JP4077370B2 - 燃焼装置の給排気検出方法、燃焼制御方法及び燃焼制御装置 - Google Patents

燃焼装置の給排気検出方法、燃焼制御方法及び燃焼制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バーナに燃料とともに燃焼用空気を供給して燃料を燃焼させる燃焼装置に関し、適正な燃焼を実現するために用いられる給排気検出方法、燃焼制御方法及び燃焼制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃焼装置に設置されて燃焼用空気を取り込むファンモータに対する埃、塵が蓄積すると、燃焼に必要な燃焼用空気の供給が損なわれ、燃焼が妨げられる。熱交換器に燃焼生成物が蓄積すると燃焼が妨げられ、給排気通路が燃焼生成物で閉塞された場合にも、燃焼が妨げられる。このような不適正燃焼時には、燃焼用空気を取り込むファンモータに加わる負荷により駆動電流値が変化するので、これを不適正燃焼の検知手段として利用し、その変動値から燃焼用空気の取込み状態、即ち、閉塞状態を検出することが可能である。
【0003】
また、バーナ炎口付近に熱電対を設置して燃焼温度の上昇を検出し、排気通路COセンサを設置して一酸化炭素を検出し、これらの検出値に応じてファン回転数を増加させ、空気供給量を適正化する方法もある。
【0004】
このような従来の技術はセンサや検出回路が必要であるとともに、これらのセンサの位置設定のため、給湯装置の小型化を妨げる原因になっている。このような燃焼技術に関し、次のような先行特許文献が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−238759号公報
【0006】
この特許文献1には、燃焼装置のファンモータ制御において、流路抵抗の増加による燃焼性の悪化を防止し得る構成として、燃焼装置の燃焼量に応じて送風用ファンのファンモータ回転数を制御するとともに、この制御されたファンモータの回転数をさらに送風流路の流路抵抗に応じて補正するファンモータ制御方法において、ファンモータの回転数が予め設定された所定回転数を超える場合に、回転数の補正量を当初の補正量より大きく補正することが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ファンモータに直流電圧駆動のブラシレスモータ等を使用した場合、自己発熱を生じ、外気温によって回転数が大きく変動し、燃焼用空気の供給量が変化する。また、ファンモータの駆動電源に商用電源を整流して得た直流電源を用いた場合、商用電源の変動が直流電圧のレベルを変化させ、これが回転数変動の原因になる。このような回転数の変動原因が存在している場合、モータの駆動電流の変動情報を利用したとき、その変化が閉塞によるものか、外気温による変動によるものか等、見極めに相当な誤差を伴い、閉塞時、燃料供給量にも影響を受ける。このような課題については、特許文献1に開示されておらず、特許文献1に開示の技術によって解決できるものではない。
【0008】
そこで、本発明は、燃焼装置に関し、ファンモータの回転数により給排気通路の閉塞状態を高精度に検出できる燃焼装置の給排気検出方法を提供することを第1の目的とする。
【0009】
また、本発明の第2の目的は、このような給排気検出方法を用いた燃焼制御方法及び燃焼制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の目的を達成するため、本発明の燃焼装置の給排気検出方法は、バーナ8A、8Bに燃料とともに燃焼用空気13を供給して燃料を燃焼させる燃焼装置の給排気検出方法であって、前記燃焼用空気を供給するファンモータ16が高速回転となる速度指示値と、前記ファンモータが低速回転となる速度指示値とを付与し、高速回転と低速回転との回転数の差を算出し、この差がその初期値に対して所定値以上変化したとき、給排気通路の異常として警告を発する構成としたものである。斯かる構成とすれば、ファンモータの高速回転数及び低速回転数と、その初期値との差が所定値以上に変化したとき、給排気通路の異常を警告により知ることができる。
【0012】
第1の目的を達成するためには、本発明の給排気検出方法において、前記ファンモータを駆動する電源電圧の変動に応じて前記回転数を補正する構成としてもよい。
【0013】
第1の目的を達成するためには、本発明の給排気検出方法において、外気温度に応じて前記回転数を補正する構成としてもよい。
【0015】
