JP4130055B2 - 加算断層画像作成方法およびx線ct装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加算断層画像作成方法およびX線CT装置に関し、さらに詳しくは、複数の断層画像を加算した如き加算断層画像を作成する場合に、各断層画像のスライス厚が異なっていても、パーシャルボリュームの悪影響のない加算断層画像を作成しうる加算断層画像作成方法およびX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
−第1の従来例−
図6は、複数の検出器列を持つマルチX線検出器を備えた従来のX線CT装置における加算断層画像作成処理の第1の従来例を示すフロー図である。
ステップST61では、画像番号カウンタjを“1”に初期化する。
【0003】
ステップST62では、マルチX線検出器の第j検出器列のローデータIjを読み込む。
【0004】
ステップST63では、オフセット補正を行う。すなわち、第j検出器列のローデータIjからオフセット量を差し引く。なお、表記を簡単にするために、オフセット量を差し引いたローデータもIjで表すものとする。
【0005】
ステップST64では、検出器感度補正を行う。すなわち、第j検出器列のローデータIjを入射X線量Tj・Ioで割る。ここで、Tjは第j検出器列のスライス厚であり、Ioは単位厚さ当たりの入射X線量である。
【0006】
ステップST65では、検出器感度補正後のローデータIj/(Tj・Io)に対して第1の補正を施す。この第1の補正は、レファレンス補正である。なお、表記を簡単にするために、第1の補正後のローデータもIj/(Tj・Io)で表すものとする。
【0007】
ステップST66では、第1の補正後のローデータIj/(Tj・Io)のあるチャネルの値が閾値以下の場合は、該値を隣接する1以上のチャネルの平均値で置換する。以下、この処理を、Logフィルタリング処理と言う。
【0008】
ステップST67では、ログ化処理を行う。すなわち、−Log{Ij/(Tj・Io)}を求める。
【0009】
ステップST68では、ログ化処理後のローデータに対して第2の補正を施す。この第2の補正は、ビームハードニング補正(beam hardening correction)、水補正、体動補正およびヘリカル補正のうちの少なくとも1つである。
【0010】
ステップST69では、第2の補正を施したローデータに対してフィルタ処理および逆投影演算を施し、CT画像Gjを得る。
【0011】
ステップST70,ST71では、j=2〜Jについて上記ステップST62〜ST69を繰り返す。これにより、CT画像G1〜GJを再構成する。
【0012】
ステップST72では、CT画像G1〜GJを単純加算し、加算CT画像Gを得る。
【0013】
−第2の従来例−
図7は、複数の検出器列を持つマルチX線検出器を備えた従来のX線CT装置における加算断層画像作成処理の第2の従来例を示すフロー図である。
ステップST81では、画像番号カウンタjを“1”に初期化する。
【0014】
ステップST82では、マルチX線検出器の第j検出器列のローデータIjを読み込む。
【0015】
ステップST83では、オフセット補正を行う。すなわち、第j検出器列のローデータIjからオフセット量を差し引く。なお、表記を簡単にするために、オフセット量を差し引いたローデータもIjで表すものとする。
【0016】
ステップST84では、検出器感度補正を行う。すなわち、第j検出器列のローデータIjを入射X線量Tj・Ioで割る。
【0017】
ステップST85では、検出器感度補正後のローデータIj/(Tj・Io)に対して第1の補正を施す。この第1の補正は、レファレンス補正である。なお、表記を簡単にするために、第1の補正後のローデータもIj/(Tj・Io)で表すものとする。
【0018】
ステップST86では、Logフィルタリング処理を行う。
【0019】
ステップST87では、ログ化処理を行う。すなわち、−Log{Ij/(Tj・Io)}を求める。
【0020】
ステップST88では、ログ化処理後のローデータに対して第2の補正を施す。この第2の補正は、ビームハードニング補正、水補正、体動補正およびヘリカル補正のうちの少なくとも1つである。
【0021】
ステップST89,ST90では、j=2〜Jについて上記ステップST82〜ST88を繰り返す。これにより、第2の補正後のローデータI'1〜I'Jが得られる。
【0022】
ステップST91では、第2の補正後のローデータI'1〜I'Jを単純加算し、加算データIを得る。すなわち、
I=ΣI'j
【0023】
ステップST92では、加算データIに対してフィルタ処理および逆投影演算を施し、加算CT画像Gを得る。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
