JP4112260B2 - 光通信システムの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1本の光ファイバと、この光ファイバの両端にそれぞれ設けられたモジュールを備え、各モジュールが光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一芯全二重双方向通信の家庭内での応用が提案されている。
図10は、家庭における一芯全二重双方向通信の応用例を示す概念図である。この応用例では、TV、PC等の電化製品が一芯全二重双方向通信可能な光ファイバ10を利用して互いに接続されており、これにより家庭内マルチメディアネットワークが構築されている。また、家庭内マルチメディアネットワークは、ゲートウェイ等を介して外部のネットワークと接続されている。
【0003】
2000年度にはデジタル放送が開始され、さらにあと数年するとFTTH(ファイバツーザホーム)が一般家庭へ接続されることがごく普通になる。FTTHに対応するためには、上記家庭内の光ファイバに最大100Mbpsの伝送容量が要求される。また、デジタル放送に対応するためにも、ほぼ同程度の容量が要求される。さらに、ネットワーク型ゲーム機やデジタル動画編集機等による通信も上記家庭内の光ファイバを介して行われるようになる。
【0004】
このように、高画質の動画伝送を中心とした通信を実現するために、家庭内の通信には数100Mbpsの伝送容量を有し、誤りの少ない高品質の伝送方式が要求される。
【0005】
このような伝送方式の1つとしてIEEE1394による家庭内ネットワークが注目されてきている。IEEE1394は、長距離伝送および非常に低い誤り率(BER(ビット誤り率、ビットエラーレート)で10-12未満)をサポートしており、家庭内マルチメディアネットワークにとって非常に優れた方式であると考えられている。長距離伝送の媒体としては、マルチモードの石英ファイバとPOF(Plastic Optical Fiber)が考えられているが、中でもPOFは口径が大きい故に接続が容易で使いやすい特徴を備えている。
【0006】
ところで、一芯全二重双方向通信の実現のために、それに用いられる各部材の様々な構造が提案されている。例えば、特開平11−237535号公報(文献1)には、光送受信を行う場合の光クロストークの発生を防ぐことができる光送受信装置の構造が開示されている。
【0007】
図11は、上記公報に開示されている光送受信装置100の概略構成を示す斜視図である。この光送受信装置100は、第1信号光(レーザ光)s1を出射するレーザ発光源101と、光ファイバ111の端面111aから出射する第2信号光s2の出射方向とは異なる方向から第1信号光s1を光ファイバ111の端面111aに対して入射させる光学装置102と、光ファイバ111の端面111aから出射する第2信号光s2を受光するフォトダイオード103とを有している。そして、この光送受信装置100では、第1信号光s1を光ファイバ111の端面111aに入射させた際に第1信号光s1が光ファイバ111の端面111aで反射することで生じる反射光s3が到達する領域外に、フォトダイオード103を配置する構造を採用し、これによって近端反射光雑音による光クロストークの防止を図っている。
【0008】
また、IEEE1394のサポートする長距離伝送および低誤り率を実現するための、受信光と光クロストークとの比(光クロストーク比)に関する条件の検証もなされている。例えば、日経エレクトロニクス2000.12.4(no.784)号の167頁〜176頁「10mをIEEE1394でつなぐ光伝送技術『OP i.LINK』」(文献2)には、一芯のPOFによる全二重通信を行う場合の光クロストークの規定がモデル化されている。
【0009】
これによると、上記BER<10-12を満足するためには、受信光の振幅がガウシアン雑音の分散に対して19倍以上であることが必要であり、この関係をもとにシミュレーションや実験のデータ解析を行った結果、光クロストークの振幅が受信光の振幅に対して1/4以下、すなわち、光クロストーク比が6.0dB以上となることが必要であるとされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一芯全二重双方向通信方式では、上記文献1にて考慮されている近端反射による光クロストークだけではなく、遠端反射による光クロストークもノイズ(光クロストークノイズ)となって現れる。したがって、遠端反射による光クロストークノイズをも抑える必要がある。これは、一芯全二重双方向通信方式に特有の課題であり、二芯ファイバを用いて全二重双方向通信を行った場合には考慮しなくてもよい課題である。
【0011】
しかし、上記文献1では、光ファイバ111の端面111aにおいて発生する第1信号光s1の光クロストークに関しては記載されているが、光ファイバ111の出射端や相手モジュールで発生する反射戻り光による光クロストークに関しては考慮されていない。
【0012】
したがって、上記文献1に開示された技術に基づいたとしても、必ずしも所望とする範囲までビット誤り率を低減することはできない。
【0013】
また、上記文献2では、光ファイバの出射端や相手モジュールで発生する反射戻り光による光クロストークに関しても記載されているが、各種パラメータに対する許容光クロストーク量が一律に規定されているのみである。
【0014】
したがって、上記文献2に開示された条件に基づいて光通信システムを構成しようとした場合、各部材の光学系等の設計に要求される条件が厳しくなり、その結果、光通信システムのコストアップを招来することになる。
【0015】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造上の自由度を上げて低コストの光通信システムを製造することができる、光通信システムの製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光通信システムの製造方法は、1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法であって、上記第2モジュールからの出射光に関する上記第1モジュールと上記光ファイバの上記第1モジュール側端面とにおける反射率である遠端反射率をFR_、上記第1モジュールの上記光ファイバへの結合光出力をS1_、上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最大値をSmax、上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最小値をPTmin、上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最大値をPTmax、上記第2モジュールから、上記光ファイバへの結合光出力が上記Smaxとなる出射光が出射されたときに、上記光ファイバの上記第2モジュール側端面および上記第2モジュール内で発生する上記出射光の迷光成分が上記第2モジュールで受光される光量の上記Smaxに対する割合をNR、上記光ファイバからの出射光の上記第2モジュールへの最小受信効率をRmin、上記第2モジュールで受信した光信号を電気信号に変換するためのアンプにおけるノイズの光量換算値をNamp、上記アンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率をIO、上記第2モジュールにおいて上記第2モジュールからの出射光による上記第2モジュールへの反射戻り光がないと仮定した場合に、上記光通信システムにおいてビットエラーレートが許容される上限値となるときに上記第2モジュールで受信する光信号の光量の上記Nampに対する比率をXとしたときに、上記光ファイバからの出射光の上記第1モジュールへの受信効率に基づいて上記光ファイバに対する上記第1モジュールの配置を決定し、その配置における上記FR_の値に応じて、数式5を満たすように上記S1_を設定することを特徴としている。
【0017】
【数5】
【0018】
上記の方法では、光ファイバからの出射光の第1モジュールへの受信効率を優先的に考えて光ファイバに対する第1モジュールの配置を決定することができる。したがって、第1モジュールでの受信効率が悪化することを避けることができる。ここで、第1モジュール側における受信効率と遠端反射率FR_とはトレードオフの関係にあり、受信効率を向上させると遠端反射率FR_が高くなる傾向にある。そして、第1モジュール側における遠端反射率FR_が高くなると、第2モジュールでのアイ開口率に悪影響を与えることになる。
【0019】
そこで、上記の方法では、遠端反射率FR_に応じて数式5を満たすように第1モジュールの光ファイバへの結合光出力S1_を設定する。これにより、第2モジュールのアンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率を満たすようにできる。
【0020】
ここで、第1モジュール側における受信効率を優先的に考えたのは次の理由による。すなわち、本願出願人は、受信側のアイ開口率を向上するためには、受信側の受信効率の方が送信側の遠端反射率より大きく影響することを見出した。したがって、第1モジュール側における受信効率を優先的に考えてこれを高くするように第1モジュールを配置しておくと、第1モジュール側のアイ開口率の向上を図る際の条件がより緩やかになる。このことから、送信側(ここでは第1モジュール側)における受信効率を優先的に考えて送信側の配置を決定する方が全体としてより緩やかな条件で光通信システムを製造することができるようになる。
【0021】
このように、アイ開口率の向上に大きく影響する条件を優先的に決定していくことで、製造上の自由度を上げて低コストの光通信システムを製造することができるようになる。
【0022】
本発明に係る光通信システムの製造方法は、1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法であって、上記第2モジュールからの出射光に関する上記第1モジュールと上記光ファイバの上記第1モジュール側端面とにおける反射率である遠端反射率をFR_、上記第1モジュールに採用し得る同一種類のモジュールの群における各モジュールの上記光ファイバへの結合光出力のバラツキの最小値をS1min_、上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最大値をSmax、上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最小値をPTmin、上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最大値をPTmax、上記第2モジュールから、上記光ファイバへの結合光出力が上記Smaxとなる出射光が出射されたときに、上記光ファイバの上記第2モジュール側端面および上記第2モジュール内で発生する上記出射光の迷光成分が上記第2モジュールで受光される光量の上記Smaxに対する割合をNR、上記光ファイバからの出射光の上記第2モジュールへの最小受信効率をRmin、上記第2モジュールで受信した光信号を電気信号に変換するためのアンプにおけるノイズの光量換算値をNamp、上記アンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率をIO、上記第2モジュールにおいて上記第2モジュールからの出射光による上記第2モジュールへの反射戻り光がないと仮定した場合に、上記光通信システムにおいてビットエラーレートが許容される上限値となるときに上記第2モジュールで受信する光信号の光量の上記Nampに対する比率をXとしたときに、上記光ファイバからの出射光の上記第1モジュールへの受信効率に基づいて上記光ファイバに対する上記第1モジュールの配置を決定し、その配置における上記FR_の値に応じて、互いに異なる種類のモジュールからなる複数の上記群の中から、数式6を満たす群を選択し、選択した群に含まれるモジュールを上記第1モジュールとして用いることを特徴としている。
【0023】
【数6】
【0024】
上記の方法では、第1モジュールとして用いるモジュールの特性を個別に設定するのではなく、同一種類のモジュールでの特性のバラツキを考慮して、何れの種類のモジュールを第1モジュールとして採用するかを決定することができる。これにより、モジュールの特性を個別に設定する手間を省くことができる。
【0025】
本発明に係る光通信システムの製造方法は、1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法であって、上記第2モジュールからの出射光に関する上記第1モジュールと上記光ファイバの上記第1モジュール側端面とにおける反射率である遠端反射率をFR_、上記第1モジュールからの出射光に関する上記光ファイバでの透過効率をPT1_、上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最小値をSmin、上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最大値をSmax、上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最大値をPTmax、上記第2モジュールから、上記光ファイバへの結合光出力が上記Smaxとなる出射光が出射されたときに、上記光ファイバの上記第2モジュール側端面および上記第2モジュール内で発生する上記出射光の迷光成分が上記第2モジュールで受光される光量の上記Smaxに対する割合をNR、上記光ファイバからの出射光の上記第2モジュールへの最小受信効率をRmin、上記第2モジュールで受信した光信号を電気信号に変換するためのアンプにおけるノイズの光量換算値をNamp、上記アンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率をIO、上記第2モジュールにおいて上記第2モジュールからの出射光による上記第2モジュールへの反射戻り光がないと仮定した場合に、上記光通信システムにおいてビットエラーレートが許容される上限値となるときに上記第2モジュールで受信する光信号の光量の上記Nampに対する比率をXとしたときに、上記光ファイバからの出射光の上記第1モジュールへの受信効率に基づいて上記光ファイバに対する上記第1モジュールの配置を決定し、その配置における上記FR_の値に応じて、数式7を満たすように上記PT1_を設定することを特徴としている。
【0026】
【数7】
【0027】
上記の方法では、第1モジュールの光ファイバへの結合光出力S1_の代わりに、第1モジュールからの出射光に関する光ファイバでの透過効率PT1_によって、第2モジュールのアンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率を満たすようにできる。
