JP4137922B2 - A/d変換回路 - Google Patents

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Description

本発明はアナログ入力電流をデジタル値に変換するA/D変換回路に関するものである。
近年、アナログ量をデジタル値に変換するアナログ/デジタル変換回路(A/D変換回路)において、アナログ量を電流として扱うツリー構造を持つ電流モードA/D変換回路が用いられるようになってきている。このツリー構造を持つA/D変換回路において、デジタル値のビット数を増加させると、1ビット増加する毎に回路規模(面積)がほぼ2倍となる。このようなA/D変換回路は、1つのチップ、又は他の回路と集積化されたチップに用いにくい。このため、A/D変換回路のビット数の増加に対する回路規模の増加を抑えることが求められている。
従来、アナログ量をデジタル値に変換するA/D変換回路において、アナログ量として入力信号電流をデジタル値に変換する電流モードA/D変換回路が例えば特許文献1に開示されている。このA/D変換回路は、カレントミラー回路を用いて形成された階層的ツリー構造(木構造)を持ち、入力信号電流をツリー状に分散させ、信号がそれぞれの電流経路を伝搬していく途中で、伝搬された電流と比較電流との減算/加算を階層的に行い、それらの結果得られる電流を比較電流と比較してデジタル値を出力する。
特開平8−79080号公報
ところで、上記のA/D変換回路では、アナログ量に対する分解能を高くする、つまりデジタル値のビット数を増加させると、1ビットの増加に対応して1段の階層を付加する必要がある。そして、上記のA/D変換回路はツリー構造を持つため、追加する回路段の回路規模は、追加前の最終回路段の回路規模の2倍となり、A/D変換回路全体の回路面積は、追加前の全回路面積のほど2倍となる。このため、上記のA/D変換回路のみを搭載した半導体チップ、又は上記A/D変換回路と他の回路を搭載した半導体チップにおいて、A/D変換の分解能を高くすることは、A/D変換回路における回路規模を増加量が極めて大きいため、回路規模の増大を抑えつつデジタル値のビット数を多くすることは困難であった。
また、上記のA/D変換回路では、各段において大きさの等しい比較電流が必要である。そして、段数が多く末端へ行くほど必要な比較電流の数(定電流源の数)が多くなる。このため、各段における複数の比較電流を等しくすることは困難でありバラツキも大きくなることから、変換結果に於ける精度が低下するという問題がある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的はビット数の増加に対する回路規模の増加と精度の低下を抑えることのできるA/D変換回路を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明によれば、デジタル値のビット数と同数の演算セルを直列接続し、各段の演算セルは入力電流と基準電流との差を演算し、該差の絶対値を持つ電流を出力するようにした。従って、入力電流と基準電流との相互の差に応じて後段の回路を設ける必要がない、つまり入力電流が大きい場合の電流を受ける回路と、基準電流が大きい場合の電流を受ける回路を設ける必要がない。このため、デジタル値のビット数を増やすためには1つの演算セルを直列に接続すればよいため、逐次比較型A/D変換回路において後段の回路の数を少なくすることができ、回路規模の増加が抑えられる。また、後段における回路数が少なくなるため、基準電流を流すための定電流源の数も少なくなる。従って、多くの定電流源を作成する必要がないため、バラツキによる精度の低下が抑えられる。
また、演算セルは、入力電流から基準電流を減算して第1電流を生成する第1比較部と、基準電流から入力電流を減算して第2電流を生成する第2比較部とを備え、入力電流と基準電流との相互の差を持つ電流が容易に生成される。
請求項に記載の発明によれば、第1比較部は、基準電流を流す定電流源と、入力電流から前記基準電流を減算して第1電流を生成する第1カレントミラー回路と、前記第1カレントミラー回路を構成するトランジスタと異なる導電型のトランジスタにより構成され前記第1電流をミラーした電流を生成する第2カレントミラー回路とを備え、第2比較部は、基準電流を流す定電流源と、前記基準電流から入力電流を減算して第2電流を生成する第1カレントミラー回路と、前記第1カレントミラー回路を構成するトランジスタと異なる導電型のトランジスタにより構成され前記第2電流をミラーした電流を生成する第2カレントミラー回路とを備えた。従って、カレントミラー回路に対する定電流源の接続形態により入力電流と基準電流との相互の差を持つ第1電流と第2電流とを容易に生成することができる。そして、第1比較部と第2比較部それぞれの第2カレントミラー回路は、電流の流れる方向によってミラーすることができないため、該第2カレントミラー回路を構成するトランジスタの導電型に対応する正の符号を持つ電流が出力され、導電型に対応しない負の符号を持つ電流が出力されない。従って、絶対値を持つ電流を容易に出力することができる。
請求項に記載の発明によれば、第2カレントミラー回路は、増幅率が2に設定され、各段の前記演算セルに備えられた定電流源は同じ値の基準電流を流すように構成されている。従って、逐次比較型A/D変換回路のビット数を多くする、つまり演算セルの段数を多くしても、各段の演算セルにおける基準電流が段数に応じて小さくならないため、微少な基準電流を流す定電流源を作成する必要が無く、下位ビットにおける精度の低下を抑えることができる。
請求項に記載の発明によれば、第2カレントミラー回路は、増幅率が1に設定され、2段目以降の前記演算セルに備えられた定電流源はそれぞれ前段の演算セルに備えられた定電流源が流す基準電流の1/2の基準電流を流すように構成されている。従って、各段の第2カレントミラー回路を構成する複数のトランジスタが同じ電気的特性を持つように構成すればよく、形成が容易である。
