JP4059632B2 - チューインガム用ポリ酢酸ビニル樹脂 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ酢酸ビニル樹脂に関するものである。特にチューインガムを製造する時に用いるポリ酢酸ビニル樹脂に関するものであり、ハンドリング性、安全性、及び衛生性に優れる。
【0002】
【従来の技術】
従来、チューインガムベース樹脂として天然チクルが好適であるが、高価であるため、一般的には天然チクルに代わりポリ酢酸ビニル樹脂が使用される。
しかし、ポリ酢酸ビニル樹脂は酢酸ビニルモノマーを重合して製造されるため、当該樹脂中に未反応酢酸ビニルモノマーが残り、安全性、衛生面から好ましくない。その為、昨今は、未反応酢酸ビニルモノマーの残存量が少ないポリ酢酸ビニル樹脂が使用されてはいるが、チューインガム用ポリ酢酸ビニル樹脂のほとんどは酢酸ビニルモノマーの塊状重合(特公昭39−24714号)あるいはアルコール系溶剤を溶媒とした溶液重合(食品添加物公定書解説書 廣川書店 昭和54年9月10日 第1版発行 B−358〜B−359)で製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、塊状重合あるいは溶液重合で製造されるポリ酢酸ビニル樹脂は、未反応酢酸ビニルモノマーを除去するには多大な熱エネルギーを必要とするばかりでなく、製造工程も複雑という課題があった。
また、塊状重合あるいは溶液重合で製造されるポリ酢酸ビニル樹脂は、製品形態はブロック状の固まりとなり、これをチューインガム用酢酸ビニル樹脂に使用する場合、エステルガム等他の素材とのニーダー初期練成が容易でなく、特に重合度の高いポリ酢酸ビニル樹脂では、予め細かく裁断しておくか、ニーダー練成前にポリ酢酸ビニル樹脂を温めて粘度を下げておく等の工夫がなされているが、操作が煩雑でハンドリング性に劣るという課題があった。
【0004】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ガムベース製造時のニーダー初期練成に優れ、残存酢酸ビニルモノマーが極めて少ないため、安全性及び衛生性に優れたポリ酢酸ビニル樹脂を得て本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、(1)(A)平均粒子径50〜1000μm、(B)重合度300〜1500、及び(C)残存酢酸ビニルモノマー5ppm以下の特性を有するポリ酢酸ビニル樹脂、(2)チューインガムを製造する時に用いることを特徴とする(1)記載のポリ酢酸ビニル樹脂である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明のポリ酢酸ビニル樹脂の平均粒子径は50〜1000μmが好ましく、さらに好ましくは200〜400μmである。50μm未満ではガムベース製造のニーダー練成時に粒子が飛散されやすく、均一練成が劣り最終製品中に異物として残るので好ましくない。また、1000μm以上ではガムベース製造の練成に時間がかかるので好ましくない。
重合度は、300〜1500が好ましく、さらに好ましくは600〜1200である。300未満では粒子が融着し易く本発明の平均粒子形態を維持し難くなる。重合度1500以上では、チューインガムが硬くなりすぎチューインガムの製造に用いるポリ酢酸ビニル樹脂として適さないものである。
残存酢酸ビニルモノマーは、安全性、及び衛生性から5ppm以下が必要である。
【0007】
本発明の(A)平均粒子径50〜1000μm、(B)重合度300〜1500、及び(C)残存酢酸ビニルモノマー5ppm以下の特性を有するポリ酢酸ビニル樹脂は、例えば以下の方法で提供される。
【0008】
酢酸ビニルモノマーを重合触媒、懸濁安定剤および重合度調節剤の存在下、水系分散媒中で重合し、重合終了後 スラリーを減圧し未反応酢酸ビニルモノマーを除去することにより製造される。
【0009】
重合に使用される重合触媒はとして、アゾイソブチロニトリルに代表されるアゾ系重合触媒あるいはラウロイロパーオキサイドに代表される有機過酸化物系重合触媒等がある。重合されたポリ酢酸ビニル樹脂の着色等の品質面から有機過酸化物系触媒が好ましい。懸濁安定剤は通常エチレン性ニ重結合を有するビニルモノマーの懸濁重合に使用される懸濁安定剤であればいずれも使用でき、例えばポリビニルアルコール系樹脂、ヒドロキシプロピルメチルセルロースに代表されるセルロースエーテル類、及びポリビニルピロリドン等がありこれらを併用することもできる。
【0010】
重合度調節剤としては、アセトアルデヒドに代表されるアルデヒド類、アセトンに代表されるケトン類、2−メルカプトアルコールに代表されるメルカプタン類、イソプロピルアルコールに代表されるアルコール類等がある。更に本発明を得るのにアルコール系溶剤を併用してもよい。アルコール系溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、及びイソプロピルアルコール等である。その中でもチューインガムの製造に用いることを考慮するとエチルアルコールが特に好ましい。
【0011】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例には限定されないものである。尚、以下「部」とあるのは重量部である。
【0012】
実施例1