【0028】
本発明に係る光通信システムの製造方法は、1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法であって、上記第2モジュールからの出射光に関する上記第1モジュールと上記光ファイバの上記第1モジュール側端面とにおける反射率である遠端反射率をFR_、上記第1モジュールに採用し得る同一種類のモジュールの群における各モジュールからの出射光に関する上記光ファイバでの透過効率のバラツキの最小値をPT1min_、上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最小値をSmin、上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最大値をSmax、上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最大値をPTmax、上記第2モジュールから、上記光ファイバへの結合光出力が上記Smaxとなる出射光が出射されたときに、上記光ファイバの上記第2モジュール側端面および上記第2モジュール内で発生する上記出射光の迷光成分が上記第2モジュールで受光される光量の上記Smaxに対する割合をNR、上記光ファイバからの出射光の上記第2モジュールへの最小受信効率をRmin、上記第2モジュールで受信した光信号を電気信号に変換するためのアンプにおけるノイズの光量換算値をNamp、上記アンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率をIO、上記第2モジュールにおいて上記第2モジュールからの出射光による上記第2モジュールへの反射戻り光がないと仮定した場合に、上記光通信システムにおいてビットエラーレートが許容される上限値となるときに上記第2モジュールで受信する光信号の光量の上記Nampに対する比率をXとしたときに、上記光ファイバからの出射光の上記第1モジュールへの受信効率に基づいて上記光ファイバに対する上記第1モジュールの配置を決定し、その配置における上記FR_の値に応じて、互いに異なる種類のモジュールからなる複数の上記群の中から、数式8を満たす群を選択し、選択した群に含まれるモジュールを上記第1モジュールとして用いることを特徴としている。
【0029】
【数8】
【0030】
上記の方法では、第1モジュールとして用いるモジュールの特性を個別に設定するのではなく、同一種類のモジュールでの特性のバラツキを考慮して、何れの種類のモジュールを第1モジュールとして採用するかを決定することができる。これにより、モジュールの特性を個別に設定する手間を省くことができる。
【0031】
なお、上記の光通信システムの製造方法において、上記光ファイバとして一般に口径の大きいプラスチック光ファイバを用いる場合により適している。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1から図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0033】
図1は、一芯全二重双方向通信における信号光と反射戻り光(雑音光)との関係を示す概念図である。
【0034】
本実施形態における一芯全二重双方向光通信システム10(光通信システム)は、POF等のマルチモード光ファイバを伝送媒体として、家庭内通信や電子機器間通信、LAN(Local Area Network)等に使用することのできるものである。
【0035】
図1に基づいて、光ファイバの端面や相手モジュールで発生する反射戻り光による光クロストークについて具体的に説明する。
【0036】
一芯全二重双方向通信には、光ファイバ11(例えばPOF)と、光ファイバ11の両端面11a・11bにそれぞれ設けられた第1および第2モジュール12a・12b(光通信モジュール)とが備えられ、第1および第2モジュール12a・12bが光ファイバ11を介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な一芯全二重双方向光通信システム10が用いられる。第1モジュール12aは、送信部13aおよび受信部14aを備えており、送信部13aにより第2モジュール12bに対して信号光s1を送信(出射)するとともに、受信部14aにより第2モジュール12bからの信号光s2を受信(受光)する。同様に、第2モジュール12bは、送信部13bおよび受信部14bを備えており、送信部13bにより第1モジュール12aに対して信号光s2を送信するとともに、受信部14bにより第1モジュール12aからの信号光s1を受信する。
【0037】
このように、一芯全二重双方向光通信システム10では、第1モジュール12aでも第2モジュール12bでも信号光の送受信が可能であるが、ここでは説明の便宜上、第1モジュール12aから送信された信号光s1の、第2モジュール12bによる受信における光クロストークの影響に注目することにする。
【0038】
信号光s1は第1モジュール12aの送信部13aより発せられ、光ファイバ11を透過した後、第2モジュール12bの受信部14bに到達する。このとき、全二重通信を行うには第2モジュール12bでも、信号光s1を受信しつつ第1モジュール12aへ信号光s2を発している。この信号光s2は、第2モジュール12bにて受信すべき信号光s1に対する雑音である光クロストークを生じさせることになる。この光クロストークは、第1モジュール12aと第2モジュール12bとの間の各界面での反射戻り光として発生する。
【0039】
具体的には、第2モジュール12bの受信部14bでの光クロストークとして、信号光s2の光ファイバ11入射側の端面11bにおける反射戻り光n1、信号光s2の光ファイバ11出射側の端面11aからの反射戻り光n2、および信号光s2の第1モジュール12aでの反射戻り光n3の3種類の反射戻り光が存在することになる。ここで、反射戻り光n1が近端反射、反射戻り光n2・n3が遠端反射と呼ばれ、反射戻り光n1〜n3の合計が信号光s1に対する光クロストークとなる。
【0040】
一芯全二重双方向通信において、上述したBER<10-12を満足するためには、信号光s1による信号成分に対し、相手側の信号光s2による反射戻り光n1〜n3の合計を所定の値未満に抑える必要がある。
【0041】
従来の技術の項で説明した文献2では、遠端反射による光クロストークの最大値を一律に規定して考えている。しかし、遠端反射として一律に規定した値を実現するように一芯全二重双方向光通信システム10を構成しようとすると、第1および第2モジュール12a・12bの設計マージンが小さくなり、光学設計の自由度が小さくなってしまう。このように光学設計の自由度が小さくなると、量産設計時に制約が多くなり、その結果として一芯全二重双方向光通信システム10のコストの増大を招来する。また、遠端反射による光クロストークの最大値を一律に規定した規格を定めると、上記のような問題が当該規格への他企業の参入への障害となり、普及を促進することが難しくなってしまう。
【0042】
そこで、光学設計の自由度を確保しつつ一芯全二重双方向光通信システム10においてBER<10-12を実現するための条件について以下に説明する。
【0043】
まず、反射戻り光n1〜n3がない場合を考える。反射戻り光n1〜n3による光クロストークがない場合、BER<10-12を満足するためには、第2モジュール12bの受信部14bに備えられたフォトダイオード(PD)に結合する信号光の光量である信号光量Sと、初段のプリアンプによる雑音電流のrms値を光量に換算した値であるアンプ雑音Nampとが数式9を満たす必要がある。
【0044】
【数9】
【0045】
数式9では、一芯全二重双方向光通信システム10がBER<10-12を満足する場合を想定している。ここで、光信号と電気信号とを等価的に考え(つまり、受光した光の振幅と、受光した光をフォトダイオードで電気信号に変換したときの電気信号の振幅とを等価的に考え)、光信号が2値信号の「0」を意味しているのか「1」を意味しているのかを、光信号に対応する電気信号の振幅の1/2のレベルを基準に判定するものとすると、光信号のBERは一般的に数式10のように表すことができる。なお、本明細書において「*」は乗算を意味する。
【0046】
【数10】
【0047】
ここで信号雑音比SNは、上記信号光量Sと、上記アンプ雑音Nampとの比率S/Nampである。数式10よりBER<10-12を満足するのは信号雑音比SNが14.1倍(11.5dB)のときとなる。ちなみに信号雑音比SNが14.1倍であることを電気パワー比で表すと、14.12=約200倍、すなわち約23dBとなる。
【0048】
本発明はBER<10-12以外の場合にも適用することができる。BERの値を一般化して表すと数式11で表され、BERが10-8,10-10,10-11,10-12,10-13の場合に関して、Xはそれぞれ11.1,12.0,12.8,13.5,14.1,14.7となる。
【0049】
【数11】
【0050】
実際には、信号光量Sが全ユニットインターバル(UI)の間一定の値をとれるわけではない。現在、光ファイバ通信用の符号化方式としてよく使用されるNRZ符号化方式を使用した場合、最低でもビットレートの倍の−3dB帯域幅を持つシステムが必要とされる。例えば、250Mbpsの伝送レートのシステムでは125MHzの帯域幅が必要とされる。125MHzのシステムのアイパターンをみるとその立上り立下り速度は0.35/125MHzで2.8nsecとなる。また、光トランシーバから後段の物理層LSIに伝える位相余裕としては、0.4UI程度は最低必要とされる。上記250MbpsのUIは4nsecであるので、0.4UIの部分すべてにおいて最大の信号振幅を確保できるわけでなく、図2に示すように一般的に位相余裕すなわちアイ開口の最も厳しいエッジ部分は立上り立下りのテーパーの影響を受ける部分となる。基本的にはアイ開口エッジ部で実質的な振幅Aは必要アイ開口率IOを用いて(1−IO)/2/0.35*Sと表され、上記例のように必要アイ開口率IOが0.4UIの場合におけるアイ開口エッジ部の振幅Aは信号光量Sの6/7の値となる。
【0051】
よって必要アイ開口率IOが0.3以上の場合に関して数式11は数式12のように表される。
【0052】
【数12】
【0053】
次に、反射戻り光n1〜n3がある場合を考える。反射戻り光n1〜n3による光クロストークがある場合、反射戻り光による雑音は光信号の光量が反射戻り光量の分だけ低減すると考えることができる。そこで、反射戻り光n1〜n3の光量をそれぞれN1,N2,N3とすると、最終的に数式13を満足する必要がある。
【0054】
【数13】
【0055】
信号雑音比SNが最悪の状態は、通常、信号光量Sが最も小さいときに発生し、電気的な雑音の中では上記プリアンプによるアンプ雑音Nampが支配的となる。この雑音電流に対し、上述のようにシステムの立上り立下り時間を考慮した上で、信号光量Sから反射戻り光n1〜n3に対応する光量N1,N2,N3を差し引いた値をある一定値以上に維持する必要があることになる。
【0056】
なお、本明細書で用いる記号の意味をまとめると次のようになる。
アンプ雑音Nampは、第2モジュール12bの受信部14bにおける初段のプリアンプによる雑音電流のrms値を光量に換算した値を意味する。
信号雑音比限界値Xは、反射戻り光がない場合に所定のBERを実現する信号雑音比SNの限界値を意味する。
信号光量Sは、光ファイバ11から出射され、第2モジュール12bにおける受信部14bのフォトダイオードに結合する信号光の光量を意味する。信号光量Sは、出射される放射光の全光束を光パワーメータ等で受光して測定することができる。
許容最小ファイバ結合光出力Sminは、一芯全二重双方向光通信システム10において光ファイバ11への結合光出力として許容される値の最小値を意味する。
許容最大ファイバ結合光出力Smaxは、一芯全二重双方向光通信システム10において光ファイバ11への結合光出力として許容される値の最大値を意味する。
送信側ファイバ結合光出力S1は、第1モジュール12a(送信側)の送信部13aから送信される信号光s1のうち光ファイバ11へ結合する光量を意味する。送信側ファイバ結合光出力S1は、減衰の無視できる短い(例えば1m)光ファイバの一端へ信号光s1を結合させ、他端から出射される光の光量を測定することにより測定することができる。
送信側最小ファイバ結合光出力S1minは、同一の光源および同一の光学系を使用した第1モジュール12aの群において、光源や光学系の特性のバラツキによる上記送信側ファイバ結合光出力S1のバラツキ範囲の最小値を意味する。
許容最小透過効率PTminは、一芯全二重双方向光通信システム10で許容される光ファイバ11の最小透過効率を意味する。
許容最大透過効率PTmaxは、一芯全二重双方向光通信システム10で許容される光ファイバ11の最大透過効率を意味する。
送信光透過効率PT1は、第1モジュール12a(送信側)の送信部13aから送信され、光ファイバ11へ結合した光量のうちどれだけの光量が光ファイバ11を透過するかを示す効率を意味する。送信光透過効率PT1は、長さの異なる光ファイバに対して同一のファイバ結合光出力で光を入射させ、それぞれの光ファイバからの出射光量を測定することにより算出することができる。
送信光最小透過効率PT1minは、同一の光源および同一の光学系を使用した第1モジュール12aの群からの送信光(信号光s1)に関して、光源や光学系の特性のバラツキによる上記送信光透過効率PT1のバラツキ範囲の最小値を意味する。
近端反射率NRは、第2モジュール12bから送信された信号光s2のうち、端面11bおよび第2モジュール12b内での漏れ散乱等の内乱光(迷光成分)として第2モジュール12b自身の受信部14bで受信される光量を表すための値であって、そのように受信される光量の上記許容最大ファイバ結合光出力Smaxに対する割合を意味する。
遠端反射率FRは、第2モジュール12bから送信された信号光s2のうち、第1モジュール12a側の端面11aでの反射率PFRと、相手側モジュールである第1モジュール12aでの反射率MFRとを合わせた反射率を意味する。
最小受信効率Rminは、光ファイバ11から出射される光量のうち第2モジュール12bにおける受信部14bのフォトダイオードに結合する光量の割合の最小値を意味する。
全ユニットインターバルUI(Unit Interval)は、システムの単位周期を意味する。
必要アイ開口率IOは、上記全ユニットインターバルUIを1としたときの必要アイ開口率を意味する。
アイ開口エッジ部振幅Aは、アイパターンの位相余裕エッジ部での信号振幅を意味する。
【0057】
