JP4009023B2 - 水性インク受容層形成用組成物および水性インク用記録媒体 - Google Patents

水性インク受容層形成用組成物および水性インク用記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性インク受容層形成用組成物および水性インク用記録媒体に関するものである。 水性インク用記録媒体としては、例えば、インクジェット記録用シート等が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット印刷に代表される水性インクの記録媒体には、そのインクを吸収するために、例えばポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の、親水性の有機ポリマーがインク受容層としてコーティングされ、使用されている。
【0003】
しかし、これらの有機ポリマーを紙あるいはフィルム等の支持体上にコーティングしたシートは、使用したポリマーによっては塗工時にカーリングを起こしたり、印刷後も経時的に大気中の水分を吸湿して画像がぼやけたり、あるいは表面にタックが生じブロッキングを起こすことがあった。また画像上に水を落とした場合には、ポリマー自体が水溶性のため耐水性が低くインクが流れ落ちるといった欠点があった。
【0004】
個別に見れば、PVP、MC、HPC、CMCは初期の印刷性能が比較的高いが、経時的に画質が低下したり、塗工乾燥時にカールしやすい。またPVAは耐水性は比較的高いが、そのためにインクの定着性が悪く、PVP同様カールしやすい。PEOはカールしにくいが、耐水性に劣る。さらに、親水性ポリマー単独でのこれらの問題を解決するために、各ポリマーを化学的に修飾したり、混合したり、様々な添加剤を加えたりするといった試みがなされているが、現在も高い印刷性能と高い耐水性の両立を求めて盛んに開発が行われている。
【0005】
耐水性を向上させる方法として、種々の架橋剤の検討がなされてきた。例えば、イソシアネート類(特開平10−58823号公報)、アセトアセトキシ類(特開平10−226989)、アジリジン類(特開平10−166714号公報)、エポキシ類あるいはホウ酸類(特開平10−217601号公報)、アルデヒド類(特開平10−129112号公報)、N−メチロール化合物類(特開平10−157283号公報)等である。あるいは特開平10−35090号公報ではカルボン酸を含有するポリマーと2官能以上のオキサゾリニル基を有する化合物とを架橋して得られるインクジェット記録シート用耐水化剤組成物が提案されている。これ以外にも各種架橋剤を用いて親水性ポリマーの耐水性を向上させようという試みは多くされている。しかしほとんどの場合耐水性の向上とともにインク吸収性が低下し、画質の低下を引き起こすという欠点があった。そのため親水性樹脂を使用したインクジェット用シートで耐水性と印刷画質のバランスに優れたものは未だ市場にないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の問題点を解決するためになされたものであり、高い印刷性能と耐水性を同時に実現する水性インク用記録媒体およびそれに用いる水性インク受容層形成用樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
従来オキサゾリン基を含んだポリマーは、オキサゾリン基の反応性を利用して、特に水系では貴重な高分子架橋剤として利用されてきた。しかしこの事実は換言すれば、多くの場合水系架橋剤として添加剤的にのみ使用され、このポリマーを主剤にした用途展開はほとんどなされていなかった。本発明者らは検討を重ねた結果、オキサゾリン基を含むポリマーを主剤に用い、低分子カルボン酸またはメルカプト化合物で架橋することにより得られる樹脂をインク受容層に用いた場合、高耐水性と高画質を兼ね備えた水性インク用記録媒体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、オキサゾリン基含有ポリマーを、低分子カルボン酸またはメルカプト化合物で架橋してなるポリマーを含んでなる水性インク受容層形成用組成物に関する。
【0009】
前記低分子カルボン酸は、ヒドロキシカルボン酸が好ましい。
【0010】
前記オキサゾリン基含有ポリマーは、(a)付加重合性オキサゾリン20〜50重量%、(b)親水性モノマー20〜80重量%および(c)疎水性モノマー0〜30重量%(但し、(a)+(b)+(c)=100%)を共重合して得られるオキサゾリン基含有ポリマーが好ましい。
