JP4130116B2 - 帯電防止マット - Google Patents

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  • Elimination Of Static Electricity (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に床上に配設され、静電気を帯電した人や物が載った時に静電気を地面に容易に流すことのできる帯電防止マットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、静電気を嫌う環境が増加している。例えば、電子部品を扱う工場では静電気を帯びた作業者が触れると、電子部品が損傷することもあり、帯電した作業者の静電気を逃がすことが歩留まり、信頼性の向上のために必要である。そのために、床の上に導電性材料から成る膜を貼り付けることが多い。ところが、このような場合、床はコンクリート製であることが多く、クッション性が悪く、作業者への疲労負荷が大きい。
【0003】
そこで、クッション性を重視した帯電防止マットとして、例えば、特許文献1(特開平9−276205号公報)に記載のマットがある。このマットはモノフィラメントのランダムなループを堆積したものものであって、クッション性はよいがフィラメントの長さが大きいために、充分な帯電防止機能を発揮ができないことがある。また、作業者の足(靴)が踏みつける表面にフィラメントのループが露出しており、歩行しにくく、また、当初はフィラメントのループが厚さ方向に立っていたものが長期間使用している内に倒れて、あるいは寝てしまい、その結果、クッション性も悪化していくという問題があり、また、内部にゴミがたまりやすいという問題もある。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−276205号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題に鑑み、良好な帯電防止機能を有し、クッション性を長期にわたって維持できる帯電防止マットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、帯電防止マットであって、
弾性を有する導電性材料から成る格子形成部材を略同じ形状の格子穴を多数有するように格子状に配置して形成され、
任意に選択した20mm四方の領域において、格子形成部材の割合が15〜90%であり、
格子形成部材の高さが厚さよりも大きく、且つ作業者の靴が接する格子形成部材の上方の端部が先細に形成されている、
ことを特徴とする帯電防止マットが提供される。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、格子形成部材の割合が40〜60%であることを特徴とする帯電防止マットが提供される。
請求項の発明によれば、請求項1の発明において、格子形成部材の下方の端部が平らに形成されていることを特徴とする帯電防止マットが提供される。
請求項の発明によれば、請求項1の発明において、格子形成部材が、押し出し型のスロットから第1の速度で押し出される直線部材と、隣接する直線部材の間に押し出し型のスロットから第1の速度よりも速い第2の速度で押し出され隣接する直線部材の間で褶曲する波状部材から成ることを特徴とする帯電防止マットが提供される。
請求項の発明によれば、請求項1の発明において、ハニカム状に格子が形成されていることを特徴とする帯電防止マットが提供される。
請求項の発明によれば、請求項1の発明において、導電性材料がJIS7215のプラスチックのデュロメータ硬さ試験方法による硬度で40〜70の値を有することを特徴とする帯電防止マットが提供される。
請求項の発明によれば、請求項1の発明において、導電性材料の漏洩抵抗が10kΩ〜100MΩである、ことを特徴とする帯電防止マットが提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1に示されるのは本発明による帯電防止マット1の第1の実施の形態の上面図であって、直線部材11と波状部材12を含む格子形成部材10を有し、隣接する2つの直線部材11の間に波状部材12が挟まれ、直線部材11と波状部材12は互いに結合している。
【0008】
そして、例えば、一つの波状部材12の、図中上方に凸の部分を山とし、図中下方に凸の部分を谷とすると、隣接する2つの山と、これらの山が接する直線部材11の間に(図中上が広い)釣鐘状の格子穴13が形成され、隣接する2つの谷と、これらの谷が接する直線部材11の間には(図中下が広い)釣鐘状の格子穴13が形成されている。
【0009】
帯電防止マット1は約90cm×60cmの大きさを有しているが、任意に選択した20mm四方の領域において、少なくとも1つの、好ましくは、2つ以上の、格子穴13が含まれ、格子形成部材10の割合は、15〜90%とされ、好ましくは40〜60%とされる。 なお、格子形成部材10の割合が、15%以下の場合は上下方向の変形が過大になり、形状を維持することができないし、90%以上の場合は静電気の発生量が大きくなる。
【0010】
ここで、任意に選択した20mm四方の領域において、としているのは、この帯電防止マットは人の足(靴)で踏まれるものであって、例えば、約90cm四方の大きさを有している。したがって、単に、この全体の面積に対して格子形成部材10の割合を規定しただけでは、足(靴)がそのまま全部入るような大きな格子穴ができる可能性があるからである。
【0011】
図2は図1のII-IIに沿って見た波状部材12の断面図であって、上端は図2の(A)に示されるような円弧状、または、(B)に示されるような台形状の、先細な形状とされ、逆に下端は平らにされている。このように、上端を先細にすることによって、静電気の発生がさらに抑制され、下端を平らにすることにより発生した静電気が逃げていきやすい。
