JP4128287B2 - 難燃性発泡シート用エマルジョン組成物および難燃性発泡シート - Google Patents
難燃性発泡シート用エマルジョン組成物および難燃性発泡シート Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃発泡シート用エマルジョン組成物および難燃発泡シート用エマルジョン組成物から得られる難燃性発泡シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、壁紙用途として、塩化ビニルを含有する共重合体をポリマー成分としたエマルジョンが、難燃性発泡シート用のエマルジョンとして用いられていた。ところが、塩化ビニルを含有する共重合体を用いた壁紙は、焼却処分時に有害な塩素ガスやダイオキシンを発生し、地球環境及び作業環境の観点から問題点を有しており、脱塩素系の難燃性発泡シート用のエマルジョンが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術における問題を解決し、環境に優しく、難燃性に優れ、さらに機械的強度、耐ひび割れ性、耐水性、耐アルカリ性、耐ブロッキング性、発泡性に優れた、さらにはエンボス加工をする場合にはエンボス加工特性に優れる難燃性発泡シート用エマルジョン組成物、さらには難燃性発泡シートを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、ビニルアルコール系重合体を分散剤とし、ビニルエステル系単量体からなる重合体を分散質とするエマルジョンの存在下で、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を乳化重合して得た、ビニルエステル系単量体からなる重合体(A)と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなる重合体(B)の重量比率が(A)/(B)=70/30〜20/80であり、かつ(A)成分のガラス転移温度が−15℃〜30℃、(B)成分のガラス転移温度が−15℃〜20℃である難燃性発泡シート用エマルジョン(C)熱膨張性中空微小球体(D)および無機充填剤(E)からなり、(C)の固形分100重量部あたり(D)5〜50重量部、(E)50〜300重量部である難燃性発泡シート用エマルジョン組成物を提供することによって、さらには該組成物を基材上に塗布、乾燥、加熱発泡させて得られる難燃性発泡シートを提供することによって達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】
【0006】
本発明のエマルジョンの(A)成分を構成する一段目のエマルジョンに用いられるビニルエステル系単量体としては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル類などをあげられる。好ましくは、酢酸ビニル単独あるいは酢酸ビニルとその他のビニルエステルの併用である。
共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、各種のものが使用できるが、具体的にエチレン性不飽和単量体の例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどが挙げられる。好ましい例として、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィンであるが、なかでもエチレンがより好ましい。
【0007】
本発明のエマルジョンの(A)成分は、エチレン0〜30重量%、ビニルエステル系単量体100〜70重量%からなるビニルエステル系エマルジョンが好ましく、エチレン5〜30重量%、ビニルエステル系単量体95〜70重量%からなるエチレン−ビニルエステル系共重合体エマルジョンがさらに好ましい。エチレンの含有量は、好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは7〜27重量%、特に好ましくは10〜25重量%である。エチレン含有量が少ない場合には、該エマルジョンを難燃性発泡シート用に配合した場合に耐アルカリ性に劣る場合がある。エチレン含有量が30重量%より多い場合には機械的強度、耐ブロッキング性が劣り好ましくない場合がある。ビニルエステル系単量体の含有量は、好ましくは95〜70重量%、さらに好ましくは93〜73重量%、特に好ましくは90〜75重量%である。該含有量が75重量%より少ない場合には機械的強度及び耐ブロッキング性に劣るために好ましくない。(A)成分のガラス転移温度は−15℃〜30℃が好適であり、さらに−15℃〜25℃が好ましい。
【0008】
(B)成分を構成するエマルジョンに用いられる(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル等のメタクリル酸エステル類などが挙げられる。
【0009】
