JP4086864B2 - 液体吐出ヘッドの製造方法および液体吐出ヘッド用基板の製造方法 - Google Patents
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(1)基板面方位(110)のシリコン基板101に、高密度プラズマエッチング装置(ICP)で、上面図、図8に示すように、各辺が(111)面と等価の面に平行になるような、狭角が70.5度をなす振動板後背部空間107、インク供給口108に対応する平行四辺形の凹部を形成する。
(2)シリコン基板101の少なくとも平行四辺形の凹部が形成された面上に、LPCVD法などにより、ポリシリコンまたは、アモルファスシリコンを堆積して研磨して、凹部が埋められたような犠牲層102を形成する(図4(1)参照)。
(4)この基板に面方位(100)の単結晶のSi基板を高温下で貼り合わせて、単結晶Si層105を厚さ1〜5μmまで研磨する。単結晶シリコン層の貼り合わせは他の方法を用いても良い(図4(3)参照)。
(5)厚さ10nmのYSZ膜106からなるバッファー層を、基板温度600〜900℃、Ar/O2雰囲気下で、高温スパッター法で堆積する(図4(4)参照)。
(6)振動板後背部を形成する犠牲層102に合わせて、成膜温度は、400〜800℃でPt等の結晶性を保って高温に耐える金属で下層電極112となる金属膜を形成する。
(7)下層電極112上に、スパッターやCVD等の方法でチタン酸ジルコン酸鉛系またはチタン酸バリウム系を主成分としたペロブスカイト構造を示す単結晶あるいは分極方向に優先配向した薄膜からなる圧電素子膜110を形成する。
(8)圧電体上に電極として、例えばPt/Tiなどの金属の積層膜を形成し、その後、フォトリソグラフィー法を用いたフォトレジストをマスクにPt/Tiなどの金属の積層膜と圧電素子膜110とをエッチッグにより除去し所望の形状の圧電素子を生成する。
(9)形成した圧電素子部上に、プラズマCVD等を使って、SiNxやSiOx膜を堆積して振動板113とする(後述の実施例2参照)、あるいは、本実施例のように、圧電素子部上のSiNxやSiOx膜の厚さを薄く形成し単なる保護膜113として、下部のSi単結晶膜105を振動板とすることもできる(図5(1)参照)。
(10)インク供給口につながる連通孔115の一部となる開口を保護膜113、バッファー層106、単結晶シリコン層105およびSi3N4膜103を、フォトリソグラフィー法を用いて形成したフォトレジストをマスクに通常のドライエッチングを行い形成する(図5(2)参照)。
(11)その後、除去することで圧力発生室などを形成するための型材となる第1パターン118を形成する(図5(3)参照)。形成方法としては印刷法やフォトリソグラフィー法を用いることができるが、微細パターンを形成できるので感光性樹脂を利用したフォトリソグラフィー法が好ましい。
(12)第1パターン上にメッキシード層となる導電層119をスパッタリング等により成膜する(図5(4))。導電層としてはPt、Au、Cu、Ni、Ti等を使用することができる。後述の樹脂と導電層の密着性がある程度良好でなくては微細なパターンを形成することができないので、他の金属膜を成膜した後にPt、Au、Cu、Ni等を成膜した積層構造にすることもできる。後述の型材を除去する工程で吐出口に対応する部分の導電層を除去できる必要であるので、導電層の厚さの上限は、150nm以下が好ましく、100nm以下であることがより好ましい。150nmより厚いと型材を除去する工程で吐出口に対応する分の導電層を完全に除去しきれない場合がある。導電層の厚さの下限は、10nm以上であることが好ましい。導電層の厚さが10nm以上であればメッキの成長を阻害することはない。
