JP4103254B2 - 電磁負荷の駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両用エンジンの電磁駆動式のインジェクタに設けられるソレノイドなどの電磁負荷について、応答を早めて駆動するめの電磁負荷の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電磁負荷の応答を早めるために、昇圧回路により昇圧され蓄積されたエネルギーを放出する電磁負荷の駆動装置や、電磁負荷の通電遮断時の逆起電力エネルギー(フライバックエネルギー)を回収して利用する電磁負荷の駆動装置が公知である(例えば特公平7−78374号公報、特許第2598595号公報、特開平9−115727号)。
【0003】
この種の電磁負荷の駆動装置としては、電磁駆動式のインジェクタを駆動する装置が知られており、従来技術におけるインジェクタ駆動回路を図3に示す。図3において、インダクタ301、スイッチ302、ダイオード303及びコンデンサ304により昇圧回路が構成されており、スイッチ302のオン/オフに伴いコンデンサ304にはバッテリ電圧+Bよりも高い電圧が充電される。コンデンサ304にはスイッチ305を介してインジェクタ内のソレノイド306の一端が接続され、ソレノイド306の他端はスイッチ307及び抵抗308を介して接地されている。ソレノイド306には、定電流駆動用のスイッチ309が接続されている。スイッチ307のオン時にソレノイド306が通電されると、インジェクタの図示しない弁体が開弁位置に移動する。ソレノイド306のローサイドにはエネルギー回収用のダイオード310が接続されている。駆動用IC311は、各スイッチ302,305,307,309をオン又はオフに制御する。
【0004】
上記インジェクタ駆動回路の動作を図4のタイムチャートに従い説明する。図4には、インジェクタによるメイン噴射と、それに先立って実施されるパイロット噴射とが実施される様子を示す。
【0005】
パイロット噴射に際し、駆動用IC311からの噴射信号に従いスイッチ307がオンすると、それと同時にスイッチ305が一定時間だけオンし、コンデンサ304の充電電圧がソレノイド306に対して放出される。これにより、インジェクタの開弁当初に大電流が流れ、インジェクタの開弁応答性が向上する。コンデンサ304の放電後には、スイッチ302がオン/オフされてコンデンサ304が充電される。その後、抵抗308により検出されるインジェクタ電流に応じてスイッチ309がオン/オフされ、ソレノイド306が定電流駆動される。また、パイロット噴射終了時には、ソレノイド306に発生する逆起電力エネルギーがダイオード310を介してコンデンサ304に回収される。
【0006】
一方、メイン噴射時には同様に、その当初にスイッチ305がオンしてコンデンサ304の充電電圧がソレノイド306に対して放出され、その後、ソレノイド306が定電流駆動される。コンデンサ304の放電後には、スイッチ302がオン/オフされてコンデンサ304が充電される。また、メイン噴射終了時には、ソレノイド306に発生する逆起電力エネルギーがダイオード310を介してコンデンサ304に回収される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図3及び図4で説明した従来技術の場合、以下に示す問題が生じる。すなわち、図4のパイロット噴射時とメイン噴射時とを比べると、各噴射に要する噴射時間が異なる等の理由から、噴射終了時におけるコンデンサ304の充電電圧に差異が生じ(Va<Vb)、その差異により通電遮断時におけるコンデンサ304への逆起電力エネルギーの回収時間が変化する(ta>tbとなり、等しくない)。そのため、インジェクタ駆動電流の減衰量が変化し、インジェクタの閉弁時間(通電遮断時からインジェクタが閉じるまでの応答遅れ時間)にも差異が発生する。従って、エンジン運転状態に対応するインジェクタの開弁時間(燃料噴射時間)に誤差が生じ、エンジンへの燃料噴射量が変動して排ガスの浄化性が悪化する等の問題を招く。
【0008】
