JP4131345B2 - 鉄または鉄系合金をメッキしたアルミニウムまたはアルミニウム合金材料の製造方法 - Google Patents
鉄または鉄系合金をメッキしたアルミニウムまたはアルミニウム合金材料の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば薄板状のアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面もしくは一部に鉄または鉄合金をメッキしたアルミニウムまたはアルミニウム合金材料の新規な製造方法に関するもので、得られる材料は例えば自動車産業等に広く用い得る工業用材料である。
【0002】
【従来の技術】
特に自動車産業では、自動車の軽量化のためにアルミニウムまたはアルミニウム合金が使用される傾向が見られる。しかし、アルミニウムまたはアルミニウム合金は、そのままでは自動車用の構造あるいは機能材料としては適さない。このため、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に鉄または鉄合金メッキを施したものが注目されている。
【0003】
本発明者は、平成9年7月4日に出願した特願平9−215396号で、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に鉄または鉄系合金をメッキした新たな材料を提案した。この材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金と鉄または鉄系合金のメッキ面との境界域にそれらの相互拡散層を有するので、メッキ面がアルミニウム素地から剥離するおそれがなく、かつまたメッキ面は亀裂を有するので、塗料の付着性に優れた構造材料として適し、更にまた亀裂が油溜まりとなって油膜の保護に適するので耐摩耗性に優れた機械部品ともなり得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者が先に提案した上述のアルミニウムまたはアルミニウム合金材料は、このように優れた構造または機能材料であるが、本発明は更にこれを改良するものである。
【0005】
即ち、そのメッキ面の亀裂の開口幅が広め及び/または開口の凸部を平滑にして、その機能性を高めようとすることが、本発明の課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、亀裂を有する鉄または鉄系合金がメッキされたアルミニウムまたはアルミニウム合金を電解処理して、亀裂の開口を広げ及び/または開口の微視的な凸部を平滑にするものである。以下に、本発明を更に実施例で説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施例1
厚さ1mmのアルミニウム合金(JIS 5052)の圧延板を前処理(脱脂、酸活性、アルカリエッチング、酸活性、亜鉛置換、硫酸置換:ただし前処理の工程中で必要な水洗は記載を省略した。)した後、その外表面に厚さ20ミクロンの鉄メッキを下記の条件で60分で施した。
【0008】
鉄メッキ皮膜の硬さは約700HVであった。
【0009】
このようにして得られた鉄メッキしたアルミニウム合金板を水洗・乾燥した後に、不活性雰囲気中(圧力2barのN2ガス中)で570℃で5時間加熱し、続いて同様な雰囲気中で冷却速度60℃/分で急冷した。その結果、メッキ面には全面にわたってほぼ均一に発生した亀甲状の開口の幅が約3ミクロンの亀裂が走査型電子顕微鏡の観察で認められた。
【0010】
このアルミニウム合金板を電解処理した。電解条件は、上記したところと同一の液組成を用い、電流密度を3A/dm2、液温40〜45℃,電解時間を30秒とした。その結果、亀甲の開口幅は約9ミクロンに拡大し、開口付近の微視的な凹凸が研磨されていることが認められた。
【0011】
また、このアルミニウム合金板の断面組織をEPMAで検討したしたところ、アルミニウム素地と鉄メッキの境界域にAlとFeの相互拡散層の生成が認められ、両者が密着していることが観察された。また、90゜曲げ試験でも両者は全く剥離しなかった。
【0012】
このアルミニウム合金板を回転試験片とし、S45C、HQT,Sor−biteを固定試験片として、下記の条件で摩耗試験を行なった。
1)摩擦面に試験開始の直前に7.5W30SEモーター油を塗布した。
2)接触圧力:2Kgf/cm2(0.196MPa)
3)摩擦係数:0.03〜0.05
【0013】
その結果、比摩耗量(0〜50000m)では、5.70×10−10mm3/Kgf・mmであり、同(30000〜50000m)では、5.88×10−11mm3/Kgf/mmであって、誠に優れた耐摩耗性が示された。
【0014】
実施例2
厚さ1mmのアルミニウム合金(JIS 5052)の圧延板を実施例1と同様に前処理し、その外表面に厚さ約20ミクロンのクロムを7重量%含む鉄系合金のメッキを下記の条件で35分で施した。
【0015】
液組成:トライクロムプラス(アトテックジャパン社製)をベースとし、これに硫酸第一鉄40g/lを添加した。
このトライクロムプラスは