これらは、その一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いても良いが、該単量体からなる重合体(B)のガラス転移温度は−15℃〜20℃が好ましく、−15℃〜15℃がさらに好ましい。ガラス転移温度が−20℃より低い場合には耐ブロッキング性に劣り、ガラス転移温度が20℃を越える場合には耐ひび割れ性に劣る。
【0010】
本発明のエマルジョン組成物は、重合体(A)と重合体(B)の重量比率が(A)/(B)=70/30〜20/80であることが重要である。重量比がこの範囲にあることにより、耐ひび割れ性、耐水性及び耐久性を改良することができる。
【0011】
(B)成分を構成する(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、重合体(A)と重合体(B)の重量比率が(A)/(B)=70/30〜20/80であり、好ましくは70/30〜30/70である。該含有量が過多な場合には、耐ブロッキング性に劣る。一方過小な場合にはエンボス特性に劣る。
【0012】
更に、エマルジョン(C)は、その10重量%以下の範囲において官能性ビニル単量体を含有しても良い。これを含有させることにより、無機充填材の分散性の改良、組成物の安定性の改良、さらに耐ひび割れ性及び耐ブロッキング性をより改良することができる。
【0013】
官能性ビニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマー及びアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩のアクリルアミド等のアミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、多価アルコールのモノ(メタ)アクリレートや多価アルコールのモノアリルエーテル等のヒドロキシ基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有モノマー、メタクリルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン基含有モノマーなどをあげることができる。
【0014】
エマルジョン(C)は、重合性二重結合を二個以上有する共重合可能な架橋モノマーを含有しても良い。重合性二重結合を二個以上有するモノマーとしては、エチレングリコールジアクリレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、アリルメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、アジピン酸ジアクリレートなどをあげることができる。含有量は3重量%以下が好ましい。
【0015】
エマルジョン(C)は、分散剤としてビニルアルコール系重合体を使用し、ビニルエステル系単量体を分散質とするエマルジョンの存在下で、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を乳化重合する事により得られる。分散剤としてのビニルアルコール系重合体としては、平均重合度は200〜4000、好ましくは300〜2600、けん化度は70〜100モル%、好ましくは75〜99モル%である。また共重合や後反応および末端修飾など公知技術による変性ポリビニルアルコールを用いることもできる。このような本発明のエマルジョン(C)を用いることにより、耐水性、耐アルカリ性及び機械的強度などに優れた難燃性発泡シートが得られる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体の乳化重合では、分散剤として乳化剤の使用が一般的であるが、分散剤としてビニルアルコール系重合体を使用し、ビニルエステル系単量体を分散質とするエマルジョンの存在下で、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を乳化重合する場合には、二段目の分散剤として、一段目の分散剤として使用したビニルアルコール系重合体の使用が可能である。
【0016】
エマルジョン(C)を乳化重合により製造する方法としては、従来公知の乳化重合法を使用できる。例えば、分散剤水溶液および開始剤の存在下に重合体(A)を構成する単量体を一括あるいは逐次的に添加して重合し、しかる後に重合体(B)を構成する単量体を一括あるいは間欠的に、または、連続的に重合系に添加して乳化重合する二段乳化重合方法、あるいは、あらかじめ分散剤水溶液に重合体(A)あるいは重合体(B)を構成する単量体を乳化させた乳化液を乳化重合系に逐次添加する方法等が好適な方法として用いられる。また、各種アルコール、アルカン等の有機溶剤や、ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を乳化重合系に添加することも難燃性発泡シート用エマルジョン組成物の性能を損なわない範囲で可能である。