第2の目的を達成するため、本発明の燃焼制御方法は、バーナに燃料とともに燃焼用空気を供給して燃料を燃焼させる燃焼制御方法であって、前記燃焼用空気を供給するファンモータが高速回転となる速度指示値と、前記ファンモータが低速回転となる速度指示値とを付与し、高速回転と低速回転との回転数の差を算出し、この差がその初期値に対して所定値以上変化したとき、その変化に応じて前記ファンモータの回転数の調整をする構成である。
【0016】
第2の目的を達成するためには、本発明の燃焼制御方法において、前記ファンモータの回転数の調整に代え、前記バーナに対する燃料供給量を調整する構成としてもよい。
【0017】
第2の目的を達成するためには、本発明の燃焼制御方法において、商用電源の電圧変動が所定量を超えたとき、前記ファンモータの回転数の調整を解除する構成としてもよい。
【0019】
第2の目的を達成するため、本発明の燃焼制御装置は、バーナに燃料とともに燃焼用空気を供給して燃料を燃焼させる燃焼制御装置であって、前記バーナへ燃料を供給する燃料供給手段と、この燃料供給手段による燃料供給量に応じて前記バーナへ燃焼用空気を供給する空気供給手段と、前記燃焼用空気を供給するファンモータが高速回転となる速度指示値と、前記ファンモータが低速回転となる速度指示値とを付与し、高速回転と低速回転との回転数の差を算出し、この差がその初期値に対して所定値以上変化したとき、その変化に応じて前記ファンモータの回転数の調整をする制御手段とを備えた構成である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る給湯装置の概要を示している。
【0021】
給湯装置2には燃焼を行う本体部4が設けられ、この本体部4にはファン6、第1及び第2のバーナ8A、8B、熱交換器10が設置されている。ファン6は、例えば、シロッコファンで構成され、本体部4の下面部に設置されたファンケース14に設置されている。ファン6には、駆動源としてファンケース14の外部に設置されたファンモータ16が取り付けられ、ファンモータ16は、例えば、ブラシレスモータで構成され、直流電源を駆動源としている。このファン6の回転により、ファンケース14の吸気口12から取り込まれた燃焼用空気13は本体部4のバーナ8A、8Bへ供給される。ファンモータ16には回転数センサとしてホール素子17が設置されている。
【0022】
段階的に燃焼量を切り換えるため、第1及び第2のバーナ8A、8Bで構成され、燃料と燃焼用空気を導入させるため、個別に導入口18A、18Bが設けられている。熱交換器10とバーナ8A、8Bの間に設けられた燃焼室20には、火炎を検出するフレームロッド22、点火器24が設置され、点火器24にはイグナイタ26が接続されている。熱交換器10の上部には燃焼排気25を外部へ排出させるための排気口28が形成されている。
【0023】
燃料ガスGを供給する燃料管30には燃料管32、34が分岐され、各バーナ8A、8Bの導入口18A、18Bに燃料が導かれる。燃料管30にはバーナ8A、8Bへの燃料の供給、又はその停止を行うための燃料元弁36、バーナ8A、8Bへの燃料ガスGの供給量を調整するための比例弁38、燃料管34にはバーナ8Bへの燃料供給、又はその停止を行うための能力切換弁40が設けられている。
【0024】
熱交換器10は、給水管42から上水Wの供給を受け、熱交換器10によって加熱された上水、即ち、温水を給湯管44から出湯させる。給水管42には上水温度を検出するための給水温センサ46、給水量を計測するための水量センサ48が設けられている。また、給湯管44には出湯量を規制するための水量制御弁50、給湯温度を計測するための出湯温センサ52が設けられている。また、給湯装置2には外部空気を機内へ導入させるための空気口54が設けられている。また、給湯時の燃焼制御を司る手段として制御装置100が設置され、この制御装置100には有線又は無線等の伝送媒体を介してリモコン装置200が接続されている。
【0025】
次に、制御装置100及びリモコン装置200について、図2及び図3を参照して説明する。図2は制御装置100の概要を示すブロック図、図3はリモコン装置200の概要を示すブロック図である。
【0026】
制御装置100において、制御演算部102には、制御指令、各種演算を行うCPU104、各種データを一時記憶させるためのRAM106、制御プログラム、制御基準データを格納したROM108、A/D変換器110、各種パルスデータのパルス長の計測、パルス数のカウント、制御パルスの生成を司るタイマイベントカウンタ112、各種入出力データの入出力のための入出力ポート114が設けられている。また、タイマイベントカウンタ112にはファンモータ16への指令回転数信号をPWM信号として出力するためのPWM出力回路116が設けられている。