なお、「一芯全二重双方向光通信システム10で許容される」とは、一芯全二重双方向光通信システム10の規格等によって許容されていることを意味する。
【0058】
〔実施形態1〕
部屋の中、または隣接する部屋にある機器間を光ファイバで結ぶ場合、10mの配線長があれば十分である。ここでは、一芯全二重双方向光通信システム10における光ファイバ11として長さ10mの三菱レイヨン製SI(ステップインデックス)型プラスチック光ファイバMH4001を使用し、伝送容量125Mbpsの比較的低速の第1モジュール12aと、伝送容量250Mbpsの比較的高速の第2モジュール12bとが混在している場合を想定する。また、後段の物理層のLSIが要求する位相余裕は一般的な0.4UIとする。
【0059】
主要な構成部品は次の通りである。まず、第1モジュール12a(伝送容量125Mbps側)では、受信部14aのフォトダイオードとしてシャープ製の受光部径φ440μm高速PIN−PD、プリアンプとしてシャープ製fc125MHz品(アンプノイズ55nA)、送信部13aの送信器としてシャープ製赤色LED、LEDドライバとしてシャープ製fc125MHzのものを使用した。また、第2モジュール12b(伝送容量250Mbps側)では、受信部14bのフォトダイオードとしてシャープ製の受光部径φ350μm高速PIN−PD、プリアンプとしてシャープ製fc250MHz品(アンプノイズ98nA)、送信部13bの送信器としてシャープ製赤色LD(RIN−120dB)、LDドライバとしてマキシム社製Max3766を使用した。
【0060】
また、信号雑音比SNを決定する主要なパラメータの値は次の通りである。光ファイバ11における単位長さ当たりの最小透過効率は−0.51dB/m(送信器がLEDの場合)、最大透過効率は−0.15dB/m(送信器がLDの場合)である。この一芯全二重双方向光通信システム10で許容される許容最大ファイバ結合光出力Smaxは−2.7dBm、許容最小ファイバ結合光出力Sminは−10.9dBmである。光ファイバ11と受信部14a・14bのフォトダイオードとの受信結合効率の最悪値が−8dBである。反射戻り光n1による近端反射率NRは0.1%(Smax比)、反射戻り光n2・n3による遠端反射率FRは1.4%である。また、この一芯全二重双方向光通信システム10の最小消光比を10とした。
【0061】
信号雑音比SNが最悪となるのは、最小透過効率が−0.51dB/mとなるLEDを使用した125Mbpsの第1モジュール12aから、最大透過効率が−0.15dB/mとなるLDを使用した250Mbpsの第2モジュール12bへ光信号を送信する場合である。そこで、この最悪の組み合わせにおける信号雑音比SNを光ファイバ11のファイバ長ごとに求めた結果を図3に示す。光ファイバ11のファイバ長が10mのとき信号雑音比SNが最悪となるが、それでも目標である23dB以上を満足している。
【0062】
信号雑音比SNは、LDまたはLEDの光出力を上げる、すなわちファイバ結合光出力を相対的に底上げすることで向上させることが可能である。しかし、一芯全二重双方向光通信システム10を一般家庭で使用することを考えると、目への安全性や消費電力、発光素子の寿命等を考慮し、平均値表示で−2.7dBm程度が限界となる。ちなみに、ファイバ結合光出力の最小値は、LEDの場合APC等がかけられないことや光ファイバへの結合バラツキを考慮すると−10.9dBm程度となる。
【0063】
また、光ファイバ11の口径が1mmとフォトダイオードの受光部径に対して大きいこと、送信光にLED光を使用した場合には光ファイバ11からの出射NAが大きいこと等を考慮し、さらに送受信を波面分割若しくは偏光分割する際のロス等を考慮すると受信結合効率の最悪値は−8dB程度になる。
【0064】
遠端反射率FRは、例えば、光ファイバ11がSI型プラスチック光ファイバの場合、端面斜め加工や球加工によりある程度減らすことが可能であり、光ファイバ11自体の遠端反射率PFRを0.7%程度に抑えることができる。また、相手モジュールによる遠端反射率に関しても、素子の傾斜等の対策を施すことにより実験上0.7%程度に抑えることができることを確認した。そこで、反射戻り光n2・n3による遠端反射率FRは1.4%とした。
【0065】
近端反射率NRは、光ファイバ11の入射端での散乱等を考慮すると許容最大ファイバ結合光出力Smaxの1/1000が妥当な値となる。
【0066】
この場合、図3に示すように10m伝送した後も電気パワー換算した信号雑音比SNは23dB以上得られ、BER<10-12の非常に優れた伝送品質を得ることができる。
【0067】
一方、遠端反射率FRが仮に2.4%になってしまうと、信号雑音比SNは図4に示すように10m伝送すると20.5dBとなり、目標となる23dBを満足することができなくなる。
【0068】
ここで、一芯全二重双方向光通信システム10において、第1モジュール12aから第2モジュール12bへ信号を伝送する場合を考える。
【0069】
上記数式13(a)は数式14に変形することができる。ここで、第2モジュール12bの受信部14bに備えられたフォトダイオードに結合する信号光の光量である信号光量Sとしては、信号雑音比SNが最悪となる条件を想定する必要があり、このとき信号光量Sは数式15のように表すことができる。
【0070】
【数14】
【0071】
【数15】
【0072】
ここで、許容最小透過効率PTminは一芯全二重双方向光通信システム10で許容される光ファイバ11の最小透過効率であり、上記単位長さ当たりの最小透過効率に光ファイバ11の長さを乗じたものである。また、最小受信効率Rminは光ファイバ11から出射される光量のうちフォトダイオードに結合する光量の割合であり、(フォトダイオードに結合する光量)/(光ファイバから出射される光量)の値で表される。
【0073】
また、光クロストークとなる反射戻り光n1〜n3の光量の合計N1+N2+N3は、図1より光クロストークとなる自分自身の信号光量が最も強いときを想定して数式16のように表すことができる。
【0074】
【数16】
【0075】
ここで、許容最大透過効率PTmaxは一芯全二重双方向光通信システム10で許容される光ファイバ11の最大透過効率であり、上記単位長さ当たりの最大透過効率に光ファイバ11の長さを乗じたものである。
【0076】
これらを数式14に代入して整理すると数式17(a)が得られる。同様に、数式13(b)を変形することにより数式17(b)が得られる。BERを所定値未満とするためには数式17を満足する必要がある。
【0077】
【数17】
【0078】
なお、数式17(a)(b)の各右辺における分母と遠端反射率FRとが主に第1モジュール12aによって決定され、遠端反射率FR以外の分子が主に第2モジュール12bによって決定されることになる。
【0079】
ここで、一般に、許容最大ファイバ結合光出力Smaxや許容最小ファイバ結合光出力Sminは、一芯全二重双方向光通信システム10の規格により定められる。また、許容最大透過効率PTmaxおよび許容最小透過効率PTminは、使用する光源の波長と励振NAに依存し、通常はこの波長および励振NAも規格で定められる。したがって、規格を満たす一芯全二重双方向光通信システム10は、ファイバ結合光出力が許容最小ファイバ結合光出力Smin〜許容最大ファイバ結合光出力Smaxの範囲で、光ファイバ11の透過効率が許容最小透過効率PTmin〜許容最大透過効率PTmaxの範囲のものとなる。
【0080】
信号雑音比SNを所定値以上とするためには、受信側、つまり第2モジュール12b側で近端反射率NRと最小受信効率Rminとの比率NR/Rmin、およびアンプ雑音Nampと最小受信効率Rminとの比率Namp/Rminを一定値未満にするか、送信側、つまり第1モジュール12a側で遠端反射率FRを一定値未満にする必要がある。
【0081】
ここで、一芯全二重双方向光通信システム10全体を考えると、受信時は相手側モジュール、すなわち送信側モジュールの遠端反射率FRの値さえ決まっていれば、一芯全二重双方向光通信システム10で許容されるファイバ結合光出力Smin〜Smaxの範囲で、光ファイバ11の許容透過効率PTmin〜PTmaxの範囲を考慮して、NR/Rminの値を数式17を満足するように設定すればよいことになる。すなわち、NR/Rminの値は条件を満たす範囲で任意に調整可能であるが、遠端反射率FRは受信側では調整できないので送信側で一定値未満にしておく必要がある。
【0082】
本実施形態における一芯全二重双方向光通信システム10の場合、近端反射率NRは光ファイバ11への信号光s2の入射時の散乱等により約0.1%、最小受信効率Rminは受信部14bのフォトダイオードと光ファイバ11のファイバ径の差や、送受信の分割効率、ファイバ放射光の広がり等のため下限は最悪20%程度となり、NR/Rminの値は0.005になる。
【0083】
上述のように遠端反射率FRは送信側で一定値未満にする必要があるが、例えば短距離で、かつ、光ファイバ11の透過効率が大きい上述した一芯全二重双方向光通信システム10の場合、送信側の遠端反射率FRを非常に小さい値にする必要がある。その結果、モジュールの設計の自由度が下がってしまう。
【0084】
そこで本実施形態では、次のようにして各条件を定めることとする。
数式17において遠端反射率FRを所定値未満にできない場合、この遠端反射率FRを変数と考える。遠端反射は送信側(ここでは第1モジュール12a側)で発生する反射であるので、送信信号自体にノイズが加算されていると考えてもよい。
【0085】
そして、そのノイズ分、送信側ファイバ結合光出力S1を上げておくと、遠端反射で増大したノイズ分をキャンセルすることが可能になる。数式17における「Smin」の部分はこの一芯全二重双方向光通信システム10で許容されるファイバ結合光出力Smin〜Smaxの範囲を逸脱しなければ送信側で任意に設定することができる値である。したがって、数式17における「Smin」の部分を調整可能な変数である送信側ファイバ結合光出力S1_と考えることができる。
【0086】
その結果、数式17を数式18のように表すことができる。なお、記号の後に付した「_」は、その記号が変数であることを示している。
【0087】
【数18】
【0088】
したがって、遠端反射率FRの値によって、送信側ファイバ結合光出力S1を調整すれば比較的大きな遠端反射も許容されることになる。上記具体例の場合、例えば送信側ファイバ結合光出力S1を−10.5dBmとするだけで、遠端反射率FRを2%まで許容できるようになる。
【0089】
また、送信側ファイバ結合光出力S1でなく、数式17における許容最小透過効率PTminは、送信側である第1モジュール12aにおける送信部13aから送信される送信光(信号光s1)の励振NAを変更する、あるいは波長を管理することで向上させることができる。そこで、数式17における「PTmin」の部分を調整可能な変数である送信光透過効率PT1_として考えると、数式17を数式19のように表すことができる。
【0090】
【数19】
【0091】
このように送信側ファイバ結合光出力S1_または送信光透過効率PT1_を変化させたときに、信号雑音比SNが14.1倍(光パワー比、電気パワー比では200倍)を満たす遠端反射率FRを求めたグラフをそれぞれ図5および図6に示す。送信側ファイバ結合光出力S1_または送信光透過効率PT1_が大きいほど、許容できる遠端反射率が大きくなることがわかる。
【0092】
そこで、本実施形態における一芯全二重双方向光通信システム10の製造方法では、数式18に基づいて、第1モジュール12a側における遠端反射率FR_に応じて、第1モジュール12aの光ファイバ11への結合光出力である送信側ファイバ結合光出力S1_を調節する。
【0093】
あるいは、本実施形態における一芯全二重双方向光通信システム10の製造方法では、数式19に基づいて、第1モジュール12a側における遠端反射率FR_に応じて、第1モジュール12aから出射される第1信号光s1に関する光ファイバ11での透過効率である送信光透過効率PT1_を調節する。
【0094】
これらの製造方法では、まず、実際に一芯全二重双方向光通信システム10を構成する部材を用いて、第1モジュール12a側における遠端反射率FR_を把握する。そして、把握した遠端反射率FR_に基づいて送信側ファイバ結合光出力S1_あるいは送信光透過効率PT1_を調節する。
【0095】
ここで、遠端反射率FR_に応じて送信側ファイバ結合光出力S1_あるいは送信光透過効率PT1_を調節することの利点についてさらに説明する。
【0096】
一般に、各種光学系において光ファイバから出射される光の受信器への受信効率と遠端反射率とはトレードオフの関係にあることが確認されている。このことは、受信効率と遠端反射率との関係の一例を示す図7に現れている。図7は、直径1mmのPOFを使用し、光ファイバ端の光線におけるピーク強度の半値となる角度で表現した出射NAが0.35となる光量分布のときの受信効率と、受信器からの遠端反射率との関係を求めたものである。
【0097】
この理由を図8に基づいて説明する。図8は、光ファイバ21から出射される光の受信器22への受信効率と遠端反射率とがトレードオフの関係にあることを説明するための図面である。
【0098】
遠端反射率を小さくするために、出射光s21の反射光s22を光ファイバ21へ幾何学的に戻さないようにするには、図8(b)に示すように受信器22の受光面22aを傾斜させるのがよい。しかし、受光面22aを傾斜させると、出射光s21に対する受信器22の実質的な受光面積が低下する、つまり出射光s21の受信器22上での投影面積が広がることになる。このことから、光ファイバから出射される光の受信器への受信効率と遠端反射率とはトレードオフの関係にあることがわかる。
【0099】
次に、受信効率と遠端反射率とが信号雑音比SN(アイ開口率IO)に対してどのように影響するかを考える。上記数式18からわかるように、遠端反射率FR_は1項に影響を及ぼすのみであるが、受信効率(数式18における最小受信効率Rmin)は2項にわたって影響を及ぼす。したがって、受信効率の方が信号雑音比SNに与える影響が大きいと予想される。
【0100】
このことは、図9により確認することができる。図9は、500Mbsで伝送する試作品において受信効率と遠端反射率とがアイ開口率IOにどのような影響を及ぼすかを調べた結果を表すグラフである。図9(a)は、遠端反射率1.4%(受信器の反射率0.7%、受信器側光ファイバ端面の反射率0.7%)、図9(b)は、遠端反射率2.1%(受信器の反射率1.4%、受信器側光ファイバ端面の反射率0.7%)の場合を示している。図9(a)と図9(b)とを比較すると、図9(a)の場合に対して図9(b)の場合では遠端反射率が1.5倍になっているが、双方で同一のアイ開口0.8nsを得るためには、受信効率を−5.9dBから−5.7dBへと僅か0.2dB(0.1%)改善すればよいことがわかる。
