JP4039896B2 - 円柱体搬送具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円柱体の外周に巻き付けて円柱体を垂直状態で搬送可能とする円柱体搬送具に関するものである。
【0002】
【従来技術】
一般に、通信ケーブル等を地下トンネルに敷設した場合、当該通信ケーブル等に乾燥空気を送り込み、当該通信ケーブル等を水や湿気等から保護することが行われている。このため、圧縮あるいは液化した乾燥空気を充填したボンベをマンホールから地下トンネル内に搬入し、地下トンネル内の所定の場所に設置した後、当該ボンベから当該通信ケーブル等に乾燥空気を供給している。
このボンベを地下トンネル内に搬入しあるいは搬出する場合、従来、いわゆる袴と称する搬送具を使用し、ボンベを寝かした状態で当該搬送具に固定した後当搬送具に釣りロープを通し、しかる後に、当該ボンベを立てた状態にし、当該ボンベを立てた状態で吊るしてマンホール内に運び込んだり、あるいは、搬出したりしていた。
【0003】
しかしながら、マンホールは周知のとおり狭く、また、地下トンネル内も大きな作業空間が得られないため、当該搬送具をボンベから外したり、あるいは、装着したりする作業が非常に困難であった。
このような困難を解消しようとして、許可された方法ではないが、ボンベのキャップ部分にロープを通し、吊り下げてマンホール内に搬入したり、あるいは、マンホールから搬出したりしようとしたが、キャップが外れるという事故が発生した。
このため、ボンベの外周の上下の位置にロープを巻き付けて、立てた状態でマンホール内に搬入し、あるいは、搬出する方法が採られていた。
【0004】
図6は、この従来のボンベ搬送方法を説明するための図である。この図6において、符号101は液化あるいは圧縮した乾燥空気を充填したボンベである。このボンベ101の外周の上側位置Puで所定の長さのロープ103の一端を結び、かつ、当該ボンベ101の外周の下側位置Pdで前記ロープ103の他端を結ぶことにより前記ロープ103を輪状にし、かつ、必要以上に傾かないようにするため、キャップ105にロープ107の一端を固定するとともに、前記ロープ107の他端を上側位置Pu近くのロープ103に固定しておく。
【0005】
ついで、当該ボンベ101をマンホール内に搬入し、あるいは、搬出する場合、当該ロープ103の輪部分にクレーンのフック109を引っ掛け、できるだけボンベ101が垂直状態になるようにして、マンホール内に搬入し、あるいは、マンホールから搬出していた。
そして、マンホール内へ搬入する場合では、マンホール位置の地下トンネル内でロープを外す作業をすることにより、ボンベ101をマンホールから地下トンネル内へ搬送する作業が完了することになる。
この場合には、地下トンネル内では、ボンベを立てた状態でロープを外すだけなので、作業空間が狭くても作業ができるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法では、ボンベ外周にロープを結び付ける作業に熟練が必要であって、熟練者がいないと作業ができないという欠点があった。
また、上記従来の方法では、ロープをボンベに結び付ける作業が不完全であると、ロープからボンベが抜け落ちてしまうという事故が発生する恐れがあった。さらに、上記方法の場合、できるだけ垂直になるようにするため、作業員が上記ボンベを支える必要があり、マンホールが深い場合などは、作業員がボンベを支えることができないためボンベが斜めになってしまい、ボンベを破損したり、あるいは、マンホールを傷つけてしまうという恐れがあった。
本発明は、上述した点を解消し、簡単な作業で確実に円柱体を垂直状態で搬送可能とした円柱体搬送具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】
上記目的を達成するため、本願請求項1に係る円柱体搬送具は、円柱体の外周に巻き付けて円柱体を垂直状態で搬送可能とする円柱体搬送具であって、所定の幅で所定の長さに形成され前記長さ方向に前記円柱体外周の円弧に沿う曲面が形成された二つの緊締用金具と、前記二つの緊締用金具の各一端部を連結する連結ベルトと、前記少なくとも一方の緊締用金具の他端部に設けたバックルと、前記他方の緊締用金具の他端部に設けられ前記バックルに挿脱可能な自由ベルトとからなり、前記緊締用金具の円柱体に当接する面とは反対側の面には前記幅方向に偏った位置に引掛金具が設けられ、かつ、前記緊締用金具の円柱体に当接する面側には滑止部材が設けられており、かつ、前記二つの緊締用金具が前記円柱体の直径位置で対峙して配置される長さに連結ベルトの長さを選択してなることを特徴とするものである。