【0027】
A/D変換器110には、温度検出回路120、122、AC電源変動検出回路124が接続され、タイマイベントカウンタ112にはパルス波形成形器126、パルス検出回路128が接続され、PWM出力回路116にはファン駆動回路130が接続され、入出力ポート114には制御動作中に取り込んだ各種データを記憶し、停電等から防護保持するためのEEPROM132、水量制御弁駆動回路134、イグナイタ駆動回路136、元弁駆動回路138、能力切換弁駆動回路140、比例弁駆動回路142、炎検出回路143、給排気通路閉塞検出許可禁止回路144、給排気通路閉塞リセット回路146、LED駆動回路148、変調器150、復調器152が接続されている。給排気通路閉塞リセット回路146にはリセット用端子154が設けられ、このリセット用端子154をショートすることにより給排気通路の閉塞を検出して実行されるファン回転数の補正動作、最大燃焼量の減少や警報等を解除することができる。また、LED駆動回路148にはLED156が接続され、LED156を点滅させることによって警報を告知することができる。
【0028】
変調器150には送信回路158が、復調器152には受信回路160が接続され、送信回路158、受信回路160はリモコン装置200に接続されている。また、温度検出回路120には給水温センサ46、温度検出回路122には出湯温センサ52、AC電源変動検出回路124にはAC電源162、パルス波形成形器126には水量センサ48、パルス検出回路128にはホール素子17、ファン駆動回路130にはファンモータ16、水量制御弁駆動回路134には水量制御弁50、イグナイタ駆動回路136にはイグナイタ26、元弁駆動回路138には燃料元弁36、能力切換弁駆動回路140には能力切換弁40、比例弁駆動回路142には比例弁38、炎検出回路143にはフレームロッド22が接続されている。
【0029】
次に、図3に示すように、リモコン装置200には制御演算部202が設けられ、制御演算部202にはCPU204、ROM206、RAM208、入出力ポート210、212が設けられている。入出力ポート210には復調器214、変調器216が接続され、それぞれに受信回路218、送信回路220が接続されている。受信回路218、送信回路220は制御装置100側の送信回路158、受信回路160と有線、無線等で連係している。入出力ポート212には検出回路222が設けられ、給湯温度を設定するための温度調節スイッチ224、運転指令を与えるための運転スイッチ226、各種操作スイッチが接続されている。また、入出力ポート212には駆動回路228が接続され、駆動回路228にはLED、液晶、ブラウン管、蛍光表示管等の表示器230が接続されている。
【0030】
以上の構成において、給湯装置2の動作を説明すると、リモコン装置200の運転スイッチ226を入力して運転状態とし、台所等の蛇口を開栓することにより給水管42に上水Wが流入する。水量センサ48が流水を検出すると、ファンモータ16が駆動し、燃料元弁36、比例弁38及び能力切換弁40を開き、イグナイタ26を動作させてバーナ8A、8Bの燃焼を開始する。フレームロッド22が燃焼火炎を検出すると、イグナイタ26の動作を停止する。次に、給水温センサ46の検出水温と水量センサ48の検出流量と出湯温センサ52の検出水温、リモコン装置200に入力された設定温度より燃料供給量を演算し、比例弁38の開度を調整する。ファンモータ16は比例弁38に指令するガスGの供給量、即ち、燃焼量に比例して回転数が変更され、制御される。各種水温、設定温度、流量から出湯可能な最大燃焼量を演算し、給湯流量が最大燃焼量を上回るときには水量制御弁50を動作させて出湯水量を規制する。水量制御弁50により水量を規制することにより自由に最大燃焼量を規制することができる。水量センサ48が流水停止による蛇口の閉栓を検出すると、燃料元弁36、比例弁38及び能力切換弁40を閉じて燃焼を停止し、フレームロッド22より消火を確認すると所定時間ファン6によって燃焼室20内のガスを外部へ排出するポストパージ運転を行い、給湯動作を終了する。
【0031】
