JP4033112B2 - 自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石とその製造方法、並びにモータ - Google Patents

自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石とその製造方法、並びにモータ Download PDF

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本発明はコンピュータ周辺機、プリンタなどの制御用・駆動用として幅広く使用され、小型軽量化・高出力化を中心に技術革新が活発な、所謂永久磁石回転子型、或は永久磁石界磁型のブラシレスモータや直流モータに関し、更に詳しくは、それらに搭載する自己組織化した希土類ボンド磁石とその製造方法、並びに当該小型モータに関する。
J.J.Croat,J.F.Herbst,R.W.Lee and F.E.Pinkerton:J.Appl.Phys.,Vol.55,2078(1984):非特許文献1により、R−Fe−B(RはNd,Pr)系合金をメルトスパンしたリボンがHci>1.2(MA/m),残留磁化(Mr)800(mT),最大エネルギー積(BH)max112(kJ/m3)の磁気特性が明らかになった。同時にM.Sagawa,S.Fujiwara,H.Yamamoto and Y.Matsuura:J.Appl.Phys.,Vol.55,2083(1984):非特許文献2によって、Nd−Fe−B系合金を出発原料とし,粉末冶金学的手法によって(BH)max304(kJ/m3)の焼結磁石が得られることも明らかになった。1986年には、J.F.Herbst,R.W.Lee and F.E.Pinkerton:Ann.Rev.Mater.Sci.,Vol.16,467(1986):非特許文献3によって、J.J.CroatらやM.SagawaらのNd−Fe−B3元系合金の主相がNd2Fe14B金属間化合物であることが明らかにされた。この希土類−鉄系磁石の作製法としては、その後、メカニカルアロイング法、熱間鋳造法なども提唱されてきた。しかし、1980年代後半から現在に至るまで新市場を創製し、拡充し得た代表的希土類−鉄系磁石はM.Sagawaらの粉末冶金学的手法による常圧焼結磁石と、J.J.Croatらのメルトスパンリボンを出発原料とする急冷磁石の2系統に区分される。
まず、粉末冶金学的手法による常圧焼結磁石であるが、この磁石の作製は既に工業的規模で生産されていた1−5,2−17型Sm−Co系焼結磁石の作製方法を利用できる利
点があることから、いち早く工業的規模での生産技術が確立されたと思われる。また、Dy添加で結晶磁気異方性を高めて熱安定性を改善したり、VやMo添加で熱安定性と耐食性の両者を改善する研究、表面処理による耐食性向上が進展し、(BH)max216〜296(kJ/m3)の焼結磁石としてMRI、VCM、FAやEVなど機械出力数百W〜数十kWに至る比較的大型のモータなどへ広く普及した。
一方,J.J.Croatらのメルトスパンで得られる材料形態はリボンなどの薄帯や,それを粉砕したフレ−ク状の粉末に制限される。このため、一般に使用されるバルク状の永久磁石とするには材料形態の変換、つまり何らかの方法で薄帯や粉末を特定のバルクに固定化する技術が必要となる。粉末冶金学における基本的な粉末固定手段は常圧焼結であるが、メルトスパンリボンは準安定状態に基づく磁気特性を維持する必要があるため常圧焼結の適用は困難である。そのため、もっぱらエポキシ樹脂のような結合剤で薄帯や粉末を特定形状のバルクに固定化することが行われた。R.W.Lee,E.G.Brewere and N.A.Shaffel:IEEE Trans.Magn.,Vol.21,1958(1985):非特許文献4では、(BH)max111(kJ/m3)のメルトスパンリボンを樹脂で固定すると(BH)ma72(kJ/m3)の等方性希土類ボンド磁石ができるとした。
1986年、本発明者らは、上記メルトスパンリボンを粉砕したR−TM−B系急冷粉末を樹脂で固定した(BH))max〜72(kJ/m3)の小口径環状等方性希土類ボンド磁石が小型モータに有用であることを見出し、特願昭61−38830号公報:特許文献1にて明らかにした。その後、前記小口径環状等方性希土類ボンド磁石とSm−Co系ラジアル異方性希土類ボンド磁石との小型モータ特性を比較検証し、前者が有用であるとした(T.Shimoda,SUPPLEMENTARY MATERIAL,“PERMANENT MAGNETS 1988 UPDATE”Wheeler Associate,INC(1988):非特許文献5)。さらに、小型モータに有用であるという報告が、W.Baran,The European Business and Technical Outlook for NdFeB Magnets”Nov.(1989):非特許文献6、G.X.Huang,W.M.Gao,S.F.Yu,:”Application of Melt−Spun Nd−Fe−B Bonded Magnet to the Micro−motor”,Proc.of the 11th International Rare−Earth Magnets and Their Applications,Pittsburgh,USA,pp.583−595,(1990):非特許文献7などによって明らかにされ、1990年代からOA,AV,PC及びその周辺機器、情報通信機器などの駆動源として使用される各種小型高性能モータに広く普及したのである。
特開昭62−196057号公報 特開昭57−170501号公報 J.J.Croat,J.F.Herbst,R.W.Lee and F.E.Pinkerton:J.Appl.Phys.,Vol.55,2078(1984) M.Sagawa,S.Fujiwara,H.Yamamoto and Y.Matsuura:J.Appl.Phys.,Vol.55,2083(1984) J.F.Herbst,R.W.Lee and F.E.Pinkerton:Ann.Rev.Mater.Sci.,Vol.16,467(1986) R.W.Lee,E.G.Brewere and N.A.Shaffel:IEEE Trans.Magn., Vol.21,1958(1985) T.Shimoda,SUPPLEMENTARY MATERIAL,"PERMANENT MAGNETS 1988 UPDATE"Wheeler Associate,INC(1988) W.Baran,The European Business and Technical Outlook for NdFeB Magnets"Nov.(1989) G.X.Huang,W.M.Gao,S.F.Yu,:"Application of Melt−Spun Nd−Fe−B Bonded Magnet to the Micro−motor",Proc.of the 11th International Rare−Earth Magnets and Their Applications,Pittsburgh,USA,pp.583−595,(1990) M.Tokunaga,N.Nozawa,K.Iwasaki,M.Endoh,S,Tanigawa and H.Harada: IEEE Trans.Magn.,Vol.25,3561(1989) H. Sakamoto,M.Fujikura and T.Mukai:J.Appl.Phys.,Vol.69,5382(1991) M.Doser,V.Panchanacthan,and R.K.Mishra:J.Appl.Phys.,Vol.70,6603(1991) T.Takeshita,and R.Nakayama:Proc.of the 11th International workshop on Rare−earth Magnets and Their Applications,Pittsburh,PA.,Vol.1,49(1990) M.Doser,V.Panchanathan,"Pulverizing anisotropic rapidly solidified Nd−Fe−B materials for bonded magnet",J.Appl.Phys.70(10),15,1993 T.Takeshita and R.Nakayama:Proc.of the 10th RE Magnets and Their Applications,Kyoto,Vol.1,551 1989 K.Machida,K.Noguchi,M.Nushimura,Y.Hamaguchi,G.Adachi,Proc.9th Int.Workshop on Rare−Earth Magnets and Ttheir Applications,Sendai,Japan,II,845 2000 K.Machida,Y.Hamaguchi,K.Noguchi,G.Adachi,Digests of the 25th Annual conference on Magnetcs in Japan,28aC−6 2001
ところで、1980年代半ばから現在に至るまでメルトスパンリボンの磁気特性の改良研究は継続的、かつ活発に行われてきたものの、リボン自体の(BH)maxは160(kJ/m3)程であり、当該リボンを粉砕したR−TM−B系急冷粉末を樹脂で固定した磁気的に等方性のボンド磁石の(BH)maxは工業的には〜80kJ/m3である。したがって、1985年当時から最近に至るまで、メルトスパンリボンを粉砕したR−TM−B系急冷粉末を樹脂で固定した磁気的に等方性希土類ボンド磁石の高(BH)max 化は、さほど進展していない。
上記に拘らず、本発明が対象とするコンピュータ周辺機、プリンタなどの制御用、駆動
用として幅広く使用され、所謂永久磁石回転子型、或は永久磁石界磁型のブラシレスモータや直流モータに関しては電気・電子機器の高性能化・高付加価値化の背景のもと、小型磁石モータの更なる小型軽量化・高出力化に対する要求が絶えない。したがって、本発明者らが1986年に見出したメルトスパンリボンを粉砕したR−TM−B系急冷粉末を樹脂で固定した小口径環状等方性希土類ボンド磁石は、もはや小型モータの進化に有用であると言い切ることはできない。
一方、1980年代後半より、Nd2Fe14B化学量論組成より、高Nd組成のメルトスパンリボンを出発原料とした磁気的に異方性の希土類磁石粉末の研究が活発に行われた。従来のSm−Co系ボンド磁石ではインゴットを微粉砕することにより、大きな保磁力Hciが得られるのに対し、Nd2Fe14B系合金インゴットやNd2Fe14B系常圧焼結磁石を粉砕しても小さな保磁力Hciしか得られない。
このため、磁気的に異方性のNd2Fe14B系希土類磁石粉末の出発原料としては、メルトスパンリボンが、先ず検討された。
1989年、TokunagaらはNd14Fe80-X6GaX(X=0.4〜0.5)を熱間据え込み加工(Die−up−set)して得たバルクを機械粉砕して保磁力Hci1.52(MA/m)の異方性Nd2Fe14B系希土類磁石粉末を作製し,これを樹脂で固めて(BH)max127(kJ/m3)の異方性希土類ボンド磁石を得ている[M.Tokunaga,N.Nozawa,K.Iwasaki,M.Endoh,S,Tanigawa and H.Harada:IEEE Trans.Magn.,Vol.25,3561(1989):非特許文献8]。
また、1991年、T.MukaiらはNd14Fe79.85.2Cu1を熱間圧延して,保磁力Hci1.30(MA/m)の異方性Nd2Fe14B系希土類磁石粉末を作製している。[H.Sakamoto,M.Fujikura and T.Mukai:J.Appl.Phys.,Vol.69,5382(1991):非特許文献9]。
