JP4034465B2 - インクジェット記録シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方式を利用したプリンタに適用される光沢を有するインクジェット記録シートに関するものであり、特に、白紙の黄変化を改良した高い光沢と高い発色性を有するインクジェット記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させ紙等の記録シートに付着させ、画像・文字等の記録を行うものである。該記録方式は、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像及び定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として、種々の用途において急速に普及している。更に、多色インクジェット方式により形成される画像は、多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して遜色のない記録を得ることが可能であり、作製部数が少なくて済む用途では写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
【0003】
更に、インクジェット方式を利用したプリンターは、市場からのさらなる画像の品質向上に対する要求のために、高解像度化、色再現範囲の拡大が図られている。これに伴い、記録媒体であるインクジェット記録シートには、優れた画像品質を発現するための高いインク受理容量の確保や発色性の良好な塗層の塗設が不可欠となっている。加えて、光沢、剛直、色相等の外観及び長期保存性も銀塩写真や印刷用紙に類似することが要望されてきている。
【0004】
インクジェット記録シートに関して、銀塩写真に匹敵する品質を達成するため、これまでに様々な試みが提案されている。例えば、発色性を高めるためには、光の散乱を抑制し透明性を持たせることや、表面にインクを多く分布させることが必要となる。この要求に対して、特開平7−82694号公報、同5−32413号公報、同9−99627号公報等に記載されているようにカチオン性コロイド粒子であるアルミナ水和物を支持体上に塗布してインクジェット記録シートを得る方法が開示されている。
【0005】
また、光沢を高めるために、例えば、特開平2−113986号公報にはカチオン性高分子電解質を含む水溶液で処理した後にキャストする方法、特開平2−274587号公報には光沢向上のためにコロイダルシリカを用い、カチオン性高分子電解質を含む水溶液で処理した後にキャストする方法、等が提案されている。
【0006】
一方、インクジェット記録シートを銀塩写真の代替として用いる場合、画像品質や光沢などの外観と同様に保存安定性も重要な要求特性となる。銀塩写真を長期保存する場合、通常アルバムやクリアブック等の透明ファイルに入れて保存される。インクジェット記録シートをこれらのファイルに入れて保存する場合、特に空気に触れるファイルの入り口付近で白紙が黄色く変色する現象が見られる。この様な変色を起こした場合、特に銀塩写真に匹敵する画像品質を有するインクジェット記録シートにおいては、画像部の色相が変化する等の著しい品質の低下を招くこととなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の課題を解決するための本発明は、ファイル保存時に白紙が黄変しにくい、高い光沢と高い発色性を有するインクジェット記録シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、以上のような問題点を解決するため鋭意研究の結果、本発明に至った。
【0009】
支持体上の片面に、少なくとも1層のインク受理層と、光沢発現層が順次積層されてなるインクジェット記録シートにおいて、該支持体がパルプと顔料としてタルクを主成分とし、定着剤として硫酸バンドを含有する酸性紙であり、該光沢発現層がアルミナ水和物或いはカチオン性コロイダルシリカのいずれか或いは両方を主成分とする塗被組成物からなり、かつ、湿潤状態のうちに加熱された鏡面ロールに圧接、乾燥して塗設されてなり、該インク受理層が、多孔性合成非晶質シリカを主成分とする塗被組成物からなることを特徴とするインクジェット記録シートの発明である。ここで、本発明における酸性紙とは、通常パルプスラリーに定着剤として硫酸バンド、サイズ剤としてロジンを添加し、その他バインダー等の各種添加剤を添加した後、酸性領域で抄造される紙である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について詳細に説明する。
【0014】
本発明は、ファイル保存時に白紙が黄変しにくい、高い光沢と高い発色性を有するインクジェット記録シートである。
【0015】
インクジェット記録シートをファイルに入れて保存するとき、空気に触れるファイルの入り口付近で黄色く変色する原因として、ファイル自体に含まれる2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等の酸化防止剤が、インクジェット記録シートに移行して、酸化反応を経てキノン構造を有する化合物となり、インクジェット記録シートを黄変させているものと推測される。
【0016】