【0101】
このことから、受信器側において遠端反射率を犠牲にしてでも受信効率がよい光学系を作成したほうが性能の良い(信号雑音比SNがよい、アイ開口率IOが大きい、BERが低い)受信器が得られることがわかる。
【0102】
ここで、図1に示した一芯全二重双方向光通信システム10について考える。注意しなければならないことは、第2モジュール12bが受信効率を上げることにより第2モジュール12b自体の信号雑音比SNを改善することができるが、第2モジュール12bにおける遠端反射率(第1モジュール12aからみた第2モジュール12bの遠端反射率)を上げようが下げようが第2モジュール12b自体の信号雑音比SNには影響しない。第2モジュール12bにおける遠端反射率は第2モジュール12bでの受信ではなく第1モジュール12aでの受信に影響を及ぼす。つまり、第2モジュール12bの信号雑音比SNには第2モジュール12bの受信効率と第1モジュール12aにおける遠端反射率とが影響を及ぼす。
【0103】
このような関係から、第1モジュール12aと第2モジュール12bとの間で遠端反射率を予め定められた値に調節するようにすると、遠端反射率によって拘束されることにより信号雑音比SNに影響が大きい受信効率が犠牲になり、結果的に信号雑音比SNの向上を阻害することがある。このことは、遠端反射率と送信光透過効率との関係においてもほぼ同様に成り立つ。
【0104】
そこで、本実施形態の製造方法では、光ファイバ11からの出射光の第1モジュール12aへの受信効率を優先的に考え、この受信効率に基づいて光ファイバ11に対する第1モジュール12aの配置を決定する。具体的には、例えば受信効率が最も高くなるように光ファイバ11に対する第1モジュール12a(特に受信部14a)の配置を決定する。これは、例えば図8(a)のような配置になる。そして、その配置における遠端反射率FR_の値を把握し、その遠端反射率FR_の値に応じて、数式18あるいは数式19を満たすように送信側ファイバ結合光出力S1_あるいは送信光透過効率PT1_を設定する。
【0105】
つまり、送信側における受信効率を優先させたことによる送信側における遠端反射率の増大を、送信側自体の送信側ファイバ結合光出力を調節する、あるいは送信側自体から送信される信号光の特性を調節するなどして信号光の光ファイバ透過効率を調節することで、受信側にて受信される信号光の品質を補償することができる。その結果、要求される信号雑音比SN(アイ開口率IO、BER)の条件を満たした一芯全二重双方向光通信システム10を製造することが可能になる。
【0106】
また、図8(a)の構成のように図8(b)の構成と比較してシンプルな構成をとりつつ信号雑音比SNの向上を図ることができるため、製造コスト面で有利な一芯全二重双方向光通信システム10を製造することができる。
【0107】
なお、ここでは第1モジュール12aを送信側、第2モジュール12bを受信側と考えた場合について説明したが、第2モジュール12bを送信側、第1モジュール12aを受信側と考えて上記と同様の設定を行うことで、全体として要求される信号雑音比SNの条件を満たした一芯全二重双方向光通信システム10を製造することが可能になる。
【0108】
〔実施形態2〕
実施形態1では、数式18に基づいて、第1モジュール12a側における遠端反射率FR_に応じて、数式18に基づいて第1モジュール12aの光ファイバ11への結合光出力である送信側ファイバ結合光出力S1_を調節する、あるいは数式19に基づいて第1モジュール12aから出射される第1信号光s1に関する光ファイバ11での透過効率である送信光透過効率PT1_を調節するようにした。
【0109】
この場合、各モジュールについて遠端反射率を把握した上で送信側ファイバ結合光出力や信号光の光ファイバ透過効率を個々に調節する必要がある。
【0110】
しかし、送信側ファイバ結合光出力や信号光の光ファイバ透過効率は、送信側である第1モジュール12aの送信部13a自体の光学系や光源の種類が決まれば自ずとそのバラツキ範囲が決まることになる。そして、そのバラツキ範囲が一芯全二重双方向光通信システム10で許容される許容最小ファイバ結合光出力Sminまたは許容最小透過効率PTmin内に収まっていれば問題ないことになる。
【0111】
例えば、上記の例では、第1モジュール12aの送信部13aの光源としてLEDを用いた場合の最小ファイバ透過効率は10mで−5.1dBであるのに対し、LDを用いた場合は−3.1dBとなる。また、LEDを用いた場合の最小ファイバ結合光出力は−10.9dBであるのに対し、LDを用いた場合−7dB〜−10dBとなる。これらは上述のように使用する光源の種類およびその仕様、光学系によって定まる。
【0112】
そこで、本実施形態における一芯全二重双方向光通信システム10の製造方法では、遠端反射率と、同一種類のモジュール群の中でとりうる送信側最小ファイバ結合光出力S1minあるいは送信光最小透過効率PT1minとに基づいて、第1モジュール12aとして採用するモジュール群を決定する。
【0113】
ここで、送信側最小ファイバ結合光出力S1minとは、同一種類のモジュールの群における各モジュールの光ファイバ11への結合光出力のバラツキの最小値を意味し、送信光最小透過効率PT1minとは、同一種類のモジュールの群における各モジュールから出射される信号光に関する光ファイバ11での透過効率のバラツキの最小値を意味する。また、同一種類のモジュールとは、注目する特性(ここでは結合光出力に関係する光出力特性や、透過効率に関係する波長特性等)に関して互いに同一の特性を有するように形成されたモジュールを意味する。
【0114】
ここで、数式17における「Smin」の部分を変数である送信側最小ファイバ結合光出力S1min_として考えると、数式17を数式20のように表すことができる。また、数式17における「PTmin」の部分を変数である送信光最小透過効率PT1min_として考えると、数式17を数式21のように表すことができる。
【0115】
【数20】
【0116】
【数21】
【0117】
そして、第1モジュール12aとして採用の可能性のあるモジュールの群であって、互いに異なる種類のモジュールからなる複数の群について、各群における送信側最小ファイバ結合光出力S1minあるいは送信光最小透過効率PT1minを各群ごとに予め求めておき、第1モジュール12a側における遠端反射率FR_に応じて、それぞれ数式20あるいは数式21を満たす群を選択する。この選択した群に含まれるモジュールを第1モジュール12aとして採用することで、要求される信号雑音比SNの条件を満たした一芯全二重双方向光通信システム10を製造することが可能になる。
【0118】
なお、光ファイバ11からの出射光の第1モジュール12aへの受信効率を優先的に考えて、光ファイバ11に対する第1モジュール12aの配置を決定する点は実施形態と同様である。
【0119】
数式20または数式21によると、数式18または数式19と比較して許容できる遠端反射率の範囲は狭くなるが、モジュールの特性を個別に調節する手間が省けることになる。
【0120】
なお、上記実施形態1または2では、送信側ファイバ結合光出力S1_または送信側最小ファイバ結合光出力S1min_と、送信光透過効率PT1_または送信光最小透過効率PT1min_とを、それぞれ単独で変数と考えているが、これに限らず、数式17の分母として考え得る値、すなわち、
(送信側ファイバ結合光出力S1_)×(送信光透過効率PT1_)、
(送信側最小ファイバ結合光出力S1min_)×(送信光最小透過効率PT1min_)、
(送信側ファイバ結合光出力S1_)×(送信光最小透過効率PT1min_)、または
(送信側最小ファイバ結合光出力S1min_)×(送信光透過効率PT1_)それぞれを変数と考えることもできる。
【0121】
【発明の効果】
本発明の光通信システムの製造方法は、1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法であって、上記FR_の値に応じて、数式18あるいは数式19を満たすようにS1_あるいはPT1_を設定する方法である。
【0122】
上記の方法では、アイ開口率の向上に大きく影響する条件を優先的に決定していくことで、製造上の自由度を上げて低コストの光通信システムを製造することができるようになる。
【0123】
本発明の光通信システムの製造方法は、1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法であって、上記FR_の値に応じて、数式20あるいは数式21を満たすような群に含まれるモジュールを第1モジュールとして用いる方法である。
【0124】
上記の方法では、第1モジュールとして用いるモジュールの特性を個別に設定する手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一芯全二重双方向通信における信号光と反射戻り光(雑音光)との関係を示す概念図である。
【図2】必要アイ開口率を説明するためのアイパターンを表した図面である。
【図3】信号雑音比SNと光ファイバのファイバ長との関係を表すグラフである。
【図4】信号雑音比SNと光ファイバのファイバ長との関係を表すグラフである。
【図5】送信側ファイバ結合光出力と許容遠端反射率との関係を示すグラフである。
【図6】送信光透過効率と許容遠端反射率との関係を示すグラフである。
【図7】受信効率と、受信器からの遠端反射率との関係を表すグラフである。
【図8】光ファイバから出射される光の受信器への受信効率と遠端反射率とがトレードオフの関係にあることを説明するための図面である。
【図9】受信効率と遠端反射率とがアイ開口率IOにどのような影響を及ぼすかを調べた結果を表すグラフである。
【図10】家庭における一芯全二重双方向通信の応用例を示す概念図である。
【図11】従来の光送受信装置の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 一芯全二重双方向光通信システム(光通信システム)
11 光ファイバ
11a 端面
11b 端面
12a 第1モジュール
12b 第2モジュール
13a 送信部
13b 送信部
14a 受信部
14b 受信部
【発明の属する技術分野】
本発明は、1本の光ファイバと、この光ファイバの両端にそれぞれ設けられたモジュールを備え、各モジュールが光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一芯全二重双方向通信の家庭内での応用が提案されている。
図10は、家庭における一芯全二重双方向通信の応用例を示す概念図である。この応用例では、TV、PC等の電化製品が一芯全二重双方向通信可能な光ファイバ10を利用して互いに接続されており、これにより家庭内マルチメディアネットワークが構築されている。また、家庭内マルチメディアネットワークは、ゲートウェイ等を介して外部のネットワークと接続されている。
【0003】
2000年度にはデジタル放送が開始され、さらにあと数年するとFTTH(ファイバツーザホーム)が一般家庭へ接続されることがごく普通になる。FTTHに対応するためには、上記家庭内の光ファイバに最大100Mbpsの伝送容量が要求される。また、デジタル放送に対応するためにも、ほぼ同程度の容量が要求される。さらに、ネットワーク型ゲーム機やデジタル動画編集機等による通信も上記家庭内の光ファイバを介して行われるようになる。
【0004】
このように、高画質の動画伝送を中心とした通信を実現するために、家庭内の通信には数100Mbpsの伝送容量を有し、誤りの少ない高品質の伝送方式が要求される。
【0005】
このような伝送方式の1つとしてIEEE1394による家庭内ネットワークが注目されてきている。IEEE1394は、長距離伝送および非常に低い誤り率(BER(ビット誤り率、ビットエラーレート)で10-12未満)をサポートしており、家庭内マルチメディアネットワークにとって非常に優れた方式であると考えられている。長距離伝送の媒体としては、マルチモードの石英ファイバとPOF(Plastic Optical Fiber)が考えられているが、中でもPOFは口径が大きい故に接続が容易で使いやすい特徴を備えている。
【0006】
ところで、一芯全二重双方向通信の実現のために、それに用いられる各部材の様々な構造が提案されている。例えば、特開平11−237535号公報(文献1)には、光送受信を行う場合の光クロストークの発生を防ぐことができる光送受信装置の構造が開示されている。
【0007】
図11は、上記公報に開示されている光送受信装置100の概略構成を示す斜視図である。この光送受信装置100は、第1信号光(レーザ光)s1を出射するレーザ発光源101と、光ファイバ111の端面111aから出射する第2信号光s2の出射方向とは異なる方向から第1信号光s1を光ファイバ111の端面111aに対して入射させる光学装置102と、光ファイバ111の端面111aから出射する第2信号光s2を受光するフォトダイオード103とを有している。そして、この光送受信装置100では、第1信号光s1を光ファイバ111の端面111aに入射させた際に第1信号光s1が光ファイバ111の端面111aで反射することで生じる反射光s3が到達する領域外に、フォトダイオード103を配置する構造を採用し、これによって近端反射光雑音による光クロストークの防止を図っている。
【0008】
また、IEEE1394のサポートする長距離伝送および低誤り率を実現するための、受信光と光クロストークとの比(光クロストーク比)に関する条件の検証もなされている。例えば、日経エレクトロニクス2000.12.4(no.784)号の167頁〜176頁「10mをIEEE1394でつなぐ光伝送技術『OP i.LINK』」(文献2)には、一芯のPOFによる全二重通信を行う場合の光クロストークの規定がモデル化されている。
【0009】
これによると、上記BER<10-12を満足するためには、受信光の振幅がガウシアン雑音の分散に対して19倍以上であることが必要であり、この関係をもとにシミュレーションや実験のデータ解析を行った結果、光クロストークの振幅が受信光の振幅に対して1/4以下、すなわち、光クロストーク比が6.0dB以上となることが必要であるとされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一芯全二重双方向通信方式では、上記文献1にて考慮されている近端反射による光クロストークだけではなく、遠端反射による光クロストークもノイズ(光クロストークノイズ)となって現れる。したがって、遠端反射による光クロストークノイズをも抑える必要がある。これは、一芯全二重双方向通信方式に特有の課題であり、二芯ファイバを用いて全二重双方向通信を行った場合には考慮しなくてもよい課題である。
