JP4131855B2 - タイヤの内部キャビティ内の空気温度を推定する方法およびランニング・フラットシステムの異常作動の検出への適用 - Google Patents

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Description

本発明は、走行中のタイヤの内部キャビティ内の空気温度を推定する方法、および、タイヤおよびランニング・フラットシステムの異常作動の検出へのこの方法の適用に関する。
温度はゴム物品の物理的および機械的特性に顕著な変化を引起こすため、温度がゴム物品の作動にとって重要なパラメータであることは知られている。タイヤに関しては、ホイールとタイヤとにより形成される内部キャビティ内の空気温度は、タイヤの作動状態の重要なインジケータである。また、走行中にこの温度を測定することは必ずしも非常に容易であるとはいえず、かつ前記温度を信頼性をもって推定できるためには或る条件が存在する。
国際特許公開WO 94/13498号明細書 欧州特許特許EP 0 796 747号明細書 米国特許第6,026,878号明細書 国際特許公開WO 00/41902号明細書 国際特許公開WO 00/5083号明細書 国際特許公開WO 00/76791号明細書 国際特許公開WO 01/28789号明細書
本発明の目的は、走行中のタイヤの内部キャビティ内の空気の温度を推定する方法、およびタイヤおよびランニング・フラットシステムの異常作動の検出へのこの方法の適用方法を提供することにある。
本発明の対象は、タイヤの内部キャビティ内の空気温度を推定する方法において、
正常作動前には、所与の速度Vおよび外部温度Tambでキャビティ内の空気温度を測定する手段が設けられたタイヤについて一連の走行試験を行ない、タイヤは所与の荷重を支持しかつキャビティは所与の内部相対圧力にあり、前記速度および外部温度のパラメータに従って内部空気の温度Taiを与える下記関数に調節を行ない、
Figure 0004131855
正常作動時には、タイヤは上記荷重条件およびキャビティ内の相対圧力条件下で車両に装着され、キャビティ内の内部空気の温度が車両の前記速度および車両の外部の温度に従って推定されることを特徴とする方法を提供することにある。
好ましい例によれば、内部温度Taiは、
Figure 0004131855
で与えられ、
ここで、Tai、nは時間tnで推定した内部温度、Tai、n-1は時間tn-1で推定した内部温度、Tssは所与の試験条件下での熱平衡内部温度、τは調節係数であり、
Figure 0004131855
ここで、a、b、c、dは調節係数である。
キャビティ内の相対圧力が、冷えているときには、タイヤの正常の相対圧力に等しくなるような条件下で走行試験を行なうのが有利である。
このような推定は、ランニング・フラットシステムの作動の場合に特に有効である。この場合には、ランニング・フラットの条件下、すなわちタイヤキャビティ内の実質的にゼロの相対圧力で走行試験を行なうのが有利である。
走行中のタイヤの内部キャビティ内の空気の温度を推定する上記方法には多くの用途がある。これらの用途のうち、正常時またはランニング・フラット時の走行条件下でタイヤの異常作動の検出を行なうことは特に有利である。
タイヤの相対圧力の低下は、例えばバースト後に突然的に生じることも、または例えばパンク後に非常に緩慢に生じることもあるが、全ての場合に、車両のステアリング制御が不意に喪失されるという危険がある。いわゆる「ランニング・フラット」装置が考えられており、ランニング・フラット装置は、一般に、タイヤの凹みを制限して、アンウェッジング現象(すなわち、タイヤビードがリムの内側に移動して、タイヤがリムから外れてしまう現象)を防止すべくタイヤ内部に配置される環状安全支持体を有している。
このような装置が、例えばMichelin等による特許文献(上記特許文献1および2参照)に開示されている。
タイヤの構造、特に側壁が強力に補強されていて、低い相対圧力またはゼロの相対圧力でタイヤが走行できるようにするタイヤも考えられている。「セルフ・サポーティング」として知られているこのようなタイヤの一例が、特許文献(上記特許文献3参照)に開示されている。
逆説的にいえば、これらの現代のランニング・フラット装置は非常に有効で、車両のドライバは、タイヤのうちの1つのタイヤの相対圧力の低下を容易に気付くことができない。従って、これらのシステムには、タイヤの相対圧力を測定する装置であって、相対圧力が所定閾値以下に低下するやいなやドライバに警告する本質的機能を有する装置を備えていなければならない。
