JP4090155B2 - 整髪剤用基剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、整髪剤用基剤に関する。さらに詳しくは、ヘアームース、ヘアーミスト、ヘアーブロー、ヘアーセットローションなどの水系整髪剤に好適に使用し得る整髪剤用基剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水溶性の高い整髪剤用基剤としては、N−ビニルピロリドンを主成分とする共重合体に代表されるノニオン性基剤やカチオン性基剤が知られており(特開昭59−75911号公報および特公昭56−4533号公報)、これらの整髪剤用基剤は古くから今日まで、ヘアームース、ヘアーミスト、ヘアーブロー、ヘアーセットローションなどの水系処方に幅広く使用されてきたことは周知である。
【0003】
しかしながら、N−ビニルピロリドンの単独重合体に代表されるノニオン性整髪剤用基剤は、毛髪との密着性に欠け、また毛髪上でのコーティング皮膜が硬いため、毛髪の折り曲げにともない皮膜が剥離したフケ状の白い粉が発生する、いわゆるフレーキング現象が起こりやすいという欠点を有する。また、高湿度下でのセット保持力も満足することができるものではない。
【0004】
一方、カチオン性基剤とは、N−ビニルピロリドンと第四級型アミンモノマーとの共重合体に代表されるカチオン性整髪剤用基剤であり、これはN−ビニルピロリドンの単独重合体が有する整髪剤用基剤としての欠点を改良したものであるといえる。その結果、カチオン性であることから、毛髪との親和力が高く、それによりフレーキング現象を比較的抑制することが可能となった。また、セットされた毛髪もしなやかで、セット保持力も向上しておき、整髪剤としたときのセット性も向上している。
【0005】
しかしながら、第四級型アミンモノマーを高分子量の整髪剤用基剤の樹脂に多用すると、セットされた毛髪にきしみ感を与え、光沢をなくし、セット感の風合いを損なうといった欠点が生じてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来技術に鑑みてなされたものであり、カチオン性整髪剤用基剤の利点は損なわず、しかもきしみ感がなく、光沢もよく、セット時の風合いにすぐれた整髪剤用基剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)一般式(I):
【0008】
【化4】
【0009】
(式中、Xは酸素原子またはNH基、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数2〜3のアルキレン基を示す)で表わされるモノマー(A)1〜30重量%、(B)一般式(II):
【0010】
【化5】
【0011】
(式中、Xは酸素原子またはNH基、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数2〜3のアルキレン基を示す)で表わされるモノマー(B)1〜30重量%、ならびに(C)一般式(III):
【0012】
【化6】
【0013】
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示す)で表わされるモノマー(C−1)およびN−ビニルピロリドン(C−2)から選ばれた少なくとも1種のモノマー(C)40〜90重量%を含有したモノマー成分を重合させて得られたコポリマーからなる整髪剤用基剤に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の整髪剤用基剤は、前記したように、(A)一般式(I):
【0015】
【化7】
【0016】
(式中、Xは酸素原子またはNH基、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数2〜3のアルキレン基を示す)で表わされるモノマー(A)1〜30重量%、(B)一般式(II):
【0017】
【化8】
【0018】
(式中、Xは酸素原子またはNH基、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数2〜3のアルキレン基を示す)で表わされるモノマー(B)1〜30重量%、ならびに(C)一般式(III):
【0019】
【化9】
【0020】
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示す)で表わされるモノマー(C−1)およびN−ビニルピロリドン(C−2)から選ばれた少なくとも1種のモノマー(C)40〜90重量%を含有したモノマー成分を重合させて得られたコポリマーからなるものである。
【0021】
本発明においては、前記モノマー(A)、モノマー(B)およびモノマー(C)が同時に用いられ、しかも特定の割合で含有されたモノマー成分を重合させるので、前記のごときカチオン性整髪剤用基剤の利点であるフレーキング現象が抑制され、毛髪のしなやかなセットが可能でセット保持力にすぐれるといった特性を損なうことなく、しかもきしみ感がなく、光沢性にすぐれ、セット時の風合いにもすぐれるといった特性を同時に満足し得る整髪剤用基剤が得られるのである。
【0022】
本発明に用いられるモノマー(A)は、一般式(I)で表わされるベタイン構造を有する両性モノマーであり、得られる整髪剤用基剤に水溶性を付与し、また毛髪への親和力を付与し、密着力を向上させる成分である。
【0023】
前記モノマー(A)の代表例としては、たとえばN−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン、N−(メタ)アクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタインなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0024】
