JP4122201B2 - ガラス溶解炉の運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガラス溶解炉の運転方法、特に、バーナの燃焼に伴う燃焼排気ガスに含まれるNOxを低減するようにした運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス原料の供給を受けてこれを溶解する溶解室と、その両側部に設けた複数個のポートを介して燃焼排気ガスのもつ熱を回収して燃焼用空気を予熱する蓄熱室と、各ポートに設置されたバーナとを備えており、ガラス溶融のための燃料の燃焼を対向するバーナの列ごとに交互に行うようにしたガラス溶解炉は知られている。
【0003】
さらに、上記ガラス溶解炉でのバーナ燃焼に伴う燃焼排気ガスに含まれるNOxを効率よく低減する方法として、溶解室を出た燃焼排気ガスに天然ガスなどをリバーンガスとして噴射して蓄熱室の上部空間を還元領域(リバーニングゾーン)とし、そこで燃焼排気ガス中のNOxを還元除去すると共に、その下流において酸化剤としての二次空気を供給してCOなどの未燃物を完全燃焼させる方法も知られている。リバーンガスの噴射は、燃焼に関与していない側のポートに設置した全部又は1部のバーナノズルから、あるいは、蓄熱室の上部空間に別途設置されたガスノズルから行われる(特開平55−27859号公報、特開平6−239618号公報など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ガラス溶解室を出た燃焼排気ガスに対して上記のようにリバーニング燃焼法を適用することにより、燃焼排気ガス中に含まれるNOx量を許容できるレベル以下に低減することができ、自然環境の保全は担保される。しかし、ガラス溶解炉から排出される燃焼排気ガスは大量であること、及び、化学量論的に、ある雰囲気においてNOxの還元が開始するには、所定値以上の還元剤(リバーンガス)濃度が必要であることから、リバーンガスの噴射を、燃焼に関与していない側の全部又は一部のポートに設置した各バーナから行う場合、あるいは、蓄熱室の上部空間に別途設置されたガスノズルから行う場合のいずれであっても、蓄熱室の上部空間全域を還元領域とするのに、多量のリバーンガスを必要とし、コスト的な課題を有している。
【0005】
一方、ガラス溶解炉から大気に放出されるNOx量を抑制する対策として、前記のように燃焼排気ガスの全量に対してリバーニング燃焼法を適用する手法と共に、ガラス溶解炉内での燃料の燃焼方法そのものに改善を施すことも種々行われてきている。
【0006】
ガラス溶解炉の排気ガス量は各種工業炉の中でも比較的多いため、NOx排出量がわずかに規制値を上回るような場合で、規制値以下に下げるために数十ppm削減したいような場合であっても、大量のリバーンガスが必要となり大変不経済となる。NOx削減の方法として脱硝剤を用いる方法もあるが、この場合でも大量の脱硝剤が必要となる。
【0007】
また、リバーニング燃焼法を採用した場合、燃焼排気ガスの全量を還元雰囲気とすることから、未燃分を燃焼させるための多量の二次空気を煙道下流域において供給することが必須となり、二次空気供給設備を必要とすることから、ガラス溶解炉の構成を複雑としている。