請求項に記載の発明によれば、初段の演算セルは、前記アナログ入力電流から前記第1比較部に供給する第1電流と前記第2比較部に供給する第2電流とを生成する入力部を備えた。従って、1つのアナログ入力電流から第1比較部と第2比較部に供給する電流を容易に作成することができる。そして、入力部を備えた演算セルと、入力部を備えていない少なくとも1つの演算セルを直列に接続することで、逐次比較型A/D変換回路を構成することができる。
請求項に記載の発明によれば、入力回路は、前記アナログ入力電流を入力し、該アナログ入力電流をミラーして前記第1比較部に供給する第1電流と前記第2比較部に供給する第2電流とを生成する。従って、複数の演算セルの構成を同じにすることができる。
請求項に記載の発明によれば、エンコーダは、各段の演算セルに対応するエンコーダ部を備える。初段の演算セルに対応するエンコーダ部は、第1比較部により生成された第1電流と第2比較部により生成された第2電流が入力され、該第1電流及び第2電流を差動増幅して初段の演算セルに対応するビットを決定する差動増幅回路を備える。2段目以降の演算セルに対応するエンコーダ部は、第1比較部により生成された第1電流と第2比較部により生成された第2電流が入力され、該第1電流及び第2電流を差動増幅した信号を出力する差動増幅回路と、該差動増幅回路の出力信号と前段のエンコーダ部のデジタル値に基づいてデジタル値のビットを決定するビット調整回路とを備える。このビット調整回路により、各段の演算セルにおいて絶対値を持つ電流を次段の演算セルに対して出力すればよくなる。
請求項に記載の発明によれば、ビット調整回路は、前段のエンコーダ部のデジタル値が「0」の場合に前記差動増幅回路の出力信号を反転した値を当該ビットとする。このビット調整回路により、各段の演算セルにおいて絶対値を持つ電流を次段の演算セルに対して出力すればよくなる。
以上記述したように、本発明によれば、ビット数の増加に対する回路規模の増加と精度の低下を抑えることのできるA/D変換回路を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1は、アナログ量としての入力電流Aiを複数ビット(本実施形態では4ビット)のデジタル値を持つ信号Doに変換するA/D変換回路の回路図である。
A/D変換回路10は、直列接続された複数(本実施形態では4つ)の演算セル11〜14と、エンコーダ15とを備えている。
初段の第1演算セル11にはアナログ量として入力電流Aiが入力される。第1演算セル11は、入力電流Aiと基準電流とを比較し、該比較結果に応じた量を持ち互いに逆方向に流れる電流I1a,I1bを生成する。両出力電流I1a,I1bが流れる方向は入力電流Aiと基準電流との比較結果に応じて決定される。第1演算セル11はカレントミラー回路(以下、ミラー回路という)を有し、電流I1a,I1bのうち、ミラー回路にてミラー可能な電流と実質的に等しい電流I1cを出力する。
次段(2段目)の第2演算セル12は、第1演算セル11の出力電流I1cと基準電流とを比較し、該比較結果に応じた量を持ち互いに逆方向に流れる電流I2a,I2bを生成する。両出力電流I2a,I2bが流れる方向は、電流I1a,I1bと基準電流との比較結果に応じて決定される。第2演算セル12はミラー回路を有し、電流I2a,I2bのうち、ミラー回路にてミラー可能な電流と実質的に等しい電流I2cを出力する。
同様に、次段(3段目)の第3演算セル13は、第2演算セル12の出力電流I2cと基準電流とを比較し、該比較結果に応じた量を持ち互いに逆方向に流れる電流I3a,I3bを生成し、電流I3a,I3bのうち、ミラー回路にてミラー可能な電流と実質的に等しい電流I3cを出力する。同様に、次段(4段目)の第4演算セル14は、第3演算セル13の出力電流I3cと基準電流とを比較し、該比較結果に応じた量を持ち互いに逆方向に流れる電流I4a,I4bを生成する。
エンコーダ15は、各演算セル11〜14の電流I1a,I1b〜I4a,I4bに基づいて決定した4ビットのデジタル値を持つ信号Doを出力する。詳しくは、エンコーダ15は、各演算セル11〜14の出力電流Ia,Ib〜I4a,I4bを互いに比較し、その比較結果と前段の比較結果とに基づいて各ビットにおける値を決定する。尚、初段の第1演算セル11に対する前段は存在しないため、エンコーダ15は、初段の第1演算セル11の電流I1a,I1bの比較結果に基づいてビットの値を決定する。
先ず、演算セル11〜14について説明する。
図2は、初段の演算セル(第1演算セル)11と、2段目の演算セル(第2演算セル)12の回路図である。
第1演算セル11は、入力回路としての入力部11aと演算部11bとを備えている。入力部11aは、入力電流Aiと同じ値を持つ2つの電流Ia,Ibを生成するカレントミラー回路である。即ち、入力部11aは、互いにゲートが接続され同じ電気的特性を持つ3つのNチャネルMOSトランジスタT11,T12,T13により構成されている。第1トランジスタT11のドレインには入力電流Aiが供給され、ゲートはドレインと接続され、ソースは低電位電源VSSに接続されている。第2トランジスタT12のゲートは第1トランジスタT11のゲートに接続され、ソースは低電位電源VSSに接続され、ドレインは演算部11bに接続されている。第2トランジスタT12ドレイン−ソース間には、入力電流Aiと同じ値を持つ第1電流Iaが流れる。第3トランジスタT13のゲートは第1トランジスタT11のゲートに接続され、ソースは低電位電源VSSに接続され、ドレインは演算部11bに接続されている。第3トランジスタT13のドレイン−ソース間には、入力電流Aiと同じ値を持つ第2電流Ibが流れる。
