JP4132505B2 - 再生器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を加熱して濃縮する再生器に関する。
【0002】
【従来の技術】
水などの冷媒が蒸発する際の気化熱を利用して冷房を行うガス冷房などの冷房システムが大規模ビルなどを中心に従来から使用されている。このような冷房システムでは蒸発器と、吸収器と、再生器と、凝縮器を主たる構成要素として備えている。
【0003】
蒸発器は、100分の1気圧程度の低圧に保持されており、凝縮器から落下する水が約5℃で蒸発する。室内機と蒸発器の内部とを結ぶ循環パイプの中を流れる水が、このときの気化熱で約7℃の冷水に冷却され、室内機でこの冷水と熱交換することにより室内が冷房される。
【0004】
蒸発器で蒸発した水蒸気は、パイプを通って吸収器に入り、ここで臭化リチウムに吸収される。こうして水蒸気を吸収することにより蒸発器の液面付近が水分で飽和するようなことがなく、盛んな蒸発が継続される。また臭化リチウムが水蒸気を吸収することによって蒸発器の内部が低圧に維持される。
【0005】
多量の水蒸気を吸収することで臭化リチウム液の濃度が下がると、吸収能力が次第に低下する。そこで、吸収作用を維持するために、臭化リチウム液を再生器に導き、ここで加熱して水分を蒸発させて濃縮し、再び吸収器に戻すようになっている。再生器において臭化リチウム液から分離した水蒸気は、凝縮器へ送られ、ここで冷却・凝縮されて水となり、再び蒸発器に戻る。以上のようなサイクルを繰り返すことで連続して冷房が行われるようになっている。
【0006】
従来、このような冷房システムでは、図3に示すような再生器300が使用されていた。この再生器300では、バーナ301の燃焼面を垂直に配置する横燃焼方式の燃焼室302を備えているとともに、バーナ301の存する側を除く周囲五方からこの燃焼室302をある程度の隙間をもってほぼ取り囲むように液溜め室310が配置されている。この再生器300では、燃焼室302から出た熱風が液溜め室と入り組むように配設された排気経路305を通る際に液溜め室310内の液体を加熱するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような方式の冷房装置を一般家庭に普及するためには、装置の小型化や低廉化が要請されるが、上述したような従来の再生器では、構造が複雑なため小型化および低価格化が難しいという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、水などの冷媒を蒸発させてその気化熱で冷房する装置において臭化リチウム液などの吸収液を加熱して濃縮する機能を果たす再生器であって構造が簡単かつ小型化の容易なものを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]液体を加熱して濃縮する再生器において、
外胴(110)と、内胴(130)と、受熱パイプ(132)と、バーナ(150)とを備え、
前記外胴(110)は、前記液体を貯留するものであり、
前記内胴(130)は、上下および少なくとも一側部に空間が残るようにして前記外胴(110)の中を横向きに通るものであり、
前記受熱パイプ(132)は、前記内胴(130)を縦に貫通しかつその上端および下端が前記外胴(110)の内部で開口したものであり、
前記バーナ(150)は、前記内胴(130)の一端にその燃焼面が略垂直であって前記受熱パイプ(132)の側を向くように配置され、
少なくとも前記内胴(130)の内壁天井面を前記バーナ(150)の在る箇所から前記受熱パイプ(132)の在る側に向かって上向きに傾斜させたことを特徴とする再生器。
【0010】
[2]液体を加熱して濃縮する再生器において、
外胴(110)と、内胴(130)と、受熱パイプ(132)と、バーナ(150)とを備え、
前記外胴(110)は、前記液体を貯留するものであり、
前記内胴(130)は、上下および少なくとも一側部に空間が残るようにして前記外胴(110)の中を横向きに通るものであり、
前記受熱パイプ(132)は、前記内胴(130)を縦に貫通しかつその上端および下端が前記外胴(110)の内部で開口したものであり、
前記バーナ(150)は、前記内胴(130)の一端にその燃焼面が略垂直であって前記受熱パイプ(132)の側を向くように配置され、
前記受熱パイプ(132)を、前記バーナ(150)から遠ざかるように片寄せて配置し、