タイヤの外側に配置されたカバーが収縮した場合にタイヤトレッドを支持する手段の使用に基いているこれらのランニング・フラットシステムは、タイヤ製造業者によれば、制限された速度(最大で約80km/h)で、制限された距離(約200km)だけランニング・フラット状態で走行できる。
これらのレンジ値は、ランニング・フラット時に使用者の安全性を保証するため、非常に苛酷な条件下で決定される。しかしながら、車両のドライバにランニング・フラットシステムの異常作動を知らせることによりこれらの平均値を補完するのが有効である。
本発明の対象は、車両に装着することを意図したランニング・フラットシステムの異常作動を検出する方法において、ランニング・フラットシステムが、各ホイールについて、ホイールにキャビティを形成するタイヤと、キャビティ内の内部温度を検出する手段と、キャビティの前記内部温度を推定する手段と、アラームを発生しかつ伝送する手段とを有する構成の方法を提供することにある。この方法では、正常作動時に、
キャビティ内の内部温度Tnが周期的に測定され、
前記内部温度Taiが周期的に推定され、
前記測定温度と推定温度とが比較され、
この比較の結果が所与の閾値を超えるときはアラームが発生される。
簡単な実施例によれば、内部温度は、車両の速度Vおよび車両の外部の温度Tambの下記関数すなわち、
Figure 0004131855
に従って測定される。
好ましくは、関数Fは、所与の速度Vおよび外部温度Tambでの一連のランニング・フラット試験から決定され、タイヤはその正常の最大荷重に等しい荷重を支持し、キャビティは実質的にゼロの相対圧力にある。
従って、この一連の試験は、タイヤの荷重およびタイヤのキャビティ内の相対圧力に関してタイヤに期待される最も苛酷な条件下で行なわれる。この目的のため、例えば膨張弁を除去できる。
関数Fの一例は、
Figure 0004131855
で与えられ、
ここで、Tai、nは時間tnで推定した内部温度、Tai、n-1は時間tn-1で推定した内部温度、Tssは所与の試験条件下での熱平衡内部温度、τは調節係数であり、
Figure 0004131855
ここで、a、b、c、dは調節係数である。
内部温度の推定は更に、タイヤにより支持される荷重Qの値を使用することである。この場合、対応関数Fを決定する試験は、この試験のための付加パラメータとしてこの荷重Qを含んでいる。これにより、タイヤキャビティ内の内部空気温度の推定精度が向上される。
また、更にタイヤの相対膨張圧力Pの値を使用できる。この場合、関数Fを決定する試験は、このパラメータPも含んでいる。
本発明の方法によれば、推定温度Taiが測定温度Tnを超えるやいなや、アラームを発生させることができる。この閾値は約10℃である。
本発明による方法は、使用されるランニング・フラットシステムがタイヤ製造業者により与えられた条件下で作動しなくなるやいなや、ドライバに警告を与えることができる。これは、例えば車両が非常に過大な荷重を受けるとき、またはフラット・フランニングを行なうためにキャビティ内に存在する潤滑ゲルの量が正しくないとき、または例えば修理の後にタイヤの内面特性が補修溶液等により変化されたときに生じる。
この方法はまた、ランニング・フラットシステムの通常の作動寿命の終時にドライバに警告を与えることができる。これらの状況下では、作動寿命の終時に、キャビティ内の内部空気温度の顕著な上昇がしばしば観察される。この発熱は大きいものとなり、測定温度および推定温度を観察することにより明瞭に判断される。安定走行状態下で測定温度が実質的に推定温度を超えるという事実は、ランニング・フラットシステムの作動の劣化であると解され、この場合、この情報は遅延なく車両のドライバに伝送されなくてはならない。
本発明のシステムはまた、キャビティの収縮の警告装置を有し、本発明による異常作動検出方法は、この警告装置が所定の収縮閾値を検出した時点から開始される。
タイヤには構造補強手段を設けるのが好ましい。これらの手段として、ホイールリムに対して半径方向外方に配置されかつ相対膨張圧力の場合にトレッドを支持することを意図した安全支持体がある。
構造補強手段は、タイヤ構造内に挿入することもできる。
本発明の他の対象は、各ホイールについて、ホイールにキャビティを形成するタイヤを備えた、車両に装着することを意図したランニング・フラットシステムの異常作動検出装置において、
キャビティ内の内部温度を検出する手段と、
前記内部温度を推定する手段と、
測定した内部温度と推定した内部温度とを比較する手段と、
アラームを発生しかつ該アラームをドライバに伝送する手段とを有する異常作動検出装置を提供することにある。
この装置は、前記比較の結果が所与の関係を満たすときは、正常作動時にアラームを発生できる。