【0011】
本発明の他の発明は、前記組成物を、支持体上に形成してなる水性インク受容層を有する水性インク用記録媒体に関する。
【0012】
本発明の水性インク用記録媒体が優れた効果を示す要因については明確ではないが、オキサゾリン基とカルボン酸あるいはチオールが架橋反応を起こすことによって樹脂層自体の耐水性を得るとともに、オキサゾリン基自体が親水性であること、また生成した架橋構造がアミド基を有するため染料が定着しやすいこと、あるいは架橋間距離が比較的長いため他の架橋構造に比べインクの吸収がそれほど妨げられないため高画質を発現したものと考えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の水性インク受容層形成用組成物は、オキサゾリン基含有ポリマー(O)を、低分子カルボン酸またはメルカプト化合物で架橋してなるポリマー(P)を含んでなる組成物に関する。
【0014】
前記オキサゾリン基含有ポリマー(O)を製造する方法は特に制限が無いが、溶液重合、エマルション重合、懸濁重合、バルク重合等の公知のあらゆる重合方法を使用できる。
【0015】
前記オキサゾリン基含有ポリマー(O)を製造する方法としては、例えば、
(i)付加重合性オキサゾリン(a)単独、あるいは必要に応じて、付加重合性オキサゾリン(a)とその他親水性モノマー(b)および/または疎水性モノマー(c)とを、従来公知の重合法によって水性媒体中で溶液重合または乳化重合を行なうことによる方法、
(ii)ニトリル基を有するポリマーをモノアミノアルコールと反応させる方法(特開平9−235320号公報)、
(iii)ポリメタクリル酸エステルのエステル部分にモノエタノールアミンを反応させ、さらに環化させてオキサゾリン基を導入する方法(米国特許第5705573号公報)
等の方法が挙げられるが、(i)の方法が 最も製造工程が短く経済的に有利である。
【0016】
以下に、(i)の方法を代表して説明する。
【0017】
前記付加重合性オキサゾリン(a)としては、例えば下記一般式(I):
【0018】
【化1】
Figure 0004009023
【0019】
(式中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に水素、ハロゲン、アルキル、アラルキル、フェニルまたは置換フェニルであり、R5は付加重合性不飽和結合を持つ非環状有機基である。)
で表される化合物である。 具体例としては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリンを挙げることができ、これらの群から選ばれる1種または2種以上の混合物を使用することができる。中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。
【0020】
付加重合性オキサゾリン(a)の使用量は特に限定されるものではないが、オキサゾリン基含有ポリマー中、5重量%以上であることが好ましく、20〜50重量%の範囲がさらに好ましい。5重量%未満では架橋の程度が不十分であり、必要な耐水性が得られないことがある。
【0021】
また前記親水性モノマー(b)としては、オキサゾリン基と反応しない、付加重合性オキサゾリン(a)と共重合可能なモノマーであれば特に制限はないが、例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコールとのモノエステル化物等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸アンモニウム等の(メタ)アクリル酸塩類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等の不飽和アミド類が挙げられる。
【0022】
前記親水性モノマー(b)の使用量は特に限定されるものではないが、オキサゾリン基含有ポリマーに十分なインク吸収性を付与するためには、オキサゾリン基含有ポリマー中に、20〜80重量%の範囲が好ましく、また付加重合性オキサゾリン(a)との合計で50 重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがさらに好ましい。
【0023】
前記疎水性モノマー(c)としては、オキサゾリン基と反応しない、付加重合性オキサゾリン(a)と共重合可能なモノマーであれば特に制限はないが、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲンα,β−不飽和モノマー類;スチレン、α−メチルスチレン等のα,β−不飽和芳香族モノマー類が挙げられる。
