JP4016480B2 - 苗載置装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、帯状の集団苗(ロングマット苗)をロールに巻いて用いる田植機に使用するものである。
【0002】
【従来の技術】
ほぼ30cm×60cmの広さの集団苗(マット苗)を苗載台に載せ、これから苗を一株分ごと欠ぎ取って移植する田植機が普及している。この田植機は、上記一株分ごとの苗の欠ぎ取りが進むと、集団苗が小さくなる。すると、田植機の運転を止めて小さくなった集団苗の後に予備の集団苗を継ぎ足して作業を再開するようになっている。そのため、田植機の運転を停止する頻度が高く、能率が上がらなかった。これを改良するため、ほぼ30cm×6mの10倍の広さの帯状の集団苗(ロングマット苗)を、苗を内側にしてロールに巻き、ロールから引き出した部分を端から欠ぎ取って移植する田植機が試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
その田植機は、苗載台の両側の側壁の間が複数の隔壁で区分されて複数の区画が形成され、それぞれの区画の一方の端に上記のロールが載り、これから引き出された部分が他方の端から苗受板上に達し、この上で端から欠がれて移植されるようになっている。
【0004】
そして、この帯状の集団苗は、軽く作るため、床土を用いないで、ほぼ30cm×6mの不織布やスポンジ状のシートに種もみを蒔いて水耕栽培で苗を育てている。そのため、ロールから引き出された部分の集団苗は、引き延ばされて横巾がロール部分よりも縮小する傾向にある。その結果、区画の巾が同一に出来ていると、集団苗のロールから引き出された部分は、上記の縮小によって側壁又は隔壁に対して透間が出来、この透間が移植時の欠株や小株(本数不足)につながるおそれがある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するため、フレームに固定した苗受板(24)の前又は後に左右に往復移動する苗載台(26)が配置され、苗載台(26)は左右の側壁(27)の間が隔壁(28)で区分されて複数の区画(29)が横並びに形成され、それぞれの区画(29)は苗受板(24)に近い狭巾区画(29A)と遠い広巾区画(29B)で構成されて帯状の集団苗を巻いて作ったロール(32)がその広巾区画(29B)に載るとともにこのロール(32)から引き出した部分が狭巾区画(29A)を通って苗受板(24)に達するように設けられ、植込杆(23)が下向きに通過する苗取口(24a)がそれぞれの狭巾区画(29A)の延長上で苗受板(24)に設けられ、それぞれの区画(29)で苗受板(24)側に繰り出される集団苗が広げられるように左右一対のベルトコンベア式の苗送装置(30)がハの字形に配置され、それぞれの区画(29)の苗受板(24)の近くの両側に上下に移動するパット(37)が設けられ、該パット(37)は、苗送装置(30)が集団苗を繰り出しているときは上がり、苗送装置(30)が止まっているときは下がる構成とした苗載置装置とした。
【0006】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施例を説明する。走行車体1に苗植装置2が装着されて田植機となっている(図1,図2)。走行車体1がつぎのように構成されている。フレーム3の前後に主歯車箱4と後輪歯車箱5が設けられ、それぞれの歯車箱4,5の外側に前輪6と後輪7が取付けられている。エンジン8がフレーム3の上に設けられ、その動力が主歯車箱4内の変速機で所定の速度に調整されたのち、前輪6と後輪7に到達し、これらが水田の耕盤上で回転して走行車体1が前進するように出来ている。
【0007】
フロア9の後のカバー10でエンジン8が被われ、その上に座席11が取付けられている。ハンドルフレーム12がフロア9の前部に設けられ、その上のステアリングハンドル13を操作すると、前輪6が操縦されて走行車体1の進路が変わるように出来ている。支柱14がフレーム3の後部から上に伸び、これと後の昇降枠15に横から見て平行な複数のリンク16の両端が回動自在に取付けられている。昇降シリンダ17の前部がフレーム3に取付けられ、ピストンロッドがこれから斜後上に突出し、上のリンク16と一体のアーム18の下端とその突端が接続し、昇降シリンダ17に油を給排すると、ピストンロッドが出没して昇降枠15が昇降するように出来ている。
