JP4086864B2 - 液体吐出ヘッドの製造方法および液体吐出ヘッド用基板の製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッドの製造方法および液体吐出ヘッド用基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体に外部からエネルギーを加えることによって、液体を吐出する液体吐出ヘッド(以下、「インクジェット記録ヘッド」とも称する)の製造方法および液体吐出ヘッド用基板の製造方法に関する。
パソコンの印刷装置としてインクジェット記録装置を用いたプリンタは、印字性能が良く、低コストなので広く利用されるようになっている。インクジェット記録装置には、熱エネルギーによってインクに気泡を発生させ、その気泡による圧力波によりインク滴を吐出させるもの、静電力によりインク滴を吸引吐出させるもの、圧電素子のような振動子による圧力波を利用したもの等が開発されている。
上記インクジェット記録装置のうち、圧電素子を用いたものは、インク吐出口に連通したインク流路と、そのインク流路に連通した圧力発生室と、この圧力発生室に設けられ、圧電体薄膜が接合された振動板膜圧電体薄膜に所定の電圧を印加すると、圧電体薄膜が伸縮することによって、圧電体薄膜と振動板膜とが一体となって振動を起こして圧力発生室内のインクが圧縮され、それによりインク吐出口からインク液滴が吐出するような構成である。
圧電体薄膜を単結晶または優勢配向させて形成すると、変位が大きく取れることや駆動波形にリニアに変位を制御できる。特開平10−181016号公報に、圧電体を単結晶基板上に単結晶または優勢配向させて形成した後、基板を除去して振動板の上に転写する方法が開示されている。
また、圧電素子を構成する圧電膜や振動板等を薄膜化することで、半導体プロセスで一般に用いられている微細加工を可能とするとともに耐久性や圧電特性にも優れた圧電素子構造体が、特開2002−234156号公報に開示されている。特開2002−234156号公報には、酸化膜上にSi単結晶を積層した所謂SOI基板上に、圧電体薄膜を単結晶または優勢配向させて形成する方法が開示されている。
近年インクジェット記録ヘッドは、紙に文字あるいは画像情報を印字する民生用のプリンタだけでなく、型紙等を用いて材料を塗布していた分野あるいは有機材料(赤・青・緑)を基板に塗布する有機EL(Electro Luminescence)等の産業分野での使用が検討されている。
産業分野で使用される場合、時間当たりの処理量はコストに直接関係するパラメータであるためにインクジェット記録ヘッドには、民生用のプリンタで要求される高速性や微細な液滴を吐出する機能と同時に耐久性や信頼性が要求される。
特開平10−181016号公報は、振動板とは直接接合されていない単結晶基板にチタン酸ジルコン酸鉛系またはチタン酸バリウム系を主成分としたペロブスカイト構造を示す単結晶あるいは分極方向に優先配向した薄膜を成長させて、その後で基板を除去して振動板と接合していた。このため、精細度の高いノズル配置のインクジェット記録ヘッドを作製することは困難であった。
また、特開2002−234156号公報に開示されているプロセスは、微細加工を可能とするとともに耐久性や圧電特性にも優れた圧電素子構造体が得られるが、更に、液室の加工が簡便で、安価に歩留まり良く精細度が高く、高密度にノズルが配置されたインクジェット記録ヘッドを作製することが望まれている。
上記の説明から明らかなように、本明細書中で使用するインクジェット記録ヘッドとは、インクを紙に吐出するタイプのヘッドだけを意味するのではなく、液体を所望の位置に配置された物体上に吐出するタイプのヘッドの総称として用いている。
特開平10−181016号公報 特開2002−234156号公報 特開平10−181016号公報
本発明の目的の一つは、簡易なプロセスで歩留まり良く高密度な圧電素子駆動型インクジェット記録ヘッドを得ることのできる製造方法を提供することである。
本発明は、面方位が{110}であるSi基板の表面上に、液体を吐出する吐出口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に対応して設けられ、圧電材膜と該圧電材膜を挟持する一対の電極膜とを含む圧電素子と、が設けられ、前記Si基板の前記圧電素子に対応する部分に空間が形成され、該空間の側面が111面と等価の面であり、前記Si基板に形成された前記空間の側面が、前記空間が形成される前の当該Si基板の主面にほぼ垂直である液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記Si基板上に、選択的にエッチングを行うことが可能な犠牲層であって、上方から見た形状が、狭角が70.5度をなす平行四辺形である犠牲層を、前記平行四辺形の各辺が111面と等価の面に平行になる様に設ける工程と、前記Si基板の表面上にエッチングストップ層を介して単結晶Si層が積層された構造体を用意する工程と、前記単結晶Si層上に、前記一対の電極膜の一方を介して単結晶薄膜または分極方向に優先配向した薄膜からなる前記圧電材膜を形成する工程と、前記圧電材膜上に、前記圧力発生室を形成する工程と、前記Si基板の、前記平行四辺形の狭角の近傍部分に、前記Si基板の裏側から先導孔を設ける工程と、前記Si基板の裏面側から前記Si基板の前記圧電材膜に対応する個所と前記犠牲層とを、前記先導孔によって前記主面に対して斜めの(111)面と等価の面の形成を抑制しつつ異方性エッチングによって除去し、前記基板に前記空間を形成する工程と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法である。
