JP4070794B2 - 消臭性チューインガム及びその製造方法 - Google Patents

消臭性チューインガム及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、本来の味や香りや食感をそこなうことなく、安全でかつ優れた消臭効果を示す消臭性チューインガム及びその製造方法に関するものである。
これまで、各種植物組織体を配合したチューインガムは多数知られている。例えば、朝鮮人参、クコ、甘草、ハト麦と桂皮や忍冬のエキスとビタミンCとを配合した総合健康食的ガム、甘茶づるエキスと甘草エキスとを配合したチューインガム、ハーブエキスと麦芽糖を配合したチューインガム(特許文献1参照)、粉糖、ガムベース、グルコース、水飴に薬草を混合して成形したチューインガム(特許文献2参照)、ブランチングした後、熱風乾燥し、粉砕篩別した可食性香草をガムベースに添加した乾燥香草入りチューインガム(特許文献3参照)などが知られている。また、シソ科植物を含むものとしても、シソ科植物の凍結乾燥葉を含むチューインガムが知られている(特許文献4参照)。
しかしながら、これまでの朝鮮人参、クコ、甘草、ハト麦、桂皮、忍冬、甘茶づる、ハーブ、香草などをそのまま配合したチューインガムは、特有の臭いや味を有するため、使用者によっては不快感を与えることがある上に、消臭効果の点ではほとんど期待できないものである。
また、シソ科植物の凍結乾燥葉は、シソ本来の天然のままの芳醇、新鮮な香味がほぼ完全な状態で保存されているが、同時に付着物や不純分が除去されないまま保有することになるので、衛生的に好ましくない上にシソ特有の強い香気、風味に、他の付着物不純分に起因する臭気、味が混入するのを免れない。
さらに、消臭成分として有効なポリフェノール類のみを選択的に残留させることが困難なため長時間にわたって優れた消臭効果を維持することができない。
そのほか、シソ科植物については、塩蔵赤シソ葉を酸性条件及び加熱条件下で親水性溶媒で抽出し、この抽出液をクロマトグラフィーにより分別したのち、濃縮、粉末化して、抗アレルギー作用を有するフェノール類含有エキスを得ることが知られているが(特許文献5参照)、このようにして得られるエキスは、その調製に煩雑な操作を必要とする上に、シソ本来の風味、香気が失われるため、チューインガムの添加成分としては、必ずしも満足できるものではない。
特開昭61−229827号公報(特許請求の範囲その他) 特開平5−199842号公報(特許請求の範囲その他) 特開平8−154590号公報(特許請求の範囲その他) 特公昭61−48897号公報(特許請求の範囲その他) 特開2003−180286号公報(特許請求の範囲その他)
本発明は、シソ科植物組織体を原料として調製された本来の風味や香りや食感に悪影響を及ぼすことがなく、高い安全性を示し、かつ優れた消臭効果を有する消臭剤を配合した消臭性チューインガムを提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、シソ科植物組織体例えば葉を水蒸気処理して脱臭及び殺菌を行った後、乾燥、粉砕して得た粉末に水蒸気処理の際に失われた有効成分を再添加することにより、チューインガムに配合したときにその本来の風味や芳香をそこなうことなく、優れた消臭効果を示す消臭剤得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、水蒸気処理により脱臭、殺菌した少なくとも1種のシソ科植物組織体と、上記水蒸気処理の際に残留液として得られるポリフェノール成分含有液との混合物を乾燥、粉砕してなる粉末を配合したことを特徴とする消臭性チューインガム、及びシソ科植物組織体を水蒸気と接触させて脱臭、殺菌処理後、このように処理した組織体に、水蒸気処理の際に残留液として得られるポリフェノール含有液を添加して、水蒸気との接触により失われたポリフェノールを補給したのち、乾燥、粉砕、篩分けして、チューインガムに配合することを特徴とする性チューインガムの製造方を提供するものである。
