JP4094106B2 - 磁気共鳴イメージング装置およびmr画像再構成方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置およびmr画像再構成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体の原子核スピンの共鳴現象を利用して磁気共鳴(MR)画像を得る磁気共鳴イメージング(MRI)装置およびそのMR画像再構成方法に係る。とくに、MR信号の収集から画像再構成までの一連の処理に要する時間を短縮した高速処理タイプの磁気共鳴イメージング装置およびMR画像再構成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴イメージング装置は、静磁場の中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するMR信号に基づくMR画像を生成したり、MR信号のスペクトルを生成したりする装置である。
【0003】
この磁気共鳴イメージング装置において、送信系の回路を駆動させて被検体に発生させたMR信号を受信し再構成する系は、大別して、被検体で発生したMR信号を受信してデジタル化されたMRデータ列を生成する受信処理系と、生成されたMRデータ列からMR画像を再構成する再構成系との2つの系統の回路を備えている。
【0004】
従来、この2つの系統の回路は電気的直列に配置され、収集したMRデータを磁気ディスクやメモリに蓄積させ、データ収集が完了してから蓄積データを用いてMR画像を再構成するという、時系列の分業システムが知られている。この一例を図7に示す。この分業システムによると、例えば、収集されたエコー信号は、ADCによりデジタル量のMRデータ列に変換された後、DSPやメモリなどから成る画像収集ハードにより所定の前処理に付される。この前処理されたデータ列は、CPUを通して磁気ディスクに書き込まれる。データ収集中はこの作業が繰り返される。データ収集が完了すると、アレイプロセッサにより磁気ディスクから収集データ列が読み出され、画像再構成処理が実行される。再構成された画像データは再び磁気ディスクに格納される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように受信処理と再構成処理とを分けかつ時系列的に処理する構成の場合、データ収集が完了して初めて画像再構成に取り掛かることになるため、再構成したMR画像を得るまでの時間が非常に長くなるという問題があった。つまり、使用者はMR画像の観察までに長く待たなければならない。とくに、近年のように、データ収集マトリクスの大形化や収集対象容積の増大などによる収集データの急激な増加は、かかる再構成時間の長期化に拍車を掛け、磁気共鳴イメージング装置の使用効率を低下させてしまうという問題にも帰着していた。
【0006】
上記図7のシステム構成の場合、MR画像を得るまでの待ち時間の中には、アレイプロセッサが再構成処理自体に要する時間は勿論のこと、磁気ディスクからのデータの読み出しや磁気ディスクへの再構成の中間的なデータの書き込みなど、磁気ディスクとのデータのやりとりに要する時間も含まれる。磁気ディスクの特性として、データの読み込み・書き込みが相対的に低速であるという問題があり、従来のシステムの場合、この低速性が非常に大きく影響して、MR画像を得るまでの時間が長くなっていた。
【0007】
このMR画像の再構成までの時間が長いという問題は、単に時間の長短の問題に止まらず、別の重大な問題を含んでいる。つまり、昨今、スキャンをいかに高速に実施するという研究に力点が置かれているが、MRデータの処理、再構成が長時間化してしまうと、高速スキャンのメリットである実時間性を最大に発揮させることができないばかりか、そのメリットまでも台無しにしてしまうという事態を含んでいる。
【0008】
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みてなされたもので、その主な目的は、MRデータの収集から画像再構成完了までの所要時間を従来よりも著しく短縮させることである。
【0009】