以上述べたように本発明によれば、簡易なプロセスで歩留まり良く高密度な圧電素子駆動型インクジェット記録ヘッドを得ることが可能になる。これを用いて、インク種類適用性の高く、高品位な印字が可能なインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
本発明は、インクだめと連通孔でつながった圧力発生室を備えたインク流路構造体に、インクを吐出させるための振動板と圧電素子が形成されたインクジェット記録ヘッドにおいて、圧電素子は、Si基板上に絶縁膜を介して形成された単結晶シリコン膜上に形成され、圧電素子の振動板後背部空間に面する側では前記絶縁膜を介して単結晶シリコン膜が露出していることを特徴とするインクジェット記録ヘッドである。圧電素子は、単結晶シリコン膜上にバッファー層および結晶性電極を堆積しチタン酸ジルコン酸鉛系、リラクサ系またはチタン酸バリウム系を主成分としたペロブスカイト構造を示す単結晶薄膜あるいは分極方向に優先配向した薄膜であることが好ましい。
振動板は、少なくともシリコン層と絶縁膜を含み、絶縁膜は、窒化シリコン膜であることが好ましい。
更に、圧電素子が形成される単結晶Si層の面方位が(100)であることが好ましく、Si基板は、面方位が(110)の基板であることが好ましい。
また、バッファー層は、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)を少なくとも含んだ膜であることが好ましい。
インクジェット記録ヘッドが複数の圧力発生室を持つ場合、シリコン基板の(111)面に平行に形成され、シリコン基板の(111)面とは90度をなす方向に連続して形成されることが好ましい。
更に、本発明は、シリコン基板の表面に少なくともエッチングストッパー膜となる絶縁膜を形成する工程と、シリコン基板の裏面にエッチング保護膜を形成する工程と、単結晶Si層を貼り合わせる工程と、該単結晶Si層上にバッファー層を積層する工程と、第一の電極膜を形成する工程と、さらにその上に圧電素子薄膜を形成する工程と、該圧電素子膜上に第二の電極膜を形成する工程と、振動板を形成する工程と、基板裏面の振動板に対応する部位とインク供給口に対応する部位のエッチング保護膜を除去し開口部を形成する工程と、該開口部よりエッチングストッパー層まで基板をエッチングする工程と、インク供給口に対応する部位の前記開口部の前記エッチングストッパー層を除去しインク供給口を形成する工程とを有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法である。
本発明のインクジェット記録ヘッドは、振動板を形成した後、前記シリコン基板上に溶解可能樹脂によって圧力発生室の型材となる第一パターンを形成する工程と、導電層を形成する工程と、前記導電層上に溶解可能樹脂によって吐出口の型材となる第二パターンを形成する工程と、前記導電層上にメッキ処理でメッキ層を形成する工程と、前記第二パターンを除去する工程と、前記第一のパターンを除去する工程とを有することができる。
前記シリコン基板には、振動板開口部とインク供給口に相当する部分に犠牲層を設けることができる。
本発明を、図面を用いてより詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示すインクジェット記録ヘッドの断面模式図である。基板としてはSiウエハが用いられる。Si基板上に、Si34膜103、SiO2膜104、Si単結晶層105、バッファー層(YSZ:イットリウム安定化ジルコニア)106、電極、単結晶または配向性圧電膜(圧電材膜)、電極(電極膜)、振動板109が順次形成されている。
シリコン基板101には振動板の背面の空間を形成するためにエッチングによって穴107とインクを裏面から供給するためのインク供給口108となる貫通穴が設けられている。
Si基板の穴107の上部には、振動板109、圧電体薄膜110、上部電極111、下部電極112および保護膜113等が形成されている。
基板上には、個別圧力発生室114が形成されている。個別圧力発生室114の材質としては、樹脂、感光性樹脂、金属、セラミックなどが適用できる。個別圧力発生室114の右端に設けられた連通孔115は、共通液室(不図示)と繋がっている。
個別圧力発生室114の左端にはインク吐出口116が形成され、振動板の変形によって押し出されたインクが、経路117を通って吐出され媒体に印字される。
図2は基板の上面図である。(電極等は省略)隣接した圧力発生室が、並列して配置されている。図3は裏面図である。エッチングで振動板背面空間107およびインク供給口108が形成されている。
次に、本実施形態のインクジェット記録ヘッドの製造工程を図4〜図8の工程断面図を用いて順を追って説明する。
