JP4134321B2 - ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物およびポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、薄肉の成形体においても燃焼時にドリップし難いポリフェニレンエーテル系樹脂組成物およびポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンエーテル系樹脂とリン酸エステルとからなる樹脂組成物は、難燃性に優れているため、難燃性が要求される分野、たとえば、電気・電子部品等に広く使用されている。しかしながら、これらの部品を薄肉化した場合、該部品を燃焼させた際に火種が滴下する好ましくない現象(以下、「ドリップ現象」という)が起こし易くなり、ポリフェニレンエーテル系樹脂とリン酸エステルとからなる樹脂組成物は、ドリップ抑制効果が不十分となってくる。
【0003】
ポリフェニレンエーテル系樹脂のドリップ現象を改良する技術として、たとえば米国特許第4107232号明細書、米国特許第4332714号明細書及び米国特許第435512号明細書には、ポリフルオロエチレンを併用する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリフルオロエチレンは、ハロゲンを含んでいるので、環境問題を有している。本発明の目的は、ハロゲンを含有するドリップ防止剤を必須成分としない、燃焼時のドリップ防止効果に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物およびポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の耐熱性及び難燃性について鋭意研究を続けてきた。その結果、ポリフェニレンエーテル系樹脂と、リン酸エステル系化合物と、特定のポリオレフィンとからなる樹脂組成物が本発明の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のうちの一つは、下記の成分(A)、成分(B)及び成分(C)からなり、成分(B)の含有量が成分(A)100重量部に対して1〜70重量部であり、成分(C)の含有量がポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の総重量(100重量%)に対して0.2〜20重量%であり、かつ、(C)の最大粒子径が20μm以下であるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に係るものである。
成分(A):ポリフェニレンエーテル
成分(B):下式(II)で表されるリン酸エステル系化合物
(式中、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表し、これらの全てが同時に水素原子である場合を除く。 R10は炭素数1〜20の2価の有機基を表す。pは0又は1であり、qは1以上の整数であり、rは0以上の整数を表す)
成分(C):135℃のテトラリン溶液中で測定した極限粘度が、5.0〜12.0dl/gであるポリオレフィン
【0006】
また、本発明のうちの一つは、複数の供給口を有する押出し機を用い、第一の供給口から成分(A)全量の20〜100%、成分(B)全量の0〜50%および成分(C)全量の95〜100%を供給し溶融混練し、続いて、第一の供給口よりも下流側にある第二の供給口から、成分(A)全量の0〜80%、成分(B)全量の0〜50%および成分(C)全量の0〜5%を供給し溶融混練を行うポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の製造方法に係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で使用される成分(A)のポリフェニレンエーテルとは、下式(I)で表されるフェノール化合物の少なくとも一種を、酸化カップリング触媒によって、酸素又は酸素含有ガスを用いて酸化重合させて得られる単独重合体又は共重合体からなる樹脂を意味する。
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基又は置換炭化水素基から選ばれるものであり、それらのうち必ず1個は水素原子である)
【0008】
式(I)におけるR1、R2、R3、R4及びR5として、水素、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、メチル、エチル、n−又はiso−プロピル、pri−、sec−又はt−ブチル、クロロエチル、ヒドロキシエチル、フェニルエチル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カルボキシエチル、メトキシカルボニルエチル、シアノエチル、フェニル、クロロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、アリルを例示することができる。
【0009】
式(I)で表されるフェノール化合物として、フェノール、o−、m−又はp−クレゾール、2,6−、2,5−、2,4−又は3,5−ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,3,5−、2,3,6−又は2,4,6−トリメチルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、チモール、2−メチル−6−アリルフェノールを例示することができる。これらのフェノール化合物の中では、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール及び2,3,6−トリメチルフェノールが好ましい。
【0010】
式(I)で表されるフェノール化合物は、ビスフェノール−A、テトラブロモビスフェノール−A、レゾルシン、ハイドロキノン及びノボラック樹脂で例示される多価ヒドロキシ芳香族化合物と共重合させてもよく、これらの共重合体も本発明にかかるポリフェニレンエーテル系樹脂に含まれるものとする。
【0011】
フェノール化合物を酸化(共)重合させるために用いられる酸化カップリング触媒は特に限定されず、重合能を有する如何なる触媒でも使用できる。また、フェノール化合物を酸化(共)重合させてポリフェニレンエーテル系樹脂を製造する方法として、米国特許第3306874号公報、同第3306875号公報及び同第3257357号公報並びに特公昭52−17880号公報、特開昭50−51197号公報、特開平1−304119号公報に記載された製造方法を例示することができる。
