JP4130001B2 - ポリエステルの成形方法、該方法により成形される成形品およびボトル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は射出成形時の金型ベント部のつまりが少なく、ブロー成形時の金型汚れが少ないポリエチレンテレフタレート二軸延伸ブローボトル用プリフォームの製造方法ならびに該成形方法により製造される二軸延伸ブローボトル用プリフォームおよび二軸延伸ブローボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、調味料、油、清涼飲料、ビール、日本酒、化粧品、洗剤等の容器用の素材としてガラスが広く使用されていた。しかし、ガラスは重量が重く物流コストがかさむこと、破損しやすく危険であることなどの欠点があった。
【0003】
ガラス容器のこれらの欠点を解消しようとしてガラス容器からプラスチック容器への転換が急速に進んでいる。これらのプラスチック素材のうちでポリエチレンテレフタレートは、機械的強度、耐熱性、透明性、ガスバリア性等に優れており、ガラス容器の代替素材として幅広く使用されるに至っている。
【0004】
しかしながら、ポリエチレンテレフタレート中には重合時及び成形時に発生するオリゴマー(環状三量体;以下、CY3と略すことがある)が少量含まれており、このCY3がボトルを成形する際、射出成形の金型ベント口に付着しベント口をつまらせショートショット等の問題を引き起こしたり、ブロー金型にこのCY3が付着し、その転写によりボトルの表面を荒らし透明性を低下させるなど、数々の問題を引き起こしている。これに対しボトル成形メーカーでは定期的にボトルの生産を止め、射出金型やブロー金型を清掃して対応しており、生産性を大きく落としているのが現状である。
【0005】
従来よりCY3を低減させるため種々の提案がなされている。たとえば特公昭62−3170号公報には、オリゴマーを溶解する溶媒を用いてポリエステルからオリゴマーを抽出する方法が、また、特公平7−14997号公報には、固相重合後のポリエチレンテレフタレートのチップを70〜110℃の熱水で処理することにより、成形時に再生するオリゴマーを抑制する方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこれらの方法では抽出処理や熱水処理が必要となるためコストアップになる。特にボトル胴部をヒートセットするいわゆる耐熱ボトル用途には固相重合の時間を長くすることにより原料チップ中のCY3量を0.3wt%程度まで低減させることが一般的に行われているが、固相重合時の生産能力を落とす必要があり樹脂の製造コストが増加する。
【0007】
本発明は、抽出処理や熱水処理以外の方法を用い、低コストで、CY3含有量の少なく、ブロー成形時の金型汚れが少ないポリエステル製二軸延伸ブローボトル用プリフォームを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため本発明者らは鋭意検討したところ、成形機の特定の区間上の位置にベント口を設け、そのベント口を介して成形中に排気して成形機の中を減圧状態にすることにより、CY3量を比較的多く含有するポリエチレンテレフタレートチップを原料として用いた場合にも、CY3の含有量が非常に低い二軸延伸ブローボトル用プリフォームを得ることができ、さらに該プリフォームをブロー成形してボトルを成形すると成形時の金型汚れを少すくすることができることを見出し本発明に至った。
【0009】
すなわち本発明は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートである熱可塑性ポリエステルを射出成形してプリフォームを成形する二軸延伸ブローボトル用プリフォームの製造方法において、プリフォームを射出成形する際に、シリンダー内で樹脂が加熱剪断処理を受け実質的に溶融状態になる位置から計量工程において溶融樹脂がシリンダー先端にためられる直前の位置までの区間の成形機シリンダーに備え付けられた少なくとも1つのベント口を介して排気し、成形機内を減圧状態にして成形することを特徴とする二軸延伸ブローボトル用プリフォームの製造方法である。
【0010】
本発明におけるエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする熱可塑性ポリエステルはエチレンテレフタレートのホモポリマーを主たる対象とする。
【0011】
本発明におけるエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする熱可塑性ポリエステルは、テレフタル酸成分をたとえばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、テトラヒドロナフタレンジカルボン酸等のごとき他の芳香族ジカルボン酸;ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、デカヒドロナフタレンジカルボン酸等のごとき脂環族ジカルボン酸;アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等のごとき脂肪族ジカルボン酸;p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、ε−オキシカプロン酸等のごときオキシ酸等の他の二官能性カルボン酸の1種以上で置換して20mol%以下の範囲で共重合せしめたコポリマーであってもよい。
【0012】
本発明におけるエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする熱可塑性ポリエステルは、エチレングリコール成分の一部をたとえばトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4‘−β−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の他の多官能化合物の1種以上で置換して20mol%以下の範囲で共重合せしめたコポリマーであってもよい。