(1)基板面方位(110)のシリコン基板101に、高密度プラズマエッチング装置(ICP)で、上面図、図8に示すように、各辺が(111)面と等価の面に平行になるような、狭角が70.5度をなす振動板後背部空間107、インク供給口108に対応する平行四辺形の凹部を形成する。
(2)シリコン基板101の少なくとも平行四辺形の凹部が形成された面上に、LPCVD法などにより、ポリシリコンまたは、アモルファスシリコンを堆積して研磨して、凹部が埋められたような犠牲層102を形成する(図4(1)参照)。
基板を異方性エッチングしポリシリコンからなる犠牲層102に達すると、ポリシリコンのエッチング速度が基板の結晶シリコンよりも速いために速やかにエッチング除去される。基板の厚さにバラつきがある場合でも犠牲層102が露出すると速やかにエッチング除去されるので、供給口を精度良く形成することができる。犠牲層102の材料としては本実施例では、ポリシリコンあるいはアモルファスシリコンを用いたが、Al(アルミニウム)等の結晶シリコンよりもエッチング速度が速い材料であれば使用することができる。(3)シリコン基板101の少なくとも平行四辺形の凹部が形成された面に、CVD法で厚さが100〜400nmのSi34膜103を形成後、同様にCVD法で厚さが100〜400nmのSiO2膜104をシリコン基板101の両面に形成する(図4(2)参照)。
厚さ100〜400nmのSi34単層膜を形成するだけでも良いことはいうまでもない。
尚、Si34膜は、後述の基板をウエットエッチングする際のエッチングストッパー膜(エッチングストップ層)としての機能を有していればシリコンと窒素の組成比が正確に3:4でなくとも良いし、酸窒化膜でも良いことは言うまでもない。
(4)この基板に面方位(100)の単結晶のSi基板を高温下で貼り合わせて、単結晶Si層105を厚さ1〜5μmまで研磨する。単結晶シリコン層の貼り合わせは他の方法を用いても良い(図4(3)参照)。
面方位を(100)の単結晶シリコン層にする理由は、圧電・電歪膜を単結晶成長させるためである。
(5)厚さ10nmのYSZ膜106からなるバッファー層を、基板温度600〜900℃、Ar/O2雰囲気下で、高温スパッター法で堆積する(図4(4)参照)。
バッファー層としては、ZrO2、CeO2、SrTiO3で表される金属酸化物が好ましく用いられ、ZrO2が好ましい。
インクジェットヘッドとしては、ZrO2にScやYやPrを含む希土類金属元素を含む物がより好ましい。例えば、Yを含む物が好ましい。圧電体膜を単結晶膜、単一配向膜として結晶制御するのに、Yを含有する式(Y23x(ZrO21-xで表されるYSZ系材料(ここでxは、0.01から0.2)は好ましいバッファー層である。
(6)振動板後背部を形成する犠牲層102に合わせて、成膜温度は、400〜800℃でPt等の結晶性を保って高温に耐える金属で下層電極112となる金属膜を形成する。
電極材料としては、金属材料あるいは導電性金属酸化物を用いることが出来る。金属材料としては、面心立方晶材料、体心立方晶材料、六方最密構造材料を用いることが出来るが、面心立方晶材料が好ましく、例えば、Pt、Ir、Pd、Rh、Ag、Al、Au、Cu、Ni等を用いることが好ましく、Pt、Irがより好ましい。
一方、導電性金属酸化物も電極として用いることができる。導電性金属酸化物としては、ペロブスカイト系酸化物の導電性物質を選択して用いることができる。ペロブスカイト系酸化物としては、例えば、式La1-xSrxVO3で表せ、0.23<x≦1である化合物、Gd1-xSrxVO3で表せ、0.4<x<0.5である化合物、La1-xSrxCoO3で表せ、0<x<1である化合物、Ca1-xSrxRuO3で表せ、0<x<1である化合物、(Ba,Ca,Sr)TiO3-xで表せ、x≠0である化合物、SrRuO3、CaRuO3、BaPbO3、La2SrCu2VO6.2、SrCrO3、LaNiO3、LaCuO3、BaRuO3、SrMoO3、CaMoO3、BaMoO3、SrIrO3等であり、SrRuO3、LaNiO3、BaPbO3、CaRuO3が好ましい。
(7)下層電極112上に、スパッターやCVD等の方法でチタン酸ジルコン酸鉛系またはチタン酸バリウム系を主成分としたペロブスカイト構造を示す単結晶あるいは分極方向に優先配向した薄膜からなる圧電素子膜110を形成する。
このときの成膜は、400〜700℃の加熱成膜を行うか、または低温で成膜後に400〜800℃の焼成を行うこともできる。
本発明の圧電・電歪膜は、圧電膜及び/又は電歪膜を意味する。圧電・電歪膜に用いられる材料としては、ペロブスカイト型化合物が挙げられる。例えば、チタン酸ジルコン酸鉛PZT[Pb(ZrxTi1-x)O3]やチタン酸バリウムBaTiO3などの圧電材料やリラクサ系材料の電歪材料である。チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のxは0.40から0.65のMPB(morphotoropic phase boundary)組成が好ましいが、それ以外の組成比でも良い。PZTの結晶構造は正方晶、菱面体晶のいずれの結晶構造でも良い。BaTiO3は、正方晶で(001)配向された膜が好ましい。また、BaTiO3は微量の鉛、ビスマス、Fe,カリウムが含有されていても良い。