【0024】
前記疎水性モノマー(c)の使用量は特に限定されるものではないが、オキサゾリン基含有ポリマーに十分なインク吸収性を付与するためには、オキサゾリン基含有ポリマー中、 50重量%以下であることが好ましく、30重量%以下であることがさらに好ましい。
【0025】
前記ポリマー(P)は、前記オキサゾリン基含有ポリマー(O)を低分子カルボン酸またはメルカプト化合物で架橋してなるポリマーである。
【0026】
使用される低分子カルボン酸は、カルボキシル基を含む分子量1000以下の化合物であれば特に制限はなく、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピペリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸等の脂肪族不飽和カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;(メタ)アクリル酸、あるいは(メタ)アクリル酸オリゴマー等が挙げられる。本発明においては、低分子カルボン酸は特にヒドロキシカルボン酸が好ましく、例えばグリコール酸、乳酸、ヒドロキシ(アルキル)アクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の脂肪族オキシ酸;サリチル酸、オキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸、トロバ酸等の芳香族オキシ酸等を挙げることができ、これらの群から選ばれる1種または2種以上の混合物を使用することができる。中でも、ヒドロキシモノカルボン酸またはヒドロキシジカルボン酸が好ましく、リンゴ酸が最も好ましい。
【0027】
また使用されるメルカプト化合物は、メルカプト基を有していれば特に制限はなく、例えば、2,3−ジメルカプト−1-プロパノール、1,4−ジメルカプト−2,3−ブタンジオール、2,3−ジメルカプトコハク酸、1,6−ジメルカプトヘキサン、ジメルカプトジエチルエーテル等の脂肪族メルカプト化合物;3,4−ジメルカプトトルエン、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、4−t−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,4,6−トリチオール−s−トリアジン、2−フェニルアミノ−4,6−ジチオール−s−トリアジン等の芳香族メルカプト化合物などが挙げられるが、硬化速度の速さの点から芳香族メルカプト化合物、中でも、2−ジブチルアミノ−4,6−ジチオール−s−トリアジン、2,4,6−トリチオール−s−トリアジンおよびその金属塩が工業的にも入手しやすく好適である。
【0028】
オキサゾリン基含有ポリマー(O)に対する、低分子カルボン酸またはメルカプト化合物の添加量は、オキサゾリン基含有ポリマー(O)中のオキサゾリン基の含有量にもよるため特に限定されないが、インク受容層総重量の0.001〜30重量%の範囲が好ましく、0.01〜10重量%の範囲がさらに好ましい。0.001%未満では塗膜の十分な耐水性が得られず、また30重量%を超えると架橋密度が高すぎてインク吸収性が低下する場合がある。
【0029】
オキサゾリン基含有ポリマー(O)を、低分子カルボン酸またはメルカプト化合物で架橋する際には、水性媒体中で行うことが好ましい。使用できる水性媒体は、水、または、水と混合可能な溶剤と水との混合溶剤であれば特に制限はない。水と混合可能な溶剤を例示すれば、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ターシャリーブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられ、これらの中の1種以上が使用される。
【0030】
オキサゾリン基含有ポリマー(O)を、低分子カルボン酸またはメルカプト化合物で架橋してポリマー(P)を製造する方法は特に限定されず、当該業者で慣用の手段を広く使用できる。
【0031】
例えば、オキサゾリン基含有ポリマー(a)の溶液または分散液と、低分子カルボン酸またはメルカプト化合物を混合すればよい。ここで言う「溶液」とは、溶質が水性媒体に溶解している溶液であり、ここで言う「分散液」とは、サスペンション、エマルション、ラテックスなどと称されるものを言う。