上記第1の従来例および第2の従来例では、各検出器列のスライス厚が等しい場合は、加算CT画像Gを得るのに、特に問題がない。
しかし、各スライス厚が異なる場合には、パーシャルボリューム(partial volime)の悪影響が加算CT画像G上に現れる問題点がある。すなわち、スライス厚が異なると、パーシャルボリューム効果が異なってくるため、同一物質であってもCT値が異なってくる。つまり、同一物質のCT値に不連続を生じる。このため、加算CT画像G上でCT値が一様に見えるべき対象物のCT値が部分的に変化しているように見える問題点がある。
そこで、本発明の目的は、複数の断層画像を加算した如き加算断層画像を作成する場合に、各断層画像のスライス厚が異なっていても、パーシャルボリュームの悪影響のない加算断層画像を作成しうる加算断層画像作成方法およびX線CT装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
第1の観点では、本発明は、複数の断層画像Gjをそれぞれ再構成しうる各データIj(j=1〜J)に対してオフセット補正および感度補正を施してからスライス厚Tjに応じた重みTj/ΣTjを付けて荷重加算して加算データを作成し、その加算データにログ化処理を施してから再構成して加算断層画像Gを作成することを特徴とする加算断層画像作成方法を提供する。
上記第1の観点による加算断層画像作成方法では、感度補正を施したデータKjに対してスライス厚Tjに応じた重みTj/ΣTjを付けて荷重加算して加算データを作成する。すなわち、加算データをKとするとき、
K=Σ{(Tj/ΣTj)・Kj}
とするが、後述するように、これはスライス厚がΣTjの1つのスライスの感度補正したデータと等価である。よって、スライス厚の異なる複数の断層画像Gjを加算した如き加算断層画像G上にパーシャルボリュームの悪影響が現れることが無くなる。
【0026】
第2の観点では、本発明は、上記構成の加算断層画像作成方法において、断層画像GjがX線CT画像であり、データIjがローデータであることを特徴とする加算断層画像作成方法を提供する。
上記第2の観点による加算断層画像作成方法では、感度補正を施したローデータKjに対してスライス厚Tjに応じた重みTj/ΣTjを付けて荷重加算して加算データKを作成する。すなわち、
K=Σ{(Tj/ΣTj)・Kj}
とするが、後述するように、これはスライス厚がΣTjの1つのスライスの感度補正したローデータと等価である。よって、スライス厚の異なる複数のX線CT画像Gjを加算した如き加算断層画像G上にパーシャルボリュームの悪影響が現れることが無くなる。
【0027】
第3の観点では、本発明は、上記構成の加算断層画像作成方法において、ローデータがマルチX線検出器の各検出器列で得たローデータであることを特徴とする加算断層画像作成方法を提供する。
上記第3の観点による加算断層画像作成方法では、マルチX線検出器の各検出器列で得たローデータから、それら検出器列を合わせた1つの検出器列で得たローデータから再構成した如き断層画像を作成できる。
【0028】
第4の観点では、本発明は、上記構成の加算断層画像作成方法において、感度補正前または感度補正後の各ローデータまたはログ化処理前の加算データに対して、レファレンス補正を施すことを特徴とする加算断層画像作成方法を提供する。
上記第4の観点による加算断層画像作成方法では、感度補正前または感度補正後の各ローデータに対する場合は、通常と同様にレファレンス補正を施すことが出来る。また、ログ化処理前の加算データに対する場合は、レファレンス補正を施す回数が1回で済む。
【0029】
第5の観点では、本発明は、上記構成の加算断層画像作成方法において、ログ化処理後の加算データに対して、ビームハードニング補正、水補正、体動補正およびヘリカル補正のうちの少なくとも1つを施すことを特徴とする加算断層画像作成方法を提供する。
上記第5の観点による加算断層画像作成方法では、加算データに対して各種補正を施すため、補正の回数が1回で済む。
【0030】
第6の観点では、本発明は、上記構成の加算断層画像作成方法において、ログ化処理前のローデータのあるチャネルの値が閾値以下の場合は、該値を隣接する1以上のチャネルの平均値で置換することを特徴とする加算断層画像作成方法を提供する。
上記第6の観点による加算断層画像作成方法では、ローデータに不自然な値が含まれる場合に、それをログ化処理前に除去することが出来る。
【0031】
第7の観点では、本発明は、上記構成の加算断層画像作成方法において、フィルタ処理および逆投影演算により再構成を行うことを特徴とする加算断層画像作成方法を提供する。
上記第7の観点による加算断層画像作成方法では、フィルター補正逆投影(filtered back projection)法により断層画像を再構成することが出来る。
【0032】