本発明で使用する電歪材料としては以下の物が選択出来る。例えば、PMN[Pb(MgxNb1-x)O3]、PNN[Pb(NbxNi1-x)O3]、PSN[Pb(ScxNb1-x)O3]、PZN[Pb(ZnxNb1-x)O3]、PMN−PT((1-y)[Pb(MgxNb1-x)O3]−y[PbTiO3])、PSN−PT((1-y)[Pb(ScxNb1-x)O3]−y[PbTiO3])、PZN−PT((1-y)[Pb(ZnxNb1-x)O3]−y[PbTiO3])、LN[LiNbO3]、KN[KNbO3]である。ここで、xおよびyは1以下で0以上の数である。例えば、PMNの場合xは0.2〜0.5で、PSNではxは0.4〜0.7が好ましく、PMN−PTのyは0.2〜0.4、PSN−PTのyは0.35〜0.5、PZN−PTのyは0.03〜0.35が好ましい。また、PMN−PT、PZN−PT、PNN−PT、PSN−PTにZrがTiに代替されて含まれたPMN−PZT、PZN−PZT、PNN−PZT、PSN−PZT化合物であっても良い。
圧電・電歪膜は単一組成であっても良いし、2種類以上の組み合わせでも良い。又、上記主成分に微量の元素をドーピングした組成物であっても良い。本発明の圧電・電歪膜は、優れた圧電性を発現するために、結晶制御されたものが良く、X線回折で特定の結晶構造の特定の方位が50%以上あるものが好ましく、さらには、90%以上のものがより好ましい。
(8)圧電体上に電極として、例えばPt/Tiなどの金属の積層膜を形成し、その後、フォトリソグラフィー法を用いたフォトレジストをマスクにPt/Tiなどの金属の積層膜と圧電素子膜110とをエッチッグにより除去し所望の形状の圧電素子を生成する。
この際に用いたドライエッチングは、Pt/Tiなどの金属および圧電素子膜のエッチングは、公知の条件を用いた。例えば、Pt/Tiのエッチングは、Cl2とBCl3の混合ガスをもちいたRIE(リアクティブイオンエッチング)を用いた。
このドライエッチング条件は、下部電極を構成するメタルと圧電素子膜とのエッチング選択比がとれる条件を用いれば、圧電素子膜をエッチング後にオーバーエッチングを行っても下部電極を構成するメタルはほとんどエッチングされない。その後、同様にフォトリソグラフィー法を用いフォトレジストをマスクに所望の形状の下部電極112を形成する(図4(5)参照)。
ドライエッチングは、公知のエッチング条件を用いた。
(9)形成した圧電素子部上に、プラズマCVD等を使って、SiNxやSiOx膜を堆積して振動板113とする(後述の実施例2参照)、あるいは、本実施例のように、圧電素子部上のSiNxやSiOx膜の厚さを薄く形成し単なる保護膜113として、下部のSi単結晶膜105を振動板とすることもできる(図5(1)参照)。
(10)インク供給口につながる連通孔115の一部となる開口を保護膜113、バッファー層106、単結晶シリコン層105およびSi34膜103を、フォトリソグラフィー法を用いて形成したフォトレジストをマスクに通常のドライエッチングを行い形成する(図5(2)参照)。
尚、単結晶シリコンおよびSi34膜のようなシリコン窒化膜のエッチングは通常のシリコン半導体の製造方法で公知な方法であるのでエッチング条件は省略する。
(11)その後、除去することで圧力発生室などを形成するための型材となる第1パターン118を形成する(図5(3)参照)。形成方法としては印刷法やフォトリソグラフィー法を用いることができるが、微細パターンを形成できるので感光性樹脂を利用したフォトリソグラフィー法が好ましい。
型材としては厚い膜のパターニングが可能で、後にアルカリ溶液や有機溶剤で除去可能なものが好ましので、型材としては、THBシリーズ(JSR製)やPMERシリーズ(東京応化工業製)などが使用できる。
後述する実施例では東京応化工業製の商品名:PMER HM−3000を使用しているが当然これに限定されるものではない。膜厚としては1度塗りで60μm以下、複数塗りでも90μm以下が膜厚分布やパターニング性の観点から好ましい。
(12)第1パターン上にメッキシード層となる導電層119をスパッタリング等により成膜する(図5(4))。導電層としてはPt、Au、Cu、Ni、Ti等を使用することができる。後述の樹脂と導電層の密着性がある程度良好でなくては微細なパターンを形成することができないので、他の金属膜を成膜した後にPt、Au、Cu、Ni等を成膜した積層構造にすることもできる。後述の型材を除去する工程で吐出口に対応する部分の導電層を除去できる必要であるので、導電層の厚さの上限は、150nm以下が好ましく、100nm以下であることがより好ましい。150nmより厚いと型材を除去する工程で吐出口に対応する分の導電層を完全に除去しきれない場合がある。導電層の厚さの下限は、10nm以上であることが好ましい。導電層の厚さが10nm以上であればメッキの成長を阻害することはない。