【0012】
(A)の場合も、(B)の場合も、厚さt1は0.8〜2.0mm、好ましくは1.0〜1.4mm、より好ましくは1.2mmとされ、高さh1は上記の厚さにした場合に、2〜20mm、好ましくは5〜10mm、より好ましくは7mmとされる。
そして、(A)の場合の上端部の円弧の半径は0.5t〜4tにされ、(B)の場合の台形の高さh’は0.25t〜0.5tとされる。
そして、波の数は直線部材11に波状部材12が5個接する長さWf(図1参照)で規定して、Wf=10mm〜60mm、好ましくは38mmとされる。
【0013】
図3に示すのは図1のIII−III線に沿って見た直線部材11の断面図であって、厚さt2は0.5〜1.5mm、好ましくは0.8mmとされ、高さh2は波状部材12の上端部分を除去した値とされている。したがって、この第1の実施の形態においては、作業者の足(靴)が接するのは波状部材12である。
【0014】
次に、格子形成部材10の材料について説明する。この第1の実施の形態における格子形成部材10の材料は塩化ビニールに導電性の可塑剤を混練したものである。塩化ビニールに混練する導電性の可塑剤はいわゆる界面活性剤であり、界面活性剤を混練することにより樹脂の表面を導電性にするだけでなく表面の摩擦による電荷発生も防止する。
【0015】
この界面活性剤は、イオン性を基準に、アニオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤、非イオン活性剤の4つに分類される。
塩化ビニールと相性の良いのは、アニオン活性剤のアルキルスルホン酸塩、アカチオン活性剤のアミド型カチオン類、両性活性剤のアルキルベタイン類、非イオン活性剤の脂肪酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル等がある。
【0016】
塩化ビニール100重量部に対し、導電性可塑剤が80〜180重量部程度添加されるが、さらに、少量の安定剤が追加される。安定剤としては、金属せっけん(高級脂肪酸の金属塩)が用いられるが、金属としては、例えば、Ba(バリウム)/Zn(亜鉛)の2成分がもちいられる。この場合、ZnせっけんはHClの捕捉、アリル塩素との置換をおこない、BaせっけんはHClの捕捉、ZnCl2との配位子交換によるZnせっけんの再生をおこない、ZnCl2とBaせっけんによるZnせっけんの再生がすぐれた安定化効果を発揮する。
【0017】
そして、上記のようにして生成される材料は、JISK7215に規定される「プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法」で計測されるデュロメータ硬さが、40〜70、好ましくは55となるようにされる。デュロメータ硬さが40以下であると、上下方向に過大に変形してしまい、70以上であると製品全体の弾力性がなくなり、作業者への負担が過大になってしまう。
【0018】
また、漏洩抵抗が以下の値を有するように導電性可塑剤が混練される。
<加工前の材料(シート状)>
下限値=10kΩ、上限値=100MΩ、好ましくは500kΩ
<第1の実施の形態の形状に加工したもの(SUS板の上に配置)>
下限値=100kΩ、上限値=10MΩ、好ましくは10MΩ
<第1の実施の形態の形状に加工したもの(他の床材の上に配置)>
下限値=100kΩ、上限値=200MΩ、好ましくは25MΩ
いずれもESD STM7.1の試験法による。
なお、下限値以下であると感電のおそれがあり、上限値以上であると静電気が逃げていかない。
【0019】
次に、第1の実施の形態の帯電防止マット10の製造方法について説明する。
第1の実施の形態の帯電防止マット10は、上記のように生成される材料を加熱して溶融状態にし、それを図4に示されるような押し出し型50の出口から押し出して製造される。この押し出し成形は、特公平6−55403号公報に記載されているものであるので簡単に説明する。
【0020】
第1スロット51が直線部材11を形成するためのものであり、第2スロット52が波状部材12を形成するためのものである。第1スロット51は幅が狭いためにここから出てくる材料の速度は低く直線状に出てくる。一方、第2スロット52は幅が広いためにここから出てくる材料の速度は速く、第2スロット52を出て来たものは褶曲し、波状になり、これが、直線部と接合するのである。
【0021】
上記のようにして形成される第1の実施の形態の帯電防止マットの性能について説明する。前述のデュロメータ硬さが55となるようにしたものは良好なクッション性を得ることができ、米国ESD協会 STM97.2の試験法で計測した人体の帯電電位も1V以下であった。
【0022】
次に第2の実施の形態について説明する。図5に示すのが第2の実施の形態の帯電防止マット1を上方から見た図であって、六角形のハニカム格子を有している。
この場合の格子形成部材20の厚さt3は、第1の実施の形態の波状部の厚さt1と同じく、0.8〜2.0mm、好ましくは1.0〜1.4mm、より好ましくは1.2mmとされる。また、高さh3も上記の厚さにした場合に、2〜20mm、好ましくは5〜10mm、より好ましくは7mmとされる。
【0023】
この第2の実施の形態の製造は、第1の実施の形態とは異なり、図6に示すような半割要素21を型で成形し、これを六角形の穴ができるように順次対向配置して、加熱、または、接着剤を用いて、互いに接合することによりおこなう。
あるいは、図7に示すように、六角形の部材22を押し出し成形し、これを、多数束ねて加熱、または、接着剤を用いて、互いに接合し、その後、所定の高さに切断して製造することもできる。
