JP4002011B2 - キャップ後ろ差し構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記具におけるキャップ後ろ差し構造に関する。詳細には、筆記具本体のペン先側から外したキャップを筆記具本体の後端に装着するキャップ後ろ差し構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、筆記具本体後端の凹部内面にキャップ開口端外面を嵌合させるタイプのキャップ後ろ差し構造において、キャップは、一般に、その開口端側が拡径したテーパ形状である。
【0003】
そのため、キャップを筆記具本体の凹部に挿入させる際、キャップを筆記具本体に対して僅かでも斜めに挿入すると、キャップ開口端の外周縁部が、凹部内面に接触するより先に凹部開口端の内周縁部に当接しがちであるため、スムーズな挿入性が阻害される。また、キャップを筆記具本体の凹部から取り外す際には、キャップの外面形状がキャップ開口端側が拡径したテーパ形状(即ち、キャップ取り外し方向に縮径する形状)であるため、指で摘むと滑りやすく、取り外しが容易ではない。
【0004】
また、実開平3−42681号公報には、キャップの取り外しを容易にする目的で、頭端に、指先が挿入できる凹陥部を形成する鍔状部を突設してなる筆記具のキャップが開示されている。しかし、これは、キャップの取り外しが容易であるとしても、キャップの前端に突設させた鍔状部によって、キャップの外観性が損われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、キャップの外観性を損なうことがなく、キャップの後ろ差しの着脱を容易にし、また、製造上の寸法管理が容易なキャップ後ろ差し構造を提供しようとするものである。
【0006】
尚、本発明のキャップ後ろ差し構造において、「前」とは、筆記具本体ではペン先側を指すと共にキャップでは開口端側を指し、「後」とは、筆記具本体では尾端側を指すと共にキャップでは閉塞端側を指す。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1〕
本発明は、筆記具本体1の後端に軸方向後方に開口する凹部6を設け、前記凹部6の内面にキャップ4の開口端外面を嵌合させるキャップ後ろ差し構造であって、前記キャップ4の開口端外面に、開口端方向に向かうに従い次第に縮径する先細部5を設け、キャップ後ろ差し状態において、前記先細部5の前側外面を前記凹部6の内面に嵌合させると共に前記先細部5の後側外面を露出させたこと(請求項1)を要件とする。
【0008】
本発明は、前記先細部5によって、キャップ4の開口端の外面形状が、キャップ装着方向に向かって先細形状となるため、キャップ後ろ差し装着時、キャップ4の開口端の外周縁部を、凹部6の開口端の内周縁部に当接させることがなく、スムーズに凹部6の内面に挿入させることができる。即ち、筆記具本体1の軸線に対して斜めにキャップ4を挿入したとしても、その挿入過程で、凹部6の開口端の内周縁部が前記先細部5の傾斜面状外面に案内されて、キャップ4の軸線が筆記具本体1の軸線に対して一致するよう真っ直ぐに直される。それにより、キャップ4の凹部6への挿入性が著しく向上する。
【0009】
また、本発明は、キャップ後ろ差し状態において、前記先細部5の前側外面を筆記具本体1後端の凹部6の内面に嵌入させると共に、その残部の前記先細部5の後側外面を外部に露出させている。前記先細部5の外面は、閉塞端方向(即ちキャップ取り外し方向)に向かうに従い次第に拡径する形状である。そのため、キャップ4を取り外す際、外部に露出した先細部5の後側外面に指をかけることにより、容易に取り外すことができる。
【0010】
また、本発明は、容易な取り外し性を満足するキャップ4であるにもかかわらず、従来のような鍔状部等をキャップ4の前端に設けて外観性を阻害することがなく、スマートな外観性を維持できる。
【0011】
尚、筆記具本体1の後端に設ける凹部6は、例えば、軸筒2の後端に一体に設ける構成、軸筒2の後端に取り付けた尾栓7の後端に設ける構成、又は軸筒2の後端に装着した他方のキャップ8の後端に設ける構成等を挙げることができる。
【0012】
〔請求項2〕
前記請求項1のキャップ後ろ差し構造において、キャップ後ろ差し状態で、前記先細部5の前端を、凹部6の内面に設けた段部61に軸方向に当接させたこと(請求項2)が好ましい。
【0013】
前記キャップ4の先細部5の外面を筆記具本体1の凹部6に嵌入させる構造(請求項1)であるため、後ろ差し過程で、キャップ4を凹部6に強く挿入すると、前記先細部5外面に前記凹部6開口端の内周縁部が強く当接して食いつき、前記先細部5外面を傷つけるおそれがある。しかし、凹部6内面の段部61にキャップ4の開口端(即ち先細部5の前端)を軸方向に当接させることにより、過剰な挿入を阻止でき、外面を損傷させるおそれがなく、購入初期の美観を長期にわたり維持できる。