本発明で用いる粉末状消臭剤、シソ科植物組織体を原料として製造されるが、このシソ科植物としては、例えば、ペパーミント、スペアミント、アップルミント、パイナップルミント、ウォーターミント、レモンミント、ジャパニーズミント、バジルミント、カーリーミント、ジンジャーミント、ハッカ、ローズマリー、タイム、オレガノ、スイートバジル、ホーリーバジル、レモンバジル、ブッシュバジル、アニスバジル、シナモンバジル、ヒソップ、ストーンルート、ラベンダー、マザーワート、ホアハウンド、レモンバーム、ペニーローヤル、ベルガモット、キャットニップ、マジョラム、ウツボグサ、セージ、クラリーセージ、セイボリー、クミスクチン、シソ、エゴマ、ウツボグサ、タンジン、オウゴン、スカルキャップ、カラミント、ジプシーワート、ヒキオコシ、ティーブッシュ、パチョリ、セルフヒール、スカルキャップ、ウッドベトニーなどの食用植物を挙げることができる。
また、組織体とは、植物を構成する各部分を意味し、葉、葉柄、茎、根、花などが含まれるが特に好ましいのは葉である。
この粉末消臭を製造するには、先ず上記のシソ科植物組織体をよく洗浄して夾雑物を除去したのち、そのままで又は適当なサイズに裁断して、水蒸気処理する。この水蒸気処理は、湿式法又は乾式法のいずれでもよいが、通常、組織体を蒸留釜に仕込み、水蒸気を吹き込むことによって行われる。
そして、この水蒸気処理により、組織体中の不快臭の原因となる精油分が除かれて脱臭されると同時に、付着している雑菌の殺菌が行われる。この水蒸気処理は、組織体の種類又は部位によって異なるが、30分ないし5時間の範囲で行われる。
この水蒸気処理により、組織体中の精油分が除去され脱臭されるが、同時に有効な消臭成分であるポリフェノール成分の一部が失われ、消臭効果が低下するので、この際分離して処理液中に流失したポリフェノール成分を、後述するように再添加することが必要である。
この再添加されるポリフェノール成分の量は、添加した後のポリフェノール成分の合計量が消臭剤全質量に基づき、少なくとも3.5質量%、好ましくは4〜10質量%になる範囲で選ばれる。このポリフェノール化合物の量は、プルシアンブルー法を用いた比色定量法に基づくものである。
この消臭には、必要に応じ味付け、賦香、着色を行うことができる。この処理は、水蒸気による脱臭、殺菌処理後、乾操する前に行ってもよいし、また乾燥した後で行ってもよい。
この味付け、賦香、着色は、例えば、ショ糖、ブドウ糖、麦芽糖、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン、スクラロースなどの甘味料、ミント系香料、シトラス系香料、ソフトフルーツ系香料、乳製品系香料、嗜好飲料系香料、バニラ・チョコレート系香料、スパイス系香料、ナッツ系香料、野菜系香料、畜肉・水産系香料、調味料系香料、酒類系香料、メントール、ユーカリオイル、メープル、蜂蜜などの香料、クチナシ黄色素、マリーゴールド色素、パプリカ色素、ウコン色素、ニンジン色素、赤ダイコン色素、赤キャベツ色素、赤ビート色素、シソ色素、紅麹色素、紫トウモロコシ色素、ブドウ果皮色素、ハイビスカス色素、ムラサキイモ色素、タマネギ色素、カカオ色素、クマリンド色素、コチニール色素、ラック色素、クチナシ青色素、スピルリナ青色素、クロロフィル色素、銅クロロフィリンナトリウムなどの色素を添加することによって行われる。
これらの味付け、賦香又は着色用添加剤の含有量としては、消臭剤全質量に基づき、5ppm〜10質量%の範囲で、それぞれの使用目的に応じて選ばれる。
この粉末状消臭は、100メッシュないし10メッシュのいずれかの篩目を全通する粒度すなわち150μmないし1.7mmの粒径をもつものが好ましい。
この粉末状消臭は、例えばシソ科植物組織体、例えばシソの葉を、前記したようにして水蒸気と接触させ、付着した汚物の除去及び脱臭、殺菌処理したのち、乾燥して所定の粒度に粉砕し、水蒸気処理の際に流失した高ポリフェノール含有液を再添加し、さらに乾燥し、粉砕し、篩分けすることによって製造することができる。この製造過程中の脱臭、殺菌処理後の乾燥に先立ち、或いは乾燥後に、必要に応じ味付け、賦香、着色のいずれか1つ又は2つ以上の処理を施すことができる。
