JPH11256399A - 鉄または鉄系合金をメッキしたアルミニウム材料の製法とアルミニウム材料 - Google Patents

鉄または鉄系合金をメッキしたアルミニウム材料の製法とアルミニウム材料

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JPH11256399A
JPH11256399A JP10167798A JP10167798A JPH11256399A JP H11256399 A JPH11256399 A JP H11256399A JP 10167798 A JP10167798 A JP 10167798A JP 10167798 A JP10167798 A JP 10167798A JP H11256399 A JPH11256399 A JP H11256399A
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Wataru Oikawa
渉 及川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に亀裂あるように鉄または鉄系合金がメ
ッキされたアルミニウムまたはアルミニウム合金は、そ
の亀裂を利用した塗料の付着性に富む材料として、また
潤滑油が供給された状態で使用される機械部品類の油溜
まりとしてその亀裂を利用した耐摩耗性の高い材料等と
して、今後広く使われることが期待できる。かかる特徴
をさらに活かすために、亀裂の開口幅を使用目的に照ら
して広げ及び/または亀裂の開口付近の微視的な凹凸部
を使用に支障のないようになくすことを課題とする。 【解決手段】 上記した種類の鉄または鉄系合金がメッ
キされたアルミニウムまたはアルミニウム合金を電解処
理して、亀裂の開口幅を使用目的に照らして広げ及び/
または亀裂の開口部の凹凸を局部的に電解研磨すること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば薄板状のアルミ
ニウムまたはアルミニウム合金の表面もしくは一部に鉄
または鉄合金をメッキしたアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金材料の新規な製造方法に関するもので、得られ
る材料は例えば自動車産業等に広く用い得る工業用材料
である。
【0002】
【従来の技術】特に自動車産業では、自動車の軽量化の
ためにアルミニウムまたはアルミニウム合金が使用され
る傾向が見られる。しかし、アルミニウムまたはアルミ
ニウム合金は、そのままでは自動車用の構造あるいは機
能材料としては適さない。このため、アルミニウムまた
はアルミニウム合金の表面に鉄または鉄合金メッキを施
したものが注目されている。
【0003】本発明者は、平成9年7月4日に出願した
特願平9−215396号で、アルミニウムまたはアル
ミニウム合金の表面に鉄または鉄系合金をメッキした新
たな材料を提案した。この材料は、アルミニウムまたは
アルミニウム合金と鉄または鉄系合金のメッキ面との境
界域にそれらの相互拡散層を有するので、メッキ面がア
ルミニウム素地から剥離するおそれがなく、かつまたメ
ッキ面は亀裂を有するので、塗料の付着性に優れた構造
材料として適し、更にまた亀裂が油溜まりとなって油膜
の保護に適するので耐摩耗性に優れた機械部品ともなり
得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者が先に提案し
た上述のアルミニウムまたはアルミニウム合金材料は、
このように優れた構造または機能材料であるが、本発明
は更にこれを改良するものである。
【0005】即ち、そのメッキ面の亀裂の開口幅が広め
及び/または開口の凸部を平滑にして、その機能性を高
めようとすることが、本発明の課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、亀
裂を有する鉄または鉄系合金がメッキされたアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金を電解処理して、亀裂の開口
を広げ及び/または開口の微視的な凸部を平滑にするも
のである。以下に、本発明を更に実施例で説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】実施例1 厚さ1mmのアルミニウム合金(JIS 5052)の
圧延板を前処理(脱脂、酸活性、アルカリエッチング、
酸活性、亜鉛置換、硫酸置換:ただし前処理の工程中で
必要な水洗は記載を省略した。)した後、その外表面に
厚さ20ミクロンの鉄メッキを下記の条件で60分で施
した。
【0008】 液 温:40〜45℃ 陰極電流密度:2A/dm 陰極電流効果:95〜100% 鉄メッキ皮膜の硬さは約700HVであった。
【0009】このようにして得られた鉄メッキしたアル
ミニウム合金板を水洗・乾燥した後に、不活性雰囲気中
(圧力2barのNガス中)で570℃で5時間加熱
し、続いて同様な雰囲気中で冷却速度60℃/分で急冷
した。その結果、メッキ面には全面にわたってほぼ均一
に発生した亀甲状の開口の幅が約3ミクロンの亀裂が走
査型電子顕微鏡の観察で認められた。
【0010】このアルミニウム合金板を電解処理した。
電解条件は、上記したところと同一の液組成を用い、電
流密度を3A/dm、液温40〜45℃,電解時間を
30秒とした。その結果、亀甲の開口幅は約9ミクロン
に拡大し、開口付近の微視的な凹凸が研磨されているこ
とが認められた。
【0011】また、このアルミニウム合金板の断面組織
をEPMAで検討したしたところ、アルミニウム素地と
鉄メッキの境界域にAlとFeの相互拡散層の生成が認
められ、両者が密着していることが観察された。また、
90゜曲げ試験でも両者は全く剥離しなかった。
【0012】このアルミニウム合金板を回転試験片と
し、S45C、HQT,Sor−biteを固定試験片
として、下記の条件で摩耗試験を行なった。 1)摩擦面に試験開始の直前に7.5W30SEモータ
ー油を塗布した。 2)接触圧力:2Kgf/cm(0.196MPa) 3)摩擦係数:0.03〜0.05
【0013】その結果、比摩耗量(0〜50000m)
では、5.70×10−10mm/Kgf・mmであ
り、同(30000〜50000m)では、5.88×
10−11mm/Kgf/mmであって、誠に優れた
耐摩耗性が示された。
【0014】実施例2 厚さ1mmのアルミニウム合金(JIS 5052)の
圧延板を実施例1と同様に前処理し、その外表面に厚さ
