水処理槽、14:吸込みフィルター、15:吸込み絞り弁、21、22:配管。
Claims (8)
- 作動ガスの圧縮流路中に油を噴射して作動ガスを冷却する油冷式圧縮機に用いられる凝縮水排出装置において、
前記排出された凝縮水の流路の開閉を行う開閉手段と、
この開閉手段の下流に備えられた圧力センサーと、
予め設定された時間ごとに前記開閉手段を開閉する制御手段とを備え、
この制御手段は前記圧力センサーが検出した圧力が予め設定された圧力よりも高くなった場合に前記開閉手段を閉じることを特徴とする凝縮水排出装置。 - 作動ガスの圧縮流路中に油を噴射して作動ガスを冷却する油冷式圧縮機において、
圧縮された作動ガスを凝縮して凝縮水を発生するドライヤーと、
このドライヤーから排出された凝縮水の流路の開閉を行う開閉手段と、
この開閉手段の下流に備えられた圧力センサーと、
予め設定された時間ごとに前記開閉手段を開閉する制御手段とを備え、
この制御手段は前記圧力センサーが検出した圧力が予め設定された圧力よりも高くなった場合に前記開閉手段を閉じることを特徴とする油冷式圧縮機。 - 圧縮機を起動して予め設定された時間経過するまで、前記開閉手段は強制的に開かれるように制御されることを特徴とする請求項2に記載の油冷式圧縮機。
- 前記開閉手段が閉じられたときから予め設定した時間経過した場合に、前記圧力センサーが検出した圧力が前記開閉手段が閉じられたときの圧力以上となったら警報を発生する手段を設けたことを特徴とする請求項2または3に記載の油冷式圧縮機。
- 前記開閉手段は前記ドライヤーの凝縮水排出部に連結されたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の油冷式圧縮機。
- 前記ドライヤーから排出された凝縮水は2次分離する凝縮水処理層槽に導かれることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の油冷式圧縮機。
- 前記凝縮水処理槽には油分を吸着する油吸着材が充填されたことを特徴とする請求項6に記載の油冷式圧縮機。
- 請求項2〜7のいずれかにおいて、前記開閉手段は前記排出された凝縮水の流路に設けられた電磁弁であることを特徴とする油冷式圧縮機。
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