少なくとも前記内胴(130)の底部を前記バーナ(150)の在る箇所から前記受熱パイプ(132)の在る側に向かって上向きに傾斜させたことを特徴とする再生器。
【0012】
[3]前記受熱パイプ(132)を、前記バーナ(150)から遠ざかるように片寄せて配置し、
少なくとも前記内胴(130)の底部を前記バーナ(150)の在る箇所から前記受熱パイプ(132)の在る側に向かって上向きに傾斜させたことを特徴とする[1]に記載の再生器。
【0013】
前記本発明は次のように作用する。
外胴(110)の中に溜まっている臭化リチウム液などの液体(吸収液)は、受熱パイプ(132)の中を通る間に加熱される。ここで、受熱パイプ(132)が縦に配置されているとともに、内胴(130)の側部において外胴(110)との間に隙間があるので、内胴(130)の下方から受熱パイプ(132)を通って内胴(130)の上方に至り、先の隙間を通じて再び内胴(130)の下方に至るという経路で自然対流が起こり、外胴(110)内の液体を効率よく加熱することができる。
【0014】
たとえば、バーナ(150)で加熱するものでは、横向きの燃焼室として機能する内胴(130)に対応するように、バーナ(150)をその燃焼面が略垂直でかつ受熱パイプ(132)の側を向くように配置することが望ましい。また燃焼室となる内胴(130)の外側にすぐ液体が存在するので、内胴(130)の壁面自体の温度上昇を低く抑えることができ、耐久性の向上に貢献する。
【0015】
さらに、少なくとも内胴(130)の内壁天井面をバーナ(150)の在る箇所から受熱パイプ(132)の在る側に向かって上向きに傾斜させてあるので、炎が上にドリフトしても内胴(130)の天井面を炎が直接あぶりにくくなり、耐久性がさらに向上する。
【0016】
このほか、受熱パイプ(132)をバーナ(150)から遠ざかるように片寄せて配置し、少なくとも内胴(130)の底部をバーナ(150)の在る箇所から受熱パイプ(132)の在る側に向かって上向きに傾斜させたものでは、内胴(130)の下方にある液体が内胴(130)の底部に沿って受熱パイプ(132)下端の開口に向けて流れやすくなるので、自然対流を促進し加熱効率を高めることができる。また内胴(130)底部が傾斜していることから、内胴(130)内部で生じた凝縮水の排水を効率良く行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の一実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる再生器100の横断面を模式的に示したものであり、図2は再生器100の主要部の斜視図である。
【0018】
各図に示すように、再生器100は、略箱型を成した液溜め室としての外胴110と、外胴110を横向きに貫通する燃焼室としての内胴130と、バーナ150と、燃焼ファン160とを備えている。
【0019】
図2に示すように外胴110の内壁面と内胴130の外壁面との間には、上下左右ともに一定以上の空間が形成されている。また内胴130を複数本の受熱パイプ132が縦に貫通しており、各受熱パイプ132の上端および下端がそれぞれ外胴の内部に開口している。ここでは受熱パイプ132の上下の端面が内胴130の外周面とほぼ一致している。
【0020】
受熱パイプ132の周囲には、多数のフィン134が取り付けて有り、伝熱面積の増加を図っている。また受熱パイプ132の内側には、バッフルコイルからなるサイレンサ136が取り付けて在る。なおサイレンサ136は、バッフルコイルのほか、たとえば、細長い板状部材をねじったものをサイレンサとして受熱パイプ132の中に挿入してもよい。
【0021】
バーナ150は、内胴130の一端に、燃焼面を略垂直とし、かつ燃焼面が受熱パイプ132の存する側を向くように配置されている。内胴130は、バーナ150の在る箇所から受熱パイプ132の在る側に向かって上向きに傾斜している。さらに受熱パイプ132は、バーナ150から遠ざかる側に片寄せて配置されている。
【0022】
燃焼ファン160は、バーナ150を挟んで受熱パイプ132の反対側に配置されており、バーナ150の側に向けて送風するようになっている。内胴130のうち、この風の流れで下流側となる端部は、図示省略した排気筒に連通している。
【0023】