【0008】
苗植装置2がつぎのように構成されている。歯車箱19が昇降枠15の下部の後にローリング軸20でその回りに揺動するように取付けられている。等間隔に配置された3本の植込フレーム21が歯車箱19から後に伸び、それぞれの後部の両横に小判形の回転ケース22が取付けられている。一対の植込杆23がそれぞれの回転ケース22に取付けられている。そして、回転ケース22がエンジン8の動力で、右(正面から見て)から見て反時計方向に回ると、植込杆23がその中の遊星歯車で同じような姿勢を保って旋回するように出来ている。
【0009】
6個の苗取口24aを有する苗受板24が植込フレーム21に固定され、上記の一対の植込杆23の先端部がその旋回の下降の初期にそれぞれの苗取口24aを交互に通過するように出来ている。一対の支柱25が左右の植込フレーム21の前部から斜前上に伸び、その上部と苗受板24の前部で苗載台26が左右に移動するように支持されている。苗載台26は、左右の側壁27の間が5本の隔壁28で区分されて6個の区画29が構成されている(図2,図3)。側壁27と隔壁28は、苗受板24から遠い部分が途中で無くなって(又は、途中から先が狭巾になって)、それぞれの区画29が狭巾区画29Aと広巾区画29Bで構成されている。また、苗載台26は、エンジン8の動力で左右に往復駆動されるように出来ている。ベルトコンベア式の苗送装置30がそれぞれの区画29に設けられ、上記の移動で苗載台26が横端に来たときに作動して、その上の集団苗を苗受板24側に繰り出すように出来ている。
【0010】
ほぼ30cm×6mの広さに育てられた帯状の集団苗(ロングマット苗)が、苗を内側にして、図5のパイプ31を芯に巻かれてロール32が作られている。軸33に一対の支持板33aが固定され、差し込むと、パイプ31が摩擦で止まるようになっている。その外側で軸33に一対の位置決め板3bが固定されている。
【0011】
受溝34aを備えた受板34がそれぞれの広巾区画29Bの両横に固定され、アーム35のピン35aが受溝34aに係合している。広巾区画29Bの両横のアーム35のそれぞれの受溝35bで軸33の両横が支えられてロール32が広巾区画29Bに載置されるようになっている。ロール32から引き出された部分の集団苗が狭巾区画29Aを通って後端部が苗受板24に達するようになっている。そして、苗載台26の前記の左右の移動でその後端部が苗取口24a上に来ると、植込杆23で一株分が欠ぎ取られる。欠ぎ取られた苗は、植込杆23の旋回で下降してその下端で泥土に差し込むようにして移植される。この作業が繰り返して行われ、集団苗の後端部の欠ぎ取りが終わると、苗送装置30が作動してロール32が回りながらその上の集団苗が苗受板24側に繰り出され、そののち、苗載台26が逆方向に移動する。この動作が反復して行われ、それぞれのロール32から苗が6条に移植される。
【0012】
フロート36がそれぞれの植込フレーム21の下に配置され、走行車体1の前進で泥面を滑走するように出来ている。ロール32から引き出されて区画29に載っている集団苗は、苗送装置30に基づく延びや、苗載台26の左右移動に基づく側壁27や隔壁28による衝撃などで横巾が縮小され、移植された苗に欠株や小株が発生するおそれがある。つぎの手段により、これを解消あるいは軽減させることが出来る。
【0013】
その1。ベルトコンベア式の苗送装置30を左右一対で構成し、それぞれの区画29に、苗受板24側から見てハの字形に配置する(図3の鎖線)。すると、苗受板24側に繰り出される集団苗が一対の苗送装置30で広げられて上記の縮小が解消される。
その2。図3,図4のように、それぞれの区画29の苗受板24の近くの両側にパット37を上下に移動するように設け、苗送装置30が集団苗を繰り出している時は上ってその送りを害しないようにし、止まっている時は、下って集団苗を押し付けるように構成する。すると、上記の縮小が軽減される。