第8の観点では、本発明は、複数の断層画像Gjをそれぞれ再構成しうる各データIj(j=1〜J)に対してオフセット補正を施してから単純加算して加算データIを作成し、その加算データIに感度補正およびログ化処理を施してから再構成して加算断層画像Gを作成することを特徴とする加算断層画像作成方法を提供する。
上記第8の観点による加算断層画像作成方法では、オフセット補正のみを施し感度補正を施す前のデータIjを単純加算して加算データIを作成する。すなわち、
I=ΣIj
とするが、これはスライス厚がΣTjの1つのスライスのデータと等価である。よって、スライス厚の異なる複数の断層画像Gjを加算した如き加算断層画像G上にパーシャルボリュームの悪影響が現れることが無くなる。
なお、各データIj(j=1〜J)に対してオフセット補正を施すため、通常と同様の処理で済む。
【0033】
第9の観点では、本発明は、複数の断層画像Gjをそれぞれ再構成しうる各データIj(j=1〜J)を単純加算して加算データIを作成し、その加算データIにオフセット補正,感度補正およびログ化処理を施してから再構成して加算断層画像Gを作成することを特徴とする加算断層画像作成方法を提供する。
上記第9の観点による加算断層画像作成方法では、オフセット補正および感度補正を施す前のデータIjを単純加算して加算データIを作成する。すなわち、
I=ΣIj
とするが、これはスライス厚がΣTjの1つのスライスのデータと等価である。よって、スライス厚の異なる複数の断層画像Gjを加算した如き加算断層画像G上にパーシャルボリュームの悪影響が現れることが無くなる。
なお、加算データIに対してオフセット補正を施すため、各データIjに対するオフセット値も加算しておく必要があるが、オフセット補正の回数が1回で済む。
【0034】
第10の観点では、本発明は、上記構成の加算断層画像作成方法において、データIjがマルチX線検出器の各検出器列で得たローデータであることを特徴とする加算断層画像作成方法を提供する。
上記第10の観点による加算断層画像作成方法では、マルチX線検出器の各検出器列で得たローデータから、それら検出器列を合わせた1つの検出器列で得たローデータから再構成した如き断層画像を作成できる。
【0035】
第11の観点では、本発明は、上記構成の加算断層画像作成方法において、感度補正前または感度補正後ログ化処理前の加算データIに対して、レファレンス補正を施すことを特徴とする加算断層画像作成方法を提供する。
上記第11の観点による加算断層画像作成方法では、感度補正前または感度補正後の各ローデータに対する場合は、通常と同様にレファレンス補正を施すことが出来る。また、ログ化処理前の加算データIに対する場合は、レファレンス補正を施す回数が1回で済む。
【0036】
第12の観点では、本発明は、上記構成の加算断層画像作成方法において、ログ化処理後の加算データIに対して、ビームハードニング補正、水補正、体動補正およびヘリカル補正のうちの少なくとも1つを施すことを特徴とする加算断層画像作成方法を提供する。
上記第12の観点による加算断層画像作成方法では、加算データIに対して各種補正を施すため、補正の回数が1回で済む。
【0037】
第13の観点では、本発明は、上記構成の加算断層画像作成方法において、ログ化処理前の加算データIのあるチャネルの値が閾値以下の場合は、該値を隣接する1以上のチャネルの平均値で置換することを特徴とする加算断層画像作成方法を提供する。
上記第13の観点による加算断層画像作成方法では、ローデータに不自然な値が含まれる場合に、それをログ化処理前に除去することが出来る。
【0038】
第14の観点では、本発明は、上記構成の加算断層画像作成方法において、フィルタ処理および逆投影演算により再構成を行うことを特徴とする加算断層画像作成方法を提供する。
上記第14の観点による加算断層画像作成方法では、フィルター補正逆投影法により断層画像を再構成することが出来る。
【0039】
第15の観点では、本発明は、複数の検出器列を持つマルチX線検出器を備えたX線CT装置であって、各検出器列で得たローデータIjに対してオフセット補正および感度補正を施す感度補正手段と、感度補正後のローデータに対してスライス厚Tjに応じた重みTj/ΣTjを付けて荷重加算して加算データIを作成する加算データ作成手段と、加算データIにログ化処理を施すログ化処理手段と、ログ化処理後の加算データに対してフィルタ処理および逆投影演算を施す再構成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第15の観点によるX線CT装置では、前記第2の観点による加算断層画像作成方法を好適に実施できる。
【0040】