【0017】
エマルジョン(C)の乳化重合において、開始剤としては、従来公知の開始剤、例えば、過硫酸塩、過酸化水素、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド等の水溶性開始剤、各種アゾ系開始剤、各種ポーオキサイド系開始剤が単独あるいは酒石酸、L−アスコルビン酸、ロンガリット、二価鉄イオン等の還元剤と併用したレドックス系で用いられる。また、開始剤の添加方法は、通常、一括添加、間欠添加、連続添加のいずれかの方法が用いられる。このようにして得られたエマルジョン(C)の最低造膜温度は30℃以下であることが、ひび割れ性、耐水性、耐久性の点で好適である。さらに、好適な最低造膜温度は、25℃以下である。ここで最低造膜温度とは、熱勾配試験装置で測定した値である。
【0018】
エマルジョン(C)には熱膨張性中空微小粒子(D)および無機充填剤(E)成分を配合することにより、好適な難燃性発泡シート用エマルジョン組成物が得られる。この組成物は(C)、(D)および(E)成分を含有し、(D)の含有量は(C)の固形分100重量部あたり5〜50重量部であり、(E)の含有量は、(C)の固形分100重量部あたり50〜300重量部である。
【0019】
本発明に使用する熱膨張性中空微小球体(D)は、加熱により膨張・発泡させることができる微小球体からなる発泡剤であり、たとえばポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデンとアクリロニトリルの共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリルとアクリル酸メチルの共重合体などからなる殻部分の内部にエタン、プロパン、ブタン、ヘプタンなどの低沸点炭化水素を含有する粒径1〜50μの球体である。かかる(D)成分としては、市販品(松本油脂社製商品名「マイクロスフェア」)を代表例として挙げることができる。この(D)成分を(C)成分に配合することにより発泡性の優れた、また機械的強度などの劣化の少ない難燃性発泡シートを得ることができる。
【0020】
本発明の難燃性発泡シート用エマルジョン組成物を構成する無機充填材(E)としては、たとえば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪砂、クレー、タルク、シリカ類、二酸化チタン、ケイ酸マグネシウム、水酸化第一鉄、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛などが挙げられる。好ましくは水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛等である。この(E)成分を配合することにより、難燃性に優れたまた発泡性、機械的強度および耐ひび割れ性に優れた難燃性シートを得ることができる。
【0021】
本発明における(C)、(D)、(E)の成分の配合比率は、下記のとおりである。
(D)成分の含有量は(C)の固形分100重量部あたり5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部である。(D)成分が5重量部より少ない場合は発泡性に劣り、一方50重量部を越える場合は機械的強度に劣ると共に、不経済でもある。(E)成分の含有量は、(C)の固形分100重量部あたり50〜300重量部、好ましくは100〜250重量部である。(E)成分が50重量部より少ない場合は難燃性に劣り、一方(E)成分が250重量部を越える場合は発泡性、機械的強度及び耐ひび割れ性に劣る。
【0022】
次に本発明の難燃性発泡シートについて説明する。本発明の難燃性発泡シートは、上記で説明した(C)、(D)および(E)からなる難燃性発泡シート用エマルジョン組成物を基材上に塗布後、乾燥、加熱発泡させて製造することができる。基材としては紙や布などが挙げられる。上記組成物の基材への塗布はロールコーター、リバースロールコーター、ドクターコーター等のコーティング方式やスクリーン印刷、グラビヤ印刷、彫刻ロール印刷、フレキソ印刷等の凹凸印刷方式など公知の方法が採用できる。ついで乾燥後、発泡処理、エンボス加工などを施すこともできる。
【0023】
このようにして得られた難燃性発泡シートは、壁紙として好適に用いられる。他の用途としては、壁装材、装飾シート等に用いられる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例および比較例中、「部」および「%」は特に断りのない限り重量基準を示すものとする。
【0025】
実施例1