また、前記した水蒸気処理の際に得られる高ポリフェノール含有液中に汚物等の消臭剤として使用する場合の障害となるものが含まれていない場合には、水蒸気処理したシソ科植物組織体と高ポリフェノール含有液との分離を行わずにそのまま乾燥、粉砕工程に送り、粉末化することもできる。
このようにして得られる粉末状消臭剤、高い安全性及び優れた消臭効果を有する。
本発明の消臭性チューインガムは、チューインガムのベースに、チューインガムの全質量に基づきシソ組織体質量に換算して0.01〜5.0質量%、好ましくは0.1〜2.0質量%の範囲の割合で、上記の粉末状消臭剤を添加することにより得られる。
すなわち、本発明の消臭性チューインガムは、例えばシソ科植物組織体を水蒸気と接触させて、脱臭、殺菌処理後、このようにして処理した組織体に、水蒸気処理の際に残留液として得られるポリフェノール含有液を添加して、水蒸気との接触により失われたポリフェノールを補給したのち、乾燥、粉砕、篩分けすることにより調製した消臭剤を、所定の割合でチューインガムベース添加し、常法に従って加工することにより製造することができる。
このようにして、本発明によると、煩雑な操作を用いることなしに、不快臭が除去され、殺菌された高い安全性及び優れた消臭性を有する消臭剤を含む消臭性チューインガムが提供される。
次に、実施例により本発明を実施するための最良の形態を説明するが、本発明は、これらによってなんら限定されるものではない。
なお、各例中のポリフェノール含量の測定及び消臭性の測定は、以下の方法によって行った。
(1)ポリフェノール含量の測定
100ml容三角フラスコに、蒸留水50mlを装入し、これに試料100μlを添加し、さらに0.1M硫酸鉄(III)アンモニウム水溶液3mlを加える。次いで20分後に8mMへキサシアノ鉄(III)酸カリウム水溶液3mlを加え、20分経過後に、波長720nmにおける吸光度を測定した。コントロールとしては、試料の代りに50%メタノール100μlを添加したものを用いた。
次に、(+)−カテキン1mg/ml又は0.1mg/mlをそれぞれ添加して得た検量線に基づき、次式に従って総ポリフェノール含量(%)を算出した。
総ポリフェノール含量(%)=[定量値(mg/ml)/5.0]×100
(2)消臭性の測定
消臭剤粉末10mgを30ml容バイアルびんに装入し、予め37℃に保温したリン酸緩衝液(pH7.0)5.0mlを加え、密栓した。次いでバイアルびん中にメチルメルカプタン10ng/μl希釈液50μl(メチルメルカプタン500ngに相当)を加え、37℃で10分間インキュベートさせたのち、ガスタイトシリンジにより、バイアルびん中のヘッドスペースガス5mlを抜き取り、液体窒素によるコールドトラップ装置(GerstelCIS)を装着したGC−MS(GC:Agilent6890A MS:Agilent5973N)とガス分析用HP−PLOTQカラム(30m×0.32mm×20μm)を用い、トラップ条件;−120℃、30秒間、スプリットレス、温度条件;初期温度50℃(1.5分間保持)→20℃昇温/分→120℃(5分間保持)、流量;1.8ml/分において、メチルメルカプタン量を測定した。
このメチルメルカプタンのピーク検出は、成分に由来する特有のMSフラグメントイオン47及び48を選択して検出するSIM法により行い、またコントロールとして1/15Mリン酸緩衝液(pH7.0)のみをバイアルびんに装入したものを用い、次式に従ってメチルメルカプタン消臭率を算出した。
メチルメルカプタン消臭率=(%)[(C−S)/C]×100
C:コントロールのヘッドスペース中のメルカプタン量
S:検体のヘッドスペース中のメチルメルカプタン量
参考例1
ペパーミント生薬5.3kgを水洗して異物を除去したのち、熱風乾燥し、5000ml容蒸留釜に仕込み、水蒸気を120分間通すことにより、脱臭、殺菌処理を施した。蒸留釜の底に溜った液を、脱臭済みのペパーミント葉に添加し、熱風乾操したのち、ミルを用いて粉末化した。次いで60メッシュ篩目を通過させ、通過分を捕集することにより、粉末状消臭700gを調製した。
