JP4070575B2 - 既設管の補修工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、曲がり部を有する既設管に加熱軟化状態にある樹脂管を挿通して補修する既設管の補修工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような補修工法は、例えば、地中に埋設された都市ガス用の既設管を更新するためのもので、従来の工法では、加熱軟化状態にして既設管に挿通する樹脂管として直管を使用し、その樹脂製の直管に既設管の曲がり部で皺が発生するのを抑制するため、樹脂製の直管として既設管の呼び径よりも1ランク小さい呼び径の樹脂管を使用している(例えば、特許文献1参照)。
また、既設管に加熱軟化状態にある樹脂製の直管を挿通した後、樹脂製の直管内に膨張可能な環状チューブを有する拡径具を挿入し、その拡径具を既設管の曲がり部に位置させて膨張させることで、樹脂製の直管にできた皺を押し延ばすものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−150543号公報(第3〜4頁、図1、図2)
【特許文献2】
特開2001−271964号公報(第3〜4頁、図1〜図5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に開示の工法では、既設管の曲がり部が、直角に屈曲するエルボ管や直角に近い曲がり角度で屈曲するベンド管の場合、その曲がり部において樹脂管が座屈し、座屈部が樹脂管の内方に大きく突出して、樹脂管の内径を狭める結果、更新後において十分な流量が得られなくなる可能性がある。
また、特許文献2に開示の工法でも、曲がり部がエルボ管やそれに近いベンド管の場合、樹脂管が座屈して内方へ突出するため、その後、拡径具の膨張により座屈部を元の状態に伸張することはきわめて困難で、やはり、更新後において十分な流量が得られない結果となる。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に着目したもので、その目的は、既設管の曲がり部が、たとえ直角に屈曲するエルボ管であっても、曲がり部における樹脂管の座屈発生を確実に回避して、所望どおりの流量を確保できる既設管の補修工法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の特徴構成は、曲がり部を有する既設管に加熱軟化状態にある樹脂管を挿通して補修する既設管の補修工法であって、前記樹脂管を曲がり管とその曲がり管の両端に連通接続された直管により構成し、その樹脂管の直管と曲がり管とを加熱軟化状態にして変形させながら前記既設管に挿通して、前記曲がり管を前記曲がり部内に位置させた後、前記樹脂管内を加圧して前記直管および前記曲がり管の変形を矯正するところにある。
【0007】
請求項1の発明の特徴構成によれば、既設管に挿通する樹脂管を曲がり管とその曲がり管の両端に連通接続された直管により構成して、その直管と曲がり管とを加熱軟化状態にして変形させながら既設管に挿通するので、樹脂管が曲がり管を有するにもかかわらず、既設管への樹脂管の挿通も、また、既設管曲がり部内への曲がり管の挿入も可能となる。
そして、曲がり管を曲がり部内に位置させた状態では、その曲がり管自体が、曲がり部に沿う方向に予め曲がっているので、曲がり管における座屈の発生は確実に回避され、その後、樹脂管内を加圧して直管および曲がり管の変形を矯正するので、既設管への挿入により生じた直管や曲がり管の変形も矯正される。
したがって、既設管の曲がり部がたとえ直角に屈曲するエルボ管であっても、曲がり部における樹脂管の座屈は確実に回避され、所望どおりの流量を確保することができる。
【0008】
請求項2の発明の特徴構成は、前記曲がり管として、変形抑制用補強部材を有する曲がり管を使用するところにある。
【0009】
請求項2の発明の特徴構成によれば、樹脂管の曲がり管として、変形抑制用補強部材を有する曲がり管を使用するので、既設管への樹脂管の挿通時あるいは既設管曲がり部内への曲がり管の挿入時には、主として直管の方が変形することになり、したがって、曲がり管の変形量が少なくなって、曲がり部における樹脂管の座屈がより一層確実に回避されるとともに、流量の確保もより確実なものとなる。
【0010】
請求項3の発明の特徴構成は、前記曲がり管として、前記既設管の曲がり部よりも曲がり角度の小さな曲がり管を使用するところにある。
【0011】
請求項3の発明の特徴構成によれば、樹脂管の曲がり管として、既設管の曲がり部よりも曲がり角度の小さな管、つまり、直管に近い曲がり管を使用するので、既設管への樹脂管の挿通や既設管曲がり部内への曲がり管の挿入が円滑となり、補修作業を容易、迅速に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明による既設管の補修工法につき、その実施の形態を図面に基づいて説明する。
この補修工法は、図1に示すように、例えば、地中に埋設された既設管の一例である都市ガス用鋳鉄管や都市ガス用鋼管(以下、既設管と称する)Pにおいて、直角に屈曲するエルボ管Eを有するもの、換言すると、曲がり角度αが90度の曲がり部を有するものを対象とし、特に、小さな河川Rや地中への埋設物などを避けるため、2つのエルボ管Eを有してコの字状に配管された既設管Pの更新あるいは更生に最適な工法である。
【0013】
この補修工法では、図2に示すように、所定の曲がり角度βを有する補修用の曲がり管1が使用され、その曲がり管1は、曲がり角度βの曲管部2とその曲管部2の両端に連設の接続用直管部3とを備え、曲管部2の肉厚T1が接続用直管部3の肉厚T2よりも厚くなるように熱可塑性のポリエチレン樹脂により一体的に形成され、接続用直管部3よりも厚い肉厚T1によって、曲管部2の変形が抑制されるように構成されている。