また、図8にシート状の導電材料23に図示のような切れ目24を入れ、その後、切れ目に直角な方向に引っ張ることでも製造することができる。
【0024】
以上、第1の実施の形態で直線部材と波状部材で格子穴が波形になるように格子を形成した場合と、第2の実施の形態で格子穴がハニカム状になるように格子を形成した場合とを説明したが、格子、あるいは、格子穴の形状は、これらに限定されるものではなく、その他の任意の形状にすることができ、例えば、格子穴が四角形になるようにすることも可能である。
【0025】
次に、上記のようにして製造される、本発明の帯電防止マットの使用例について図9を参照して説明する。
図9の(A)は、例えば、タイル、塗り床、長尺シート金属板で導電性の床100が施工されている場合に、その上に置く場合を示し、必要な場所に、本発明による帯電防止マット1を敷くだけでよい。
(B)は通常の非導電性の床100′の上に置く場合を示し、先ず、導電性シート110を非導電性の床100′の上に置き、その上に本発明の帯電防止マット1を敷く。そして、導電性シートを接地処理したものである。導電性シート110は、例えば、導電性樹脂で製造されたものや、あるいは、ステンレス板のような金属板でもよい。あるいは、金属箔を部分的に貼るものでもよい。
(C)は帯電防止マット1に導電性繊維120を織り込み、その繊維を接地したものである。
【0026】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明は、帯電防止マットであるが、
弾性を有する導電性材料から成る格子形成部材を略同じ形状の格子穴を多数有するように格子状に配置して形成され、任意に選択した20mm四方の領域において、格子形成部材の割合が15〜90%とされ、格子形成部材の高さが厚さよりも大きく、且つ作業者の靴が接する格子形成部材の上方の端部が先細に形成されており、
良好なクッション性と良好な帯電防止機能を両立する、ことができる。
格子形成部材の割合を、請求項2の発明のように、40〜60%とすると好ましい。
導電性材料の硬さを、請求項の発明のように、JIS7215のプラスチックのデュロメータ硬さ試験方法による硬度で40〜70の値を有するようにすると好ましい。
導電性材料の漏洩抵抗は、請求項の発明のように、10kΩ〜100MΩとするのが好ましい。
請求項の発明のように、格子形成部材の下方の端部を平らに形成すれば静電気が逃げやすい。
請求項の発明にように、格子形成部材が、押し出し型のスロットから第1の速度で押し出される直線部材と、隣接する直線部材の間に押し出し型のスロットから第1の速度よりも速い第2の速度で押し出され隣接する直線部材の間で褶曲する波状部材から成るようにすれば、押し出し型で容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の帯電防止マットの上面図である。
【図2】図1のII-II線にそって見た断面図である。
【図3】図1のIII-III線にそって見た断面図である。
【図4】第1の実施の形態の帯電防止マットを製造する型を示す図である。
【図5】第2の実施の形態の帯電防止マットの上面図である。
【図6】第2の実施の形態の一つの製造方法における半割要素を示す図である。
【図7】第2の実施の形態の別の製造方法における六角形断面の要素を示す図である。
【図8】第2の実施の形態のさらに別の製造方法を説明する図である。
【図9】本発明の帯電防止マットの使用例を示す図であって、
(A)は導電性床材の上に置く場合を示し、
(B)は通常の非導電性床材の上に導電性シートを介して置く場合を示し、
(C)は本発明の帯電防止マットに導電性繊維を織り込み、その繊維を接地した場合を示す。
【符号の説明】
1…帯電防止マット
10…格子形成部材
11…直線部材
12…波状部材
13…格子穴
20…格子形成部材
21…半割要素
22…六角形部材
23…シート上導電性材料
24…切れ目
50…押し出し型
51…第1スロット
52…第2スロット
100…導電性の床
100′…非導電性の床
110…導電性シート
120…導電性繊維

Claims (7)

  1. 帯電防止マットであって、
    弾性を有する導電性材料から成る格子形成部材を略同じ形状の格子穴を多数有するように格子状に配置して形成され、
    任意に選択した20mm四方の領域において、格子形成部材の割合が15〜90%であり、
    格子形成部材の高さが厚さよりも大きく、且つ作業者の靴が接する格子形成部材の上方の端部が先細に形成されている、
    ことを特徴とする帯電防止マット。
  2. 格子形成部材の割合が40〜60%であることを特徴とする請求項1に記載の帯電防止マット。
  3. 格子形成部材の下方の端部が平らに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の帯電防止マット。
  4. 格子形成部材が、押し出し型のスロットから第1の速度で押し出される直線部材と、隣接する直線部材の間に押し出し型のスロットから第1の速度よりも速い第2の速度で押し出され隣接する直線部材の間で褶曲する波状部材から成ることを特徴とする請求項1に記載の帯電防止マット。
  5. ハニカム状に格子が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の帯電防止マット。
  6. 導電性材料がJIS7215のプラスチックのデュロメータ硬さ試験方法による硬度で40〜70の値を有することを特徴とする請求項1に記載の帯電防止マット。
  7. 導電性材料の漏洩抵抗が10kΩ〜100MΩである、ことを特徴とする請求項1に記載の帯電防止マット。
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