(13)導電層が形成された第1パターン上に後に除去することで吐出口となる第2パターン(吐出口型材レジスト120)を形成する(図6(1)参照)。型材としては、THBシリーズ(JSR製)やPMERシリーズ(東京応化工業製)などが使用できる。本実施例ではPMER LA−900PMを使用しているが当然これに限るものではなく、厚い膜のパターニングが可能で後にアルカリ溶液や有機溶剤で除去可能なものであれば良い。膜厚はとしては第1パターンよりパターニングの精度が必要で30μm以下が好ましい。つまり第1パターンと第2パターンの合計としては120μm以下に作成するのが好ましい。
(14)メッキ処理により圧力発生室・吐出口を含む流路構造体114を形成する(図6(2)参照)。メッキの種類には電気メッキや無電解メッキなどがあり単独あるいは組み合わせて使うことがきる。電気メッキは処理液が安価である点、廃液処理が簡易であるという長所があり、無電解メッキはつき回りがよく、均一な膜が形成でき、メッキ皮膜が硬く耐摩耗性があるという長所がある。
(15)前工程で作成されたシリコン基板101の表面側をエッチャントから保護するため、耐アルカリ性を持ち後に有機溶剤などで除去可能な樹脂(エッチング保護膜121)を基板表面に塗布するとともに、シリコン基板101の裏面の開口部を形成する位置のSiO2膜104を除去する(図6(3)参照)。尚、裏面側のみエッチャントに接触させることが可能な治具に基板を装着しても良い。
(16)次に、アルカリ系エッチャントによるエッチングストップ層であるSiN層を、ドライエッチング等を用いて除去する。
(17)圧力発生室・吐出口を含む流路構造体の型材となっている第1パターンと第2パターン(吐出口型材レジスト120)をアルカリ溶液や有機溶剤によって除去する。
(18)第2パターン(吐出口型材レジスト120)が除去された後、開口部の底部に露出するメッキシード層119を、個別圧力発生室壁114をマスクに例えばドライエッチング法を用いてエッチング除去する。
図1は本発明による実施例を示すインクジェット記録ヘッドの断面模式図である。基板として厚さ635μmの面方位(110)のSi基板101を用いた。
図9を使って、本発明の第2の実施例を説明する。
本実施例によるインクジェット記録ヘッドのプロセスの実施例を、図4を使って順を追って説明する。
(1)外径150mm、厚さ630μm、基板面方位(110)のシリコン基板101に、高密度プラズマエッチング装置(ICP)で、上面から見た図8のように各辺が(111)と等価の面に平行になるような、狭角が70.5度をなす長辺の長さが3mm、短辺の長さが70μmの平行四辺形の凹部(振動板後背部空間107に対応する位置)と、長辺の長さが500μm、短辺の長さが70μmの平行四辺形の凹部(インク供給口108に対応する位置)を形成した。
(2)シリコン基板101の平行四辺形の凹部が形成された面に、LPCVD法でポリシリコンを堆積して研磨して、凹部が埋められたような犠牲層102を形成した(図4(1)参照)。
(3)シリコン基板101の平行四辺形の凹部が形成された面に、LPCVD法でSi3N4膜103を300nm形成した。
(4)さらに、熱CVD法でSiO2膜104をシリコン基板101の100nm堆積した(図4(2)参照)。
(5)シリコン基板101の平行四辺形の凹部が形成された面に面方位が(100)の単結晶Si基板を高温下で貼り合わせ、その後研磨して、単結晶Si層105を形成する(図4(3)参照)。厚さ10nmのYSZ膜106をバッファー層として、基板温度800℃でAr/O2雰囲気下でスパッター法を用いて形成する(図4(4)参照)。
(6)振動板後背部空間107を形成する犠牲層102に合わせて、厚さ150nmのPtを基板温度800℃、Ar雰囲気下でスパッター法を用いて堆積して下層電極112を形成した。
(7)下層電極112上に、厚さ2μmのPZTの単結晶を、反応性スパッター法を用い、基板温度600℃、Ar/O2雰囲気下で堆積し圧電素子膜110をエピタキシャル成長した。
(8)その後、上部電極111として、Ti10nm、Pt150nmをスパッター法で堆積し、フォトリソグラフィー法を用いてエッチングを用いてパターニングし圧電素子部を形成した(図4(5)参照)。
(9)形成した圧電素子部上に、プラズマCVD法を使って、SiOx膜を100nm堆積して保護膜113を形成した(図5(1)参照)。