上記の通り、電磁負荷の通電遮断時におけるエネルギー回収を利用してコンデンサ等にエネルギーを補充する場合には、回収先のエネルギー蓄積状態が異なると、エネルギー回収時間が変化し、電磁負荷が動作状態から非動作状態へ移行する迄の応答遅れ時間が変化する。それ故、電磁負荷が安定動作しないという問題が生ずる。
【0009】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、通電遮断時に電磁負荷が動作状態から非動作状態へ移行する時間のばらつきを解消し、ひいては電磁負荷を安定して駆動させることができる電磁負荷の駆動装置を提供することである。
【0014】
求項1〜7に記載の発明によれば、負荷駆動用のスイッチング手段のオン/オフに伴い電磁負荷が通電又は通電遮断の状態となる。第1エネルギー蓄積手段には電源エネルギーよりも高いレベルでエネルギーが蓄積される。エネルギー供給手段は、電磁負荷の通電に際し、エネルギー供給用のスイッチング手段をオンし、第1エネルギー蓄積手段の蓄積エネルギーを電磁負荷に供給する。このとき、高いレベルのエネルギー供給により電磁負荷の応答性が向上する。また、電磁負荷の通電遮断時に発生する逆起電力エネルギーは、回収手段にて回収されると共に第2エネルギー蓄積手段に蓄積される。エネルギー放出手段は、エネルギー放出用のスイッチング手段をオンし、次の逆起電力エネルギー回収までに前記第2エネルギー蓄積手段にて蓄積されたエネルギーを所定レベルまで放出させる。
【0015】
上記の通り、次の逆起電力エネルギー回収時、すなわち次の電磁負荷の通電遮断時までに第2エネルギー蓄積手段のエネルギーが所定レベルまで放出されることで、電磁負荷の通電遮断に際し、エネルギー回収に要する時間が均一化される。それ故、通電遮断時には、電磁負荷の通電電流が一定の割合で減衰し、電磁負荷が動作状態から非動作状態に移行するまでの時間のばらつきが解消される。その結果、電磁負荷を安定して駆動させることができる。
また、請求項1,2に記載の発明によれば、第2エネルギー蓄積手段の蓄積エネルギーがエネルギー放出用のスイッチング手段を介して第1エネルギー蓄積手段に効率良く移し替えられるので、結果として次の逆起電力エネルギー回収時、すなわち次の電磁負荷の通電遮断時までに第2エネルギー蓄積手段のエネルギーが所定レベルまで放出され、良好なるエネルギー回収が実現できる。
また、請求項3に記載の発明によれば、エネルギー供給手段による第1エネルギー蓄積手段のエネルギー供給後、電源電圧を昇圧して該第1エネルギー蓄積手段にエネルギーが蓄積され、電磁負荷の通電遮断時には、第1エネルギー蓄積手段のエネルギー蓄積量が、第2エネルギー蓄積手段による逆起電力エネルギー回収後のエネルギー蓄積量よりも大きくなるよう構成される。従って、通電遮断時の逆起電力エネルギーは第1エネルギー蓄積手段ではなく、確実に第2エネルギー蓄積手段だけに回収される。それ故、第2エネルギー蓄積手段は、エネルギー回収専用の蓄積手段としてその機能を十分に果たすこととなる。
【0016】
なおここで、請求項に記載したように、次の逆起電力エネルギー回収までに第2エネルギー蓄積手段にて蓄積された全てのエネルギーを放出させるよう構成してもよい。
【0017】
請求項1,3の発明としてより具体的には、請求項に記載したように、前記第1エネルギー蓄積手段は電源電圧よりも高い電圧レベルのエネルギーを蓄積する第1コンデンサ、前記第2エネルギー蓄積手段は逆起電力エネルギーを蓄積する第2コンデンサであり、前記エネルギー放出手段は、前記第2コンデンサの電圧レベルが次の逆起電力エネルギー回収までに所定の電圧レベルになるよう第2コンデンサを放電させるものであればよい。
【0020】
本発明は、請求項に記載したように、前記エネルギー供給手段による第1エネルギー蓄積手段のエネルギー供給後、電磁負荷に対して電源電圧を供給して通電状態を継続することで、前記エネルギー供給後における電磁負荷の動作状態を持続させることができる。
【0021】