演算部11bは、入力部11aから出力される第1電流Ia及び第2電流Ibと基準電流とを比較し、該比較結果に応じた量を持ち互いに逆方向に流れる電流I1a,I1bを生成する。両出力電流I1a,I1bが流れる方向は入力電流Aiと基準電流との比較結果に応じて決定される。更に、演算部11bはミラー回路を有し、電流I1a,I1bのうち、ミラー回路にてミラー可能な電流と実質的に等しい電流I1c(図1参照)を出力する。
演算部11bは、第1電流Iaに対応する第1比較部21aと、第2電流Ibに対応する第2比較部21bとから構成されている。
第1比較部21aは、第1ミラー回路M11aと第2ミラー回路M12aと定電流源C1aとを備えている。第1ミラー回路M11aは互いにゲートが接続され同じ電気的特性を持つ2つのPチャネルMOSトランジスタT21a,T22aにより構成されている。第1トランジスタT21aのソースは高電位電源VDDに接続され、ドレインは入力部11aの第2トランジスタT12に接続されている。第2トランジスタT22aのソースは高電位電源VDDに接続され、ドレインはゲートと定電流源C1aの第1端子に接続され、定電流源C1aの第2端子は低電位電源VSSに接続されている。そして、第1トランジスタT21aのドレインは第2ミラー回路M12aに接続されている。定電流源C1aは所定量の基準電流Ir1を流すように構成されている。基準電流Ir1の値は、例えばA/D変換回路10に入力されるアナログ量の範囲に応じて設定される。例えば、アナログ量の範囲を0〜160μAとした場合、基準電流Ir1の値はその範囲の1/2の値(=(最大値+最小値)/2)に設定される。
第1ミラー回路M11aは、定電流源C1aに流れる基準電流Ir1と実質的に同じ量の電流を第1トランジスタT21aに流す。そして、第1トランジスタT21aのドレインには、入力部11aの第2トランジスタT12と第2ミラー回路M12aが接続されている。従って、第1比較部21aは、基準電流Ir1から第1電流Iaを減じた値を持つ電流I1a(=Ir1−Ia)を第2ミラー回路M12aに供給する。
第2ミラー回路M12aは、互いにゲートが接続され同じ電気的特性を持つ3つのNチャネルMOSトランジスタT23a,T24a,T25aにより構成されている。第3トランジスタT23aのソースは低電位電源VSSに接続され、ドレインは第1ミラー回路M11aの第1トランジスタT21aに接続されている。第3トランジスタT23aのゲート及びドレインは互いに接続されている。第4トランジスタT24a及び第5トランジスタT25aのソースは低電位電源VSSに接続されている。第2ミラー回路M12aの第4トランジスタT24a及び第5トランジスタT25aには、第3トランジスタT23aに流れる電流と実質的に同じ値を持つ電流がそれぞれ流れる。
第2比較部21bは、第1ミラー回路M11bと第2ミラー回路M12bと定電流源C1bとを備えている。定電流源C1bは、第1比較部21aの定電流源C1aと同じ電気的特性を持つ、即ち基準電流Ir1を流すように構成されている。そして、第2比較部21bは、第2電流Ibと定電流源C1bが流す基準電流Ir1との比較が、第1比較部21aと逆になるように構成されている。
即ち、第1ミラー回路M11bは互いにゲートが接続され同じ電気的特性を持つ2つのPチャネルMOSトランジスタT21b,T22bにより構成されている。第1トランジスタT21bのソースは高電位電源VDDに接続され、ドレインはゲートと入力部11aの第3トランジスタT13に接続されている。第2トランジスタT22bのソースは高電位電源VDDに接続され、ドレインは定電流源C1bの第1端子に接続され、定電流源C1bの第2端子は低電位電源VSSに接続されている。そして、第2トランジスタT22bのドレインは第2ミラー回路M12bに接続されている。
第1ミラー回路M11bは、第1トランジスタT21bに流れる第2電流Ibと実質的に同じ量の電流を第2トランジスタT22bに流す。そして、第2トランジスタT22bのドレインには、定電流源C1bと第2ミラー回路M12bが接続されている。従って、第2比較部21bは、第2電流Ibから基準電流Ir1を減じた値を持つ電流I1b(=Ib−Ir1)を第2ミラー回路M12bに供給する。
第2ミラー回路M12bは、互いにゲートが接続され同じ電気的特性を持つ3つのNチャネルMOSトランジスタT23b,T24b,T25bにより構成されている。第3トランジスタT23bのソースは低電位電源VSSに接続され、ドレインは第1ミラー回路M11bの第2トランジスタT22bに接続されている。第3トランジスタT23bのゲート及びドレインは互いに接続されている。第4トランジスタT24bのソースは低電位電源VSSに接続され、ドレインは第1比較部21aの第2ミラー回路M12aを構成する第4トランジスタT24aのドレインと次段の第2演算セル12に接続されている。第5トランジスタT25bのソースは低電位電源VSSに接続され、ドレインは第1比較部21aの第2ミラー回路M12aを構成する第5トランジスタT25aのドレインと次段の第2演算セル12に接続されている。第2ミラー回路M12bの第4トランジスタT24b及び第5トランジスタT25bには、第3トランジスタT23bに流れる電流と実質的に同じ値を持つ電流がそれぞれ流れる。
第1電流Iaと第2電流Ibは同じ値であり、両比較部21a,21bの定電流源C1a,C1bは同じ基準電流Ir1を流すように構成されている。従って、第1比較部21aと第2比較部21bのそれぞれにおける比較結果である電流I1aと電流I1bは、実質的に同じ値(電流量)を持ち、流れる方向が逆である。つまり、第1ミラー回路M11a,M11bから第2ミラー回路M12a,M12bに向かって流れる電流に「+」の符号を付して表し、その逆向きに流れる電流に「−」の符号を付して表すと、電流i1aと電流I1bの関係は、I1a=−I1b(又は−I1a=I1b)となる。