(10)インク供給口につながる連通孔115をエッチングにより形成した(図5(2)参照)。
(11)基板上に圧力発生室の型材118となるフォトレジスト(東京応化工業製の商品名 PMER HM−3000PM)をスピンナ−で60μm厚に形成し乾燥後フォトリソグラフィー法を用いてパターニングした(図5(3)参照)。
(12)メッキの際のメッキシード層となる導電層119となるTi/Cuをそれぞれ25nm/75nmの厚さにスパッタリングにより成膜、パターニングした。TiはCuの基板に対する密着性向上や導電性向上を目的に成膜した。
(13)吐出口型材120となるフォトレジスト(東京応化工業製の商品名 PMER LA−900PM)をスピンナで25μmに形成し乾燥後、パターニングした。型材の露光にはプロキシミティタイプの露光機を使いマスクと基板のギャップを120μmにすることでテーパ形状にした。
(14)次に、電気メッキでNi層を18μm形成し、その後無電解メッキによりNi−PTFE複合メッキ層を3μm形成し圧力室壁114とした。
(15)次に、基板表面に、基板表面側を保護するために東京応化工業製の環化ゴム系樹脂であるOBCを塗布しエッチング保護膜121を形成した(図6(3)参照)。その後、裏面の平行四辺形の狭角の近傍部分にレーザー加工で先導孔129を開けた(図7(1)参照)。先導孔は、直径20μmで深さは基板の厚さの80%にした。基板に対してTMAH22wt%、80℃にて所定の時間、異方性エッチングを行った。
(16)異方性エッチング後エッチング保護膜121をキシレンで除去し、その後エッチングストップ層であるSi3N4層103をケミカルドライエッチング(CDE法)で除去した。ここで、振動板109が形成された。最後に荒川化学工業製のダイレクトパスを使って型材を除去した。この時、溶剤としては荒川化学工業株式会社製の商品名パインアルファST−380を使用した。
本参考例のインクジェット記録ヘッドの製造工程を図10〜13を用いて順を追って説明する。
(1)外径150mm、厚さ200μmのシリコン基板301を熱酸化し、その後、表面をエッチングし裏面にSiO2膜302を600nm形成した。
(2)その後、シリコン基板301の表面に、LPCVD法で厚さ300nmのSi3N4膜303を堆積した(図10(1)参照)。
(3)基板面方位(100)の単結晶Si基板の表面を陽極化成して多孔質にしたものに、Siを200nmエピ成長した単結晶Si基板のエピ成長したシリコン層とシリコン基板301のSi3N4膜303とを高温下で貼り合わせた後、単結晶Si基板を多孔質層から引きはがし、表面をフッ酸0.3%、過酸化水素20%の入った水溶液でエッチングし、さらにH2中で1000℃のアニールを行い、単結晶Si層304を形成した(図10(2)参照)。
(4)単結晶Si層304上に厚さ10nmのYSZ膜をバッファー層305として、スパッター法を用い、基板温度800℃、Ar/O2雰囲気で形成した(図10(3)参照)。
(5)下層電極306として厚さ150nmのPtを、スパッター法を用い基板温度800℃、Ar雰囲気で形成した。
(6)下層電極306上に、反応性スパッター法を用いて、Ar/O2雰囲気下、基板温度600℃でPZTの単結晶を2μm堆積し圧電素子膜307をエピタキシャル成長した。
(7)圧電素子膜307上に上部電極308として、Ti:10nm、Pt:150nmをスパッター法で堆積してパターニングした(図10(4)参照)。
(8)形成した圧電素子部上に、プラズマCVD法を使って、SiNx膜を2μm堆積して保護膜309を形成した(図11(1)参照)。
(9)バッファー層305、単結晶シリコン層304およびSi3N4膜303をエッチング除去して、インク供給口につながる連通孔310を形成した。
(10)基板上に圧力発生室の型材311となるフォトレジスト(東京応化工業製 商品名 PMER HM−3000PM)をスピンナで60μmの厚さに形成し、乾燥後パターニングした。