また、請求項に記載したように、電磁負荷を、エンジンに燃料を供給するための燃料噴射用電磁弁のソレノイドとして構成することで、エンジンへの燃料噴射に際し、燃料噴射用電磁弁を好適に制御し、所望の燃料噴射動作を実現することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態は、車載用4気筒ディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射システムとして具体化されるものであり、同燃料噴射システムにおいてコモンレール内で蓄圧された高圧燃料は、インジェクタの駆動に伴いディーゼルエンジンの各気筒に対して噴射供給される。また本実施の形態では、1回の燃焼行程に際して複数回の燃料噴射動作を行わせる多段噴射と、同時に2つのインジェクタを駆動させて各々燃料噴射を行わせる多重噴射とを実施する。
【0023】
因みに、本実施の形態で言う多段噴射としては、メイン噴射に先立つプレ噴射とパイロット噴射、並びにメイン噴射後のアフター噴射がある。ここで、プレ噴射は主に筒内活性化のために実施され、パイロット噴射は主にNOxや燃焼音の低減のために実施される。アフター噴射は主に煤の再燃焼のために実施される。また、多重噴射を実現するためのポスト噴射は、主に触媒活性化のために実施される。つまり、これら各噴射は、排気エミッションの向上を目的として、エンジン運転状態等に応じて適宜実施される。多重噴射に際しては、2つの気筒の燃料噴射が重複し、各気筒のインジェクタが同時に駆動される。例えば第1気筒のメイン噴射途中に第2気筒のポスト噴射が実施される場合などがそれである。
【0024】
図1は、本実施の形態におけるインジェクタ駆動装置を示す電気回路図である。図1の装置は、エンジンの各気筒に対して燃料噴射を行う燃料噴射用電磁弁としてのインジェクタ101,102,103,104と、これらインジェクタ101〜104を駆動する駆動回路(EDU:Electric Driver Unit)100と、この駆動回路100に接続されるECU(電子制御装置)200とを備える。ECU200は、CPU、各種メモリ等からなる周知のマイクロコンピュータを備え、エンジン回転数Ne、アクセル開度ACC、エンジン水温THWなど、各種センサにて検出されるエンジン運転情報に基づき気筒毎に噴射信号を生成して駆動回路100に出力する。
【0025】
インジェクタ101〜104は常閉式の電磁弁にて構成され、電磁負荷としてのソレノイド101a,102a,103a,104aを個々に備える。この場合、各ソレノイド101a〜104aが通電されると、図示しない弁体がリターンスプリングの付勢力に抗して開弁位置に移動し、燃料噴射が行われる。また、各ソレノイド101a〜104aの通電が遮断されると、弁体が元の閉弁位置に戻り、燃料噴射が停止される。
【0026】
本実施の形態では、全4気筒のインジェクタ101〜104を2気筒ずつに分け、インジェクタ101と103を同じ噴射グループとして駆動回路100の共通端子COM1に接続し、インジェクタ102と104を同じ噴射グループとして駆動回路100の共通端子COM2に接続している。なお、同時に駆動されることがないインジェクタで各々の噴射グループを構成することとし、そのグループ分けはどの気筒間で多重噴射を実施させるか等のエンジンの設計仕様によって決定されればよい。また、4気筒以外の、例えば6気筒エンジンの場合には、各気筒のインジェクタを3気筒ずつの噴射グループに分ければよい。
【0027】
バッテリ電源ライン(+B)とGNDとの間には、インダクタL11、トランジスタT13,T14及び電流検出抵抗R00からなる直列回路が設けられている。トランジスタT13のゲート端子には駆動用IC120が接続され、トランジスタT13は駆動用IC120により駆動が制御される。また、トランジスタT14のゲート端子には自励式の発振回路110が接続され、トランジスタT14は発振回路110により駆動が制御される。
【0028】
インダクタL11とトランジスタT13との間には、逆流防止用のダイオードD13を介してコンデンサC10の一端が接続されると共に、逆流防止用のダイオードD23を介してコンデンサC20の一端が接続されている。これらコンデンサC10,C20の他端はトランジスタT14と電流検出抵抗R00との接続点に接続されている。