発明者は、支持体として酸性紙を用い、その片面に特定の顔料からなるインク受理層を設け、更に該インク受理層上に特定の顔料を含有する光沢発現層を、湿潤状態のうちに加熱された鏡面ロールに圧接、乾燥して塗設する事により、ファイル保存時に白紙が黄変しにくく、且つ高い光沢と発色性が得られることを見いだし、本発明の完成に至った。
【0017】
本発明で使用される支持体としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ、等の木材パルプ、ケナフ、バガス、コットン等の非木材パルプと、顔料としてタルクを主成分として、定着剤として硫酸バンド、ロジン等のサイズ剤や、バインダー及び歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、酸性領域で、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で抄造された酸性紙を用いる。
【0018】
本発明のインクジェット記録シートの支持体として、酸性紙を用いることにより、インクジェット記録シートの表面pHが酸性となり、酸化防止剤の黄変化を抑制すると推測される。
【0019】
更に、該支持体に澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙も本発明に使用可能な支持体に含まれる。この様な原紙及び塗工紙に、そのまま本発明に係るインク受理層を設けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用しても良い。又、該支持体の坪量としては、通常40〜300g/m2であるが、特に制限されるものではない。
【0020】
本発明に係るインク受理層には、以下の顔料或いは粒子を1種以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。上記の中でもインク受理層に主体成分として含有する顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナ等が挙げらる。この中でも特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカを用いた場合、インク受理層中に十分な塗層空隙が得られ、インクの吸収性が高まり、より好ましい。
【0021】
該インク受理層に配合されるバインダーには、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又はその誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;或いはこれら各種重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;或いはこれら各種重合体にカチオン基を用いてカチオン化したもの、カチオン性界面活性剤にて重合体表面をカチオン化したもの、カチオン性ポリビニルアルコール下で重合し重合体表面に該ポリビニルアルコールを分布させたもの、カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で重合を行い、重合体表面に該粒子が分布しているもの等;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性バインダー;ポリメチルメタクリレート等のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体樹脂;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系バインダー等を挙げることができる。
【0022】
該インク受理層のバインダーの配合量は、顔料100重量部に対して、5〜70重量部、好ましくは、10〜50重量部である。5重量部未満では、該インク受理層の塗層強度が不足するし、70重量部を超えるとインクの吸収性が低下するため好ましくない。
【0023】
又、該インク受理層には、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、染料定着剤等を適宜配合することもできる。
【0024】
該インク受理層は、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等の各種装置を用い、オンマシン或いはオフマシンで1層以上塗設される。
【0025】
該インク受理層の塗工量は、適用する顔料やバインダーの種類及び量、インクジェット記録装置の種類により異なるが、2g/m2以上、好ましくは、4〜20g/m2の範囲である。
【0026】
該インク受理層を塗設、乾燥した後、該インク受理層上に光沢発現層を塗設する前に、平坦化を目的として、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー、スーパーカレンダー等のカレンダー装置をオンマシン或いはオフマシンで使用しても良い。平坦化することにより該光沢発現層を塗設した後のインクジェット記録シートの光沢が高まるため好ましいが、過度の平坦化処理を施した場合、インク受理層中の塗層空隙が少なくなりすぎ、インク吸収性を著しく損なう場合があるため、留意する必要がある。
【0027】
本発明に係る光沢発現層には、以下の顔料或いは粒子を適宜組み合わせて用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。上記の中でも、特に、アルミナ水和物或いはコロイダルシリカ、特にその中でもカチオン性コロイダルシリカは、該光沢発現層の透明性を高くし、又、表層にインクを多く分布させることにより、発色性を高めるため、好ましい。
