JP4132447B2 - 両面焼グリル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼網に魚類等の被調理物を載せて、その被調理物の上下両面を同時に加熱するようにした両面焼グリルに関するものである。
【従来の技術】
【0002】
従来から図8,図9に示されるような両面焼グリルが知られている。
このグリル101は、グリル庫102の下段左右側面に上から見てコの字形状をしたブンゼン式の下バーナ106を備えて焼網3に載せた被調理物Fを下側から加熱し、またグリル庫102の上段左右側面に全一次空気式の上バーナ105を備えて被調理物Fを上側から熱輻射により加熱し、各バーナ105,106から発生した燃焼排気を排気連通孔124を介してグリル庫102の背部の排気ダクト156へ排出するようにしたものである。
この上バーナ105と下バーナ106とは、グリル庫102内からグリル庫102外(排気ダクト156の左右外側)にまで延設される。グリル庫102内と排気ダクト156とを仕切る排気ダクト前板151には、上バーナ105,下バーナ106を貫通させるためにそれぞれ上バーナ開口160,下バーナ開口161が形成される。
各バーナ105,106は、排気ダクト156の左右外側に設けられた火移りバーナ118によってグリル庫102の外に臨んだ炎口部が着火され前方へ火移りする。尚、上バーナ開口160は、この火移りのために例えば縦30ミリ×横7ミリの大きさを必要とする。
グリル庫102外に設けられた火移りバーナ118は、燃焼排気にあまり接触しないで済み酸欠リフトにならないため、再点火時でも確実に着火する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この火移りのためにグリル庫102の外にまで上バーナ105の炎口を設ける必要があることから、加熱調理を行わない炎口においても調理中に燃焼して無駄にエネルギーが消費されていた。
しかも、グリル庫102の外に臨んだ炎口の火炎によりトッププレート73等のグリル庫102外の器体が高温になって火傷する心配があった。
更に、排気ダクト前板151の上部には、上バーナ105で火炎が庫外から庫内へ火移りできるように上バーナ開口160が大きく形成されるため、グリル庫102内の熱気が逃げてしまい、上バーナ105のガス供給量を大きくしなければならなくて経済的でなかった。尚、下バーナ開口161は、排気連通孔124より下方にあるため、燃焼排気がここから逃げることはないので問題ない。
本発明の両面焼グリルは上記課題を解決し、グリル庫内でバーナからの燃焼熱を有効に利用することを目的とする。
【0004】
【発明を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の両面焼グリルは、
グリル庫と、
当該グリル庫背部の排気ダクトと、
上記グリル庫と排気ダクトとを区画して、これらグリル庫と排気ダクトとを互いに隣接配置させる排気ダクト前板と、
当該排気ダクト前板に設けられてグリル庫と排気ダクトとを連通し、グリル庫で生じた燃焼排ガスを排気ダクト内に導く排気連通口と、
上記グリル庫内に設けられ、焼網上の被調理物の上下両面を加熱する上バーナおよび下バーナと、
当該上バーナと当該下バーナとに火移りさせる火移りバーナを備えた両面焼グリルにおいて、
上記上バーナ及び上記下バーナの火炎形成部の全体をグリル庫内に配置し、
上記火移りバーナのうち、上バーナへの火移り部と、下バーナへの火移り部との少なくとも一方を、火移り用の火炎を噴出するノズル体を上記グリル庫外に備えるものとするとともに、
上記排気ダクト前板に火炎導入小孔を設け、該火炎導入小孔を通じて、上記ノズル体から噴出する噴出火炎をグリル庫内に導入して火移りさせるようにしたことを要旨とする。
【0005】
また、本発明の請求項2記載の両面焼グリルは、上記請求項1記載の両面焼グリルにおいて、