ところで、ファンモータ16を駆動するためにCPU104からPWM出力が発せられる。このPWM出力はパルス出力で、このパルスのデューティ(ON/OFF時間の比率)を変えることで回転数を制御する。ファン駆動回路130はCPU104の出力パルスを電圧に変換してファンモータ16を駆動する。ファンモータ16の回転信号はパルス検出回路128からCPU104に取り込まれ、CPU104では、タイマイベントカウンタ機能により、パルス長を検出し、回転数検出を行う。AC電源変動検出回路124は、AC電源が例えば、1V変化すると、約20mV変化するように設定されている。例えば、20mVはA/D変換器110で検出できる最小単位である。AC電源変動検出回路124は、AC電源162の変動を検出する手段である。この回路により、AC電圧によるFM駆動回路の電圧と回転数の関係が検出される。
【0032】
また、簡易自己診断機能である、給排気通路閉塞検出は、例えば、1日(24時間)に1回、ポストパージ中に行う。電源投入の投入回数、即ち、所定回数Nとして例えば、8回(1日1回とすれば8日間)は基準確定を行うために回転数制御を行う。基準値の取込み後は、固定出力でファン6の回転数変化を監視し、機器の閉塞、即ち、給排気通路の閉塞を検出する。また、この制御を行うか行わないかは基板上のジャンパー有り無しで決まる。警告発生後のリセットは、リセット用端子154をショートすることにより、初期化する。この初期化完了で表示素子であるLED156を点灯させる。燃焼中に初期化した場合は消灯とする。なお、簡易自己診断機能の給排気通路閉塞検出は、記述のように、24時間に1回の検出を行い、使用した日の合計日数を計数し、8日間又は9日間のデータを取る。この場合、24時間を経て、検出が終了すると、そのデータがクリアされ、0になる。
【0033】
また、基準確定方法について、回転数制御はPWM出力のデューティを変えることにより行う。ポストパージで例えば、2000回転に制御しているとき、出力しているPWMの値をRAM106に保存する。例えば、8回分の取込み、大小2つずつ除き、4つのデータを平均して基準とし、その平均データからなる基準値をEEPROM132に記憶する。同様に、高速回転数例えば、5000回転にするためのPWMの値とAC電源162のデータを記憶する。電源電圧が所定値として例えば、10V変動した場合にはデータの取込みを停止する。なお、8日間を設定しているのは、適当な検出期間であるとともに、8回を設定しているのは、ディジタル値を構成するビット数により平均値計算の容易化のためである。
【0034】
基準確定後の制御方法について、基準確定後は、簡易自己診断中に低速回転として例えば、2000回転の基準値、高速回転として例えば、5000回転の基準値を出力し、回転数の変化を監視する。給排気通路の閉塞がなければ、ファンモータ16の回転数の差は例えば、3000回転になるが、その閉塞が進むと、回転数の差が大きくなる。そこで、その差が所定値例えば、3150回転を超えると、次回の燃焼時にファンモータ16の回転数を所定数だけ上昇例えば、3%アップさせる。同様に、所定回転数例えば、3200回転を超えると、さらに回転数を所定数だけ上昇例えば、6%のアップとする。そして、所定回転数例えば、3300回転を超えると、警告を出し、燃焼号数ダウンを行う。この場合、AC電源又は電源電圧が基準から所定値例えば、5Vずれた場合は、今回のデータは無視し、異常制御を回避する。
【0035】
次に、このような燃焼動作における、燃焼状態からポストパージ運転へ移行する際の動作について、図4を参照して説明する。図4は、燃焼状態からポストパージ運転へ移行するときの動作タイミングを示す図である。
【0036】
燃焼が終了した後、時間t1でポストパージ運転を実行するが、このポストパージ中の時間t2の間にファンモータ16へ2000回転のPWM信号よりなる指示信号を送出し、続いて所定時間例えば、時間t3で5000回転の指示信号を送出し、それぞれの回転数を計測することにより給排気通路の閉塞状態を検出し、次回の給湯動作時にファン回転数を補正して適正な燃焼用空気13をバーナ8A、8Bへ供給するものである。給排気通路の閉塞とは、ファン6に埃、塵が蓄積することによる空気供給量の減少、又は燃焼生成物が熱交換器10に蓄積して空気流通が阻害されることである。給排気通路の閉塞が進むと、ファン回転数が指令回転数より増加していく。そこで、所定回転として低速回転数例えば、2000回転、高速回転数例えば、5000回転に回転数を調整し、そのときの駆動電圧、即ち、回転指示値として記憶し、以後、2000回転の指示信号を送出したときのファン回転数と5000回転の指示信号を送出したときのファン回転数との偏差を求め、この偏差と5000回転と2000回転との基準回転数偏差の差分回転数を求め、この差分に応じて、次回の燃焼時にファン回転数を補正する。また、ファン回転数が限界まで上昇したとき、又は閉塞率が極めて高くなるときには水量制御弁50を動作させて通過水量を規制して最大燃焼量を減少、規制させて、一酸化炭素等の有害ガスの生成量を大幅に減少させるものである。また、所定の燃焼量以上にガスGがバーナ8A、8Bへ供給されないように比例弁38の開度を規制する。
