JP4064512B2 - 走行クレーン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽度の地震時にはレールクランプを介してクレーン本体に伝達される振動の加速度を減少させ、あるいは又、大地震時には、振動の伝達を遮断してクレーン本体の損傷や倒壊を防止できるようにした走行クレーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
港湾部では、船荷の積み降ろしを行なうために、大型の走行クレーンが使用されている。
【0003】
走行クレーンには、図4に示すようなコンテナクレーン1や、図5に示すアンローダ2などがあるが、これらの走行クレーンの走行部3は、いずれも、以下に述べるように構成されている。
【0004】
即ち、港湾4に面した埠頭5には、該埠頭5の岸壁6に略平行して延びる海側レール7と陸側レール8とが所定の間隔を隔てて敷設されており、走行部3は、海側レール7と陸側レール8とに沿って転動可能な車輪9をそれぞれ備えた海側支持脚10と陸側支持脚11とを、走行部本体12に取り付けた構造を備えている。
【0005】
一般に陸側支持脚11は、走行部本体12に対して一体的な剛脚構造になっており、海側支持脚10は、走行部本体12に対して海側レール7と略平行に設けられた枢支ピン13によって揺動可能に枢支された揺脚構造となっているが、海側支持脚10が剛脚構造で、陸側支持脚11が揺脚構造である場合もある。
【0006】
また、前記の海側支持脚10及び陸側支持脚11のそれぞれの下部を、各レール7,8に平行する水平方向に連結している脚構成部材14の長手方向の中央部近傍には、図6に示すように、レールクランプ15を脚構成部材14に連結するためのアーム16が設けられている。
【0007】
アーム16は、脚構成部材14にボルト締結されているベースプレート17と、基部がベースプレート17に固着されてレール7,8の上方近傍へ向かって延び且つ下部先端がレール7,8に直交する方向に所定の間隔を隔てて対峙するように成形されたアーム本体18とによって構成されている。
【0008】
レールクランプ15は、図7及び図8に示すように、前記のアーム本体18の下部先端部分のレール延設方向の両側に、ピン19を介して一方の端部を支持され且つレール延設方向へ略水平に延びる取付フレーム20と、該取付フレーム20上にレール延設方向に平行する方向へ延びるように配置されたクランプ軸21とを有し、クランプ軸21に、該クランプ軸21に沿って並設された2組ずつのクランプアーム22,22を備えている。
【0009】
各クランプアーム22,22は、クランプ軸21に回動自在に枢支され且つ下部先端がレール7,8を把持し得るように鋏状に形成され、上端部に、それぞれ上方へ延びる板バネ23,23を有している。
【0010】
各クランプアーム22,22のクランプ軸21に嵌合している部分の上部には、基部を枢支されて上方へ延びるシリンダ本体24を有し且つ該シリンダ本体24に対して上下方向へ進退するロッド25を有する油圧シリンダ26が設けられている。
【0011】
更に、油圧シリンダ26のロッド25先端部と前記の板バネ23,23の上端部とは、リンク27,27によって連結されており、前記のロッド25の上下作動によってクランプアーム22,22の上端部の板バネ23,23を近接離反させると、各クランプアーム22,22の下部先端がそれぞれレール7,8を把持し、あるいは開放するようになっている。
【0012】
なお、図6では、アーム16の下部先端部分の両側にそれぞれ1セットずつのレールクランプ15,15を連結した場合を図示したが、アーム16の片側のみに1セットのレールクランプ15を連結している例もある。
【0013】
図3及び図4に示す走行クレーンでは、通常は、レールクランプ15の各クランプアーム22,22の下部先端により海側レール7あるいは陸側レール8をそれぞれ把持することによって走行部3の転動を抑止し、走行部3を移動させるときにだけ、上記のクランプアーム22,22でのレール7,8の把持を解除するようにしている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レールクランプ15は、脚構成部材14に固設されたアーム16に取り付けられているので、レールクランプ15が海側レール7及び陸側レール8を把持しているときに、地震が発生すると、各レールクランプ15からアーム16を介して走行クレーンの各部に振動エネルギーが伝達され、大きな地震が発生した場合には、走行部3をはじめとする走行クレーンの各部に多大な損傷が生じることになる。
【0015】
本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、地震時にレールクランプを介してクレーン各部に伝達される振動エネルギーを抑制し、クレーン各部の損傷を防止できる走行クレーンを提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の走行クレーンでは、海側レール上を転動可能な車輪を有する海側支持脚と、前記の一方の海側レールに対して平行に延びる陸側レール上を転動可能な車輪を有する陸側支持脚と、これら支持脚ごとに設けた脚構成部材と、該脚構成部材の下面近傍からレール近傍へ向かって延び且つ上端にベースプレートを有するアームと、該アームに取り付けられ且つクレーン停止時にレールを把持するレールクランプと、ベースプレートをレール延設方向の両側から挟んで脚構成部材に支持する一対の取付用部材と、ベースプレートと脚構成部材との間に挿入され且つベースプレートのレール延設方向に沿う側面を覆う積層ゴムと、該積層ゴムを介してベースプレートを挟む位置に配置した一対のシアプレートとを備え、脚構成部材にシアプレートを溶接して、平常時に支持脚に対するアームの相対変位が拘束し且つクレーンに作用する地震力で溶接部分が破壊されて支持脚に対するアームの拘束を解除するように構成している。