上記上バーナまたは上記下バーナの斜め下方に上記ノズル体を位置させ、上記噴出火炎を上記火炎導入小孔の下方から斜め上向きに形成することを要旨とする。
【0006】
また、本発明の請求項3記載の両面焼グリルは、上記請求項1または2記載の両面焼グリルにおいて、
上記噴出火炎の近傍に保炎用の火炎を形成するようにしたことを要旨とする。
【0007】
また、本発明の請求項4記載の両面焼グリルは、上記請求項1〜3の何れかに記載の両面焼グリルにおいて、
上記火移りバーナは、燃料ガスが供給されるガス管と、該ガス管の先端に炎口を形成する筒状のノズル体とを少なくとも備えたものであって、
上記ノズル体内に、ガス通路を部分的に小径とするノズル孔を形成すると共に、該ノズル孔の下流側に上記ガス通路と外部とを連通させる空気孔を形成し、
上記ガス管への燃料ガスの供給圧で上記ノズル先端の開口から燃料ガスを噴出させ、上記空気孔から一次空気を吸引してその混合ガスを燃焼することを要旨とする。
【0008】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の両面焼グリルによれば、火移りバーナの火移り部は、グリル庫外に設けられたノズル体から火炎を噴出し排気ダクト前板に設けた火炎導入小孔を通過させてグリル庫内の上バーナ及び下バーナの少なくとも一方のバーナの火炎形成部に火移りさせる。
上バーナ及び下バーナの火炎形成部をグリル庫内に納めることにより、例えばトッププレートのようなグリル庫外の部品への加熱を抑え、しかもその燃焼熱は加熱調理に有効に用いられて被調理物を上下両面から焼き上げる。
また、火移りバーナのノズル体は、酸素濃度の高いグリル庫外に設けられるため、火移りバーナの燃焼性能は良好である。
しかも、火炎導入小孔は、噴出火炎を通過させる程度の大きさで十分であるため孔を小さくでき、燃焼熱のグリル庫外への流出を防止して、被調理物の加熱に更に有効に利用される。
【0009】
また、本発明の請求項2記載の両面焼グリルによれば、上バーナまたは下バーナのうち噴出火炎によって火移りされるバーナの斜め下方に火移りバーナのノズル体を位置させ、噴出火炎を火炎導入小孔の下方から斜め上向きに形成するため、グリル庫内の燃焼排気が火炎導入小孔から漏れ出しても上方に抜け、火移りバーナ付近が酸欠状態になることはなくリフトしない。
【0010】
また、本発明の請求項3記載の両面焼グリルによれば、噴出火炎の近傍に保炎用の火炎を形成するため、火移りバーナのノズル体の火炎はリフトしない。
【0011】
また、本発明の請求項4記載の両面焼グリルによれば、ガス管に供給されたガスは、ガスの供給圧力によってノズル孔からノズル体へ供給されると共に、空気孔から一次空気が吸引され、ノズル体から燃料ガスとして速い噴出速度で噴出されるため、火足の長い火炎を得ることができる。
従って、火移りバーナの火移り部がグリル庫外に設置されても、火炎をグリル庫内のバーナに容易に導入し、バーナに火移りさせることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の両面焼グリルの好適な実施形態について説明する。
【0013】
図3は、本発明の一実施形態としてのグリル付きテーブルこんろの外観図を示している。
テーブルこんろは、トッププレート73に2組のこんろバーナ74a,74bが設けられ、それらの周囲に設けられた五徳75a,75b上に図示しない調理鍋を載せ、テーブルこんろの前面に設けられる操作ボタン71a,71bを押すことによりそれぞれのこんろバーナ74a,74bが点火され、調理鍋が加熱されるものである。
こんろバーナ74a,74b間の器体の中心部には、魚等の被調理物を焼くためのグリル1が設けられ、操作ボタン71cを押して点火し加熱調理が行われる。
【0014】
このグリル1は、図1及び図2に示すように両面焼タイプのグリルで、被調理物Fを収納して加熱するグリル庫2を備える。