このように、GaやCuなどの添加は熱間加工性を向上させ結晶粒径を概ね500(nm)以下に抑制できる。結晶粒成長が抑えられると粉末粒子径が概ね100(μm)以上の粉末であれば保磁力Hciの低下が抑えられた磁石粉末となる。1991年、M.Doser,V.Panchanathanらは、それら熱間加工後のバルクを粉末化する方法として粒界から水素を侵入させNd2Fe14BHXとして崩壊させ、その後真空加熱により脱水素したHD(Hydrogen Decrepitation)異方性希土類磁石粉末を樹脂で固めて(BH)max150(kJ/m3)の異方性希土類ボンド磁石を得ている[M.Doser,V.Panchanacthan,and R.K.Mishra:J.Appl.Phys.,Vol.70,6603(1991):非特許文献10]。
しかし、上記メルトスパンリボンを熱間据え込み,或いは熱間圧延した異方性Nd2Fe14B系希土類磁石粉末は結晶粒界にNd−rich相が存在し、粒界腐食に基づく永久減磁を引起こし易い欠点があった。この欠点を克服する方法として、Ga,Zr,Hf,などの元素を添加したNd−Fe(Co)−B系合金インゴットを水素中で熱処理しNd2(Fe,Co)14B相の水素化(Hydrogenation,Nd2[Fe,Co]14BHx),650〜1000(℃)での相分解(Decomposition,NdH2+Fe+Fe2B),脱水素(Desorpsion),再結合(Recombination)する、いわゆるHDDR処理が提案された[例えば、T.Takeshita,and R.Nakayama:Proc.of the 11th International workshop on Rare−earth Magnets and
Their Applications,Pittsburh,PA.,Vol.1,49(1990):非特許文献11]。この方法で作製された異方性Nd2Fe14B系希土類磁石粉末は0.5μm以下の結晶粒の集合組織のみから構成され、結晶粒界にNd−rich相が存在しない。このHDDR現象のメカニズムに対する研究も精力的に行われ、Dy添加や脱水素条件などによりNd2Fe14B化学量論組成に近い粉末を樹脂で固めた希土類ボンド磁石と同等の熱安定性が期待される保磁力Hci 1.20(MA/m)以上の異方性Nd2Fe14B系希土類磁石粉末も開発された。
しかし、上記、異方性Nd2Fe14B系希土類磁石粉末を用いた高(BH)max希土類ボンド磁石は円柱や立方体で試作されたものであり、実際には一般的な小型モータには殆ど使用されない。その理由は、本発明が対象とする小型モータに搭載する磁石の形状は、かつて試作された高(BH))max希土類ボンド磁石のような単純な円柱や立方体ではなく、例えば直径25(mm)以下の環状、或いは肉厚1(mm)以下の円弧状が求められるからである。例えば前記環状磁石の場合には、半径方向に磁気異方化したラジアル異方性の希土類ボンド磁石が必要となる。このような、ラジアル配向磁界の発生手段としては、例えば、特開昭57−170501号公報:特許文献2に記載されているように環状成形型キャビティを取り囲んで磁性体ヨークと非磁性体ヨークとを交互に組み合わせ、且つ外側に励磁コイルを配置した成形型を用いる。かかる方法は環状成形型キャビティに所定の強さのラジアル配向磁界を発生させるため、高電圧大電流型の電源を用い、例えば170(kAT)のように起磁力を大とすることが行われる。
しかし、環状成形型キャビティの外周から磁性体ヨークにより励磁コイルで励磁した磁束を環状成形型キャビティに有効に集束させるには、磁性体ヨークの磁路を長くせざるを得ず、とくに環状成形型キャビティが小口径(或いは、長尺)になると、起磁力のかなりが漏洩磁束として消費される。その結果、環状成形型キャビティの配向磁界が減少する課題があり、例えば、直径25(mm)以下、肉厚1〜2(mm)、長さと直径の比(L/D=0.5〜1)程度の本発明が対象とする小型モータに搭載されるような環状磁石では希土類磁石粉末の配向度の低下により、希土類ボンド磁石の高(BH)maxの減少が避けられず、円柱や立方体で試作された高(BH)max希土類ボンド磁石とは大きく特性が下回る環状形状のモータ用磁石しか作製することができなかったのである。
上記課題を解決するための第1の発明は、磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とする単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]と、所定量の滑剤を分散した延伸相[B]と、ケミカルコンタクト[C]とを混練したコンパウンド中間体と、磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]を主成分とする球状グラニュール状の球状多核クラスター相[A´]、を必須成分とする自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石である。
また、第2の発明は、(1)磁気的に異方性の多結晶集合型Nd 2 Fe 14 B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とする単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらのクラスター相[A+An]所定量の滑剤を分散した延伸相[B]、ケミカルコンタクト[C]とを混練したコンパウンド中間体[I−a]磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm 2 Fe 17 3 系希土類磁石粉体[A´a]を主成分とする球状グラニュール状の球状多核クラスター相[A´]と、必要に応じて適宜加える添加剤とを混合したコンパウンド[I]の作製工程、(2)前記コンパウンド[I]を磁界中で配向し、当該コンパウンド[I]を圧縮する板状グリーンコンパクト[II]の作製工程、(3)前記グ
リーンコンパクト[II]を熱処理し、単核クラスター相[A]、多核クラスター相[A
n]、又はそれらのクラスター相[A+An]球状多核クラスター相[A´]と、延伸相[B]とをケミカルコンタクト[C]で自己組織化した磁石前駆体[III]の作製工程、(4)前記磁石前駆体[III]に含まれる延伸相[B]の延伸によって環状[IVa]又は円弧状磁石[IVb]に形状変換する工程、から成る製造方法により得られる自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石である。
また、第3の発明は、上記第1の発明又は第2の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]が磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]とオリゴマー[Ab]とで構成され、当該オリゴマー[Ab]が延伸相[B]並びにケミカルコンタクト[C]と自己組織化する反応基質を有するオリゴマーである
また、第4の発明は、上記第1の発明乃至の発明いずれかの自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、前記球状多核クラスター相[A´]が磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]とオリゴマー[A´b]とで構成され、当該オリゴマー[A´b]が前記延伸相B並びに前記ケミカルコンタクト[C]と自己組織化する反応基質を有するオリゴマーである
また、第5の発明は、上記第1の発明乃至第4の発明いずれかの自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、前記球状多核クラスター相[A´]が≦500(μm)の球状グラニュールである。
また、第6の発明は、上記第5の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、前記球状多核クラスター相[A´]が、予め磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´]とオリゴマー[A´b]の有機溶媒溶液とを湿式混合、脱溶媒、圧縮、分級したのち転動流動層造粒法によって球状に仕上げる
また、第7の発明は、上記第6の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、前記転動流動層造粒法は、パルスジェット分散機構(造粒ケーシングの側壁より中心に向かってエアジェットを間欠的に噴射する)を組入れた微細造粒機構を利用する
また、第8の発明は、上記第1の発明乃至の発明いずれかの自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、前記単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]に含まれるオリゴマー[Ab]と前記球状多核クラスター相[A´]に含まれるオリゴマー[A´b]が室温で固体の、且つ分子鎖中に少なくとも2個以上のオキシラン環を有する有機化合物である。
また、第9の発明は、上記第1の発明乃至の発明いずれかの自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、前記単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]に含まれるオリゴマー[Ab]の割合と、前記球状多核クラスター相[A´]に含まれるオリゴマー[A´b]の割合、それぞれ前記単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]および前記球状多核クラスター相[A´]に対して0.5〜3.0(wt.%)である。
また、第10の発明は、上記第1の発明乃至の発明いずれかの自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]と球状多核クラスター相[A´]との和に占める
球状多核クラスター相[A´]の割合が30〜50(wt.%)である。
また、第11の発明は、上記第2の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、コンパウンド[I]に占める全てのクラスターの割合が≦97.5(wt.%)である。
また、第12の発明は、上記第1の発明又は第12の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、コンパウンド[I]に占める延伸相[B]の割合が≧2.5(wt.%)である。
また、第13の発明は、上記第1の発明乃至12の発明いずれかの自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、延伸相[B]が一軸延伸による分子鎖配向能、並びに少なくともケミカルコンタクトCと反応し得る反応基質を含む高分子である。
また、第14の発明は、上記第の発明11の発明、または、第12の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、コンパウンド[I]のがJIS Z2501による見掛密度、及びその粉末流動度は次のとおりである。
コンパウンド[I]の見掛密度≧2.4(Mg/m3)・・・(式1)
コンパウンド[I]の粉末流動度≧45(sec/50g)・・・(式2)
また、第15の発明は、上記第2、11の発明、第12の発明、または、第14の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、板状グリーンコンパクト[II]を作製する際、成形型キャビティに充填したコンパウンド[I]の単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]に含まれるオリゴマー[Ab]、並びに球状多核クラスター相[A´]に含まれるオリゴマー[A´b]の融点以上に熱し、然るのち配向磁界を印加しながら圧縮する。