本発明の他の目的は、車両に装着することを意図したタイヤに適用される同様な方法を提供することにある。この適用では、前と同様に、車両の速度および車両の外部の温度に従って内部温度を推定できる。
同様に、正常作動前に、関数Fは、車両の速度Vおよび外部温度Tambでタイヤについて行なう一連の走行試験から決定され、タイヤは正常の最大荷重に等しい荷重を支持し、キャビティは、冷えているときに、正常の相対圧力に等しい内部相対圧力にある。
かくしてこの方法は、タイヤの内部キャビティの過度の発熱に関連する異常作動を表示できる長所を有し、実際に、ゼロの相対圧力に近い圧力ではなく、推奨正常膨張相対圧力で優先試験が行なわれる。
以下、添付図面を参照して、ランニング・フラットシステムの異常作動の検出への適用を一例として採用し、本発明の方法および装置を説明する。
以下に説明する全ての試験は、ゴムの安全支持体を備えた、Michelin(ミシュラン)社から入手できる「PAX」ランニング・フラットシステムが装着されたRenault “Scenic”(ルノー「セニック」)で行なわれた。
図1〜図4には、PAXランニング・フラットシステムが示されている。このシステムは、タイヤ1(図2)と、ホイール2(図2および図4)と、安全支持体3(図1、図2および図3)と、タイヤおよびホイールにより定められた内部キャビティ5の膨張を警告する装置とを有し、該装置は、各ホイールについて、タイヤ1の内部キャビティ5内に配置されたホイールモジュール4(図4)を備えている。
タイヤ1は、2つのビード11と、2つの側壁12と、トレッド13とを有している。このタイヤ1は、特許文献(上記特許文献4参照)において詳細に説明されている。この試験に使用したサイズは、195−620R420 Spacityである。タイヤ1は、ディスク21(図4)およびリム(図2)を備えたホイール2に装着できる。リム22は、2つのシート23と、装着溝24と、安全支持体のための支持面25とを有している。試験に使用されるホイール2は、図4に示されている。このホイールのリムは、特許文献(上記特許文献5参照)に開示されているように、周方向の軽量化溝26を備えた、安全支持体3のための支持面25を有している。図2および図4に示すように、ホイールモジュール4は、装着溝24内に配置されかつ該装着溝24を包囲する剛性バンド41により固定される。使用されるホイールモジュール4は、SmarTire Generation Iである。このモジュールは、圧力センサおよび温度センサを有している。キャビティ5内の内部温度を測定する全ての試験に使用したのはこのモジュールである。
図1は、PAXシステムの安全支持体3を示す側面図である。この支持体3は、本質的に3つの部分すなわち、全体として環状のベース31と、実質的に環状の頂部32(任意であるが、この半径方向外壁には長手方向溝33を設けることができる)と、ベースと頂部32とを連結する環状本体34とを有している。図3には、試験に使用された環状本体34の特定実施例が示されている。図3は、図1に示すA−A線に沿う断面図である。環状本体34は周方向に連続している。環状本体34は、支持体の両側で延びておりかつ実質的に周方向の中央部36を備えた隔壁35を有している。隔壁35は、周方向に対して角度αをなして傾斜している。この角度は約80°である。かくして、隔壁35はほぼ軸線方向に延びている。隔壁35は、周方向の連結部37により交互の態様で一体に連結されている。このような安全支持体は、特許文献(上記特許文献6参照)に開示されている(本願の図5の実施例)。使用される安全支持体の仕様は115−420(45)である。ここで115は支持体の幅、420は対応するタイヤおよびリムの公称直径、45は支持体の高さであり、これらの全寸法の単位はmmである。これらの支持体は、本質的にゴム材料で作られる。
図2は、ランニング・フラット中のPAXシステムの作動を示すものである。内部キャビティ内の空気圧力が大きく低下して大気圧に近付くと、トレッドは安全支持体の半径方向外壁に当接するようになり、ホイールに加えられる荷重の大部分を徐々に支持するのはこの安全支持体である。この場合の走行を「フラット・ランニング」と呼ぶ。内部キャビティ内の圧力が大気圧に等しくなるとき、内部キャビティ内の「相対圧力」をゼロであると呼ぶ。
図2は、トレッドと安全支持体の頂部との間に摩擦が観察されるランニング・フラット状態にあることを示している。この摩擦は、大きい発熱を引起こし易い。この発熱を制御するため、通常、タイヤの内部キャビティ内には潤滑ゲルが入れられる。この潤滑ゲルは、安全支持体の頂部上に配置するか、特許文献(上記特許文献7参照)に開示されているようなリザーバ内に入れることもできる。