グリル庫2には、上段左右側面に設けられ燃料ガスを燃焼させて被調理物Fを加熱する上バーナ5と、中段に設けられ被調理物Fを載せる焼網3と、下段左右側面に設けられ燃料ガスを燃焼させて被調理物Fを加熱する下バーナ6と、各下バーナ6の大部分を覆う箱形状をした下バーナカバー40と、底部に設けられ焼網3を載せたまま手前にスライドさせて引き出すことができる受皿4とを備える。
グリル庫2外部後方には、後述する左右の排気ダクト側板59の外側に設けられ両バーナ5,6に火炎を伝達する火移り保炎バーナ18が設けられる。
【0015】
グリル庫2の正面中央には、受皿4と一体的に固定され受皿4を手前に引き出す取手62と、受皿4を引き出す時に連動して開閉する開閉扉61とが設けられ、その開閉扉61にはガラス製の覗き窓61aが設けられる。
取手62を手前に引き出すと、取手62に固定された受皿4がグリル庫2の底面をスライドし、受皿4に載置された焼網3が同時に引き出される。
【0016】
グリル庫2の天井部となるグリル天板30は、正面からみてV字形状に形成され、中央が下がっている。
グリル天板30とトッププレート73との間には、グリル天板30から所定の間隙を開けて上遮熱板32を設け、上遮熱板32とグリル天板30との間の空間を熱気ダクト31として形成する。熱気ダクト31の後方上部には、熱気排出口38が開口され器体外部と連通する。
【0017】
グリル庫2の背部には排気ダクト前板51を介して排気室50を併設し、排気室50の上方にはトッププレート73を開口して排気口76を形成する。この排気口76は、後述する熱気排出口38、排気排出口57、空気排出口58に3分割され、その上方には排気口カバー77が載せられる。
排気室50内には、仕切板53を上部ほど後方位置となるように傾斜させて受皿4の奥側先端に接する所からトッププレート73の上方まで延設し、この仕切板53により前方の排気ダクト56と後方の空気ダクト54との二つの流路に分割する。従って、空気ダクト54の横幅と排気ダクト56の横幅とは同じである。この排気ダクト56の左右両側は排気ダクト側面59により形成され、その左右外側には、火移り保炎バーナ18の設置室が設けられる。
【0018】
空気ダクト54の奥行は、どの高さにおいても排気ダクト56の奥行よりも狭いように形成される。空気ダクト54の上方には空気排出口58が開口され、一方、排気ダクト56の上方には排気排出口57が開口される。
また、排気ダクト前板51には、焼網3よりも下方にグリル庫2と排気ダクト56とを連通する排気連通口24を形成する。これにより排気ダクト56が長くなり、排気ダクト56内の空気と空気ダクト54内の空気との間で熱交換を行う距離も長くなる。
空気ダクト54内には、仕切板53に対して垂直で上下方向に延びる複数のフィン55aを設ける。
また、排気ダクト56内には、複数の通気孔を形成する多孔板を用いて形成した遮炎装置52を、排気ダクト56を流れる燃焼排気の全てが多孔板を通過するように燃焼排気の流れ方向に沿って設置する。
【0019】
受皿4の下方には、空気ダクト54と連通する冷却通路12が設けられ、給気口13が形成される。冷却通路12の底面で給気口13の下方には、コの字形状の下遮熱板14を設け、器体を置く台の加熱を防止する。
グリル庫2の底面と取手62との間には、燃焼用空気をグリル庫2内に取り入れるための空気取り入れ口16が左右に形成される。下バーナ6の燃焼中には空気取り入れ口16から新鮮な二次空気が吸入される。
【0020】
グリル庫2の左右側面に設けた上バーナ5は、多孔質セラミックスの平面プレートに多数の小炎口を貫通させた燃焼面5aを有し、燃焼に必要な空気のほとんどを一次空気として吸入する全一次空気式のバーナで、その燃焼面5aはグリル庫2の奥行方向に沿って形成され、鉛直面に対してやや上方に傾けて設けられる。被調理物Fの上側は、主に、上バーナ5からの輻射熱と、破線矢印で示される燃焼排気の対流により加熱される。