【0011】
しかし、上記文献1では、光ファイバ111の端面111aにおいて発生する第1信号光s1の光クロストークに関しては記載されているが、光ファイバ111の出射端や相手モジュールで発生する反射戻り光による光クロストークに関しては考慮されていない。
【0012】
したがって、上記文献1に開示された技術に基づいたとしても、必ずしも所望とする範囲までビット誤り率を低減することはできない。
【0013】
また、上記文献2では、光ファイバの出射端や相手モジュールで発生する反射戻り光による光クロストークに関しても記載されているが、各種パラメータに対する許容光クロストーク量が一律に規定されているのみである。
【0014】
したがって、上記文献2に開示された条件に基づいて光通信システムを構成しようとした場合、各部材の光学系等の設計に要求される条件が厳しくなり、その結果、光通信システムのコストアップを招来することになる。
【0015】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造上の自由度を上げて低コストの光通信システムを製造することができる、光通信システムの製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光通信システムの製造方法は、1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法であって、上記第2モジュールからの出射光に関する上記第1モジュールと上記光ファイバの上記第1モジュール側端面とにおける反射率である遠端反射率をFR_、上記第1モジュールの上記光ファイバへの結合光出力をS1_、上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最大値をSmax、上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最小値をPTmin、上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最大値をPTmax、上記第2モジュールから、上記光ファイバへの結合光出力が上記Smaxとなる出射光が出射されたときに、上記光ファイバの上記第2モジュール側端面および上記第2モジュール内で発生する上記出射光の迷光成分が上記第2モジュールで受光される光量の上記Smaxに対する割合をNR、上記光ファイバからの出射光の上記第2モジュールへの最小受信効率をRmin、上記第2モジュールで受信した光信号を電気信号に変換するためのアンプにおけるノイズの光量換算値をNamp、上記アンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率をIO、上記第2モジュールにおいて上記第2モジュールからの出射光による上記第2モジュールへの反射戻り光がないと仮定した場合に、上記光通信システムにおいてビットエラーレートが許容される上限値となるときに上記第2モジュールで受信する光信号の光量の上記Nampに対する比率をXとしたときに、上記光ファイバからの出射光の上記第1モジュールへの受信効率に基づいて上記光ファイバに対する上記第1モジュールの配置を決定し、その配置における上記FR_の値に応じて、数式5を満たすように上記S1_を設定することを特徴としている。
【0017】
【数5】
【0018】
上記の方法では、光ファイバからの出射光の第1モジュールへの受信効率を優先的に考えて光ファイバに対する第1モジュールの配置を決定することができる。したがって、第1モジュールでの受信効率が悪化することを避けることができる。ここで、第1モジュール側における受信効率と遠端反射率FR_とはトレードオフの関係にあり、受信効率を向上させると遠端反射率FR_が高くなる傾向にある。そして、第1モジュール側における遠端反射率FR_が高くなると、第2モジュールでのアイ開口率に悪影響を与えることになる。
【0019】
そこで、上記の方法では、遠端反射率FR_に応じて数式5を満たすように第1モジュールの光ファイバへの結合光出力S1_を設定する。これにより、第2モジュールのアンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率を満たすようにできる。
【0020】
ここで、第1モジュール側における受信効率を優先的に考えたのは次の理由による。すなわち、本願出願人は、受信側のアイ開口率を向上するためには、受信側の受信効率の方が送信側の遠端反射率より大きく影響することを見出した。したがって、第1モジュール側における受信効率を優先的に考えてこれを高くするように第1モジュールを配置しておくと、第1モジュール側のアイ開口率の向上を図る際の条件がより緩やかになる。このことから、送信側(ここでは第1モジュール側)における受信効率を優先的に考えて送信側の配置を決定する方が全体としてより緩やかな条件で光通信システムを製造することができるようになる。
【0021】
このように、アイ開口率の向上に大きく影響する条件を優先的に決定していくことで、製造上の自由度を上げて低コストの光通信システムを製造することができるようになる。
【0022】
本発明に係る光通信システムの製造方法は、1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法であって、上記第2モジュールからの出射光に関する上記第1モジュールと上記光ファイバの上記第1モジュール側端面とにおける反射率である遠端反射率をFR_、上記第1モジュールに採用し得る同一種類のモジュールの群における各モジュールの上記光ファイバへの結合光出力のバラツキの最小値をS1min_、上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最大値をSmax、上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最小値をPTmin、上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最大値をPTmax、上記第2モジュールから、上記光ファイバへの結合光出力が上記Smaxとなる出射光が出射されたときに、上記光ファイバの上記第2モジュール側端面および上記第2モジュール内で発生する上記出射光の迷光成分が上記第2モジュールで受光される光量の上記Smaxに対する割合をNR、上記光ファイバからの出射光の上記第2モジュールへの最小受信効率をRmin、上記第2モジュールで受信した光信号を電気信号に変換するためのアンプにおけるノイズの光量換算値をNamp、上記アンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率をIO、上記第2モジュールにおいて上記第2モジュールからの出射光による上記第2モジュールへの反射戻り光がないと仮定した場合に、上記光通信システムにおいてビットエラーレートが許容される上限値となるときに上記第2モジュールで受信する光信号の光量の上記Nampに対する比率をXとしたときに、上記光ファイバからの出射光の上記第1モジュールへの受信効率に基づいて上記光ファイバに対する上記第1モジュールの配置を決定し、その配置における上記FR_の値に応じて、互いに異なる種類のモジュールからなる複数の上記群の中から、数式6を満たす群を選択し、選択した群に含まれるモジュールを上記第1モジュールとして用いることを特徴としている。
【0023】
【数6】
【0024】
上記の方法では、第1モジュールとして用いるモジュールの特性を個別に設定するのではなく、同一種類のモジュールでの特性のバラツキを考慮して、何れの種類のモジュールを第1モジュールとして採用するかを決定することができる。これにより、モジュールの特性を個別に設定する手間を省くことができる。
【0025】
本発明に係る光通信システムの製造方法は、1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法であって、上記第2モジュールからの出射光に関する上記第1モジュールと上記光ファイバの上記第1モジュール側端面とにおける反射率である遠端反射率をFR_、上記第1モジュールからの出射光に関する上記光ファイバでの透過効率をPT1_、上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最小値をSmin、上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最大値をSmax、上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最大値をPTmax、上記第2モジュールから、上記光ファイバへの結合光出力が上記Smaxとなる出射光が出射されたときに、上記光ファイバの上記第2モジュール側端面および上記第2モジュール内で発生する上記出射光の迷光成分が上記第2モジュールで受光される光量の上記Smaxに対する割合をNR、上記光ファイバからの出射光の上記第2モジュールへの最小受信効率をRmin、上記第2モジュールで受信した光信号を電気信号に変換するためのアンプにおけるノイズの光量換算値をNamp、上記アンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率をIO、上記第2モジュールにおいて上記第2モジュールからの出射光による上記第2モジュールへの反射戻り光がないと仮定した場合に、上記光通信システムにおいてビットエラーレートが許容される上限値となるときに上記第2モジュールで受信する光信号の光量の上記Nampに対する比率をXとしたときに、上記光ファイバからの出射光の上記第1モジュールへの受信効率に基づいて上記光ファイバに対する上記第1モジュールの配置を決定し、その配置における上記FR_の値に応じて、数式7を満たすように上記PT1_を設定することを特徴としている。
【0026】
【数7】
【0027】
上記の方法では、第1モジュールの光ファイバへの結合光出力S1_の代わりに、第1モジュールからの出射光に関する光ファイバでの透過効率PT1_によって、第2モジュールのアンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率を満たすようにできる。
【0028】
本発明に係る光通信システムの製造方法は、1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法であって、上記第2モジュールからの出射光に関する上記第1モジュールと上記光ファイバの上記第1モジュール側端面とにおける反射率である遠端反射率をFR_、上記第1モジュールに採用し得る同一種類のモジュールの群における各モジュールからの出射光に関する上記光ファイバでの透過効率のバラツキの最小値をPT1min_、上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最小値をSmin、上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最大値をSmax、上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最大値をPTmax、上記第2モジュールから、上記光ファイバへの結合光出力が上記Smaxとなる出射光が出射されたときに、上記光ファイバの上記第2モジュール側端面および上記第2モジュール内で発生する上記出射光の迷光成分が上記第2モジュールで受光される光量の上記Smaxに対する割合をNR、上記光ファイバからの出射光の上記第2モジュールへの最小受信効率をRmin、上記第2モジュールで受信した光信号を電気信号に変換するためのアンプにおけるノイズの光量換算値をNamp、上記アンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率をIO、上記第2モジュールにおいて上記第2モジュールからの出射光による上記第2モジュールへの反射戻り光がないと仮定した場合に、上記光通信システムにおいてビットエラーレートが許容される上限値となるときに上記第2モジュールで受信する光信号の光量の上記Nampに対する比率をXとしたときに、上記光ファイバからの出射光の上記第1モジュールへの受信効率に基づいて上記光ファイバに対する上記第1モジュールの配置を決定し、その配置における上記FR_の値に応じて、互いに異なる種類のモジュールからなる複数の上記群の中から、数式8を満たす群を選択し、選択した群に含まれるモジュールを上記第1モジュールとして用いることを特徴としている。
【0029】
【数8】
【0030】
上記の方法では、第1モジュールとして用いるモジュールの特性を個別に設定するのではなく、同一種類のモジュールでの特性のバラツキを考慮して、何れの種類のモジュールを第1モジュールとして採用するかを決定することができる。これにより、モジュールの特性を個別に設定する手間を省くことができる。
【0031】
なお、上記の光通信システムの製造方法において、上記光ファイバとして一般に口径の大きいプラスチック光ファイバを用いる場合により適している。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1から図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0033】
図1は、一芯全二重双方向通信における信号光と反射戻り光(雑音光)との関係を示す概念図である。
【0034】
本実施形態における一芯全二重双方向光通信システム10(光通信システム)は、POF等のマルチモード光ファイバを伝送媒体として、家庭内通信や電子機器間通信、LAN(Local Area Network)等に使用することのできるものである。
【0035】
図1に基づいて、光ファイバの端面や相手モジュールで発生する反射戻り光による光クロストークについて具体的に説明する。
【0036】
一芯全二重双方向通信には、光ファイバ11(例えばPOF)と、光ファイバ11の両端面11a・11bにそれぞれ設けられた第1および第2モジュール12a・12b(光通信モジュール)とが備えられ、第1および第2モジュール12a・12bが光ファイバ11を介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な一芯全二重双方向光通信システム10が用いられる。第1モジュール12aは、送信部13aおよび受信部14aを備えており、送信部13aにより第2モジュール12bに対して信号光s1を送信(出射)するとともに、受信部14aにより第2モジュール12bからの信号光s2を受信(受光)する。同様に、第2モジュール12bは、送信部13bおよび受信部14bを備えており、送信部13bにより第1モジュール12aに対して信号光s2を送信するとともに、受信部14bにより第1モジュール12aからの信号光s1を受信する。