ところで、第2ミラー回路M12a,M12bは、「−」の符号を持つ電流、即ち第2ミラー回路M12a,M12bから第1ミラー回路M11a,M11bに向かって流れる電流をミラーすることができない、つまり出力側のトランジスタT24a,T25a,T24b,T25bに電流を流すことができない。従って、演算部11bは、第1比較部21aと第2比較部21bのうち、「+」の符号を持つ電流(I1a又はI1b)が流れる側の比較部から同じ量を持つ第1電流Ic1a及び第2電流Ic1bを出力し、「−」の符号を持つ電流を出力しない。つまり、演算部11bは、第1比較部21aの第1ミラー回路M11aにより生成した電流I1a、又は第2比較部21bの第1ミラー回路M11bにより生成した電流I1bと等しい電流量の第1電流Ic1a及び第2電流Ic1bを出力する。尚、第1電流Ic1aは第1比較部21aの第4トランジスタT24a又は第2比較部21bの第4トランジスタT24bにより流れる電流であり、第2電流Ic1b第1比較部21aの第5トランジスタT25a又は第2比較部21bの第5トランジスタT25bにより流れる電流である。第1電流Ic1a及び第2電流Ic1bが図1に示す電流I1cに相当する。即ち、演算部11bは、第2ミラー回路M12a,M12bにより、基準電流Ir1と入力電流(第1電流Ia、第2電流Ib)の差の絶対値を持つ第3電流I1c(第1電流Ic1a及び第2電流Ic1b)を出力する。
第2演算セル12について説明する。尚、第2演算セル12を構成するトランジスタは、第1演算セル11を構成するトランジスタと同じ符号を付して説明する。
第2演算セル12は、第1演算セル11を構成する演算部11bと同様に構成されている。詳述すると、第2演算セル12は、第1演算セル11から出力される第1電流Ic1aに対応する第1比較部22aと、第1演算セル11から出力される第2電流Ic1bに対応する第2比較部22bとから構成されている。第1比較部22aは演算部11bを構成する第1比較部21aと同様に構成され、第1ミラー回路M21aと第2ミラー回路M22aと定電流源C2aとを備えている。第2比較部22bは演算部11bを構成する第2比較部21bと同様に構成され、第1ミラー回路M21bと第2ミラー回路M22bと定電流源C2bとを備えている。
定電流源C2a,C2bは、演算セルの段数に応じて設定された電流を流すように構成されている。本実施形態では、定電流源C2a,C2bは、第1演算セル11の定電流源C1a,C1bが流す基準電流Ir1の1/2の基準電流Ir2を流すように構成されている。
従って、第1比較部22aは、基準電流Ir2から第1電流Ic1aを減じた値を持つ電流I2a(=Ir2−Ic1a)を生成する。また、第2比較部22bは、第2電流Ic1bから基準電流Ir2を減じた値を持つ電流I2b(=Ic1b−Ir2)を生成する。そして、第2演算セル12は、生成した2つの電流I2a,I2bのうち、第2ミラー回路M22a,M22bにてミラー可能な電流(I2a又はI2b)と実質的に等しい第1電流Ic2a及び第2電流Ic2bを出力する。第1電流Ic2a及び第2電流Ic2bが図1に示す電流I2cに相当する。
ところで、第1ミラー回路M11a,M11bはPチャネルMOSトランジスタT21a,T22a,T21b,T22bにより構成され、第2ミラー回路M12a,M12bはNチャネルMOSトランジスタT23a〜T25a,T23b〜T25bにより構成されている。即ち、第1ミラー回路M11a,M11bを構成するトランジスタの導電型と、第2ミラー回路M12a,M12bを構成するトランジスタの導電型は異なっている。この関係は、第1演算セル11の演算部11bを構成する第2ミラー回路M12a,M12bと、第2演算セル12を構成する第1ミラー回路M21a,M21bとの間においても同じである。つまり、第1演算セル11の第2ミラー回路M12a,M12bにおいてミラー可能な電流は、その第2ミラー回路M12a,M12bを構成するNチャネルMOSトランジスタT23a〜T25a,T23b〜T25bのドレインからソースに向かって流れる電流である。この電流が流れる方向は、次段の演算セルを構成する第1ミラー回路M21a,M21bのPチャネルMOSトランジスタT21a,T21bにおいて流れる電流の方向と一致している。従って、第1演算セル11は、第1ミラー回路M11a,M11b及び定電流源C1a,C1bにより生成し流れる方向が互いに異なる2つの電流I1a,I1bのうち、次段の第2演算セル12の第1ミラー回路M21a,M21bに適合した、つまり第1ミラー回路M21a,M21bにおいて流れる電流の向きに対応する電流を選択する。そして、第1演算セル11は、選択された電流に対応する第2ミラー回路の第4トランジスタ及び第5トランジスタにより、その選択された電流と実質的に等しい2つの第1電流及び第2電流を出力する。
尚、第2ミラー回路M12a,M12bを構成するトランジスタと第1ミラー回路M11a,M11bを構成するトランジスタとにおける導電型の関係は、入力部11aと第1ミラー回路M11a,M11bとにおける導電型の関係と同じである。つまり、入力部11aを構成するトランジスタの導電型と、第1ミラー回路M11a,M11bを構成するトランジスタの導電型は、互いにこと異なっている。
第3演算セル13及び第4演算セル14は、第2演算セル12と同様に構成されている。つまり、第2演算セル12と第3演算セル13と第4演算セル14は、第1演算セル11を構成する演算部11bと同一構成を持つ。従って、換言すれば、A/D変換回路10は、入力部11aと、同一構成を持つ4つの演算セルと、から構成されているとみることもできる。
第3演算セル13及び第4演算セル14にそれぞれ含まれる定電流源は、前段の演算セルに含まれる定電流源が流す基準電流の1/2の電流を流すように構成されている。つまり、第3演算セル13の第1比較部と第2比較部を構成する定電流源は、前段の回路である第2演算セル12の定電流源C2a,C2bが流す基準電流Ir2の1/2の基準電流Ir3を流すように構成されている。そして、第4演算セル14の第1比較部と第2比較部を構成する定電流源は、前段の回路である第3演算セル13の定電流源が流す基準電流Ir3の1/2の基準電流Ir4を流すように構成されている。