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、リバーニング燃焼法を燃焼排気ガスに適用したガラス溶解炉の運転方法において、除去すべきNOxの総量が少ない場合に、少ないリバーンガス量で所望のNOx除去を可能とし、それによりガラス溶解炉の運転コストを合理的に引き下げることを可能としたガラス溶解炉の新規な運転方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、下流煙道において二次空気の供給を行わなくても、運転状態によっては、燃焼排気ガス中の未燃分を完全に燃焼させることができ、それにより、ガラス溶解炉の構成を簡素化できるガラス溶解炉の新規な運転方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によるガラス溶解炉の運転方法は、ガラス原料の供給を受けてこれを溶解する溶解室と、その両側部に設けた複数個のポートから流入する燃焼排気ガスの持つ熱を回収し燃焼用空気を予熱する蓄熱室と、各ポートに設置されたバーナとを備えており、ガラス溶融のための燃料の燃焼を対向するバーナの列ごとに交互に行うようにしたガラス溶解炉において、前記蓄熱室の上部空間領域におけるガラス原料の供給上流側に位置するポートに近接した領域にのみリバーンガスを噴射して、当該領域を通過する燃焼排気ガスを空気比1以下の還元状態としてNOxの還元を行うと共に、下流煙道において、他のポートに近接した領域を通過した未処理の燃焼排気ガス中の残存酸素により、混合後の燃焼排気ガス中に含まれる未燃分を酸化させることを特徴とする。
【0011】
上記の方法では、NOxを含む燃焼排気ガスの全量を還元状態とするのではなく、蓄熱室の上部空間領域におけるガラス原料の供給上流側に位置するポートに近接した領域を通過する燃焼排気ガスのみが還元状態とされ、そこでのみNOxの還元処理が進行する。NOxが還元除去された燃焼排気ガスと未処理の燃焼排気ガスは下流煙道で混合するが、混合後の燃焼排気ガスに含まれるNOx量は、当初と比較して、前記一部還元除去された量だけ減少する。当初の燃焼排気ガスに含まれるNOx総量がクリアーすべき基準値からわずかにしか超過していないようなガラス溶解炉の運転態様においては、上記の部分的除去でもって、基準値をクリアーすることが十分に可能となる。
【0012】
特に、溶解室の両側部に複数個のポートと蓄熱室とを備えたガラス溶解炉において、運転中に複数個のポートに流入してくる燃焼排気ガス中に含まれるNOxの分布は均一でなく、通常、ガラス原料供給上流側では下流側と比較して大きい。特に、溶解室内でのガラス移動方向における上流側1/3〜1/2程度の領域での燃焼排気ガスは多量のNOxを含んでいる。運転態様によっては、下流域のポートに流入してくる燃焼排気ガス中に含まれるNOx量はクリアーすべき基準値を下回っている場合も生じている。
【0013】
従って、本発明では、他と比較して高濃度のNOxを含有している燃焼排気ガス、特に、溶解室のガラス移動方向における上流側1/3〜1/2程度の領域での燃焼排気ガスに対して、リバーンガスの噴射を行う。それにより、より少ない量のリバーンガスでもって効率的に部分的なNOx除去効果を達成することができる。
【0014】
本発明の方法では、一部の領域を通過する燃焼排気ガスのみを還元状態とするだけであり、燃焼排ガスの全容積、すなわち、蓄熱室の上部空間の全領域を還元領域とする従来の方法と比較して、供給すべきリバーンガス量は大きく減少し、コストの低減が図れる。さらに、未処理の燃焼排気ガス中には通常1〜2%程度の酸素が残存しており、混合後の燃焼排気ガス中に含まれるCOなどの未燃物は、当該残存酸素により燃焼する。そのために、下流煙道に二次空気を供給する設備を設けることを省略することができ、設備が簡素化する。
【0015】
前記リバーンガスの噴射は、前記ポートに設置されたバーナノズルのうち、燃焼に参加していない側のポートのバーナから行ってもよく、前記蓄熱室の上部空間に別途設置したガスノズルから行ってもよい。後者の場合、当該蓄熱室の上部空間における前記ポートの配置位置よりも上位の空間にリバーンガスを噴射するが好ましく、これにより、処理すべき燃焼排気ガスとリバーンガスとの混合が促進され、かつ、長い還元時間を確保できるので、一層高いNOx除去効果が得られる。
【0016】