図5には、本発明による装置を車両6に取付ける設計が示されている。車両6は4つのタイヤ1を有している。車両6には、タイヤ収縮警告装置が設けられている。この警告装置は、車両6の各タイヤ/ホイール組立体内に配置されるホイールモジュール4と、車両のシャーシに配置される中央ユニット41と、車両のキャビン内に配置されるディスプレイ42とを有している。ホイールモジュール4は、タイヤの内部キャビティ5に接触するようにして、車両のタイヤ/ホイール組立体内に配置される(図2および図4参照)。これらのモジュールは、より詳しくは、圧力センサおよび温度センサを有している。ホイールモジュール4および中央ユニット41には、無線トランシーバおよびこれらに関連するアンテナのようなデータ通信手段が設けられている。これらの無線トランシーバは、ホイールモジュール4内に設けられた温度センサおよび圧力センサにより測定されたデータを中央ユニット41に伝送できる。中央ユニット41は、マイクロコンピュータのような、受信データを処理する手段を有している。このコンピュータは、ホイールモジュールにより伝送された無線信号の源を識別し、受けた圧力値および温度値を記憶し、これらを処理し、必要ならばアラームを発生し、これらを車両のドライバに知らせるべくディスプレイ42に伝送するようにプログラムされている。本発明による装置の場合には、中央ユニットは、車両のオドメータおよび車両のシャーシに取付けられた外部温度センサに接続することもできる。このように構成すれば、車両速度Vおよび車両の外部温度Tnの値を規則的に受けることができる。
図6は、非常に苛酷な条件下での試験走行時のランニング・フラット中のタイヤの内部キャビティ内の空気温度すなわち「内部温度」の通常の変化を示す。このグラフは、試験時間tの関数としての温度Tnの変化を示す。約80℃の高い初期発熱の後、温度は安定する。試験の終時には再び強い温度上昇が見られ、これは、安全支持体に修復できない損傷が生じたことの証拠となるものである。この場合には、安全支持体はもはやその機能を満たす状態にはない。
ランニング・フラット状態でのタイヤのキャビティ内の内部空気の温度を実験的に決定するため、一連の分析試験が、可変適用速度V、外部温度Tambおよび荷重Qでの試験走行時に行なわれた。図7は、得られた結果を示すグラフである。このグラフのX軸は試験時間を表し、Y軸は、キャビティ内の内部温度と外部温度との間の測定温度差(Tn−Tamb)を表す。
試験は、内部空気の熱平衡Tssに到達するまで続けられた後、停止された。従って、図6に示すように高い発熱が観察され、次に、発熱の低下により平衡温度フェーズが続く。最大荷重Qで得られる全ての結果は、次のようにモデル化される。すなわち、
Figure 0004131855
ここで、Tssは所与の試験条件下での熱平衡内部温度、Tambはタイヤの外部温度、Vは走行速度、およびa、b、c、dは調節係数である。
試験したPAXシステムの場合には、調節係数の値は次の通りである。すなわち、
a=11.9734℃.hr/km、b=−0.03152hr/km、c=0.4852、d≒0
(hrは時間(hour)の略号、kmはキロメートル、℃は摂氏である)
かくして、次式により、過渡発熱フェーズおよび冷却フェーズ中の内部空気の温度を推定できる。すなわち、
Figure 0004131855
ここで、Tai、nは時間tnで推定された内部温度、Tai、n-1は時間tn-1で推定された内部温度、τは調節係数である。
調節係数τは、熱平衡を得るのに必要な時間を原理的に特徴付けるものであり、下記の値を有する。すなわち、
τ=40min分(Tss>Tai、nの場合)
τ=130min(Tss<Tai、nの場合)
(minは分(minute)の略号である)
熱平衡は、発熱中より冷却中の方が明らかに長時間を要することに留意されたい。
図8は、長時間のランニング・フラット試験中の推定温度および測定温度の変化を示すグラフである。このグラフのX軸は走行距離、Y軸は測定温度Tnおよび推定温度Tai、nを表す。車両の全走行距離は約750kmである。推定温度は、実際的にかつ定常的に測定温度よりもかなり高いことに留意すべきである。これは、原理的に、実験的モデルを確立すべく考慮される試験は、対象とするタイヤについて最大荷重Qで遂行される試験であるのに対し、走行試験は可変荷重で遂行される試験であるという事実に関係している。他の理由として、温度測定センサが不正確であることも考えられる。
もちろん、分析試験中だけでなく、ランニング・フラット試験中にも、タイヤに加えられる実荷重を考慮に入れることによっても内部温度の推定精度を高めることができる。
しかしながら、簡単化されたモデルは作動安定性に関して非常に重要な適用を有し、ランニング・フラットシステム(ここではPAXシステム)の作動が正常であることを常時チェックできる。