【0029】
なお、コンデンサC10は、COM1側の噴射グループであるインジェクタ101,103専用のエネルギー蓄積コンデンサであり、コンデンサC20は、COM2側の噴射グループであるインジェクタ102,104専用のエネルギー蓄積コンデンサである。
【0030】
上記インダクタL11、トランジスタT13,T14、電流検出抵抗R00、発振回路110、ダイオードD13,D23及びコンデンサC10,C20によりDC−DCコンバータ回路が構成され、このうち、インダクタL11、トランジスタT13,T14、電流検出抵抗R00及び発振回路110からなる回路部分が本発明の昇圧手段に相当する。
【0031】
トランジスタT13がオンした状態でトランジスタT14がオン/オフされると、ダイオードD13,D23を通じてコンデンサC10,C20が充電される。これにより、各コンデンサC10,C20がバッテリ電圧+Bよりも高い電圧に充電される。かかる場合、電流検出抵抗R00により充電電流がモニタされつつ、発振回路110によりトランジスタT14がオン/オフされることで、コンデンサC10,C20が効率の良い周期で充電される。コンデンサC10,C20の充電電圧は、例えば100Vである。
【0032】
駆動用IC120には、#1〜#4の入力端子が接続され、駆動用IC120はこの各端子を通じてECU200から第1気筒(#1)〜第4気筒(#4)の各噴射信号を取り込む。
【0033】
トランジスタT12,T22は、#1〜#4の噴射信号がオフ(論理ローレベル)からオン(論理ハイレベル)に反転するタイミングで一時的にオンとなり、コンデンサC10,C20の蓄積エネルギーをインジェクタ101〜104に供給するためのトランジスタである。より詳しくは、トランジスタT12はコンデンサC10と共通端子COM1との間に設けられ、駆動用IC120によりトランジスタT12がオンされると、コンデンサC10の蓄積エネルギーがCOM1側のインジェクタ101,103に供給される。また、トランジスタT22はコンデンサC20と共通端子COM2との間に設けられ、駆動用IC120によりトランジスタT22がオンされると、コンデンサC20の蓄積エネルギーがCOM2側のインジェクタ102,104に供給される。こうしたコンデンサC10,C20のエネルギー供給により、インジェクタの駆動電流として大電流が流れ、それに伴いインジェクタの開弁応答性が向上する。
【0034】
各インジェクタ101〜104のローサイドには、駆動回路100の端子INJ1,INJ2,INJ3,INJ4を介してトランジスタT10,T20,T30,T40が接続されており、駆動用IC120から#1〜#4の噴射信号が各々供給されると、その論理ハイレベルの噴射信号により当該トランジスタT10〜T40がオンとなる。トランジスタT10,T30とトランジスタT20,T40とは、各々同一の噴射グループを構成するものであり、それら各トランジスタはグループ毎に電流検出抵抗R10,R20を介して接地されている。電流検出抵抗R10,R20によりインジェクタ101〜104に流れる駆動電流が検出され、その検出結果が駆動用IC120に取り込まれる。
【0035】
COM1,COM2端子はそれぞれ、ダイオードD11,D21とトランジスタT11,T21とを介してバッテリ電源ライン(+B)に接続されている。かかる場合、駆動用IC120は、インジェクタ101〜104に流れる駆動電流に応じてトランジスタT11,T21をオン/オフ制御する。これにより、+Bからインジェクタ101〜104に定電流が供給される。ダイオードD12,D22は定電流制御のための帰還ダイオードであり、トランジスタT11,T21のオフ時にインジェクタ101〜104に流れる電流はダイオードD12,D22を介して還流される。
【0036】