図3は、エンコーダ15の一部回路図であり、第1演算セル11と第2演算セル12に対応するエンコーダ部15a,15bの回路図である。
第1エンコーダ部15aは、差動増幅回路51とインバータ回路52とを有している。差動増幅回路51は、定電流源51a、差動入力部51b、カレントミラー部51cとから構成されている。定電流源51aの第1端子は高電位電源VDDに接続され、第2端子は差動入力部51bに接続されている。差動入力部51bは一対のMOSトランジスタ(PチャネルMOSトランジスタ)T51,T52により構成され、両トランジスタT51,T52のソースは互いに接続され、その接続点は共に定電流源51aに接続され、ドレインはカレントミラー部51cに接続されている。第1トランジスタT51のゲートには第1電流I1aが供給され、第2トランジスタT52のゲートには第2電流I1bが供給されている。カレントミラー部51cは一対のMOSトランジスタ(NチャネルMOSトランジスタ)T53,T54により構成され、両トランジスタT53,T54のソースは低電位電源VSSに接続されている。第3トランジスタT53のドレインは第1トランジスタT51のドレインに接続されている。第4トランジスタT54のドレインは第2トランジスタT52のドレインに接続され、第4トランジスタT54のゲートは第3トランジスタT53のゲートに接続されている。カレントミラー部51cを構成する第3トランジスタT53のドレインは第3トランジスタT53のゲートに接続され、第4トランジスタT54のドレインはインバータ回路52に接続されている。
上記のように構成された第1エンコーダ部15aは、第1電流I1aと第2電流I1bの大小に応じたレベルを持つ、つまり「1」又は「0」の値を持つ1ビットの信号D3を出力する。例えば、第1エンコーダ部15aは、第1電流I1aが第2電流I1bより大きい場合にLレベル(0)の信号D3を出力し、第1電流I1aが第2電流I1bより小さい場合にHレベル(1)の信号D3を出力する。
第2エンコーダ部15bは、差動増幅回路61とインバータ回路62とビット調整回路63とを有している。差動増幅回路61は、第1エンコーダ部15aの差動増幅回路51と同じ構成であるため、同じ符号を付して説明を省略する。
ビット調整回路63は、例えば、スリーステートタイプの反転バッファ63a及び非反転バッファ63bにより構成されている。両バッファ63a,63bの入力端子にはインバータ回路62の出力信号S1が入力され、両バッファ63a,63bの制御端子には第1エンコーダ部15aの出力信号D3が入力される。そして、反転バッファ63a又は非反転バッファ63bの出力信号が信号D2として出力される。
ビット調整回路63は、信号D3がHレベル「1」の場合には非反転バッファ63bの出力信号を信号D2として出力し、信号D3がLレベル「0」の場合には反転バッファ63aの出力信号を信号D2として出力する。両バッファ63a,63bには共通してインバータ回路62の出力信号が入力される。従って、ビット調整回路63は、信号D3がHレベル「1」の場合にインバータ回路62の出力信号S1と実質的に同じレベルを持つ信号D2を出力し、信号D3がLレベル「0」の場合には出力信号S1をレベル反転した信号D2を出力する。
即ち、ビット調整回路63は、インバータ回路62の出力信号S1と、第1エンコーダ部15aの出力信号D3とに基づいて決定したレベルを持つ、つまり「1」又は「0」の値を持つ1ビットの信号D2を出力する。詳述すると、ビット調整回路63は、前段の第1演算セル11における演算結果が負の場合、即ち第1演算セル11に対応するエンコーダ部15aの出力が「0」(Lレベル)の場合にインバータ回路62の出力値を反転させ、その値を持つ信号D2を出力する。
上記したように、第1電流I1aと第2電流I1bは、入力電流(第1電流Ia、第2電流Ib)と基準電流Ir1との比較結果であり、同じ絶対値を持ち流れる方向が異なる電流である。第1ミラー回路M11a,M11bから第2ミラー回路M12a,M12bに向かって流れる電流に「+」の符号を付して表し、その逆向きに流れる電流に「−」の符号を付して表すと、第1演算セル11の演算部11bにおける電流I1aと電流I1bの関係は、I1a=−I1b(又は−I1a=I1b)となる。そして、演算部11bは、第2ミラー回路M12a,M12bにより、基準電流Ir1と入力電流(第1電流Ia、第2電流Ib)の差の絶対値を持つ第3電流I1c(第1電流Ic1a及び第2電流Ic1b)を出力する。
逐次比較型A/D変換回路において、各段の回路における入力電流と基準電流との差分を次段の回路に伝達する必要がある。従って、前段(第1演算セル11の演算部11b)における演算結果である第1電流I1aが正の符号を持つ(I1a>I1b)、つまり電流Ia(Ib)が基準電流Ir1よりも小さい場合、実際には次段(第2演算セル12)に負の符号を持つ電流を供給しなければならない。しかし、本実施形態のA/D変換回路10では、第1〜第3演算セル11〜13において、入力電流と基準電流との差の絶対値を持つ電流を次段の第2〜第4演算セル12〜14にそれぞれ伝達している。このため、第2〜第4演算セル12〜14における比較結果の符号(第1電流と第2電流の大小関係)が逆転し、対応するビットの値が異なる。
このため、第2演算セル12に対応するエンコーダ部15bは、前段の第1演算セル11における演算結果が負の場合、即ち第1演算セル11に対応するエンコーダ部15aの出力が「0」(Lレベル)の場合に第2演算セル12にて生成される第1電流と第2電流を比較した結果に基づく値を反転させる。値の反転は、その値が「0」の場合は「1」に、「1」の場合には「0」にすることである。そして、第2演算セル12に対応するエンコーダ部15bは、その値を持つ信号D2を出力する。