【0037】
このように、一芯全二重双方向光通信システム10では、第1モジュール12aでも第2モジュール12bでも信号光の送受信が可能であるが、ここでは説明の便宜上、第1モジュール12aから送信された信号光s1の、第2モジュール12bによる受信における光クロストークの影響に注目することにする。
【0038】
信号光s1は第1モジュール12aの送信部13aより発せられ、光ファイバ11を透過した後、第2モジュール12bの受信部14bに到達する。このとき、全二重通信を行うには第2モジュール12bでも、信号光s1を受信しつつ第1モジュール12aへ信号光s2を発している。この信号光s2は、第2モジュール12bにて受信すべき信号光s1に対する雑音である光クロストークを生じさせることになる。この光クロストークは、第1モジュール12aと第2モジュール12bとの間の各界面での反射戻り光として発生する。
【0039】
具体的には、第2モジュール12bの受信部14bでの光クロストークとして、信号光s2の光ファイバ11入射側の端面11bにおける反射戻り光n1、信号光s2の光ファイバ11出射側の端面11aからの反射戻り光n2、および信号光s2の第1モジュール12aでの反射戻り光n3の3種類の反射戻り光が存在することになる。ここで、反射戻り光n1が近端反射、反射戻り光n2・n3が遠端反射と呼ばれ、反射戻り光n1〜n3の合計が信号光s1に対する光クロストークとなる。
【0040】
一芯全二重双方向通信において、上述したBER<10-12を満足するためには、信号光s1による信号成分に対し、相手側の信号光s2による反射戻り光n1〜n3の合計を所定の値未満に抑える必要がある。
【0041】
従来の技術の項で説明した文献2では、遠端反射による光クロストークの最大値を一律に規定して考えている。しかし、遠端反射として一律に規定した値を実現するように一芯全二重双方向光通信システム10を構成しようとすると、第1および第2モジュール12a・12bの設計マージンが小さくなり、光学設計の自由度が小さくなってしまう。このように光学設計の自由度が小さくなると、量産設計時に制約が多くなり、その結果として一芯全二重双方向光通信システム10のコストの増大を招来する。また、遠端反射による光クロストークの最大値を一律に規定した規格を定めると、上記のような問題が当該規格への他企業の参入への障害となり、普及を促進することが難しくなってしまう。
【0042】
そこで、光学設計の自由度を確保しつつ一芯全二重双方向光通信システム10においてBER<10-12を実現するための条件について以下に説明する。
【0043】
まず、反射戻り光n1〜n3がない場合を考える。反射戻り光n1〜n3による光クロストークがない場合、BER<10-12を満足するためには、第2モジュール12bの受信部14bに備えられたフォトダイオード(PD)に結合する信号光の光量である信号光量Sと、初段のプリアンプによる雑音電流のrms値を光量に換算した値であるアンプ雑音Nampとが数式9を満たす必要がある。
【0044】
【数9】
【0045】
数式9では、一芯全二重双方向光通信システム10がBER<10-12を満足する場合を想定している。ここで、光信号と電気信号とを等価的に考え(つまり、受光した光の振幅と、受光した光をフォトダイオードで電気信号に変換したときの電気信号の振幅とを等価的に考え)、光信号が2値信号の「0」を意味しているのか「1」を意味しているのかを、光信号に対応する電気信号の振幅の1/2のレベルを基準に判定するものとすると、光信号のBERは一般的に数式10のように表すことができる。なお、本明細書において「*」は乗算を意味する。
【0046】
【数10】
【0047】
ここで信号雑音比SNは、上記信号光量Sと、上記アンプ雑音Nampとの比率S/Nampである。数式10よりBER<10-12を満足するのは信号雑音比SNが14.1倍(11.5dB)のときとなる。ちなみに信号雑音比SNが14.1倍であることを電気パワー比で表すと、14.12=約200倍、すなわち約23dBとなる。
【0048】
本発明はBER<10-12以外の場合にも適用することができる。BERの値を一般化して表すと数式11で表され、BERが10-8,10-10,10-11,10-12,10-13の場合に関して、Xはそれぞれ11.1,12.0,12.8,13.5,14.1,14.7となる。
【0049】
【数11】
【0050】
実際には、信号光量Sが全ユニットインターバル(UI)の間一定の値をとれるわけではない。現在、光ファイバ通信用の符号化方式としてよく使用されるNRZ符号化方式を使用した場合、最低でもビットレートの倍の−3dB帯域幅を持つシステムが必要とされる。例えば、250Mbpsの伝送レートのシステムでは125MHzの帯域幅が必要とされる。125MHzのシステムのアイパターンをみるとその立上り立下り速度は0.35/125MHzで2.8nsecとなる。また、光トランシーバから後段の物理層LSIに伝える位相余裕としては、0.4UI程度は最低必要とされる。上記250MbpsのUIは4nsecであるので、0.4UIの部分すべてにおいて最大の信号振幅を確保できるわけでなく、図2に示すように一般的に位相余裕すなわちアイ開口の最も厳しいエッジ部分は立上り立下りのテーパーの影響を受ける部分となる。基本的にはアイ開口エッジ部で実質的な振幅Aは必要アイ開口率IOを用いて(1−IO)/2/0.35*Sと表され、上記例のように必要アイ開口率IOが0.4UIの場合におけるアイ開口エッジ部の振幅Aは信号光量Sの6/7の値となる。
【0051】
よって必要アイ開口率IOが0.3以上の場合に関して数式11は数式12のように表される。
【0052】
【数12】
【0053】
次に、反射戻り光n1〜n3がある場合を考える。反射戻り光n1〜n3による光クロストークがある場合、反射戻り光による雑音は光信号の光量が反射戻り光量の分だけ低減すると考えることができる。そこで、反射戻り光n1〜n3の光量をそれぞれN1,N2,N3とすると、最終的に数式13を満足する必要がある。
【0054】
【数13】
【0055】
信号雑音比SNが最悪の状態は、通常、信号光量Sが最も小さいときに発生し、電気的な雑音の中では上記プリアンプによるアンプ雑音Nampが支配的となる。この雑音電流に対し、上述のようにシステムの立上り立下り時間を考慮した上で、信号光量Sから反射戻り光n1〜n3に対応する光量N1,N2,N3を差し引いた値をある一定値以上に維持する必要があることになる。
【0056】
なお、本明細書で用いる記号の意味をまとめると次のようになる。
アンプ雑音Nampは、第2モジュール12bの受信部14bにおける初段のプリアンプによる雑音電流のrms値を光量に換算した値を意味する。
信号雑音比限界値Xは、反射戻り光がない場合に所定のBERを実現する信号雑音比SNの限界値を意味する。
信号光量Sは、光ファイバ11から出射され、第2モジュール12bにおける受信部14bのフォトダイオードに結合する信号光の光量を意味する。信号光量Sは、出射される放射光の全光束を光パワーメータ等で受光して測定することができる。
許容最小ファイバ結合光出力Sminは、一芯全二重双方向光通信システム10において光ファイバ11への結合光出力として許容される値の最小値を意味する。
許容最大ファイバ結合光出力Smaxは、一芯全二重双方向光通信システム10において光ファイバ11への結合光出力として許容される値の最大値を意味する。
送信側ファイバ結合光出力S1は、第1モジュール12a(送信側)の送信部13aから送信される信号光s1のうち光ファイバ11へ結合する光量を意味する。送信側ファイバ結合光出力S1は、減衰の無視できる短い(例えば1m)光ファイバの一端へ信号光s1を結合させ、他端から出射される光の光量を測定することにより測定することができる。
送信側最小ファイバ結合光出力S1minは、同一の光源および同一の光学系を使用した第1モジュール12aの群において、光源や光学系の特性のバラツキによる上記送信側ファイバ結合光出力S1のバラツキ範囲の最小値を意味する。
許容最小透過効率PTminは、一芯全二重双方向光通信システム10で許容される光ファイバ11の最小透過効率を意味する。
許容最大透過効率PTmaxは、一芯全二重双方向光通信システム10で許容される光ファイバ11の最大透過効率を意味する。
送信光透過効率PT1は、第1モジュール12a(送信側)の送信部13aから送信され、光ファイバ11へ結合した光量のうちどれだけの光量が光ファイバ11を透過するかを示す効率を意味する。送信光透過効率PT1は、長さの異なる光ファイバに対して同一のファイバ結合光出力で光を入射させ、それぞれの光ファイバからの出射光量を測定することにより算出することができる。
送信光最小透過効率PT1minは、同一の光源および同一の光学系を使用した第1モジュール12aの群からの送信光(信号光s1)に関して、光源や光学系の特性のバラツキによる上記送信光透過効率PT1のバラツキ範囲の最小値を意味する。
近端反射率NRは、第2モジュール12bから送信された信号光s2のうち、端面11bおよび第2モジュール12b内での漏れ散乱等の内乱光(迷光成分)として第2モジュール12b自身の受信部14bで受信される光量を表すための値であって、そのように受信される光量の上記許容最大ファイバ結合光出力Smaxに対する割合を意味する。
遠端反射率FRは、第2モジュール12bから送信された信号光s2のうち、第1モジュール12a側の端面11aでの反射率PFRと、相手側モジュールである第1モジュール12aでの反射率MFRとを合わせた反射率を意味する。
最小受信効率Rminは、光ファイバ11から出射される光量のうち第2モジュール12bにおける受信部14bのフォトダイオードに結合する光量の割合の最小値を意味する。
全ユニットインターバルUI(Unit Interval)は、システムの単位周期を意味する。
必要アイ開口率IOは、上記全ユニットインターバルUIを1としたときの必要アイ開口率を意味する。
アイ開口エッジ部振幅Aは、アイパターンの位相余裕エッジ部での信号振幅を意味する。
【0057】
なお、「一芯全二重双方向光通信システム10で許容される」とは、一芯全二重双方向光通信システム10の規格等によって許容されていることを意味する。
【0058】
〔実施形態1〕
部屋の中、または隣接する部屋にある機器間を光ファイバで結ぶ場合、10mの配線長があれば十分である。ここでは、一芯全二重双方向光通信システム10における光ファイバ11として長さ10mの三菱レイヨン製SI(ステップインデックス)型プラスチック光ファイバMH4001を使用し、伝送容量125Mbpsの比較的低速の第1モジュール12aと、伝送容量250Mbpsの比較的高速の第2モジュール12bとが混在している場合を想定する。また、後段の物理層のLSIが要求する位相余裕は一般的な0.4UIとする。
【0059】
主要な構成部品は次の通りである。まず、第1モジュール12a(伝送容量125Mbps側)では、受信部14aのフォトダイオードとしてシャープ製の受光部径φ440μm高速PIN−PD、プリアンプとしてシャープ製fc125MHz品(アンプノイズ55nA)、送信部13aの送信器としてシャープ製赤色LED、LEDドライバとしてシャープ製fc125MHzのものを使用した。また、第2モジュール12b(伝送容量250Mbps側)では、受信部14bのフォトダイオードとしてシャープ製の受光部径φ350μm高速PIN−PD、プリアンプとしてシャープ製fc250MHz品(アンプノイズ98nA)、送信部13bの送信器としてシャープ製赤色LD(RIN−120dB)、LDドライバとしてマキシム社製Max3766を使用した。
【0060】
また、信号雑音比SNを決定する主要なパラメータの値は次の通りである。光ファイバ11における単位長さ当たりの最小透過効率は−0.51dB/m(送信器がLEDの場合)、最大透過効率は−0.15dB/m(送信器がLDの場合)である。この一芯全二重双方向光通信システム10で許容される許容最大ファイバ結合光出力Smaxは−2.7dBm、許容最小ファイバ結合光出力Sminは−10.9dBmである。光ファイバ11と受信部14a・14bのフォトダイオードとの受信結合効率の最悪値が−8dBである。反射戻り光n1による近端反射率NRは0.1%(Smax比)、反射戻り光n2・n3による遠端反射率FRは1.4%である。また、この一芯全二重双方向光通信システム10の最小消光比を10とした。
【0061】
信号雑音比SNが最悪となるのは、最小透過効率が−0.51dB/mとなるLEDを使用した125Mbpsの第1モジュール12aから、最大透過効率が−0.15dB/mとなるLDを使用した250Mbpsの第2モジュール12bへ光信号を送信する場合である。そこで、この最悪の組み合わせにおける信号雑音比SNを光ファイバ11のファイバ長ごとに求めた結果を図3に示す。光ファイバ11のファイバ長が10mのとき信号雑音比SNが最悪となるが、それでも目標である23dB以上を満足している。
【0062】
信号雑音比SNは、LDまたはLEDの光出力を上げる、すなわちファイバ結合光出力を相対的に底上げすることで向上させることが可能である。しかし、一芯全二重双方向光通信システム10を一般家庭で使用することを考えると、目への安全性や消費電力、発光素子の寿命等を考慮し、平均値表示で−2.7dBm程度が限界となる。ちなみに、ファイバ結合光出力の最小値は、LEDの場合APC等がかけられないことや光ファイバへの結合バラツキを考慮すると−10.9dBm程度となる。
【0063】
また、光ファイバ11の口径が1mmとフォトダイオードの受光部径に対して大きいこと、送信光にLED光を使用した場合には光ファイバ11からの出射NAが大きいこと等を考慮し、さらに送受信を波面分割若しくは偏光分割する際のロス等を考慮すると受信結合効率の最悪値は−8dB程度になる。
【0064】
遠端反射率FRは、例えば、光ファイバ11がSI型プラスチック光ファイバの場合、端面斜め加工や球加工によりある程度減らすことが可能であり、光ファイバ11自体の遠端反射率PFRを0.7%程度に抑えることができる。また、相手モジュールによる遠端反射率に関しても、素子の傾斜等の対策を施すことにより実験上0.7%程度に抑えることができることを確認した。そこで、反射戻り光n2・n3による遠端反射率FRは1.4%とした。
【0065】
近端反射率NRは、光ファイバ11の入射端での散乱等を考慮すると許容最大ファイバ結合光出力Smaxの1/1000が妥当な値となる。
【0066】
この場合、図3に示すように10m伝送した後も電気パワー換算した信号雑音比SNは23dB以上得られ、BER<10-12の非常に優れた伝送品質を得ることができる。