攪拌機、窒素吹き込み口、温度計を備えたガラス製重合器に、ポリビニルアルコール(重合度500、ケン化度88.3mol%)4部とイオン交換水100部を入れ加熱溶解し、それを冷却後、硫酸でpHを4.0とした後、ステンレス製重合器に移した。酢酸ビニル40部を添加し窒素バブリングを行った後60℃まで昇温し、エチレンを35Kg/cm2張り込み、2%のロンガリット水溶液30mlを添加し、0.4%過酸化水素水を逐次添加して一段目の重合を開始した。重合開始30分後にアクリルモノマー(メタクリル酸メチル60部、アクリル酸2−エチルヘキシル40部、アクリル酸ヒドロキシエチル4部を混合した液)の逐次添加を開始し、二段目のアクリル部分の重合を開始した。さらに、後添加分散剤(重合度300,ケン化度88.1mol%のポリビニルアルコール10%水溶液20部)の逐次添加開始した。逐次添加のアクリルモノマーと後添加安定剤は2時間にわたって均一に添加した。逐次添加終了後1時間で重合は終了し、エチレン含量15wt%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)とアクリル系重合体(B)を含む固形分濃度50.1%の二段重合エマルジョン(C)を得た。
このエマルジョンの固形分100部に水40部を添加した後、熱膨張性中空微小球体(松本油脂社製「マイクロスフェア」)20部、水酸化アルミニウム150部を添加して難燃性発泡シート用組成物を調整した。これを用いて、以下の条件により試験を行った。結果を表1〜2に示す。
〔試験条件〕
1.発泡シートの作成
組成物を、乾燥後の厚さが0.2mmとなるように剥離紙に塗布、100℃で10分間乾燥させ、更に180℃、1分間加熱して発泡させて発泡シートを得た。
2.発泡倍率
発泡倍率=(180℃、1分間加熱発砲後のシートの厚さ/100℃、10分間乾燥後のシートの厚さ)で評価した。
3.耐水性
発泡後のシートを20℃の水に24時間浸漬し、外観を観察し、○(良好、膨潤、溶解なし)、△(一部膨潤あり)及び×(一部溶解あり)の基準で評価した。
4.耐アルカリ性
発泡後のシートを20℃の1規定の水酸化ナトリウム水溶液に24時間浸漬し、外観を観察し、○(良好、膨潤、溶解なし)、△(一部膨潤あり)及び×(一部溶解あり)の基準で評価した。
5.耐ブロッキング性
発泡シートの塗布面同士を重ね合わせ、45℃、90%RH(相対湿度)の条件下で5Kg/cm2
の荷重をかけて24時間放置した。その後、発泡シートの塗布面同士を手で剥離し、○(抵抗無し)、△(抵抗あり)及び×(材破)の基準で評価した。
6.耐ひび割れ性
発泡シートを180度に曲げ、曲げた部分の外観を観察し、○(異常なし)、△(一部ひび割れあり)及び×(全面にひび割れあり)の基準で評価した。
7.機械的強度
発泡シートの塗布面を指で摩擦し、外観を観察し、○(異常なし)、△(一部傷あり)及び×(塗膜の表面剥離あり)の基準で評価した。
8.エンボス性
発泡シートをエンボスロール(150℃)でエンボスをした後、シート表面の凹凸模様を目視観察し、
○(良好、凹凸模様が明確)、△(一部凹凸模様が不明確)、×(凹凸模様が不明確)の基準で評価した。
9.難燃性
長さ300mm、幅30mmの発泡シートを垂直に吊し、下部からガスバーナーにて5秒間あぶり、一分間あたりの燃焼距離(燃焼速度)を測定した。
【0026】
実施例2
攪拌機、窒素吹き込み口、温度計を備えたガラス製重合器に、ポリビニルアルコール(重合度500、ケン化度88.3mol%)4部とイオン交換水100部を入れ加熱溶解し、それを冷却後、硫酸でpHを4.0とした後、ステンレス製重合器に移した。酢酸ビニル79部を添加し窒素バブリングを行った後60℃まで昇温し、エチレンを15Kg/cm2張り込み、2%のロンガリット水溶液30mlを添加し、0.4%過酸化水素水を逐次添加して一段目の重合を開始した。重合開始30分後にアクリルモノマー(メタクリル酸メチル30部、アクリル酸2−エチルヘキシル37部を混合した液)の逐次添加を開始し、二段目のアクリル部分の重合を開始した。さらに、後添加安定剤(重合度300,ケン化度88.1mol%のポリビニルアルコール10%水溶液20部)の逐次添加開始した。逐次添加のアクリルモノマーと後添加安定剤は2時間にわたって均一に添加した。逐次添加終了後1時間で重合は終了し、エチレン含量6wt%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)とアクリル系重合体(B)を含む固形分濃度50.1%の二段重合エマルジョン(C)を得た。
このエマルジョンの固形分100部に水40部を添加した後、熱膨張性中空微小球体(松本油脂社製「マイクロスフェア」)20部、水酸化アルミニウム150部を添加して難燃性発泡シート用組成物を調整した。これを用いて、以下の条件により試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0027】
実施例3
実施例1において、酢酸ビニルを42部とし、エチレン圧力を25Kg/cm2張り込み、アクリル酸ヒドロキシエチルの代わりにメタクリル酸ヒドロキシエチルを用いること以外は実施例1と同様に重合を行い、エチレン含量12wt%、固形分濃度50.0%のエマルジョンを得た。このエマルジョンを用いて、実施例1と同様に組成物を調整し、評価を行った。結果を表1〜2に示す。