また、第16の発明は、上記第の発明11の発明、第12の発明、第14の発明、または、第15の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、グリーンコンパクト[II]を作製する際、ケミカルコンタクト[C]による自己組織化開始温度以下とする。
また、第17の発明は、上記第の発明、第11の発明、第14の発明、第15の発明、または、第16の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、板状グリーンコンパクト[II]を作製する際、≧1.5(MA/m)の直交配向磁界の下、板状の板厚に相当する長手方向側面を圧縮する。
また、第18の発明は、上記第の発明、第11の発明、第12の発明、第14の発明、第15の発明、第16の発明、又は第17の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、板状グリーンコンパクト[II]を作製する際、複数のキャビティを有する非磁性材料で構成した成形型並びにダイセットを用いる。
また、第19の発明は、上記第の発明、第11の発明、第12の発明、第14の発明、第15の発明、第16の発明、第17の発明、又は第18の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、板状グリーンコンパクト[II]を作製する際、板状の板厚に相当する長手方向中央の成形型キャビティの最大歪量を≦0.1(mm)とする。
また、第20の発明は、上記第の発明、第11の発明、第12の発明、第14の発明、第15の発明、第16の発明、第17の発明、第18の発明、又は第19の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、板状グリーンコンパクト[II]の密度分布が≦0.1(Mg/m3)である。
また、第21の発明は、上記第の発明、第11の発明、第12の発明、第14の発明、第15の発明、第16の発明、第17の発明、第18の発明、第19の発明又は第20の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、板状グリーンコンパクト[II]の板厚が1.0±0.5(mm)である。
また、第22の発明は、上記第の発明、第11の発明、第12の発明、第14の発明、第15の発明、第16の発明、第17の発明、第18の発明、第19の発明、第20の発明、又は第21の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、自己組織化した磁石前駆体[III]が≦160℃、大気中で板状グリーンコンパクト[II]を熱処理するものである。
また、第23の発明は、上記第の発明、第11の発明、第12の発明、第14の発明、第15の発明、第16の発明、第17の発明、第18の発明、第19の発明、第20の発明、第21の発明、又は第22の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、自己組織化した磁石前駆体[III]の引張強度が板状グリーンコンパクト[II]の3倍を越えるものである。
また、第24の発明は、上記第の発明、第11の発明、第12の発明、第14の発明、第15の発明、第16の発明、第17の発明、第18の発明、第19の発明、第20の発明、第21の発明、第22の発明、又は第23の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、磁石前駆体[III]の延伸による最大圧下率が10(%)である。
また、第25の発明は、上記第の発明、第11の発明、第12の発明、第14の発明、第15の発明、第16の発明、第17の発明、第18の発明、第19の発明、第20の発明、第21の発明、第22の発明、第23の発明、又は第24の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、磁石前駆体[III]に含まれる相Bの延伸を圧延とし、当該圧延後、環状磁石[IVa]に形状変換したものである。
また、第26の発明は、上記第の発明、第11の発明、第12の発明、第14の発明、第15の発明、第16の発明、第17の発明、第18の発明、第19の発明、第20の発明、第21の発明、第22の発明、第23の発明、第24の発明、又は第25の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、環状磁石[IVa]が外径≦25(mm)である。
また、第27の発明は、上記第の発明、第11の発明、第12の発明、第14の発明、第15の発明、第16の発明、第17の発明、第18の発明、第19の発明、第20の発明、第21の発明、第22の発明、第23の発明、又は第24の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、磁石前駆体[III]に含まれる延伸相[B]の延伸をスタンピングとし、円弧状磁石[IVb]に形状変換したものである。
また、第28の発明は、上記第の発明、第11の発明、第12の発明、第14の発明、第15の発明、第16の発明、第17の発明、第18の発明、第19の発明、第20の発明、第21の発明、第22の発明、第23の発明、第24の発明、第25の発明、第26の発明、又は第27の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において
、円弧状磁石[IVb]が不等肉厚で半径方向の磁気特性が異なるものである。
また、第29の発明は、上記第1の発明乃至28の発明いずれかの自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、1.2(MA/m)で磁化した際の20℃の最大エネルギー積(BH)maxが≧120kJ/m3である。
また、第30発明は、上記第1の発明乃至28の発明いずれかの自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、2.0(MA/m)で磁化した際の20℃の最大エネルギー積(BH)maxが≧160kJ/m3である。
また、第31の発明は、上記第1の発明乃至30の発明いずれかの自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石において、100(℃)における減磁曲線の角型(Hk/Hci)が≧0.4である。
また、第32の発明は、上記第1の発明乃至31の発明いずれかの自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石[IVa]を搭載したモータである。
また、第33の発明は、上記第26の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石にかかる外径≦25(mm)の環状磁石[IVa]を搭載したモータである。
また、第34の発明は、上記第1の発明乃至31の発明いずれかの自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石にかかる円弧状磁石[IVb]を搭載したブラシレスモータである。
また、第35の発明は、上記第1の発明乃至31の発明の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石にかかる最大肉厚≦1(mm)の円弧状磁石[IVb]を搭載したモータである。
また、第36の発明は、(1)磁気的に異方性の多結晶集合型Nd 2 Fe 14 B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とする単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらのクラスター相[A+An]と、所定量の滑剤を分散した延伸相[B]と、ケミカルコンタクト[C]とを混練したコンパウンド中間体[I−a]と、磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm 2 Fe 17 3 系希土類磁石粉体[A´a]を主成分とする球状グラニュール状の球状多核クラスター相[A´]と、必要に応じて適宜加える添加剤と、を混合したコンパウンド[I]の作製工程と、(2)前記コンパウンド[I]を磁界中で配向し、当該コンパウンド[I]を圧縮する板状グリーンコンパクト[II]の作製工程と、(3)前記グリーンコンパクト[II]を熱処理し、単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらのクラスター相[A+An]と、球状多核クラスター相[A´]と、延伸相[B]と、をケミカルコンタクト[C]で自己組織化した磁石前駆体[III]の作製工程と、(4)前記磁石前駆体[III]に含まれる延伸相[B]の延伸によって環状[IVa]又は円弧状磁石[IVb]に形状変換する工程と、を備える自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石を製造するハイブリッド型希土類ボンド磁石の製造方法である。
以上のように、本発明によれば、異方性Nd2Fe14B系希土類磁石粉末を用いて小口径化(或いは長尺化)しても希土類ボンド磁石の(BH)maxの減少が改善される。
小型モータのための環状から円弧状に至る多様な磁石形状と磁気特性とが両立する本発明にかかる自己組織化した高(BH)maxハイブリッド型希土類ボンド磁石とは、磁気的
に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とする単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]、磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]を主成分とする球状多核クラスター相[A´]、延伸相[B]、並びに相[A+An]、[A´]、並びに相[B]とのケミカルコンタクト[C]を成分とする。
そして、当該磁石の製造方法としては、(1)クラスター相[A+An]、延伸相[B]、ケミカルコンタクト[C]によるコンパウンド中間体[I−a]、球状多核クラスター相[A´]、並びに前記2種と必要に応じて適宜加える添加剤とを混合したコンパウンド[I]の作製工程と、(2)コンパウンド圧縮による板状グリーンコンパクト[II]の作製工程と、(3)前記グリーンコンパクト[II]を熱処理し、相[A+An]と、相[A´]と、相[B]とをケミカルコンタクト[C]で自己組織化した磁石前駆体[III]の作製工程と、(4)前記磁石前駆体[III]に含まれる相[B]の延伸によって環状[IVa]又は円弧状磁石[IVb]に形状変換する工程と、とから成る。
以上のように得られた自己組織化した高(BH)max希土類ボンド磁石を小型モータに適用することにより、高出力化による省電力化、小型軽量化等、多くの電気・電子機器の高性能化への要望に応えることができる。
(実施の形態)
以上のように、本発明が対象とするコンピュータ周辺機、プリンタなどの制御用、駆動用として幅広く使用され、所謂永久磁石回転子型、或は永久磁石界磁型のブラシレスモータや直流モータに関して、電気・電子機器の高性能化のもと、当該小型磁石モータの更なる小型軽量化・高出力化に対する要求に応えるため、高(BH)max化が、さほど進展しないメルトスパンリボンを粉砕したR−TM−B系急冷粉末を樹脂で固定した磁気的に等方性のボンド磁石に換え、異方性Nd2Fe14B系希土類磁石粉末を用いて小口径化しても希土類ボンド磁石の(BH)maxが減少しない小型モータのための高性能希土類ボンド磁石とその製造方法、並びに当該小型モータに関する技術を開示する。