【0012】
本発明で使用されるポリフェニレンエーテルとして、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ブチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロペニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジラウリル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メトキシ−6−エトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル−6−ステアリルオキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(3−メチル−6−t−ブチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジベンジル−1,4−フェニレンエーテル)、及び、これらを構成する繰り返し単位の複数種を含む各種の共重合体を例示することができる。
【0013】
更に、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3,5,6−テトラメチルフェノールで例示される多置換フェノールと、2,6−ジメチルフェノールで例示される2置換フェノールとの共重合体も、本発明にかかるポリフェニレンエーテルに含まれるものとする。
【0014】
前記のポリフェニレンエーテルのうちで好ましいものは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)及び2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体である。
【0015】
本発明で用いられるポリフェニレンエーテルはまた、上記の(共)重合体にスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びビニルトルエンで例示されるスチレン系化合物をグラフトさせて得られるグラフト共重合体であってもよく、かかるグラフト共重合体も本発明にかかるポリフェニレンエーテルに含まれるものとする。
【0016】
本発明で使用されるポリフェニレンエーテルとしては、30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度が0.3〜0.7dl/gのものが好ましく、より好ましくは0.36〜0.65dl/g、特に好ましくは0.4〜0.6dl/gである。固有粘度が低すぎると、燃焼時の無滴下(ドリップ現象が起こらないこと)の達成が困難となる場合があり、固有粘度が高すぎると、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の成形加工性が低下する場合がある。ここで、「無滴下」とは、難燃性の試験法であるUL94垂直燃焼性試験において、燃焼中のサンプルが滴下しないことを意味する。
【0017】
本発明で用いられる成分(B)は、下式(II)で表されるリン酸エステル系化合物化合物である。
(式中、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表し、これらの全てが同時に水素原子である場合を除く。 R10は炭素数1〜20の2価の有機基を表す。pは0又は1であり、qは1以上の整数であり、rは0以上の整数を表す)
【0018】
R6、R7、R8及びR9の有機基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基及び炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基を例示することができる。これらの基は置換されていてもよく、その場合の置換基として、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基及び水酸基を例示することができる。置換基として更に、前記の置換基を組み合わせた基(たとえば、アリールアルコキシアルキル基)や、前記の置換基を酸素原子、イオウ原子、窒素原子等により結合した基(たとえば、アリールスルホニルアリール基等)を例示することができる。
【0019】
R6、R7、R8及びR9の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基、ドデシル基、エチルヘキシル基、トリメチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ノニルフェニル基、ナフチル基及びブトキシエチル基を上げることができ、これらの中、フェニル基、トリル基及びキシリル基が好ましい。
【0020】
式(II)の2価の有機基であるR10として、炭素数1〜20のアルキル基から誘導されるアルキレン基;置換基を有する又は有しないフェニル基から誘導されるフェニレン基;ビスフェノール類で例示される多核フェノール類から誘導される基を例示することができ、これらの中、置換基を有する又は有しないフェニル基から誘導されるフェニレン基;ビスフェノール類で例示される多核フェノール類から誘導される基が好ましい。特に好ましいR10として、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノ―ルA等から誘導される基を例示することができる。
【0021】
成分(B)の具体例として、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリブトキシエチル、リン酸フェニルビスドデシル、リン酸フェニルビスネオペンチル、リン酸フェニルビス(3,5,5−トリメチルヘキシル)、リン酸エチルジフェニル、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)(p−トリル)、リン酸トリトリル、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)フェニル、リン酸トリ(ノニルフェニル)、リン酸トリフェニル、リン酸ジブチルフェニル、リン酸−p―トリルビス(2,5,5−トリメチルヘキシル)、リン酸−2−エチルヘキシルジフェニル、ビスフェノ−ルAビスジフェニルホスフェ−ト、ビスフェノ−ルAビスジクレジルホスフェ−ト、ビスフェノ−ルAビスジキシリルホスフェ−ト、ヒドロキノンビスジフェニルホスフェ−ト、ヒドロキノンビスジクレジルホスフェ−ト、ヒドロキノンビスジキシリルホスフェ−ト、レゾルシノールビスジフェニルホスフェート、レゾルシノールビスジクレジルホスフェート、レゾルシノールビスジキシリルホスフェートをあげることができる。