【0021】
一方、下バーナ6は、燃焼に必要な空気を一次空気と二次空気とでまかなうブンゼン式のバーナで、グリル庫2の外側の左右側面に設けられ、その内縁部分にはグリル庫2の奥行方向に沿って配列されたノズル体34(後述する)により炎口列を形成する。
詳しくは、この下バーナ6は、図4,図6に示すように、筒状部33と、その筒状部33に直交状に連通するノズル体34とがプレス成型され、カシメ結合された上板と下板とからなり、各ノズル体34の上下には、空気孔35が穿設されている。
【0022】
また、筒状部33には、先端が閉塞され、基端がガスパイプ7aに連結されるパイプ36が挿入され、スポット溶接により固定されている。更に、パイプ36の側面には、筒状部33への収納状態で各ノズル体34のガス通路11の中心に位置し、ガス通路11より小径のノズル孔37がノズル部として穿設されている。
よって、パイプ36に供給されたガスは、ガスの供給圧力によってノズル孔37から各ノズル体34へ供給されると共に、空気孔35から一次空気が吸引され、ノズル体34から燃料ガスとして速い噴出速度で噴出されるため、火足の長い火炎を得ることができる。
【0023】
また、下バーナカバー40は、図2に示すように、グリル庫2の下段左右側面に設けられ、下バーナ6のパイプ36及び各ノズル体34の空気孔35を覆ってグリル庫2から隔離する直方体の箱である。その左右外側の面は開口してグリル庫2外と連通する。
一方、その左右内側の壁面には、ノズル体34の先端(炎口)をグリル庫2内に臨ませるための通し孔17が形成される。この通し孔17は、ノズル体34の全周に0.6mmの隙間を空けた開口で、外部とグリル庫2内とを連通する。
通し孔17から突出するノズル体34は、その燃焼ガスの噴出方向が水平方向となるように設けられる。
また、ノズル体34の先端の上方には、炎口カバー41が設けられ、ノズル体34の火炎の形成を妨害しない程度に炎口を覆う。
【0024】
上バーナ5と下バーナ6との間に設けた火移り保炎バーナ18は、上火移りバーナ18aと下火移りバーナ18bとにより構成され、上火移りバーナ18aは、ガス管44の先端に後述する上ノズル43を設け火足の長い火炎を噴出して上バーナ5の燃焼面5aへ火移りさせ、一方、下火移りバーナ18bは、下バーナ6への火移り及び保炎と上火移りバーナ18aの保炎との機能を有する。
【0025】
詳しくは、下火移りバーナ18bは、周知のブンゼンバーナを使用し、図1,図7に示すように、一次空気と共にガスが供給されるスロート部19の先端側を、鉛直に延びる中空部20と水平に延びる中空部21とでL字形状に形成する。
この鉛直の中空部20は、グリル庫2後方外部で左右の排気ダクト側板59の外側に位置する。その中空上端には、上ノズル43下方近傍で大きく開口して保炎用炎口23が形成され、上ノズル43へ火移りするようになっている。
一方、水平の中空部21は、下バーナ6の各ノズル体34の先端下方近傍にそれぞれ位置する。
この中空部20,21は、図2に示すように、3枚の板を重ねたもので、ガスが左右外側の断面半円形状の隙間をそれぞれ通って供給され、中央の板に開口された小孔によってガス流量が制限され、内側の板と中央の板とで形成される隙間を通り、上部で連続状に形成される火移り用炎口22に送られるように形成される。尚、グリル庫2外部には、火移り用炎口22に臨んで図示しない点火電極が設けられる。
【0026】
一方、上火移りバーナ18aは、上ノズル43から火炎が上バーナ5の燃焼面5a際に噴出されるような位置に設けられる。
上バーナ5と上ノズル43とを仕切る排気ダクト前板51には、この噴出火炎がグリル庫2内に導入されるように火炎導入小孔42が設けられる。尚、この火炎導入小孔42は、噴出火炎が導入でき、かつグリル庫2内の燃焼排気が上ノズル43の方へ流出しない程度の小径(直径φ5)に形成される。
【0027】