【0014】
〔請求項3〕
前記請求項1又は2のキャップ後ろ差し構造において、前記先細部5の肉厚を、開口端方向に向かうに従い次第に薄肉としたこと(請求項3)が好ましい。
【0015】
先細部5の肉厚を開口端方向に向かうに従い次第に薄肉としたことにより、キャップ4の開口端の径方向の弾性変形が容易となる。その結果、キャップ4の開口端外面(即ち先細部5の前側外面)と凹部6内面との嵌合寸法のばらつき、及びキャップ4の開口端とペン先側の筆記具本体1との嵌合寸法のばらつきを吸収でき、筆記具本体1及びキャップ4の嵌合部の製造上の寸法管理が容易となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面に従って説明する。
【0017】
〔第1実施例〕
図1及び図2に本発明の第1実施例を示す。
【0018】
本実施例のキャップ後ろ差し構造は、筆記具本体1とキャップ4とからなる。さらに、前記筆記具本体1は、軸筒2と、インキ吸蔵体9と、ペン体3と、尾栓7とからなる。
【0019】
前記軸筒2は、合成樹脂の射出成形より得られる円筒体であり、その内部に、合成樹脂製繊維束の熱融着加工体よりなる、水性ホワイトボード用インキを含浸したインキ吸蔵体9が収容される。また、前記軸筒2の前端には、棒状の繊維束樹脂加工体よりなるペン体3が取り付けられ、前記ペン体3の前端が前記軸筒2の前端より前方に突出されると共に、前記ペン体3の後端が前記インキ吸蔵体9に接続される。一方、前記軸筒2の後端開口部には、尾栓7が密嵌される。また、前記インキ吸蔵体9は、前記尾栓7の前端と、軸筒2の前部内面に形成した係止段部とにより軸方向に挟持されている。
【0020】
前記尾栓7は、後方に開口する有底の外筒71と、前方に開口する有底の内筒72とからなり、前記外筒71の閉塞端と前記内筒72の開口端が、合成樹脂の射出成形により一体に連設された構成である。
【0021】
前記外筒71の内面と前記内筒72の外面との間には環状の凹部6が形成される。前記凹部6の開口端内面には、後ろ差し部が設けられる。前記後ろ差し部は、図2に示すように、キャップ後ろ差しの際に、先細部5の前端外面と摺接する面取り部63と、該面取り部63の前方に位置し、先細部5の前側外面が嵌合する嵌合部62と、該嵌合部62の前方に位置し、先細部5の前端が当接する段部61とが一体に形成される。
【0022】
また、前記尾栓7の外筒71の後端面からは、内筒72の凸曲面状の底壁が突出している。それにより、筆記具本体1をペン先上向き状態で水平面に直立状態にさせ難くなるため、ペン体3からのインキの下降を防ぎ、筆跡薄となることを回避する。
【0023】
前記キャップ4は、外キャップ41と内キャップ42とが一体に連設された合成樹脂の射出成形体である。前記内キャップ42は、有底筒体であり、その内面に軸筒2のペン先側外面と気密嵌合する環状突起43が一体に形成されている。一方、前記外キャップ41は、前記内キャップ42の開口端と連設され、その前端には、外面が前端に向かうに従って縮径するテーパ面状又は凹曲面状の先細部5が形成される。
【0024】
筆記使用時、前記先細部5の外面は、凹部6の開口端内面と後ろ差し嵌合され、一方、非筆記使用時、前記先細部5の内面は、ペン先側の軸筒2の外面と嵌合される。前記先細部5は、前端に向かうに従って漸次薄肉となっているため、径方向の弾性変形が容易である。それにより、先細部5の外面と凹部6内面との嵌合寸法のばらつき、及び先細部5の内面と軸筒2の前部外面との嵌合寸法のばらつきを吸収することができ、寸法管理上、極めて有利となる。
【0025】
〔第2実施例〕
図3及び図4に本発明の第2実施例を示す。
【0026】
本実施例のキャップ後ろ差し構造は、筆記具本体1と二つのキャップ4・8とからなり、さらに、前記筆記具本体1は、軸筒2と、インキ吸蔵体9と、二つのペン体3A・3Bとを備えた両頭式筆記具である。
【0027】
前記軸筒2は、合成樹脂の射出成形より得られる円筒体よりなり、その内部に、合成樹脂製繊維束の熱融着加工体よりなるインキ吸蔵体9が収容される。また、前記軸筒2の前端及び後端には、棒状の繊維束樹脂加工体よりなるペン体3A・3Bが取り付けられ、その一端が外部に突出されると共にその他端がそれぞれ前記インキ吸蔵体9に接続される。そして、前記両ペン体3A・3Bには、同一形状のキャップ4・8がそれぞれ装着されている。
【0028】
前記キャップ4・8は、第1実施例同様、外キャップ41・81と内キャップ42・82とが一体に連設された合成樹脂の射出成形体である。前記内キャップ42・82は、有底筒体であり、第1実施例同様、その内面に軸筒2のペン先側外面と気密嵌合する環状突起43・83が一体に形成されている。
