JP4136414B2 - カメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、外装部材を金属材料で形成し、この外装部材の内面に樹脂材料製の内枠部材を内装してなるカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、カメラにおいては、高級感を持たせるために、カメラ本体の外装部材である、例えば前カバーを金属材料で形成するように構成したものがある。このような外装部材を金属材料で形成するカメラにおいては、その前カバーの内面に内枠部材である樹脂材料製の前モールドを接着により一体的に組付けておいて、この前モールドに対してカメラ内部機器を組付けたり、あるいは外装部材の後カバーを、組付けたりするように構成される。このうち前カバーは、プレス加工技術等を用いて形成され、その前モールドは、射出成形技術等により樹脂成形される。
【0003】
ところが、上記カメラでは、金属材料製の前カバーの内面に、樹脂材料製の前モールドを接着剤を用いて接着して組付ける際、その接着剤が硬化するまでの間に相互間に位置ずれが起こり、位置ずれを起こした状態で接着されてしまう虞を有する。
【0004】
そこで、図10や図11に示すように前カバー1と前モールド2の間に接着剤を塗布して、接着する際に、その接着剤が硬化するまでの間、専用の固定治具3、4等を用いて相互間を位置決めしておく、組付け方法が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、従来の前カバーを金属材料で形成したカメラの組付け方法では、そのカメラ用部材の組付け作業に固定治具3、4の着脱工程を伴うことで、その作業が非常に面倒であるという不都合を有する。また、これによると、相互間を位置決めするための固定治具3、4を、別途、用意しておかなければならないために、その保管管理が面倒であるという不都合を有する。
【0006】
さらに、上記組付け方法では、前カバー1と前モールド2との間に接着剤を塗布した後、固定治具3、4を用いて相互間を位置決めして、その接着剤が硬化するのを待つために、その組立て完了後のできばえに、ばらつきが起こるという不都合を有する。
【0007】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成で、且つ、簡便にして容易に高精度なカメラ用部材の組付け作業を実現し得るようにしたカメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前面を挟んだ上下面に切欠き穴が設けられた金属材料製の外装部材と、上記外装部材に内装されるものであって、該外装部材の切欠き穴に内側からそれぞれ嵌合される先端に略矩形形状のガイドレール部を有した一対の突条部が設けられた樹脂材料製の内枠部材と、上記内枠部材の突条部のガイドレール部にスライド移動自在に装着され、上記外装部材の前面にスライド移動自在に配置されるバリア部材と、を備え、上記内枠部材を所定量撓ませて上記突条部を、上記外装部材の上記切欠き穴に嵌合させると、上記内枠部材の弾性復帰力により、上記外装部材内に位置決めされると共に、接着剤で接着して内装するように構成したものである。
【0009】
上記構成によれば、内枠部材は、その突条部であるガイドレール部を、外装部材の切欠き穴に対して、その弾性力を利用して力を加えて撓ませながら嵌合させ、その力の付与を開放すると、復帰力により相互間が位置決めされ、この位置決めされた状態において、バリア部材を外装部材の切欠き穴から露呈されるガイドレール部に対してスライド移動自在に組付けることにより、外装部材の前面を覆うバリアタイプを構成することができる。これにより、外装部材と内枠部材との簡便にして容易な組付け作業を実現したうえで、容易にバリアタイプのカメラ構造を形成することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、この発明の一実施の形態に係るカメラの要部を示すもので、前カバー10には、その前面に図示しない鏡枠ユニットが挿着される鏡枠ユニット収容穴101が形成され、さらに、透明樹脂製のストロボ窓102が組付けられている。この前面カバー10は、アルミニウム、ステンレス、マグネシューム、チタン等の金属材料で、例えばプレス加工技術等により図2及び図3に示すように略直方体をした箱状に形成され、その上下両面に分離して配される位置決め部を構成する略矩形状の一対の切欠き穴103、104が矢印A、B方向に延出されて設けられる。
【0014】