【0032】
ポリマー(P)の組成物中の好ましい含有量としては60重量%以上が好ましく、80%以上がさらに好ましい。ポリマー(P)の含有量が60%以下では十分な印刷性能あるいは耐水性が得られない場合がある。
【0033】
本発明の水性インク受容層形成用組成物には、水性インク用記録媒体としての性能および耐水性を損なわない範囲で染料固着剤、顔料、分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動変性剤、界面活性剤、帯電防止剤、消泡剤、抑泡剤、剥離剤、浸透剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、あるいは他の親水性樹脂等を含む事も可能である。
【0034】
上記親水性樹脂としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
【0035】
本発明の水性インク受容層形成用組成物中の固形分濃度は、前記組成物を支持体に形成できる粘度であれば特に限定されないが、例えば組成物全重量に対し5〜50%が目安である。5%未満の場合、十分なインク受容層の厚さを得るためには塗工量を増やさねばならず、乾燥に多くの時間とエネルギーが必要となるため経済的でない。また50%を越えると、特に溶液タイプでは粘度が高すぎて塗工性が低下することがある。従って5〜50%の濃度が好ましく用いられる。
【0036】
塗工時の乾燥温度は、塗膜の乾燥と、オキサゾリン基とカルボン酸またはメルカプト基との架橋反応を起こすのに十分であれば特に制限はないが、一般的な製造工程を考慮した場合、50℃〜200℃が好ましく、70℃〜150℃がさらに好ましい。またその時の乾燥時間は、塗工液の固形分濃度や塗工量にもよるが、例えば20%程度の溶液を100℃で乾燥する場合は1分〜10分が目安となる。
【0037】
本発明の水性インク用記録媒体は、前記した水性インク受容層形成用組成物を、支持体上に形成してなる水性インク受容層を有する。
【0038】
前記組成物を用いて形成されるインク受容層の厚さは、1〜50μmが好ましい。1μm未満の場合、インクの水分を十分に吸収しきれず、鮮明な画像を得ることはできない。また50μm以上の場合、塗布後の乾燥時にシートがカールしたり、また印刷性能の顕著な向上も期待できないので経済的でない。
【0039】
前記支持体は、特に限定されるものではないが、紙、合成紙、白色フィルム、透明フィルム等が使用可能である。紙としては、上質紙、中質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、箔紙、クラフト紙、含浸紙、蒸着紙等が適宜使用できる。またフィルム及びシートとしては、可とう性で、高強度、高光沢性を有するポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン等が使用可能であり、インク受容層の強度を向上させるために、コロナ放電処理や各種アンダーコート処理することも可能である。
【0040】
前記組成物を用いてインク受容層を形成する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアナイフコート法、ゲートロールコート法、バーコート法、サイズプレス法、スプレーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、ロッドブレードコート法、リップコート法、スリットダイコート法等の手法によって支持体に塗工し、熱風乾燥機等で乾燥させることによって本発明の記録媒体が得られる。
【0041】
本発明の水性インク用記録媒体において、インク定着性を向上させたり、インク受容層の粘着性を低下させたりする目的で、インク受容層へ尿素及び/又はチオ尿素を添加することが可能である。これらの添加量は特に制限はないが、画質を維持するためには塗工液中の固形分の合計重量に対し0.5〜25%が好ましい。
【0042】
このようにして得られた水性インク用記録媒体は、インクジェット印刷をはじめ、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、透写版印刷等のあらゆる印刷に使用することができる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0044】
(製造例1)