前記のように、本発明のガラス溶解炉の運転方法では、下流煙道に二次空気を供給する設備を配置することは必ずしも必要とされないが、運転環境によっては未処理の燃焼排気ガスに含まれる残存酸素量では未燃分の完全燃焼が進行しないことが起こり得る。そのために、予備的施設として下流煙道に燃焼排気ガスに空気を供給する設備を備えておき、必要に応じて、二次空気を供給することは好ましい運転態様となる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態につきより詳細に説明する。図1はサイドポート式ガラス溶解炉を説明する断面図であり、図2はその平面図である。ガラス溶解炉1は、ガラス原料2の供給を受けてこれを溶解する溶解室10と、その両側部に設けた複数個(図示の例では各6個)のポート11a〜11f及び12a〜12fとを備え、さらに、各ポート11a〜11f及び12a〜12fを通って流入する燃焼排気ガスが持つ熱を回収し燃焼用空気を予熱する左右の蓄熱室13及び14を備える。前記各ポート11a〜11f及び12a〜12fが溶解室10接続いている位置近傍にはそれぞれにバーナ15a〜15f及び16a〜16fが配置されている。また、前記溶解室10の一方端にはガラス原料供給口17が、他方端には溶解したガラスの取り出し口18が設けてある。
【0018】
蓄熱室13及び14は、上部空間13a及び14aと、その下流に位置する熱回収部13b及び14bと、その下流に位置する下部空間13c及び14cとを備え、前記上部空間13a及び14aには、前記6個のポート11a〜11f及び12a〜12fがほぼ等しい間隔をおいて接続している。また、前記下部空間13c及び14cには、一方端側に燃焼用空気の供給管路20a及び20b、他方端側に燃焼排気ガスの排出管路21a及び21bが接続しており、これら管路にはそれぞれ切り替えダンパー22及び23が設けてあり、各管路が切り替えられるようになっている。
【0019】
図3に示すように、バーナへの燃料供給系30は、燃料ガス源(不図示)に接続した燃料供給管31と、そこから2分した燃料供給分岐管32a及び32bとを備える。各燃料供給分岐管32a及び32bは、各バーナ15a〜15f及び16a〜16fに接続する枝管33a〜33f及び34a〜34fを備え、該枝管には切り替え弁35a〜35f及び36a〜36fが配置される。
【0020】
前記枝管33a〜33f及び34a〜34fにおける上流側に位置する複数本(この例では、枝管33a〜33c及び34a〜34cのそれぞれ3本)には、前記切り替え弁35a〜35c及び36a〜36cに並列して、バイパス弁37a〜37c及び38a〜38cが配置される。なお、バイパス弁37a〜37c及び38a〜38cを流れる最大ガス流量は切り替え弁35a〜35f及び36a〜36fを流れる最大ガス流量よりも少なくされている。
【0021】
このガラス溶解炉1において、ガラス原料2はガラス原料供給口17(上流側)からガラス溶解室10内に供給され、そこで加熱溶解されて取り出し口18(下流側)から排出される。運転に際して、前記バーナ16a〜16fの側から燃焼用燃料ガス(例えば、天然ガス)が供給される場合には、切り替え弁36a〜36f及びバイパス弁38a〜38cのいずれか又は全部は開とされ、一方、バーナ15a〜15f側の切り替え弁35a〜35cは閉とされる。しかし、3つのバイパス弁37a〜37cのいずれか又は全部は開とされる。このような開閉操作は図示しない制御機構により容易に行うことができる。
【0022】