【0028】
実施例4
実施例1において、アクリル酸ヒドロキシエチルを用いないこと以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1〜2に示す。
【0029】
実施例5
実施例2において、酢酸ビニルを40.3部とし、エチレン圧力を45Kg/cm2張り込み、メタクリル酸メチル65部、アクリル酸2−エチルヘキシル35部を用いる以外は実施例2と同様に重合を行い、エチレン含量15wt%、固形分49.9%のエマルジョンを得た。このエマルジョンを用いて、実施例1と同様に組成物を調整し、評価を行った。結果を表1〜2に示す。
【0030】
実施例6
撹拌機、窒素吹き込み口、温度計を備えたガラス製重合容器に、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88.3mol%)4部とイオン交換水100部を入れ加熱溶解した。それを冷却後、硫酸でpHを4.0とした後、窒素バブリングを行いながら70℃に昇温した。撹拌を150rpmとし、酢酸ビニル84部を添加し、さらに、2%ロンガリット水溶液30部を添加し、0.4%過酸化水素水を逐次添加して一段目の重合を開始した。重合開始1時間後に、アクリルモノマー(メタクリル酸メチル40部、アクリル酸2−エチルヘキシル27部)を滴下し、二段目の重合を開始した。さらに、後添加分散剤(重合度300,ケン化度88.1mol%のポリビニルアルコール10%水溶液20部)の逐次添加開始した。逐次添加のアクリルモノマーと後添加安定剤は2時間にわたって均一に添加した。逐次添加終了後1時間で重合は終了し、ポリ酢酸ビニル重合体(A)とアクリル系重合体(B)を含む固形分濃度50.1%の二段重合エマルジョン(C)を得た。
得られたエマルジョンを用いて、実施例1と同様に組成物を調整し、評価を行った。結果を表1〜2に示す。
【0031】
実施例7
実施例1と同様に重合したエマルジョンを用いて、エマルジョンの固形分100部に水40部を添加した後、熱膨張性中空微粒子10部、水酸化アルミニウム200部を添加して難燃性発泡シート用組成物を調整した。この組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1〜2に示す。
【0032】
実施例8
実施例1と同様に重合したエマルジョンを用いて、エマルジョンの固形分100部に水40部を添加した後、熱膨張性中空微粒子30部、水酸化アルミニウム100部を添加して難燃性発泡シート用組成物を調整した。この組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1〜2に示す。
【0033】
比較例1
実施例1において、ポリビニルアルコール(重合度500、ケン化度88.3mol%および重合度300、ケン化度88.1mol%)のかわりにノニオン系界面活性剤(ポリオキシノニルフェニルエーテル)2部とアニオン系界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム)2部を用いる以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表3〜4に示す。
【0034】
比較例2
攪拌機、窒素吹き込み口、温度計を備えたガラス製重合器に、ポリビニルアルコール(重合度500、ケン化度88.3mol%)14部とイオン交換水100部を入れ加熱溶解した。それを冷却後、硫酸でPHを4.0とした後、窒素バブリングを行いながら70℃に昇温した。攪拌を150rpmとし、酢酸ビニル28部を添加し、更に、2%ロンガリット水溶液30部を添加し、0.4%過酸化水素水を逐次添加して重合を開始した。重合開始30分後に、酢酸ビニル112部を2時間にわたって均一に滴下した。このエマルジョンを用いて実施例1と同様に組成物を調整し、評価を行った。結果を表3〜4に示す。
【0035】
比較例3
攪拌機、窒素吹き込み口、温度計を備えたガラス製重合器に、ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)2部、アニオン系界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム)1.75部とイオン交換水130部を入れ攪拌溶解した。それを硫酸でPH4.0とした後、窒素バブリングを行いながら75℃に昇温した。攪拌を150rpmとし、メタクリル酸メチル18部とアクリル酸2−エチルヘキシル12部を添加し、さらに、1%過硫酸カリウム水溶液20部を添加して重合を開始した。重合開始1時間後に、メタクリル酸メチル72部、アクリル酸2−エチルヘキシル48部、ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)2部、アニオン系界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム)1.75部を2時間にわたって均一に滴下した。滴下終了後、温度を80℃にし、1時間で重合は終了した。固形分濃度50.2%のメタクリル酸メチル−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルジョンを得た。このエマルジョンを用いて、実施例1と同様に組成物を調整し、評価を行った。結果を表3〜4に示す。