モノマー(A)の使用量は、毛髪への親和力が低下してフレーキング現象が起こらないようにするために、重合に供せられるモノマー成分の1重量%以上、好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは8重量%以上であり、また形成される整髪剤の皮膜がやわらかくなりすぎ、べたつきが生じないようにするために、重合に供せられるモノマー成分の30重量%以下、好ましくは28重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下である。
【0025】
本発明に用いられるモノマー(B)は、一般式(II)で表わされるアミノ基含有モノマーであり、任意に中和することで得られる整髪剤用基剤の耐湿性を変化させることができる成分である。またしなやかさを付与する成分でもある。
【0026】
前記モノマー(B)の代表例としては、たとえばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0027】
モノマー(B)の使用量は、耐湿性がいちじるしく低下しないようにするために、重合に供せられるモノマー成分の1重量%以上、好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは6重量%以上であり、また形成される整髪剤の皮膜にきしみ感が生じたり、光沢が損なわれないようにするために、重合に供せられるモノマー成分の30重量%以下、好ましくは27重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下である。
【0028】
本発明に用いられるモノマー(C)は、一般式(III)で表わされるビニルアミドモノマー(C−1)および/またはN−ビニルピロリドン(C−2)であり、得られる整髪剤用基剤に水溶性を付与するほか、毛髪に塗布した際に良好な皮膜を形成し、また光沢を付与する成分である。
【0029】
前記モノマー(C−1)の代表例としては、たとえばN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどがあげられ、これらおよびN−ビニルピロリドン(C−2)は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0030】
モノマー(C)の使用量は、得られる整髪剤用基剤を毛髪に塗布した際に良好な皮膜が形成されなくならないようにするために、重合に供せられるモノマー成分の40重量%以上、好ましくは45重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上であり、また整髪剤の皮膜が硬くなりすぎ、フレーキング現象を起こしたり、耐湿性がいちじるしく低下しないようにするために、重合に供せられるモノマー成分の90重量%以下、好ましくは85重量%以下、さらに好ましくは80重量%以下である。
【0031】
本発明においては、さらに前記モノマー(A)、モノマー(B)およびモノマー(C)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(D)をモノマー成分に用いることができる。
【0032】
前記モノマー(D)は、得られる整髪剤用基剤から形成された皮膜に柔軟性、耐水性および適度な硬度を付与し、触感を変化させるために適宜使用される成分である。
【0033】
モノマー(D)の代表例としては、たとえば(メタ)アクリル酸、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートまたはジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの4級化物、(メタ)アクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、炭素数1〜18の直鎖状または分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレート、炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート、該水酸基含有(メタ)アクリレートのメチルエーテル化物、酢酸ビニルなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0034】
モノマー(D)の使用量は、形成された皮膜に所望の触感を付与する効果を充分に発現させるためには、重合に供せられるモノマー成分の0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは2重量%以上であることが望ましく、またあまり多く使用すると本発明の本来の目的であるきしみ感がなく、光沢があり、セット時の風合いの良好な整髪剤用基剤が得られなくなるおそれがあるので、重合に供せられるモノマー成分の25重量%以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下であることが望ましい。
【0035】
本発明の整髪剤用基剤は、前記モノマー(A)、モノマー(B)およびモノマー(C)、ならびに必要に応じてモノマー(D)の所望量を調整したモノマー成分を重合させてコポリマーを調製することによって得られる。
【0036】