【0014】
これを図6のように構成することが出来る。苗載台26の下に回動軸38が横向に取付けられ、これに左右一対のレバー39が固定されている。歯車箱19の左右に一対のクランク40が設けられ、エンジン8の動力で図6で反時計方向に回転するようになっている。そして、苗載台26が前記の往復移動で左(又右)端に来ると、右(又は左)のクランク40が、右(又は左)のレバー39を時計方向に押して回動軸38が同方向に回動し、クランク40がレバー39から離れると、図示していないばねで図6の位置に戻るように出来ている。
【0015】
駆動軸41が回動軸38の後に配置され、これに固定した調車とその前に配置した調車にベルトを巻き掛けて苗送装置30が構成されている。側壁27と隔壁28は、薄板をコ字形に折り曲げて作られ、一つの隔壁28の下で駆動軸41に爪車42が固定され、その横にレバー43が回動自在に取付けられている。回動軸38に固定したレバー44と前記のレバー43がリンク45で連結され、回動軸38が前記のように時計方向に回動すると、レバー43が同方向に回動し、前者が反時計方向に戻ると、後者がばね46で引かれて反時計方向に回動して図6の位置に戻るようになっている。爪47がレバー43に取付けられ、レバー43が時計方向に回ると、爪47が爪車42に咬んで、これと駆動軸41が同方向に回動し、レバー43が反時計方向に回ると、爪47が爪車42を滑って駆動軸41が静止するようになっている。すなわち、苗載台26が左(又は右)の横端に来て、集団苗の後端部のその端の欠ぎ取りが終わると、駆動軸41が上記のように時計方向に回動し、苗送装置30がその上の集団苗を苗受板24側に繰り出す。
【0016】
側壁27および残りの隔壁28の下でレバー43、レバー44およびリンク45が上記と同様に設けられている。鈎形の昇降杆48がそれぞれの側壁27及び隔壁28に摺動自在に取付けられ、その脚部がピン49でリンク45の長孔45aに連結されるとともに、ばね50で押し下げられて、レバー44が前記のように揺動すると、昇降杆48が上下に移動するようになっている。側壁27上の昇降杆48の後端に鈎形の連杆51が固定され、隔壁28上の昇降杆48の後端に倒U字形の連杆51が固定され、それぞれの下に前記のパット37が固定されている。
【0017】
なお、操作レバー52を操作すると、リンク45がレバー44との連結軸の回りに反時計方向に回り、その後端がレバー45から離れるようにすると、苗送装置30に対する動力伝達が「切り」になる。操作レバー52を戻すと、ばね53で引かれてレバー45が戻り、上記の動力伝達が「入り」になる。従って、駆動軸41をそれぞれの区画29(又は2個の区画29)ごとに分けて構成し、それぞれの駆動軸ごとに爪車42その他を設けると、あぜクラッチとなって、所望の区画29における集団苗の繰り出しが停止できる。
【0018】
ロール32を支持する装置をつぎのように構成することができる。
その1(図7)。区画29の前部の両横に支柱54が設けられている。放射状支持アーム55がそれぞれの内側に軸56で回転自在に取付けられている。軸33の両端が左右の支持アーム55で支持されて、図では4個のロール32が保持されている。そして、下端のロール32−1から集団苗が苗受板24側に引き出されて苗が移植され、このロール32−1の苗が無くなると、支持アーム55が時計方向に回ってロール32−2から苗移植が行われる。以下同じ。
【0019】
なお、集団苗が無くなったパイプ31と軸33は、苗載台26の前部の収納枠57で受けられる。
その2(図8,図9)。それぞれの区画29の中間部の左右から案内支柱58が上に伸び、それぞれの後に支柱59が固定されている。それぞれの先にスプロケットが設けられ、前後のスプロケットにチェン60が巻き掛けられている。U字形の受部61が左右のチェン60に揃えて設けられ、それぞれでロール32が付いた軸33の両端を支持するようになっている。それぞれのチェン60の下にレール62が設けられ、チェン60が反時計方向に旋回すると、受部61で支持された軸33がその上で後に送られるように出来ている。