(11)メッキの際の導電層312となるTi/Cuをそれぞれ25nm/75nmの厚さにスパッタリングにより成膜後、パターニングした。TiはCuの基板に対する密着性向上や導電性向上を目的に成膜した。
(12)吐出口の型材313となるフォトレジスト(東京応化工業株式会社製 商品名 PMER LA−900PM)をスピンナで25μmの厚さに形成し、乾燥後パターニングした。型材の露光にはプロキシミティタイプの露光機を使いマスクと基板のギャップを120μmにすることでテーパ形状にした。
(13)次に電気メッキでNi層を18μm形成し、その後無電解メッキによりNi−PTFE複合メッキ層を3μm形成し圧力室壁314とした(図12(2)参照)。
(14)裏面のSiO2302を図12(3)のようにパターニングして、開口部315及び開口部316を形成した。次いで、これらの開口部を利用して、ICPにてSiをエッチングし、Si3N4までの深さを掘り込んだ。
(15)エッチングストップ層であるSiN層303とSi層304をケミカルドライエッチング(CDE法)で除去した(図13(2)参照)。荒川化学工業製のダイレクトパスを使って型材311を除去した。この時、溶剤としては荒川化学工業株式会社製の商品名 パインアルファST−380を使用した(図13(3)及び図14参照)。吐出口の型材とそこにあるメッキシード層とを除去して、液体吐出ヘッドを製造した。
Claims (4)
- 面方位が{110}であるSi基板の表面上に、液体を吐出する吐出口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に対応して設けられ、圧電材膜と該圧電材膜を挟持する一対の電極膜とを含む圧電素子と、が設けられ、前記Si基板の前記圧電素子に対応する部分に空間が形成され、該空間の側面が(111)面と等価の面であり、前記Si基板に形成された前記空間の側面が、前記空間が形成される前の当該Si基板の主面にほぼ垂直である液体吐出ヘッドの製造方法であって、
前記Si基板上に、選択的にエッチングを行うことが可能な犠牲層であって、上方から見た形状が、狭角が70.5度をなす平行四辺形である犠牲層を、前記平行四辺形の各辺が(111)面と等価の面に平行になる様に設ける工程と、
前記Si基板の表面上にエッチングストップ層を介して単結晶Si層が積層された構造体を用意する工程と、
前記単結晶Si層上に、前記一対の電極膜の一方を介して単結晶薄膜または分極方向に優先配向した薄膜からなる前記圧電材膜を形成する工程と、
前記圧電材膜上に、前記圧力発生室を形成する工程と、
前記Si基板の、前記平行四辺形の狭角の近傍部分に、前記Si基板の裏側から先導孔を設ける工程と、
前記Si基板の裏面側から前記Si基板の前記圧電材膜に対応する個所と前記犠牲層とを、前記先導孔によって前記主面に対して斜めの(111)面と等価の面の形成を抑制しつつ異方性エッチングによって除去し、前記基板に前記空間を形成する工程と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 前記圧力発生室を形成する工程は、前記圧力発生室となるパターンを前記振動板の上に形成する工程と、前記パターンの上に前記圧力発生室の壁を構成する部材を形成する工程と、前記パターンを除去して前記圧力発生室を形成する工程と、を有する請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記パターンを除去して前記圧力発生室を形成する工程は、前記エッチングする工程の後に行う請求項2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記基板の一部と前記エッチングストップ層の一部とを除去することにより、前記圧力発生室に連通する液体供給口を前記基板に形成する工程を更に有する請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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