図12は、ランニング・フラットシステムの異常作動を検出する方法を示す簡単化したフローチャートを示す。車両がスタートされるやいなや、収縮警告装置が、各タイヤについて、このキャビティ内の内部空気の相対圧力および温度を周期的に測定する。中央ユニットは、データを受けかつ処理して、ドライバに適当なアラームを発生する。タイヤの1つについて、相対圧力が所与の閾値(例えば0.7バール)より低くなるやいなや、トレッドは安全支持体と接触し始め、次にランニング・フラット状態になる。中央ユニットは次に、このランニング・フラットシステムの異常作動を検出する方法を開氏する。この目的のため、中央ユニットは、周期的に、内部温度Tn、車両速度Vおよび外部温度Tambの値を受ける。
中央ユニット41は内部温度Tai、nの推定を計算し、かつ該推定と測定値Tnとを比較する。すなわち、
n−Tai、n
この比較の結果が10℃より大きい場合には、中央ユニットはアラームを発生し、かつこのことをディスプレイ42に伝送して車両のドライバに知らせる。
このような差が記録されると、ランニング・フラットシステムがもはや正常に作動していない旨、およびドライバが車両速度を大幅に低下させるか迅速に停止させる必要がある旨を車両のドライバに警告する必要がある。
以下、図9から図11を参照して、ランニング・フラットシステムの異常作動を検出するこの方法の具体的な適用例を説明する。
図9は、PAXシステムの正常な作動状態、すなわち試験前に25グラムのシリコーン潤滑剤が内部キャビティ内に導入されている状態の下で走行するときの内部温度の変化を示す。前と同様に、推定温度が測定温度よりかなり高いことが理解されよう。
図10は、キャビティ内の潤滑ゲルの量が25グラムではなく15グラムに減少している、前と同様な試験の結果を示す。この場合には、3000秒の終時に、測定温度が大きい発熱があることを示しており、非常に迅速にアラームが発生されることが理解されよう。
図11は、潤滑ゲルの量が、25グラムおよび15グラムではなく7.5グラムへと更に減少している、前の2つの試験と同様な試験を示す。この場合には、測定温度が常に推定温度より高く、かつ試験の200秒後に警告閾値を超えたことが理解されよう。
これらの結果は、本発明によるランニング・フラットシステムの異常作動を検出する方法の長所を完全に示している。実際に、正常な安全性の理由から、このような異常作動をできる限り早く検出できることが必要である。このような異常作動は、タイヤの過荷重、非常に大きいパンク孔(大きいパンク孔は、カバーの内部キャビティ内に存在する潤滑ゲルの量を減少させる)、またはシステムの製造業者の推奨に従わない過度に長時間のフラットランニングに関係する。もちろん、この検出方法は、安全支持体とタイヤトレッドとの間の摩擦状態を大幅に増大させ、従って内部空気の内部温度を大幅に上昇させる異常作動の検出に限定される。
安全支持体を示す斜視図である。 ホイールリムに装着されかつタイヤに当接している図1の支持体を示す軸線方向断面図である。 図1の安全支持体のA−A線に沿う断面図である。 ホイールに警告装置を装着したところを示す図面である。 本発明による装置を車両に取付ける計画を示す図面である。 ランニング・フラット時のPAXシステムの内部温度の変化を示すグラフである。 種々の条件下での分析試験時のPAXシステムの内部温度の変化を示すグラフである。 ランニング・フラット時のPAXシステムの試験中の測定内部温度と推定内部温度との比較を示すグラフである。 分析走行中の測定内部温度の変化と推定内部温度との比較を示すグラフである。 少量の潤滑ゲルを使用した場合の図4と同様の分析走行中の測定内部温度の変化と推定内部温度との比較を示すグラフである。 かなり少量の潤滑ゲルを使用した場合の分析走行中の図9と同様のグラフである。 ランニング・フラットシステムの異常作動検出方法の一例を示す簡単化したフローチャートである。
符号の説明
1 タイヤ
2 ホイール
3 安全支持体
4 ホイールモジュール
5 内部キャビティ
31 安全支持体のベース
32 安全支持体の頂部
34 安全支持体の環状本体
41 中央ユニット
42 ディスプレイ

Claims (13)

  1. タイヤの内部キャビティ内の空気温度を推定する方法において、
    正常作動前には、所与の速度Vおよび外部温度Tambでキャビティ内の空気温度を測定する手段が設けられたタイヤについて一連の走行試験を行ない、タイヤは所与の荷重を支持しかつキャビティは所与の内部相対圧力にあり、前記速度および外部温度のパラメータに従って内部空気の温度Taiを与える下記関数に調節を行ない、
    Figure 0004131855