本願請求項2に係る発明では、前記請求項1に係る円柱体搬送具において、前記他方の緊締用金具の他端部には、前記自由ベルトの上にさらに重ねてバックルを設けたことを特徴とするものである。
本願請求項3に係る発明では、前記請求項1に係る円柱体搬送具において、前記連結ベルトの前記円柱体に当接する面には、滑止部材が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1ないし図4は、本発明の実施の形態を説明するためのものである。
ここに、図1は、本発明の実施の形態に係る円柱体搬送具を示す斜視図である。この図1において、円柱体搬送具1は、ボンベや電信柱のような円柱体の外周に巻き付けてボンベや電信柱のような円柱体を垂直状態で搬送可能とするものである。以下では、当該円柱体をボンベに限定して説明することにする。
【0009】
本発明の実施の形態に係る円柱体搬送具1は、図1に示すように、所定の幅で所定の長さに形成され前記長さ方向に前記ボンベ外周の円弧に沿う曲面が形成された二つの緊締用金具3a,3bと、前記二つの緊締用金具3a,3bの各一端部31a,31bを連結する連結ベルト5と、前記少なくとも一方の緊締用金具3aの他端部32aに補助ベルト7を介して設けられたバックル9aと、前記他方の緊締用金具3bの他端部32bに設けられ前記バックル9aに挿脱可能な自由ベルト11とからなる。
【0010】
また、上記円柱体搬送具1では、前記二つの緊締用金具3a,3bのボンベに当接する面とは反対側の面には前記幅方向に偏った位置に引掛金具13a,13bが設けられている。また、前記二つの緊締用金具3a,3bのボンベに当接する面の全面には、ゴムなどの素材で形成された滑止部材15a,15bが設けられている。
さらに、上記円柱体搬送具1では、前記二つの緊締用金具3a,3bが前記ボンベの直径位置で対峙して配置される長さに連結ベルト5及び補助ベルト7の長さを調整して選択してある。
【0011】
加えて、上記円柱体搬送具1では、前記他方の緊締用金具3bの他端部32bには、前記自由ベルト11の上にさらに重ねてバックル9bが設けられており、前記バックル9aを通した自由ベルト11をさらに前記バックル9bに通して安全性を高められるようにしてある。
また、上記円柱体搬送具1は、前記連結ベルト5の前記ボンベに当接する面の全面に、ゴムなどの素材で形成された滑止部材15cを設けられている。
【0012】
前記連結ベルト5、補助ベルト7および自由ベルト11の幅は、二つの緊締用金具3a,3bの幅よりやや狭いものが使用されている。これは、二つの緊締用金具3a,3bの本体の一端部31a,31bおよびに他端部32a,32bに短軸方向にスリットSLをそれぞれ設け、前記一端部31a,31bのスリットSLには前記連結ベルト5の両端部を通し、前記他端部32a,32bのスリットSLには補助ベルト7および自由ベルト11の各一端部を通し、それぞれを折り返して縫うなどして固定してあるからである。
【0013】
また、上記バックル9a,9bは、全く同様の構成をしており、四角い枠体91の図示上下対峙するスライド用枠軸92u,92dにスライド93が滑動可能に固定されている。また、前記バックル9aの図示左右方向の取付用枠軸94には、補助ベルト7が通されて折り返されて縫うなどして固定されている。
前記バックル9bは、自由ベルト11の他端側が他方の緊締用金具3bの他端部32bのスリットSLに通して折り返され、さらにバックル9bの図示左右方向の取付用枠軸94に前記自由ベルト11を通しての折り返された後、縫うなどして固定されている。
【0014】
このバックル9aおよびバックル9bに自由ベルト11を図1に示すように通して加重を加えることにより、スライド93が加重の係る方向に引っ張られてスライド93と自由ベルト11との作用により、自由ベルト11は固定状態になる。なお、自由ベルト11に加える加重を取り除くと、自由ベルト11は、バックル9aおよびバックル9bから外すことが可能になる。
また、前記引掛金具13aはナット17aとナット19aで一方の緊締用金具3aに螺着されており、前記引掛金具13bはナット17bとナット19bで他方の緊締用金具3bに螺着されている。
【0015】
さらに、前記二つの緊締用金具3a,3bの引掛金具13a,13bの設けられている面には矢印21,21が刻印され表示されており、当該円柱体搬送具1のボンベへの装着方向(上下方向)が分かるようになっている。
