JP4048084B2 - 梱包材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、板状且つ複層の梱包材本体と、製品と梱包材本体との間に配設される緩衝材とを備える梱包材に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子鍵盤楽器など、輸送時などの衝撃を和らげる必要がある製品を梱包する場合、例えば、板状且つ複層の梱包材本体と、製品を梱包する際にその製品と梱包材本体との間に配設される緩衝材とを備える梱包材が用いられる。
【0003】
このような梱包材の梱包材本体および緩衝材の材質としては、従来、段ボールシートが考えられていた。この場合、材料が一種類であるために廃棄時に材質ごとに分離しなくてもよいといった利点がある一方、緩衝材を、段ボールシートを厚くしたり重ね合わせた構造にしたりすると、(1)硬くて緩衝効果が少ない上に、(2)その原価が高くなる、といった問題があった。また、これらの問題を解決するために、緩衝材を、段ボールシートを箱形状に組み立てるように構成すると、(3)箱形状に組み立てるのに工数を要する、といった問題があった。
【0004】
また、梱包材の緩衝材および梱包材本体の材質としては、発泡ポリスチレンなどの発泡材が考えられていた。この場合、廃棄時に材質ごとに分離しなくてもよい上に、上述の段ボールシートを用いた場合の問題点(1)〜(3)を解決できる一方、梱包する製品の形状によっては(4)その金型が大型で高価になってしまうといった問題があった。
【0005】
そこで、例えば特開昭58−30907号公報にて開示されているように、発泡ポリスチレン製の緩衝材を、段ボールシート製の梱包材本体の表層に接着などにより固着させた構成の梱包材が考えられている。この場合、緩衝材を発泡ポリスチレン製にすることで上述の問題点(1)〜(3)を解決でき、且つ梱包材本体を、大型に製作することが容易な段ボールシート製にすることで上述の問題点(4)を解決できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように緩衝材の材質と梱包材本体の材質とが異なる場合、梱包材を廃棄する際などに緩衝材を梱包材から分離する必要があるが、上述のように固着されているために分離が困難であった。
【0007】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、その廃棄時などには、固着している緩衝材を容易に分離することができる梱包材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するために、請求項1の梱包材は、製品を梱包するための、板状且つ複層の梱包材本体(10:この欄においては、発明への理解の容易化のため、必要に応じて実施の形態中で用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。)と、製品を梱包する際にその製品と前記梱包材本体との間に配設される緩衝材(12)とを備える梱包材(1)であって、前記緩衝材は、前記梱包材本体の表層(16)に固着しており、前記表層における前記緩衝材が固着している部分(以下固着部分)の近傍には、複数の凹部が設けられており、これら複数の凹部が、前記表層に規則的に且つ互いが近接するように設けられていることを特徴とする。
【0009】
本請求項1の梱包材(1)においては、図2に例示するように、梱包材本体(10)の表層(16)に接着などにより固着された緩衝材(12)を、固着部分(16c)の近傍に設けられた窪みなどの凹部(16a)から遠ざかるように上方に引っ張ると、これに伴って、固着部分と凹部との間の部分(16d)も引っ張られる。なお、梱包材本体の材質の具体例としては段ボールシートが挙げられ、また緩衝材の材質の具体例としては発泡ポリスチレンが挙げられる(請求項2)。すると、表層における固着部分と凹部との間の部分とは凹部を挟んで反対側の部分(16e)は、梱包材本体の一部として留まろうとするため、これらの境界に応力が集中し、この応力が集中したところから表層が裂ける。なお、このように応力が集中する箇所は1箇所に限らない。引き続き緩衝材を引っ張ると、その表層が裂けたところに応力が集中してさらに裂け目が延びていく。そして、これら裂け目が表層の端にそれぞれ到達し、表層が、緩衝材が固着した部分と他の部分とに分割される。引き続き緩衝材を引っ張ると、表層における緩衝材が固着している部分が、梱包材本体から剥がれて分離する。
【0010】
このように、その廃棄時などには、固着している緩衝材を容易に分離することができる。
また、本請求項1の梱包材においては、複数の凹部を、表層に規則的に且つ互いが近接するように設けているので、緩衝材を梱包材本体の表層のどこに固着させても、固着させた部分の近傍に凹部が配されることになり、上述のように緩衝材を引っ張れば、同様の作用効果を奏し、且つ緩衝材の配置の自由度が増す。
なお、上述の複数の凹部を表層に規則的に且つ互いが近接するように設けた具体例としては、複数の凹部を直線状に一列に並べて形成することが挙げられる。さらに、このように複数の凹部を直線状に並べた列を、複数列平行に配することや碁盤目状に配することも考えられる。
さて、このような表層においては、凹部の深さが深い程、上述のような応力がより集中しやすい。
【0011】