【0022】
成分(B)の2種類以上を併用してもよく、その場合は、得られるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の耐熱性と難燃性とのバランスの観点から、特に式(II)におけるrが0である非縮合タイプのリン酸エステル系化合物と、rが1以上である縮合タイプのリン酸エステル系化合物とを併用することが好ましい。rが0である非縮合タイプのリン酸エステル系化合物としては、リン酸トリトリル、リン酸トリフェニルが好ましい。rが1以上である縮合タイプのリン酸エステル系化合物としては、ビスフェノ−ルAビスジフェニルホスフェ−ト、ビスフェノ−ルAビスジキシリルホスフェ−ト、レゾルシノールビスジフェニルホスフェート、レゾルシノールビスジキシリルホスフェートが好ましい。
【0023】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物における成分(B)の含有量は、成分(A)100重量部に対して1〜70重量部であり、好ましくは2〜65重量部である。成分(B)の使用量が過少であると、得られるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の難燃性が不十分であり、過多であると該樹脂組成物の耐熱性が不足する。
【0024】
本発明で用いられる成分(C)のポリオレフィンとは、通常、エチレン、プロピレン及び炭素数4ないし8のα‐オレフィンを、たとえば、チーグラー系触媒を用いた重合により、単独もしくは、2種以上の組み合わせで重合して得られるものである。具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体及びこれらの混合物が例示される。これらの中で好ましいものは、ポリエチレンであり、さらに好ましいもの、高密度ポリエチレンである。
【0025】
本発明に用いられるポリオレフィンは、135℃のテトラリン溶液中で測定した極限粘度が、5.0〜12.0dl/gであり、好ましくは、7.0〜12.0dである。極限粘度が5.0dl/gより過小の場合、難燃性改良効果が乏しくなり、一方、12.0dl/gよりも過大の場合、樹脂組成物中での分散性が低下し、衝撃強度の低下を招き、また難燃性改良効果が乏しくなる。
【0026】
本発明における樹脂組成物において、ポリオレフィンの最大粒子径は、20μm以下であり、好ましくは、10μm以下である。ポリオレフィンの最大分散粒子径が20μm以上の場合、難燃性、耐衝撃強度が低下する。また、薄肉成形体にした場合、成形体表面に凹凸が生じる。
【0027】
成分(C)の含有量は、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の総重量(100重量%)に対して0.2〜20重量%であり、好ましくは0.2〜10重量%であり、更に好ましくは、0.2〜5重量%である。(C)が過少であると難燃性の改良効果が乏しくなり、一方(C)が過多であると剛性、耐熱性が低下する。
【0028】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を構成する各成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜、他の高分子化合物や、染料、顔料、帯電防止剤、酸化防止剤、耐候性付与剤等で例示される添加剤と組み合わせて用いてもよい。
【0029】
他の高分子化合物として、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン及びスチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体で例示されるスチレン系重合体;エチレンやプロピレンで例示されるオレフィンと、アクリル酸エステル類(たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル)、メタクリル酸エステル類(たとえば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル)、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル及びグリシジル(メタ)アクリレ−トで例示されるビニル単量体との共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピリジン、ポリビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリルなどの重合体;ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリーレンエステル、ポリフェニレンスルフィド、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロンなどのポリアミド、ポリアセタールなどの高分子化合物;ポリイミド、ポリアミドイミド、フェノ−ル樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ダボン樹脂などの熱硬化性樹脂;シリコーン樹脂を例示することができる。
【0030】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の製造法としては、溶融混練法が好ましい。具体的な製造方法として、各成分をヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー又はVブレンダー等の混合機で混合した後、該混合物を一軸もしくは二軸の押出機等の混練機で溶融混練する方法を例示することができる。本発明で用いられるポリオレフィンは溶融粘度が高いため、樹脂組成物中での分散性を良好にするため、複数の投入口を有する混練機を用い、成分(A)全量の20〜100%、成分(B)全量の0〜50%及び成分(C)全量の95〜100%を第一投入口より投入し、第一混練ゾーンで溶融混練し、この、第一混練部よりも下流側にある投入口より、成分(A)全量の0〜80%、成分(B)全量の0〜50%及び成分(C)全量の0〜5%を、第一混練ゾーンで溶融混練された溶融物中に投入し、さらに溶融混練する製造方法にて製造されることが好ましい。
【0031】
溶融混練温度は、通常150〜400℃、好ましくは200〜350℃である。