また、本発明の別の目的は、MRデータの収集から画像再構成完了までの所要時間を従来よりも著しく短縮させて、高速スキャンによる収集時間の短時間化の効果を半減させてしまうという事態を防止することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した種々の目的を達成するため、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、収集中のデジタル量のMR信号のデータ列に基づきデータ収集中であってもMR画像を再構成できるようにした磁気共鳴イメージング装置である。そして、前記データ列を処理するための処理シーケンスの情報をシーケンステーブルの状態で記憶している第1の半導体メモリと、前記シーケンスに沿ってデータ処理された前記データ列を記憶させる第2の半導体メモリとを備えるとともに、前記第1の半導体メモリのシーケンステーブルに各種情報を書き込み、前記第1の半導体メモリに記憶されている前記シーケンスにしたがって前記データ列を処理して前記第2の半導体メモリに記憶するとともに再構成処理に必要な前記データ列が揃ったことを知らせる通知情報を前記シーケンステーブルに書き込む第1の処理手段と、前記シーケンステーブルを定期的に参照して、前記シーケンステーブルに前記通知情報が書き込まれたことを認識して前記第2の半導体メモリに書き込まれている前記データ列を使って前記再構成処理を実行する第2の処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
例えば、前記通知情報は、前記再構成処理がフーリエ変換処理であるときの第1次元方向についてフーリエ変換可能な状態を表す情報である。
【0012】
前記シーケンステーブルは、順に入力する前記データ列のそれぞれに対する前処理法およびメモリの記憶位置情報を含み、かつ、そのデータ列のそれぞれに対して前記通知情報を書き込み可能である。前記前処理法は、同一の前記データ列に対するアベレージング処理の加算平均数を含む。
【0013】
好適には、前記第1の処理手段は、前記データ列の入力毎に前記シーケンステーブルの前記前処理法および記憶位置情報を参照する参照手段と、参照された前記前処理法にしたがって前記データ列それぞれを前処理する前処理手段と、この前処理手段により前処理された前記データ列それぞれを、参照された前記記憶位置情報に応じた前記第2の半導体メモリのメモリ位置に記憶させる記憶手段と、この記憶手段が前記データ列を前記第2の半導体メモリに記憶させたとき、前記シーケンステーブルに前記通知情報を書き込む書き込み手段とを備える。
【0014】
また、前記第2の処理手段は、前記データ列のそれぞれについて前記シーケンステーブルに前記通知情報が書き込まれたか否かを認識する認識手段と、この認識手段により前記通知情報が書き込まれたと認識されたときに前記第2の半導体メモリの前記記憶位置情報に応じたメモリ位置から前記前処理されたデータ列を読み出す読み出し手段と、この読み出し手段により読み出されたデータ列の前記再構成処理を実行する再構成手段と、この再構成手段により再構成されたデータを前記第2の半導体メモリに格納する格納手段とを備える。
【0015】
また、本発明のMR画像再構成方法は、収集中のデジタル量のMR信号のデータ列に基づきデータ収集中であってもMR画像を再構成する方法である。つまり、前記データ列を処理するためのシーケンスの情報をシーケンステーブルの状態で記憶している第1の半導体メモリと、前記シーケンスに沿ってデータ処理された前記データ列を記憶させる第2の半導体メモリとを設け、前記第1の半導体メモリのシーケンステーブルに各種情報を書き込み、前記第1の半導体メモリに記憶されている前記シーケンスにしたがって前記データ列を処理して前記第2の半導体メモリに記憶するとともに再構成処理に必要な前記データ列が揃ったことを知らせる通知情報を前記シーケンステーブルに書き込む第1のステップと、前記シーケンステーブルを定期的に参照して、前記シーケンステーブルに前記通知情報が書き込まれたことを認識して前記第2の半導体メモリに書き込まれている前記データ列を使って前記再構成処理を実行する第2のステップとを有することを特徴とした。
【0016】
以上の構成において、2次元イメージングを説明する。例えば、2次元周波数空間上のリード方向のあるデータ列が収集され、デジタル量の信号として入力してくる。第1の処理手段(第1のステップ)は、第1の半導体メモリに記憶されている処理シーケンスにしたがってそのデータ列を前処理して第2の半導体メモリの指定されたメモリ位置に記憶させる。この処理とともに、第1の処理手段(第1のステップ)は、いま処理したデータ列についてリード方向に再構成処理(例えばフーリエ変換)するに必要な全データが揃ったときに、これを知らせる通知情報をシーケンステーブルの該当箇所に書き込む。
