JP4131494B2 - リライトカード - Google Patents

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本発明は、カード表面に文字、絵などの印刷が可能で印字内容を書き換えることができるリライト層を有するリライトカードに関し、さらに詳しくは、リライトカード製造時に平滑であって、リーダーライターにより印字消去を繰り返してもカールが生じにくい基材構成を特徴とするリライトカードに関する
近年、ICカードや磁気ストライプカードといった情報がICや磁気テープに記録された硬質プラスチックカードが広く使われるようになったが、記録情報を直視できないため、カード保持者にとって不便なこともあった。これらの情報をカード表面に表示できるようにするため、可逆性感熱記録媒体を用いたリライトカードが提案され、その中でも、発色型(ロイコ型)のリライトカードが普及しつつある。
従来、リライトカードを製造する方法としては、図2に示すように透明熱可塑性樹脂シート24の上に、基材層となる白色熱可塑性樹脂シート22、23を1枚または2枚以上重ね、さらにその上に可逆性感熱層を少なくとも1層有するリライトシート21を乗せ、熱プレスで加熱圧着し、その後、抜き加工を経てカード形に成型する方法がある。このとき、リライトカード20のリライトシート21は、耐熱性、耐溶剤性、寸法安定性の面からPET(ポリエチレンテレフタレート)が使用されている。
しかし、このPETは熱収縮率が他の熱可塑性樹脂に比べて小さく、熱プレスで加熱圧着するとリライトシート面を凸とした約2〜5mmのカールが発生することが多く、リーダーライターにかける際のトラブルの原因になっていた。
解決しようとする課題は、従来のリライトカードが、製造時の熱プレスによりカールが生じ、カードの繰り返し印字消去する際のトラブルの原因になっていた点である。
本発明者は、カールの発生のないリライトカードを作るべく鋭意検討した結果、リライトカードを構成する基材に着目し、図1に示すリライトカード10の典型例において、基材層12と基材層13の物性をコントロールすることによりカールの発生を1mm未満に抑えられることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、オーバーレイ、リライトカード用基材、リライト層がこの順序で積層されたリライトカードであって、該基材が、2層から構成され、それぞれの層が、JIS K7191 A法により測定した荷重たわみ温度が50〜150℃である熱可塑性樹脂からなり、かつ、それぞれの層を形成する熱可塑性樹脂の該たわみ温度が異なり、リライト層に接する層の熱可塑性樹脂の該荷重たわみ温度がオーバーレイに接する層の熱可塑性樹脂の該荷重たわみ温度より高くなるように積層されていることを特徴とするリライトカードに関する。
ここで、2層の熱可塑性樹脂のたわみ温度の差は、1〜80℃が好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂としては、硬質塩化ビニル系樹脂、非結晶性ポリエステルおよびポリカーボネートの群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
本発明のリライトカードは、カード製造時の熱プレスによるカールの発生もなく、リーダーライターによる印字・消去を繰り返してもカールを発生することがない。リライトカードのカールにともなうトラブル解決にきわめて有効である。
本発明の特徴は、リライトカード用基材として、50〜150℃の荷重たわみ温度(JIS K7191 A法)を示す熱可塑性樹脂が用いられ、また、基材が荷重たわみ温度がそれぞれ異なる2つの熱可塑性樹脂層から構成されることであり、さらに、これを用いリライトカードとする際には、リライト層に接する基材層12の荷重たわみ温度が、オーバーレイに接する基材層13の荷重たわみ温度より高くなるように積層することにある。
以下、実施の形態を図面により説明する。
本発明のリライトカードの構成の典型例を図1に示す。符号10は本発明のリライトカードである。
図1において、符号11は可逆性感熱記録機能を有するリライト層を示すが、ここでいうリライト層は、保護層、記録層、PET支持体、接着層などからなる複合フィルムであって総厚み30〜50μm程度のものがサーマルリライトフィルム(原反)として入手可能であり、これらを用いることができる。
また、符号14は、通常、オーバーレイと言われる印刷可能な透明シートであって、50〜100μm程度のものがプラスチックカード向けに市販されており、硬質塩化ビニル系フィルム、PETG(非結晶性ポリエステル)系フィルムなどが知られている。本発明においては、これらのどのようなものも用いることができる。
本発明の特徴である、2層からなるリライトカード用基材は、図1における基材層12、基材層13の部分であり、白色および/または透明のものが一般的であるがそれに限定される物ではなくまた、それぞれ40〜720μmの厚さのものが好ましい。40μm未満では、本発明の効果を発揮することができず、一方、720μmを超えると最終カードの総厚みの調整が困難である。さらに好ましくは、50〜700μmである。なお、基材層12と基材層13の厚みは同一である必要はなく、リライト層11とオーバーレイ14の厚さにより選択され、最終リライトカードの総厚みが680μm〜840μmになるように調整される。
基材に用いられる熱可塑性樹脂としては、塩化ビニルホモポリマー、酢酸ビニル3〜20%の塩ビ酢ビコポリマー、塩素化塩ビポリマーなどの硬質塩化ビニル系樹脂、PETG系、超高分子量アクリル樹脂、高分子量塩素化ポリエチレン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、MBS(メタクリレート−ブタジエン−スチレン)樹脂、ウレタン樹脂、PS(ポリスチレン)、PC(ポリカーボネート)、PAR(ポリアリレート)、AS(アクリロニトリルスチレン)、PEI(ポリイミド)などが挙げられる。これらは、1種単独でもよく、2種以上を組み合わせてもよく、需要に応じ使いわけられる。中でも、硬質塩化ビニル系樹脂、PETG系、PCなどが好ましい。また、これらの熱可塑性樹脂には、可塑剤、安定剤などの添加剤を含んでいてもよい。なお、基材層12と基材層13の熱可塑性樹脂は同一である必要はなく、異なったものを用いることもできる。