上記、小型モータに適用し得る任意の環状、或いは円弧状で、例えば、160(kJ/m3)以上の高(BH)max希土類ボンド磁石が容易に作製することができれば、近年の電気電子機器の高性能化を促す。すなわち、新規な高出力・省電力小型モータを提供することができる。何故ならば、従来のメルトスパンリボンを粉砕したR−TM−B系急冷粉末を樹脂で固定した等方性希土類ボンド磁石の(BH)maxは前述のように80(kJ/m3)である。これに対し、任意の環状、或いは円弧状で160(kJ/m3)以上の高(BH)max希土類ボンド磁石が作製できれば、モータ磁石と鉄心との空隙磁束密度は略(BH)maxの比の平方根となるから、当該小型モータの設計思想によるが、約1.4倍の高出力化、30%の小型化が見込まれるのである。
上記、小型モータのための環状から円弧状に至る多様な磁石形状と磁気特性とが両立する本発明にかかる自己組織化した高(BH)maxハイブリッド型希土類ボンド磁石とは、磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とする単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]、磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]を主成分とする球状多核クラスター相[A´]、延伸相[B]、並びに相[A]、[A´]、並びに相[B]とのケミカルコンタクト[C]を必須成分とする。そして、当該磁石の製造方法としては、(1)単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらのクラスター相[A+An]、延伸相[B]、ケミカルコンタクト[C]によるコンパウンド中間体[I−a]、球状多核クラスター相[A´]、並びに前記2種と必要に応じて適宜
加える添加剤とを混合したコンパウンド[I]の作製工程、(2)コンパウンド圧縮による板状グリーンコンパクト[II]の作製工程、(3)前記、グリーンコンパクト[II]を熱処理し、相[A+An]、[A´]と相[B]とをケミカルコンタクト[C]で自己組織化した磁石前駆体[III]の作製工程、(4)前記、磁石前駆体[III]に含まれる相[B]の延伸によって環状[IVa]又は円弧状磁石[IVb]に形状変換する工程、とから成る。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
先ず、本発明にかかる単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]は磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]と延伸相[B]、並びにケミカルコンタクト[C]と自己組織化する反応基質を有するオリゴマー[Ab]とで構成せしめる。このような磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]、並びに延伸相[B]、並びにケミカルコンタクト[C]と自己組織化する反応基質を有するオリゴマー[Ab]とで構成せしめる単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]の構造を図1に概念図で示す。
ただし、図において、[Aa]は通常、粒子径50〜200μmの磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体を表し、それらの六角形が一つ一つのNd2Fe14B結晶を、六角形の中の矢印は磁化容易軸(C軸)を表している。なお、この段階では多核クラスター相[An]の磁化容易軸方向は粉体毎にはランダムで磁気的に等方性であることを示している。また、図のように[Aa]を主成分とする単核クラスター相[A]、並びに多核クラスター相[An]の構造はオリゴマー[Ab]を媒介として多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]の粒子径と分級の程度に応じて単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]とがランダムに作製される。本発明では、両者の混合相[A+An]が通常使用される。
上記、本発明にかかる磁気的に異方性の多結晶集合型異方性Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]としては、熱間据込加工(Die−Up−Setting)によって準備された多結晶集合型異方性Nd2Fe14B系希土類磁石粉体(例えば,M.Doser,V.Panchanathan,“Pulverizing anisotropic rapidly solidified Nd−Fe−B materials for
bonded magnet”,J.Appl.Phys.70(10),15,1993:非特許文献12)、HDDR処理(水素分解/再結合)によって準備された磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体、すなわち、Nd−Fe(Co)−B系合金のNd2(Fe,Co)14B相の水素化(ydrogenation,Nd2[Fe,Co]14BHx)、650〜1000(℃)での相分解(ecomposition,NdH2+Fe+Fe2B)、脱水素(esorpsion)、再結合(ecombination)するHDDR処理(T.Takeshita and R.Nakayama:Proc.of the 10th RE Magnets and Their Applications,Kyoto,Vol.1,551 1989:非特許文献13)で作製した磁石粉体である。
なお、前記磁石粉体の表面を予め光分解したZnなど不活性化処理した磁石粉体など(例えば,K.Machida,K.Noguchi,M.Nushimura,Y.Hamaguchi,G.Adachi,Proc.9th Int.Workshop on Rare−Earth Magnets and Ttheir Applications,Sendai,Japan,II,845 2000:非特許文献14,或いは,K.Machida,Y.Hamaguchi,K.Noguchi,G.Adachi,Digests of the 25th Annual conference
on Magnetcs in Japan,28aC−6 2001:非特許文献15)を挙げることもできる。なお、それら磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]の4(MA/m)パルス着磁後の20℃における保磁力は1(MA/m)以上のものが望ましい。
一方、球状多核クラスター相[A´]は通常粒子径2〜5μmの磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]と延伸相[B]、並びにケミカルコンタクト[C]と自己組織化するオリゴマー[A´b]とで図2のように構成せしめる。なお、この段階では球状多核クラスター相[A´n]の磁化容易軸方向は粉体毎にはランダムで磁気的に等方性であることを示している。ただし、球状多核クラスター相[A´]は≦500(μm)の球状グラニュールとし、それ自体に粉末流動性を付与することが必要である。当該球状多核クラスター相[A´]は、例えば、予め磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]とオリゴマー[A´b]の有機溶媒溶液とを湿式混合、脱溶媒、圧縮、分級したのち転動流動層造粒法によって球状に仕上げることができる。ここで、圧縮とは脱溶媒した固体状の磁石粉体[A´a]とオリゴマー[A´b]との混合相[A´a+A´b]を、例えば当該オリゴマー[A´b]の融点以上に熱した等速ロール圧延機に仕込んで連続圧縮することが工業的な生産には好ましい。圧延機等によって圧縮された混合物[A´a+A´b]は転動流動層造粒によって球状グラニュールとする。とくに、転動流動層造粒の際、パルスジェット分散機構(造粒ケーシングの側壁より中心に向かってエアジェットを間欠的に噴射する)を組入れた微細造粒機構とすると、より球状に近い多核クラスター相[A´]となり、その結果、粉末流動度が発現する。
一方、磁気的に異方性の多結晶集合型異方性Nd2Fe14B系希土類磁石粉体を主成分とする単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]に含まれるオリゴマー[Ab]、或いは磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体を主成分とする多核クラスター相[A´]に含まれるオリゴマー[Ab]、又は[A´b]は室温で固体の、且つ分子鎖中に少なくとも2個以上のオキシラン環を有する有機化合物が好ましい。分子鎖中に少なくとも2個以上のオキシラン環を有する有機化合物としてはビスフェノール類とエピクロルヒドリン或は置換エピクロルヒドリンとにより得られるもの,或いはその他各種の方法によって得られる、例えば(化1)で表されるエポキシオリゴマーがある。
ただし、(化19)のR1,R2は、R1は−O−,−S−,−SO−,−SO2−,或は−CH2−,−CH2CH2−,−C(CH32−等−CpH2p(pは整数)で示されるもの、またR2は−H、或は−CH3,−C25等Cq2q+1(qは整数)で示されるものである。これ等の中で特に好ましいのはR1が−C(CH32−でR2がHものである。また、これ等は共重合体であっても差し支えない。なお、本発明にかかる前記オリゴマーとしては室温で固体、且つ高い結晶性を有するものが好ましい。その理由は単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]、或いは磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]を主成分とする
球状多核クラスター相[A´]などのグラニュール状物質が集合体として良好な粉末流動性を有し、且つオリゴマーの融点以上に熱せられると図3(a)に示すように直ちに全てのクラスター相が速やかに熱解離し、図3(b)に示すように配向磁界Hによって全ての希土類磁石粉体の磁化容易軸(C軸)が特定方向への配向(再配列)を容易ならしめるためである。したがって、前記熱解離並びに再配列を更に容易ならしめるために必要に応じて各種滑剤等を適宜併用することもできる。
上記オリゴマー[Ab]、又は[A´b]の割合を0.5〜3.0(wt.%)とする。この理由は0.5(wt.%)未満では図1,2に示した本発明にかかる各種クラスター相の形成が困難となり、3.0(wt.%)以上では非磁石成分が過剰となり、その分残留磁化Jrや(BH)maxが減少するからである。
一方、混合相[A+An]と球状多核クラスター相[A´]との和に占める多核クラスター相[A´]の割合を30〜50(wt.%)とする。この理由は、図4(a)に示す配向磁界Hによる再配列ののち、配向磁界Hを印加したまま図4(b)のように圧力Pを加えて緻密化する際に、磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]の直接接触を避け、単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]を介して緻密化させるためである。このように、単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]を介して緻密化するための当該球状多核クラスター相[A´]の割合は略3割以上必要とする。このように単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]を介して緻密化すると、多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]表面の緻密化時の摩擦等による損傷や破砕が抑制され、しかも高密度グリーンコンパクト[II]とすることができるからである。ここで、多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]表面の緻密化時の摩擦等による損傷や破砕を抑制する意義は減磁曲線の角型性(Hk/Hci)の劣化や不可逆減磁率の増加を抑制するためにもある。しかしながら、単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]の割合が6割を越えるとグリーンコンパクト[II]の密度は減少傾向に転じるため、高密度化に伴う残留磁化Jrや(BH)maxの増加が期待できなくなる。
