JP4096542B2 - ロータリーキルンのシール機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学品やセメント等の焼成等に用いられるロータリーキルンに使用するに好適なロータリーキルンのシール機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なロータリーキルンは、回転筒の入り口側から供給した原料を、回転筒の回転と傾斜を利用することによって出口側に移動させながら、回転筒の中に吹き込んだ熱ガス等により焼成して排出する。
前記回転筒は、基礎に固定されたハウジング等の架台に、その両端を回転可能に挿入、または支持等されているが、固定部材であるハウジングと回転部材である回転筒の間の隙から、前記回転筒の中に吹き込んだ熱ガス等が漏れだす可能性があるため、該隙間を覆うようにして、ハウジングと回転筒の間にシール機構を配設している。
【0003】
特に、原料と加熱ガスを分離した外熱式ロータリーキルンは、原料を移送するための回転筒である内筒を固定部材である加熱炉内に挿入することによって加熱する構造であることが一般的であり、該内筒の回転部分と固定された加熱炉との間に隙間があるために、シール機構を配設する必要があると同時に、内筒の中に投入した原料を乾燥焼成する際にガス発生を伴うことが多く、そのような場合は、前記した内筒の回転部分と固定された加熱炉のみならず、内筒の両端を支持する架台との間の隙間から、ガスが漏れ出す可能性もあって、シール機構を多用している。
【0004】
前述したようなロータリーキルンに用いられている従来のシール機構の構造を以下簡単に説明する。
前記従来のシール機構は、回転部材と固定部材のそれぞれにシール部材を配して、該それぞれのシール部材を互いに気密に当接させることにより、シール部分を形成することが一般的であり、加熱膨張することによって、回転部材と固定部材の寸法が変化するロータリーキルンのシール機構においては、図6にその1例を示すような構造のシール機構を用いることが一般的に知られている。
図6に示したシール機構は、伸縮管210とガイドロット205を挿通させた押付用コイルバネ202とを用いることによって、前記寸法の変化を吸収して、シール部材であるシール板215とシール板207を互いに気密に当接させる構造となっている。
【0005】
また、前記寸法の変化を吸収して気密に保つことのできる他の従来シール機構の1例として、特開平9−217989号公報に示されるようなシール機構が知られている。
前記公報に開示されたシール機構は、回転側環状部材の回転軸線に対して略直交する摺接面(シール面)を設け、このシール面に、第2の環状部材に伸縮管を介して気密に連結した環状の移動フランジを付勢部材の力で圧接させて、回転部材と固定部材との間を気密に連結したロータリーキルンのシール機構である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示す従来のシール機構は、運転時の熱の影響によって回転筒全体がたわむ等の変形をおこしたような場合に、回転筒250側に配したシール板207のシール面が傾いても、該固定部材側に配したシール板215のシール面が、コイルバネ202の中に通したガイドロッド205のために傾くことが抑制されて、シール部材同士の当接が不良となってシール不良が生じるといった問題点を有した。
同様に前述した特開平9−217989号公報に示される従来のシール機構も、内筒側に配したシール部材の当接面が傾いた場合に、該固定部材側に配したシール部材が傾くことができないために、シール不良が生じるといった問題点を有した。
【0007】
また、前述した2つの従来のシール機構は、コイルバネの弾性回復力によって互いのシール面を当接させており、コイルバネの圧縮量によってシール面の当接力(シール面圧と称することもある)に違いが生じる構造である。
そのため、回転部材と固定部材の寸法関係が変化するロータリーキルンに使用する場合に、シール面が常に一定のシール能力を保つということは難しく、コイルバネの圧縮量が一番少ない場合においてシールに必要十分なシール面圧を維持しようとすると、コイルバネの圧縮量が大きい場合にシール面圧が高くなりすぎてしまうためシール面が短期間で磨耗するといった不具合を生じる。
【0008】