燃焼用空気は、供給管路32bから蓄熱室14の下部空間14cに向けて吸引され、熱回収部14bで加熱された後、上部空間14aから各ポート12a〜12fを通って溶解室10に送られる。それにより、バーナ16a〜16fから供給される燃料ガスは燃焼して、ガラス溶解室10内を加熱する。燃焼排気ガスは、他方側のポート11a〜11fから蓄熱室13の上部空間13a内に流入し熱回収部13bを通過してそこを予熱した後、下部空間13cから燃焼排気ガス排出管路21aを通って大気に放出される。その状態が一定時間継続するが、その間、排気側のポート11a〜11fのうち上流側の3つのポート11a〜11cに近接して配置されるバーナ15a〜15cのいずれか又は全部から、開いているバイパス弁37a〜37cを通して所要量の少量の燃料ガスがリバーンガスとして継続して供給される(図1及び図2の矢印はそのときの燃焼用空気及び燃焼排気ガスの流れ方向を示している)。
【0023】
一定時間経過後に、切り替えダンパー22,23が切り替わり、同時に、バーナ16a〜16f側の切り替え弁36a〜36fは閉じられ、他方のバーナ16a〜16f側の切り替え弁35a〜35fが開かれる。その際に、双方のバイパス弁37a〜37c及び38a〜38cの開閉状態は切り替え前の状態が維持される。それにより、燃料ガス及び燃焼用空気の方向は切り替わり、燃焼用空気は、供給管路20aから蓄熱室13の下部空間13cに向けて吸引され、熱回収部13bで加熱された後、上部空間13aから各ポート11a〜11fを通って溶解室10に送られる。それにより、バーナ15a〜15fから供給される燃料ガスは燃焼して、ガラス溶解室10内の加熱は継続して行われる。
【0024】
燃焼排気ガスは、他方のポート12a〜12fから蓄熱室14の上部空間14a内に流入し熱回収部14bを通過してそこを予熱した後、下部空間14cから燃焼排気ガス排出管路21bを通過して大気に放出される。その間、排気側のポート12a〜12fのうち上流側の3つのポート12a〜12cに近接して配置されるバーナ16a〜16cのいずれか又は全部からは、開いているバイパス弁38a〜38cを通して所要量の少量の燃料ガスがリバーンガスとして継続して供給される。この切り替えが周期的に行われる。
【0025】
上記の運転方法において、溶解室10の加熱のためにバーナ16a〜16fが燃焼しているときに、燃焼排気ガスは反対側のポート11a〜11fから蓄熱室13の上部空間13aに流入するが、前記のように、上流側に位置するポート(例えば、この例ではポート11a〜11c)から流入する燃焼排気ガスに含まれるNOx量は、下流側に位置するポート(例えば、この例ではポート11d〜11f)から流入する燃焼排気ガスに含まれるNOx量よりも平均して多い。一例として、ある条件で運転したときの各ポートからの燃焼排気ガスに含まれるNOxの量は表1のようになる。
【0026】
【表1】
【0027】
そこで、例えば、クリアーすべきNOx値が600ppmであるときに、いずれかのポートから流入してくる燃焼排気ガス中から100ppmに相当するNOxを還元除去できれば、NOx値は燃焼排気ガス総量としてはクリアーすることとなる。今、6個のポートに設置された全てのバーナからリバーンガスを供給して蓄熱室13の上部空間13aの全領域において燃焼排気ガスを還元状態とし100ppmに相当するNOxを還元除去しようとすると、リバーンガス(都市ガス)として約240m3/hが必要となる。
【0028】
しかし、例えば、バーナ15a〜15f側の切り替え弁35a〜35f及びバイパス弁37cは閉とし、2つのバイパス弁37a,37bのみを開として、ポート11aとポート11bの二つのポートに近接した蓄熱室13の上部空間領域にのみリバーンガスを噴射し、そこを通過する燃焼排気ガスのみを還元状態としてNOxの還元を行う場合には、同じ100ppmに相当するNOxを還元除去するのに80m3/hの都市ガスで十分であり、さらに、一個の11bに近接した蓄熱室13の上部空間領域にのみリバーンガスを噴射し、そこを通過する燃焼排気ガスのみを還元状態としてNOxの還元を行う場合には、同じ100ppmに相当するNOxを還元除去するのに40m3/hの都市ガスで十分となる。なお、上記の数値は、下記の条件を前提とする一つの例であるが、本発明がこの例に限らず、ガラス溶解炉の一般的運転において等しく適用できることはいうまでもない。
