JP4033367B2 - ケーソンマット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート製ケーソンの底面に接続されるケーソンマットに関する。重力式護岸のために構築されるケーソンは、コンクリートでできた矩形体であり、この底面には主にゴム板状のケーソンマットが取り付けられる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、港湾構造物を安定させ、波力、地震などの災害防止を図るために、重力式護岸のために構築されるケーソンの底面へケーソンマットが取付けられている。かかるケーソンマットは、波力や地震などの災害に対して、捨て石マウンドとの間の滑動抵抗を増大させ、構造物を安定させるマット状のゴム板である。ゴム板状ケーソンマット1が取り付けられたコンクリート製ケーソン5は、図4に示すように捨て石マウンド6上に設置される。岸壁の築造に際しては、コンクリート製ケーソン5が、例えば図5に示すように一列に捨て石マウンド6上に設置される。
【0003】
近年では、ケーソンマットがゴム板で弾力性と強靭性とを有することから、ケーソンと捨石マウンドとの摩擦係数を0.75以上に設定することが可能となり、構造物が安定し安全性が高められている。また、ケーソンの小型化も可能となり、経費節減にもつながっている。
【0004】
かかるゴム板状ケーソンマットには、図6に示すように多数本のアンカー部材7が取付けられ、このアンカー部材7によってケーソンマット1が、その上に注入されたコンクリートのケーソンへ固定される。ケーソンマット1へのアンカー部材7の取付け方法はこれまで種々提案されており、その全てが図7に示すようにケーソンマットに貫通孔を設けボルトとナット等を用いて取りつけるものであった。
【0005】
例えば、実開昭3−2044号に開示されたケーソンラバーにおいては、図5に示すように、偏平かつ大径のボルト頭部10とそれを包み込んだヘッドカバー11がゴム板状マット12の座ぐり13に密着してナット14を介して固定され、ケーソンマットの表面に突出した当該ボルトの螺刻部15にアンカー部材が螺子込まれる方式であった。同様に、ケーソンマットに貫通孔を設けボルトとナット等を用いてアンカー部材を取付る方式のものとして、例えば、実開昭62−200741号、実開昭5−22635号、特開昭7−71041号等に開示されたものが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来提案され、また採用されているゴム板状ケーソンマットへのアンカー部材の取付方法は、上述のように、いずれもゴム板状ケーソンマットに設けられた貫通孔を介してボルトとナット等を用いてアンカー部材を取付る方式のものである。このような操作は現場で行なうこととなる場合が多く、この場合一人で行うことは容易ではなく、そのため、ケーソン設置の作業性を低下させる原因となっていた。また、ボルトとナットを用いてアンカー部材を取付る方式では、取り付け後ナットが緩むという問題が生ずることもあった。
【0007】
そこで本発明の目的は、ケーソンマットが配置または積み上げられた状態で、一方からのアンカー部材の取付を一人でも容易に行うことができるケーソンマットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく、一人でも容易に一方のみからアンカー部材をケーソンマットに取り付けられるようにする点に特に主眼を置いて鋭意検討した結果、以下により上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明のケーソンマットは、コンクリート製ケーソンの底面に接続されるゴム板状のケーソンマットであって、該ゴム板状のケーソンマットの適宜複数箇所に貫通孔が穿設され、該貫通孔に埋込アンカー部材が挿入されるケーソンマットにおいて、前記貫通孔にばね板ナットが設置され、かつ、該ばね板ナットのケーソン側上面に、該ばね板ナットよりも幅広の座金が配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
本発明の好適例におけるケーソンマットを図面に基づき説明する。
【0011】
先ず、本発明に使用するばね板ナットについて説明する。ばね板ナットとは、相手軸に溝を切らずに押し込むだけで固定するセルフロッキングタイプで、鋼材等の弾性材のもつばね作用により部品を保持することができるナットのことであり、種々のタイプのものが知られている。本発明においては、かかるばね板ナットをケーソンマットに穿設した貫通孔に適用するものであり、保持すべき部品を埋込アンカー部材とするものである。従来のアンカー部材は、上述したようにねじ溝が切ってあったが、本発明においてはケーソンマットの貫通孔にばね板ナットを設置したことで、アンカー部材にねじ溝を切る必要がない。