そこで、請求項3のように、凹部を、例えば孔のように表層を貫通するように構成することも考えられる。
また、凹部の壁面が垂直に近い程、上述のような応力がより集中しやすい。
さらに、凹部を、例えば溝や長孔のように細長く形成することも考えられる。この場合、その端部を、曲率半径が小さい円弧状や鋭角状に形成すると端部に応力がより集中しやすい。このような凹部の具体例としては、表層をカッターなど鋭利なもので切ることで形成される切れ目などが挙げられる。なお、このような切れ目の端部を表層の縁に到達させ、切り込みとすればなおよい。
【0012】
ところで、以上のような凹部を、互いに近接するように複数設けることが考えられる。このようにすれば、上述のように緩衝材を引っ張った際には、これら凹部が互いにつながるように表層が裂ける。
そこで、請求項4のように、複数の凹部を、固着部分の周りに互いに近接して設けることが考えられる。
【0013】
このような構成にすれば、複数の凹部が互いにつながるように表層が裂けるので、緩衝材が固着した部分とそれ以外の部分とに分離させることが容易となる。そして、これら複数の凹部を、緩衝材の近くに配すれば、緩衝材と共に分離される表層の量を少なくできる。
【0016】
ところで、梱包材本体が段ボールシートのような紙材である場合、その紙の目に沿った方向へは裂けやすく、一方、その紙の目に対して直交する方向へは裂けにくい。
そこで、上述のように複数の凹部を直線状に並べた列を、その紙材の紙の目に沿った方向に配することが考えられる。このように構成すれば、その紙の目に対して直交する方向へも裂けやすくすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることは言うまでもない。
【0018】
図1は実施例の梱包材の梱包材本体の斜視図である。また、図2は、実施例の梱包材の斜視図であり、(a)は緩衝材が梱包材本体に固着している状態を示し、(b)は緩衝材を梱包材本体から分離した状態を示している。
図2(a)に示すように、本実施例の梱包材1(図2(a)ではその一部を図示)は、製品(図示省略)を梱包するためのものであり、梱包材本体10および梱包材本体10に接着などにより固着された緩衝材12から構成される。
【0019】
[梱包材本体10の構造]
この梱包材本体10は、図1に示すように、板状であり、段ボールシートで構成されている。そして、この段ボールシートは、いわゆる両面段ボールであり、紙製のシート材を波形状に成形した中芯14およびこの中芯14を両側から挟むように接着剤で接着された紙製シート材製のライナ16,18からなる複層構造である。なお、このうちライナ16は表層に相当する。
【0020】
このうちライナ16には、凹部の一形態としてのミシン目16aが設けられている。なお、図1および図2では、複数のミシン目16aが碁盤目状に設けられた状態を例示している。各々のミシン目16aは、互いに近接するように直線状に配された多数の切れ目16bの集合体である。ここで切れ目16bは、その壁面がライナ16の表面に対してほぼ垂直に形成され、且つその端部が鋭角状である長孔形状であり、ライナ16を貫通している。
【0021】
このようなミシン目16aは、段ボールシートの製造時において、ミシン目専用カッターなどによって予めライナ16に付けられる。その後、ライナ16,18が中芯14を両側から挟むように接着剤で接着され、段ボールシートとなる。
[緩衝材12の構造]
ところで、上述の梱包材本体10に接着などにより固着された緩衝材12は、図2(a)に示すように、発泡ポリスチレン製であり、具体的にはライナ16に固着されている。この緩衝材12は、製品を梱包する際にその製品と梱包材本体10との間に配設されるものである。
【0022】
[緩衝材12を梱包材本体10から分離する過程]
以上の緩衝材12を梱包材本体10から分離するには、まず、梱包材本体10に固着している緩衝材12を上方に引っ張る。この場合、ライナ16における緩衝材12が固着している部分(以下固着部分)16cおよび固着部分16cとミシン目16aとの間の部分(以下連続部分)16dも引っ張られる。すると、上述のミシン目16aを挟んで連続部分16dとは反対側の部分(以下残留部分)16eが梱包材本体10の一部として留まろうとするため、このミシン目16aを構成する切れ目16bに応力が集中し、これら切れ目16bがつながっていき、ライナ16が、固着部分16cおよび連続部分16dと残留部分16eとに分割される。
【0023】
引き続き緩衝材12を引っ張ると、固着部分16cおよび連続部分16dは、中芯14(つまり梱包材本体10)から剥がれ、緩衝材12と共に分離する(図2(b))。
[効果]
このように、本実施例の梱包材1においては、ライナ16に複数のミシン目16aが碁盤目状に設けられているので、緩衝材12をライナ16のどこに固着させても、この緩衝材12の近傍にミシン目16aが配されることになる。そして、その廃棄時などに、梱包材本体10に固着している緩衝材12を引っ張ることにより梱包材本体10から容易に分離することができる。
【0024】
[別実施例]
(1)上記実施例のライナ16は、単層の紙製シート材で構成されているが、複数の紙製シート材を貼り合わせた複層構造であってもよい。また、このような複層構造である場合、複数の紙製シート材のうちの表層にミシン目16aを入れてもよいし、全ての層にミシン目16aを入れてもよい。