本発明において、基材に用いられる熱可塑性樹脂の、JIS K7191 A法により測定した荷重たわみ温度(以下、単に荷重たわみ温度ともいう)は50〜150℃、好ましくは60〜145℃の範囲にある。荷重たわみ温度が50℃未満ではカードが使用される環境温度−35〜+50℃で寸法変化およびカールを発生し、一方150℃を超えると熱プレスによる加熱圧着が難しくなる。
また、基材は2層からなり、それぞれの層を形成する熱可塑性樹脂は異なった荷重たわみ温度を持つが、荷重たわみ温度の差は1〜80℃が好ましい。この温度が1℃未満では、2層の荷重たわみ温度差が少なすぎるため、カールを1mm未満に抑えることができず、一方、80℃を超えるとカード成形後、リーダーライターの印刷によってカールが大きくなってしまう。好ましくは5〜75℃、さらに好ましくは10〜50℃である。
基材が2層からなり、基材層12と基材層13のそれぞれの熱可塑性樹脂のたわみ温度に差を発現させることが本発明の特徴である。基材シートの成型加工にあたって、熱可塑性樹脂自体の物性を考慮した基材層12、基材層13の構成を選択することは必然であるが、熱可塑性樹脂に荷重たわみ温度を高くする添加物あるいは低くする添加物を添加して調整することができる。
ここで、リライトカードとしたときに、リライト層に接する側の層、すなわち、図1の基材層12の熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度が、オーバーレイに接する側の層、すなわち、図1の基材層13の熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度より高くなるように基材を積層する必要がある。このような順序で積層しないと、リライトカードのカールを低減するという本発明の効果は得られない。
基材が硬質塩化ビニル系樹脂からなる場合、塩化ビニルホモポリマー、酢酸ビニル3〜20%の塩ビ酢ビコポリマー、塩素化塩ビポリマーなどが着色剤、安定剤、滑剤とともに通常のカレンダー処方によりシート化される。ここで、基材層12と基材層13の荷重たわみ温度に差を発現させるため、塩ビホモポリマーよりも荷重たわみ温度の高い塩素化塩ビポリマーの基材層12での含有量を、基材層13での含有量より多くすることで、基材層12のたわみ温度を基材層13より高くすることができる。また、同様に基材層12に荷重たわみ温度の高い超高分子量アクリル樹脂、高分子量塩素化ポリエチレン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、MBS(メタクリレート−ブタジエン−スチレン)樹脂を配合してシートを成型しても、荷重たわみ温度に差を設けることができる。これらの荷重たわみ温度の高い樹脂の添加量は、硬質塩化ビニル系樹脂100重量%に対して、通常、5〜30重量%であり、好ましくは8〜15重量%である。
さらに、基材層13に対して荷重たわみ温度の低いABS樹脂、MBS樹脂、ウレタン樹脂を添加してシートを成型し、荷重たわみ温度に差を設けることができる。これらの樹脂の添加量は硬質塩化ビニル系樹脂の合計量100重量%に対して5〜30重量%、好ましくは、8〜15重量%である。また、荷重たわみ温度を下げるため、可塑剤、安定剤の含有量を基材層12より基材層13に多くすることにより差を発現させることもできる。これらの添加量は、硬質塩化ビニル系樹脂の合計量100重量%に対して1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%である。
また、基材が非結晶性ポリエステルであるPETGからなる場合、PETGに対し、PS(ポリスチレン)、ABS樹脂、PC(ポリカーボネート)、PAR(ポリアリレート)、MBS、AS(アクリロニトリルスチレン)、PEI(ポリイミド)などのPETGよりも荷重たわみ温度の高い樹脂を基材層12にブレンドして、荷重たわみ温度に基材層13との差を発現するシートを押出加工で作ることができる。これらの樹脂のブレンド量は、ブレンドした樹脂の合計量100重量%中5〜80重量%、好ましくは10〜70重量%である。
また、基材層13に対して、荷重たわみ温度の低いABS樹脂、MBS樹脂、ウレタン樹脂を添加してシートを成型し、荷重たわみ温度に基材層12との差を設けることができる。これらの樹脂の添加量は、樹脂の合計量100重量%に対して5〜30重量%、好ましくは、8〜15重量%である。
さらに、基材層13の荷重たわみ温度を下げるため、可塑剤の含有量を、基材層12より基材層13に多くすることにより差を発現させることもできる。これらの添加量は、樹脂の合計量100重量%に対して0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%である。
上記のような基材を構成する基材層12、基材層13の各シートは、リライト層11ならびにオーバーレイ14の各フィルムとともに加熱圧着されてリライトカードが製造される。
加熱圧着は、上記の各層を構成するシートおよびフィルムをステンレス板で挟み、100〜150℃で5〜10分間、面圧10〜25kg/cm2でプレスして積層すればよい。冷却後に取り出して、カード型に抜き加工を行いカードを作製することができる。
なお、その際に基材層12、基材層13、あるいはそれらの積層シートにICやコイル、磁気テープなどを装填したシートを用いて高機能複合カードとすることもできる。
次に、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明する。
<オーバーレイの作製>
表1に示す組成内容でオーバーレイを作製した。A−1についてはスーパーミキサーでブレンド後、カレンダー加工にて100μmのフィルムを作成した。A−2については押出機にて100μmのフィルムを作製した。
Figure 0004131494
*1)平均重合度800のポリ塩化ビニル
*2)三菱レイヨン製「メタブレン」
*3)スズ系安定剤
*4)DOP
*5)イーストマンケミカル製「イースター6763」
<基材の作製>
表2〜3に示す組成内容で、基材層用のシートを作製した。B−1〜B−5はスーパーミキサーでブレンド後、カレンダー加工にてフィルムを作製した。C−1〜C−6は二軸押出機にて混練しペレット作成後、一軸押出機にてフィルムを作成した。
また、得られたシートの荷重たわみ温度をJIS K7191 A法により測定した。結果を表2〜3に示す。