約20ミクロンのクロムを7重量%含む鉄系合金のメッ
キを下記の条件で35分で施した。
【0015】液組成:トライクロムプラス(アトテック
ジャパン社製)をベースとし、これに硫酸第一鉄40g
/lを添加した。このトライクロムプラスは 塩基性硫酸クロム(皮なめし剤)120g/l 蟻酸アンモニウム 55g/l 臭酸アンモニウム 10g/l 塩化カリウム 54g/l 塩化アンモニウム 54g/l ホウ酸 40g/l からなり、3価のクロムメッキの組成に相当する。 液 温:40〜45℃ 陰 極:不溶性のカーボンを使用 電流密度:5A/dm
【0016】鉄・クロム合金メッキ皮膜(蛍光X線分析
によれば、Fe:93.03.%、Cr:6.55%)
の硬さは約757HVであり、走査型電子顕微鏡で観察
したところ、メッキ皮膜の全面にわたって亀甲状に成長
した開口が約3ミクロンの亀裂が認められた。この実施
例では、クロムを7重量%含む鉄系合金を用いたが、ク
ロム1〜30重量%を含む鉄合金でも同様な亀裂が生じ
ることが実験の結果で分った。
【0017】このようにして得られた鉄・クロム合金で
メッキされたアルミニウム合金板を水洗いして乾燥した
後、不活性雰囲気中(圧力2barのNガス中)で5
70℃で5時間加熱し、続いて同様な雰囲気中で冷却速
度60℃/分で急冷した。次にこのアルミニウム合金板
を電解処理(電解液は前記した液組成と同じで、電流密
度5A/dm,液温40〜45℃,電解時間30秒)
した。その結果、亀裂の開口幅は約10ミクロンに広が
り、開口付近の微視的な凸部は平滑に電解研磨された。
【0018】このアルミニウム合金材料の断面組織をE
PMAで検討したところ、アルミニウム素地とメッキ面
の境界域にそれらの金属の相互拡散層の生成が認めら
れ、両者が密着していることが認めらた。また、90゜
曲げ試験でも両者の剥離は全くなかった。更に、塗料の
付着性がよいことも確かめられた。
【0019】このアルミニウム合金材料を回転試験片と
して、前記実施例1と同様な摩耗試験を行ったところ、
同様な結果が得られ、この材料の優れた耐摩耗性が確認
された。
【0020】なお、加熱、冷却処理後にアルミニウム合
金板を電解処理する代わりに、加熱、冷却前に合金板を
電解処理したところ、その結果は上記したところと同様
に良好であった。
【0021】また、上述した実施例1と2において、電
解条件を変えることによって、亀裂の開口幅を約20ミ
クロンにまで広げることが可能であり、また開口を大幅
に広げることなしに、開口付近の凸部のみを平滑にする
こともできることが分かった。
【0022】
【発明の効果】上述したところから明かな通り、本発明
によれば表面に亀裂があるように鉄または鉄系合金がメ
ッキされたアルミニウムまたはアルミニウム合金材料の
物理的特性、例えば耐摩耗性、塗料の付着性等が更に改
善される効果がある。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金の
    表面に鉄または鉄系合金をメッキした後に、これを加
    熱、冷却してメッキ面に亀裂を生ぜしめ、その後にこれ
    を電解処理して該亀裂の開口を広げ及び/または開口の
    凸部を平滑にすることを特徴とする鉄または鉄系合金を
    メッキしたアルミニウムまたはアルミニウム合金材料の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱によりアルミニウムまたはアル
    ミニウム合金とメッキ面との境界域にこれらの金属の相
    互拡散層を生成せしめることを特徴とする請求項1に述
    べる鉄または鉄系合金をメッキしたアルミニウムまたは
    アルミニウム合金材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウムまたはアルミニウム合金の
    表面にクロム1〜30重量%を含む鉄系合金をメッキ
    し、その後にこれを電解処理してメッキ面の亀裂の開口
    を広げ及び/または開口の凸部を平滑することを特徴と
    する鉄系合金をメッキしたアルミニウムまたはアルミニ
    ウム合金材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記電解処理に先だってまたは電解処理
    の後に、メッキしたアルミニウムまたはアルミニウム合
    金を加熱、冷却してアルミニウムまたはアルミニウム合
    金とメッキ面との境界域にこれらの金属の相互拡散層を
    生成せしめることを特徴とする請求項3記載の鉄系合金
    をメッキしたアルミニウムまたはアルミニウム合金材料
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 アルミニウムまたはアルミニウム合金の
    表面に鉄または鉄系合金の亀裂のあるメッキ面を有し、
    この表面とメッキ面との境界域にこれらの金属の相互拡
    散層を有し、かつメッキ面の亀裂の開口が広げられ及び
    /または開口の凸部が平滑にされていることを特徴とす
    るアルミニウムまたはアルミニウム合金材料。
  6. 【請求項6】 メッキ面の亀裂の開口が電解研磨によっ
    て広げられ及び/または開口の凸部が平滑にされている
    請求項5記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金材
    料。
  7. 【請求項7】 メッキ面が鉄である請求項5又は6記載
    のアルミニウムまたはアルミニウム合金材料。
  8. 【請求項8】 メッキ面がクロム1〜30重量%を含む
    鉄系合金である請求項5又は6記載のアルミニウムまた
    はアルミニウム合金材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006045004A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Muroran Institute Of Technology 活性化処理されたアルミニウム微粒子を使用した水素ガス発生方法
JP2006250552A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Totoku Electric Co Ltd プローブ針及びその製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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