【0029】
条件:各ポートの燃焼排気ガス量 5000Nm3/h
酸素濃度 2%
排気ガス温度 1400℃
滞留時間 5秒
【0030】
上記のガラス燃焼炉において、前記のようにしてNOxの除去された燃焼排気ガスと未処理の燃焼排気ガス(ポート11c〜11fから流入する燃焼排気ガス)とは、互いに混合しながら、蓄熱室13の上部空間13aから熱回収部13bを通り下部空間13cに至り、燃焼排気ガス排出管路21aを通って大気に放出される。その過程において、混合後の燃焼排気ガス中に含まれるCOなどの未燃分は、未処理の燃焼排気ガスに通常1〜2%含まれる残存酸素により燃焼する。なお、完全燃焼には残存酸素量が不足する場合あるいはより短時間で完全燃焼を終了させたい場合には、前記蓄熱室13の下部空間13cよりも下流の位置に、適宜の二次空気供給手段(不図示)が備えられる。また、上記の例では、バイパス弁を備えることにより、リバーンガスを燃焼用バーナから噴出するようにしているが、リバーンガス噴出用の専用のノズルを前記上流に位置するポート近傍に備えるようにしてもよい。特に、主燃料として重油を採用するガラス溶解炉においては、リバーンガス噴出用のノズルを別途備えるとは必須となる。
【0031】
図4〜図6は、本発明によるガラス溶解炉の運転方法を実施することのできる他のガラス溶解炉の形態を示している。このガラス溶解炉1aでは、リバーンガスの噴射を前記ポートに設置されたバーナから行うのではなく、各蓄熱室13,14の上部空間13a,14aに設置されたガスノズル41a〜41c及び42a〜42cから行うようにしている。なお、ガラス溶解炉1aの構成及びバーナへの燃料供給系30aは、上記ガスノズル41a〜41c及び42a〜42cの位置及びその燃料供給経路を除き、図1〜図3に示したものと同じであり、対応する部材には同じ符号を付すことにより、説明は省略する。
【0032】
図4及び図5に示すように、このガラス溶解炉10aでは、蓄熱室13,14の上部空間13a,14aにおける前記上流側のポート11a〜11c及び12a〜12cに対向する側壁に、リバーンガス供給用のガスノズル41a〜41c及び42a〜42cが配置されており、図6に示すように、燃料供給分岐管32a及び32bから分岐した枝管43a〜43c及び44a〜44cからリバーンガスが供給される。
【0033】
好ましくは、図4に示すように、このリバーンガス供給用のガスノズル41a〜41c及び42a〜42cはノズル先端が斜め上方に向くようにして配置し、それにより、当該蓄熱室13,14の上部空間13a,14aにおけるポートの配置位置よりも上位の空間にリバーンガスが噴射されるようにする。
【0034】
このガラス溶解炉1aの運転態様は、図1〜図3に示したガラス溶解炉1の運転態様と同じであり、説明は省略する。但し、図示の形態では、処理すべき燃焼排気ガスとリバーンガスとの混合が一層促進され、かつ、長い還元時間を確保できることから、一層高いNOx除去効果が得られる利点がある。図7は、それを説明している。図7は、本発明者らが実験を通して知見した、ガラス溶解炉1aの最も上流側であるポート11aに近接した蓄熱室13の上部空間13a内での、ポート11aから流入する燃焼排気ガスの流れを流線としてプロットしてものである。なお、この燃焼排気ガスの蓄熱室13の上部空間13a内での流れパターンは、全てのポート、すなわち、ポート11a〜11fに近接した上部空間13aにおいてほぼ同じようなプロフィールであることも知見した。
【0035】