前記重合の方法は、とくに限定されるものではなく、たとえば通常のバルク重合法、析出重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法などを採用することができるが、化粧品としての処方の際に、得られた整髪剤用基剤を水または親水性溶媒に溶解して用いることを考慮すると、あらかじめ水または親水性溶媒中で重合する溶液重合法を採用することが好ましい。
【0037】
ここで親水性溶媒とは、水に対する溶解度が10g/水100g(25℃)以上である有機溶媒をいう。かかる親水性溶媒の代表例としては、たとえば炭素数が1〜4の脂肪族1〜4価アルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、酢酸メチル、ジメチルホルムアミドなどがあげられるが、これらのなかでは1〜2価アルコールが化粧品原料として扱ううえでとくに好ましい。
【0038】
前記1価アルコールの具体例としては、たとえばメタノール、エタノール、イソプロパノールなどがあげられる。また2価アルコールの具体例としては、たとえばプロピレングリコールなどがあげられる。
【0039】
また、本発明の整髪剤用基剤は人体の皮膚に付着することがあるため、その安全性を考慮すると、前記親水性溶媒のなかではエタノールおよびイソプロパノールがとくに好ましい。
【0040】
前記重合は、モノマー(A)、モノマー(B)およびモノマー(C)ならびに必要に応じてモノマー(D)からなるモノマー成分を水または前記親水性溶媒に溶解し、重合開始剤を添加し、たとえばチッ素ガスなどの不活性ガス気流下で加熱しながら撹拌することにより行なうことができる。
【0041】
前記重合開始剤としては、一般に溶液重合法に用いられているものなどであればとくに限定がなく、その具体例としては、たとえば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系化合物などがあげられる。なお、本発明においては、重合に供せられるモノマー成分としてアクリル酸およびアクリレートモノマーを用いる際に、重合開始剤として過酸化物を用いた場合には、架橋ゲル化を生起するおそれがあるので、アゾ系化合物を用いることが好ましい。
【0042】
重合に際しては、前記水または親水性溶媒は、モノマー成分の混合物の濃度が10〜60重量%程度となるように調整して用いることが好ましい。なお、前記モノマー成分の混合物の濃度が50重量%をこえる場合には、前記モノマー成分の混合物を分割して徐々に添加して重合を行なうことが、急激な重合反応熱の発生を避け、安全に重合を行なううえで好ましい。
【0043】
重合温度は、用いる重合開始剤の種類などによって異なるために一概には決定することができないが、通常重合開始剤の10時間半減期温度とすることが好ましく、とくに用いた親水性溶媒の還流温度に近いことがより再現性の高い重合を行なうことができるので好ましい。
【0044】
また重合時間は、8時間よりも短い場合には、重合が不完全となって未反応のモノマーが残存することがあるため、8時間以上、好ましくは12〜36時間とすることが望ましい。
【0045】
なお、残存モノマーが存在するか否かは、一般的な手法、たとえばPSDB法などにより二重結合が存在するか否かを確認することにより行なうことができる。
【0046】
また必要に応じて、重合反応後にpH調整剤として酢酸、乳酸、クエン酸、アスコルビン酸などの有機酸や、塩酸、リン酸、硫酸などの無機酸を用いることができる。なお、かかるpH調整剤は重合前に用いてもよい。
【0047】
なお、前記pH調整剤は前記モノマー(B)に由来のアミノ基の中和剤として作用するものであり、前記したように、かかるアミノ基の中和の程度によって整髪剤用基剤の耐湿性を変化させることができる。モノマー(B)の使用量にもよるが、モノマー(B)に由来のアミノ基全量の60モル%程度以下を中和した場合には、耐湿性をいちじるしく低下させることがない。
【0048】
かくして得られる本発明の整髪剤用基剤は、それを構成するコポリマーが50000〜1200000程度、なかんづく100000〜1000000程度の粘度平均分子量を有するものであり、通常そのままの状態または溶媒を除去した状態で使用し得るものである。
【0049】
なお、本発明の整髪剤用基剤をたとえばセットローションなどに用いる場合には、たとえば前記重合用溶媒として用いた水または親水性溶媒に溶解した整髪剤用基剤を、たとえばその他の添加剤、補助剤などとともに使用容器内に充填し、封入すればよい。なおこの場合、使用容器内に充填される各種成分の配合割合は、通常それぞれ目的や用途などに応じて適宜調整されることが望ましい。
【0050】
【実施例】
つぎに、本発明の整髪剤用基剤を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0051】
実施例1
還流冷却管、温度計、チッ素ガス導入管、仕込み管および撹拌装置を取り付けた500ml容の5つ口フラスコに、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン20重量部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート5重量部、N−ビニルピロリドン60重量部、N−ビニルアセトアミド15重量部および精製水400重量部を入れ、これにα,α′−アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNという)0.3重量部を加え、撹拌しながらチッ素ガス気流下にて70〜75℃で重合反応を15時間行ない、反応を完結させて20重量%コポリマー溶液を得た。コポリマーの粘度平均分子量は920000であった。
【0052】
実施例2