また、前カバー10の内面には、樹脂材料を用いて樹脂成形された所望の柔軟性(弾性)を有する内枠部材である前モールド11が内装される。この前モールド11は、図4に示すようにその前面に開口111が設けられ、その上下両面に分離して配される位置決め部を構成する突条部である略矩形状の一対のガイドレール部112、113(図4中では、図の都合上、上面側のみを図示、図5参照)が、上記前カバー10の切欠き穴103、104に対応して矢印A、B方向に延出して設けられる。
【0015】
前モールド11は、前カバー10内に内装する場合、その弾性力を利用して所定量撓ませて上記前カバー10内に収容すると共に、その一対のガイドレール部112、113を、上記前モールド11の内面に切欠き穴103、104にそれぞれ嵌合させる。ここで、前モールド11は、その弾性復帰力により、初期状態に復帰され、そのガイドレール部112、113が前カバー10の切欠き穴102、103から露呈された状態で、前カバーの内面に内装される。
【0016】
これにより、前モールド11は、そのガイドレール部112、113の周囲のa部及びb部で(図4中X方向及びZ方向)が前カバー10の切欠き穴103、104の内壁に位置規制されて前カバー10内に位置決めされ、この位置決め状態で、接着剤により相互間が接着されて内装される。この際、前モールド11は、それ自体の弾性力により、Y方向が位置規制される。
【0017】
また、上記前カバー10の前面には、移動部材であるバリア部材12が上記鏡枠ユニット収容穴101を覆う位置と該鏡枠ユニット収容穴101を開放する位置との間にスライド移動自在に配設される。このバリア部材12には、その上下両端部に案内爪部121、122が上記前モールド11のガイドレール部112、113に対応して設けられ、その弾性力を利用してこの案内爪部121、122が上記前モールド11のガイドレール部112、113に矢印A、B方向に移動自在に組付けられる。
【0018】
上記前カバー10には、その後方にファインダ窓等の配される図示しない後カバーが分離可能に組付けられる。この後カバー(図示せず)は、前カバー10及び前モールド11と共同してカメラ本体である図示しないボディ本体を覆う外装部材を構成する。
【0019】
上記構成により、樹脂材料製の前モールド11を、金属材料製の前カバー10内に組付ける場合は、例えば前カバー10の少なくとも前面側の内面に接着剤を塗布する。続いて、前モールド11を、その弾性力を利用して撓ませながら、前カバー10内に収容し、その一対のガイドレール部112、113を、上記前カバー10の切欠き穴103、104にそれぞれ嵌合させる。
【0020】
ここで、前モールド11は、付与される力が開放されると、その弾性復帰力により、初期状態に復帰され、そのガイドレール部112、113が前カバー10の切欠き穴103、104から露呈された状態で、前カバー10の内面に内装される。これにより、前モールド11は、そのガイドレール部112、113の周囲が前カバー10の切欠き穴103、104の内壁に位置規制されて前カバー10内に位置決めされ、この位置決め状態で、接着剤が硬化して相互間が接着される。
【0021】
次に、上記前モールド11の前カバー10の上下面より露呈されるガイドレール部112、113には、図5に示すようにバリア部材12の案内爪部121、122が矢印A、B方向にスライド移動自在に組付けられる。これにより、バリア部材12は、矢印A方向に移動付勢されると、その案内爪部121、122が前モールド11のガイドレール部112、113に案内されて、前カバー10の前面の鏡枠ユニット収容穴101に挿着される上記鏡枠ユニット(図示せず)を覆う閉塞位置に移動される。
【0022】
そして、バリア部材12は、上記閉塞位置から矢印B方向に移動付勢されると、その案内爪部121、122が前モールド11のガイドレール部112、113に案内されて、前カバー10の前面の上記鏡枠ユニット(図示せず)を撮影可能に露呈する撮影位置に移動される。
【0023】
このように、上記カメラは、突条部であるガイドレール部112、113を設けた前モールド11を、その弾性を利用して前カバー10の切欠き穴103、104に嵌合させて内装して、前モールド11のガイドレール部112、113と前カバー10の切欠き穴103、104とで協働して、相互間の位置決めを行うと共に、その前カバー10の切欠き穴103、104から露呈された前モールド11のガイドレール部112、113に対して、バリア部材12をスライド移動自在に組付けるように構成した。
【0024】