(13)導電層が形成された第1パターン上に後に除去することで吐出口となる第2パターン(吐出口型材レジスト120)を形成する(図6(1)参照)。型材としては、THBシリーズ(JSR製)やPMERシリーズ(東京応化工業製)などが使用できる。本実施例ではPMER LA−900PMを使用しているが当然これに限るものではなく、厚い膜のパターニングが可能で後にアルカリ溶液や有機溶剤で除去可能なものであれば良い。膜厚はとしては第1パターンよりパターニングの精度が必要で30μm以下が好ましい。つまり第1パターンと第2パターンの合計としては120μm以下に作成するのが好ましい。
圧力発生室で発生した力を効率良く吐出力に利用するために第1パターン・第2パターンともに上面が下面より小さいテーパになっているのが好ましい。シミュレーションなどを利用して最適な形状を求めることができる。テーパの形成方法としては様々だが、プロキシミティタイプの露光機の場合には基板とマスク間の距離(ギャップ)を離すことで可能である。またグレイスケールマスクなどを利用しても可能である。当然1/5や1/10などの縮小露光を利用すれば微小な吐出口の形成が容易である。さらにグレイスケールマスクを利用すれば単純なテーパ形状ではなく螺旋状にするなど複雑な形状にすることも容易である。
(14)メッキ処理により圧力発生室・吐出口を含む流路構造体114を形成する(図6(2)参照)。メッキの種類には電気メッキや無電解メッキなどがあり単独あるいは組み合わせて使うことがきる。電気メッキは処理液が安価である点、廃液処理が簡易であるという長所があり、無電解メッキはつき回りがよく、均一な膜が形成でき、メッキ皮膜が硬く耐摩耗性があるという長所がある。
電気メッキや無電解メッキを組み合わせる方法は、例えば、まず電気メッキでNi層を厚く形成しその後無電解メッキによりNi−PTFE複合メッキ層を薄く形成するという方法がある。この方法の場合、所望の特性の皮膜を持つメッキ層を安価に形成することができるという利点がある。
メッキの種類としてはCu、Ni、Cr、Zn、Sn、Ag、Auなどの単金属メッキ、合金メッキ、PTFEなどを析出させる複合メッキなどがあげられる。耐薬品性、強度からNiが好ましく用いられる。また前述したようにメッキ膜に撥水性を与えるにはNi−PTFE複合メッキなどをメッキ工程の仕上げに使用することで得ることができる。
尚、基板でメッキを行う場合は、ダイの切断領域に例えばフォトリソグラフィー法を用いてメッキの保護膜となるフォトレジストを形成しておくことがこのましい。
(15)前工程で作成されたシリコン基板101の表面側をエッチャントから保護するため、耐アルカリ性を持ち後に有機溶剤などで除去可能な樹脂(エッチング保護膜121)を基板表面に塗布するとともに、シリコン基板101の裏面の開口部を形成する位置のSiO2膜104を除去する(図6(3)参照)。尚、裏面側のみエッチャントに接触させることが可能な治具に基板を装着しても良い。
裏面の図1の振動板後背部空間107に対応する境界部の平行四辺形の狭角の近傍部分に、レーザー加工などによる先導孔122を開けても良い(図7(1)参照)。これにより異方性エッチングの際に平行四辺形の狭角から発生する斜めの(111)面と等価の面が抑制される。この先導孔はエッチングストップ層に限りなく近くまであけるのが好ましい。先導孔の深さは、一般には基板厚さの60%以上好ましくは70%以上、最適には80%以上である。当然基板を貫通してはならない。
この基板をエッチャントに浸漬し、側面に(111)面と等価の面が出るように異方性エッチングすれば平面形状が平行四辺形の自由空間およびインク供給口を形成することができる(図7(2)参照)。アルカリ系エッチャントとしてはKOH、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)などがあるが、環境の面からTMAHが好適に使用される。
エッチング後、耐アルカリ性の保護膜121を有機溶剤などで除去する(図7(3)参照)。
(16)次に、アルカリ系エッチャントによるエッチングストップ層であるSiN層を、ドライエッチング等を用いて除去する。
(17)圧力発生室・吐出口を含む流路構造体の型材となっている第1パターンと第2パターン(吐出口型材レジスト120)をアルカリ溶液や有機溶剤によって除去する。
(18)第2パターン(吐出口型材レジスト120)が除去された後、開口部の底部に露出するメッキシード層119を、個別圧力発生室壁114をマスクに例えばドライエッチング法を用いてエッチング除去する。
その後、基板を切断してインクジェット記録ヘッド用のダイを得ることができる。(1)〜(16)の工程はこれに限られるものではなく、異方性エッチングを用いないで、裏面の貫通穴をICPで開けることも可能である。この場合には、最初の犠牲層102の埋め込み工程が不要になる。エッチングストップ層も、Si34単層膜、またはSiO2とSi34の積層のどちらでも選ぶことが可能である。
また、メッキのシードの形成も、シードの場所や作製手順を入れ替えても良い。
尚、本発明のインクジェット記録ヘッドは、インクだめに複数の圧力発生室が連通孔を介して接続された形態をとることも、インクだめに圧力発生室が連通孔を介して接続されたインクジェット部を複数個設ける形態をとることもできることはいうまでもない。
<実施例1>
図1は本発明による実施例を示すインクジェット記録ヘッドの断面模式図である。基板として厚さ635μmの面方位(110)のSi基板101を用いた。