【0013】
本発明におけるエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする熱可塑性ポリエステルは、上記の共重合成分でテレフタル酸成分およびエチレングリコール成分の両者を置換してそれぞれ20mol%以下の範囲で共重合せしめたコポリマーであってもよい。
【0014】
本発明に用いられる熱可塑性ポリエステルは従来から公知の方法で製造できるが、固相重合により樹脂中のCY3量を0.6wt%以下好ましくは0.5wt%以下としたものが好ましい。
【0015】
本発明は、プリフォームを射出成形する際に、シリンダー内で樹脂が加熱剪断処理を受け実質的に溶融状態になる位置から計量工程において溶融樹脂がシリンダー先端にためられる直前の位置までの区間の成形機シリンダーに備え付けられた少なくとも1つのベント口を介して排気し、成形機内を減圧状態にして成形することを特徴とする。
【0016】
本発明で用いられる射出成形機は従来から一般的にポリエチレンテレフタレート製のプリフォームを成形するのに用いられるスクリューを内蔵した射出成形機に、排気用のベント口をシリンダーを貫通する形で少なくとも1箇所に設けたものを用いることができるが、可塑化をより促進させるなどの目的によりスクリュー形状を適宜に変更したものであってもよい。
【0017】
排気して成形機内を減圧状態にするためのベント口の位置は、熱可塑性ポリエステルが実質的に溶融状態になる位置から計量工程において熔融樹脂がシリンダー先端にためられる直前の位置までの区間である必要がある。
【0018】
排気する位置が実質的に溶融状態になる前の位置であると成形品中のCY3含有量の低減効果が十分でなく、結果得られたプリフォームのブロー成形時に金型汚でが発生し好ましくない。
【0019】
また、計量工程で樹脂がシリンダー先端にためられる部分以降の位置から排気しようとすると樹脂がベント口を介し流出されてしまい成形が困難となる。このため、排気する位置としては可塑化開始から終了まで常にスクリューの計量部が存在する位置が好ましい。
【0020】
本発明はスクリューインライン式の射出成形機、プリプラ式の射出成形機のいずれでも実施することができるが、以下スクリューインライン式の成形機で成形する場合について具体的に説明する。
【0021】
除湿熱風乾燥機を用い140℃から180℃、好ましくは150℃から170℃で2時間から8時間、好ましくは3時間から6時間乾燥させたポリエチレンテレフタレートのチップを射出成形機上に設置されたホッパーに仕込む。このホッパーは吸湿を避けるため100℃から180℃に設定しておくことが好ましい。このホッパーより成形機本体にチップを供給しヒーターの熱とスクリューの回転による剪断によりチップを可塑化し、15℃程度に冷却した金型に射出成形しプリフォームを得る。この際のバレルの設定温度は270℃から305℃に設定しておくことが好ましい。
【0022】
スクリューがたとえば供給部、圧縮部、計量部からなるもっとも一般的なタイプのものの場合は、射出成形後のスクリューがもっとも前進した状態の計量開始前も、スクリューがもっとも後退した状態の計量終了後も、ベント口の架空延長線上に存在するスクリューが計量部になるような位置にシリンダーを貫通するベント口を設け、ここから真空ポンプ、アスピレーター、エジェクター等により成形中常に排気し、成形機内を減圧状態とする。
【0023】
計量部の長さが射出時のスクリューの前進する距離よりも短い場合はスクリューがもっとも前進した状態でベント口の架空延長線上に存在するスクリューが圧縮部あるいは供給部であっても良い。
【0024】
CY3はもともと原料チップ中にも含まれるが、可塑化時の熱分解反応で発生するものが多くある。本発明者らの知見によるとCY3は200℃を超える温度で昇華する傾向があり、上記のような排気、減圧処理を成形時に施すことにより効果的にチップ中に含まれるCY3および成形中に発生するCY3を溶融樹脂中から強制的に追い出すことができる。
【0025】
ベント口部に圧力計を取り付けることによりその部分の真空度を知ることができるが、より効果的にCY3を低減させるためには少なくとも計量時の真空度を10mmHg以下、好ましくは5mmHg以下とすることが好ましい。もちろんこのような処理をすることによりその他微量に含まれるモノマー類やアセトアルデヒド等の低沸点化合物をも除去することができる。
【0026】
このようにして得られたプリフォームは、チップに含まれていたCY3と可塑化時に熱分解で発生するCY3を成形中に強制的に系外に追い出しているため、プリフォーム中に含有されるCY3量を非常に低いレベルに抑えることができる。このためこのプリフォームを続いてブロー成形し二軸延伸ブローボトルとする場合ブロー金型の汚れを低減することができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳述する。なお、物性の測定条件は次の通りである。
【0028】
(1)CY3量
サンプルをヘキサフルオロイソプロパノール:クロロホルム=1:1の混合溶媒に室温で16時間溶解させ、得られた溶液をクロロホルムで希釈した後あらかじめ検量線を作成したGPCで測定、定量した。
【0029】
(2)ブロー金型汚れ
あらかじめ成形したプリフォームをブロー成形機に連続的に供給、700ショット後のブロー成形ボトル及びブロー金型を目視で判定した。
【0030】