    正常作動時には、タイヤは上記荷重条件およびキャビティ内の相対圧力条件下で車両に装着され、キャビティ内の内部空気の温度が車両の前記速度および車両の外部の温度に従って推定されることを特徴とする方法。
  2. 前記内部温度Taiは、
    Figure 0004131855
    で与えられ、
    ここで、Tai nは時間tnで推定した内部温度、Tai n-1は時間tn-1で推定した内部温度、Tssは所与の試験条件下での熱平衡内部温度、τは調節係数であり、
    Figure 0004131855
    ここで、a、b、c、dは調節係数であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 正常作動前に行なわれる試験中は、前記キャビティ内の相対圧力は、冷えているときはタイヤの正常の相対圧力に等しいことを特徴とする請求項1および2のいずれか1項記載の方法。
  4. 前記タイヤはランニング・フラットシステムの一部を形成し、正常作動前に行なわれる試験中は、前記キャビティ内の相対圧力は実質的にゼロであることを特徴とする請求項1および2のいずれか1項記載の方法。
  5. 車両に装着することを意図したランニング・フラットシステムの異常作動を検出する方法において、ランニング・フラットシステムが、各ホイールについて、ホイールにキャビティを形成するタイヤと、キャビティ内の内部温度を検出する手段と、キャビティの前記内部温度を推定する手段と、アラームを発生しかつ伝送する手段とを有し、正常作動時に、
    キャビティ内の内部温度Tnが周期的に測定され、
    前記内部温度Taiが周期的に推定され、
    前記測定温度と推定温度とが比較され、
    この比較の結果が所与の関係を満たすときはアラームが発生されることを特徴とする方法。
  6. 前記内部温度は、車両の速度Vおよび車両の外部の温度Tambの下記関数すなわち、
    Figure 0004131855
    として推定されることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 正常作動前に、関数Fが、所与の速度Vおよび外部温度Tambでの一連のランニング・フラット試験から決定され、前記タイヤはその最大荷重にあり、前記キャビティは実質的にゼロの相対圧力にあることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 前記推定温度Taiが測定温度Tnを所与の閾値だけ超えたときにアラームを発生することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記システムはタイヤの構造補強手段を有することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項記載の方法。
  10. 各ホイールについて、ホイールにキャビティを形成するタイヤを備えた、車両に装着することを意図したランニング・フラットシステムの異常作動を検出する装置において、
    キャビティ内の内部温度を検出する手段と、
    前記内部温度を推定する手段と、
    測定した内部温度と推定した内部温度とを比較する手段と、
    アラームを発生しかつ該アラームをドライバに伝送する手段とを有し、
    前記比較の結果が所与の関係を満たすときは、正常作動時にアラームを発生できることを特徴とする装置。
  11. 内部キャビティを備えかつ該キャビティの内部温度を検出する手段と、前記内部温度を推定する手段と、アラームを発生させかつ該アラームを伝送する手段とが設けられた、車両に装着することを意図したタイヤの異常作動を検出する方法において、正常作動時に、 前記キャビティ内の内部温度Tnが周期的に測定され、
    前記内部温度Taiが周期的に推定され、
    前記測定温度と推定温度とが比較され、
    この比較の結果が所与の関係を満たすときにアラームが発生されることを特徴とする方法。
  12. 正常作動時に、前記内部温度が車両の速度Vおよび車両の外部の温度Tambの下記関数すなわち、
    Figure 0004131855
    に従って測定されることを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 正常作動前に、関数Fが、車両の速度Vおよび外部温度Tambでタイヤについて行なう一連の走行試験から決定され、前記タイヤは正常の最大荷重に等しい荷重を支持し、前記キャビティは、冷えているときに、正常の相対圧力に等しい内部相対圧力にあることを特徴とする請求項12記載の方法。
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