同様に、第3演算セル13に対応するエンコーダ部15cは、第2演算セル12における演算結果が負の場合、即ち第2演算セル12に対応するエンコーダ部15bの出力が「0」の場合に値を反転させ、その値を持つ信号D1を出力する。同様に、第4演算セル14に対応するエンコーダ部15dは、第3演算セル13における演算結果が負の場合、即ち第3演算セル13に対応するエンコーダ部15cの出力が「0」の場合に値を反転させ、その値を持つ信号D0を出力する。
次に、上記のように構成されたA/D変換回路10の作用を説明する。
今、入力電流Aiの範囲が0〜160μAであり、第1演算セル11における基準電流Ir1を80μA、第2演算セル12における基準電流Ir2を40μA、第3演算セル13における基準電流Ir3を20μA、第4演算セル14における基準電流Ir4を10μA、とする。
<入力電流Aiが55μAの場合>
第1演算セル11の入力部11aは、入力電流Ai(=55)から第1電流Ia(=55)と第2電流Ib(=55)を生成し、演算部11bは第1電流Ia、第2電流Ibと基準電流Ir1(=80)とを比較する。この場合、第1演算セル11の第1比較部21aにおける第1電流I1aは25μA、第2比較部21bにおける第2電流I1bは−25μAとなる。従って、第1演算セル11は、第1電流I1aを第2ミラー回路によりミラーした電流Ic1(第1電流Ic1a、第2電流Ic1b)を第2演算セル12に供給する。第1演算セル11に対応する第1エンコーダ部15aは、第1電流I1aと第2電流I1bを差動増幅してLレベル「0」の信号D3を出力する。
次に、第2演算セル12は第1電流Ic1a(=25)、第2電流Ic1b(=25)と基準電流Ir2(=40)とを比較する。この場合、第2演算セル12の第1比較部22aにおける第1電流I2aは15μA、第2比較部22bにおける第2電流I2bは−15μAとなる。従って、第2演算セル12は、第1電流I2aを第2ミラー回路によりミラーした電流Ic2(第1電流Ic2a、第2電流Ic2b)を第3演算セル13に供給する。第2演算セル12に対応する第2エンコーダ部15bは、第1電流I2aと第2電流I2bを差動増幅してLレベルの信号S1を生成する。そして、第2エンコーダ部15bは、前段の回路である第1演算セル11に対応する第1エンコーダ部15aの出力信号D3がLレベルであるため、信号S1を反転してHレベル「1」の信号D2を出力する。
次に、第3演算セル13は第1電流(=15)、第2電流(=15)と基準電流Ir3(=20)とを比較する。この場合、第3演算セル13の第1比較部における第1電流は5μA、第2比較部における第2電流は−5μAとなる。従って、第3演算セル13は、第1電流を第2ミラー回路によりミラーした電流を第4演算セル14に供給する。第3演算セル13に対応する第3エンコーダ部15cは、前段の回路である第2演算セル12に対応する第2エンコーダ部15bの出力信号D2がHレベルであるため、第1電流と第2電流を差動増幅して生成したLレベルの信号と同じレベルを持つ、つまり「0」の信号D1を出力する。
次に、第4演算セル14は第1電流(=5)、第2電流(=5)と基準電流Ir4(=10)とを比較する。この場合、第4演算セル14における第1電流は5μA、第2比較部における第2電流は−5μAとなる。第4演算セル14に対応する第4エンコーダ部15dは、前段の回路である第3演算セル13に対応する第3エンコーダ部15cの出力信号D1がLレベルであるため、第1電流と第2電流を差動増幅して生成したLレベルの信号を反転してHレベル「1」の信号D0を出力する。
以上の動作により、A/D変換回路10は、55μAの入力電流Aiをデジタル値に変換して各ビットD3〜D0(=0101)を持つデジタル信号Doを出力する。
<入力電流Aiが85μAの場合>
第1演算セル11において、第1電流I1aはー5μA、第2電流I1bは5μAとなる。従って、第1演算セル11は、第2電流I1bを第2ミラー回路によりミラーした電流Ic1(第1電流Ic1a、第2電流Ic1b)を第2演算セル12に供給する。そして、第1エンコーダ部15aは、第1電流I1aと第2電流I1bを差動増幅してHレベル「1」の信号D3を出力する。
次に、第2演算セル12において、第1電流I2aは35μA、第2電流I2bは−35μAとなる。従って、第2演算セル12は、第1電流I2aを第2ミラー回路によりミラーした電流Ic2(第1電流Ic2a、第2電流Ic2b)を第3演算セル13に供給する。そして、第2エンコーダ部15bは、第1電流I2aと第2電流I2bを差動増幅して生成したLレベルの信号S1に対し、第1エンコーダ部15aの出力信号D3(Hレベル)に基づき、信号S1と同じレベル(Lレベル)「0」の信号D2を出力する。
同様に、第3演算セル13において、第1電流は−15μA、第2電流は15μAとなる。従って、第3演算セル13は、第2電流を第2ミラー回路によりミラーした電流を第4演算セル14に供給する。そして、第3エンコーダ部15cは、前段の回路である第2演算セル12に対応する第2エンコーダ部15bの出力信号D2に基づき、第1電流I2aと第2電流I2bを差動増幅して生成した信号と同じLレベル「0」の信号D1を出力する。
同様に、第4演算セル14において、第1電流は−5μA、第2電流は5μAとなる。従って、第4エンコーダ部15dは、前段の回路である第3演算セル13に対応する第3エンコーダ部15cの出力信号D1に基づき、第1電流と第2電流を差動増幅して生成した信号を反転してHレベル「1」の信号D0を出力する。