曲がり管1の接続用直管部3は、樹脂管を構成する直管の一部として機能すると同時に、樹脂管を構成する直管を接続するためのもので、その曲がり管1に接続される直管としては、対象とする既設管Pの呼び径よりも1ランク小さい呼び径で、熱可塑性のポリエチレン樹脂で押出し成形により製造された樹脂管4が使用される。
【0014】
曲がり管1の曲がり角度βは、対象とする既設管Pの曲がり部に基づいて設定され、図1に示したように、既設管Pの曲がり部における曲がり角度αが90度のエルボ管Eであれば、曲がり管1の曲がり角度βは、90度よりも小さな角度、例えば、45度程度に設定される。
曲がり管1における接続用直管部3の肉厚T2は、既設管Pに対して使用される樹脂管4の肉厚に基づいて、樹脂管4の肉厚と接続用直管3の肉厚がほぼ同じ肉厚T2になるように設定され、接続用直管部3に対して樹脂管4が突き合せ融着されて、上述したように、曲がり管1における曲管部2の肉厚T1が、その接続用直管部3と樹脂管4の肉厚T2よりも厚くなるように設定される。
【0015】
つぎに、曲がり管1や樹脂管4を使用して、地中に埋設された既設管Pを更新あるいは更生する補修工法について説明する。
図1においてA〜Bで示す区間を補修する場合であれば、まず、従来の工法と同様に、補修区間の両端A,Bにピットを掘って既設管Pを切断し、樹脂管4を巻いたリール、および、スチームや冷却空気を供給する装置などを搭載した作業車を一方Aのピット近くに配置し、ウインチなどを搭載した作業車を他方Bのピット近くに配置する。
その後、通線具などを使用して既設管Pに牽引用ワイヤWを挿通し、樹脂管4に牽引用ワイヤWの一端を連結し、樹脂管4内にスチームを供給して、樹脂管4と樹脂管4に接続された曲がり管1とを加熱軟化状態にしながら、牽引用ワイヤWの他端をウインチにより巻き取って、加熱軟化状態にある樹脂管4と曲がり管1を既設管Pに挿通する。
【0016】
この樹脂管4と曲がり管1の挿通時には、図3の(イ)に示すように、主として肉厚の薄い直管、つまり、曲がり管1における接続用直管部3とその直管部3に接続された樹脂管4、そのうちでも特に樹脂管4が扁平に変形して挿通され、曲がり管1のエルボ管E内への挿入時にも、主として樹脂管4が扁平に変形して挿入され、樹脂管4に接続された2つの曲がり管1は、図3の(ロ)に示すように、2つのエルボ管E内に円滑に挿入される。
その後、樹脂管4の補修区間B側の端部を閉じてスチームを供給することにより、樹脂管4内を加圧して、図4に示すように、樹脂管4、曲がり管1の曲管部2、および、曲がり管1の接続用直管部3などの変形を矯正するとともに、スチームに代えて冷却空気を供給することにより、樹脂管4や曲がり管1を冷却硬化させるのである。
【0017】
〔別実施形態〕
(1)先の実施形態では、2つのエルボ管Eを有する既設管Pの補修工法について説明したが、エルボ管Eをひとつだけ有する既設管Pの補修にも適用可能であり、また、既設管Pの曲がり部として、曲がり角度αが90度のエルボ管Eを示したが、90度以外の曲がり角度αを有する各種のベンド管を備えた既設管Pの補修にも適用可能である。
そして、使用する曲がり管1については、既設管Pにおける曲がり部の曲がり角度αに応じて、その角度αよりも小さな曲がり角度βを有する曲がり管1を使用するのが好ましく、その曲がり角度βについては、接続用直管部3や樹脂管4の肉厚などに応じて適宜選択して決定することになる。
【0018】
(2)先の実施形態では、補修用の曲がり管1を曲管部2とその曲管部2の両端に連設の接続用直管部3により構成した例を示したが、曲管部2のみ、あるいは、いずれか一方にのみ接続用直管部3を有する曲管部2により曲がり管1を構成することもできる。
また、曲管部2の肉厚T1を接続用直管部3や樹脂管4の肉厚T2よりも厚くして、曲管部2における変形を抑制するように構成した例を示したが、曲管部2、接続用直管部3、および、樹脂管4の肉厚を全て同じにし、曲管部2内に補強部材などを埋設して曲管部2の変形を抑制するように構成することもでき、本明細書においては、それらを含めて「変形抑制用補強部材」と総称する。
【0019】
(3)これまでの実施形態では、既設管Pの一例として地中に埋設された都市ガス用鋳鉄管や鋼管を示したが、必ずしも地中に埋設された既設管に限るものではなく、地上に配設された既設管にも適用可能であり、また、ガス管以外の水道管などにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】既設管の補修工法を示す概略図
【図2】既設管の補修工法に使用する曲がり管の断面図
【図3】既設管の補修工法を示す要部の断面図
【図4】既設管の補修工法を示す要部の断面図
【符号の説明】
1 樹脂管を構成する曲がり管
4 樹脂管を構成する直管
E 既設管の曲がり部
P 既設管
α 曲がり部の曲がり角度
β 曲がり管の曲がり角度
Claims (3)
- 曲がり部を有する既設管に加熱軟化状態にある樹脂管を挿通して補修する既設管の補修工法であって、
前記樹脂管を曲がり管とその曲がり管の両端に連通接続された直管により構成し、その樹脂管の直管と曲がり管とを加熱軟化状態にして変形させながら前記既設管に挿通して、前記曲がり管を前記曲がり部内に位置させた後、前記樹脂管内を加圧して前記直管および前記曲がり管の変形を矯正する既設管の補修工法。 - 前記曲がり管として、変形抑制用補強部材を有する曲がり管を使用する請求項1に記載の既設管の補修工法。
- 前記曲がり管として、前記既設管の曲がり部よりも曲がり角度の小さな曲がり管を使用する請求項1または2に記載の既設管の補修工法。
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