(2)上記実施例の梱包材本体10は、中芯14およびライナ16,18の3層からなる両面段ボールで構成されているがこれに限られず、複層構造を有する片面段ボール(2層)や複両面段ボール(4層以上)でもよい。また、段ボールシート以外の複層構造を有する紙材でもよい。
(3)上記実施例の緩衝材12は、発泡ポリスチレン製であるが、新聞紙や段ボール等の古紙を原料とするパルプモールド成形品としてもよい。
(4)上記実施例のミシン目16aは、碁盤目状に設けられているが、図3(a)に示すように、ミシン目16aを菱形状に設けてもよい。このような構成においても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
(5)また、ミシン目16aを、図3(b)に示すように、平行に設けてもよい。このような構成においても上記実施例と同様の作用効果を奏する。なお、この場合、上述のライナ16が裂けにくい紙の目の方向に沿ってミシン目16aを配すればなおよい。
(6)上記実施例のミシン目16aを、緩衝材12を囲むように設けてもよい。このような構成においても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
(7)上記実施例のライナ16には、ミシン目16aの代わりに、図3(c)に示すような切れ目20を設けてもよい。また、図3(d)に示すような切り込み22を設けてもよい。この場合、これら切れ目20や切り込み22を、緩衝材12を囲むように設けてもよい。
(8)また、上述のミシン目16aや切れ目20、切り込み22などはライナ16を上下方向に貫通するように構成されているが、これらを貫通しないように構成してもよい。
【0025】
このような構成にすれば、上述のように梱包材本体10に固着している緩衝材12を上方に引っ張った場合、固着部分16cおよび連続部分16dも引っ張られる。すると、残留部分16eが梱包材本体10の一部として留まろうとするため、貫通しないように構成されたミシン目16aなどに応力が集中し、この応力が集中したところからライナ16が裂けていき、固着部分16cおよび連続部分16dと残留部分16eとに分割される。引き続き緩衝材12を引っ張ると、固着部分16cおよび連続部分16dは、中芯14から剥がれ、緩衝材12と共に分離する。したがって、緩衝材12を引っ張ることにより梱包材本体10から容易に分離することができる。
【0026】
なお、上述のようにライナ16を貫通しないように構成した場合のミシン目16aや切れ目20、切り込み22などは、その深さが深い程上述のような応力が集中し易く、その壁面が垂直に近い程同様に上述のような応力が集中し易い。また、これらを溝のように細長く形成し、且つその端部を、曲率半径が小さい円弧状や鋭角状に形成すれば、その端部に上述のような応力が集中し易い。
(9)上記実施例のライナ16を、カッターなどにより予め固着部分16cおよび連続部分16dと残留部分16eとに分割した状態にしておいてもよい。
【0027】
このような構成にすれば、上述のように梱包材本体10に固着している緩衝材12を上方に引っ張った場合、固着部分16cおよび連続部分16dが、中芯14から剥がれ、緩衝材12と共に分離する。したがって、緩衝材12を引っ張ることにより梱包材本体10から容易に分離することができる。
【0028】
なお、このように固着部分16cおよび連続部分16dと残留部分16eとにライナ16を分割するのは、上述のように段ボールシートを製造する際だけでなく、緩衝材12をライナ16に固着したあとでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の梱包材の梱包材本体の斜視図である。
【図2】実施例の梱包材の斜視図であり、(a)は緩衝材が梱包材本体に固着している状態を示し、(b)は緩衝材を梱包材本体から分離した状態を示している。
【図3】実施例の梱包材本体の別実施例を示す説明図であり、(a)は複数のミシン目が菱形状に設けられた状態を示し、(b)は複数のミシン目が平行に設けられた状態を示し、(c)はミシン目の代わりに切れ目が設けられた状態を示し、(d)はミシン目の代わりに切り込みが設けられた状態を示す。
【符号の説明】
1…梱包材、10…梱包材本体、12…緩衝材、14…中芯、16,18…ライナ、16a…ミシン目、16b,20…切れ目、16c…固着部分、16d…連続部分、16e…残留部分、22…切り込み
Claims (4)
- 製品を梱包するための、板状且つ複層の梱包材本体と、
製品を梱包する際にその製品と前記梱包材本体との間に配設される緩衝材と
を備える梱包材であって、
前記緩衝材は、前記梱包材本体の表層に固着しており、
前記表層における前記緩衝材が固着している部分(以下固着部分)の近傍には、複数の凹部が設けられており、
これら複数の凹部が、前記表層に規則的に且つ互いが近接するように設けられていること
を特徴とする梱包材。 - 請求項1記載の梱包材において、
前記梱包材本体は段ボールシートであり、前記緩衝材は発泡ポリスチレンであることを特徴とする梱包材。 - 請求項1又は2記載の梱包材において、
前記凹部は、前記表層を貫通するように構成されていることを特徴とする梱包材。 - 請求項1〜3の何れかに記載の梱包材において、
前記凹部は複数あり、これらが、前記固着部分の周りに互いに近接するように設けられていることを特徴とする梱包材。
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