これによれば、前モールド11のガイドレール部112、113を、該前モールド11の弾性力を利用して撓ませながら前カバー10の切欠き穴103、104に嵌合させ、嵌合状態で、その力の付与を開放するだけの作業で、相互間が位置決めされ、その位置決め状態で、前カバー10から露呈されるガイドレール部112、113に対してバリア部材12を組付けることにより、前カバー10の前面を選択的に覆うバリアタイプを形成することができる。この結果、前カバー10と前モールド11との簡便にして容易なカメラ用部材の組付け作業を実現したうえで、容易にバリアタイプのカメラ構造を形成することができる。
【0025】
なお、上記実施の形態では、バリア部材12を配備するバリアタイプのカメラに適用して前カバー構造に適用した場合で説明したが、この発明は、これに限ることなく、その他、図6乃至図9に示すようなバリア部材を配備しないタイプのカメラにおける前カバー構造においても適用可能である。
【0026】
即ち、図6に示す実施の形態においては、例えば上記金属材料製の前カバー20の上下両面にそれぞれ少なくとも2個の切欠き穴201を所定の間隔に設けて、その左右両面にそれぞれ少なくとも1個ずつ切欠き穴202を設ける。そして、この前カバー20に内装される上記樹脂材料製の前モールド21には、その上下両面及び左右両面に突条部211、212を前カバー20の切欠き穴201、202に対応して設ける。
【0027】
上記構成により、樹脂材料製の前モールド21を、金属材料製の前カバー20内に内装する場合は、例えば前カバー20の少なくとも内周壁の一部に接着剤を塗布する。続いて、前モールド21を、その弾性力を利用して撓ませながら、前カバー20内に収容し、その突条部211、212を、上記前カバー20の切欠き穴201、202にそれぞれ嵌合させる。
【0028】
ここで、前モールド21は、付与される力が開放されると、その弾性復帰力により、初期状態に復帰され、その突条部211、212が前カバー20の切欠き穴201、202に嵌合された状態で、前カバー20の内面に内装される。これにより、前モールド21は、その突条部211、212の周囲が前カバー20の切欠き穴201、202の内壁に位置規制されて前カバー20内に位置決めされ、この位置決め状態で、接着剤により相互間が接着されて内装される。
【0029】
また、図7乃至図9に示す実施の形態においては、例えば樹脂材料製の前モールド31の上下両面の後方端にそれぞれ少なくとも2個、その前方方向に折曲した突条部であるフック部311を所定の間隔に設けて、その左右両面の後方端にそれぞれ少なくとも1個ずつ同様に前方方向に折曲したフック部312を設ける。
【0030】
これらフック部311、312は、前モールド31が前カバー30内に内装された状態で、該前カバー30の周壁部の後方側端部を挟持する如く、その折曲寸法が設定される。
【0031】
上記構成により、樹脂材料製の前モールド31を、金属材料製の前カバー30に内装する場合は、例えば前カバー30の少なくとも内周壁の一部に接着剤を塗布する。続いて、前モールド31を、前カバー30内に収容し、そのフック部311、312を、上記前カバー30の周壁部の後方側端部を挟持する如く係止させる。
【0032】
ここで、前モールド31は、その周壁の外周面が前カバー30の内面に圧接されて位置決めされると共に、そのフック部311、312が前カバー30の後方側端部を係止して、位置決めした状態で、接着剤により相互間が接着されて内装される。
【0033】
そして、接着剤が硬化して前モールド31と前カバー30とが接着された状態で、前カバー30の後方端から突出された上記フック部311、312は、前モールド31から図9に示すように取り除かれる。これにより、例えば前カバー30に上記図6に示す切欠き穴201、202のような挿通穴を配することが困難な構成においても、固定治具を用いることなく、金属材料製の前カバー30と、樹脂材料製の前モールド31で構成されるカバー構造を製作することが可能となる。
【0034】
また、上記各実施の形態では、外装部材として、前カバー10、20、30に適用した場合で説明したが、これに限ることなく、後カバーに適用することも可能で、同様の効果が期待される。
【0035】
よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0036】
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0037】
上述した実施の形態に基づいて
(1)ボディ本体の一部を覆う金属材料製の外装部材と、
上記外装部材の内面に内装される樹脂材料製の内枠部材と、
上記内枠部材を所定量撓ませて、上記内枠部材の少なくとも2箇所の部分を、上記外装部材に嵌め込んだ後、該撓みが弾性復帰することにより、上記内枠部材を上記外装部材に位置決めして一体的に内装する取付手段と、