【0017】
第2の処理手段(第2のステップ)は、このシーケンステーブルを監視しており、通知情報が書き込まれたか否かを判断する。通知情報が書き込まれた場合、いま処理対象となっているデータ列をリード方向に再構成処理可能な状態を意味している。このため、第2の処理手段(第2のステップ)は、通知情報が書き込まれたと判断したときには、データ収集中であっても、第2の半導体メモリの指定されたメモリ位置から前述したように前処理されたデータ列を読み出し、再構成処理を実行する。リード方向に再構成処理されたデータは、再び、第2の半導体メモリの指定されたメモリ位置に格納される。
【0018】
これにより、2次元イメージングの場合、全部のデータ列の殆どが、データ収集と並行して(時間的にはデータ収集に隠れた状態で)リード方向の再構成処理が済んでしまう。このため、収集が終わったときには、最後に収集したデータ列のリード方向の再構成処理と、もう一方の位相エンコード方向の再構成処理を残すのみとなる。これにより、データ収集と再構成処理との同時実行に近いイメージング装置および再構成方法が達成される。データ収集後に行う再構成処理の量は従来システムと比べて、極端に少なくなり、ほぼ半減する。これにより、データ収集後の短時間のうちに再構成したMR画像を観察できるようになる。3次元イメージングの場合も同様であり、データ収集とリード方向および位相エンコード方向の殆どの再構成処理とが並行して実行される。
【0019】
しかも、シーケンステーブルとデータ記憶のためのメモリとして、アクセスが低速な磁気ディスクではなく、高速な半導体メモリを採用している。この半導体メモリに収集中の生MRデータの発生場所、前処理法などを詳細に記述しておくとともに、半導体メモリへのデータの読み書きを制御することで、データ収集と再構成処理との同時実行に近い状況を創出している。
【0020】
したがって、データ収集開始からMR画像を得るまでの時間を従来に比べて格段に短縮でき、システムのスループットを向上させることができる。また、操作者への操作上の負担も著しく軽減できる。
【0021】
また、本発明に係る磁気共鳴イメージングの別の態様によれば、被検体からMR信号を収集する信号収集手段と、前記収集されたMR信号のデータ列を処理するための処理シーケンスに沿ってデータ処理された前記MR信号のデータ列を記憶するメモリ手段と、前記MR信号の収集に並行して、前記メモリ手段に記憶された前記データ列に基づいて再構成処理を行う再構成処理手段と、を備えた構成も提供される。これによっても、MR信号の収集と並行して再構成処理を行うことができ、前述と同様に、データ収集開始からMR画像取得までの時間を短縮させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1つの実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置を図面に基づき説明する。
【0023】
図1に磁気共鳴イメージング装置のブロック図を示す。この磁気共鳴イメージング装置はガントリ1を備える。ガントリ1は、寝台2に載せた被検体Pを挿入して被検体からのMR信号を収集する診断用開口部を備えるとともに、その信号収集を行うための静磁場用磁石、傾斜磁場コイル、RFコイルなどの各種装備を有する。このため、ガントリ1には、磁石に接続する静磁場電源3、傾斜磁場コイルおよびRFコイルに接続するRF&傾斜磁場電源4を備える。
【0024】
ガントリ1のRFコイルの受信側はまた、RF信号処理系回路5およびデジタル信号処理系回路6を介してコンピュータシステム7に接続されている。この回路5、6およびコンピュータシステム7は磁気共鳴イメージング装置のデータ処理およびシーケンス制御の手段として機能する。
【0025】
RF信号処理系回路5は、RFコイルが受信したMR信号(例えばエコー信号)に前段増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅、ローパースフィルタリングなどの処理を施す回路を備える。このRF信号処理系回路5で処理されたMR信号はデジタル信号処理系回路6に送られ、同回路6に内蔵しているA/D変換器8(図2参照)でデジタル信号に変換される。このデジタル化されたMRデータはMR信号の収集データ例として、コンピュータシステム7に送られる。