このような構造の円柱体搬送具の使い方について、図1を基に図2ないし図4を参照して説明する。ここで、図2は、本発明の実施の形態に係る円柱体搬送具をボンベに巻き付けた状態を示す図である。図3は、本発明の実施の形態に係る円柱体搬送具をボンベに巻き付けて加重を加えた場合に緊締用金具に加わる加重の説明をするための図である。図4は、本発明の実施の形態に係る円柱体搬送具によってボンベを吊るした状態を示す図である。
【0016】
これらの図において、まず、ボンベ31に円柱体搬送具1を取り付ける場合には、自由ベルト11をバックル9aおよびバックル9bから外しておく。これにより、円柱体搬送具1は、一本のベルト状になる。
次に、円柱体搬送具1の二つの緊締用金具3a,3bの矢印21が上方向になるように保ちつつ、当該円柱体搬送具1を図2に示すようにボンベ31の全長の3分の2付近の上側位置に巻き付け、図1に示すように自由ベルト11をバックル9aの枠体91内にスライド93を介在させて挿通した後、さらに、図1に示すように自由ベルト11をバックル9bの枠体91内をスライド93を介在させて挿通し、自由ベルト11の一端側をもって引っ張る。
【0017】
これにより、円柱体搬送具1は、図2に示すようにボンベ31に確実に装着されたことになる。
このような状態で(図2参照)、二つの緊締用金具3a,3bの引掛金具13a,13bに所定の長さのロープ33の各末端を固定することによりロープ33を輪状にし、図4に示すように、前記輪状になったロープ33をクレーンのフック35に引っ掛けて引っ張り上げる。
すると、引掛金具13a,13bは、図3に示すように、二つの緊締用金具3a,3bの中心軸線CLに対して図示下側(短軸方向)に長さDだけ偏って設けられているため、ロープ33に働く力Fuが当該二つの緊締用金具3a,3bによってボンベ31の外周面方向に働く力Fhに変換されて、二つの緊締用金具3a,3bの図示上側部分がボンベ31の外周面に食い込むような状態になる。
【0018】
このため、ボンベ31を立てた状態で確実に運ぶことができ、マンホールのような狭い円筒内をボンベ31の搬入・搬出を円滑に行うことができる。
以上説明したように本発明の実施の形態に係る円柱体搬送具1によれば、簡単な作業によりボンベ31への巻き付け、取り外しができるため、狭いマンホールや、作業空間の少ないトンネル内で作業が容易になって、著しく作業効率が向上した。
また、本発明の実施の形態に係る円柱体搬送具1によれば、加重がかかればかかるほど、二つの緊締用金具3a,3bがボンベ31の外周に食い込むような状態になるため、作業中にボンベ31が外れることがなく、安全に作業を行うことができる。
【0019】
さらに、本発明の実施の形態に係る円柱体搬送具1によれば、ボンベ31を完全に垂直状態に保ったままで搬送できるため、狭いマンホールはもとより深いマンホールでも確実に搬入搬出作業ができる。
加えて、本発明の実施の形態に係る円柱体搬送具1によれば、構造が簡単なため、安価に製造することができる。
なお、上記実施の形態では、バックル9aとバックル9bとを設けて安全性を高めているが、必ずしもバックル9bが必要ではく、場合によってはバックル9aのみを設けるのみで、バックル9bを省略してもよい。
【0020】
【実施例】
図5は、本発明に係る円柱体搬送具の加重試験の説明をするための図である。この図5において、本発明に係る円柱体搬送具1A,1Bと、60[kg]の重さのボンベ31と、一つ25[kg]の重さの試験用重り37,37,37,37とを使用して加重試験を行った。
一つの円柱体搬送具1Aをボンベ31の上側に矢印21が図示上側を向くように巻き付け、当該円柱体搬送具1Aの引掛金具13a,13bにロープ33の各末端を固定してロープ33を輪状にして吊り下げ可能にし、かつ、当該円柱体搬送具1Bをボンベ31の下側に矢印21が図示下側を向くように巻き付け、当該円柱体搬送具1Bの引掛金具13aに所定の長さのロープ39aを介して重り37,37を吊り下げ、当該円柱体搬送具1Bの引掛金具13bに所定の長さのロープ39bを介して重り37,37を吊り下げ可能な状態にした。
【0021】
したがって、4つの重り37,37,37,37の総重量は、100[kg]になる。
しかる後に、図5に示すように、ロープ33を釣り上げて、ボンベ31および重り37,37,37,37を含めて吊り下げ、合計160[kg]の加重が円柱体搬送具1A,1Bに加わった状態に保ち、24時間放置した。
試験開始から数時間ごとにずれの形跡を調べた結果、各検査時間毎にも、円柱体搬送具1A、1Bはボンベ31に食い込んだ状態に保たれていて、全くずれる様子もなかった。
【0022】
また、各検査時間において、各円柱体搬送具1A、1Bの構成部材に変化がないか調べた。