還流冷却管、温度計、チッ素ガス導入管、仕込み管および撹拌装置を取り付けた500ml容の5つ口フラスコに、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン20重量部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート10重量部、N−ビニルピロリドン70重量部およびエタノール150重量部を入れ、これにAIBN0.1重量部を加え、撹拌しながらチッ素ガス気流下にて70〜75℃で重合反応を開始した。開始4時間後に、AIBN0.1重量部を追添し、さらに11時間重合させて反応を完結させた。そののち、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのアミノ基全量の25モル%を乳酸1.43重量部(40重量%乳酸エタノール溶液に希釈)にて中和し、40重量%コポリマー溶液を得た。コポリマーの粘度平均分子量は250000であった。
【0053】
実施例3〜8
実施例3、5および8については(反応溶媒が精製水の場合)、モノマー成分を表1に示すように変更したほかは実施例1と同様にしてコポリマーを得た。
【0054】
実施例4、6および7については(反応溶媒がエタノールの場合)、モノマー成分を表1に示すように変更したほかは実施例2と同様にしてコポリマーを得た。
【0055】
なお実施例3〜6において、モノマー(B)由来のアミノ基の中和は、中和剤(乳酸)の使用量を表1に示すように変更したほかは実施例2と同様にして行なった。
【0056】
表1中の各略号は以下の化合物を意味する。また表1中には得られたコポリマーの粘度平均分子量およびコポリマー含量も合わせて示す。
【0057】
DMMABT:N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン
DMAPMABT:N−メタクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン
DMAPAABT:N−アクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン
DMMA:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
DMAPMA:N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド
DMAPAA:N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
NVP:N−ビニルピロリドン
NVA:N−ビニルアセトアミド
EMA:エチルメタクリレート
TBMA:t−ブチルメタクリレート
LMA:ラウリルメタクリレート
SMA:ステアリルメタクリレート
MAA:メタクリル酸
DAAm:ダイアセトンアクリルアミド
TBAAm:t−ブチルアクリルアミド
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート
M−90G:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=9)
DMDS:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのジエチル硫酸4級塩
【0058】
【表1】
【0059】
比較例1〜4
それぞれ以下に示すポリマーを用意し、比較例1〜3のポリマーについては、エタノールを添加してポリマー含量が40重量%のポリマーエタノール溶液である整髪剤用基剤とした。
【0060】
比較例4のものは、ポリマー含量が20重量%のポリマー水溶液として調製されている。
【0061】
比較例1:ポリビニルピロリドン(K=30、キシダ化学(株)販売)
比較例2:N−ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体(商品名:PVA−6450、大阪有機化学工業(株)製)
比較例3:N−ビニルピロリドン−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩共重合体(商品名:H.C.ポリマー3A、大阪有機化学工業(株)製、粘度平均分子量:200000〜300000)
比較例4:N−ビニルピロリドン−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩共重合体(商品名:H.C.ポリマー1S、大阪有機化学工業(株)製、粘度平均分子量:800000〜1000000)
【0062】
なお、前記実施例1〜8で得られたコポリマー溶液(整髪剤用基剤)および比較例1〜4のポリマー溶液(整髪剤用基剤)は、いずれも水溶性を呈するものであった。
【0063】
処方例1〜8および比較処方例1〜4
実施例1〜8および比較例1〜4の整髪剤用基剤について、ポリマー含量40重量%のエタノール系整髪剤用基剤には、この基剤25重量部に対してエタノール80重量部および精製水95重量部を加え、またポリマー含量20重量%の水系整髪剤用基剤には、この基剤50重量部に対して精製水55重量部およびエタノール95重量部を加えることにより、ポリマー含量5重量%のポリマー溶液(水:エタノール(重量比)=1:1)である均一なヘアーローション整髪剤を得た。
【0064】
このヘアーローション整髪剤をボトルタイプのヘアーローション容器(内容量:100ml)内に充填し、ヘアーローション製品を作製した。
【0065】