実際の動作に際しては、駆動指令である噴射信号の立ち上がりと同時に先ずトランジスタT12又はT22がオンされ、インジェクタ101〜104の駆動電流としてコンデンサC10,C20のエネルギー供給により大電流が流れた後、引き続き、トランジスタT11又はT21を通じて定電流が流れ、噴射信号の立ち下がりに伴い同駆動電流が遮断される。なお、ダイオードD11,D21は、コンデンサC10,C20のエネルギー供給に際し、高電位となるCOM1,COM2端子から+B側への回り込みを防止するためのダイオードである。
【0037】
また、各インジェクタ101〜104には各々、ダイオードD10,D20,D30,D40のアノードが接続され、これら各ダイオードD10〜D40のカソードは接続点Pに接続されている。接続点Pは、ダイオードD31を介してコンデンサC10に接続されると共に、ダイオードD41を介してコンデンサC20に接続される一方、コンデンサC30の一端にも接続されている。コンデンサC30の他端は、DC−DCコンバータ回路のトランジスタT13とT14の間に接続されている。
【0038】
従って、通電遮断に際し、トランジスタT13をオフ、トランジスタT14をオン状態とすることで、各インジェクタ101〜104に発生する逆起電力エネルギーがダイオードD10〜D40を介してコンデンサC30に回収される。そして、コンデンサC30に蓄積されたエネルギーは、DC−DCコンバータ回路による昇圧動作に際し、トランジスタT13をオン、トランジスタT14をオン/オフ制御することで、ダイオードD31,D41を介してコンデンサC10,C20に移し替えられる。
【0039】
なお本実施の形態では、コンデンサC10,C20が本発明の第1エネルギー蓄積手段に相当し、コンデンサC30が第2エネルギー蓄積手段に相当する。また、トランジスタT10〜T40が負荷駆動用のスイッチング手段に、トランジスタT12,T22がエネルギー供給用のスイッチング手段に、トランジスタT14がエネルギー放出用のスイッチング手段に相当する。更に、ダイオードD10〜D40が回収手段に相当し、駆動用IC120がエネルギー供給手段及びエネルギー放出手段に相当する。
【0040】
次に、本実施の形態における作用を図2のタイムチャートを用いて説明する。図2中、「#1」は第1気筒の噴射信号を示し、期間t1ではパイロット噴射が、期間t2ではメイン噴射がそれぞれ実施される。
【0041】
さて、図2のパイロット噴射前において、コンデンサC10は満充電の状態にあり、期間t1で#1の噴射信号がオンに立ち上げられると、トランジスタT10がオンすると共に、それと同時にトランジスタT12が一定時間t11だけオンし、コンデンサC10の蓄積エネルギーがインジェクタ101のソレノイド101aに供給される。これにより、パイロット噴射の開始当初において、ソレノイド101aに大電流が流れ、インジェクタ101の開弁応答が早まる。
【0042】
コンデンサC10によるエネルギー供給後は、それに引き続き、電流検出抵抗R10により検出した駆動電流(INJ1電流)に応じてトランジスタT11がオン/オフ制御され、ダイオードD11を介してソレノイド101aに定電流が供給される。これにより、インジェクタ101は開弁状態で保持される。
【0043】
パイロット噴射の開始から所定時間t12が経過すると、トランジスタT14のオン/オフが始まり、DC−DCコンバータ回路によるコンデンサC10の充電が開始される。
【0044】
その後、#1の噴射信号がオフされると、トランジスタT10がオフする。このとき、トランジスタT13がオフに転じると共に、トランジスタT14がオン状態で保持されるため、DC−DCコンバータ回路によるコンデンサC10の充電が一時的に禁止される。ソレノイド101aの通電遮断時に発生する逆起電力エネルギーはダイオードD10を通じてコンデンサC30に回収され、蓄積される。つまり、このエネルギー回収時には、DC−DCコンバータ回路によりコンデンサC10,C20が一定電圧以上に充電されており、その充電電圧はコンデンサC30のエネルギー回収後の充電電圧よりも高い。従って、通電遮断時の逆起電力エネルギーは、コンデンサC10,C20ではなく、コンデンサC30に回収されることとなる。なお、コンデンサC30の容量はコンデンサC10,C20の容量に比べて小さくして構成してもよい。
【0045】