第16の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、感度補正前または感度補正後の各ローデータまたはログ化処理前の加算データIに対して、レファレンス補正を施す第1の補正手段を具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第16の観点によるX線CT装置では、前記第4の観点による加算断層画像作成方法を好適に実施できる。
【0041】
第17の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、ログ化処理後の加算データに対して、ビームハードニング補正、水補正、体動補正およびヘリカル補正のうちの少なくとも1つを施す第2の補正手段を具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第17の観点によるX線CT装置では、前記第5の観点による加算断層画像作成方法を好適に実施できる。
【0042】
第18の観点では、本発明は、複数の検出器列を持つマルチX線検出器を備えたX線CT装置であって、各検出器列で得たローデータIjに対してオフセット補正を施すオフセット補正手段と、オフセット処理後のローデータを単純加算して加算データIを作成する加算データ作成手段と、加算データIに対して感度補正を施す感度補正手段と、感度補正した加算データに対してログ化処理を施すログ化処理手段と、ログ化処理を施した加算データに対してフィルタ処理および逆投影演算を施す再構成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第18の観点によるX線CT装置では、前記第8の観点による加算断層画像作成方法を好適に実施できる。
【0043】
第19の観点では、本発明は、複数の検出器列を持つマルチX線検出器を備えたX線CT装置であって、各検出器列で得たローデータIjを単純加算して加算データIを作成する加算データ作成手段と、加算データIに対してオフセット補正を施すオフセット補正手段と、オフセット処理後の加算データに対して感度補正を施す感度補正手段と、感度補正した加算データに対してログ化処理を施すログ化処理手段と、ログ化処理を施した加算データに対してフィルタ処理および逆投影演算を施す再構成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第19の観点によるX線CT装置では、前記第9の観点による加算断層画像作成方法を好適に実施できる。
【0044】
第20の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、感度補正前または感度補正後ログ化処理前の加算データに対して、レファレンス補正を施す第1の補正手段を具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第20の観点によるX線CT装置では、前記第11の観点による加算断層画像作成方法を好適に実施できる。
【0045】
第21の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、ログ化処理後の加算データに対して、ビームハードニング補正、水補正、体動補正およびヘリカル補正のうちの少なくとも1つを施す第2の補正手段を具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第21の観点によるX線CT装置では、前記第12の観点による加算断層画像作成方法を好適に実施できる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す発明の実施の形態により本発明をさらに詳しく説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0047】
−第1の実施形態−
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるX線CT装置100のブロック図である。
このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
【0048】
前記コンソール1は、操作者の指示入力や情報入力などの受け付ける入力装置2と、スキャン処理や画像再構成処理や加算断層画像作成処理などを実行する中央処理装置3と、制御信号などを前記撮影テーブル10や前記走査ガントリ20とやり取りする制御インターフェース4と、走査ガントリ20で取得したデータを収集するデータ収集バッファ5と、前記データから再構成したX線画像を表示するCRT6と、プログラムやデータやX線画像を記憶する記憶装置7とを具備している。
【0049】
前記走査ガントリ20は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、コリメータコントローラ24と、アイソセンタ(図2のIC)の周りにX線管21などを回転させる回転コントローラ26と、2列の検出器列を有するツインX線検出器27とを具備している。