【0028】
該光沢発現層に配合されるバインダーには、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又はその誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;或いはこれら各種重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;或いはこれら各種重合体にカチオン基を用いてカチオン化したもの、カチオン性界面活性剤にて重合体表面をカチオン化したもの、カチオン性ポリビニルアルコール下で重合し重合体表面に該ポリビニルアルコールを分布させたもの、カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で重合を行い、重合体表面に該粒子が分布しているもの等;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性バインダー;ポリメチルメタクリレート等のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体樹脂;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系バインダー等を挙げることができる。
【0029】
該光沢発現層中のバインダーの配合量は、顔料100重量部に対して、5〜70重量部、好ましくは、10〜50重量部である。5重量部未満では、該光沢発現層の塗層強度が不足するし、70重量部を超えるとインクの吸収性が低下するため好ましくない。
【0030】
又、該光沢発現層には、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、染料定着剤等を適宜配合することもできる。
【0031】
該光沢発現層は、インク受理層上に、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等の各種装置を用い、オンマシン或いはオフマシンで塗設される。
【0032】
該光沢発現層を塗設、乾燥した後、光沢を付与する目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー、スーパーカレンダー等のカレンダー装置をオンマシン或いはオフマシンで使用しても良いが、過度のカレンダー処理を施した場合、光沢発現層中の細孔容量が著しく低下し、インク吸収性が低下する場合があるので、留意する必要がある。
【0033】
更に、該光沢発現層が、湿潤状態のうちに加熱された鏡面ロールに圧接、乾燥されることにより塗設されるとき、ロールの鏡面形状がインクジェット記録シートに転写されるために、表面の平滑性が非常に高くなり、強光沢が得られるため、好ましい。このとき、鏡面ロールに押しつける際の線圧は、カレンダー装置を用いる場合と比較して低いために、光沢発現層の細孔容量が著しく低下することが無く、良好なインク吸収性が得られるため、より好ましい。
【0034】
本発明に係る、湿潤状態のうちに加熱された鏡面ロールに圧接、乾燥する方法とは、一般に印刷用キャストコート紙と同じ製造方法であり、直接法、凝固法、再湿潤法(リウェット法)等が挙げられる。直接法は、光沢発現層を塗設後、未乾燥の状態(湿潤状態)で加熱された鏡面ロールに圧接し乾燥する方法である。凝固法は、光沢発現層を塗設後、未乾燥の状態の該層を凝固液により凝固させた後、加熱された鏡面ロールに圧接し乾燥する方法である。又、再湿潤法は、光沢発現層を塗設し乾燥後、水を主体とする湿潤液にて該層を再湿潤させ、加熱された鏡面に圧接し乾燥する方法である。該法に係る該鏡面ロールの表面粗度、直径、圧接時の圧力(線圧)、塗工速度は、市販のキャストコート紙の製造条件と同様に適宜選択することができる。
【0035】
該光沢発現層の塗工量としては、適用する顔料やバインダーの種類及び量、インクジェット記録装置の種類により異なるが、2g/m2以上、好ましくは、4〜20g/m2の範囲である。
【0036】
本発明に係るインクジェット記録シートは、インクジェット記録シートとしての使用に留まらず記録時に液状であるインクを使用するどのような記録シートとして用いてもよい。例えば、熱溶融性物質、染料、顔料等を主成分とする熱溶融性インクを樹脂フィルム、高密度紙、合成紙等の薄い支持体上に塗布したインクシートを、その裏面より加熱し、インクを溶融させて転写する熱転写記録用受像シート、熱溶融性インクを加熱溶融して微小液滴化、飛翔記録するインクジェット記録シート、油溶性染料を溶媒に溶解したインクを用いたインクジェット記録シート、光重合型モノマー及び無色又は有色の染料、顔料を内包したマイクロカプセルを用いた感光感圧型ドナーシートに対応する受像シート等が挙げられる。
【0037】
これらの記録シートの共通点は、記録時にインクが液体状態である点である。液状インクは、硬化、固化又は定着までに、記録シートのインク受理層の深さ方向又は水平方向に対して浸透又は広がっていく。上述した各種記録シートはそれぞれの方式に応じた吸収性を必要とするもので、本発明のインクジェット記録シートを上述した各種の記録シートとして利用しても何らかまわない。
【0038】