【0067】
一方、遠端反射率FRが仮に2.4%になってしまうと、信号雑音比SNは図4に示すように10m伝送すると20.5dBとなり、目標となる23dBを満足することができなくなる。
【0068】
ここで、一芯全二重双方向光通信システム10において、第1モジュール12aから第2モジュール12bへ信号を伝送する場合を考える。
【0069】
上記数式13(a)は数式14に変形することができる。ここで、第2モジュール12bの受信部14bに備えられたフォトダイオードに結合する信号光の光量である信号光量Sとしては、信号雑音比SNが最悪となる条件を想定する必要があり、このとき信号光量Sは数式15のように表すことができる。
【0070】
【数14】
【0071】
【数15】
【0072】
ここで、許容最小透過効率PTminは一芯全二重双方向光通信システム10で許容される光ファイバ11の最小透過効率であり、上記単位長さ当たりの最小透過効率に光ファイバ11の長さを乗じたものである。また、最小受信効率Rminは光ファイバ11から出射される光量のうちフォトダイオードに結合する光量の割合であり、(フォトダイオードに結合する光量)/(光ファイバから出射される光量)の値で表される。
【0073】
また、光クロストークとなる反射戻り光n1〜n3の光量の合計N1+N2+N3は、図1より光クロストークとなる自分自身の信号光量が最も強いときを想定して数式16のように表すことができる。
【0074】
【数16】
【0075】
ここで、許容最大透過効率PTmaxは一芯全二重双方向光通信システム10で許容される光ファイバ11の最大透過効率であり、上記単位長さ当たりの最大透過効率に光ファイバ11の長さを乗じたものである。
【0076】
これらを数式14に代入して整理すると数式17(a)が得られる。同様に、数式13(b)を変形することにより数式17(b)が得られる。BERを所定値未満とするためには数式17を満足する必要がある。
【0077】
【数17】
【0078】
なお、数式17(a)(b)の各右辺における分母と遠端反射率FRとが主に第1モジュール12aによって決定され、遠端反射率FR以外の分子が主に第2モジュール12bによって決定されることになる。
【0079】
ここで、一般に、許容最大ファイバ結合光出力Smaxや許容最小ファイバ結合光出力Sminは、一芯全二重双方向光通信システム10の規格により定められる。また、許容最大透過効率PTmaxおよび許容最小透過効率PTminは、使用する光源の波長と励振NAに依存し、通常はこの波長および励振NAも規格で定められる。したがって、規格を満たす一芯全二重双方向光通信システム10は、ファイバ結合光出力が許容最小ファイバ結合光出力Smin〜許容最大ファイバ結合光出力Smaxの範囲で、光ファイバ11の透過効率が許容最小透過効率PTmin〜許容最大透過効率PTmaxの範囲のものとなる。
【0080】
信号雑音比SNを所定値以上とするためには、受信側、つまり第2モジュール12b側で近端反射率NRと最小受信効率Rminとの比率NR/Rmin、およびアンプ雑音Nampと最小受信効率Rminとの比率Namp/Rminを一定値未満にするか、送信側、つまり第1モジュール12a側で遠端反射率FRを一定値未満にする必要がある。
【0081】
ここで、一芯全二重双方向光通信システム10全体を考えると、受信時は相手側モジュール、すなわち送信側モジュールの遠端反射率FRの値さえ決まっていれば、一芯全二重双方向光通信システム10で許容されるファイバ結合光出力Smin〜Smaxの範囲で、光ファイバ11の許容透過効率PTmin〜PTmaxの範囲を考慮して、NR/Rminの値を数式17を満足するように設定すればよいことになる。すなわち、NR/Rminの値は条件を満たす範囲で任意に調整可能であるが、遠端反射率FRは受信側では調整できないので送信側で一定値未満にしておく必要がある。
【0082】
本実施形態における一芯全二重双方向光通信システム10の場合、近端反射率NRは光ファイバ11への信号光s2の入射時の散乱等により約0.1%、最小受信効率Rminは受信部14bのフォトダイオードと光ファイバ11のファイバ径の差や、送受信の分割効率、ファイバ放射光の広がり等のため下限は最悪20%程度となり、NR/Rminの値は0.005になる。
【0083】
上述のように遠端反射率FRは送信側で一定値未満にする必要があるが、例えば短距離で、かつ、光ファイバ11の透過効率が大きい上述した一芯全二重双方向光通信システム10の場合、送信側の遠端反射率FRを非常に小さい値にする必要がある。その結果、モジュールの設計の自由度が下がってしまう。
【0084】
そこで本実施形態では、次のようにして各条件を定めることとする。
数式17において遠端反射率FRを所定値未満にできない場合、この遠端反射率FRを変数と考える。遠端反射は送信側(ここでは第1モジュール12a側)で発生する反射であるので、送信信号自体にノイズが加算されていると考えてもよい。
【0085】
そして、そのノイズ分、送信側ファイバ結合光出力S1を上げておくと、遠端反射で増大したノイズ分をキャンセルすることが可能になる。数式17における「Smin」の部分はこの一芯全二重双方向光通信システム10で許容されるファイバ結合光出力Smin〜Smaxの範囲を逸脱しなければ送信側で任意に設定することができる値である。したがって、数式17における「Smin」の部分を調整可能な変数である送信側ファイバ結合光出力S1_と考えることができる。
【0086】
その結果、数式17を数式18のように表すことができる。なお、記号の後に付した「_」は、その記号が変数であることを示している。
【0087】
【数18】
【0088】
したがって、遠端反射率FRの値によって、送信側ファイバ結合光出力S1を調整すれば比較的大きな遠端反射も許容されることになる。上記具体例の場合、例えば送信側ファイバ結合光出力S1を−10.5dBmとするだけで、遠端反射率FRを2%まで許容できるようになる。
【0089】
また、送信側ファイバ結合光出力S1でなく、数式17における許容最小透過効率PTminは、送信側である第1モジュール12aにおける送信部13aから送信される送信光(信号光s1)の励振NAを変更する、あるいは波長を管理することで向上させることができる。そこで、数式17における「PTmin」の部分を調整可能な変数である送信光透過効率PT1_として考えると、数式17を数式19のように表すことができる。
【0090】
【数19】
【0091】
このように送信側ファイバ結合光出力S1_または送信光透過効率PT1_を変化させたときに、信号雑音比SNが14.1倍(光パワー比、電気パワー比では200倍)を満たす遠端反射率FRを求めたグラフをそれぞれ図5および図6に示す。送信側ファイバ結合光出力S1_または送信光透過効率PT1_が大きいほど、許容できる遠端反射率が大きくなることがわかる。
【0092】
そこで、本実施形態における一芯全二重双方向光通信システム10の製造方法では、数式18に基づいて、第1モジュール12a側における遠端反射率FR_に応じて、第1モジュール12aの光ファイバ11への結合光出力である送信側ファイバ結合光出力S1_を調節する。
【0093】
あるいは、本実施形態における一芯全二重双方向光通信システム10の製造方法では、数式19に基づいて、第1モジュール12a側における遠端反射率FR_に応じて、第1モジュール12aから出射される第1信号光s1に関する光ファイバ11での透過効率である送信光透過効率PT1_を調節する。
【0094】
これらの製造方法では、まず、実際に一芯全二重双方向光通信システム10を構成する部材を用いて、第1モジュール12a側における遠端反射率FR_を把握する。そして、把握した遠端反射率FR_に基づいて送信側ファイバ結合光出力S1_あるいは送信光透過効率PT1_を調節する。
【0095】
ここで、遠端反射率FR_に応じて送信側ファイバ結合光出力S1_あるいは送信光透過効率PT1_を調節することの利点についてさらに説明する。
【0096】
一般に、各種光学系において光ファイバから出射される光の受信器への受信効率と遠端反射率とはトレードオフの関係にあることが確認されている。このことは、受信効率と遠端反射率との関係の一例を示す図7に現れている。図7は、直径1mmのPOFを使用し、光ファイバ端の光線におけるピーク強度の半値となる角度で表現した出射NAが0.35となる光量分布のときの受信効率と、受信器からの遠端反射率との関係を求めたものである。
【0097】
この理由を図8に基づいて説明する。図8は、光ファイバ21から出射される光の受信器22への受信効率と遠端反射率とがトレードオフの関係にあることを説明するための図面である。
【0098】
遠端反射率を小さくするために、出射光s21の反射光s22を光ファイバ21へ幾何学的に戻さないようにするには、図8(b)に示すように受信器22の受光面22aを傾斜させるのがよい。しかし、受光面22aを傾斜させると、出射光s21に対する受信器22の実質的な受光面積が低下する、つまり出射光s21の受信器22上での投影面積が広がることになる。このことから、光ファイバから出射される光の受信器への受信効率と遠端反射率とはトレードオフの関係にあることがわかる。
【0099】
次に、受信効率と遠端反射率とが信号雑音比SN(アイ開口率IO)に対してどのように影響するかを考える。上記数式18からわかるように、遠端反射率FR_は1項に影響を及ぼすのみであるが、受信効率(数式18における最小受信効率Rmin)は2項にわたって影響を及ぼす。したがって、受信効率の方が信号雑音比SNに与える影響が大きいと予想される。
【0100】
このことは、図9により確認することができる。図9は、500Mbsで伝送する試作品において受信効率と遠端反射率とがアイ開口率IOにどのような影響を及ぼすかを調べた結果を表すグラフである。図9(a)は、遠端反射率1.4%(受信器の反射率0.7%、受信器側光ファイバ端面の反射率0.7%)、図9(b)は、遠端反射率2.1%(受信器の反射率1.4%、受信器側光ファイバ端面の反射率0.7%)の場合を示している。図9(a)と図9(b)とを比較すると、図9(a)の場合に対して図9(b)の場合では遠端反射率が1.5倍になっているが、双方で同一のアイ開口0.8nsを得るためには、受信効率を−5.9dBから−5.7dBへと僅か0.2dB(0.1%)改善すればよいことがわかる。
【0101】
このことから、受信器側において遠端反射率を犠牲にしてでも受信効率がよい光学系を作成したほうが性能の良い(信号雑音比SNがよい、アイ開口率IOが大きい、BERが低い)受信器が得られることがわかる。
【0102】
ここで、図1に示した一芯全二重双方向光通信システム10について考える。注意しなければならないことは、第2モジュール12bが受信効率を上げることにより第2モジュール12b自体の信号雑音比SNを改善することができるが、第2モジュール12bにおける遠端反射率(第1モジュール12aからみた第2モジュール12bの遠端反射率)を上げようが下げようが第2モジュール12b自体の信号雑音比SNには影響しない。第2モジュール12bにおける遠端反射率は第2モジュール12bでの受信ではなく第1モジュール12aでの受信に影響を及ぼす。つまり、第2モジュール12bの信号雑音比SNには第2モジュール12bの受信効率と第1モジュール12aにおける遠端反射率とが影響を及ぼす。
【0103】
このような関係から、第1モジュール12aと第2モジュール12bとの間で遠端反射率を予め定められた値に調節するようにすると、遠端反射率によって拘束されることにより信号雑音比SNに影響が大きい受信効率が犠牲になり、結果的に信号雑音比SNの向上を阻害することがある。このことは、遠端反射率と送信光透過効率との関係においてもほぼ同様に成り立つ。
【0104】
そこで、本実施形態の製造方法では、光ファイバ11からの出射光の第1モジュール12aへの受信効率を優先的に考え、この受信効率に基づいて光ファイバ11に対する第1モジュール12aの配置を決定する。具体的には、例えば受信効率が最も高くなるように光ファイバ11に対する第1モジュール12a(特に受信部14a)の配置を決定する。これは、例えば図8(a)のような配置になる。そして、その配置における遠端反射率FR_の値を把握し、その遠端反射率FR_の値に応じて、数式18あるいは数式19を満たすように送信側ファイバ結合光出力S1_あるいは送信光透過効率PT1_を設定する。
【0105】
つまり、送信側における受信効率を優先させたことによる送信側における遠端反射率の増大を、送信側自体の送信側ファイバ結合光出力を調節する、あるいは送信側自体から送信される信号光の特性を調節するなどして信号光の光ファイバ透過効率を調節することで、受信側にて受信される信号光の品質を補償することができる。その結果、要求される信号雑音比SN(アイ開口率IO、BER)の条件を満たした一芯全二重双方向光通信システム10を製造することが可能になる。
【0106】
また、図8(a)の構成のように図8(b)の構成と比較してシンプルな構成をとりつつ信号雑音比SNの向上を図ることができるため、製造コスト面で有利な一芯全二重双方向光通信システム10を製造することができる。
【0107】
なお、ここでは第1モジュール12aを送信側、第2モジュール12bを受信側と考えた場合について説明したが、第2モジュール12bを送信側、第1モジュール12aを受信側と考えて上記と同様の設定を行うことで、全体として要求される信号雑音比SNの条件を満たした一芯全二重双方向光通信システム10を製造することが可能になる。
【0108】
〔実施形態2〕
実施形態1では、数式18に基づいて、第1モジュール12a側における遠端反射率FR_に応じて、数式18に基づいて第1モジュール12aの光ファイバ11への結合光出力である送信側ファイバ結合光出力S1_を調節する、あるいは数式19に基づいて第1モジュール12aから出射される第1信号光s1に関する光ファイバ11での透過効率である送信光透過効率PT1_を調節するようにした。
【0109】
この場合、各モジュールについて遠端反射率を把握した上で送信側ファイバ結合光出力や信号光の光ファイバ透過効率を個々に調節する必要がある。
【0110】
しかし、送信側ファイバ結合光出力や信号光の光ファイバ透過効率は、送信側である第1モジュール12aの送信部13a自体の光学系や光源の種類が決まれば自ずとそのバラツキ範囲が決まることになる。そして、そのバラツキ範囲が一芯全二重双方向光通信システム10で許容される許容最小ファイバ結合光出力Sminまたは許容最小透過効率PTmin内に収まっていれば問題ないことになる。
【0111】