【0026】
このコンピュータシステム7は図2に示すように、本イメージング装置における演算処理およびシーケンス制御の全体を管理するホストコンピュータ11を備える一方で、このホストコンピュータ11にバス12を介してデータ収集用プロセッサ13、再構成用プロセッサ14、第1、第2の半導体メモリユニット15、16、入力ポート17、および出力ポート18を備える。
【0027】
この内、入力ポート17はメモリを備え、前記デジタル信号処理系回路6のA/D変換器8に接続されている。これにより、デジタル化された収集データ列1、2、...,mがデジタル信号処理系回路6から入力できるようになっている。データ収集用プロセッサ13は単数のプロセッサ若しくは複数のアレイプロセッサから成り、後述する図3(a)に記載のデータ収集に関する処理を担っている。これに対し、再構成用プロセッサ14は単数のプロセッサ若しくは複数のアレイプロセッサから成り、後述する図3(b)に記載の画像再構成に関する処理を担っている。
【0028】
第1、第2の半導体メモリユニット14、15はデータアクセスが高速であることから、データアクセスに時間が掛かる(低速)磁気ディスクの代わりに用いられている。第1の半導体メモリユニット15は、その読み出し書き込み回路のほか、いま発生しているMRデータ例の処理方法や順序並び換え方法などの処理シーケンスに関わる情報を記憶しているシーケンステーブル15A(メモリ)を備える。このシーケンステーブル15Aは、データ収集用プロセッサ13および再構成用プロセッサ14によりアクセスおよびデータ更新可能になっている。また、第2の半導体メモリユニット16は、その読み出し書き込み回路のほか、収集データ蓄積用メモリ16Aおよび再構成データ蓄積用メモリ16Bを有する。これらのメモリ16A、16Bには、データ収集用プロセッサ13および再構成用プロセッサ14がアクセス可能になっている。
【0029】
さらにホストコンピュータ11は、データ収集用プロセッサ13および再構成用プロセッサ14の駆動を管理するとともに、出力ポート18を介してRF&傾斜磁場電源4などに依る収集シーケンスを管理している。ホストコンピュータ11はとくに図示していないが、オペレータとのインターフェース用として操作器やモニタを備えている。
【0030】
次いで、データ収集用プロセッサ13および再構成用プロセッサ14の動作を図3〜図5に基づき説明する。
【0031】
第1の半導体メモリユニット15に形成されているシーケンステーブル15Aには、図4のマルチスライス撮影の場合に例示する如く、現在収集中のデータ列それぞれに対する前処理・再構成に関わる処理シーケンスが詳細に記述されている。すなわち、収集データ列の入力順に、コマンド(ここでは周波数空間での位相エンコード方向のフーリエ変換(2nd FT)を行うか否かの命令)、前処理法(ここでは加算平均の回数)、ステータス(ここでは周波数空間でのリード方向のフーリエ変換(1st FT)を行うか否かの命令)、およびリードアウト番号(収集データ蓄積用メモリのアドレスに相当)が記載されている。
【0032】
いま、MRデータのある収集データ列が入力ポート17に入力したとする(ステップST1)。このタイミングに同期して、データ収集用プロセッサ13は、シーケンステーブル15Aにアクセスし、同テーブル中のいま入力した収集データ列の順番に相当するシーケンス情報を参照する。(ステップST2:図5のフロー矢印A参照)。次いでデータ収集用プロセッサ13は、入力ポート17からいま入力した収集データ列を読み出し(ステップST3)、さらにその収集データ列に、シーケンステーブル15Aに記載されていた前処理法に従う前処理を施す(ステップST4)。この前処理法としては例えば加算平均n回といったものである。
【0033】
次いでデータ収集用プロセッサ13は、前処理した収集データ列を、第2の半導体メモリユニット16の収集データ蓄積用メモリ16A内の、シーケンステーブル15Aで指定されていたメモリ位置(すなわちリードアウト番号)に書き込む(ステップST5:図5のフロー矢印B参照)。この書き込み処理の後に(または同時に)、データ収集用プロセッサ13は後に控えている再構成用プロセッサ14に処理を引き渡すため、シーケンステーブル15Aのいま処理している収集データ列のステータス情報を書き換える(ステップST6:図5のフロー矢印C参照)。つまり、ステータスの情報を「未収集」から「再構成可」に書き換える。この「再構成可」の情報を再構成用プロセッサ14が1回目の再構成処理であるフーリエ変換を行ってもよいことを表している。