ソレノイド101aの通電遮断後、インジェクタの駆動電流(INJ1電流)がリターンスプリングの付勢力に打ち負ける所定の閉弁レベルまで減衰すると、インジェクタ101が閉弁し、同インジェクタ101によるパイロット噴射が終了される。
【0046】
そしてその後、所定時間t13が経過すると、トランジスタT13がオンに転じると共に、トランジスタT14がオン/オフしてDC−DCコンバータ回路によるコンデンサC10の充電が開始される。このとき、トランジスタT13がオン、トランジスタT14がオン/オフとなることで、コンデンサC30の負電位側がコンデンサC10,C20と同電位となり、コンデンサC30に回収したエネルギーがコンデンサC10又はC20に移し替えられる。そのため、コンデンサC30のエネルギー蓄積量がゼロに戻ると共に、そのタイミングでコンデンサC10の電位が上昇する(図2のt14)。
【0047】
それ以降、期間t2のメイン噴射においても同様の動作が行われる。すなわち、#1の噴射信号がオンとなるメイン噴射の開始当初においてコンデンサC10の蓄積エネルギーがソレノイド101aに供給され、それに引き続いて、ソレノイド101aが定電流駆動される。その後、#1の噴射信号がオフされてINJ1電流が減衰すると、インジェクタ101によるメイン噴射が終了される。このとき、ソレノイド101aの通電遮断時に発生する逆起電力エネルギーがダイオードD10を通じてコンデンサC30に回収され、蓄積される。そしてその後、DC−DCコンバータ回路によるコンデンサC10の充電開始に伴い、コンデンサC30に回収したエネルギーがコンデンサC10又はC20に移し替えられる。そのため、コンデンサC30のエネルギー蓄積量がゼロに戻ると共に、そのタイミングでコンデンサC10の電位が上昇する。
【0048】
コンデンサ30の逆起電力エネルギー回収時には、回収先のコンデンサC30の充電電圧が常にゼロとなるため、エネルギー回収時間が均一となり、インジェクタ101の駆動電流が一定の割合で減衰する。従って、例えば上記パイロット噴射とメイン噴射とを比べた場合、通電遮断時におけるインジェクタ101の閉弁時間が一致し、燃料噴射量のばらつきが解消される。
【0049】
また、図示は省略するが、他の気筒についても同様に、通電遮断時の逆起電力エネルギーがコンデンサC30にて回収される。この場合にも、逆起電力エネルギーの回収時には、その回収先となるコンデンサC30の充電電圧がゼロになっているので、エネルギー回収時間が均一化される。
【0050】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(イ)エネルギー回収専用のコンデンサC30を設け、次の逆起電力エネルギー回収までに、コンデンサC30にて蓄積された全てのエネルギーを放出させるので、インジェクタ101〜104が閉弁状態になるまでの時間のばらつきが解消される。その結果、インジェクタ101〜104の噴射切れのタイミングがずれることがなく、同インジェクタ101〜104を安定して駆動させることができる。
【0051】
(ロ)コンデンサC30の蓄積エネルギーが、DC−DCコンバータ回路による昇圧動作時にダイオードD31,D41を介してコンデンサC10,C20に効率良く移し替えられるので、結果として良好なるエネルギー回収が実現できる。
【0052】
(ハ)コンデンサC10,C20のエネルギー供給後、DC−DCコンバータ回路により該コンデンサC10,C20にエネルギーが蓄積され、インジェクタの通電遮断時には、コンデンサC10,C20のエネルギー蓄積量が、コンデンサC30による逆起電力エネルギー回収後のエネルギー蓄積量よりも大きくなるよう構成される。従って、通電遮断時の逆起電力エネルギーは確実にコンデンサC30に回収される。それ故、コンデンサC30は、エネルギー回収専用の蓄積手段としてその機能を十分に果たすこととなる。
【0053】
(ニ)インジェクタ101〜104のソレノイド101a〜104aを好適に駆動させることができる本インジェクタ駆動装置によれば、エンジンに対して安定し且つ高精度な燃料供給が実現できる。それ故に、燃料噴射量の制御精度が向上し、排ガスの浄化性能や車両の乗り心地が改善される。