例えば、上記の例では、第1モジュール12aの送信部13aの光源としてLEDを用いた場合の最小ファイバ透過効率は10mで−5.1dBであるのに対し、LDを用いた場合は−3.1dBとなる。また、LEDを用いた場合の最小ファイバ結合光出力は−10.9dBであるのに対し、LDを用いた場合−7dB〜−10dBとなる。これらは上述のように使用する光源の種類およびその仕様、光学系によって定まる。
【0112】
そこで、本実施形態における一芯全二重双方向光通信システム10の製造方法では、遠端反射率と、同一種類のモジュール群の中でとりうる送信側最小ファイバ結合光出力S1minあるいは送信光最小透過効率PT1minとに基づいて、第1モジュール12aとして採用するモジュール群を決定する。
【0113】
ここで、送信側最小ファイバ結合光出力S1minとは、同一種類のモジュールの群における各モジュールの光ファイバ11への結合光出力のバラツキの最小値を意味し、送信光最小透過効率PT1minとは、同一種類のモジュールの群における各モジュールから出射される信号光に関する光ファイバ11での透過効率のバラツキの最小値を意味する。また、同一種類のモジュールとは、注目する特性(ここでは結合光出力に関係する光出力特性や、透過効率に関係する波長特性等)に関して互いに同一の特性を有するように形成されたモジュールを意味する。
【0114】
ここで、数式17における「Smin」の部分を変数である送信側最小ファイバ結合光出力S1min_として考えると、数式17を数式20のように表すことができる。また、数式17における「PTmin」の部分を変数である送信光最小透過効率PT1min_として考えると、数式17を数式21のように表すことができる。
【0115】
【数20】
【0116】
【数21】
【0117】
そして、第1モジュール12aとして採用の可能性のあるモジュールの群であって、互いに異なる種類のモジュールからなる複数の群について、各群における送信側最小ファイバ結合光出力S1minあるいは送信光最小透過効率PT1minを各群ごとに予め求めておき、第1モジュール12a側における遠端反射率FR_に応じて、それぞれ数式20あるいは数式21を満たす群を選択する。この選択した群に含まれるモジュールを第1モジュール12aとして採用することで、要求される信号雑音比SNの条件を満たした一芯全二重双方向光通信システム10を製造することが可能になる。
【0118】
なお、光ファイバ11からの出射光の第1モジュール12aへの受信効率を優先的に考えて、光ファイバ11に対する第1モジュール12aの配置を決定する点は実施形態と同様である。
【0119】
数式20または数式21によると、数式18または数式19と比較して許容できる遠端反射率の範囲は狭くなるが、モジュールの特性を個別に調節する手間が省けることになる。
【0120】
なお、上記実施形態1または2では、送信側ファイバ結合光出力S1_または送信側最小ファイバ結合光出力S1min_と、送信光透過効率PT1_または送信光最小透過効率PT1min_とを、それぞれ単独で変数と考えているが、これに限らず、数式17の分母として考え得る値、すなわち、
(送信側ファイバ結合光出力S1_)×(送信光透過効率PT1_)、
(送信側最小ファイバ結合光出力S1min_)×(送信光最小透過効率PT1min_)、
(送信側ファイバ結合光出力S1_)×(送信光最小透過効率PT1min_)、または
(送信側最小ファイバ結合光出力S1min_)×(送信光透過効率PT1_)それぞれを変数と考えることもできる。
【0121】
【発明の効果】
本発明の光通信システムの製造方法は、1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法であって、上記FR_の値に応じて、数式18あるいは数式19を満たすようにS1_あるいはPT1_を設定する方法である。
【0122】
上記の方法では、アイ開口率の向上に大きく影響する条件を優先的に決定していくことで、製造上の自由度を上げて低コストの光通信システムを製造することができるようになる。
【0123】
本発明の光通信システムの製造方法は、1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法であって、上記FR_の値に応じて、数式20あるいは数式21を満たすような群に含まれるモジュールを第1モジュールとして用いる方法である。
【0124】
上記の方法では、第1モジュールとして用いるモジュールの特性を個別に設定する手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一芯全二重双方向通信における信号光と反射戻り光(雑音光)との関係を示す概念図である。
【図2】必要アイ開口率を説明するためのアイパターンを表した図面である。
【図3】信号雑音比SNと光ファイバのファイバ長との関係を表すグラフである。
【図4】信号雑音比SNと光ファイバのファイバ長との関係を表すグラフである。
【図5】送信側ファイバ結合光出力と許容遠端反射率との関係を示すグラフである。
【図6】送信光透過効率と許容遠端反射率との関係を示すグラフである。
【図7】受信効率と、受信器からの遠端反射率との関係を表すグラフである。
【図8】光ファイバから出射される光の受信器への受信効率と遠端反射率とがトレードオフの関係にあることを説明するための図面である。
【図9】受信効率と遠端反射率とがアイ開口率IOにどのような影響を及ぼすかを調べた結果を表すグラフである。
【図10】家庭における一芯全二重双方向通信の応用例を示す概念図である。
【図11】従来の光送受信装置の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 一芯全二重双方向光通信システム(光通信システム)
11 光ファイバ
11a 端面
11b 端面
12a 第1モジュール
12b 第2モジュール
13a 送信部
13b 送信部
14a 受信部
14b 受信部
Claims (5)
- 1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法において、
上記第2モジュールからの出射光に関する上記第1モジュールと上記光ファイバの上記第1モジュール側端面とにおける反射率である遠端反射率をFR_、
上記第1モジュールの上記光ファイバへの結合光出力をS1_、
上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最大値をSmax、
上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最小値をPTmin、
上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最大値をPTmax、
上記第2モジュールから、上記光ファイバへの結合光出力が上記Smaxとなる出射光が出射されたときに、上記光ファイバの上記第2モジュール側端面および上記第2モジュール内で発生する上記出射光の迷光成分が上記第2モジュールで受光される光量の上記Smaxに対する割合をNR、
上記光ファイバからの出射光の上記第2モジュールへの最小受信効率をRmin、
上記第2モジュールで受信した光信号を電気信号に変換するためのアンプにおけるノイズの光量換算値をNamp、
上記アンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率をIO、
上記第2モジュールにおいて上記第2モジュールからの出射光による上記第2モジュールへの反射戻り光がないと仮定した場合に、上記光通信システムにおいてビットエラーレートが許容される上限値となるときに上記第2モジュールで受信する光信号の光量の上記Nampに対する比率をX、
としたときに、
上記光ファイバからの出射光の上記第1モジュールへの受信効率に基づいて上記光ファイバに対する上記第1モジュールの配置を決定し、その配置における上記FR_の値に応じて、
を満たすように上記S1_を設定することを特徴とする光通信システムの製造方法。 - 1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法において、
上記第2モジュールからの出射光に関する上記第1モジュールと上記光ファイバの上記第1モジュール側端面とにおける反射率である遠端反射率をFR_、
上記第1モジュールに採用し得る同一種類のモジュールの群における各モジュールの上記光ファイバへの結合光出力のバラツキの最小値をS1min_、
上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最大値をSmax、
上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最小値をPTmin、
上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最大値をPTmax、
上記第2モジュールから、上記光ファイバへの結合光出力が上記Smaxとなる出射光が出射されたときに、上記光ファイバの上記第2モジュール側端面および上記第2モジュール内で発生する上記出射光の迷光成分が上記第2モジュールで受光される光量の上記Smaxに対する割合をNR、
上記光ファイバからの出射光の上記第2モジュールへの最小受信効率をRmin、
上記第2モジュールで受信した光信号を電気信号に変換するためのアンプにおけるノイズの光量換算値をNamp、
上記アンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率をIO、
上記第2モジュールにおいて上記第2モジュールからの出射光による上記第2モジュールへの反射戻り光がないと仮定した場合に、上記光通信システムにおいてビットエラーレートが許容される上限値となるときに上記第2モジュールで受信する光信号の光量の上記Nampに対する比率をX、
としたときに、
上記光ファイバからの出射光の上記第1モジュールへの受信効率に基づいて上記光ファイバに対する上記第1モジュールの配置を決定し、その配置における上記FR_の値に応じて、互いに異なる種類のモジュールからなる複数の上記群の中から、
を満たす群を選択し、選択した群に含まれるモジュールを上記第1モジュールとして用いることを特徴とする光通信システムの製造方法。 - 1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法において、
上記第2モジュールからの出射光に関する上記第1モジュールと上記光ファイバの上記第1モジュール側端面とにおける反射率である遠端反射率をFR_、
上記第1モジュールからの出射光に関する上記光ファイバでの透過効率をPT1_、
上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最小値をSmin、
上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最大値をSmax、
上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最大値をPTmax、
上記第2モジュールから、上記光ファイバへの結合光出力が上記Smaxとなる出射光が出射されたときに、上記光ファイバの上記第2モジュール側端面および上記第2モジュール内で発生する上記出射光の迷光成分が上記第2モジュールで受光される光量の上記Smaxに対する割合をNR、
上記光ファイバからの出射光の上記第2モジュールへの最小受信効率をRmin、
上記第2モジュールで受信した光信号を電気信号に変換するためのアンプにおけるノイズの光量換算値をNamp、
上記アンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率をIO、
上記第2モジュールにおいて上記第2モジュールからの出射光による上記第2モジュールへの反射戻り光がないと仮定した場合に、上記光通信システムにおいてビットエラーレートが許容される上限値となるときに上記第2モジュールで受信する光信号の光量の上記Nampに対する比率をX、
としたときに、
上記光ファイバからの出射光の上記第1モジュールへの受信効率に基づいて上記光ファイバに対する上記第1モジュールの配置を決定し、その配置における上記FR_の値に応じて、
を満たすように上記PT1_を設定することを特徴とする光通信システムの製造方法。 - 1本の光ファイバと、上記光ファイバの両端にそれぞれ設けられた第1および第2モジュールとを備え、上記第1および第2モジュールが上記光ファイバを介してそれぞれ同時に光信号の送受信可能な光通信システムの製造方法において、
上記第2モジュールからの出射光に関する上記第1モジュールと上記光ファイバの上記第1モジュール側端面とにおける反射率である遠端反射率をFR_、
上記第1モジュールに採用し得る同一種類のモジュールの群における各モジュールからの出射光に関する上記光ファイバでの透過効率のバラツキの最小値をPT1min_、
上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最小値をSmin、
上記光通信システムにおいて上記光ファイバへの結合光出力として許容されている値の最大値をSmax、
上記光通信システムにおいて上記光信号の上記光ファイバでの透過効率として許容されている値の最大値をPTmax、
上記第2モジュールから、上記光ファイバへの結合光出力が上記Smaxとなる出射光が出射されたときに、上記光ファイバの上記第2モジュール側端面および上記第2モジュール内で発生する上記出射光の迷光成分が上記第2モジュールで受光される光量の上記Smaxに対する割合をNR、
上記光ファイバからの出射光の上記第2モジュールへの最小受信効率をRmin、
上記第2モジュールで受信した光信号を電気信号に変換するためのアンプにおけるノイズの光量換算値をNamp、
上記アンプにより変換された電気信号に求められるアイ開口率をIO、
上記第2モジュールにおいて上記第2モジュールからの出射光による上記第2モジュールへの反射戻り光がないと仮定した場合に、上記光通信システムにおいてビットエラーレートが許容される上限値となるときに上記第2モジュールで受信する光信号の光量の上記Nampに対する比率をX、
としたときに、
上記光ファイバからの出射光の上記第1モジュールへの受信効率に基づいて上記光ファイバに対する上記第1モジュールの配置を決定し、その配置における上記FR_の値に応じて、互いに異なる種類のモジュールからなる複数の上記群の中から、
を満たす群を選択し、選択した群に含まれるモジュールを上記第1モジュールとして用いることを特徴とする光通信システムの製造方法。 - 請求項1から4の何れか1項に記載の光通信システムの製造方法において、
上記光ファイバがプラスチック光ファイバであることを特徴とする光通信システムの製造方法。
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