【0032】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる成形体の製造方法は特に限定されず、公知の方法であってもよく、成形体の製造方法として押出成形、カレンダー成形、射出成形、ブロー成形等を例示することができる。
【0033】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の用途としては、たとえばOA機器、電気、電子機器、フィルム用途等があげられる。特に、薄肉成形品において、難燃性及び絶縁性が要求される電気・電子用途の絶縁シート,フィルム用途に最適に使用され得る。薄肉成形品とは、通常0.5mm以下の厚さを有する成形体をさす。
【0034】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用された成分は以下の通りである。
1.ポリフェニレンエーテル系樹脂(成分(A))
PPE:クロロホルム溶媒中、30℃で測定した固有粘度が0.46dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
2.ブロック共重合体(他の高分子化合物)
SEBS:クラレ社製の商品名がセプトン8006なる水添スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体
3. リン酸エステル系化合物(成分(B))
P−1:大八化学工業社製のリン酸トリフェニル
4.高密度ポリエチレン樹脂(成分(C))
HDPE1:ミリオン240S三井化学(株)製 極限粘度:10.4dl/g(135℃テトラリン溶液)
HDPE2:ハイゼックス7000FP三井化学(株)製 極限粘度:3.1dl/g(135℃テトラリン溶液)
5.高密度ポリエチレン樹脂
HDPE3:ミリオン320M三井化学(株)製 極限粘度:15.5dl/g(135℃テトラリン溶液)
HDPE4:ハイゼックス3300F三井化学(株)製 極限粘度:1.9dl/g(135℃テトラリン溶液)
【0035】
物性の評価方法は以下のとおりである。
1.熱変形温度
耐熱性を示す尺度としての熱変形温度を、ASTM D648に従い、1.81MPaの荷重下で測定した。
2.引張伸び
ASTM D638に従い、23℃における引張伸びを測定した。
3.アイゾット衝撃強度
ASTM D256に従い、23℃におけるノッチ付きのアイゾット衝撃強度を測定した。
4.難燃性
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物をプレス成形して得られる厚さが0.2mmのテストピースを用いてUL94垂直燃焼性試験を行った。難燃性の評価における「非該当」は、「燃焼時間が規定の時間以上である」又は「クランプまで試験片が燃焼する」を意味し、V−0、V−1及びV−2より劣る評価である。ドリップは、難燃性試験において、火種が滴下した本数(5本中)を示す。また、クランプまで燃焼は、難燃性試験において、試験片を支持する上部クランプまで、炎が達した本数(5本中)を示す。
5.HDPE1〜4の最大分散粒子径の測定
実施例及び比較例に記載の組成物を290℃でプレス成形し、厚さ0.2mmのシートを得た。このシートから、ミクロトームを用いて、超薄切片を作製し、これを、4酸化ルテニウムで染色後、透過型電子顕微鏡にて観察した。1mm×1mm以上の視野を観察し、HDPE1〜4の最大粒子径を求めた。粒子径は、分散HDPE粒子の最長端間距離とした。
【0036】
実施例1
シリンダー温度260℃、スクリュー回転数200rpmに設定した連続二軸混練機(東芝機械製TEM−50A型)の第一投入口より、表1に示す配合割合(重量部)の各成分を投入し、第一混練ゾーンで溶融混練し、第一混練ゾーンよりも下流側にある第二投入口より、表1に示す配合割合(重量部)の各成分を投入し、第二混練ゾーンにて、第一混練ゾーンにて溶融混練された成分と第二投入口より投入された成分とを、溶融混練してペレット状の樹脂組成物を得た。このペレットを260℃にてプレス成形して得られた厚さが0.2mmの試験片を用いて難燃性を評価した。また、樹脂組成物を射出成型機IS100EN(東芝機械(株)製)を用い、シリンダー温度290℃、金型温度80℃の条件で射出成形し、試験片を成形し、熱変形温度、引張伸び及びアイゾッド衝撃強度を測定した。評価結果を表1に示す。
【0037】
比較例1〜4
表1に示す配合割合(重量部)の各成分を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、ハロゲンを含有するドリップ防止剤を必須成分としない、燃焼時のドリップ防止効果に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物およびその製造方法を提供することができた。
Claims (3)
- 下記の成分(A)、成分(B)及び成分(C)からなり、成分(B)の含有量が成分(A)100重量部に対して2〜65重量部であり、成分(C)の含有量がポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の総重量(100重量%)に対して0.2〜20重量%であり、かつ、(C)の最大分散粒子径が20μm以下であるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
成分(A):ポリフェニレンエーテル成分
成分(B):下式(II)で表されるリン酸エステル系化合物
(式中、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表し、これらの全てが同時に水素原子である場合を除く。R10は炭素数1〜20の2価の有機基を表す。pは0又は1であり、qは1以上の整数であり、rは0以上の整数を表す)
成分(C):135℃のテトラリン溶液中で測定した極限粘度が、7 . 0〜12.0dl/gである高密度ポリエチレン - スチレン系共重合体を更に含有する請求項1記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
- 複数の供給口を有する押出し機を用い、第一の供給口から成分(A)全量の20〜100%、成分(C)全量の95〜100%を供給し溶融混練し、続いて、第一の供給口よりも下流側にある供給口から、成分(A)及び成分(C)の残りの量、並びに、成分(B)の全量を供給し、溶融混練を行うことを特徴とする請求項1または2記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の製造方法。
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