【0034】
これが終わると、データ収集用プロセッサ13は次の収集データ列が送られてくるのを待つ。
【0035】
一方、再構成用プロセッサ14はデータ収集用プロセッサ13が処理を行っている間も、定期的にシーケンステーブル15Aを参照して、その度にシーケンステーブル15Aのステータス情報が「再構成可」に書き換えられたかどうかを監視している(ステップSTa...STn:図5のフロー矢印D参照)。データ収集用プロセッサ13がシーケンステーブル15Aのステータス情報を書き換えた時点で「再構成可」となるので、再構成用プロセッサ14はステップSTnからステップST7の処理に入る。
【0036】
再構成用プロセッサ14は、ステータス情報が再構成可となったので、シーケンステーブル15Aの該当する収集データ入力順に在るリードアウト番号を読み出す(ステップST7:図5のフロー矢印E参照)。そして、再構成用プロセッサ14は、第2の半導体メモリユニット16の収集データ蓄積用メモリ16Aにアクセスし、指定されたリードアウト番号に相当するアドレス位置の収集データ列を読み出す(ステップST8:図5のフロー矢印F参照)。この後、再構成用プロセッサ14は周波数空間のリード方向に対するフーリエ変換(1st FT)を行う(ステップST9)。このように再構成された画像データは、再構成用プロセッサ14により再構成データ蓄積用メモリ16Bの、いま指令されているリードアウト番号に相当するメモリ位置に書き込まれる(ステップST10:図5のフロー矢印G参照)。
【0037】
以上の両プロセッサ13、14による処理は収集データ列が入力する毎に実行される。
【0038】
シーケンステーブル15Aには、画像再構成処理として、上述したリード方向のフーリエ変換(1st FT)を行ってよいかどうかの指令は元より、2次元イメージングの場合には位相エンコード方向のフーリエ変換(2nd FT)を指令する命令が記述されている。また3次元イメージングの場合、さらに、スライスエンコード方向のフーリエ変換(3rd FT)を指令する命令が適宜な入力順に相当する位置に記述されている。
【0039】
このため、一般に、ある位相エンコードに対するリード方向のデータ列が収集された直後に、再構成用プロセッサ14はリード方向のフーリエ変換(1stFT)を行えることになる。この様子を図6(b)に模式的に示す。同図中、背の低い斜線部分LTがこの1st FTの時間帯に相当する。つまり、1stFTによる再構成処理はMRデータの収集時間中にその大半を隠れて(並行して)実行することができる。
【0040】
2次元または3次元の再構成処理が可能な分のデータが蓄積されたときには、シーケンステーブル15Aの該当する入力順の箇所に予め、フーリエ変換可能の旨記載されている。このため、例えば2次元フーリエ変換方の場合、図6(b)に示す背の高い斜線部分HTの時間帯で模式的に示す如く、MRデータの2次元収集が完了した後、直ぐに最後のリード方向のフーリエ変換と伴に、位相エンコード方向のフーリエ変換(2nd FT)を開始できる。このように2nd FTおよび3rd FTについても必要なデータが揃い次第、実行される。3次元フーリエ変換法の場合には、リード方向の1st FTと位相あるいはスライスエンコード方向の2nd FTの殆どをデータ収集と並行して実施できる(図6(b)の斜線部分LT参照)。
【0041】
これを、同図(a)に示す従来のデータ収集および画像再構成の順次方式と比較すると、その時間の長短は一目瞭然である。従来の場合、画像収集時間Taに画像処理時間Tb(磁気ディスクへのアクセス時間、再構成時間などの合計)がそのまま加わり、トータルの時間は相当に長くなる。しかし、本発明を実施する場合、同図(b)に模式的に示すように、従来の画像収集時間Taに最後の再構成時間HTが加わるのみである。この時間短縮分Tsは大きい量であり、従来の画像収集開始から画像再構成完了までの所要時間のほぼ半分である。つまり、2次元イメージングのときで約2倍程度、3次元イメージングのときで約3倍程度の時間短縮が可能になる(この時間短縮の程度は、実際には、撮影条件などによっても変わる)。