【0029】
また、前記外キャップ41・81は、前記内キャップ42・82の開口端と連設され、第1実施例同様、その前端に、外面が前端に向かうに従って縮径するテーパ面状又は凹曲面状の先細部5が形成される。また、前記外キャップ41・81の開口端内面と内キャップ42・82との間には、環状の凹部6がそれぞれ形成され、前記凹部6の開口端内面に後ろ差し部が形成される。
【0030】
一方のキャップ4を他方のキャップ8の凹部6に嵌合させる場合、他方のキャップ8の後ろ差し部は、図4に示すように、第1実施例同様、キャップ後ろ差しの際に、一方の先細部5外面と摺接する面取り部63と、該面取り部63の前方に位置し、一方の先細部5の前側外面が嵌合する嵌合部62と、該嵌合部62の前方に位置し、一方の先細部5前端が当接する段部61とからなる。
【0031】
ペン体3A側を使用する場合、前記一方のキャップ4の先細部5の外面は、他方のキャップ8の凹部6の内面と後ろ差し嵌合される。一方、ペン体3A側を使用しない場合(又はペン体3B側を使用する場合)、前記一方のキャップ4の先細部5の内面は、ペン体3A側の軸筒2の外面と嵌合される。前記一方のキャップ4の先細部5は、第1実施例同様、前端に向かうに従って漸次薄肉となっているため、径方向の弾性変形が容易である。したがって、前記一方のキャップ4の先細部5の外面と前記他方のキャップ8の凹部6の内面との嵌合寸法のばらつき、及び前記一方のキャップ4の先細部5の内面と軸筒2のペン体3A側外面との嵌合寸法のばらつきを吸収することができ、寸法管理上、極めて有利となる。
【0032】
尚、図3では、一方のキャップ4の先細部5を、他方のキャップ8の凹部6に嵌入させる構成が示されている。キャップ4・8は同一構造であるため、この逆に、図示はしないが、他方のキャップ8の先細部5を、一方のキャップ4の凹部6に嵌入させても同様の作用効果を得る。
【0033】
【発明の効果】
本発明のキャップ後ろ差し構造は請求項1の構成により、キャップの外観性を損なうことがなく、キャップ後ろ差しの着脱を容易にする。
【0034】
本発明のキャップ後ろ差し構造は請求項2の構成により、凹部へのキャップの過剰な挿入を阻止でき、キャップの外面を損傷させるおそれがなく、購入初期の美観を長期にわたり維持できる。
【0035】
本発明のキャップ後ろ差し構造は請求項3の構成により、筆記具本体及びキャップの嵌合部の製造上の寸法管理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す縦断面図である
【図4】図3のB部拡大図である。
【符号の説明】
1 筆記具本体
2 軸筒
3 ペン体
3A ペン体
3B ペン体
4 キャップ
41 外キャップ
42 内キャップ
43 環状突起
5 先細部
6 凹部
61 段部
62 嵌合部
63 面取り部
7 尾栓
71 外筒
72 内筒
8 キャップ
81 外キャップ
82 内キャップ
83 環状突起
9 インキ吸蔵体
Claims (3)
- 筆記具本体(1)の後端に軸方向後方に開口する凹部(6)を設け、前記凹部(6)の内面にキャップ(4)の開口端外面を嵌合させるキャップ後ろ差し構造であって、前記キャップ(4)の開口端外面に、開口端方向に向かうに従い次第に縮径する先細部(5)を設け、キャップ後ろ差し状態において、前記先細部(5)の前側外面を前記凹部(6)の内面に嵌合させると共に前記先細部(5)の後側外面を露出させたことを特徴とするキャップ後ろ差し構造。
- キャップ後ろ差し状態において、前記先細部(5)の前端を、凹部(6)の内面に設けた段部(61)に軸方向に当接させた請求項1記載のキャップ後ろ差し構造。
- 前記先細部(5)の肉厚を、開口端方向に向かうに従い次第に薄肉とした請求項1又は2記載のキャップ後ろ差し構造。
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| JP23648498A JP4002011B2 (ja) | 1998-08-07 | 1998-08-07 | キャップ後ろ差し構造 |
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|---|---|---|---|
| JP23648498A JP4002011B2 (ja) | 1998-08-07 | 1998-08-07 | キャップ後ろ差し構造 |
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1998
- 1998-08-07 JP JP23648498A patent/JP4002011B2/ja not_active Expired - Fee Related
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