【0050】
図2は、X線管21、コリメータ23およびツインX線検出器27を示す模式図である。
X線管21から出射されたX線Ioは、コリメータ23のアパーチャSを通ることで偏平なX線ビームXrとなり、ツインX線検出器27の第1検出器列D1および第2検出器列D2に入射する。
前記コリメータ23のアパーチャSの開口幅や位置は、前記中央処理装置3の指令に基づいて前記コリメータコントローラ24が調整する。
境界仮想線Poは、X線ビームXrのうちで第1検出器列D1に入射する分と第2検出器列D2に入射する分の境界を示す仮想の線である。
アイソセンタICにおけるX線ビームXrの幅をX線ビーム幅Xoという。また、X線ビーム幅Xoのうちで第1検出器列D1に入射する分の幅が第1スライス厚T1であり、第2検出器列D2に入射する分の幅が第2スライス厚T2である。
【0051】
図3は、上記X線CT装置100における加算断層画像作成処理を示すフロー図である。
ステップST1では、画像番号カウンタjを“1”に初期化する。
【0052】
ステップST2では、マルチX線検出器の第j検出器列DjのローデータIjを読み込む。
【0053】
ステップST3では、オフセット補正を行う。すなわち、第j検出器列DjのローデータIjからオフセット量を差し引く。なお、表記を簡単にするために、オフセット量を差し引いたローデータもIjで表すものとする。
【0054】
ステップST4では、検出器感度補正を行う。すなわち、第j検出器列DjのローデータIjを入射X線量Tj・Ioで割る。ここで、Tjは第j検出器列Djのスライス厚であり、Ioは単位厚さ当たりの入射X線量である。
【0055】
ステップST5では、検出器感度補正後のローデータIj/(Tj・Io)に対して第1の補正を施す。この第1の補正は、レファレンス補正である。なお、表記を簡単にするために、第1の補正後のローデータもIj/(Tj・Io)で表すものとする。
【0056】
ステップST6では、Logフィルタリング処理を行う。すなわち、第1の補正後のローデータIj/(Tj・Io)のあるチャネルの値が閾値以下の場合は、該値を隣接する1以上のチャネルの平均値で置換する。具体的には、隣のチャネルの値で置換したり、両隣のチャネルの平均値で置換したり、当該チャネル以外のチャネルの平均値で置換したり、任意に選んだ2以上のチャネルの平均値で置換する。
【0057】
ステップST7,ST8では、j=2〜Jについて上記ステップST2〜ST6を繰り返す。これにより、第1の補正後のローデータI1/(T1・Io)〜IJ/(TJ・Io)が得られる。
ここでは、J=2であり、ローデータI1/(T1・Io),I2/(T2・Io)が得られる。
【0058】
ステップST9では、ローデータI1/(T1・Io)〜IJ/(TJ・Io)に対してスライス厚Tjに応じた重みTj/ΣTjを付けて荷重加算し、加算データKを作成する。
K=Σ{(Tj/ΣTj)・(Ij/(Tj・Io))}
ここでは、J=2であり、
K=(T1/(T1+T2))・(I1/(T1・Io))+(T2/(T1+T2))・(I2/(T2・Io))
となる。
【0059】
ステップST10では、ログ化処理を行う。すなわち、−Log{K}を求める。
【0060】
ステップST11では、ログ化処理後の加算データ−Log{K}に対して第2の補正を施す。この第2の補正は、ビームハードニング補正、水補正、体動補正およびヘリカル補正のうちの少なくとも1つである。なお、表記を簡単にするために、第2の補正後の加算データも−Log{K}で表すものとする。
【0061】
ステップST12,ST13では、第2の補正後の加算データ−Log{K}に対してフィルタ処理および逆投影演算を施し、加算CT画像Gを得る。
【0062】
図4は、加算データKの物理的意味を説明するためのモデル図である。
吸収係数μ,パス長x,長さ(L1+L2)の介在物Hが空気中に在る。この介在物Hは、第1検出器列D1のスライス厚T1中にL1だけ入り、第2検出器列D2のスライス厚T2中にL2だけ入っている。単位厚さ当たりの入射X線量をIoとする。
【0063】
第1検出器列D1で得られるローデータI1は、
I1=∫0 T1{Io・exp{−μ(z)・x(z)}}dz
=∫0 L1{Io・exp{−μ・x}}dz+∫L1 T1{Io・exp{0}}dz
=Io・L1・exp{−μ・x}+Io(T1−L1)
=Io・T1(L1・exp{−μ・x}/T1+1−L1/T1)
である。第1検出器列D1への入射X線量T1・Ioで割って感度補正すると、
I1/(T1・Io)=L1・exp{−μ・x}/T1+1−L1/T1
となる。
【0064】
同様に、第2検出器列D2で得られるローデータI2は、
I2=Io・T2(L2・exp{−μ・x}/T2+1−L2/T2)