上記、全てのクラスター相がコンパウンド[I]に占める割合を≦98(wt.%)、延伸相[B]の割合は≧2(wt.%)とする。相[B]の割合が2(wt.%)未満では当該相の延伸に基づく多様なモータのための最適磁石形状に形状変換することが困難となるからである。そして、当該延伸相[B]は延伸による分子鎖配向能、加えて少なくともケミカルコンタクト[C]と反応し得る反応基質を含む高分子である必要がある。当該高分子としては、例えばホモポリアミドとしてラクタム或はアミノカルボン酸より合成されるものや、ジアミンとジカルボン酸、或はそのエステルやハロゲン化物から合成されるポリアミドの1種又は2種以上とし、前記成分を2.5wt.%以上としたうえで、前記成分の連続相形成のためのケミカルコンタクトを必須成分とすることが好ましい。かかるホモポリアミドとして、ラクタム、或いはアミノカルボン酸より合成されるものと、ジアミンとジカルボン酸、或はそのエステルやハロゲン化物から合成されるものがあり、(化2)で示される。
上記(化2)において、一般にR1,R2,R3はポリメチレン基であり、R1が−(CH2m−であるものはナイロン(m+1)であり、R2が−(CH2p−、R3が−(CH2q-2あるものはナイロンp・qである。尚、更に第3の単量体を加えた共重合体であっても差し支えない。
以上、磁気的に異方性の多結晶集合型異方性Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とする単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]、磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]を主成分とする球状多核クラスター相[A´]、並びに相[B]と共に、本発明ではそれらを化学的結合によって自己組織化するケミカルコンタクト[C]を必須成分とする。ケミカルコンタクト[C]はクラスター相[A],[An],[A+An],及び[A´]に選択されるオリゴマー[Ab],[A´b]、並びに延伸相[B]が有する反応基質の種類によって適宜選択される。仮にオリゴマー[Ab],[A´b]がオキシラン環を有する(化1)の如きエポキシオリゴマーであり、相[B]が分子鎖中に(化2)のように(−NHCO−)なる反応基質を有する高分子とするならば、当該オリゴマー[Ab],[A´b]、並びに相[B]との直接反応も期待される。このような場合には、オリゴマー[Ab],[A´b]のみを強固に架橋せしめるエポキシ樹脂硬化剤のみを使用しても差支えない。このような物質としては、例えばジシアンジアミド及びその誘導体,カルボン酸ジヒドラジド,ジアミノマレオニトリル及びその誘導体のヒドラジドの群より選ばれた1種又は2種以上などを挙げることができる。これ等は一般に有機溶媒に難溶の高融点化合物であるが、粒子径を数ないし数10μmに調整したものが好ましい。なお、ジシアンジアミド誘導体としては、例えばo−トリルビグアニド,α−2・5−ジメチルビクアニド,α−ω−ジフェニルビグアニド,5−ヒドロキシブチル−1−ビグアニド,フェニルビグアニド,α−,ω−ジメチルビクアニドなどがある。更に、カルボン酸ジヒドラジドとしてはコハク酸ヒドラジド,アジピン酸ヒドラジド,イソフタル酸ヒドラジド,p−アキシ安息香酸ヒドラジドなどがある。一方、オリゴマー[Ab],[A´b],並びに延伸相[B]の両者と反応し得るケミカルコンタクト[C]として、例えばイソシアナート再生体を挙げることができる。イソシアナート再生体とはイソシアナート基と活性水素化合物の付加反応によって得られるもので、熱解離によって遊離イソシアナート基を再生し得る化合物の総称である。再生した遊離イソシアナート基と反応し得る反応基質としては、例えば−OH,−COOH,−NHCO−,−NHCOO−,−NHCONH−,−NH2,−NHNH2,−SH,−CHS,−CSOH,活性メチレンなどが挙げられ、ケミカルコンタクトCとして当該イソシアナート再生体を挙げるならば、逆に、これ等−OH,−COOH,−NHCO−,−NHCOO−,−NHCONH−,−NH2,−NHNH2,−SH,−CHS,−CSOH,活性メチレン等の反応基質を有するオリゴマーや高分子であればオリゴマー[Ab],[A´b],並びに相[B]として使用することができる。中でも好ましい反応基質としては−OH,−NHCO−,−NHCOO−
,NHCONH−などである。なお、前記イソシアナート再生体のようにエポキシオリゴマーと完溶し、且つ常温で重合不活性な場合にはオリゴマー[Ab],[A´b]に適宜完溶させておいても差支えない。
以上、磁気的に異方性の多結晶集合型異方性Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とする単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]、磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A’a]を主成分とする球状多核クラスター相[A´]、並びに相[B]と共に、それらを化学的結合によって自己組織化するケミカルコンタクト[C]を必須成分とする本発明にかかるコンパウンド[I]からグリーンコンパクト[II]を作製する製造方法について図面を用いて以下に説明する。
図5(a)は本発明にかかる板状グリーンコンパクトを作製する成形型を示す写真である。図5(b)は直交磁界配向粉末成形機の外観図を示す写真である。先ず、本発明にかかるコンパウンド[I]は図5(a)のようにフィーダボックス1に収容されている。フィーダボックス1がオリゴマー[Ab],[A´b]の融点以上に熱せられたダイセット2側へ前進し、キャビティCV1,2,3,4(幅1.03mm、長さ90mm×4個)にコンパウンド[I]を充填する。その際、コンパウンド[I]をキャビティCV1,2,3,4に均質充填させるためにJIS Z2501による見掛密度≧2.6(Mg/m3)、粉末流動度≧45(sec/50g)とする必要があった。
上記、成形型キャビティに充填した当該コンパウンド[I]は、上パンチ(UP1,2,3,4)を下降した状態で成形型からの熱伝導によって単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]に含まれるオリゴマー[Ab]、並びに球状多核クラスター相[A´]に含まれるオリゴマー[A´b]の融点以上に熱せられ、全てのクラスター相は熱解離する。この例では、図5(b)のようにダイセット2を充填位置から電磁石の磁極3a,3b間に搬送する間に熱解離する。然るのち配向磁界Hを印加しながら圧力Pを加えて緻密化する。その際、ケミカルコンタクトCによる自己組織化開始温度以下、≧1.5(MA/m)の直交配向磁界Hの下、板状の板厚に相当する長手方向側面を圧縮する。
以上のような板状グリーンコンパクト[II]を作製する際、図5(a)のような複数のキャビティを有する非磁性材料で構成した成形型並びにダイセット2を用いて、板状の板厚に相当する長手方向中央の成形型キャビティの最大歪量を≦0.1(mm)とすると共に、当該板状グリーンコンパクト[II]の密度分布を≦0.1(Mg/m3)、板厚を1.0±0.5(mm)とする。
次いで自己組織化した磁石前駆体[III]を作製する際、≦160℃、大気中で板状グリーンコンパクト[II]を熱処理し、自己組織化した磁石前駆体[III]の引張強度が板状グリーンコンパクト[II]の3倍以上となるように調合する。
上記磁石前駆体[III]の延伸による最大圧下率は10(%)となる条件で延伸を圧延とし、当該圧延後、環状磁石[IVa]に形状変換した環状磁石[IVa]とする。とくに、外径≦25(mm)の環状磁石[IVa]とするとモータの性能向上に効果的である。また、延伸相[B]の延伸をスタンピングとし、円弧状磁石[IVb]に形状変換する。とくに、最大肉厚≦1(mm)の不等肉厚の円弧状磁石[IVb]とするとコギングトルクが抑制しながらモータの性能向上に効果的となる。このような磁石は最終的に磁化して使用されるが、1.2(MA/m)で磁化した際の20℃の最大エネルギー積(BH)maxが≧120(kJ/m3)、或いは2.0(MA/m)で磁化した際の20(℃)の最大エネルギー積(BH)maxが≧160(kJ/m3)であることが望ましい。更に、磁
石の初期不可逆減磁を抑制するためには100(℃)における減磁曲線の角型(Hk/Hci)が≧0.4であることが望ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明する。ただし、本発明は実施例によって限定されるものではない。
1.原料に関して説明する。
本実施例ではHDDR処理(水素分解/再結合)によって準備された異方性の平均粒子径80(μm)の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa](Nd12.3Dy0.3Fe64.7Co12.36.0Ga0.6Zr0.1)、RD(酸化還元)した平均粒子径3(μm)の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]を使用した。
また、本発明にかかるオリゴマー[Ab],[A´b]は(化3)で示されるエポキシ当量205〜220(g/eq),融点70−76(℃)のポリグリシジルエーテル−o−クレゾールノボラック型エポキシオリゴマー、クラスター[C]は(化4)で示される粒子径10(μm)以下で融点90〜110(℃)の潜在性エポキシ樹脂硬化剤(酸ジヒドラジド)、延伸相[B]には可塑剤を含む融点180(℃)のポリアミド−12粉末,更に、必要に応じて適宜加える添加剤として、粒子径10(μm)以下で融点約150(℃)の滑剤(ステアリン酸カルシウム)を用いた。
(NH2NHCOCH2CH22N(CH211CONHNH2・・・(化4)
2.希土類ボンド磁石の作製に関して説明する。
本発明にかかる自己組織化した高(BH)maxハイブリッド型希土類ボンド磁石とは、磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とする
単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]、磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]を主成分とする球状多核クラスター相[A´]、延伸相[B]、並びに相[A+An]、[A´]、並びに相[B]とのケミカルコンタクト[C]を成分とする。そして、当該磁石の製造方法としては、(1)クラスター相[A+An]、延伸相[B]、ケミカルコンタクト[C]によるコンパウンド中間体[I−a]、球状多核クラスター相[A´]、並びに前記2種と必要に応じて適宜加える添加剤とを混合したコンパウンド[I]の作製工程と、(2)コンパウンド圧縮による板状グリーンコンパクト[II]の作製工程と、(3)前記グリーンコンパクト[II]を熱処理し、相[A+An]、[A´]と相[B]とをケミカルコンタクト[C]で自己組織化した磁石前駆体[III]の作製工程と、(4)前記磁石前駆体[III]に含まれる相[B]の延伸によって環状[IVa]又は円弧状磁石[IVb]に形状変換する工程とから成る。