参考例2
参考例1と同様にしてローズマリー乾操葉1.0kgを水蒸気処理して脱臭、殺菌した。次いで蒸留釜残留液を脱臭処理済みのローズマリー葉に再添加し、参考例1と同様にして熱風乾燥、粉末化を行ったのち、60メッシュの篩目を通して粉末状消臭を調製した。
比較参考例1
参考例1と同じペパーミント葉を水洗し、異物を除去したのち、参考例1と同様にして水蒸気により脱臭、殺菌処理を行い、さらに熱風乾操し、60メッシュの篩目を通すことにより粉末状消臭を調製した。
比較参考例2
ペパーミント生葉100gを水洗して異物を除去したのち、100℃で5分間ブランチング処理した。次いでこの葉を熱風乾燥し、ミルで粉末化したのち、60メッシュの篩目を通過させることにより、消臭を調製した。
比較参考例3
市販されているペパーミント葉粉末をそのまま用いて消臭剤試料とした。
チューインガムの製造に通常用いられている方法を用い、表1の処方のシュガーレスチューインガムを製造し、そのポリフェノール含量及び消臭率を測定し、その結果を表6に示す。
Figure 0004070794
実施例と同様にして、表2の処方のシュガーレスチューインガムを製造した。そのもののポリフェノール含量及び消臭率を表6に示す。
Figure 0004070794
比較例
実施例と同様にして、表3の処方のシュガーレスチューインガムを製造した。そのもののポリフェノール含量及び消臭率を表6に示す。
Figure 0004070794
比較例
実施例と同様にして、表4の処方のシュガーレスチューインガムを製造した。そのもののポリフェノール含量及び消臭率を表6に示す。
Figure 0004070794
比較例
実施例と同様にして、表5の処方のシュガーレスチューインガムを製造した。そのもののポリフェノール含量及び消臭率を表6に示す。
Figure 0004070794
Figure 0004070794
パネラー10名(女子;18才、22才、30才、38才、45才、男子;20才、25才、35才、42才、55才)により、実施例1、2及び比較例1、2、3で製造したチューインガムについて、味、香り、食感について官能試験を行った。その結果、5名以上が良としたものを○、1名以上4名以下が良としたものを△、全く良としたものがいなかったものを×とした。その結果を表7に示す。
Figure 0004070794
本発明の粉末状消臭剤組成物は、チューインガムに添加する消臭剤成分として有用である。

Claims (6)

  1. 水蒸気処理により脱臭、殺菌した少なくとも1種のシソ科植物組織体と、上記水蒸気処理の際に残留液として得られるポリフェノール成分含有液との混合物を乾燥、粉砕してなる粉末を配合したことを特徴とする消臭性チューインガム
  2. ポリフェノール含量が少なくとも3.5質量%である請求項1記載の性チューインガム
  3. 100メッシュ(150μm)ないし10メッシュ(1.7mm)のいずれかの篩目を全通する粒度をもつ乾燥、粉砕処理物である請求項1又は2記載の性チューインガム
  4. シソ科植物組織体が水蒸気による脱臭及び殺菌処理後、乾操に先立って味付け、賦香、着色されている請求項1ないし3のいずれかに記載の性チューインガム
  5. シソ科植物組織体が水蒸気による脱臭、殺菌処理及び乾燥処理後に、味付け、賦香、着色されている請求項1ないし3のいずれかに記載の性チューインガム
  6. シソ科植物組織体を水蒸気と接触させて脱臭、殺菌処理後、このように処理した組織体に、水蒸気処理の際に残留液として得られるポリフェノール含有液を添加して、水蒸気との接触により失われたポリフェノールを補給したのち、乾燥、粉砕、篩分けして、チューインガムに配合することを特徴とする性チューインガムの製造方法。
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