具体的な例を図6に示したシール機構で説明すると、ハウジング201と回転筒250の間に配した従来シール機構を、回転筒が十分に加熱されておらず回転筒が短いロータリーキルンの運転開始時において十分なシール能力を得ようとコイルバネ202の圧縮量を調整した場合に、ロータリーキルンの定常運転時に回転筒250の温度が上昇して回転筒250が長くなった際には、シール板207がハウジング201側に移動するためにコイルバネの圧縮量が大きくなりすぎて、シール面圧が高くなりすぎてシール面がすぐに磨耗するといった不具合を生じる。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、ロータリーキルンの運転開始時から終了時まで、例えロータリーキルンが若干たわんで曲がるなどの変形を起こしたとしても、確実にシールすることができるロータリーキルンのシール機構を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明によるロータリーキルンのシール機構は
(1) ロータリーキルンの回転部材と固定部材との間に配設したロータリーキルンのシール機構において、該回転部材の外周に設けられて該回転部材の回転軸線に略直交するシール面をその両面に備えた第1のシールリングと、該固定部材から第1の伸縮管を介して取付けられた取付座に付勢部材を介して連結された第2のシールリングとを備えて、第1のシールリングを両側から挟みこむようにして第2のシールリングを2枚配置するとともに、該取付座と該第2のシールリングとの間に前記取付座及び第2のシールリングに沿う環状の第2の伸縮管を配して該取付座と該第2のシールリングとの間を気密に連結し、該付勢部材により第2のシールリングを第1のシールリングに押しつけてシール部を形成した。
【0012】
(2) (1)記載のロータリーキルンのシール機構において、前記伸縮管を金属製のベローズとした。
【0013】
(3) (1)又は(2)記載のロータリーキルンのシール機構において、前記ロータリーキルンを外熱式のロータリーキルンとした。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明による実施形態の好ましい1例について詳細に説明する。
図1〜図5は本発明の実施の形態に係り、図1はロータリーキルンのシール機構の要部断面図である。図2はロータリーキルンに対するシール機構の取付状態を具体的に説明するための概念図であり、図3はシール機構の構造を説明するために一部を切り欠いた状態を斜視的に図示した説明図である。図4はロータリーキルンに使用したシール機構配置の1例を説明する配置図であり、図5は外熱式のロータリーキルンに使用したシール機構配置の1例を説明する配置図である。図6は従来構造のロータリーキルンのシール機構を説明するための要部断面図である。
【0015】
以下、ロータリーキルンの構造とシール機構1の配置を、図4及び図5を用いて簡単に説明する。
図4に示したロータリーキルン100は、入口側のハウジング211、出口側のハウジング201、回転筒250、回転支持装置217等を備えており、回転筒250は、その両端をハウジング201及びハウジング211に挿入された状態で、回転支持装置217より回転駆動される構造となっている。
そして、ハウジング211側から投入された原料は、回転筒250の回転によって出口側に移動しながら、出口側ハウジング201に配したバーナにより回転筒250に吹き込まれる加熱ガスによって焼成されて、排出される。
図4に示したようなロータリーキルン100は、回転筒の回転部分と固定部材であるハウジング201、211との間にロータリーキルンのシール機構1を配設している。
【0016】
図5に示したロータリーキルン101は、外熱式ロータリーキルン101と呼ばれるものであって、前述したロータリーキルン100とは異なって、バーナによって加熱した加熱ガスを直接原料に接触させず、原料を加熱焼成する構造である。 図5に示した外熱式のロータリーキルン101は、回転筒250と固定部材であるハウジング201、211との間、及び回転筒250と環状加熱炉と間にシール機構1を配設している。
【0017】
次に、シール機構1の構成の好ましい1例について説明する。
図1に示したシール機構1は、大きく分けて、ハウジング201側に連結したシール部材と、回転筒側に連結したシール部材とからなっている。
回転筒250側に配したシール部材は、回転筒250の回転軸線に対して直交するシール面をその両面に備えた環状のシールリング7(第1のシールリング7と称することもある)であって、該シールリング7を回転筒外周面に仕切板のようにして突設している。
シールリング7は、円環状に形成した鋼板の両面を、簡単に研磨して面粗度を向上させたものであり、回転筒250に溶接して連結する、又は回転筒250に溶接した固定部に図示しない取付けボルトにより連結した。
【0018】
また、図1及び図2に示したようにハウジング201の一端には回転筒250の外周を覆うように第1の伸縮管22(本実施形態においては金属製ベローズ)を取りつけて、第1の伸縮管22のハウジング201取付側と反対側にフランジ20及びフランジ21を介して、シールリング3(第2のシールリング3と称することもある)の取付座4を配している。なお、シールリング3は、円環状に形成した銅合金板の両面を、簡単に研磨して面粗度を向上させたものである。