撹拌機付き200リットルのオートクレーブに、純水270部、酢酸ビニルモノマー100部、部分ケン化ポリビニルアルコール0.1部、ラウロイルパーオキサイド0.3部、ノルマルブチルアルデヒド1.2部を仕込み、重合温度62℃で7時間重合した。次にスラリーを撹拌しながら温度65℃で減圧し、未反応酢酸ビニルモノマーを除去した。次いで、スラリーを脱水乾燥し、粒子状のポリ酢酸ビニル樹脂を得た。得られたポリ酢酸ビニル樹脂の平均粒子径245μm、重合度820、残存酢酸ビニルモノマーは3ppm未満であった。
このポリ酢酸ビニル樹脂100部に、マイクロクリスタリンワックス30部、ポリイソブチレン30部、炭酸カルシウム8部をパドル式10リットルのニーダーに投入し、ジャケット温度110℃、回転数100rpmの条件下で練成した。ガムベースとしての評価法及びその結果を表1に示す。
【0013】
【表1】
Figure 0004059632
【0014】
また、分析方法及び評価方法は、以下のとおりである。
Figure 0004059632
【0015】
【表2】
Figure 0004059632
【0016】
<判定>
◎ 特に良い
○ 良い
△ 普通
× 悪い
×× 特に悪い
【0017】
実施例2
ノルマルブチルアルデヒドを0.7部、部分ケン化ポリビニルアルコールを0.03部に変えた以外は実施例1と同様に行った。得られたポリ酢酸ビニルの平均粒子径は790μm、重合度1310、残存酢酸ビニルモノマーは3ppm未満であった。これを実施例1と同じ方法でガムベースとしての評価を行った。その結果を表1に示す。
【0018】
実施例3
ノルマルブチルアルデヒドを4.0部、部分ケン化ポリビニルアルコールを0.15部、ラウロイルパーオキサイドを0.4部に変えた以外は実施例1と同様に行った。得られたポリ酢酸ビニルの平均粒子径は255μm、重合度310、残存酢酸ビニルモノマーは3ppm未満であった。これを実施例1と同じ方法でガムベースとしての評価を行った。その結果を表1に示す。
【0019】
実施例4
部分ケン化ポリビニルアルコールを0.8部に変えた以外は、実施例1と同様に行った。得られたポリ酢酸ビニルの平均粒子径は55μm、重合度810、残存酢酸ビニルモノマーは3ppm未満であった。これを実施例1と同じ方法でガムベースとしての評価を行った。その結果を表1に示す。
【0020】
比較例1
部分ケン化ポリビニルアルコールを1.5部に変えた以外は、実施例1と同様に行った。得られたポリ酢酸ビニルの平均粒子径は25μm、重合度800、残存酢酸ビニルモノマーは3ppm未満であった。これを実施例1と同じ方法でガムベースとしての評価を行った。その結果を表1に示す。
【0021】
比較例2
ノルマルブチルアルデヒドを6.0部、部分ケン化ポリビニルアルコールを0.2部、ラウロイルパーオキサイドを0.5部に変えた以外は、実施例1と同様に行った。スラリーを脱水乾燥する工程で粒子同士付着し塊となった。得られたポリ酢酸ビニル樹脂の重合度は210、残存酢酸ビニルモノマーは3ppm未満であった。これを実施例1と同じ方法でガムベースとしての評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0022】
比較例3
ノルマルブチルアルデヒドを0.4部に変えた以外は、実施例1と同様に行った。得られたポリ酢酸ビニルの平均粒子径は240μm、重合度1810、残存酢酸ビニルモノマーは3ppm未満であった。これを実施例1と同じ方法でガムベースとしての評価を行った。その結果を表1に示す。
【0023】
比較例4
撹拌機付き200リットルのオートクレーブに、酢酸ビニルモノマー370部、ラウロイルパーオキサイド0.2部、ノルマルブチルアルデヒド2.5部を仕込み、重合温度62℃で7時間塊状重合した。次に重合物を撹拌しながら温度65℃で減圧し、未反応酢酸ビニルモノマーを除去した。
次いで塊状重合物をステンレス製容器に取り出し、乾燥し塊状物のポリ酢酸ビニル樹脂を得た。
得られたポリ酢酸ビニル樹脂の重合度は790、残存酢酸ビニルモノマーは108ppmであった。これを実施例1と同じ方法でガムベースとしての評価を行った。その結果を表1に示す。
【0024】
比較例5
撹拌機付き200リットルのオートクレーブに、酢酸ビニルモノマー250部、エチルアルコール120部、ラウロイルパーオキサイド0.4部を仕込み、重合温度62℃で7時間溶液重合した。
次に重合物を撹拌しながら温度65℃で減圧し、未反応酢酸ビニルモノマーを除去した。次いで溶液重合物をステンレス製容器に取り出し、乾燥し塊状物のポリ酢酸ビニル樹脂を得た。得られたポリ酢酸ビニル樹脂の重合度は1320、残存酢酸ビニルモノマーは52ppmであった。これを実施例1と同じ方法でガムベースとしての評価を行った。その結果を表1に示す。
【0025】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明のポリ酢酸ビニル樹脂は、ガムベース製造時のハンドリング性に優れ、かつ極めて残存酢酸ビニルモノマーが少ない為、安全性、及び衛生性に優れる。

Claims (4)

  1. (A)平均粒子径50〜1000μm、(B)JIS K6725に準ずる重合度300〜1500、及び(C)残存酢酸ビニルモノマー5ppm以下の特性を有するポリ酢酸ビニル樹脂。
  2. チューインガムのガムベースを製造する時に用いることを特徴とする請求項1記載のポリ酢酸ビニル樹脂。
  3. 懸濁重合によって製造されることを特徴とする請求項1または2記載のポリ酢酸ビニル樹脂。
  4. 懸濁重合を用いることを特徴とする請求項1または2記載のポリ酢酸ビニル樹脂の製造方法。
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