である。第2検出器列D2への入射X線量T2・Ioで割って感度補正すると、
I2/(T2・Io)=L2・exp{−μ・x}/T2+1−L2/T2
となる。
【0065】
第1検出器列D1と第2検出器列D2とがスライス厚(T1+T2)の一つの検出器列Dsとすれば、得られるローデータIsは、
Is=∫0 T1+T2{Io・exp{−μ(z)・x(z)}}dz
=∫0 L1+Lb{Io・exp{−μ・x}}dz+∫L1+L2 T1+T2{Io・exp{0}}dz
=Io(L1+L2)exp{−μ・x}+Io(T1+T2−L1−L2)
=Io(T1+T2)((L1+L2)exp{−μ・x}/(T1+T2)+1−(L1+L2)/(T1+T2)
である。検出器列Dsへの入射X線量(T1+T2)Ioで割って感度補正すると、
Is/((T1+T2)Io)=(L1+L2)exp{−μ・x}/(T1+T2)+1−(L1+L2)/(T1+T2)
となる。
【0066】
上記I1/(T1・Io),I2/(T2・Io)を、スライス厚T1,T2に応じた重みT1/(T1+T2),T2/(T1+T2)を付けて荷重加算すると、加算データKは、
K=(T1/(T1+T2))・(I1/(T1・Io))+(T2/(T1+T2))・(I2/(T2・Io))
=(T1/(T1+T2))(L1・exp{−μ・x}/T1+1−L1/T1)+(T2/(T1+T2))(L2・exp{−μ・x}/T2+1−L2/T2)
=(L1+L2)exp{−μ・x}/(T1+T2)+1−(L1+L2)/(T1+T2)
=Is/((T1+T2)Io)
となる。
すなわち、加算データKは、スライス厚(T1+T2)の一つの検出器列Dsで得られるローデータIsを感度補正したローデータと等価となる。よって、加算断層画像G上にパーシャルボリュームの悪影響が現れることが無くなる。
【0067】
なお、上記ステップST5の第1の補正は、感度補正前(ステップST3またはST4の前)のローデータIjに対して施してもよいし、ログ化処理前(ステップST10の前)の加算データKに対して施してもよい。
【0068】
−第2の実施形態−
図5は、第2の実施形態に係るX線CT装置における加算断層画像作成処理を示すフロー図である。
ステップST21では、画像番号カウンタjを“1”に初期化する。
【0069】
ステップST22では、マルチX線検出器の第j検出器列DjのローデータIjを読み込む。
【0070】
ステップST23では、オフセット補正を行う。すなわち、第j検出器列DjのローデータIjからオフセット量を差し引く。なお、表記を簡単にするために、オフセット量を差し引いたローデータもIjで表すものとする。
【0071】
ステップST24,ST25では、j=2〜Jについて上記ステップST22〜ST23を繰り返す。これにより、オフセット補正後のローデータI1〜IJが得られる。
ここでは、J=2であり、ローデータI1,I2が得られる。
【0072】
ステップST26では、ローデータI1〜IJを単純加算し、加算データIを作成する。
I=Σ{Ij}
ここでは、J=2であり、
I=I1+I2
となる。
【0073】
ステップST27では、検出器感度補正を行う。すなわち、加算データIを入射X線量ΣTj・Ioで割る。ここで、Tjは第j検出器列Djのスライス厚であり、Ioは単位厚さ当たりの入射X線量である。
【0074】
ステップST28では、検出器感度補正後の加算データI/Σ(Tj・Io)に対して第1の補正を施す。この第1の補正は、レファレンス補正である。なお、表記を簡単にするために、第1の補正後のローデータもI/Σ(Tj・Io)で表すものとする。
【0075】
ステップST29では、Logフィルタリング処理を行う。すなわち、第1の補正後の加算データI/Σ(Tj・Io)のあるチャネルの値が閾値以下の場合は、近接チャネルをフィルタリングした値で置換する。
【0076】
ステップST30では、ログ化処理を行う。すなわち、−Log{I/Σ(Tj・Io)}を求める。
【0077】
ステップST31では、ログ化処理後の加算データ−Log{I/Σ(Tj・Io)}に対して第2の補正を施す。この第2の補正は、ビームハードニング補正、水補正、体動補正およびヘリカル補正のうちの少なくとも1つである。なお、表記を簡単にするために、第2の補正後のローデータも−Log{I/Σ(Tj・Io)}で表すものとする。
【0078】
ステップST32,ST33では、第2の補正後の加算データ−Log{I/Σ(Tj・Io)}に対してフィルタ処理および逆投影演算を施し、加算CT画像Gを得る。
【0079】
図4を参照して第1の実施形態で説明したように、
I1=Io・T1(L1・exp{−μ・x}/T1+1−L1/T1)
I2=Io・T2(L2・exp{−μ・x}/T2+1−L2/T2)