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレートチップ(IV(テトラクロロエタン:フェノール=4:6の混合溶媒を用い測定)=0.76、CY3=0.48wt%)を160℃で5時間除湿乾燥機にて乾燥した後、名機社製射出成形機M100−DMにシリンダーヘッドから100mmホッパー側の位置(この位置はシリンダー内で樹脂が加熱剪断処理を受け実質的に溶融状態になる位置から計量工程において溶融樹脂がシリンダー先端にためられる直前の位置までの区間にある)にベント口を設置した成形機にて、シリンダー設定温度C1=C2=C3=ノズル=295℃、成形サイクル30秒、ベント口より真空ポンプにて5mmHgに減圧にし、10℃の冷却水で冷却した金型内に射出成形し重量55gのプリフォームを得た。本射出成形機に取り付けられたスクリューは計量部90mm、圧縮部260mm、供給部440mmであり、射出成形後のクッション量は5mm、計量終了時のスクリューの後退距離は85mmとした。このプリフォームは円筒状、胴部の外径が22〜24mm、肉厚3.5mm、全長150mmの一端が有底化されたものであり、実質的に非晶質の無色透明な成形体であった。このプリフォームのCY3を測定したところ0.31wt%であった。得られたプリフォームは金型温度160℃にコントロールしたコーポプラスト社製LB01Eブロー成形機に連続的にフィードし、内容積1.5L、胴部は6面のパネル部を有する自立型ボトルにブロー成形した。700ショット後のボトルにはほとんど表面荒れは観察されず、またブロー金型にも付着物はほとんど認められなかった。
【0031】
[実施例2]
ナフタレンジカルボン酸成分を8mol%含有するポリエチレンテレフタレートの共重合体チップ(IV(上記と同方法で測定)=0.80、CY3=0.42wt%)を用いた以外は実施例1と同様な方法(この場合も、ベント口の位置はシリンダー内で樹脂が加熱剪断処理を受け実質的に溶融状態になる位置から計量工程において溶融樹脂がシリンダー先端にためられる直前の位置までの区間にある)でプリフォームを得た。プリフォームCY3は0.29wt%であり、700ショット後のボトルに表面荒れは観察されず、またブロー金型にも付着物はほとんど認められなかった。
【0032】
[比較例1]
ベント口からの排気をしないで成形した以外は実施例1と同様な方法で成形品を得た。得られたプリフォームのCY3は0.51wt%であり、700ショット後のボトルは部分的に表面荒れによる白化が見られた。また、ブロー金型には部分的に付着物が認められた。
【0033】
[比較例2]
ベント口の位置をシリンダーヘッドからホッパー側に300mmの位置とした以外は実施例1と同様な方法(この場合は、ベント口の位置はシリンダー内で樹脂が加熱剪断処理を受け実質的に溶融状態になる位置から計量工程において溶融樹脂がシリンダー先端にためられる直前の位置までの区間にない)でプリフォームを得た。プリフォームのCY3は0.44wt%であり、700ショット後のボトルは部分的に表面荒れによる白化が見られた。また、ブロー金型には部分的に付着物が認められた。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、CY3の含有量の非常に低いポリエチレンテレフタレート製プリフォームを得ることができ、該プリフォームを用いて二軸延伸ブローボトルに成形すると、成形時の金型汚れを低減することができる。
Claims (1)
- 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートである熱可塑性ポリエステルを射出成形してプリフォームを成形する二軸延伸ブローボトル用プリフォームの製造方法において、プリフォームを射出成形する際に、射出成形後のスクリューがもっとも前進した状態の計量開始前も、スクリューがもっとも後退した状態の計量終了後も、ベント口の架空延長線上に存在するスクリューが計量部になるような成形機シリンダー位置に備え付けられた少なくとも1つのベント口を介して排気し、成形機内を減圧状態にして成形することを特徴とする二軸延伸ブローボトル用プリフォームの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1400598A JP4130001B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | ポリエステルの成形方法、該方法により成形される成形品およびボトル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1400598A JP4130001B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | ポリエステルの成形方法、該方法により成形される成形品およびボトル |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11207736A JPH11207736A (ja) | 1999-08-03 |
| JP4130001B2 true JP4130001B2 (ja) | 2008-08-06 |
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ID=11849109
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1400598A Expired - Fee Related JP4130001B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | ポリエステルの成形方法、該方法により成形される成形品およびボトル |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JP4130001B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4544264B2 (ja) * | 2007-05-07 | 2010-09-15 | 東洋製罐株式会社 | ポリエステル容器 |
-
1998
- 1998-01-27 JP JP1400598A patent/JP4130001B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH11207736A (ja) | 1999-08-03 |
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