上ノズル43は、下バーナ6のノズル体34と同様な構成で、図5に示すように、上下には空気孔46が穿設され、空気孔46の上流にはガス管44のガス通路47より小径のノズル孔48がノズル部として設けられている。
従って、ガス管44に供給されたガスは、ガスの供給圧力によってノズル孔48から上ノズル43へ供給されると共に、空気孔46から一次空気が吸引され、上ノズル43から燃料ガスとして速い噴出速度で噴出されるため、火足の長い火炎を得ることができる。
また、上ノズル43の火炎形成部下方には、グリル庫2外から延びる空気供給管45を設けて、グリル庫2外の新鮮な空気を二次空気として取り入れ、上ノズル43の火炎を安定させる。
【0028】
上述した両面焼グリルによれば、操作ボタン71cを押すと、上バーナ5へのガス流路を開閉する開閉弁と下バーナ6へのガス流路を開閉する開閉弁とが開弁される。この時、下バーナ6では、パイプ36から各ノズル体34へガスが供給される。また、各ノズル体34のガス通路11においては、パイプ36からガスの供給圧力を利用して狭いノズル孔37からガスが速い噴出速度で噴出する際のインジェクション効果により、空気孔35から下バーナカバー40内の新鮮な空気を図中実線矢印に示すように一次空気として吸引し、混合ガスとして噴出される。
【0029】
また、この点火操作により、火移り保炎バーナ18へのガス流路を開閉する開閉弁も同時に開弁される。上火移りバーナ18aは、ノズル体34と同様な作用で、ガス管44から上ノズル43へガスが供給され、上ノズル43のガス通路47においては、ガス管44からガスの供給圧力を利用して空気孔46からグリル庫2外の新鮮な空気を一次空気として吸引し、混合ガスとして噴出される。
一方、下火移りバーナ18bでは、ガスがスロート部19を介して中空部20,21に供給されており、点火電極の連続放電により火移り用炎口22に点火する。
よって、鉛直の中空部20上端の保炎用炎口23での火炎により上ノズル43から火足の長い火炎を斜め上向きに形成して火炎導入小孔42を介して上バーナ5後部に点火する一方、水平の中空部21を伝う火移り用炎口22の火炎が各ノズル体34から噴出する燃焼ガスに順に引火させ、各ノズル体34の炎口から火炎を生じさせる。こうして上バーナ5、下バーナ6は、後方から前方へ火移りし、被調理物Fの上下両面を焼き上げる。
【0030】
従来の下バーナは1mmH2O程度の噴出圧で火炎が形成されていたが、本実施形態の下バーナは、ガスの供給圧力を利用しているため、二次圧が100〜140mmH2O程度(12A13Aガスの場合)になり速い噴出速度により火炎は前方へ長く形成される。
尚、中空部21の火移り用炎口22からの火炎は、上方へ向けて各ノズル体34の炎口際にも生じてノズル体34からの燃料ガスの噴出速度が速くても火炎のリフトが防止でき、下バーナ6による加熱が適正に行われる。
また、鉛直の中空部20上端の保炎用炎口での火炎により上ノズル43の火炎が保炎されるため、ガス噴出力の高い上ノズル43においても同様にリフトを防止できる。
しかも、上ノズル43を火炎導入小孔42の下方に位置させるため、グリル庫2内の燃焼排気が火炎導入小孔42から漏れ出しても、排気が上方に抜けて上ノズル43は酸欠リフトしない。従って、再点火時であっても上火移りバーナ18aは、十分確実に着火する。
【0031】
また、上バーナ5も下バーナ6もグリル庫2内に納めるため、燃焼熱が加熱調理に全て用いられて効率が良く、低インプットでも加熱調理でき、省エネとなる。
また、この燃焼熱によりグリル庫2外の器体が加熱されることはない。例えば調理者が触れやすいトッププレート73も高温にならないため、火傷を防止できて安全である。
また、火移り保炎バーナ18は、酸素濃度の高いグリル庫2外に設けられるため、その燃焼性能は良好となる。
【0032】