以上の動作により、A/D変換回路10は、85μAの入力電流Aiをデジタル値に変換して各ビットD3〜D0(=1000)を持つデジタル信号Doを出力する。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)A/D変換回路10は、直列接続された出力信号Doのビット数と同数の演算セル11〜14を有している。各段の演算セル11〜14は入力電流と基準電流との差を演算し、該差の絶対値を持つ電流を出力する。従って、入力電流と基準電流との相互の差に応じて後段の回路を設ける必要がない、つまり入力電流が大きい場合の電流を受ける回路と、基準電流が大きい場合の電流を受ける回路を設ける必要がない。このため、デジタル値のビット数を増やすためには1つの演算セルを直列に接続すればよいため、逐次比較型A/D変換回路において後段の回路の数を少なくすることができ、回路規模の増加が抑えられる。また、後段における回路数が少なくなるため、基準電流を流すための定電流源の数も少なくなる。従って、多くの定電流源を作成する必要がないため、バラツキによる精度の低下が抑えられる。
(2)第1演算セル11は、電流Iaから基準電流Ir1を減算して第1電流I1aを生成する第1比較部21aと、基準電流Ir1から電流Ibを減算して第2電流I1bを生成する第2比較部21bとを備えている。第2〜第4演算セル12〜14は、第1演算セル11と同様に第1比較部と第2比較部とを備えている。従って、入力電流と基準電流との相互の差を持つ電流を並行して容易に生成することができる。
(3)第1比較部21aは、基準電流Ir1を流す定電流源C1aと、電流Iaから基準電流Ir1を減算して第1電流I1aを生成する第1ミラー回路M11aと、第1ミラー回路M11aを構成するトランジスタと異なる導電型のトランジスタにより構成され第1電流I1aをミラーした電流を生成する第2ミラー回路M12aとを備えている。第2比較部21bは、基準電流Ir1を流す定電流源C1bと、基準電流Ir1から電流Ibを減算して第2電流I1bを生成する第1ミラー回路M11bと、第1ミラー回路M11bを構成するトランジスタと異なる導電型のトランジスタにより構成され第2電流I1bをミラーした電流を生成する第2ミラー回路M12bとを備えた。従って、第1ミラー回路M11a,M11bに対する定電流源C1a,C1bの接続形態により電流Ia,Ibと基準電流Ir1との相互の差を持つ第1電流I1aと第2電流I1bとを容易に生成することができる。そして、第2ミラー回路M12a,M12bは、電流の流れる方向によってミラーすることができないため、該第2ミラー回路M12a,M12bを構成するトランジスタT23a〜T25a,T23b〜T25bの導電型に対応する正の符号を持つ電流が出力され、導電型に対応しない負の符号を持つ電流が出力されない。従って、絶対値を持つ電流を容易に出力することができる。
(4)第2ミラー回路M12a、M12bは、増幅率が1に設定され、2段目以降の演算セル12〜14に備えられた定電流源は、それぞれの前段の演算セル11〜13に備えられた定電流源が流す基準電流の1/2の基準電流を流すように構成されている。従って、各段の第2ミラー回路M12a,M12bを構成する複数のトランジスタT23a〜T25a,T23b〜T25bが同じ電気的特性を持つように構成すればよく、形成が容易である。
(5)入力部11aは、アナログ入力電流Aiをミラーして第1比較部21aに供給する第1電流Iaと第2比較部21bに供給する第2電流Ibとを生成するようにした。従って、第1演算セル11を構成する演算部11bを第2〜第4演算セル12〜14と同じ構成にすることができる、つまり、同じパターンをビット数に応じて繰り返し形成することで演算部11b及び第2〜第4演算セル12〜14を生成することができ、容易に複数ビットのA/D変換回路を構成することができる。
(6)エンコーダ15は、各段の演算セル11〜14に対応するエンコーダ部11a〜11dを備える。初段の演算セル11に対応するエンコーダ部15aは、第1比較部21aにより生成された第1電流I1aと第2比較部21bにより生成された第2電流I1bが入力され、該第1電流I1a及び第2電流I1bを差動増幅して初段の演算セル11に対応するビットを決定する差動増幅回路51を備えた。2段目の演算セル12に対応するエンコーダ部15bには、第1比較部22aにより生成された第1電流I2aと第2比較部22bにより生成された第2電流I2bが入力される。エンコーダ部15bは、第1電流I2a及び第2電流I2bを差動増幅した信号S1を出力する差動増幅回路61と、該差動増幅回路61の出力信号S1と前段のエンコーダ部15aの出力信号D3に基づいてデジタル値のビットを決定するビット調整回路63とを備える。このビット調整回路63により、各段の演算セル11〜14において絶対値を持つ電流を次段の演算セルに対して出力すればよくなり、各段における回路規模を小さくすることができる。
尚、前記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
○上記実施形態において、各段の演算セルにおける基準電流の値を、A/D変換の分解能により設定しても良い。例えば、分解能を5μAとした場合、4ビットのA/D変換回路10では、第1演算セル11における基準電流Ir1を40μA、第2演算セル12における基準電流Ir2を20μA、第3演算セル13における基準電流Ir3を10μA、第4演算セル14における基準電流Ir4を5μAに設定する。
○上記実施形態では、エンコーダ15に各段に対応し各段の演算セルの出力電流を互いに比較する差動増幅回路を備えたが、該差動増幅回路を各段の演算セル11〜14に含める構成としてもよい。
○上記実施形態では、各演算セル11〜14の第2ミラー回路を、同じ電気的特性を持つ3つのMOSトランジスタにより構成したが、第2ミラー回路の増幅率(入力電流値に対してミラーされる2つの電流の比)を変更しても良い。同じ電気的特性を持つMOSトランジスタにより第2ミラー回路を構成した場合の増幅率は「1」(入力電流に対する出力電流の比が「1」)である。この増幅率を、例えば「2」に設定する、つまり、入力電流の2倍の電流を流すようにMOSトランジスタを形成する。このように第2ミラー回路を構成した場合、各段の演算セルに含まれる定電流源が流す基準電流を同じ値に設定することができ、比較精度の低下を抑えることができる。