【0019】
また、本実施形態においては、前述したシールリング3,7等のメンテナンスや交換などが実施しやすい好ましい構成とするために、第1の伸縮管22の一端にフランジ20を溶接して取付けるとともに、取付座4の1端にフランジ21を溶接して取付けることによって、フランジ20とフランジ21を図示しないボルトで連結する構成として第1の伸縮管22と取付座4が自在に着脱できるようにしたが、本発明に適用できる構成はこれに限るものではなく、フランジ等を介すことなく溶接して、第1の伸縮管22に取付座4を直接連結しても勿論良い。
【0020】
また、本実施形態においては、耐熱性に優れた好ましい構成とするために第1の伸縮管22として金属製ベローズを使用したが、これに限るものではなく、高い耐熱温度を要求されない場合などにおいて、布性のベローズ、あるいは樹脂性の伸縮管等といった伸縮できる筒
状の素材を使用しても良い。
【0021】
本実施形態において使用した取付座4は、環状に湾曲させたL字型の鋼材を図1にその断面を示したような構造で、2個突き合わせて図示しないボルトで連結することによって、回転筒側に向かって開口する形状として、該開口した部分に第1のシールリング7が配されるように設置した。
なお、本実施形態においては、シールリング及び後述する付勢機10のメンテナンスや交換などが実施しやすい好ましい構成とするために、取付座4を2分割として分割できるよう構成して、自在に着脱できるようにしたが、本発明に適用できる構成はこれに限るものではなく、2分割以上の分割構造であっても、一体構造であっても良い。
【0022】
そして、第2のシールリング3を第1のシールリングを両側から挟みこむようにして2枚配置し、第2のシールリング3を付勢部材である付勢機10を介して取付座4に連結する。そして、付勢部材の押力により、2枚のシールリング3が第1のシールリング7のシール面を両側から挟みこむことによりシール部を形成する。回転筒250が回転することによって、第1のシールリングは従動して回転するが、該回転の際においては2枚のシールリング3が第1のシールリング7のシール面を両側から挟みこんだ状態となっており、シール面同士が互いに摺動しながら当接してシール部を形成しているので、回転部材と固定部材との間を気密に連結することができる。
【0023】
付勢部材である付勢機10は、図1に詳細な構造を示すように、押付リング17、第2の伸縮管15、コイルバネ12、押付ボルト11を備えて、複数個のコイルバネ12の弾性力によって押付リング17を第2のシールリング7に押圧することによって、第2シールリング3を第1のシールリングに押しつけることができるように構成されている。
【0024】
さらに、本実施形態においてコイルバネ12の圧縮量は、コイルバネ12の一端に配した押付ボルト11の前後進によって自在に調整することができるように構成されており、さらに取付座4と第2のシールリング3との間に第2の伸縮管15(本実施形態においては金属製ベローズ)を配して、該取付座と該第2のシールリングとの間を気密に連結している。
【0025】
なお、本実施形態においては、前記構成により付勢部材としての付勢機10を構成したが、付勢機10の構成はこれに限るものではなく、取付座4と第2のシールリング3との間の気密を保った状態で、第2のシールリング3を第1のシールリングに押しつける構造のものであれば良く、例えば押付リング17を介せずコイルバネ12で直接第2のシールリング3を押圧する構成であっても良く、またコイルバネ12の代わりとして、例えば皿バネ等を用いて第2のシールリング3を押圧する構成であっても良い。
【0026】
また、本実施形態においては取付座4と第2のシールリング3との間に耐熱性の点において好ましい金属製ベローズを第2の伸縮管15として配することによって、取付座4と第2のシールリング3との間を気密に連結してハウジング201で加熱されたガスがシール機構1を抜けて外部に出ないような構成としているがこれに限るものではなく、高い耐熱温度を要求されない場合などにおいて、布性のベローズ、あるいは樹脂性の伸縮管等、伸縮できる筒状の素材を使用しても良い。さらに、取付座4に穿孔した穴に押付リング17の一部が摺動自在に嵌合する構成として、該嵌合部によって該取付座と該第2のシールリングとの間を気密に連結する構成としても良い。
【0027】
そして、前述した本発明の好ましい1実施の形態によれば、例え回転筒250が変形をおこして第1のシールリング7のシール面が傾いたとしても、第1の伸縮管22の伸縮状態が容易に変化して、取付座4の全体の傾きが第1のシールリング7の傾きに合わせて変化することによって、常に良好な状態でシール面同士が当接して摺動する。従って、常に良好なシールが可能であって、前述した従来技術の問題点であるシール不良を生じにくい。