ところで、焼網3に被調理物Fを載せ加熱調理を行うと、被調理物Fの油脂分すなわち焼き脂Gは飛び散ったり焼網3の間を通過して下方の受皿4に落下し、その際に、ノズル体34の炎口が下バーナカバー40から突出しているため焼き脂Gにより詰まる恐れがあるが、上方に設けられた炎口カバー41により油詰まりは防止される。
【0033】
また、下バーナ6の空気孔35やノズル孔37を下バーナカバー40内に設置し、グリル庫2内と連通する通し孔17を小さく形成したことにより、被調理物Fから発生する油煙が下バーナカバー40内に流入しにくいため、空気孔35やノズル孔37が油煙によって詰まることはない。
このように、ノズル体34の炎口、空気孔35やノズル孔37の油詰まりを防止するため、各ノズル体34の燃焼が良好に行われる。
【0034】
また、空気孔35をグリル庫2の外部に備えているため、グリル庫2内に燃焼排気をこもらせても、グリル庫2の内部と比較して酸素濃度の高い一次空気を吸引でき、燃焼性能を維持して安定した火炎を形成することができる。
【0035】
また、下バーナ6は、火炎が長くなってグリル庫2内の中央部まで効果的に加熱できるため、燃焼排気による加熱効果と合わせて被調理物Fを万遍なく加熱でき、焼きむらを生じさせない。この結果、グリル庫2の中央部の加熱温度を上げるために必要なガス消費量を大きくする必要がなく、経済的となる。
【0036】
グリル庫2背部の排気連通口24が焼網3よりも下方に形成されるため、調理中に上バーナ5と下バーナ6とで発生した高温の燃焼排気は、図中破線矢印に示すように、いったんグリル庫2の上部に溜まる。従って、上バーナ5から遠いために輻射熱による受熱が少ない中央部分に載置された被調理物Fにも、排気熱により加熱が補われ、被調理物F全体がより均一に焼ける。しかも、グリル庫2の天井面がV字状に形成されているため、燃焼排気を図中破線矢印に示すように一層効果的に中央部分に集めることができ、均一に加熱できる。
【0037】
グリル庫2の上部に溜まった燃焼排気は、排気連通口24から排気ダクト56に流入して上方の排気排出口57より外部へ排出される。
燃焼排気は、熱交換距離の長い排気ダクト56内を流れる際に仕切板53の下部から上部まで全体にわたって加熱し、仕切板53から熱伝導を受けたフィン55aと仕切板53とにより空気ダクト54内の空気の温度を上昇させる。
また、空気ダクト54の奥行幅を狭い構成にし、しかも仕切板53を上部ほど後方位置となるように傾斜させるため、空気ダクト54内の冷却用空気の殆どは、仕切板53に確実に接触し更に加熱される。
この結果、空気ダクト54内の空気が高温になり、空気ダクト54と連通する冷却通路12内で奥方向の強いドラフト力が発生し、グリル庫2外から大量の冷却用空気が受皿4下面に沿って流れて受皿4を冷却する。
【0038】
また、仕切板53が傾斜しているため、冷却通路12と空気ダクト54とのなす角度が大きくなって冷却用空気は円滑に流れる。しかも仕切板53がトッププレート73の上方まで延設されているため、冷却通路12の入口と空気排出口58との高低差によりドラフト力が増加する。加えて、空気ダクト54の熱交換距離が長くなるため、空気ダクト54の上方の温度が上昇してドラフト力が更に増加する。
この結果、冷却用空気は空気ダクト54内でこもることなく流速が増加し受皿4を一層冷却する。
また、排気ダクト56を通過する約250℃の燃焼排気により仕切板53が加熱され、フィン55aも加熱される。空気ダクト54内の冷却用空気は仕切板53とフィン55aとに接触して温められ、ドラフト力が増加して、受皿4を更に冷却する。
【0039】
ところで、図9に示す従来例のグリル101では、上バーナ開口160から燃焼排気が漏れ出てしまい、燃焼熱を被調理物Fの加熱に有効に利用できなかった。
ところが、このグリル1では、火炎導入小孔42の開口が小さく、排気連通孔24以外ではグリル庫2内の隙間が殆どないため、グリル庫2上部の密閉度が高く、グリル庫2の上部に溜まった燃焼排気がグリル庫2外へ逃げにくくなって、燃焼熱を加熱調理に有効に利用することができ経済的となる。