Si基板101上に、Si34膜103をLPCVDで300nm、SiO2膜104をCVDで200nm、貼り合わせと研磨でSi単結晶層105を2μm形成し、バッファー層105としてYSZ膜をスパッターで10nm堆積し、電極112としてPtを150nmスパッターで堆積し、単結晶チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)110を2μmスパッターで堆積した、上部電極111としてTi/Ptを10/150nm、その上に保護膜113のSiO2を100nm堆積した。
シリコン基板には振動板109の背面の空間を形成するために異方性エッチングによって振動板後背部空間となる穴107と裏面からインク供給口108となる穴を形成した。
基板上には、個別圧力発生室114を形成した。圧力発生室の材質はNiでメッキによって形成した。圧力発生室の内壁の高さは60μm、壁厚さは20μmであった。圧力発生室の端には連通孔115を設け、共通液室(不図示)と繋げた。
個別圧力発生室の逆の端には直径26μmのインク吐出口116を形成し、振動板109の変形によって押し出されたインクが、矢印117の経路を通って吐出され媒体に印字されるようにした。
図2は基板の上面図である(電極等は不図示)。隣接した圧力発生室を、Siの(111)面に垂直な方向に150個並列して配置した。図中では個別圧力発生壁114で示した。ノズル(吐出口116)は個別圧力発生壁114で覆われているが、配列のピッチは84.7μmとした。
図3は裏面図である。Siの(111)面に平行に、平行四辺形の長辺がくるようにパターンを形成し、TMAHを用いたウエットエッチングにより振動板背面空間107およびインク供給口108を形成した。振動板背面空間の長辺方向の長さは700μm、インク供給口の長辺方向の長さは500μmとした。
このヘッドを使って、粘度5cpの水性インクを用いて、30KHzで3plの液滴、幅12.5mmで不吐出のない高品位な印字物が得られた。
<実施例2>
図9を使って、本発明の第2の実施例を説明する。
第1の実施例では振動板が圧電素子の下に形成されているのに対して、第2の実施例では、振動板が圧電素子の上に形成されている。
構成要素は実施例1のSiの振動板をエッチングして、圧電素子208の下にはPt電極とYSZが配置され、圧電素子の上にはプラズマCVDで堆積された2μmのSiNx膜が配置され振動板209として機能する。
このヘッドを使って、粘度3cpのトルエンを主成分とするインクを用いて、15KHzで3plの液滴、幅12.5mmで不吐出のない高品位な印字物が得られた。
<実施例3>
本実施例によるインクジェット記録ヘッドのプロセスの実施例を、図4を使って順を追って説明する。
(1)外径150mm、厚さ630μm、基板面方位(110)のシリコン基板101に、高密度プラズマエッチング装置(ICP)で、上面から見た図8のように各辺が(111)と等価の面に平行になるような、狭角が70.5度をなす長辺の長さが3mm、短辺の長さが70μmの平行四辺形の凹部(振動板後背部空間107に対応する位置)と、長辺の長さが500μm、短辺の長さが70μmの平行四辺形の凹部(インク供給口108に対応する位置)を形成した。
(2)シリコン基板101の平行四辺形の凹部が形成された面に、LPCVD法でポリシリコンを堆積して研磨して、凹部が埋められたような犠牲層102を形成した(図4(1)参照)。
(3)シリコン基板101の平行四辺形の凹部が形成された面に、LPCVD法でSi34膜103を300nm形成した。
(4)さらに、熱CVD法でSiO2膜104をシリコン基板101の100nm堆積した(図4(2)参照)。
(5)シリコン基板101の平行四辺形の凹部が形成された面に面方位が(100)の単結晶Si基板を高温下で貼り合わせ、その後研磨して、単結晶Si層105を形成する(図4(3)参照)。厚さ10nmのYSZ膜106をバッファー層として、基板温度800℃でAr/O2雰囲気下でスパッター法を用いて形成する(図4(4)参照)。
(6)振動板後背部空間107を形成する犠牲層102に合わせて、厚さ150nmのPtを基板温度800℃、Ar雰囲気下でスパッター法を用いて堆積して下層電極112を形成した。
(7)下層電極112上に、厚さ2μmのPZTの単結晶を、反応性スパッター法を用い、基板温度600℃、Ar/O2雰囲気下で堆積し圧電素子膜110をエピタキシャル成長した。
(8)その後、上部電極111として、Ti10nm、Pt150nmをスパッター法で堆積し、フォトリソグラフィー法を用いてエッチングを用いてパターニングし圧電素子部を形成した(図4(5)参照)。
(9)形成した圧電素子部上に、プラズマCVD法を使って、SiOx膜を100nm堆積して保護膜113を形成した(図5(1)参照)。
(10)インク供給口につながる連通孔115をエッチングにより形成した(図5(2)参照)。
(11)基板上に圧力発生室の型材118となるフォトレジスト(東京応化工業製の商品名 PMER HM−3000PM)をスピンナ−で60μm厚に形成し乾燥後フォトリソグラフィー法を用いてパターニングした(図5(3)参照)。