Is=Io(T1+T2)((L1+L2)exp{−μ・x}/(T1+T2)+1−(L1+L2)/(T1+T2)
であるから、
I=I1+I2=Is
となる。
すなわち、加算データIは、スライス厚(T1+T2)の一つの検出器列Dsで得られるローデータIsと等価となる。よって、加算断層画像G上にパーシャルボリュームの悪影響が現れることが無くなる。
【0080】
なお、上記ステップST23のオフセット補正は、感度補正前(ステップST27の前)の加算データIに対して施してもよい。この場合、各ローデータIjのオフセット量も単純加算しておき、それを加算データIから引けばよい。
また、上記ステップST28の第1の補正は、感度補正前(ステップST27の前)の加算データIに対して施してもよい。
【0081】
【発明の効果】
本発明の加算断層画像作成方法およびX線CT装置によれば、複数の断層画像を加算した如き加算断層画像を作成する場合に、各断層画像のスライス厚が異なっていても、パーシャルボリュームの悪影響のない加算断層画像を作成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるX線CT装置のブロック図である。
【図2】X線管、コリメータおよびツインX線検出器を示す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかる加算断層画像作成処理のフロー図である。
【図4】本発明の原理を説明するためのモデル図である。
【図5】本発明の第2の実施形態にかかる加算断層画像作成処理のフロー図である。
【図6】第1の従来例にかかる加算断層画像作成処理のフロー図である。
【図7】第2の従来例にかかる加算断層画像作成処理のフロー図である。
【符号の説明】
3 中央処理装置
27 ツインX線検出器
100 X線CT装置
D1 第1検出器列
D2 第2検出器列
Claims (21)
- スライス厚の異なる複数の断層画像Gjをそれぞれ再構成しうる各データIj(j=1〜J)に対してオフセット補正および入射X線量Tj・Io(但し、Tjはデータjのスライス厚、Ioは単位厚さあたりの入射X線量である。)で割る感度補正を施してからスライス厚Tjに応じた重みTj/ΣTjを付けて荷重加算してスライス厚がΣTjの1つのスライス厚の感度補正したデータと等価な加算データを作成し、その加算データにログ化処理を施してから再構成して加算断層画像Gを作成することを特徴とする加算断層画像作成方法。
- 請求項1に記載の加算断層画像作成方法において、断層画像GjがX線CT画像であり、データIjがローデータであることを特徴とする加算断層画像作成方法。
- 請求項2に記載の加算断層画像作成方法において、ローデータがマルチX線検出器の各検出器列で得たローデータであることを特徴とする加算断層画像作成方法。
- 請求項2または請求項3に記載の加算断層画像作成方法において、感度補正前または感度補正後の各ローデータまたはログ化処理前の加算データに対して、レファレンス補正を施すことを特徴とする加算断層画像作成方法。
- 請求項2から請求項4のいずれかに記載の加算断層画像作成方法において、ログ化処理後の加算データに対して、ビームハードニング補正、水補正、体動補正およびヘリカル補正のうちの少なくとも1つを施すことを特徴とする加算断層画像作成方法。
- 請求項2から請求項5のいずれかに記載の加算断層画像作成方法において、ログ化処理前のローデータのあるチャネルの値が閾値以下の場合は、該値を隣のチャネルの値で置換、隣のチャネルの平均値で置換、又は任意に選んだ2以上のチャネルの平均値で置換することを特徴とする加算断層画像作成方法。
- 請求項1から請求項6のいずれかに記載の加算断層画像作成方法において、フィルタ処理および逆投影演算により再構成を行うことを特徴とする加算断層画像作成方法。
- スライス厚の異なる複数の断層画像Gjをそれぞれ再構成しうる各データIj(j=1〜J)に対してオフセット補正を施してから単純加算して加算データIを作成し、その加算データIに入射X線量Σ(Tj・Io)(但し、Tjはデータjのスライス厚、Ioは単位厚さあたりの入射X線量である。)で割る感度補正によるスライス厚がΣTjの1つのスライス厚の感度補正したデータと等価な加算データの作成およびログ化処理を施してから再構成して加算断層画像Gを作成することを特徴とする加算断層画像作成方法。
- スライス厚の異なる複数の断層画像Gjをそれぞれ再構成しうる各データIj(j=1〜J)を単純加算して加算データIを作成し、その加算データIにオフセット補正,入射X線量Σ(Tj・Io)(但し、Tjはデータjのスライス厚、Ioは単位厚さあたりの入射X線量である。)で割る感度補正によるスライス厚がΣTjの1つのスライス厚の感度補正したデータと等価な加算データの作成およびログ化処理を施してから再構成して加算断層画像Gを作成することを特徴とする加算断層画像作成方法。