【0028】
また、回転筒250が加熱冷却によりその長さを変化させたとしても、該長さの変化は、第1の伸縮管22で吸収されるために、コイルバネ12の圧縮量が変化することがほとんどない。従って、回転筒250等が加熱冷却によりその長さを変化させた場合に発生するシール面圧の変化という問題の発生を防止して、ロータリーキルンの運転開始時から終了時まで、例えロータリーキルンが若干たわんで曲がるなどの変形を起こしても、確実にシールすることができる。
【0029】
さらに、本実施形態は、第1の伸縮管22と取付座4の間を着脱自在としたこと、また取付座4を分割構造として着脱自在としたこと、によって付勢機10やシールリング等、のメンテナンス、点検、交換などが実施しやすいという点で特に好ましい。
【0030】
また、シール機構を多用しなければならない外熱式ロータリーキルンに本発明を適用することは極めて効果的である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本願第1の発明のシール機構によれば、運転時の熱の影響によりロータリーキルンの一部がたわむ等の変形をすることによって、第1のシールリングのシール面が傾いたとしても、固定部材に取付座を連結する第1の伸縮管が容易に変形して、該取付座全体の傾きを第1のシールリングの傾きに合わせて変化させるので、第1のシールリングと第2のシールリングの傾きは常に一定であって、良好に当接して摺動することができる。従って、第1シールリングのシール面が傾いたとしても、良好なシールが可能である。
【0032】
また、加熱冷却により回転部材と固定部材の寸法が変化したとしても、該寸法の変化を、伸縮管で吸収することによって、付勢部材の圧縮量が変化することがない。従って、ロータリーキルンの運転開始時から終了時まで、例えロータリーキルンが若干たわんで曲がるなどの変形しても、確実にシールすることができる。
【0033】
前記第1の発明において、さらに取付座と第2のシールリングとの間に第2の伸縮管を配すれば、非常に簡単な構成で、効果的に該取付座と該第2のシールリングとの間を気密に連結することができ、また前記第2の伸縮管を金属製ベローズとすれば、高い耐熱性を有するシール機構とすることができる。
【0034】
特に、シール機構を多用しなければならない外熱式ロータリーキルンに上記した発明を適用することは極めて効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るロータリーキルンのシール機構の要部断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るロータリーキルンに対するシール機構の取付状態を具体的に説明するための概念図である。
【図3】シール機構の構造を説明するために一部を切り欠いた状態を斜視的に図示した説明図である。
【図4】ロータリーキルンに使用したシール機構配置の1例を説明する配置図である。
【図5】外熱式のロータリーキルンに使用したシール機構配置の1例を説明する配置図である。
【図6】従来のロータリーキルンのシール機構を説明するための要部断面図である。
【符号の説明】
1 シール機構
3 第2のシールリング
4 取付座
7 第1のシールリング
10 付勢機
11 押付ボルト
12 コイルバネ
15 伸縮管
20 フランジ
21 フランジ
22 伸縮管
17 押付リング
100 ロータリーキルン
201 ハウジング
211 ハウジング
250 回転筒

Claims (3)

  1. ロータリーキルンの回転部材と固定部材との間に配設したロータリーキルンのシール機構において、該回転部材の外周に設けられて該回転部材の回転軸線に略直交するシール面をその両面に備えた第1のシールリングと、該固定部材から第1の伸縮管を介して取付けられた取付座に付勢部材を介して連結された第2のシールリングとを備えて、第1のシールリングを両側から挟みこむようにして第2のシールリングを2枚配置するとともに、該取付座と該第2のシールリングとの間に前記取付座及び第2のシールリングに沿う環状の第2の伸縮管を配して該取付座と該第2のシールリングとの間を気密に連結し、該付勢部材により第2のシールリングを第1のシールリングに押しつけてシール部を形成するロータリーキルンのシール機構。
  2. 前記第2の伸縮管を金属製のベローズとする請求項記載のロータリーキルンのシール機構。
  3. 前記ロータリーキルンを外熱式のロータリーキルンとした請求項1又は請求項2記載のロータリーキルンのシール機構。
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