この再生器100は、水が蒸発する際の気化熱を利用して冷房を行う冷房装置であって蒸発器と、吸収器と、再生器と、凝縮器を主たる構成要素としたものに用いられる。もちろん、冷房機能のほかに暖房機能を備えた装置であってもよい。
【0024】
次に作用を説明する。
まず再生器100を用いた冷房装置の動作について説明する。ここでは、冷媒として水を、水の吸収液として臭化リチウム液を用いている。冷媒としての水は、冷房装置内を、蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器、蒸発器の順で循環して繰り返し利用される。吸収液は、吸収器と再生器の間で循環利用される。
【0025】
蒸発器は、100分の1気圧程度(864.5Pa)の低圧に保持されており、凝縮器から落下する水が約5℃で蒸発するようになっている。室内機と蒸発器の内部とを結ぶ循環パイプの中を流れる水が、このときの気化熱で約7℃の冷水に冷却され、室内機でこの冷水と熱交換することにより室内が冷房される。
【0026】
蒸発器で蒸発した水蒸気は、パイプを通って吸収器に入り、ここで臭化リチウムに吸収される。臭化リチウム液が水蒸気を吸収することにより蒸発器の液面付近が水分で飽和するようなことがなく、盛んな蒸発が継続するしくみになっている。また臭化リチウムが水蒸気を吸収することによって蒸発器の内部が低圧に維持される。
【0027】
多量の水蒸気を吸収することで臭化リチウム液の濃度が下がると、吸収能力が次第に低下するので、吸収作用を維持するために、臭化リチウム液を再生器に導き、ここで加熱して水分を蒸発させて濃縮し、再び吸収器に戻すようになっている。再生器において臭化リチウム液から蒸発分離した水蒸気は、凝縮器へ送られ、ここで冷却・凝縮されて水となり、再び蒸発器に戻る。以上のようなサイクルを繰り返すことで連続して冷房が行われる。
【0028】
再生器100では、バーナ150を燃焼させた際の排気が、燃焼ファン160により受熱パイプ132のある側に向けて送風される。外胴110の中に溜まっている臭化リチウム液は、受熱パイプ132中を通る間に加熱される。ここで、受熱パイプ132が縦に配置されているとともに、内胴130の左右側部において外胴110の内壁と内胴130の外壁との間に十分な隙間があるので、内胴130の下方から受熱パイプ132を通って内胴130の上方に至り、先の隙間を通じて再び内胴130の下方に至るという循環経路で自然対流が起こり、外胴110の中に溜まっている臭化リチウム液を効率よく加熱し、水分を蒸発させて濃縮することができる。
【0029】
また受熱パイプ132の周囲にフィン134を設けて伝熱面積を増やしているので、吸熱性が高まり、受熱パイプ132の中を流れる液体をより一層効率よく加熱することができる。
【0030】
さらに燃焼室となる内胴130の外側に直に接するように液体が存在するので、内胴130の壁面自体の温度上昇を低く抑えることができ、耐久性の向上に貢献する。ここでは内胴130の内壁面温度が、100℃から150℃程度に抑えられている。
【0031】
また燃焼ファン160の燃焼面を略垂直にしたままで、内胴130をバーナ150の在る箇所から受熱パイプ132の在る側に向かって上向きに傾斜させているので、炎が上にドリフトしても内胴130の天井面を炎が直接あぶりにくくなる。これにより、内胴130の耐久性がさらに向上する。
【0032】
このほか、受熱パイプ132をバーナ150から遠ざかるように片寄せて配置するとともに、内胴130の底部をバーナ150の在る箇所から受熱パイプ132の在る側に向かって上向きに傾斜させているので、内胴130の下方に溜まっている液体が内胴130の底部外壁面に沿って受熱パイプ132の下端の開口に向けて流れやすくなる。その結果、自然対流が促進され、液体の加熱効率がさらに高まる。また内胴130の内側においても底部壁面が傾斜しているので、内胴130の内部で生じた凝縮水の排水を効率良く行うことができる。また内胴130の内部にサイレンサ136を配置することにより、部分沸騰や核沸騰が防止される。
【0033】
このほか、本発明にかかる再生器100は、外胴110の中に内胴130を横向きに貫通させるという単純な構造なので、小型化が容易でしかも装置価格を低く抑えることができる。
【0034】
以上説明した実施の形態では、内胴130が外胴110を横向きに貫通した例を示したが、外胴110の中を通っていればよい。たとえば、内胴130をUの字型とし、その湾曲部分が外胴110を通るような構成としてもよい。さらに実施の形態では、内胴および外胴として断面矩形のものを用いたが、たとえば、内胴や外胴を円筒形状や断面多角形の筒としてもよい。