先ず、磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とするた単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]の作製例を説明する。異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]を60(℃)に加温したΣブレイドミキサーに所定量仕込み、オリゴマー[Ab]の50(wt.%)アセトン溶液1(wt.%)を滴下し、湿式混合した。
然るのち、80(℃)に熱して脱溶媒、解砕して磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とするた単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]との混合相[A+An]を作製した。
次いで、上記磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とする混合相[A+An]、所定量の予め滑剤を分散した延伸相[B]、ケミカルコンタクト[C]とをΣブレイドミキサーに仕込み、乾式混練してコンパウンド中間体[I−a]とした。
他方では、磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]を主成分とする球状多核クラスター相[A´]を作製した。本発明にかかる球状多核クラスター相[A´]は≦500(μm)の球状グラニュールとし、それ自体に粉末流動性を付与することが重要である。当該球状グラニュールは予め磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]とオリゴマー[A´b]の50(wt.%)アセトン溶液とを室温で湿式混合、80(℃)で脱溶媒、圧縮、分級したのち転動流動層造粒法によって仕上げた。本実施例では脱溶媒した固体状の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]とオリゴマー[A´b]との混合物[A´a+A´b]を、当該オリゴマー[A´b]の融点以上(100℃)に熱した等速ロール圧延機に仕込んで圧縮した。次いで、圧延によって圧縮した混合物[A´a+A´b]を≦500(μm)に分級した。しかし、この状態の混合物[A´a+A´b]はフレーク様の造粒体であるため粉末流動性を示さない。従って、混合物[A´a+A´b]に粉末流動性を付与するために球状とするのである。球状とするために本実施例では転動流動層造粒を採用した。とくに、本実施例では転動流動層造粒の際、パルスジェット分散機構(造粒ケーシングの側壁より中心に向かってエアジェットを間欠的に噴射する)を組入れた微細造粒機構とした。すると、図6の走査電子顕微鏡写真による外観図の如く、球状多核クラスター相[A´]となり、結果として滑剤などの添加剤を加えることなく、粉末流動性が発現した。
図7は混合物[A´a+A´b]中に占めるオリゴマー[A´b]の割合に対する球状多核クラスター相[A´]の微粒子の割合と見掛密度の変化を示す特性図である。図の2種類の曲線は、レーザ回折粒度分布測定器による≦500(μm)の当該球状多核クラスター相[A´]に占める10(μm)以下の割合と球状多核クラスター相[A´]の見掛
密度の変化を示している。図から明らかなように、球状多核クラスター相[A´]はオリゴマー[A´b]の増加に応じて10(μm)以下の割合が減少する。これは、球状多核クラスター相[A´]の収率や機械的強度の観点からオリゴマー[A´b]の適正な割合が3(wt.%)程度であることを示唆している。また、それに対応して見掛密度は増加し、オリゴマー[A´b]3(wt.%)付近ではJIS Z2501に準拠した粉末流動度は≦45(sec/50g)、見掛密度≧2.25(Mg/m3)を示した。
上記のような球状多核クラスター相[A´]は最終的には、予め作製したコンパウンド中間体[I−a]とVブレンダーなどを用いて混合し、本発明にかかるコンパウンド[I]として仕上げた。なお、当該コンパウンド[I]は球状多核クラスター相[A´]の割合が50(wt.%)であっても当該コンパウンド[I]の粉末流動度は≦45(sec/50g)、見掛密度≧2.4(Mg/m3)であった。したがって、粉末成形における
成形性を損なわずに球状多核クラスター相[A´]の割合を広範囲にわたって任意に設定することができる。
次に、上記コンパウンドを直交磁界配向粉末成形機の成形型キャビティに充填した。ただし、成形型の上下パンチとキャビティは100(℃)に加熱されている。
次いで、成形型キャビティに充填されたクラスター混合相[A+An]や球状多核クラスター相[A´]に含まれる異方性希土類磁石粉末[A1a],[A´a]を1.5(MA/m)の磁界中で配向したのち、0.55(GPa)で圧縮、脱磁、離型して厚さ略1〜2(mm)の本発明にかかる板状グリーンコンパクト[II]を得た。
この板状グリーンコンパクト[II]を熱処理し、本発明にかかる自己組織化した分子鎖の配向に基づく形状変換が可能な堅い磁石前駆体[III]とした。なお、本実施例では、自己組織化した磁石前駆体[III]の抗張力は熱処理温度が120(℃)を越えると増加に転じ、160(℃)では室温で100〜120(kg/cm2)に達した。その値はグリーンコンパクトの抗張力を基準とすると約4倍の水準で、希土類ボンド磁石としては充分な機械的強度が発現した。この抗張力の増加は熱処理条件、ケミカルコンタクトCによる化学結合を伴うオリゴマー[Ab],[A´b]と延伸相[B]との自己組織化現象を裏づけるものである。さらに、80〜100(℃)に加熱したスタンピング整形型、延伸ロール、又はそれらの併用による2次加工によって本発明にかかる環状磁石[IVa]から円弧状磁石[IVb]に至る多様な形状の小型モータのための自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石を得た。
3.自己組織化した磁石前駆体[III]の特性に関して説明する。
図8は本発明にかかる自己組織化した磁石前駆体[III]を構成する混合相[A+An]と球状多核クラスター相[A´]との和に占める球状多核クラスター相[A´]の割合に対し、磁石前駆体[III]の(BH)maxと密度をプロットした特性図である。ただし、延伸相[B]は2.5(wt.%)、成形型キャビティの温度は120(℃)一定、(BH)maxは4(MA/m)でバルス磁化したのちにVSM(試料振動型磁力計)、密度はアルキメデス法により測定した。
図から明らかなように、混合相[A+An]と球状多核クラスター相[A´]との和に占める球状多核クラスター相[A´]の割合を30〜50(wt.%)とすると、(BH)maxと密度は一旦上昇したのち、減少に転ずる。本実施例での極大値は(BH)max約182(kJ/m3)、密度約6.25(Mg/m3)であった。すなわち、混合相[A+An]と球状多核クラスター相[A´]との和に占める球状多核クラスター相[A´]の割
合の最適化によって高密度よりも、むしろ高い配向が達成され、ひいては高(BH)maxが得られる。別に、混合相[A+An]と球状多核クラスター相[A´]との和に占める球状多核クラスター相[A´]の割合を30〜50(wt.%)とすると、配向磁界Hによる再配列ののち、配向磁界Hを印加したまま圧力Pで緻密化する際に、磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]の直接接触を避け、単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]を介して緻密化することができる。単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]を介して緻密化するためには当該球状多核クラスター相[A´]は略≧30(wt.%)必要とする。このように単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]を介して緻密化すると、多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]表面の緻密化時の摩擦等による損傷や破砕が抑制される。
図9は本発明にかかる自己組織化した磁石前駆体[III]を構成する混合相[A+An]と球状多核クラスター相[A´]との和に占める球状多核クラスター相[A´]の割合に対し、当該磁石前駆体[III]の100(℃)における減磁曲線の角型性(Hk/Hci)をプロットした特性図である。図から明らかなように、高温暴露時の減磁曲線の角型性(Hk/Hci)は球状多核クラスター相[A´]の割合に応じて良化することが判る。この理由は、球状多核クラスター相[A´]の割合に応じて混合相[A+An]中の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]のグリーンコンパクト[II]を作製する際の劣化が球状多核クラスター相[A´]の介在によって抑制されるためと説明できる。
上記のような高温暴露時の角型性(Hk/Hci)の劣化が球状多核クラスター相[A´]の割合に応じて抑制されるという事実は、実質的に図10で示すグリーンコンパクト[II]を熱処理して自己組織化した磁石前駆体[III]を作製する際の(BH)maxの変化にも関連している。なお、図10で示した比較例は球状多核クラスター相[A´]を含まず、多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とする混合相[A+An]のみから作製した磁石前駆体[III]の特性曲線を示している。図から明らかなように、本実施例では大気中で熱処理しても多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]表面の緻密化時の摩擦等による表面損傷や破砕が抑制されるため、実質的に(BH)maxの劣化が抑制されるのである。なお、磁石の初期不可逆減磁を抑制するためには100(℃)における減磁曲線の角型(Hk/Hci)が≧0.4であることが望ましく、そのためには自己組織化した磁石前駆体[III]を構成する混合相[A+An]と球状多核クラスター相[A´]との和に占める球状多核クラスター相[A´]の割合が略30(wt.%)必要であった。
他方、本発明で対象とする小型モータでは、磁石が熱せられた際に引き起こされる不可逆減磁が重要視される。そこで、球状多核クラスター相[A´]の割合を40(wt.%)とした本発明にかかる磁石前駆体[III]の暴露温度に対する不可逆減磁率の関係を図11に示す。ただし、不可逆減磁率FLは(φo−φ)/φo(ただし、φoは暴露前の磁束、φは高温暴露後の磁束)から求めた。なお、図中の比較例は球状多核クラスター相[A´]を含まず、多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とする混合相[A+An]のみから作製した磁石前駆体[III]の特性曲線を示している。図から明らかなように、100℃以上の高温暴露では両者に顕著な特性差が見られ、本発明にかかる磁石前駆体[III]の不可逆減磁が小さい。また、両者の不可逆減磁率の差は、より高温での暴露で顕著となる。
そこで、混合相[A+An]と球状多核クラスター相[A´]との和に占める球状多核クラスター相[A´]の割合に対して、暴露温度100、120(℃)で各1(hr)放置した際の不可逆減磁率を図12に示す。ただし、不可逆減磁率FLは(φo−φ)/φ
o(ただし、φoは暴露前の磁束、φは高温暴露後の磁束)から求めた。図から明らかなように、本発明にかかる多核クラスター相[A´]が存在すると磁石の不可逆減磁を抑制できる。例えば球状多核クラスター相[A´]の割合を30〜50(wt.%)とすると100(℃)暴露後の不可逆減磁率は本発明にかかる球状多核クラスター相[A´]を含まないものに比べて1/2以下に抑制できる。
以上の本実施例のように、本発明にかかる磁石前駆体[III]は高(BH)maxでしかも不可逆減磁に代表される磁気安定性も良化していることが明らかになった。しかしながら、他方で本発明が対象とするモータでは磁石を充分に磁化して使用することが通常求められる。