- 請求項8または請求項9に記載の加算断層画像作成方法において、データIjがマルチX線検出器の各検出器列で得たローデータであることを特徴とする加算断層画像作成方法。
- 請求項8から請求項10のいずれかに記載の加算断層画像作成方法において、感度補正前または感度補正後ログ化処理前の加算データIに対して、レファレンス補正を施すことを特徴とする加算断層画像作成方法。
- 請求項8から請求項11のいずれかに記載の加算断層画像作成方法において、ログ化処理後の加算データに対して、ビームハードニング補正、水補正、体動補正およびヘリカル補正のうちの少なくとも1つを施すことを特徴とする加算断層画像作成方法。
- 請求項8から請求項12のいずれかに記載の加算断層画像作成方法において、ログ化処理前の加算データのあるチャネルの値が閾値以下の場合は、該値を 隣のチャネルの値で置換、隣のチャネルの平均値で置換、又は任意に選んだ2以上のチャネルの平均値で置換することを特徴とする加算断層画像作成方法。
- 請求項8から請求項13のいずれかに記載の加算断層画像作成方法において、フィルタ処理および逆投影演算により再構成を行うことを特徴とする加算断層画像作成方法。
- スライス厚の異なる複数の検出器列を持つマルチX線検出器を備えたX線CT装置であって、各検出器列で得たローデータIjに対してオフセット補正および感度補正を施す入射X線量Tj・Io(但し、Tjはデータjのスライス厚、Ioは単位厚さあたりの入射X線量である。)で割る感度補正手段と、感度補正後のローデータに対してスライス厚Tjに応じた重みTj/ΣTjを付けて荷重加算してスライス厚がΣTjの1つのスライス厚の感度補正したデータと等価な加算データIを作成する加算データ作成手段と、加算データIにログ化処理を施すログ化処理手段と、ログ化処理後の加算データに対してフィルタ処理および逆投影演算を施す再構成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置。
- 請求項15に記載のX線CT装置において、感度補正前または感度補正後の各ローデータまたはログ化処理前の加算データIに対して、レファレンス補正を施す第1の補正手段を具備したことを特徴とするX線CT装置。
- 請求項15または請求項16に記載のX線CT装置において、ログ化処理後の加算データに対して、ビームハードニング補正、水補正、体動補正およびヘリカル補正のうちの少なくとも1つを施す第2の補正手段を具備したことを特徴とするX線CT装置。
- スライス厚の異なる 複数の検出器列を持つマルチX線検出器を備えたX線CT装置であって、各検出器列で得たローデータIjに対してオフセット補正を施すオフセット補正手段と、オフセット処理後のローデータを単純加算して加算データIを作成する加算データ作成手段と、加算データIに対して入射X線量Σ(Tj・Io)(但し、Tjはデータjのスライス厚、Ioは単位厚さあたりの入射X線量である。)で割る感度補正を施すことによりスライス厚がΣTjの1つのスライス厚の感度補正したデータと等価な加算データを作成する感度補正手段と、感度補正した加算データに対してログ化処理を施すログ化処理手段と、ログ化処理を施した加算データに対してフィルタ処理および逆投影演算を施す再構成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置。
- スライス厚の異なる複数の検出器列を持つマルチX線検出器を備えたX線CT装置であって、各検出器列で得たローデータIjを単純加算して加算データIを作成する加算データ作成手段と、加算データIに対してオフセット補正を施すオフセット補正手段と、オフセット処理後の加算データに対して入射X線量Σ(Tj・Io)(但し、Tjはデータjのスライス厚、Ioは単位厚さあたりの入射X線量である。)で割る感度補正を施すことによりスライス厚がΣTjの1つのスライス厚の感度補正したデータと等価な加算データを作成する感度補正手段と、感度補正した加算データに対してログ化処理を施すログ化処理手段と、ログ化処理を施した加算データに対してフィルタ処理および逆投影演算を施す再構成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置。
- 請求項18または請求項19に記載のX線CT装置において、感度補正前または感度補正後ログ化処理前の加算データに対して、レファレンス補正を施す第1の補正手段を具備したことを特徴とするX線CT装置。
- 請求項18から請求項20のいずれかに記載のX線CT装置において、ログ化処理後の加算データに対して、ビームハードニング補正、水補正、体動補正およびヘリカル補正のうちの少なくとも1つを施す第2の補正手段を具備したことを特徴とするX線CT装置。
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