【0040】
このようなグリル1は、受皿4に水を張らない水無しグリルとして適正に使用できる。その要因を以下に挙げる。
1.下バーナ6や火移り保炎バーナ18の火炎は、基本的にブンゼン炎で輻射熱が少ないため、グリル庫2の下段付近の温度上昇を抑えることができ、受皿4に溜まった焼き脂Gを発火しにくくしている。
2.上バーナ5をグリル庫2の左右側面に設け上方に傾けることによって、直接受皿4に輻射熱が当たらないようにして、受皿4の温度上昇を抑えることができる。
【0041】
3.上バーナ5に全一次式を用いているため、燃焼を良好に維持したままグリル庫2内に燃焼排気をこもらせて小さいガス消費量で被調理物Fを加熱することができ、受皿4の過熱を防止する。
4.冷却通路12と連通する空気ダクト54を設けているため、ドラフト力により大量の冷却用空気を受皿4の下面に沿って流して受皿4の過熱を防止する。
【0042】
このようにしてグリル1は、水無しグリルとして適正に使用できる。つまり、調理に先立ち、焼き脂Gを受ける受皿4に水を入れたり、調理終了後に排水したりする手間が省けるので、使い勝手がよい。しかも、水の入れ忘れによる発火を防止でき、安心して使うことができる。
更に、加熱調理に水を使わないので、被調理物Fをこんがりと焼くことができる。
また、受皿4表面のフッ素コーティングが過熱により剥がれてしまうということが無いため、受皿4の掃除を簡単に行うことができる。
【0043】
また、排気ダクト56に、多孔板で形成された遮炎装置52を併設しているため、グリル庫2内で被調理物Fから出た焼き脂Gが万が一発火した場合でも、その火炎は遮炎装置52で遮られ、排気排出口57から流出しないだけでなく、下流側の熱気ダクト31へ流れ込むことはないので、火炎が器体の外部へあふれることはなく、より安心して使用することができる。
【0044】
以上、説明したように、本実施形態の両面焼グリルは、上ノズル43の火炎が長いため、グリル庫2外からでも上バーナ5に火移りさせることができる。つまり、上バーナ5をグリル庫2外まで延設する必要がなくなる。この結果、グリル庫2外は加熱が抑えられ、火傷を防止できて安全である。また、火炎導入小孔42の開口が小さいため、燃焼熱がグリル庫2外へ逃げにくくなって、有効に燃焼熱が加熱調理に利用され経済的である。
また、下火移りバーナ18bの火炎により上ノズル43の火炎が保炎され、しかも、グリル庫2内の燃焼排気が火炎導入小孔42から漏れ出しても下方の上ノズル43には接触しないため、上ノズル43のリフトを防止できる。
【0045】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、水無しグリルではなく、受皿に水を張る構造のグリルに採用してもよい。
また、上火移りバーナ18aの上ノズル43を上バーナ5ではなく下バーナ6に向けて設けて、その噴出火炎により火移りさせてもよい。或いは、右の上バーナ5と左の下バーナ6とにそれぞれ向くように設けてもよく、左右が逆でも同様である。
また、上ノズル43の保炎を下火移りバーナ18bの上端の保炎用炎口23の火炎によるのではなく、火移りバーナとは別に保炎用バーナを設けて行ってもよい。
また、上バーナ5をグリル庫2の上段左右側面の代わりにグリル天板30に設けて被調理物Fの真上から加熱してもよい。
また、下バーナ6に火足の長いバーナを用いなくてもよく、従来例の下バーナ106でもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の両面焼グリルによれば、火移りバーナの噴出火炎によりグリル庫外からでもグリル庫内のバーナに火移りさせることができ、バーナの火炎形成部をグリル庫外まで延設する必要がなくなる。
この結果、グリル庫外の加熱が抑えられ、例えばトッププレートに触れることによる火傷を防止できて安全性が向上する。また、燃焼熱がグリル庫内で加熱調理に有効に利用され経済的である。しかも、火移りバーナのノズル体は、酸素濃度の高いグリル庫外に設けられ、火移りバーナの燃焼性能を良好に維持できる。