【0017】
本発明の走行クレーンにおいては、軽度の地震が発生すると、弾性体がレールクランプから両支持脚に伝達されようとする振動エネルギーを軽減し、また、大きな地震が発生した場合には、シアプレートが破損して支持脚に対するアームの拘束を解除し、レールクランプからアームを介して両支持脚に伝達されようとする振動エネルギーを軽減する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0019】
図1から図3は本発明の走行クレーンの実施の形態の一例を示すものであり、図中、図6から図8と同じものには同じ符号を付してある。
【0020】
図1から図3に示す走行クレーンでは、海側レール7上を転動可能な車輪9を有する海側支持脚10と陸側レール8上を転動可能な車輪9を有する陸側支持脚11のそれぞれの脚構成部材14のレールクランプ15を取り付けるべき所定位置に、アーム16を吊設し得る取付用部材28を固設している。
【0021】
取付用部材28は、レール延設方向の両側からアーム16のベースプレート17を挟み且つ支持し得るように、各レール延設方向に直交する側方から見てL字形に形成されている(図2参照)。
【0022】
また、取付用部材28にアーム16のベースプレート17を挿入したときに、該ベースプレート17と脚構成部材14の下面との間に挿入し得る厚さを有し且つベースプレート17のレール延設方向に沿う側面を覆い得るように形成された積層ゴム29を脚構成部材14に設け、積層ゴム29の側面を介してアーム16のベースプレート17を挟む位置にシアプレート30を配置し、該シアプレート30の一側を脚構成部材の下面に溶接している(図3参照)。
【0023】
このシアプレート30の溶接は、1G程度の地震力によって破壊されるようにしておく。
【0024】
図1から図3に示す走行クレーンでは、1G以下の地震が発生した場合には、脚構成部材14とアーム16のベースプレート17との間に挿入された積層ゴム29が、レールクランプ15からアーム16を介して脚構成部材14に伝達されようとする地震の振動エネルギーを軽減する。
【0025】
また、1Gを超える地震が発生した場合には、シアプレート30を脚構成部材14に固着している溶接の部分が破損して脚構成部材14に対するアーム16の拘束を解除し、レールクランプ15からアーム16を介して脚構成部材14に伝達されようとする地震の振動エネルギーを軽減する。
【0026】
このように、図1から図3に示す走行クレーンにおいては、地震時にレールクランプ15を介してクレーン本体に伝達されようとする振動エネルギーを減少させ得るので、クレーン各部の損傷を防止することができる。
【0027】
なお、本発明の走行クレーンは上述した実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の走行クレーンでは、各支持脚に弾性体を介してアームを取り付けているので、地震時にレールクランプからアームを経て支持脚に伝達されようとする振動エネルギーを軽減することができ、また、大きな地震が発生した場合には、シアプレートが破損して支持脚に対するアームの拘束が解除され、レールクランプからアームを経て支持脚に伝達されようとする振動エネルギーを軽減させることができ、よって、地震に起因したクレーン各部の損傷を防止することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走行クレーンの実施の形態の一例における走行部の正面図である。
【図2】図1に関連するアームの取り付け部分の正面図である。
【図3】図2のIII−III矢視図である。
【図4】コンテナクレーンの一例の側面図である。
【図5】アンローダの一例の側面図である。
【図6】図4及び図5に関連する走行部の正面図である。
【図7】図6に関連するレールクランプの正面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視図である。
【符号の説明】
7 海側レール
8 陸側レール
9 車輪
10 海側支持脚
11 陸側支持脚
15 レールクランプ
16 アーム
29 積層ゴム(弾性体)
30 シアプレート
Claims (1)
- 海側レール上を転動可能な車輪を有する海側支持脚と、前記の一方の海側レールに対して平行に延びる陸側レール上を転動可能な車輪を有する陸側支持脚と、これら支持脚ごとに設けた脚構成部材と、該脚構成部材の下面近傍からレール近傍へ向かって延び且つ上端にベースプレートを有するアームと、該アームに取り付けられ且つクレーン停止時にレールを把持するレールクランプと、ベースプレートをレール延設方向の両側から挟んで脚構成部材に支持する一対の取付用部材と、ベースプレートと脚構成部材との間に挿入され且つベースプレートのレール延設方向に沿う側面を覆う積層ゴムと、該積層ゴムを介してベースプレートを挟む位置に配置した一対のシアプレートとを備え、脚構成部材にシアプレートを溶接して、平常時に支持脚に対するアームの相対変位が拘束し且つクレーンに作用する地震力で溶接部分が破壊されて支持脚に対するアームの拘束を解除するように構成したことを特徴とする走行クレーン。
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