塩基性硫酸クロム(皮なめし剤)120g/l
蟻酸アンモニウム 55g/l
臭酸アンモニウム 10g/l
塩化カリウム 54g/l
塩化アンモニウム 54g/l
ホウ酸 40g/l
からなり、3価のクロムメッキの組成に相当する。
液 温:40〜45℃
陰 極:不溶性のカーボンを使用
電流密度:5A/dm2
【0016】
鉄・クロム合金メッキ皮膜(蛍光X線分析によれば、Fe:93.03.%、Cr:6.55%)の硬さは約757HVであり、走査型電子顕微鏡で観察したところ、メッキ皮膜の全面にわたって亀甲状に成長した開口が約3ミクロンの亀裂が認められた。この実施例では、クロムを7重量%含む鉄系合金を用いたが、クロム1〜30重量%を含む鉄合金でも同様な亀裂が生じることが実験の結果で分った。
【0017】
このようにして得られた鉄・クロム合金でメッキされたアルミニウム合金板を水洗いして乾燥した後、不活性雰囲気中(圧力2barのN2ガス中)で570℃で5時間加熱し、続いて同様な雰囲気中で冷却速度60℃/分で急冷した。次にこのアルミニウム合金板を電解処理(電解液は前記した液組成と同じで、電流密度5A/dm2,液温40〜45℃,電解時間30秒)した。その結果、亀裂の開口幅は約10ミクロンに広がり、開口付近の微視的な凸部は平滑に電解研磨された。
【0018】
このアルミニウム合金材料の断面組織をEPMAで検討したところ、アルミニウム素地とメッキ面の境界域にそれらの金属の相互拡散層の生成が認められ、両者が密着していることが認めらた。また、90゜曲げ試験でも両者の剥離は全くなかった。更に、塗料の付着性がよいことも確かめられた。
【0019】
このアルミニウム合金材料を回転試験片として、前記実施例1と同様な摩耗試験を行ったところ、同様な結果が得られ、この材料の優れた耐摩耗性が確認された。
【0020】
なお、加熱、冷却処理後にアルミニウム合金板を電解処理する代わりに、加熱、冷却前に合金板を電解処理したところ、その結果は上記したところと同様に良好であった。
【0021】
また、上述した実施例1と2において、電解条件を変えることによって、亀裂の開口幅を約20ミクロンにまで広げることが可能であり、また開口を大幅に広げることなしに、開口付近の凸部のみを平滑にすることもできることが分かった。
【0022】
【発明の効果】
上述したところから明かな通り、本発明によれば表面に亀裂があるように鉄または鉄系合金がメッキされたアルミニウムまたはアルミニウム合金材料の物理的特性、例えば耐摩耗性、塗料の付着性等が更に改善される効果がある。
Claims (2)
- アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に鉄または鉄系合金をメッキした後に、これを加熱、急冷し、その後にメッキ面の亀裂の開口を広げ及び/または開口の凸部を平滑にするために電解研磨することを特徴とする鉄または鉄系合金をメッキしたアルミニウムまたはアルミニウム合金材料の製造方法。
- 前記加熱、急冷に先立って前記電解研磨を行うことを特徴とする請求項1記載の鉄または鉄系合金をメッキしたアルミニウムまたはアルミニウム合金材料の製造方法。
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| JP10167798A JP4131345B2 (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 鉄または鉄系合金をメッキしたアルミニウムまたはアルミニウム合金材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10167798A JP4131345B2 (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 鉄または鉄系合金をメッキしたアルミニウムまたはアルミニウム合金材料の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11256399A JPH11256399A (ja) | 1999-09-21 |
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| JP10167798A Expired - Fee Related JP4131345B2 (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 鉄または鉄系合金をメッキしたアルミニウムまたはアルミニウム合金材料の製造方法 |
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|---|---|---|---|---|
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1998
- 1998-03-10 JP JP10167798A patent/JP4131345B2/ja not_active Expired - Fee Related
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