つぎに、得られたヘアーローション製品を用い、ヘアーローション整髪剤の特性としてセット保持力(耐湿性)、しなやかさ、柔軟性および光沢性を、ならびに形成されたフィルムの物性として洗浄性および平滑性を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表2に示す。
【0066】
(イ)セット保持力(耐湿性)
長さ25cmの毛髪2gにヘアーローション整髪剤3gをこぼれないように均一に塗布したのち、この毛髪を外径1.2cmのカーラーに巻き、40℃の温風で60分間かけて乾燥した。こののち、カーラーから毛髪をはずし、温度30℃、相対湿度90%の雰囲気中に垂直に吊るした直後の長さ(L1)と3時間放置後の長さ(L2)とを測定し、カールリテンション(%)を次式から算出した。
【0067】
【数1】
【0068】
なお表2中、カールリテンションが65%以上のものをA、60%以上、65%未満のものをB、60%未満のものをCと表示した。
【0069】
(ロ)しなやかさ
長さ25cmの毛髪2gにヘアーローション整髪剤3gをこぼれないように均一に塗布したのち、乾燥前に市販の櫛で毛並みを揃え、40℃の温風で60分間かけて乾燥して毛髪の手触りを以下の評価基準に基づいて評価した。
【0070】
(評価基準)
A:手で触るとごわつきがなく、自然な感触である。
B:手で触ると少しごわつきがある。
C:手で触るとごわつきがひどく、かたい感触がある。
【0071】
(ハ)柔軟性
長さ25cmの毛髪2gにヘアーローション整髪剤3gをこぼれないように均一に塗布したのち、40℃の温風で60分間かけて乾燥した。この毛髪の中心から約1cm間隔のところを指ではさみ、上下に曲げる操作を10回繰り返してコーティングフィルムの変化を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0072】
(評価基準)
A:変化なし。
B:フィルムの剥離が若干認められる。
C:曲げた箇所の前面が白くなり、フィルムの剥離がいちじるしい。
【0073】
(ニ)光沢性
長さ25cmの毛髪2gにヘアーローション整髪剤3gをこぼれないように均一に塗布したのち、40℃の温風で60分間かけて乾燥して光沢性を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0074】
(評価基準)
A:非常に光沢がある。
B:若干光沢がある。
C:光沢がない。
【0075】
(ホ)洗浄性
2.5cm×7.5cmのガラス板にヘアーローション整髪剤3gをスポイドを用いて均一に塗布したのち、20℃にて3時間乾燥してフィルムを形成した。このガラス板を40℃の0.2重量%シャンプー含有温水に静置浸漬し、フィルムの溶解状態の経時変化を調べ、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0076】
(評価基準)
A:30分間以内に完全にフィルムが溶解する。
B:40分間以内に完全にフィルムが溶解する。
C:40分間経過後もフィルムが残存する。
【0077】
(ヘ)平滑性
2.5cm×7.5cmのガラス板にヘアーローション整髪剤3gをスポイドを用いて均一に塗布したのち、20℃にて3時間乾燥してフィルムを形成した。つぎに、形成されたフィルム面の感触を指で調べ、平滑性を以下の評価基準に基づいて評価した。
【0078】
(評価基準)
A:完全に滑らかである。
B:ややざらつきがある。
C:かなりざらつきがある。
【0079】
【表2】
【0080】
表2に示された結果から、実施例1〜8で得られた整髪剤用基剤は、いずれも整髪剤として必要な特性を備え、しかも、処方例1〜8と比較処方例1〜4とを比べて明らかなように、セット保持力が向上しているだけでなく、セット感覚の向上として従来のノニオン、カチオン性整髪剤用基剤よりも、しなやかさや柔軟性などの感触的な物性にもすぐれていることがわかる。
【0081】
【発明の効果】
本発明の整髪剤用基剤は、セットローションに使用することができるのみでなく、従来のノニオン、カチオン性整髪剤用基剤と同様にムースなどにも使用することができ、しかもセットされた毛髪は、従来のノニオン、カチオン性整髪剤用基剤を用いて得られるセット感覚よりも、しなやかさや柔軟性などの感触的な物性にすぐれた自然な風合いが得られる。
【0082】
さらに本発明の整髪剤用基剤は、光沢などの整髪剤に必要な特性も充分に兼ね備えたものである。
Claims (2)
- (A)一般式(I):
(式中、Xは酸素原子またはNH基、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数2〜3のアルキレン基を示す)で表わされるモノマー(A)1〜30重量%、(B)一般式(II):
(式中、Xは酸素原子またはNH基、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数2〜3のアルキレン基を示す)で表わされるモノマー(B)1〜30重量%、ならびに(C)一般式(III):
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示す)で表わされるモノマー(C−1)およびN−ビニルピロリドン(C−2)から選ばれた少なくとも1種のモノマー(C)40〜90重量%を含有したモノマー成分を重合させて得られたコポリマーからなる整髪剤用基剤。 - モノマー成分がモノマー(A)、モノマー(B)およびモノマー(C)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(D)を0.1〜25重量%含有したものである請求項1記載の整髪剤用基剤。
Priority Applications (1)
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