を具備することを特徴とするカメラを提供することができる。
【0038】
(2)上記(1)に記述される取付手段は、上記内枠部材を上記外装部材に対して、弾性復帰しようとする弾性力により固定されることを特徴とするカメラを提供することができる。
【0039】
(3)上記(1)(2)に記述される内枠部材は、上記取付手段により脱落不能に位置決めして取り付いていて、この状態で、上記外装部材の内面に対向する面の一部に接着剤を塗布して、固定治具を用いずに位置決め接着されることを特徴とするカメラを提供することができる。
【0040】
(4)上記(1)(2)(3)に記述される取付手段は、上記外装部材の少なくとも2箇所に形成された切欠き穴と、上記切欠き穴それぞれに嵌り込み可能に、上記内枠部材に形成された少なくとも2つの突条部とを有し、
上記内枠部材を所定量撓ませて上記少なくとも2つの突条部を、上記外装部材に形成された上記切欠き穴に嵌め込んだ後、該撓みが弾性復帰することにより、上記内枠部材が上記外装部材に位置決めされて一体的に内装されることを特徴とするカメラを提供することができる。
【0041】
(5)上記(1)(2)(3)(4)の記述において、更に
上記外装部材に対して移動可能に設けられた移動部材と、
上記外装部材の上記切欠き穴から外部に露呈した上記内枠部材の上記突条部分に形成されていて、上記移動部材を移動自在にガイドするガイド部と、
を備えることを特徴とするカメラを提供することができる。
【0042】
(6)ボディ本体の一部を覆う金属材料製の外装部材と、
上記外装部材の内面に内装される樹脂材料製の内枠部材と、
上記内枠部材に形成され、上記外装部材に対して該内枠部材を位置決めして組付けるために設けられるものであって、組付け状態で上記外装部材の外部に露呈する位置決め部と、
上記外装部材と上記内枠部材とを接着する接着手段と、
を具備し、
上記位置決め部は、上記接着手段により、上記外装部材と上記内枠部材とを接着した後に上記内枠部材より除去することを特徴とするカメラを提供することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、簡易な構成で、且つ、簡便にして容易に高精度なカメラ用部材の組付け作業を実現し得るようにしたカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係るカメラの要部を取り出して示した斜視図である。
【図2】図1の前カバーを前面側上方方向から見た状態を示した斜視図である。
【図3】図1の前カバーを前面側下方方向から見た状態を示した斜視図である。
【図4】図1の前モールドを取り出して示した斜視図である。
【図5】図1を上部から下方方向に断面して示した断面図である。
【図6】この発明の他の実施の形態に係るカメラの要部を取り出して示した分解斜視図である。
【図7】この発明の他の実施の形態に係るカメラの要部を取り出して示した分解斜視図である。
【図8】図7の前カバーと前モールドを接着した状態を示した断面図である。
【図9】図8の前モールドからフック部を除去した組付け完了状態を示した一部断面図である。
【図10】従来のカメラの組立て手順を示した断面図である。
【図11】従来のカメラの組立て手順を示した断面図である。
【符号の説明】
10 … 前カバー
101 … 鏡枠ユニット収容穴
102 … ストロボ窓
103 … 切欠き穴
104 … 切欠き穴
11 … 前モールド
111 … 開口
112、113 … ガイドレール部
12 … バリア部材
121、122 … 案内爪部
20 … 前カバー
201、202 … 切欠き穴
21 … 前モールド
211、212 … 突条部
30 … 前カバー
31 … 前モールド
311、312 … フック部
Claims (1)
- 前面を挟んだ上下面に切欠き穴が設けられた金属材料製の外装部材と、
上記外装部材に内装されるものであって、該外装部材の切欠き穴に内側からそれぞれ嵌合される先端に略矩形形状のガイドレール部を有した一対の突条部が設けられた樹脂材料製の内枠部材と、
上記内枠部材の突条部のガイドレール部にスライド移動自在に装着され、上記外装部材の前面にスライド移動自在に配置されるバリア部材と、
を具備し、
上記内枠部材を所定量撓ませて上記突条部を、上記外装部材の上記切欠き穴に嵌合させると、上記内枠部材の弾性復帰力により、上記外装部材内に位置決めされると共に、接着剤で接着して内装したことを特徴とするカメラ。
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