【0036】
比較例4
実施例1において、モノマー組成は同様とし、安定剤としてはポリビニルアルコール(重合度300、ケン化度88.2mol%)5部を使用して、一段重合で得たエチレン・酢酸ビニル・アクリルの三元共重合体エマルジョンを用いること以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表3〜4に示す。
【0037】
比較例5
攪拌機、窒素吹き込み口、温度計を備えたガラス製重合器に、ポリビニルアルコール(重合度500、ケン化度88.3mol%)2部とノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)2部とイオン交換水130部を入れ加熱攪拌溶解し、それを冷却後、硫酸でPH4.0とした後、ステンレス製重合器に移した。酢酸ビニル68部、メタクリル酸メチル10部、アクリル酸1部、N−メチロールアクリルアミド1部を添加し、窒素バブリングを行いながら60℃まで昇温し、エチレンを50Kg/cm2張り込み、2%ロンガリット30mlを添加し、0.4%過酸化水素水を逐次添加して重合を開始した。重合開始4時間後に、固形分濃度50.0%のエチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸メチル/アクリル酸/N−メチロルアクリルアミド共重合体エマルジョンを得た。このエマルジョンを用いて、実施例1と同様に組成物を調整し、評価を行った。結果を表3〜4に示す。
【0038】
比較例6
実施例1において、アクリルモノマー部分をメタクリル酸メチル10部とアクリル酸2−エチルヘキシル94部を用いて得た重合体(B)(Tg−64℃)を使用すること以外は実施例1と同様に実施した。結果は表3〜4に示す。
【0039】
比較例7
実施例1において、酢酸ビニル30.5部とし、エチレンを60Kg/cm2張り込んで得た重合体(A)(エチレン含有率35重量%、Tg−25℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体)を使用すること以外は実施例1と同様に実施した。結果を表3〜4に示す。
【0040】
比較例8
実施例1において、(D)熱膨張性中空微粒子の量を3部用いる以外は実施例1と同様に実施した。結果を表3〜4に示す。
【0041】
比較例9
実施例1において、(D)熱膨張性中空微粒子の量を80部用いる以外は実施例1と同様に実施した。結果を表3〜4に示す。
【0042】
比較例10
実施例1において、(C)無機充填剤の量を20部用いる以外は実施例1と同様に実施した。結果を表3〜4に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、焼却時に有害な塩素ガスの発生がなく、地球環境及び作業環境にやさしい難燃性に優れ、機械的強度、耐水性、耐アルカリ性、耐ブロッキング性、耐ひび割れ性に優れた、さらにはエンボス加工をする場合にはエンボス加工特性に優れる難燃性発泡シート用エマルジョン及び組成物を提供することができる。
Claims (3)
- ビニルアルコール系重合体を分散剤とし、ビニルエステル系単量体からなる重合体を分散質とするエマルジョンの存在下で、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を乳化重合して得た、ビニルエステル系単量体からなる重合体(A)と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなる重合体(B)の重量比率が(A)/(B)=70/30〜20/80であり、かつ(A)成分のガラス転移温度が−15℃〜30℃、(B)成分のガラス転移温度が−15℃〜20℃である難燃性発泡シート用エマルジョン( C )、熱膨張性中空微小球体( D )および無機充填材( E )からなり、( C )の固形分100重量部あたり( D )5〜50重量部、( E )50〜300重量部である難燃性発泡シート用エマルジョン組成物。
- (A)成分がエチレン含量5〜30重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1記載の難燃性発泡シート用エマルジョン組成物。
- 請求項1または2記載の難燃性発泡シート用エマルジョン組成物を基材上に塗布、乾燥、加熱発泡させて得た難燃性発泡シート。
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