【0037】
次に、ファンモータ16の回転数検出による閉塞度合の検出、閉塞率に伴う回転数の増加、外気温等の変化に伴うファン回転数の変化について、図5、図6及び図7を参照して説明する。図5は本発明の燃焼装置のファンモータの回転数検出による閉塞度合の検出を説明する図、図6は閉塞率に伴う回転数の増加を示す図、図7は外気温等の変化に伴うファン回転数の変化を示す図である。
【0038】
図6に示すように、2000回転等の比較的低回転時には給排気通路の閉塞の進行によってもファン回転数はあまり変動しない。ところが、5000回転等の高回転領域になると閉塞の進行によりファン回転数の増加率が高くなる傾向がある。そこで、図5に示すように、低回転領域の回転数を基準として高回転領域での回転数との偏差を求め、基準回転数の偏差との差分を求めることにより、ファン回転数の閉塞度合が検出できる。また、図7に示すように、温度変化によって、ファン回転数は増減するが、低回転領域と高回転領域では増減の割合が比例して変化するため、低温時の回転数偏差と高温時の回転数偏差がほぼ等しい傾向がある。即ち、低回転領域における指示信号と高回転領域での指示信号を送出して偏差を求め、基準回転数偏差との差分を求めることにより温度変動による誤差を排除して閉塞の度合、即ち、閉塞による回転数の上昇が検出される。
【0039】
ところで、図5において、aは、閉塞が進行し温度の影響の無いときの理想的な回転数変化を表している。2000回転のPWM指示信号を送出して検出された回転数は2000回転より若干高い値となる。そして、5000回転の指示信号を送出したときの回転数は5000回転より大きく上昇した値として現れる。この回転数の偏差△R1と2000回転と5000回転の偏差△R0との差分が大きいほど閉塞が進んでいると判断することができる。図5のbは、外気温が低いときの回転数の推移を示し、図5のcは、外気温が高いときの回転数の推移を示している。これらの回転数の偏差△R2と△R3と理想的な回転数偏差である△R1とはほぼ等しい値となる。即ち、低回転領域と高回転領域との偏差を求めることにより、外気温等の温度変化による誤差を打ち消して純粋に閉塞の度合を検出できる。
【0040】
次に、燃焼制御動作について、図8〜図12を参照して説明する。図8は簡易自己診断処理、図9及び図10はデータ取込み処理、図11及び図12は燃焼に伴うファンモータの回転制御を示すフローチャートである。
【0041】
図8において、ステップS1からステップS3のルーチンは、給排気通路閉塞検出許可禁止回路144が動作状態により給排気通路の閉塞検出をキャンセルして通常のポストパージ動作を実行させるルーチンである。ステップS1、S2、S4、S9のルーチンは、回転数データの取込みを実行して閉塞度合を検出し、ファンモータ16の回転数の補正、最大燃焼量を減少させるルーチンである。ステップS1、S5、S6、S7、S8のルーチンは、24時間計測して、24時間毎の最初の運転時に閉塞度合の検出、ファン回転数の補正を許可させるためのルーチンである。
【0042】
また、図9及び図10は、ステップS4のデータ取込み処理のルーチンの詳細を示している。ステップS10、S11、S12、S13〜S19は、2000回転、5000回転時のPWM信号値の取込み、又は2000回転、5000回転のPWM信号送出時の回転数の取込みを行うルーチンである。ステップS10、S11、S12、S20〜S24は、PWM信号値、回転数値又はAC電圧の確定記憶、電源変動時のデータ破棄を行うルーチンである。
【0043】
図11及び図12は、ステップS9の簡易自己診断閉塞確認処理のルーチンを詳細に説明したものである。ステップS30、S31、S32〜S34は、給湯装置2の設置から8回に採取した2000回転、5000回転のPWM信号値を記憶、保持するルーチンである。ステップS30、S31、S35〜S43は、検出した回転数から閉塞度合に応じてファン回転数の補正、最大燃焼量の減少を行うルーチンである。
【0044】
図8において、給湯装置2の燃焼が終了し、燃焼室20内に残留するガスを外部へ排出するポストパージ動作を実行しているか否かを判定するとともに、給排気通路の閉塞のチェック、即ち、簡易自己診断を行うか否かを判定するルーチンである(ステップS1)。ポストパージ動作を実行しているときにはステップS2へ移行し、ポストパージが実行されていないときにはステップS5へ移行する。
【0045】