【0054】
なお本発明は、上記以外に次の形態にて具体化できる。
上記実施の形態では、次の逆起電力エネルギー回収までにコンデンサC30にて蓄積された全てのエネルギーを放出させることとしたが、この構成を変更し、コンデンサC30のエネルギーを所定レベルまで放出させるようにしてもよい。かかる場合にも、通電遮断時におけるエネルギー回収に要する時間が均一化され、インジェクタの閉弁時間のばらつきが解消されることに変わりない。
【0055】
上記実施の形態では、コンデンサC10,C20からのエネルギー供給後、トランジスタT11,T21をオン/オフ制御してソレノイド101a〜104aを定電流駆動したが、この構成を変更する。つまり、コンデンサC10,C20からのエネルギー供給後は、バッテリ電圧によりソレノイド101a〜104aを直接駆動するようにしてもよい。
【0056】
上記実施の形態では、ディーゼルエンジンの全4気筒を2つの噴射グループに分け、多重噴射を行う構成としたが、多重噴射を実施しないインジェクタ駆動装置への適用も可能である。この場合、ソレノイドへの通電開始当初にエネルギー供給を行うためのコンデンサを1個にしてもよい。また、コスト等の制約がなければ、ソレノイドへの通電開始当初にエネルギー供給を行うためのコンデンサ(第1エネルギー蓄積手段)と、通電遮断時の逆起電力エネルギーを回収するためのコンデンサ(第2エネルギー蓄積手段)とを気筒数分設けてもよい。
【0057】
上記実施の形態では、本発明をディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射システムに具体化したが、他の装置への適用も可能である。例えば、分配型燃料噴射ポンプを用いて構成され、同ポンプにて高圧化された燃料がエンジンに噴射供給されるディーゼルエンジンの燃料噴射システムや、高圧燃料がエンジンの各気筒に直接噴射される直噴式ガソリンエンジンの燃料噴射システムに具体化する。何れにしても、エネルギー供給用に設けられたコンデンサの蓄積エネルギーが、電磁スピル弁やインジェクタといった燃料噴射用電磁弁のソレノイドに供給され、それら各電磁弁がその通電開始当初に高速に駆動される。また、エネルギー回収用に設けられたコンデンサは、次回の通電遮断時までに蓄積エネルギーが所定レベルまで放出され、通電遮断時における逆起電力エネルギーの回収時間が均一化される。これにより、上記各電磁弁が安定して駆動される。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるインジェクタ駆動装置の概要を示す電気回路図。
【図2】インジェクタ駆動装置の動作説明のためのタイムチャート。
【図3】従来技術におけるインジェクタ駆動回路の電気回路図。
【図4】動作説明のためのタイムチャート。
【符号の説明】
100…駆動回路、101〜104…燃料噴射用電磁弁としてのインジェクタ、101a〜104a…電磁負荷としてのソレノイド、110…発振回路、120…エネルギー供給手段及びエネルギー放出手段としての駆動用IC、C10,C20…第1エネルギー蓄積手段(第1コンデンサ)としてのコンデンサ、C30…第2エネルギー蓄積手段(第2コンデンサ)としてのコンデンサ、D10〜D40…回収手段としてのダイオード、T10〜T40…負荷駆動用のスイッチング手段としてのトランジスタ、T12,T22…エネルギー供給用のスイッチング手段としてのトランジスタ、T14…エネルギー放出用のスイッチング手段としてのトランジスタ、L11…インダクタ、T00…トランジスタ、R00…電流検出抵抗。

Claims (7)

  1. 電磁負荷と、電磁負荷に接続された負荷駆動用のスイッチング手段とを備え、該スイッチング手段をオン/オフして電磁負荷への通電を制御する電磁負荷の駆動装置において、
    電源エネルギーよりも高いレベルでエネルギーを蓄積する第1エネルギー蓄積手段と、
    前記第1エネルギー蓄積手段と電磁負荷との間に設けられるエネルギー供給用のスイッチング手段と、
    電磁負荷の通電遮断時に発生する逆起電力エネルギーを回収させる回収手段と、