(12)メッキの際のメッキシード層となる導電層119となるTi/Cuをそれぞれ25nm/75nmの厚さにスパッタリングにより成膜、パターニングした。TiはCuの基板に対する密着性向上や導電性向上を目的に成膜した。
(13)吐出口型材120となるフォトレジスト(東京応化工業製の商品名 PMER LA−900PM)をスピンナで25μmに形成し乾燥後、パターニングした。型材の露光にはプロキシミティタイプの露光機を使いマスクと基板のギャップを120μmにすることでテーパ形状にした。
(14)次に、電気メッキでNi層を18μm形成し、その後無電解メッキによりNi−PTFE複合メッキ層を3μm形成し圧力室壁114とした。
(15)次に、基板表面に、基板表面側を保護するために東京応化工業製の環化ゴム系樹脂であるOBCを塗布しエッチング保護膜121を形成した(図6(3)参照)。その後、裏面の平行四辺形の狭角の近傍部分にレーザー加工で先導孔129を開けた(図7(1)参照)。先導孔は、直径20μmで深さは基板の厚さの80%にした。基板に対してTMAH22wt%、80℃にて所定の時間、異方性エッチングを行った。
先導孔の直径が狭くなりすぎると基板の80%(約500μm)の深い孔を開口することが困難となり、直径が広すぎると、深い開口を形成するのに時間がかかりすぎるので、先導孔の直径は約15〜30μmが好ましい。
(16)異方性エッチング後エッチング保護膜121をキシレンで除去し、その後エッチングストップ層であるSi34層103をケミカルドライエッチング(CDE法)で除去した。ここで、振動板109が形成された。最後に荒川化学工業製のダイレクトパスを使って型材を除去した。この時、溶剤としては荒川化学工業株式会社製の商品名パインアルファST−380を使用した。
完成したヘッドの吐出口上面は20μm、下面は30μmであった。圧力発生室の隔壁は21μmであった。形成された自由空間の長辺方向の長さは3mm、インク供給口の長辺方向の長さは500μmであった。
このヘッドを使って、粘度2cpの水性インクを用いて、25KHzで5plの液滴で不吐出のない高品位な印字物が得られた。
参考例
参考例のインクジェット記録ヘッドの製造工程を図10〜13を用いて順を追って説明する。
(1)外径150mm、厚さ200μmのシリコン基板301を熱酸化し、その後、表面をエッチングし裏面にSiO2膜302を600nm形成した。
(2)その後、シリコン基板301の表面に、LPCVD法で厚さ300nmのSi34膜303を堆積した(図10(1)参照)。
(3)基板面方位(100)の単結晶Si基板の表面を陽極化成して多孔質にしたものに、Siを200nmエピ成長した単結晶Si基板のエピ成長したシリコン層とシリコン基板301のSi34膜303とを高温下で貼り合わせた後、単結晶Si基板を多孔質層から引きはがし、表面をフッ酸0.3%、過酸化水素20%の入った水溶液でエッチングし、さらにH2中で1000℃のアニールを行い、単結晶Si層304を形成した(図10(2)参照)。
(4)単結晶Si層304上に厚さ10nmのYSZ膜をバッファー層305として、スパッター法を用い、基板温度800℃、Ar/O2雰囲気で形成した(図10(3)参照)。
(5)下層電極306として厚さ150nmのPtを、スパッター法を用い基板温度800℃、Ar雰囲気で形成した。
(6)下層電極306上に、反応性スパッター法を用いて、Ar/O2雰囲気下、基板温度600℃でPZTの単結晶を2μm堆積し圧電素子膜307をエピタキシャル成長した。
(7)圧電素子膜307上に上部電極308として、Ti:10nm、Pt:150nmをスパッター法で堆積してパターニングした(図10(4)参照)。
(8)形成した圧電素子部上に、プラズマCVD法を使って、SiNx膜を2μm堆積して保護膜309を形成した(図11(1)参照)。
(9)バッファー層305、単結晶シリコン層304およびSi34膜303をエッチング除去して、インク供給口につながる連通孔310を形成した。
(10)基板上に圧力発生室の型材311となるフォトレジスト(東京応化工業製 商品名 PMER HM−3000PM)をスピンナで60μmの厚さに形成し、乾燥後パターニングした。
(11)メッキの際の導電層312となるTi/Cuをそれぞれ25nm/75nmの厚さにスパッタリングにより成膜後、パターニングした。TiはCuの基板に対する密着性向上や導電性向上を目的に成膜した。
(12)吐出口の型材313となるフォトレジスト(東京応化工業株式会社製 商品名 PMER LA−900PM)をスピンナで25μmの厚さに形成し、乾燥後パターニングした。型材の露光にはプロキシミティタイプの露光機を使いマスクと基板のギャップを120μmにすることでテーパ形状にした。
(13)次に電気メッキでNi層を18μm形成し、その後無電解メッキによりNi−PTFE複合メッキ層を3μm形成し圧力室壁314とした(図12(2)参照)。
(14)裏面のSiO2302を図12(3)のようにパターニングして、開口部315及び開口部316を形成した。次いで、これらの開口部を利用して、ICPにてSiをエッチングし、Si34までの深さを掘り込んだ。