【0035】
また実施の形態では、ガスや石油などを燃焼させるバーナを熱源として用いたが、電熱器などを熱源としてもよい。この場合には、炎のドリフトを考慮する必要がないので、内胴130の内壁天井面に傾斜をつけなくてもよい。このほか、実施の形態では、冷媒として水を吸収液として臭化リチウム液を用いたが、冷媒および吸収液はこれらに限定されるものではない。
【0036】
【発明の効果】
本発明にかかる再生器によれば、液体を貯留する外胴の中に内胴を上下および少なくとも一側部に隙間が残るようにして横向きに通し、この内胴を縦に貫通しかつその上端および下端が外胴の内部で開口するように受熱パイプを設けたので、内胴の下方から受熱パイプを通って内胴の上方に至り先の隙間を通じて再び内胴の下方に至るという経路で液体の自然対流が起こり、外胴内の液体を効率よく加熱することができる。また外胴に中に、縦に受熱パイプを通した内胴を横向きに貫通させるという単純な構造なので、小型化が容易でしかも装置価格を低く抑えることができる。
【0037】
また燃焼室となる内胴の外側にすぐ液体が存在するので、内胴の壁面自体の温度上昇を低く抑えることができ、耐久性の向上に貢献する。さらにバーナの燃焼面を略垂直にしたまま少なくとも内胴の内壁天井面をバーナの在る箇所から受熱パイプの在る側に向かって上向きに傾斜させたので、炎が上にドリフトしても内胴の天井面を炎が直接あぶりにくくなり、耐久性がさらに向上する。
【0038】
このほか、受熱パイプをバーナから遠ざかるように片寄せて配置し、少なくとも内胴の底部をバーナの在る箇所から受熱パイプの在る側に向かって上向きに傾斜させたものでは、内胴の下方にある液体が内胴底部の外壁面に沿って受熱パイプ下端の開口に向けて流れやすくなるので、自然対流が促進され、加熱効率を高めることができる。また内胴底部が傾斜していることから、内胴の内部で生じた凝縮水の排水を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る再生器を示す横断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る再生器を示す斜視図である。
【図3】従来から使用されている再生器の一例を示す横断面図である。
【符号の説明】
100…再生器
110…外胴
130…内胴
132…受熱パイプ
134…フィン
136…サイレンサ
150…バーナ
160…燃焼ファン

Claims (3)

  1. 液体を加熱して濃縮する再生器において、
    外胴と、内胴と、受熱パイプと、バーナとを備え、
    前記外胴は、前記液体を貯留するものであり、
    前記内胴は、上下および少なくとも一側部に空間が残るようにして前記外胴の中を横向きに通るものであり、
    前記受熱パイプは、前記内胴を縦に貫通しかつその上端および下端が前記外胴の内部で開口したものであり、
    前記バーナは、前記内胴の一端にその燃焼面が略垂直であって前記受熱パイプの側を向くように配置され、
    少なくとも前記内胴の内壁天井面を前記バーナの在る箇所から前記受熱パイプの在る側に向かって上向きに傾斜させたことを特徴とする再生器。
  2. 液体を加熱して濃縮する再生器において、
    外胴と、内胴と、受熱パイプと、バーナとを備え、
    前記外胴は、前記液体を貯留するものであり、
    前記内胴は、上下および少なくとも一側部に空間が残るようにして前記外胴の中を横向きに通るものであり、
    前記受熱パイプは、前記内胴を縦に貫通しかつその上端および下端が前記外胴の内部で開口したものであり、
    前記バーナは、前記内胴の一端にその燃焼面が略垂直であって前記受熱パイプの側を向くように配置され、
    前記受熱パイプを、前記バーナから遠ざかるように片寄せて配置し、
    少なくとも前記内胴の底部を前記バーナの在る箇所から前記受熱パイプの在る側に向かって上向きに傾斜させたことを特徴とする再生器。
  3. 前記受熱パイプを、前記バーナから遠ざかるように片寄せて配置し、
    少なくとも前記内胴の底部を前記バーナの在る箇所から前記受熱パイプの在る側に向かって上向きに傾斜させたことを特徴とする請求項1に記載の再生器。
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