【0012】
本発明において、好適に使用し得るばね板ナットを図1に示す。図1に示すばね板ナット2には、内円縁部に複数のひだ部3が下方に傾斜して設けられており、ねじ溝のないアンカー部材7がばね板ナット2に挿入されると、該ひだ部3が押し拡げられて弾性的に埋込アンカー部材7を保持する。一旦、挿入されたアンカー部材7は、下方に向いたひだ部3により弾性的に保持されるため、上方に引き抜くことは困難であり、ケーソンマットとコンクリートケーソンとの接合を良好に維持することができる。
【0013】
ゴム板状のケーソンマット1の貫通孔へのばね板ナット2の設置箇所は、図2の(イ)に示すようにケーソンマット1の厚さ方向において中間部より下方が好ましい。また、図2の(ロ)に示すようにばね板ナット2の上面に、該ばね板ナットよりも幅広の座金4を設け、挿入された埋込アンカー部材7の、より一層の安定化を図ることができる。
【0014】
ケーソンマット1の貫通孔に挿入される埋込アンカー部材は、コンクリートに埋設される部分はL字型とし、ばね板ナット2に打ち込む部分は、ばね板ナット2への挿入を容易にするために先端をテーパー状としておくことが好ましい。また、材質は鋼製、樹脂製等、特に制限されるものではない。
【0015】
ばね板ナット2のひだ部3が形成する直径よりも太い埋込アンカー部材7を該ばね板ナット2に打込むと、ひだ部3が弾性的に拡径し、これにより、埋込アンカー部材7がゴム板状ケーソンマット面上に立設される。本発明の方法においては、上述のようにアンカー部材7を押し込むか、またはハンマーで打ち込むだけでゴム板状ケーソンマット1に固定させることができるため、一方のみから一人で容易に行うことができる。即ち、一人では容易に行うことのできない従来のボルトとナットを用いる取り付け方式のものと比べ、作業効率が一段と高まり、工事費削減につながることになる。
【0016】
図3に示す如く、埋込アンカー部材の立設後は、かかるケーソンマットを指定場所に敷き、常法に従い、その上に型枠を組み上げ、該型枠の中にコンクリートを流し込み、固結させることによりコンクリートケーソンを形成する。
【0017】
本発明におけるケーソンマットの貫通孔の数、埋込アンカー部材の形状、材質および大きさは、接合すべきケーソンの寸法や形状に従い適宜選定すればよい。
【0018】
また、本発明に係るゴム板状ケーソンマットの大きさおよび厚さも、構築されるケーソンの大きさや形に応じて適宜選定され、特に限定されるべきものではないが、例えば、長さ1000mm、幅2000mm、厚さ30mm程度が一般的である。
【0019】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明のケーソンマットにおいては、簡単な部材にて、ケーソンマットが配置または積み上げられた状態で、一方からのケーソンマットへの埋込アンカー部材の取付を一人でも容易に行うことができ、よって作業効率が高まり、工事費削減につながるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るばね板ナットの好適例を示す斜視図である。
【図2】ケーソンマットへのばね板ナットの設置方法を示す断面図である。
【図3】埋込アンカー部材取り付け際中のケーソンマットの斜視図である。
【図4】ゴム板状ケーソンマットが取り付けられたコンクリートケーソンが捨て石マウンド上に設置された状態を示す斜視図である。
【図5】コンクリートケーソンが一列に捨て石マウンド上に設置された状態を示す斜視図である。
【図6】従来のアンカー部材取り付け後のケーソンマットの斜視図である。
【図7】従来例のケーソンマットへのアンカー部材の取付け方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ケーソンマット
2 ばね板ナット
3 ひだ部
4 座金
5 コンクリート製ケーソン
6 捨て石マウンド
7 アンカー部材
10 ボルト頭部
11 ヘッドカバー
12 ゴム板状マット
13 座ぐり
14 ナット
15 螺刻部

Claims (2)

  1. コンクリート製ケーソンの底面に接続されるゴム板状のケーソンマットであって、該ゴム板状のケーソンマットの適宜複数箇所に貫通孔が穿設され、該貫通孔に埋込アンカー部材が挿入されるケーソンマットにおいて、前記貫通孔にばね板ナットが設置され、かつ、該ばね板ナットのケーソン側上面に、該ばね板ナットよりも幅広の座金が配置されていることを特徴とするケーソンマット。
  2. 前記ばね板ナットが弾性材からなり、ばね作用により前記埋込アンカー部材を保持する請求項1記載のケーソンマット。
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