図7からわかるように、ポートから流入する燃焼排気ガスは、蓄熱室の上部空間に入った後に、その全量が直ちに熱回収部に向けて流下するのではなく、その一部は蓄熱室の上部空間における前記ポートに対向する側壁に衝突して上昇し、渦を巻くようにして天井に沿って流れた後、熱回収部に向けて流下している。従って、図示のように、当該蓄熱室の上部空間における前記ポートの配置位置よりも上位の空間に、より好ましくは、前記ポートに対向する側壁壁面に沿って上昇する燃焼排気ガスの流れに乗るようにして、リバーンガスを前記ガスノズル41aから噴射することにより、前記したように、処理すべき燃焼排気ガスとリバーンガスとの混合が促進され、かつ、長い還元時間を確保することが可能となることがわかる。
【0036】
【発明の効果】
上記のようであり、本発明によるガラス溶解炉の運転方法によれば、除去すべきNOxの総量が少ない場合に、従来法による場合よりも少ないリバーンガス量で所望のNOx除去が可能となり、それによりガラス溶解炉の運転コストを合理的に引き下げることが可能となる。また、下流煙道において二次空気の供給を行わなくても、運転状態によっては、燃焼排気ガス中の未燃分を完全に燃焼させることができ、ガラス溶解炉の構成を簡素化することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガラス溶解炉の運転方法を実施することのできるガラス溶解炉の一実施の形態を示す概略的断面図。
【図2】図1に示すガラス溶解炉を説明する概略的平面図。
【図3】図1に示すガラス溶解炉におけるバーナへの燃料供給系の一例を説明する概略図。
【図4】本発明によるガラス溶解炉の運転方法を実施することのできるガラス溶解炉の他の実施の形態を示す概略的断面図。
【図5】図4に示すガラス溶解炉を説明する概略的平面図。
【図6】図4に示すガラス溶解炉におけるバーナへの燃料供給系の一例を説明する概略図。
【図7】図4に示すガラス溶解炉におけるリバーンガス供給用のガスノズルと燃焼排気ガス流との関係を説明する図。
【符号の簡単な説明】
1,1a…ガラス溶解炉、10…ガラス溶解室、11,12…ポート、13,14…蓄熱室、15,16…バーナ、41,42…リバーンガス供給用ガスノズル
Claims (5)
- ガラス原料の供給を受けてこれを溶解する溶解室と、その両側部に設けた複数個のポートから流入する燃焼排気ガスのもつ熱を回収し燃焼用空気を予熱する蓄熱室と、各ポートに設置されたバーナとを備え、ガラス溶融のための燃料の燃焼を対向するバーナの列ごとに交互に行うようにしたガラス溶解炉に、リバーニング燃焼法のみを適用して燃焼排気ガスの還元を行うようにしたガラス溶解炉の運転方法において、
前記蓄熱室の上部空間領域におけるガラス原料の供給上流側に位置するポートに近接した領域にのみリバーンガスを噴射して、当該領域を通過する燃焼排気ガスを空気比1以下の還元状態としてNOxの還元を行うと共に、下流煙道において、他のポートに近接した領域を通過した未処理の燃焼排気ガス中の残存酸素により、混合後の燃焼排気ガス中に含まれる未燃分を酸化させることを特徴とするガラス溶解炉の運転方法。 - 前記ガラス原料の供給上流側に位置するポートが、溶解室のガラス移動方向における上流側1/3〜1/2に位置するポートであることを特徴とする請求項1記載のガラス溶解炉の運転方法。
- リバーンガスの噴射を前記ポートに設置されたバーナから行うことを特徴とする請求項1又は2記載のガラス溶解炉の運転方法。
- リバーンガスの噴射を前記蓄熱室の上部空間に設置されたガスノズルから行うことを特徴とする請求項1又は2記載のガラス溶解炉の運転方法。
- 当該蓄熱室の上部空間における前記ポートの配置位置よりも上位の空間にリバーンガスを前記ガスノズルから噴射することを特徴とする請求項4記載のガラス溶解炉の運転方法。
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