一般に磁石を少ないエネルギーで磁化するには高保磁力型磁石は不利である。しかしながら、不可逆減磁に対しては逆に高保磁力型磁石が有利とされている。そこで、混合相[A+An]と球状多核クラスター相[A´]との和に占める球状多核クラスター相[A´]の割合に対する保磁力Hciの関係を調べた。
図13は混合相[A+An]と球状多核クラスター相[A´]との和に占める球状多核クラスター相[A´]の割合に対して磁化する際に重要な室温における保磁力Hciの関係を示す特性図である。
図から明らかなように、多核クラスター相[A´]を含まない比較例の保磁力905(kA/m)に対し、例えば球状多核クラスター相[A´]を40(wt.%)含む本実施例は860(kA/m)と約5(%)小さな値を示した。このように、高温暴露における不可逆減磁が少ない本実施例が室温での保磁力Hciの値が小さい。換言すると、本発明にかかる磁石は高(BH)max、低不可逆減磁であり、そのうえ低エネルギーでの磁化が可能であることになる。したがって、本発明が対象とする小型モータのための磁石として極めて適したものと結論づけることができる。
4.環状磁石[IVa]並びに円弧状磁石[IVb]の作製に関して説明する。
図14は厚さ0.4〜2.5(mm)の自己組織化した磁石前駆体[III]を予め4(MA/m)のパルス磁界で磁化し、等速ロール圧延したとき、圧延による表面磁束の変化を圧延後の厚さに対してプロットした特性図である。図において、○(丸印白)は圧延前、●(丸印黒)は圧延後を示すプロットである。例えば、比較例として示した範囲の結果は磁石前駆体[III]の厚さが≧2(mm)の場合の特性曲線を示している。また、CURVE−1は圧延前の磁石前駆体[III]の厚さと表面磁束の関係を示す特性曲線である。図から明らかなように、2.1〜2.5(mm)と比較的厚く仕上げた磁石前駆体[III]の表面磁束は圧延による僅かな厚さ減少で表面磁束が大きく減少している。これは、圧延していない磁石前駆体[III]の厚さに対する表面磁束曲線[CURVE−1]を基準とすると、明らかに磁石粉体[Aa]もしくは[A’a]の圧延による配向の乱れに起因する表面磁束低下と言える。これに対して、実施例しとして示した厚さ約1.3(mm)の磁石前駆体[III]の圧延による表面磁束のプロットは[CURVE−1]と殆ど一致している。したがって、この場合には明らかに磁石粉体[Aa]もしくは[A’a]の圧延による配向の乱れに起因する表面磁束低下は観測されない。換言すれば、厚さ約1〜2(mm)程度の磁石前駆体[III]であれば、圧延による配向の乱れに起因する表面磁束の低下を抑制できるということになる。例えば、直径25(mm)以下、肉厚1〜2(mm)、長さと直径の比(L/D=0.5〜1)程度の本発明が対象とするような環状磁石では圧縮、射出、押出などの作製方法に拘らず、ラジアル配向磁界の減少に基づく希土類磁石粉末の配向度の低下により、希土類ボンド磁石の高(BH)max
減少が避けられず、円柱や立方体で試作された高(BH)max希土類ボンド磁石とは大きく特性が下回るラジアル異方性環状磁石しか作製することができなかったのであるが、本発明によれば、その課題を排除できることは明らかである。
図15(a)は厚さ1.05(mm)、長さ90(mm)、幅4.5(mm)の磁石前駆体[III]を厚さ1.02(mm)に圧延したときの磁石の外観図を示す写真である。
ただし、図中[III]は磁石前駆体、[IV]は圧延後の本発明にかかるハイブリッド型希土類ボンド磁石を示している。図から明らかなように、磁石前駆体[III]は堅いが、延伸相[B]の圧延によって仕上げた本発明にかかるハイブリッド型希土類ボンド磁石[IV]は圧延方向(この場合は長手方向)が極めてしなやかになっていることが了解される。これは延伸相[B]が圧延によって機械的に圧延方向に一軸延伸された結果であり、これを、例えば図15(b)に示す写真のように積層電磁鋼板(Laminated steel core)に巻付けると本発明にかかる環状磁石[IVa]が得られる。なお、この環状磁石[IVa]は当該磁石の径によらず常に一定の(BH)max値を有するラジアル異方性の環状ハイブリッド型希土類ボンド磁石[IVa]となる。
ところで、上記自己組織化した磁石前駆体[III]の延伸相[B]を圧延によって延伸する際、当該磁石前駆体[III]に大きな密度差が生じると圧延時に蛇行する原因となる。密度差が生じる原因は板状グリーンコンパクト[I]を作製する際の成形型キャビティへの均質充填や上下からの緻密化のための圧縮不均一性などが挙げられる。本実施例では板状グリーンコンパクト[II]の密度分布を略≦0.1(Mg/m3)とすれば、厚さ1.05(mm)、長さ90(mm)、幅4.5(mm)の磁石前駆体[III]を厚さ1.02(mm)に圧延したとき、圧延によって生じる蛇行(最大撓み)は略≦0.1(mm)と殆ど無視できる水準となった。
また、延伸相[B]の延伸をスタンピングとし、円弧状磁石[IVb]に形状変換することもできる。とくに、最大肉厚≦1(mm)の不等肉厚の円弧状磁石[IVb]とするとコギングトルクを抑制しながらモータの性能向上に効果的となる。このような磁石は最終的に磁化して使用されるが、1.2(MA/m)で磁化した際の20℃の最大エネルギー積(BH)maxが≧120(kJ/m3)、或いは2.0(MA/m)で磁化した際の20(℃)の最大エネルギー積(BH)maxが≧160(kJ/m3)であることが望ましい。
本発明にかかる自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石とその製造方法、並びにモータは、高出力化によるモータの高効率化の効果を有し、所謂永久磁石回転子型、永久磁石型モータ、或は永久磁石界磁型のブラシレスモータや直流モータ等として有用である。
単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]の構造を示す概念図 多核クラスター相[A´]の構造を示す概念図 混合相[A+An]並びに多核クラスター相[A´]の熱解離と再配列の概念図、(a)は熱解離の概念図、(b)は再配列の概念図 混合相[A+An]並びに多核クラスター相[A´]の再配列と緻密化の概念図、(a)は再配列の概念図、(b)は緻密化の概念図 成形型及び成形機の写真による外観図、(a)は本発明にかかる板状グリーンコンパクトを作製する成形型、(b)は直交磁界配向粉末成形機を示す外観図 球状多核クラスター相[A´]の走査電子顕微鏡写真による外観図 球状多核クラスター相[A´]の微粒子の割合と見掛密度の変化を示す特性図 球状多核クラスター相[A´]の割合と(BH)max及び密度の関係を示す特性図 球状多核クラスター相[A´]の割合と減磁曲線の角型性の関係を示す特性図 熱処理温度と(BH)maxの変化を示す特性図 暴露温度と不可逆減磁率の関係を示す特性図 多核クラスター相[A´]の割合と不可逆減磁率の関係を示す特性図 球状多核クラスター相[A´]の割合と室温の保磁力の関係を示す特性図 圧延による表面磁束の変化を示す特性図 磁石前駆体[III]及び本発明の環状磁石の写真による外観図、(a)は前駆体[III]を厚さ1.02(mm)に圧延したときの外観図、(b)は積層電磁鋼板に巻付けられた本発明にかかる環状磁石[IVa]の外観図
符号の説明
A 単核クラスター相
A´ 多核クラスター相
H 配向磁界

Claims (36)

  1. 磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とする単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]と、所定量の滑剤を分散した延伸相[B]と、ケミカルコンタクト[C]とを混練したコンパウンド中間体と
    磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]を主成分とする球状グラニュール状の球状多核クラスター相[A´]、を必須成分とする自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  2. (1)磁気的に異方性の多結晶集合型Nd 2 Fe 14 B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とする単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらのクラスター相[A+An]所定量の滑剤を分散した延伸相[B]、ケミカルコンタクト[C]とを混練したコンパウンド中間体[I−a]
    磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm 2 Fe 17 3 系希土類磁石粉体[A´a]を主成分とする球状グラニュール状の球状多核クラスター相[A´]と、
    要に応じて適宜加える添加剤とを混合したコンパウンド[I]の作製工程
    (2)前記コンパウンド[I]を磁界中で配向し、当該コンパウンド[I]を
    する板状グリーンコンパクト[II]の作製工程
    (3)前記グリーンコンパクト[II]を熱処理し、単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらのクラスター相[A+An]球状多核クラスター相[A´]と、延伸相[B]とをケミカルコンタクト[C]で自己組織化した磁石前駆体[III]の作製工程
    (4)前記磁石前駆体[III]に含まれる延伸相[B]の延伸によって環状[IVa]又は円弧状磁石[IVb]に形状変換する工程
    から成る製造方法により得られる自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  3. 単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]が磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B系希土類磁石粉体[Aa]とオリゴマー[Ab]とで構成され、当該オリゴマー[Ab]が延伸相[B]並びにケミカルコンタクト[C]と自己組織化する反応基質を有するオリゴマーである請求項1又は請求項2に