ステップS2は、給排気通路閉塞検出許可禁止回路144から簡易自己診断が禁止されているか否かを判定するルーチンである。簡易自己診断が禁止されているときにはステップS3へ移行して通常のポストパージ動作を行い、ステップS1へ移行する。また、簡易自己診断が許可されているときにはステップS4へ移行する。ステップS4は、給湯装置2が設置されてから8回分について、2000回転のPWM信号値と5000回転のPWM信号値を取り込んで回転指示値として記憶し、9回以降は各回転指示値に対する回転数を検出し、取り込むルーチンであり、また、商用電源の電圧変動が大きいときには検出値を破棄するルーチンである。
【0046】
ステップS5は簡易自己診断が完了しているか否かを判定するルーチンで、完了していなければ24時間タイマを作動させてステップS7へ移行し、完了しているときにはステップS6へ移行して24時間タイマのカウントをクリアさせる。ステップS7は24時間が経過したか否かを判定するルーチンである。24時間経過していないときにはステップS9へ移行し、24時間経過しているときにはステップS8へ移行する。ステップS8では次回は簡易自己診断を行うフラグを立てる。即ち、簡易自己診断は、24時間経過後の最初の給湯動作終了後のポストパージ時に実行される。
【0047】
ステップS9は、回転指示値を送出して回転数を計測して偏差を求め、基準回転数の偏差との差分からファン回転数の補正値又は最大燃焼量の減少を実行させるルーチンである。
【0048】
ステップS4の動作を図9及び図10に示すフローチャートにより説明する。ステップS10はPWM信号値、回転数の取込みが完了しているか否かを判定するルーチンである。取込み完了しているときには処理終了となり、取込みが未完了であればステップS11へ移行する。
【0049】
ステップS11は2000回転時のPWM信号値を計測又は回転指示値を送出したときの回転数を計測するか否かを判定するルーチンである。また、ステップS12は5000回転時のPWM信号値を計測又は回転指示値を送出したときの回転数を計測するか否かを判定するルーチンである。それぞれで取込みを行うときにはステップS13へ移行し、取込みを行わないときにはステップS20へ移行する。
【0050】
ステップS13では基準値として2000回転時、5000回転時のPWM信号、即ち、基準データの取込み完了か否かを判定する。取込みが完了していなければタイマイベントカウンタ112からファン回転数信号パルスを送出し、PWM出力回路116からPWM信号を送出してファンモータ16を回転制御する。ホール素子17より回転数を検出し、2000回転又は5000回転に一致するようにPWM信号値を変化させ、ステップS14へ移行する。ステップS14は2000回転、5000回転に一致させるときに回転数が50回転以内の誤差範囲に収束したか否かを判定するルーチンである。50回転以内に収束できなければ回転指示値の取込みをキャンセルして動作を終了する。50回転以内に収束されたときにはステップS15へ移行する。なお、このときにAC電源変動検出回路124から商用電源の電圧値を採取する。ステップS13で基準取込みを完了しているときは、回転指示値をPWM出力回路116から送出してホール素子17からのパルス信号をタイマイベントカウンタ112が受けて回転数を確認する。そしてAC電源変動検出回路124より商用電源電圧を採取し、ステップS15へ移行する。
【0051】
ステップS15は検出されたPWM信号値、回転数、AC電圧をRAM106の一次処理アドレスに格納して、それぞれの平均値を演算するルーチンである。RAM106には各検出値がそれぞれ10個まで採取されて一次処理アドレスに格納される。そして10個のデータが揃うとPWM信号値、回転数、AC電圧値の平均値を求める。平均値は一次アドレスに格納された値の中から最大値と最小値を除く8つのデータをRAM106の平均処理アドレスへ転送して8つのデータ平均値を演算する。ステップS16では平均処理が完了しているか否かを判定する。10個まで採取されていなければ終了し、完了していればステップS17に移行する。
【0052】
ステップS17では、現在2000回転のPWM値又は回転数を取り込んでいるか否かを判定する。2000回転データを取り込んでいるときにはステップS18へ移行して演算された平均値をRAM106の待避アドレスへ転送する。また、5000回転の取込み中のときにはステップS19へ移行し、PWM値、回転数の平均値、AC電圧の平均値、そして回転指示値を送出して検出された回転数の偏差、2000回転と5000回転の基準偏差をRAM106の待避アドレスへ転送する。
【0053】