【0020】
案内溝58aがそれぞれの案内支柱58の内側に設けられ、後に送られて来た上記の軸33の両端がこれで案内されて下ったのち、後に排出されるようになっている。すなわち、チェン60で軸33が送られてロール32が案内支柱58に来ると、集団苗が後に引き出されてその後端から苗が欠がれて移植が行われる。移植が進むと、ロール32の径が小さくなり、軸33の両端が案内溝58aを下ってロール32も降りる。パイプ31に集団苗が無くなると、軸33が後に排出され、これとパイプ31が後の収納枠63に収納される。なお、隣合って接している案内支柱58や支柱59は、それぞれ一本で共用に構成することができる。
【0021】
予備苗枠66がハンドルフレーム12の左右で走行車体1に設けられている。それぞれの予備苗枠63は、前後に突出して上下と左右で並行な4本の支軸64を備え、パイプ31をそれぞれに差し込むようにして予備のロール32が取付けられる。支軸64の先に止板65が設けられ、パイプ31(ロール32)の脱落が阻止されている。縦軸の回りに支軸64が回動するように設け、走行車体1の前方からそれぞれの支軸64に予備のロール32を取付け、それぞれのロール32を後向きに取出して苗載台26に供給できるようになっている。
【0022】
【効果】
この発明によると、苗載台26の区画が狭巾区画29Aと広巾区画29Bで構成されて、帯状の集団苗が巻かれて出来たロール32が広巾区画29Bに載り、ロール32から引き出された部分が狭巾区画29Aを通って苗受板24に達するので、集団苗の繰り出しや苗載台26の左右の往復移動などでロール32から引き出された部分の横巾が縮小しても、その横端が側壁27や隔壁28から離れるおそれがなくなる。そのため、集団苗の横端が側壁27や隔壁28から離れることに基因する移植苗の欠株や小株の発生が防止される。また、苗受板24側に繰り出される集団苗が一対の苗送装置30で広げられるので、苗載台26の左右移動に基づく側壁27や隔壁28による衝撃などで集団苗の横幅が縮小するのが解消される。更に、苗受板24の近くの両側で上下に移動するパット37により、集団苗の横幅が縮小するのが解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を施した田植機の右側面図
【図2】その平面図
【図3】その一部の拡大した平面図
【図4】その左側面図
【図5】これに用いる機材の斜面図
【図6】その一部の拡大した切断右側面図
【図7】他の田植機の一部の側面図
【図8】他の田植機の一部の側面図
【図9】その平面図
【符号の説明】
23 植込杆
24 苗受板
24a 苗取口
26 苗載台
27 側壁
28 隔壁
29 区画
29A 狭巾区画
29B 広巾区画
30 苗送装置
32 ロール
37 パット

Claims (1)

  1. フレームに固定した苗受板(24)の前又は後に左右に往復移動する苗載台(26)が配置され、苗載台(26)は左右の側壁(27)の間が隔壁(28)で区分されて複数の区画(29)が横並びに形成され、それぞれの区画(29)は苗受板(24)に近い狭巾区画(29A)と遠い広巾区画(29B)で構成されて帯状の集団苗を巻いて作ったロール(32)がその広巾区画(29B)に載るとともにこのロール(32)から引き出した部分が狭巾区画(29A)を通って苗受板(24)に達するように設けられ、植込杆(23)が下向きに通過する苗取口(24a)がそれぞれの狭巾区画(29A)の延長上で苗受板(24)に設けられ、それぞれの区画(29)で苗受板(24)側に繰り出される集団苗が広げられるように左右一対のベルトコンベア式の苗送装置(30)がハの字形に配置され、それぞれの区画(29)の苗受板(24)の近くの両側に上下に移動するパット(37)が設けられ、該パット(37)は、苗送装置(30)が集団苗を繰り出しているときは上がり、苗送装置(30)が止まっているときは下がる構成とした苗載置装置。
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