通常、逐次比較型A/D変換回路の場合、比較回路の段数が多い、又は比較回数が多くなると、その段の回路(回数)における入力電流(アナログ量)と比較する基準電流の値が極めて小さくなる。例えば、10ビットのA/D変換回路の場合、初段の回路における基準電流を512μA(マイクロアンペア)とした場合、最終段の回路における基準電流は1μAとなる。このように微少な基準電流を流す定電流源を作成することは困難であり、基準電流にバラツキを生じる。このため、LSB(Least Significant Bit )側のビットの精度が悪くなる。
しかし、上記のように第2ミラー回路の増幅率を例えば2倍に設定することで、各段における基準電流を同じ値に設定することができる。このため、微少電流を流すことができる定電流源を作成する必要もなく、LSB側におけるビットの精度低下を抑えることができる。
○上記各実施形態では、A/D変換回路10をMOSトランジスタにより構成したが、バイポーラトランジスタ、Bi−CMOSトランジスタ等により構成してもよい。
一実施形態のA/D変換回路のブロック回路図である。 初段の演算セルと2段目の演算セルの回路図である。 エンコーダの一部回路図である。
符号の説明
11〜14 演算セル
11a 入力部(入力回路)
11b 演算部(演算セル)
15 エンコーダ
15a〜15d エンコーダ部
21a,22a 第1比較部
21b,22b 第2比較部
Ai アナログ入力電流
Do デジタル信号
Ir1〜Ir4 基準電流
Ia,I1a 第1電流
Ib,I1b 第2電流
C1a,C1b 定電流源
M11a,M11b 第1カレントミラー回路(第1ミラー回路)
M12a,M12b 第2カレントミラー回路(第2ミラー回路)

Claims (8)

  1. アナログ入力電流を複数ビットのデジタル値を持つ信号に変換するA/D変換回路であって、
    前記デジタル値のビット数と同数設けられ、直列接続され、入力電流と基準電流との差を演算し、該差の絶対値を持つ電流を出力する演算セルと、
    前記各演算セルの演算結果に基づき前記デジタル値の各ビットを決定するエンコーダとを備え
    前記演算セルは、
    入力電流から基準電流を減算して第1電流を生成する第1比較部と、
    基準電流から入力電流を減算して第2電流を生成する第2比較部と、
    を備え、前記第1電流又は前記第2電流を前記差の絶対値を持つ電流として出力することを特徴とするA/D変換回路。
  2. 前記第1比較部は、基準電流を流す定電流源と、入力電流から前記基準電流を減算して第1電流を生成する第1カレントミラー回路と、前記第1カレントミラー回路を構成するトランジスタと異なる導電型のトランジスタにより構成され前記第1電流をミラーした電流を生成する第2カレントミラー回路とを備え、
    前記第2比較部は、基準電流を流す定電流源と、前記基準電流から入力電流を減算して第2電流を生成する第1カレントミラー回路と、前記第1カレントミラー回路を構成するトランジスタと異なる導電型のトランジスタにより構成され前記第2電流をミラーした電流を生成する第2カレントミラー回路とを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載のA/D変換回路。
  3. 前記第2カレントミラー回路は、増幅率が2に設定され、
    各段の前記演算セルに備えられた定電流源は同じ値の基準電流を流すように構成されたことを特徴とする請求項2に記載のA/D変換回路。
  4. 前記第2カレントミラー回路は、増幅率が1に設定され、
    2段目以降の前記演算セルに備えられた定電流源はそれぞれ前段の演算セルに備えられた定電流源が流す基準電流の1/2の基準電流を流すように構成された
    ことを特徴とする請求項2に記載のA/D変換回路。
  5. 初段の演算セルは、
    前記アナログ入力電流から前記第1比較部に供給する第1電流と前記第2比較部に供給する第2電流とを生成する入力部を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜4のうちの何れか一項に記載のA/D変換回路。
  6. 前記アナログ入力電流を入力し、該アナログ入力電流をミラーして前記第1比較部に供給する第1電流と前記第2比較部に供給する第2電流とを生成する入力回路を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜4のうちの何れか一項に記載のA/D変換回路。
  7. 前記エンコーダは、各段の演算セルに対応するエンコーダ部を備え、
    初段の演算セルに対応するエンコーダ部は、前記第1比較部により生成された第1電流と前記第2比較部により生成された第2電流が入力され、該第1電流及び第2電流を差動増幅して初段の演算セルに対応するビットを決定する差動増幅回路を備え、
    2段目以降の演算セルに対応するエンコーダ部は、前記第1比較部により生成された第1電流と前記第2比較部により生成された第2電流が入力され、該第1電流及び第2電流を差動増幅した信号を出力する差動増幅回路と、該差動増幅回路の出力信号と前段のエンコーダ部のデジタル値に基づいてデジタル値のビットを決定するビット調整回路とを備えた
    ことを特徴とする請求項1〜6のうちの何れか一項に記載のA/D変換回路。
  8. 前記ビット調整回路は、前段のエンコーダ部のデジタル値が「0」の場合に前記差動増幅回路の出力信号を反転した値を当該ビットとすることを特徴とする請求項7記載のA/D変換回路。
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