更に、複写機、プリンター等に広く使用されている電子写真方式のトナーを加熱定着する記録シートとして、本発明におけるインクジェット記録シートを使用してもよいし、粘着剤層を設けてラベル用途に使用することも可能である。
【0039】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。又、実施例において示す部及び%は、特に明示しない限り固形分の重量部及び重量%を示す。
【0040】
<支持体Aの作製>
LBKP(濾水度400mlcfs)90部とNBKP(濾水度450mlcfs)10部からなる木材パルプ100部に対して、タルク10部、硫酸バンド3部、市販のロジンサイズ剤0.2部、市販のカチオン化澱粉0.3部を調成後、長網抄紙機を用いて坪量125g/m2に抄造した後、オンマシンのインクラインドサイズプレス装置で市販の酸化澱粉を付着させ、坪量127g/m2の酸性原紙を得た。該酸性原紙を支持体Aとした。
【0041】
<支持体Bの作製>
LBKP(濾水度400mlcfs)90部とNBKP(濾水度450mlcfs)10部からなる木材パルプ100部に対して、軽質炭酸カルシウム10部、市販のアルキルケテンダイマー0.1部、市販のカチオン性ポリアクリルアミド0.05部、市販のカチオン化澱粉1.0部部を調成後、長網抄紙機を用いて坪量125g/m2に抄造した後、オンマシンのインクラインドサイズプレス装置で市販の酸化澱粉を付着させ、坪量127g/m2の中性原紙を得た。該中性原紙を支持体Bとした。
【0042】
参考例1
支持体A上に塗被組成物を塗設してインク受理層を得た。塗被組成物は、顔料として市販の多孔性合成非晶質シリカ(ファインシールX37B:トクヤマ社製)を100部、バインダーとして市販のポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)を40部、市販のカチオン定着剤(スミレーズレジン1001:住友化学社製)20部を調合して得た。塗被組成物の固形分濃度は17%である。該塗被組成物をエアーナイフコーターにて絶乾重量10g/m2となるように該支持体A上に塗工し乾燥した後、オンマシンでマシンカレンダー処理を行い、インク受理層を得た。
【0043】
次いで、支持体A上に塗設されたインク受理層上に塗被組成物を塗設して光沢発現層を得た。該塗被組成物は、顔料として市販のアルミナゾル(カタロイドAS−3:触媒化学社製)を70部、市販のカチオン性コロイダルシリカ(スノーテックスAK:日産化学社製)を30部、バインダーとして市販のポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)20部を調合して得た。該塗被組成物の固形分濃度は12%である。該塗被組成物をエアーナイフコーターで絶乾塗工量が5g/m2となるように該インク受理層上に塗工し、乾燥した後、オンマシンでマシンカレンダー処理を行い、参考例1のインクジェット記録シートを得た。
【0044】
実施例1
参考例1と同様にして得たインク受理層上に、塗被組成物を塗設して光沢発現層を得た。該塗被組成物は、顔料として市販のアルミナ水和物(カタロイドAS−3:触媒化学社製)を70部、市販のカチオン性コロイダルシリカ(スノーテックスAK:日産化学社製)を30部、バインダーとして市販のポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)を20部、離型剤として市販のノニオン性オレイン酸乳化物(DEF7100:日新化学社製)1部を調合して得た。該塗被組成物の固形分濃度は12%である。該塗被組成物をエアーナイフコーターで絶乾塗工量が5g/m2となるように該インク受理層上に塗工し、湿潤状態のうちに表面温度が100℃に保たれた鏡面ロールに10秒圧接し乾燥して、実施例1のインクジェット記録シートを得た。
【0045】
実施例2
参考例1と同様にして得たインク受理層上に、塗被組成物を塗設して光沢発現層を得た。該塗被組成物は、顔料として市販のアルミナ水和物(カタロイドAS−3:触媒化学社製)を30部、市販のカチオン性コロイダルシリカ(スノーテックスAK:日産化学社製)を70部、バインダーとして市販のポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)を20部、離型剤として市販のノニオン性オレイン酸乳化物(DEF7100:日新化学社製)1部を調合して得た。該塗被組成物の固形分濃度は14%である。該塗被組成物をエアーナイフコーターで絶乾塗工量が5g/m2となるように該インク受理層上に塗工し、湿潤状態のうちに表面温度が100℃に保たれた鏡面ロールに10秒圧接し乾燥して、実施例2のインクジェット記録シートを得た。
【0046】
実施例3
参考例1と同様にして得たインク受理層上に、塗被組成物を塗設して光沢発現層を得た。該塗被組成物は、顔料として市販のアルミナ水和物(カタロイドAS−3:触媒化学社製)を100部、バインダーとして市販のポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)を20部、離型剤として市販のノニオン性オレイン酸乳化物(DEF7100:日新化学社製)1部を調合して得た。該塗被組成物の固形分濃度は10%である。該塗被組成物をエアーナイフコーターで絶乾塗工量が5g/m2となるように該インク受理層上に塗工し、湿潤状態のうちに表面温度が100℃に保たれた鏡面ロールに10秒圧接し乾燥して、実施例3のインクジェット記録シートを得た。