(15)エッチングストップ層であるSiN層303とSi層304をケミカルドライエッチング(CDE法)で除去した(図13(2)参照)。荒川化学工業製のダイレクトパスを使って型材311を除去した。この時、溶剤としては荒川化学工業株式会社製の商品名 パインアルファST−380を使用した(図13(3)及び図14参照)。吐出口の型材とそこにあるメッキシード層とを除去して、液体吐出ヘッドを製造した。
完成したヘッドの吐出口上面は26μm、下面は33μmであった。圧力発生室の隔壁は21μmであった。形成された自由空間の長辺方向の長さは3mm、インク供給口の長辺方向の長さは500μmであった。
このヘッドを使って、粘度2cpの水性インクを用いて、15KHzで20plの液滴で不吐出のない高品位な印字物が得られた。
本発明によるインクジェット記録ヘッドの断面図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの上面図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの下面図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの工程断面図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの工程断面図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの工程断面図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの工程断面図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの工程断面図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの断面図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの工程断面図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの工程断面図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの工程断面図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの工程断面図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの下面図。

Claims (4)

  1. 面方位が{110}であるSi基板の表面上に、液体を吐出する吐出口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に対応して設けられ、圧電材膜と該圧電材膜を挟持する一対の電極膜とを含む圧電素子と、が設けられ、前記Si基板の前記圧電素子に対応する部分に空間が形成され、該空間の側面が111)面と等価の面であり、前記Si基板に形成された前記空間の側面が、前記空間が形成される前の当該Si基板の主面にほぼ垂直である液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記Si基板上に、選択的にエッチングを行うことが可能な犠牲層であって、上方から見た形状が、狭角が70.5度をなす平行四辺形である犠牲層を、前記平行四辺形の各辺が111)面と等価の面に平行になる様に設ける工程と、
    前記Si基板の表面上にエッチングストップ層を介して単結晶Si層が積層された構造体を用意する工程と、
    前記単結晶Si層上に、前記一対の電極膜の一方を介して単結晶薄膜または分極方向に優先配向した薄膜からなる前記圧電材膜を形成する工程と、
    前記圧電材膜上に、前記圧力発生室を形成する工程と、
    前記Si基板の、前記平行四辺形の狭角の近傍部分に、前記Si基板の裏側から先導孔を設ける工程と、
    前記Si基板の裏面側から前記Si基板の前記圧電材膜に対応する個所と前記犠牲層とを、前記先導孔によって前記主面に対して斜めの(111)面と等価の面の形成を抑制しつつ異方性エッチングによって除去し、前記基板に前記空間を形成する工程と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記圧力発生室を形成する工程は、前記圧力発生室となるパターンを前記振動板の上に形成する工程と、前記パターンの上に前記圧力発生室の壁を構成する部材を形成する工程と、前記パターンを除去して前記圧力発生室を形成する工程と、を有する請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記パターンを除去して前記圧力発生室を形成する工程は、前記エッチングする工程の後に行う請求項2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記基板の一部と前記エッチングストップ層の一部とを除去することにより、前記圧力発生室に連通する液体供給口を前記基板に形成する工程を更に有する請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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