Figure 0004131494
*6)平均重合度800のポリ塩化ビニル
*7)積水化学工業製「セキスイPVC−HA」
*8)酢ビ5%、平均重合度800の塩ビ酢ビコポリマー
*9)三菱レイヨン製「メタブレン」
*10)スズ系安定剤
*11)DOP
*12)ルチル型酸化チタン
Figure 0004131494
*13)イーストマンケミカル製「イースター6763」
*14)GEプラスチックス製「レキサン131」
*15)ユニチカ製「Uポリマー U−100」
*16)GEプラスチックス製「ウルテム1000」
*17)ルチル型酸化チタン
<カードの作製>
作製したオーバーレイおよび基材層シートとリライトシート(三菱製紙製TRGS33TA)を表4に示す厚さと層構成で重ね合わせ、これをステンレス板で挟み、実施例1〜4および9、比較例1〜3および5については、135℃で5分間、面圧15kg/cm2でプレスして積層し、冷却後に取り出して、カード型に抜き加工を行いカードを作製した。また、実施例5〜8、比較例4,6,7は110℃で5分間、面圧15kg/cm2でプレスして積層し、冷却後に取り出して、カード型に抜き加工を行いカードを作成した。
<評価>
各実施例および比較例のカード製造後のカール量とClearjet社製のリーダーライターCP2にて印字消去を50回行いカール量を測定し、1.0mm未満のものを◎、1.0〜1.5mmのものを○、1.5〜5.0のものを△、5.0mm以上のものを×とした。
カードのカール量の評価結果については表5に示す。
Figure 0004131494


















Figure 0004131494
本発明のリライトカードは、カード製造時の熱プレスによるカールの発生がなく、リーダーライターによる印字・消去を繰り返してもカールを発生することがなく、繰り返し使用に耐える、記録情報を直視できるリライトカードに用いることができる。
本発明のリライトカードの一例を示した断面図である。 従来のリライトカードの一例を示した断面図である。
符号の説明
10 本発明のリライトカード
11 リライト層
12 基材層
13 基材層
14 オーバーレイ
20 従来のリライトカード

Claims (3)

  1. オーバーレイ、リライトカード用基材、リライト層がこの順序で積層されたリライトカードであって、該基材が、2層から構成され、それぞれの層が、JIS K7191 A法により測定した荷重たわみ温度が50〜150℃である熱可塑性樹脂からなり、かつ、それぞれの層を形成する熱可塑性樹脂の該たわみ荷重温度が異なり、リライト層に接する層の熱可塑性樹脂の該荷重たわみ温度がオーバーレイに接する層の熱可塑性樹脂の該荷重たわみ温度より高くなるように積層されていることを特徴とするリライトカード。
  2. 2層の熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度の差が1〜80℃である請求項1記載のリライトカード
  3. 熱可塑性樹脂が硬質塩化ビニル系樹脂、非結晶性ポリエステルおよびポリカーボネートの群から選ばれた少なくとも1種である請求項1または2記載のリライトカード
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