【0047】
実施例4
参考例1と同様にして得たインク受理層上に、塗被組成物を塗設して光沢発現層を得た。該塗被組成物は、顔料として市販のカチオン性コロイダルシリカ(スノーテックスAK:日産化学社製)を100部、バインダーとして市販のポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)を20部、離型剤として市販のノニオン性オレイン酸乳化物(DEF7100:日新化学社製)1部を調合して得た。該塗被組成物の固形分濃度は16%である。該塗被組成物をエアーナイフコーターで絶乾塗工量が5g/m2となるように該インク受理層上に塗工し、湿潤状態のうちに表面温度が100℃に保たれた鏡面ロールに10秒圧接し乾燥して、実施例4のインクジェット記録シートを得た。
【0048】
参考例2
参考例1と同様にして得たインク受理層上に、塗被組成物を塗設して光沢発現層を得た。該塗被組成物は、顔料として市販のコロイダルシリカ(スノーテックスXL:日産化学社製)を100部、バインダーとして市販のポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)を20部、離型剤として市販のノニオン性オレイン酸乳化物(DEF7100:日新化学社製)1部を調合して得た。該塗被組成物の固形分濃度は16%である。該塗被組成物をエアーナイフコーターで絶乾塗工量が5g/m2となるように該インク受理層上に塗工し、湿潤状態のうちに表面温度が100℃に保たれた鏡面ロールに10秒圧接し乾燥して、参考例2のインクジェット記録シートを得た。
【0049】
比較例1
支持体として、支持体Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1のインクジェット記録シートを得た。
【0050】
実施例及び比較例に関する評価結果を表1に示す。
なお、表1に示す評価は以下の方法により行った。
【0051】
<白紙黄変>
市販のポリプロピレン性プラスティックファイル袋(A4サイズ、3種類)の片面中央を5cm×5cmの正方形に切り、各インクジェット記録シートの光沢発現層側が穴のあいているファイル面に当たるようにファイルに入れ、20℃、65%Rhの条件下で75日放置した。ファイル保存前後のインクジェット記録シートの光沢発現層側のL*a*b*を色彩色差計(CR−200:ミノルタ社製)で測定した。白紙の黄変の程度は、各インクジェット記録シートのファイル保存前後のb*の差(△b*)で表すことができ、この数値が小さい程黄変が少ないことを示す。△b*が1.5以下の場合には、色味の違いがはっきりしないが、2.0以上の場合には、明らかに黄色みがついていると感じられる。表中の△b*値は、各インクジェット記録シートについて3種類のファイルで保存したときの△b*の平均値である。
【0052】
<光沢度>
光沢発現層の表面の75度鏡面光沢度を測定した。該光沢度は、JIS Z8741に準じて、光沢度計(ディジタル光沢度計 GM−26D:村上色彩技術研究所)にて測定した。
【0053】
<発色性>
市販のインクジェットプリンタ(BJC420J;フォトインクカートリッジ搭載:キヤノン社製)を用いて、ブラックのベタ印字を行い、印字部の光学反射濃度をマクベス濃度計(RD919)で測定した。
【0054】
<吸収性>
上記のインクジェットプリンタを用いて、シアンインクとマゼンタインクからなる混色ベタパターン中に白線(非印字部)の格子パターンを作成し、格子へのインクの滲み出しを以下の基準で目視判定した。評価Cは実使用上問題となるレベルである。
A:格子がクリアである。
B:格子が狭くなり、僅かにインクの滲み出しが見られる。
C:インクの滲み出しにより、格子が一部で欠如している。
【0055】
【表1】
Figure 0004034465
【0056】
実施例1〜4、参考例1、2、比較例1より、支持体として酸性紙を用いることにより、白紙が黄変しにくくなり、且つ高い光沢と高い発色性が得られることがわかる。又、光沢発現層を、湿潤状態のうちに加熱された鏡面ロールに圧接、乾燥する場合、より高い光沢と良好な吸収性を示し、本発明はより効果を示すことがわかる。
【0057】
【発明の効果】
実施例から明らかなように、本発明は、支持体として酸性紙を用い、インク受理層と光沢発現層を順次積層することにより、白紙の黄変化が改良された高い光沢と高い発色性を有するインクジェット記録シートを提供できる。更に、インク受理層と光沢発現層に特定の顔料を用い、光沢発現層が湿潤状態のうちに加熱された鏡面ロールに圧接、乾燥して塗設されることにより、高い光沢と吸収性を有するインクジェット記録シートを提供できる。

Claims (1)

  1. 支持体上の片面に、少なくとも1層のインク受理層と、光沢発現層が順次積層されてなるインクジェット記録シートにおいて、該支持体がパルプと顔料としてタルクを主成分とし、定着剤として硫酸バンドを含有する酸性紙であり、該光沢発現層がアルミナ水和物或いはカチオン性コロイダルシリカのいずれか或いは両方を主成分とする塗被組成物からなり、かつ、湿潤状態のうちに加熱された鏡面ロールに圧接、乾燥して塗設されてなり、該インク受理層が、多孔性合成非晶質シリカを主成分とする塗被組成物からなることを特徴とするインクジェット記録シート。
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