    前記回収手段にて回収させた逆起電力エネルギーを蓄積する第2エネルギー蓄積手段と、
    前記第2エネルギー蓄積手段に接続されるエネルギー放出用のスイッチング手段と、
    前記負荷駆動用のスイッチング手段による電磁負荷の通電に際し、前記エネルギー供給用のスイッチング手段をオンして前記第1エネルギー蓄積手段にて蓄積されたエネルギーを電磁負荷に供給するエネルギー供給手段と、
    前記エネルギー放出用のスイッチング手段をオンし、次の逆起電力エネルギー回収までに前記第2エネルギー蓄積手段にて蓄積されたエネルギーを所定レベルまで放出させるエネルギー放出手段と、
    を備え
    前記第2エネルギー蓄積手段は、前記エネルギー放出用のスイッチング手段を介して前記第1エネルギー蓄積手段に接続され、
    前記エネルギー放出手段は、エネルギー放出用のスイッチング手段の駆動に伴い第2エネルギー蓄積手段の蓄積エネルギーを第1エネルギー蓄積手段に移し替えることを特徴とする電磁負荷の駆動装置。
  2. 請求項1に記載の電磁負荷の駆動装置において、
    電源に接続され、電源電圧を昇圧する昇圧手段を備え、
    前記エネルギー放出手段は、前記昇圧手段により電源電圧を昇圧したエネルギーを第1エネルギー蓄積手段に蓄積する時に、第2エネルギー蓄積手段の蓄積エネルギーを第1エネルギー蓄積手段に移し替える電磁負荷の駆動装置。
  3. 電磁負荷と、電磁負荷に接続された負荷駆動用のスイッチング手段とを備え、該スイッチング手段をオン/オフして電磁負荷への通電を制御する電磁負荷の駆動装置において、
    電源エネルギーよりも高いレベルでエネルギーを蓄積する第1エネルギー蓄積手段と、
    前記第1エネルギー蓄積手段と電磁負荷との間に設けられるエネルギー供給用のスイッチング手段と、
    電磁負荷の通電遮断時に発生する逆起電力エネルギーを回収させる回収手段と、
    前記回収手段にて回収させた逆起電力エネルギーを蓄積する第2エネルギー蓄積手段と、
    前記第2エネルギー蓄積手段に接続されるエネルギー放出用のスイッチング手段と、
    前記負荷駆動用のスイッチング手段による電磁負荷の通電に際し、前記エネルギー供給用のスイッチング手段をオンして前記第1エネルギー蓄積手段にて蓄積されたエネルギーを電磁負荷に供給するエネルギー供給手段と、
    前記エネルギー放出用のスイッチング手段をオンし、次の逆起電力エネルギー回収までに前記第2エネルギー蓄積手段にて蓄積されたエネルギーを所定レベルまで放出させるエネルギー放出手段と、
    を備え、
    前記エネルギー供給手段による第1エネルギー蓄積手段のエネルギー供給後、電源電圧を昇圧して該第1エネルギー蓄積手段にエネルギーを蓄積させ、電磁負荷の通電遮断時における第1エネルギー蓄積手段のエネルギー蓄積量を、前記第2エネルギー蓄積手段による逆起電力エネルギー回収後のエネルギー蓄積量よりも大きくする電磁負荷の駆動装置。
  4. 前記エネルギー放出手段は、次の逆起電力エネルギー回収までに前記第 2エネルギー蓄積手段にて蓄積された全てのエネルギーを放出させる請求項1又は3に記載の電磁負荷の駆動装置。
  5. 前記第1エネルギー蓄積手段は電源電圧よりも高い電圧レベルのエネルギーを蓄積する第1コンデンサ、前記第2エネルギー蓄積手段は逆起電力エネルギーを蓄積する第2コンデンサであり、
    前記エネルギー放出手段は、前記第2コンデンサの電圧レベルが次の逆起電力エネルギー回収までに所定の電圧レベルになるよう第2コンデンサを放電させる請求項1又は3に記載の電磁負荷の駆動装置。
  6. 前記エネルギー供給手段による第1エネルギー蓄積手段のエネルギー供給後、電磁負荷に対して電源電圧を供給して通電状態を継続する請求項1又は3に記載の電磁負荷の駆動装置。
  7. 電磁負荷は、エンジンに燃料を供給するための燃料噴射用電磁弁のソレノイドである請求項1〜6の何れかに記載の電磁負荷の駆動装置
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