【0047】
更に、本発明の請求項2記載の両面焼グリルによれば、グリル庫内の燃焼排気が火炎導入小孔から漏れ出しても下方の火移りバーナには接触しないため、火移りバーナの火炎のリフトを防止できる。
【0048】
更に、本発明の請求項3記載の両面焼グリルによれば、噴出火炎の近傍に保炎用の火炎を形成するため、火移りバーナの火炎のリフトを防止できる。
【0049】
更に、本発明の請求項4記載の両面焼グリルによれば、燃料ガスの供給圧力を利用した速い噴出速度を得て火移りバーナから火炎を噴出するため、火移りバーナのノズル体がグリル庫外に設置されても、火炎をグリル庫内のバーナに容易に導入し、バーナに確実に火移りさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】両面焼きグリルを側面からみた断面図である。
【図2】両面焼きグリルを正面からみた断面図である。
【図3】テーブルこんろの外観図である。
【図4】ノズル体の断面図である。
【図5】上ノズルの断面図である。
【図6】下バーナの斜視図である。
【図7】下火移りバーナの斜視図である。
【図8】従来例の両面焼グリルを側面からみた断面図である。
【図9】従来例の両面焼グリルを正面からみた断面図である。
【符号の説明】
1…グリル、 2…グリル庫、 5…上バーナ、 6…下バーナ、
18…火移り保炎バーナ、 18a…上火移りバーナ、
18b…下火移りバーナ、 42…火炎導入小孔、 43…上ノズル、
44…ガス管、 50…排気室、 51…排気ダクト前板、
56…排気ダクト、 160…上バーナ開口、 F…被調理物、 G…焼き脂。
Claims (4)
- グリル庫と、
当該グリル庫背部の排気ダクトと、
上記グリル庫と排気ダクトとを区画して、これらグリル庫と排気ダクトとを互いに隣接配置させる排気ダクト前板と、
当該排気ダクト前板に設けられてグリル庫と排気ダクトとを連通し、グリル庫で生じた燃焼排ガスを排気ダクト内に導く排気連通口と、
上記グリル庫内に設けられ、焼網上の被調理物の上下両面を加熱する上バーナおよび下バーナと、
当該上バーナと当該下バーナとに火移りさせる火移りバーナを備えた両面焼グリルにおいて、
上記上バーナ及び上記下バーナの火炎形成部の全体をグリル庫内に配置し、
上記火移りバーナのうち、上バーナへの火移り部と、下バーナへの火移り部との少なくとも一方を、火移り用の火炎を噴出するノズル体を上記グリル庫外に備えるものとするとともに、
上記排気ダクト前板に火炎導入小孔を設け、該火炎導入小孔を通じて、上記ノズル体から噴出する噴出火炎をグリル庫内に導入して火移りさせるようにしたことを特徴とする両面焼グリル。 - 上記上バーナまたは上記下バーナの斜め下方に上記ノズル体を位置させ、上記噴出火炎を上記火炎導入小孔の下方から斜め上向きに形成することを特徴とする請求項1記載の両面焼グリル。
- 上記噴出火炎の近傍に保炎用の火炎を形成するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の両面焼グリル。
- 上記火移りバーナは、燃料ガスが供給されるガス管と、該ガス管の先端に炎口を形成する筒状のノズル体とを少なくとも備えたものであって、
上記ノズル体内に、ガス通路を部分的に小径とするノズル孔を形成すると共に、該ノズル孔の下流側に上記ガス通路と外部とを連通させる空気孔を形成し、
上記ガス管への燃料ガスの供給圧で上記ノズル先端の開口から燃料ガスを噴出させ、上記空気孔から一次空気を吸引してその混合ガスを燃焼することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の両面焼グリル。
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