ステップS20はRAM106の待避アドレスに2000回転、5000回転時の回転指示値であるPWM信号値、回転指示値を送出したときの回転数とその偏差、AC電圧値等の各種データが待避アドレスに格納されているか否かを判定するルーチンである。格納されているときにはステップS21へ移行し、AC電圧の変動が無いか否かを判定する。ここでは各回転数の回転指示値を取り込むときに10Vの変動が認められたとき、又は回転指示値を送出して回転数を検出するときに、検出記憶してあるAC電圧の平均値と比較して±5Vの変動が有ったときには、ステップS24へ移行して今回待避アドレスに記憶した各データを破棄して電圧変動による誤差を防止する。また、電圧変動が無いときにはステップS22へ移行して全データをRAM106の確定アドレスへ転送し、ステップS23でデータ取込み処理を完了する。
【0054】
次に、ステップS9の動作を図11及び図12に示すフローチャートにより説明する。ステップS30では給排気通路閉塞検出許可禁止回路144のジャンパー線が断線されて簡易自己診断閉塞確認が禁止されているか否かを判定する。許可されているときにはステップS31へ移行する。ステップS31では給湯装置2が住宅に設置され、電源投入から9回を過ぎているか否かを判定する。9回に到達していなければステップS32へ移行し、9回に到達していればステップS35へ移行する。
【0055】
ステップS32では確定アドレスに基準回転数である2000回転、5000回転のときの回転指示値、AC電圧の平均値、基準回転数の偏差の各8つのデータが格納されているか否かを判定する。格納されているときにはステップS33へ移行し、各データから大小4つのデータを除き、残り4つのデータの平均値を回転指示値、AC電圧値、基準回転数の偏差として確定する。続いてステップS34へ移行し、確定した各データをEEPROM132へ転送、記憶させて停電等から防護する。
【0056】
ステップS35では、回転指示値を送出したときのファンモータ16の回転数の偏差と、基準回転数の偏差とを比較して差分回転数を求め、ステップS36では、差分が300回転あるか否かを判定する。300回転以上の差分が確認されたときにはステップS37へ移行し、300回転未満の差分であればステップS38へ移行する。
【0057】
ステップS37では300回転以上の差分から給排気通路の閉塞が大きく進み、ファンモータ16の回転数の増加によっても有害ガスの発生を抑制できないとして、次回の給湯動作時には最大24号の燃焼能力を最大10号まで規制する。また、ファンモータ16の回転数も通常の回転数より6%上昇させる。号数とは給湯装置2の給湯加熱能力を表し、水量制御弁50の開度を狭めて出湯量を減少させることにより燃焼能力を低下させることができる。また、比例弁38の開度が10号を超えないように規制する。このとき、LED156を点滅、又はリモコン装置200の表示器230に給排気通路の閉塞と最大給湯能力が規制されたことを表す記号、数字、点滅等を表示して警報を発する。この警報に基づきファン6や熱交換器10の交換、清掃を行い、リセット用端子154を短絡させてこれまでのファン回転数の補正、最大燃焼量の規制、警報を解除させる。
【0058】
ステップS36で差分が300回転未満のときはステップS38へ移行する。ステップS38では、給湯装置2の給湯能力が最大10号にダウンされているか否かを判定する。給湯能力がダウンされているときにはステップS37のルーチンを実行し、給湯能力が規制されていないときには、ステップS39にて差分が200回転未満か否かを判定する。ステップS39にて差分が200回転以上、300回転未満のときにはステップS40へ移行して次回の給湯時にファンモータ16の回転数を6%上昇させる動作を行わせる。また、ステップS39にて差分が200回転未満のときにはステップS41へ移行する。
【0059】
ステップS41では差分が150回転未満か否かを判定する。差分が150回転以上200回転未満であればステップS42へ移行して次回の給湯動作時にファンモータ16の回転数を3%上昇させる動作を行わせる。また、差分が150回転未満であるときには給排気通路の閉塞が進行していないものとして次回の給湯動作時はファンモータ16の回転数の変更を行わない。
【0060】