    載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  4. 前記球状多核クラスター相[A´]が磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´a]とオリゴマー[A´b]とで構成され、当該オリゴマー[A´b]が前記延伸相B並びに前記ケミカルコンタクト[C]と自己組織化する反応基質を有するオリゴマーである請求項1乃至請求項のいずれかに記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  5. 前記球状多核クラスター相[A´]が≦500(μm)の球状グラニュールである請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  6. 前記球状多核クラスター相[A´]が、予め磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173系希土類磁石粉体[A´]とオリゴマー[A´b]の有機溶媒溶液とを湿式混合、脱溶媒、圧縮、分級したのち転動流動層造粒法によって球状に仕上げる請求項5記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  7. 前記転動流動層造粒法は、パルスジェット分散機構(造粒ケーシングの側壁より中心に向かってエアジェットを間欠的に噴射する)を組入れた微細造粒機構を利用する請求項6記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  8. 前記単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]に含まれるオリゴマー[Ab]と前記球状多核クラスター相[A´]に含まれるオリゴマー[A´b]が室温で固体の、且つ分子鎖中に少なくとも2個以上のオキシラン環を有する有機化合物である請求項1乃至請求項のいずれかに記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  9. 前記単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]に含まれるオリゴマー[Ab]の割合と、前記球状多核クラスター相[A´]に含まれるオリゴマー[A´b]の割合、それぞれ前記単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]および前記球状多核クラスター相[A´]に対して0.5〜3.0(wt.%)である請求項1乃至請求項のいずれかに記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  10. 前記単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]と前記球状多核クラスター相[A´]との和に占める前記球状多核クラスター相[A´]の割合が30〜50(wt.%)である請求項1乃至請求項のいずれかに記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  11. 前記コンパウンド[I]に占める全てのクラスターの割合が≦97.5(wt.%)である請求項2に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  12. 前記コンパウンド[I]に占める前記延伸相[B]の割合が≧2.5(wt.%)である請求項2または請求項11に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  13. 前記延伸相[B]が一軸延伸による分子鎖配向能、並びに少なくともケミカルコンタクトCと反応し得る反応基質を含む高分子である請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  14. 前記コンパウンド[I]がJIS Z 2501による見掛密度≧2.4(Mg/m3)、粉末流動度≧45(sec/50g)とする請求項2、請求項11、または、請求項1
    2に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  15. 前記板状グリーンコンパクト[II]を作製する際、成形型キャビティに充填したコンパウンド[I]の単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらの混合相[A+An]に含まれるオリゴマー[Ab]、並びに球状多核クラスター相[A´]に含まれるオリゴマー[A´b]の融点以上に熱し、然るのち配向磁界を印加しながら圧縮する請求項2、請求項11、請求項12、または、請求項14に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  16. 前記グリーンコンパクト[II]を作製する際、前記ケミカルコンタクト[C]による自己組織化開始温度以下とする請求項2、請求項11、請求項12、請求項14、または、請求項15に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  17. 前記板状グリーンコンパクト[II]を作製する際、≧1.5(MA/m)の直交配向磁界の下、板状の板厚に相当する長手方向側面を圧縮する請求項2請求項11、請求項12、請求項14、請求項15、または、請求項16に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  18. 前記板状グリーンコンパクト[II]を作製する際、複数の成形型キャビティを有する非磁性材料で構成した成形型並びにダイセットを用いる請求項2請求項11、請求項12、請求項14、請求項15、請求項16、または、請求項1に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  19. 前記板状グリーンコンパクト[II]を作製する際、板状の板厚に相当する長手方向中央の成形型キャビティの最大歪量を≦0.1(mm)とする請求項2請求項11、請求項12、請求項14、請求項15、請求項16、請求項17、又は請求項1に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  20. 前記板状グリーンコンパクト[II]の密度分布が≦0.1(Mg/m3)である請求項2、請求項11、請求項12、請求項14、請求項15、請求項16、請求項17、請求項18、または、請求項19に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  21. 前記板状グリーンコンパクト[II]の板厚が1.0±0.5(mm)である請求項2、請求項11、請求項12、請求項14、請求項15、請求項16、請求項17、請求項18、請求項19、または、請求項20に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  22. 自己組織化した磁石前駆体[III]が≦160℃、大気中で板状グリーンコンパクト[II]を熱処理するものである請求項2、請求項11、請求項12、請求項14、請求項15、請求項16、請求項17、請求項18、請求項19、請求項20、または、請求項21に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  23. 自己組織化した磁石前駆体[III]の引張強度が板状グリーンコンパクト[II]の3倍を越える請求項2請求項11、請求項12、請求項14、請求項15、請求項16、請求項17、請求項18、請求項19、請求項20、請求項21、または、請求項22に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  24. 磁石前駆体[III]の延伸による最大圧下率が10(%)である請求項2、請求項11、請求項12、請求項14、請求項15、請求項16、請求項17、請求項18、請求項19、請求項20、請求項21、請求項22、または、請求項23に記載の自己組織化し
    たハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  25. 磁石前駆体[III]に含まれる延伸相Bの延伸を圧延とし、当該圧延後、環状磁石[IVa]に形状変換した請求項2、請求項11、請求項12、請求項14、請求項15、請求項16、請求項17、請求項18、請求項19、請求項20、請求項21、請求項22、請求項23、または、請求項24に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  26. 環状磁石[IVa]が外径≦25(mm)である請求項2、請求項11、請求項12、請求項14、請求項15、請求項16、請求項17、請求項18、請求項19、請求項20、請求項21、請求項22、請求項23、請求項24、または、請求項25に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  27. 磁石前駆体[III]に含まれる延伸相[B]の延伸をスタンピングとし、円弧状磁石[IVb]に形状変換した請求項2、請求項11、請求項12、請求項14、請求項15、請求項16、請求項17、請求項18、請求項19、請求項20、請求項21、請求項22、請求項23、または、請求項24に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  28. 円弧状磁石[IVb]が不等肉厚で半径方向の磁気特性が異なる請求項2、請求項11、請求項12、請求項14、請求項15、請求項16、請求項17、請求項18、請求項19、請求項20、請求項21、請求項22、請求項23、請求項24、請求項25、請求項26、または、請求項27に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  29. 1.2(MA/m)で磁化した際の20℃の最大エネルギー積(BH)maxが≧120kJ/m3である請求項1乃至請求項28のいずれかに記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  30. 2.0(MA/m)で磁化した際の20℃の最大エネルギー積(BH)maxが≧160kJ/m3である請求項1乃至請求項28のいずれかに記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  31. 100(℃)における減磁曲線の角型(Hk/Hci)が≧0.4である請求項1乃至請求項30のいずれかに記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石。
  32. 請求項1乃至請求項31のいずれかに記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石にかかる環状磁石[IVa]を搭載したモータ。
  33. 請求項26に記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石にかかる外径≦25(mm)の環状磁石[IVa]を搭載したモータ。
  34. 請求項1乃至請求項31のいずれかに記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石にかかる円弧状磁石[IVb]を搭載したブラシレスモータ。
  35. 請求項1乃至請求項31のいずれかに記載の自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石にかかる最大肉厚≦1(mm)の円弧状磁石[IVb]を搭載したモータ。
  36. (1)磁気的に異方性の多結晶集合型Nd 2 Fe 14 B系希土類磁石粉体[Aa]を主成分とする単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらのクラスター相[A+An]と、所定量の滑剤を分散した延伸相[B]と、ケミカルコンタクト[C]と
    を混練したコンパウンド中間体[I−a]と、
    磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm 2 Fe 17 3 系希土類磁石粉体[A´a]を主成分とする球状グラニュール状の球状多核クラスター相[A´]と、
    必要に応じて適宜加える添加剤と、を混合したコンパウンド[I]の作製工程と、
    (2)前記コンパウンド[I]を磁界中で配向し、当該コンパウンド[I]を圧
    縮する板状グリーンコンパクト[II]の作製工程と、
    (3)前記グリーンコンパクト[II]を熱処理し、単核クラスター相[A]、多核クラスター相[An]、又はそれらのクラスター相[A+An]と、球状多核クラスター相[A´]と、延伸相[B]と、をケミカルコンタクト[C]で自己組織化した磁石前駆体[III]の作製工程と、
    (4)前記磁石前駆体[III]に含まれる延伸相[B]の延伸によって環状[IVa]又は円弧状磁石[IVb]に形状変換する工程と、
    を備える自己組織化したハイブリッド型希土類ボンド磁石を製造するハイブリッド型希土類ボンド磁石の製造方法。
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