試験開始24時間経過しても、円柱体搬送具1A、1Bはずれはなく、かつ、各部材に変形した形跡が全くないことが確認できた。
したがって、本発明に係る円柱体搬送具1の有効性、安全性が確認できた。
【0023】
[その他]
上記実施の形態では、円柱体をボンベに限定して説明したが、ボンベに限定されるものではなく、本発明の実施の形態に係るボンベ搬送具1は、電信柱や樽やその他の円柱形状の物体を垂直状態にして搬送する場合に使用できることはいうまでもない。また、本発明の実施の形態に係るボンベ搬送具1は、その円柱体の直径に応じて二つの緊締用金具3a,3bの大きさや長さと、連結ベルト5や補助ベルト7の長さを選択し、二つの緊締用金具3a,3bが円柱体の直径位置で対峙されるようにする必要がある。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、二つの緊締用金具、連結ベルト、バックルおよび自由ベルトからなる円柱体搬送具であるため、簡単に円柱体へ巻き付け取り外し作業ができる、狭いマンホールや作業空間の少ないトンネル内で作業が容易になって、著しく作業効率が向上するという効果がある。
また、本発明の実施によれば、二つの緊締用金具に短軸方向に偏って引掛金具が設けられおり、かつ、引掛金具が使用時に時下側に位置するように円柱体搬送具を円柱体に巻き付けて使うので、引っ掛け加重がかかればかかるほど、二つの緊締用金具が円柱体の外周に食い込むような状態になるため、作業中に円柱体が外れることがなく、安全に作業を行うことができる。
【0025】
さらに、本発明によれば、円柱体搬送具を円柱体の上側に巻き付け、かつ、二つの緊締用金具が円柱体の直径位置に対峙するように配置されるので、ロープで円柱体を完全に垂直状態に保ったままで搬送でき、狭いマンホールはもとより深いマンホールでも確実に搬入搬出作業ができる。
加えて、本発明によれば、円柱体搬送具が二つの緊締用金具、連結ベルト、バックルおよび自由ベルトから構成されているため、構造が簡単で、安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る円柱体搬送具を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る円柱体搬送具をボンベに巻き付けた状態を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る円柱体搬送具をボンベに巻き付けて加重を加えた場合に緊締用金具に加わる加重の説明をするための図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る円柱体搬送具によってボンベを吊るした状態を示す図である。
【図5】本発明に係る円柱体搬送具の加重試験の説明をするための図である。
【図6】従来のボンベ搬送方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1,1A,1B 円柱体搬送具
3a,3b 緊締用金具
5 連結ベルト
7 補助ベルト
9a,9b バックル
11 自由ベルト
13a,13b 引掛金具
17a,17b,19a,19b ナット
31a,31b 緊締用金具の一端部
32a,32b 緊締用金具の他端部
15a,15b,15c 滑止部材
91 枠体
92u,92d スライド用枠軸
93 スライド
94 取付用枠軸
Claims (3)
- 円柱体の外周に巻き付けて円柱体を垂直状態で搬送可能とする円柱体搬送具であって、
所定の幅で所定の長さに形成され前記長さ方向に前記円柱体外周の円弧に沿う曲面が形成された二つの緊締用金具と、
前記二つの緊締用金具の各一端部を連結する連結ベルトと、
前記少なくとも一方の緊締用金具の他端部に設けたバックルと、
前記他方の緊締用金具の他端部に設けられ前記バックルに挿脱可能な自由ベルトとからなり、
前記緊締用金具の円柱体に当接する面とは反対側の面には前記幅方向に偏った位置に引掛金具が設けられ、かつ、前記緊締用金具の円柱体に当接する面側には滑止部材が設けられており、
かつ、前記二つの緊締用金具が前記円柱体の直径位置で対峙して配置される長さに連結ベルトの長さを選択してなることを特徴とする円柱体搬送具。 - 前記他方の緊締用金具の他端部には、前記自由ベルトの上にさらに重ねてバックルを設けたことを特徴とする請求項1記載の円柱体搬送具。
- 前記連結ベルトの前記円柱体に当接する面には、滑止部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の円柱体搬送具。
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