図13は、商用電源の変動におけるファンモータ16の回転特性を示す図である。図9に示すステップS21、S24にて説明したように、上記実施の形態ではAC電源電圧の変動に応じて確定アドレスに記憶した各データを破棄させて誤差を排除してきた。しかしながら、工場出荷時に図13に示すような商用電源の変動における回転数特性をROM108やEEPROM132に格納しておけば、回転指示値を送出して回転数偏差を検出した後、この偏差と比較する基準偏差を読み出して使用することにより、商用電源の変動誤差を排除することができる。図13に示すように、商用電源電圧がAC100Vのときには点aでの基準回転数2000回転と点cにおける基準回転数5000回転との偏差を基準偏差として利用することができる。また、商用電源電圧がAC90Vまで低下したときには点bの回転数である1750回転と点dの回転数である4550回転との偏差を求め、求められた2800回転を基準偏差値として比較することにより商用電源の変動誤差を排除することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次の効果が得られる。
(1) 給排気通路の閉塞状態を高精度に検出でき、その警告を参照することにより、安全な燃焼を実現でき、適正燃焼に寄与することができる。
(2) 外気温、自己発熱や商用電源の電圧変動等の誤差を排除して給排気通路の閉塞状態を検出し、閉塞状態に応じてファン回転数の補正、燃焼能力の減少を行うので、燃焼用空気を適正値に維持して有害ガスの発生を防止し、また閉塞が進行したときには燃焼能力の減少により有害ガスの発生を低減でき、適正な燃焼状態を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る給湯装置の構成を示す図である。
【図2】給湯装置の制御装置を示すブロック図である。
【図3】給湯装置のリモコン装置示すブロック図である。
【図4】燃焼状態からポストパージ運転へ移行するときの動作タイミングを示す図である。
【図5】ファンモータの回転数検出による閉塞度合の検出を説明する図である。
【図6】閉塞率に伴う回転数の増加を示す図である。
【図7】外気温等の変化に伴うファン回転数の変化を示す図である。
【図8】制御動作を示すフローチャートである。
【図9】制御動作を示すフローチャートである。
【図10】制御動作を示すフローチャートである。
【図11】制御動作を示すフローチャートである。
【図12】制御動作を示すフローチャートである。
【図13】商用電源の変動におけるファンモータの回転特性を示す図である。
【符号の説明】
2 給湯装置
4 本体部
6 ファン
8A 第1のバーナ
8B 第2のバーナ
10 熱交換器
16 ファンモータ
100 制御装置

Claims (7)

  1. バーナに燃料とともに燃焼用空気を供給して燃料を燃焼させる燃焼装置の給排気検出方法であって、
    前記燃焼用空気を供給するファンモータが高速回転となる速度指示値と、前記ファンモータが低速回転となる速度指示値とを付与し、高速回転と低速回転との回転数の差を算出し、この差がその初期値に対して所定値以上変化したとき、給排気通路の異常として警告を発することを特徴とする燃焼装置の給排気検出方法。
  2. 前記ファンモータを駆動する電源電圧の変動に応じて前記回転数を補正する請求項1記載の燃焼装置の給排気検出方法。
  3. 外気温度に応じて前記回転数を補正する請求項1記載の燃焼装置の給排気検出方法。
  4. バーナに燃料とともに燃焼用空気を供給して燃料を燃焼させる燃焼制御方法であって、
    前記燃焼用空気を供給するファンモータが高速回転となる速度指示値と、前記ファンモータが低速回転となる速度指示値とを付与し、高速回転と低速回転との回転数の差を算出し、この差がその初期値に対して所定値以上変化したとき、その変化に応じて前記ファンモータの回転数の調整をすることを特徴とする燃焼制御方法。
  5. 前記ファンモータの回転数の調整に代え、前記バーナに対する燃料供給量を調整することを特徴とする請求項記載の燃焼制御方法。
  6. 商用電源の電圧変動が所定量を超えたとき、前記ファンモータの回転数の調整を解除することを特徴とする請求項記載の燃焼制御方法。
  7. バーナに燃料とともに燃焼用空気を供給して燃料を燃焼させる燃焼制御装置であって、
    前記バーナへ燃料を供給する燃料供給手段と、
    この燃料供給手段による燃料供給量に応じて前記バーナへ燃焼用空気を供給する空気供給手段と、
    前記燃焼用空気を供給するファンモータが高速回転となる速度指示値と、前記ファンモータが低速回転となる速度指示値とを付与し、高速回転と低速回転との回転数の差を算出し、この差がその初期値に対して所定値以上変化したとき、その変化に応じて前記ファンモータの回転数の調整をする制御手段と、
    を備えたことを特徴とする燃焼制御装置。
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