【0042】
このように、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置および画像再構成方法によれば、2次元イメージングの場合、全部のデータ列の殆どが、データ収集と並行して(時間的にはデータ収集に隠れた状態で)リード方向の再構成処理が済んでしまう。このため、収集が終わったときには、最後に収集したデータ列のリード方向の再構成処理と、もう一方の位相エンコード方向の再構成処理を残すのみとなる。これにより、データ収集と再構成処理との同時実行に近いイメージング装置および再構成方法が達成される。データ収集後に行う再構成処理の量は従来システムと比べて、極端に少なくなり、ほぼ半減する。これにより、データ収集後の短時間のうちに再構成したMR画像を観察できるようになる。3次元イメージングの場合も同様であり、データ収集とリード方向および位相エンコード方向の殆どの再構成処理とが並行して実行される。
【0043】
しかも、シーケンステーブルとデータ記憶のためのメモリとして、アクセスが低速な磁気ディスクではなく、高速な半導体メモリを採用している。この半導体メモリに収集中の生MRデータの発生場所、前処理法などを詳細に記述しておくとともに、半導体メモリへのデータの読み書きを制御することで、データ収集と再構成処理との同時実行に近い状況を創出している。
【0044】
したがって、データ収集開始からMR画像を得るまでの時間を従来に比べて格段に短縮でき、患者スループットを向上させることができる。また、操作者への操作上の負担も著しく軽減できる。
【0045】
なお、本発明は収集データがデジタル量に変換された後の再構成処理に関するものであり、その変換前の受信機の形態には関係せず、アナログレシーバ方式であっても、デジタルレシーバ方式であってもよい。
【0046】
またなお、前述した前処理法として、位相補正を加えてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の磁気共鳴イメージング装置およびMR画像再構成方法によれば、第1の半導体メモリに記憶されているシーケンスにしたがってデータ列を処理して第2の半導体メモリに記憶するとともに再構成処理に必要なデータ列が揃ったことを知らせる通知情報をシーケンステーブルに書き込み、次いで、シーケンステーブルに通知情報が書き込まれたことを認識して第2の半導体メモリに書き込まれているデータ列を使って再構成処理を実行するようにした。また、収集されるMR信号のデータ列を処理するための処理シーケンスに沿ってデータ処理された前記MR信号のデータ列を記憶するメモリ手段と、前記MR信号の収集に並行して、前記メモリ手段に記憶された前記データ列に基づいて再構成処理を行う再構成処理手段とを備えるようにした。このため、MRデータの収集から画像再構成完了までの所要時間を従来よりも著しく短縮でき、スループットを向上させることができる。また、高速スキャンによる収集時間の短時間化の効果を半減させてしまうという事態を防止できるので、高速スキャンのシーケンスと組み合わせて最近のニーズである高速撮影に適した磁気共鳴イメージング装置およびMR画像再構成方法を提供できる。さらには、操作者の操作上の負担も従来に比べて格段に軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の全体構成を概略的に示すブロック図。
【図2】 同実施形態で用いたコンピュータシステムの概略ブロック図。
【図3】 データ収集用プロセッサと再構成用プロセッサの処理を時系列的に関連させて示した概略フローチャート。
【図4】 再構成処理に関わるシーケンステーブルの記述内容を模式的に説明する図。
【図5】 再構成処理に関わるシーケンスの各手順のフローを示す図。
【図6】 本発明の時間短縮の効果を従来のものと比較して説明する図。
【図7】 従来の磁気共鳴イメージング装置の再構成処理に関わる部分の信号流れを示すブロック図。
【符号の説明】
6 デジタル信号処理系回路
7 コンピュータシステム
8 A/D変換器
11 ホストコンピュータ
12 バス
13 データ収集用プロセッサ
14 再構成用プロセッサ
15 第1の半導体メモリユニット
15A シーケンステーブル
16 第2の半導体メモリユニット
16A 収集データ蓄積用メモリ
16B 再構成データ蓄積用メモリ

Claims (7)