攪拌機、環流冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロートを備えたフラスコに、脱イオン水157.5部およびV−50(和光純薬株式会社製の重合開始剤:2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩)5部を仕込み、緩やかに窒素ガスを流しながら60℃に加熱した。そこへ予め調製しておいた、アクリル酸エチル2部、メタクリル酸メチル28部、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学株式会社製NKエステルAM−90G)20部および2−イソプロペニル−2−オキサゾリン50部からなるモノマー混合物を滴下ロートより1時間で滴下した。反応中は窒素ガスを流し続け、フラスコ内の温度を60±1℃に保った。滴下終了後も9時間同じ温度に保った後冷却して、固形分39.8%のオキサゾリン基含有ポリマー水溶液(1)を得た。
【0045】
(製造例2)
攪拌機、環流冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロートを備えたフラスコに、脱イオン水157.5部およびV−50(和光純薬株式会社製の重合開始剤:2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩)5部を仕込み、緩やかに窒素ガスを流しながら60℃に加熱した。そこへ予め調製しておいた、アクリル酸エチル2部、メタクリル酸メチル28部、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学株式会社製NKエステルAM−90G)40部および2−イソプロペニル−2−オキサゾリン30部からなるモノマー混合物を滴下ロートより1時間で滴下した。反応中は窒素ガスを流し続け、フラスコ内の温度を60±1℃に保った。滴下終了後も9時間同じ温度に保った後冷却して、固形分38.9%のオキサゾリン基含有ポリマー水溶液(2)を得た。
【0046】
(製造例3)
攪拌機、環流冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロートを備えたフラスコに、脱イオン水157.5部およびV−50(和光純薬株式会社製の重合開始剤:2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩)5部を仕込み、緩やかに窒素ガスを流しながら60℃に加熱した。そこへ予め調製しておいた、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学株式会社製NKエステルAM−90G)80部および2−イソプロペニル−2−オキサゾリン20部からなるモノマー混合物を滴下ロートより1時間で滴下した。反応中は窒素ガスを流し続け、フラスコ内の温度を60±1℃に保った。滴下終了後も9時間同じ温度に保った後冷却して、固形分39.5%のオキサゾリン基含有ポリマー水溶液(3)を得た。
【0047】
(実施例1)
オキサゾリン基含有ポリマー水溶液(1)40部、シュウ酸0.63部、およびエタノール60部を均一に混合した溶液を、60番のバーコーターを用い、コロナ放電処理を行なった透明ポリエチレンテレフタレート(東レ製、ルミラー、タイプT、厚さ100μm)上に塗工後、100℃、3分間、熱風乾燥機で乾燥させ、水性インク用記録シートを得た。
【0048】
(実施例2)
低分子カルボン酸として、シュウ酸の代わりにマロン酸0.52部を用いた以外は、実施例1と同様の方法で水性インク用記録シートを得た。
【0049】
(実施例3)
低分子カルボン酸として、シュウ酸の代わりに乳酸6.5部を用いた以外は、実施例1と同様の方法で水性インク用記録シートを得た。
【0050】
(実施例4)
低分子カルボン酸として、シュウ酸の代わりにL−酒石酸0.75部を用いた以外は、実施例1と同様の方法で水性インク用記録シートを得た。
【0051】
(実施例5)
低分子カルボン酸として、シュウ酸の代わりにDL−リンゴ酸0.67部を用いた以外は、実施例1と同様の方法で水性インク用記録シートを得た。
【0052】
(実施例6)
低分子カルボン酸として、シュウ酸の代わりにDL−リンゴ酸0.005部を用い、乾燥温度を150℃にした以外は、実施例1と同様の方法で水性インク用記録シートを得た。
【0053】
(実施例7)
オキサゾリン基含有ポリマー水溶液(2)40部、DL−リンゴ酸0.04部、およびエタノール60部を均一に混合した溶液を、60番のバーコーターを用い、コロナ放電処理を行なった透明ポリエチレンテレフタレート(東レ製、ルミラー、タイプT、厚さ100μm)上に塗工後、150℃、3分間、熱風乾燥機で乾燥させ、インク受容層を形成させた。