  1. MR信号のデータ列の収集中にMR画像を再構成できるようにした磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記データ列を処理するための処理シーケンスの情報をシーケンステーブルの状態で記憶している第1の半導体メモリと、前記処理シーケンスに沿ってデータ処理された前記データ列を記憶させる第2の半導体メモリとを備えるとともに、前記第1の半導体メモリのシーケンステーブルに各種情報を書き込み、前記第1の半導体メモリのシーケンステーブルに記憶されている前記処理シーケンスにしたがって前記データ列を処理して前記第2の半導体メモリに記憶するとともに再構成処理に必要な前記データ列が揃ったことを知らせる通知情報を前記シーケンステーブルに書き込む第1の処理手段と、
    前記シーケンステーブルを定期的に参照して、前記シーケンステーブルに前記通知情報が書き込まれたことを認識して前記第2の半導体メモリに書き込まれている前記データ列を使って前記再構成処理を実行する第2の処理手段と、
    を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記通知情報は、前記再構成処理がフーリエ変換処理であるときの第1次元方向についてフーリエ変換可能な状態を表す情報である請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記シーケンステーブルは、順に入力する前記データ列のそれぞれに対する前処理法およびメモリの記憶位置情報を含み、かつ、そのデータ列のそれぞれに対して前記通知情報を書き込み可能である請求項2記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記前処理法は、同一の前記データ列に対するアベレージング処理の加算平均数を含む請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記第1の処理手段は、前記データ列の入力毎に前記シーケンステーブルの前記前処理法および記憶位置情報を参照する参照手段と、参照された前記前処理法にしたがって前記データ列それぞれを前処理する前処理手段と、この前処理手段により前処理された前記データ列それぞれを、参照された前記記憶位置情報に応じた前記第2の半導体メモリのメモリ位置に記憶させる記憶手段と、この記憶手段が前記データ列を前記第2の半導体メモリに記憶させたとき、前記シーケンステーブルに前記通知情報を書き込む書き込み手段とを備える請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記第2の処理手段は、前記データ列のそれぞれについて前記シーケンステーブルに前記通知情報が書き込まれたか否かを認識する認識手段と、この認識手段により前記通知情報が書き込まれたと認識されたときに前記第2の半導体メモリの前記記憶位置情報に応じたメモリ位置から前記前処理されたデータ列を読み出す読出し手段と、この読出し手段により読み出されたデータ列の前記再構成処理を実行する再構成手段と、この再構成手段により再構成されたデータを前記第2の半導体メモリに格納する格納手段とを備える請求項5記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. MR信号のデータ列の収集中にMR画像を再構成するMR画像再構成方法であって、前記データ列を処理するための処理シーケンスの情報をシーケンステーブルの状態で記憶している第1の半導体メモリと、前記処理シーケンスに沿ってデータ処理された前記データ列を記憶させる第2の半導体メモリとを設け、前記第1の半導体メモリのシーケンステーブルに各種情報を書き込み、前記第1の半導体メモリに記憶されている前記処理シーケンスにしたがって前記データ列を処理して前記第2の半導体メモリに記憶するとともに再構成処理に必要な前記データ列が揃ったことを知らせる通知情報を前記シーケンステーブルに書き込む第1のステップと、前記シーケンステーブルを定期的に参照して、前記シーケンステーブルに前記通知情報が書き込まれたことを認識して前記第2の半導体メモリに書き込まれている前記データ列を使って前記再構成処理を実行する第2のステップとを有することを特徴としたMR画像再構成方法。
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