【0054】
(実施例8)
オキサゾリン基含有ポリマー水溶液(3)40部、DL−リンゴ酸0.01部、およびエタノール60部を均一に混合した溶液を、60番のバーコーターを用い、コロナ放電処理を行なった透明ポリエチレンテレフタレート(東レ製、ルミラー、タイプT、厚さ100μm)上に塗工後、150℃、3分間、熱風乾燥機で乾燥させ、インク受容層を形成させた。
【0055】
(実施例9)
オキサゾリン基含有ポリマー水溶液(1)40部、2,4,6−トリチオール−s−トリアジンの1Na塩(三協化成株式会社製、サンチオールN−1)の5%水溶液2部、およびエタノール18部を均一に混合した溶液を、40番のバーコーターを用い、コロナ放電処理を行なった透明ポリエチレンテレフタレート(東レ製、ルミラー、タイプT、厚さ100μm)上に塗工後、100℃、3分間、熱風乾燥機で乾燥させ、インク受容層を形成させた。
【0056】
(比較例1)
低分子カルボン酸を用いないこと以外は、実施例1と同様の方法で水性インク用記録シートを得た。
【0057】
(比較例2)
低分子カルボン酸の代わりにポリアクリル酸(アルドリッチ社製、MW90000、25%水溶液)20.8部、エタノール39.2部を用いた以外は、実施例1と同様の方法で水性インク用記録シートを得た。
【0058】
以上のようにして得られた水性インク用記録シートを、カラーインクジェットプリンタ(エプソン製PM−700C)を用いて印刷し、以下の項目について評価し、その結果を表1に示した。
【0059】
▲1▼タック
塗工シート乾燥後、インク受容層に直接指で触れ、そのタックの程度を評価した。
【0060】
○:タックなし
△:ややタックあり
×:タック大
▲2▼印刷適性
印刷後の、インクドットの分離性、にじみ、について目視により評価した。
【0061】
○:ドットの融合もなく、にじみの無い鮮明な画質が得られる
△:ややドットの融合やにじみがあるが、使用に差し支えない。
【0062】
×:ドットの融合、にじみとも大きく、不鮮明な画像になる
▲3▼インク吸収性
印刷面を指で触って、インクが指に付かなくなるまでの速さを、以下の基準で評価した。
【0063】
○:10分以内にインクが付かなくなる
△:60分以内にインクが付かなくなる
×:60分経ってもインクが付く
▲4▼耐水性
印刷したシート上に水滴を落とし、1分後に紙タオルで拭き取った時の様子を目視により評価した。
【0064】
○:印刷画像に変化が全く認められない
△:印刷画像が少し損傷した。
【0065】
×:印刷画像がほとんど脱落した
【0066】
【表1】
Figure 0004009023
【0067】
表1から明らかなように、実施例1〜9では、表面タックがなく、印刷適性およびインク吸収性と、耐水性のバランスに優れた水性インク用記録シートが得られた。特に実施例5〜8で得られるシートが耐水性と印刷適性のバランスに優れていた。
【0068】
比較例1および2で得られたシートは、印刷適性あるいはインク吸収性は市販品とほぼ同等のレベルであるが、耐水性が全くなかった。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、高い印刷性能とインク吸収性、耐水性等の物性のバランスに優れた水性インク用記録媒体が簡便に効率良く得られる。

Claims (5)

  1. オキサゾリン基含有ポリマーを、低分子カルボン酸またはメルカプト化合物で架橋してなるポリマーを含んでなり、前記低分子カルボン酸またはメルカプト化合物の添加量がインク受容層総重量の0.001〜30重量%である水性インク受容層形成用組成物。
  2. 前記低分子カルボン酸が、ヒドロキシカルボン酸である請求項1に記載の水性インク受容層形成用組成物。
  3. 前記オキサゾリン基含有ポリマーが、(a)付加重合性オキサゾリン20〜50重量%、(b)親水性モノマー20〜80重量%および(c)疎水性モノマー0〜30重量%を共重合して得られるポリマーである請求項1または2に記載の水性インク受容層形成用組成物。
  4. 前記親水性モノマーがメトキシポリエチレングリコールアクリレートである請求項3に記載の水性インク受容層形成用組成物。
  5. 請求項1からのいずれかに記載の組成物を、支持体上に形成してなる水性インク受容層を有する水性インク用記録媒体。
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